言葉のごった煮>トップへ

ANOTHER TRU CALLING
アナザー トゥルー・コーリング

Legacy

あらすじ。
トゥルーとハリソンは彼らの母親とトゥルー両方に年を隔てて助けを求めた女性を追跡調査します。
けれども彼女はトゥルーの必要とする答えを持っているのでしょうか?

トゥルーは弟が10分前に彼女の顔の前で振り回していた紙を見ました。
「それでいつ行く?」 ハリソンは尋ねました。
トゥルーはハリソンを見ると再び紙に目を戻しました。
「あたし達は行かないわよ」とトゥルーは朝食を摂っているカフェのテーブルの向こうへとその紙を押し戻して答えました。
「どうして?」 ハリソンは尋ねました。
「なぜってこの人が真実を話しているのかどうかと思うとね、それに行き詰まりを見に行くようなもんだから」
「姉さん、彼女の話と姉さんの間には何か奇妙な一致があることを認めろよ」とハリソンは持ってきた新聞の切抜きを取りながら言いました。
「この記事を見ろよ。彼女は日々を再び体験しているって言ってるし、それに日付を見ろよ。
ちょうど母さんが死んだ後から彼女は日々を再び体験し始めている」
「あんたが自分で言ったことでしょ」とトゥルーがため息をついて言いました。
「偶然の一致よ」
「でもそうじゃないとしたら?もし、姉さんの前に彼女が天命を持っていたとしたらどうだ?」
ハリソンはさらに切抜きにくまなく目を通しながら興奮して尋ねました。
「あたし達がその事を確実に知る術はないの」とトゥルーが言いました。
「それはおそらく彼女が混乱状態になったのを回避しようとしたために作った作り話よ、間違いなく偶然の一致よ」
「でも彼女は真実を話しているかもしれないじゃないか」とハリソンが強く主張しました。
「俺たちは母さんが死ぬまで天命を持っていたことを知ってる。
デイビスは母さんの死後に死体の数が増えた事を知っている。
姉さんは去年からやり直しの体験をし始めた。
もしこの人が姉さんと母さん2人の間のギャップを埋める人だとしたらどうだ?」
「あるいはジャックとママとのギャップなのかもね?」。
トゥルーは外に目を向けました。
新聞では全くこの女性が模範的な市民であることを示していませんでした。
彼女は再び新聞を見ました。
トゥルーは新聞の女性は自制心がないのを感じ取れました。弟は気がふれた女性を訪問しようというアイディアをだしてきたのです。
「他にもあるぞ」とハリソンは新聞の記事の中に良く知っている文を見つけて言いました。
「ここの日付を見てみろよ」
トゥルーはハリソンがどこを指さしているのかと覗き込みました。
その日付は誕生日と同じぐらいよく知っていました。
新聞の女性が最初にやり直しを体験した日付はリラ・ウォルターズが冷酷に人を撃ち殺した日付でした。
今の人生に至った犯罪だったのです。
「彼女があたし達にどんな話をすると思うの?」トゥルーは尋ねました。
「彼女はジャックと同じかもしれないのよ」
「ああ、まあ、ジャックみたいなのかもしれないけど」ハリソンはぶつぶつ言いました。
「でも俺たちが失うものは何もないだろ?」
「諦めが悪いわね?」トゥルーは薄笑いして尋ねました。
「ああ」ハリソンはにっこり笑いました。
「真剣に考えてくれよ。彼女は姉さんの全ての疑問への答えを持っているかも知れないんだぜ」
「あるいは彼女は気がふれてるだけなのかも」とトゥルーは言いましたが、そこへ行ってそして女性と話をしようと思いました。
彼女はただリラ・ウォルターズに多くの質問ではなく彼女のために何がしかの答えを持っていることを希望しただけでした。

--------------------------------------------------------------------------------

リラ・ウォルターズは殺人犯のように見えませんでした。
トゥルーが面会室の中に入っていき真向かいに座っているすてきな女性を見た時の第一印象でした。
「あなた達は私の弁護士のオフィスから?」とトゥルーとハリソンがテーブルに座るとリラは尋ねました。
トゥルーはうなずかないで姓を言わずに自分とハリソンを紹介してリラが何をしていたか知っているように見せました。
「前にリチャードに話をしました。この話を繰り返しても何も答える事はありませんよ」
リラは席に深く腰掛けるとトゥルーは彼女の鋭い凝視に落ち着かず向きを変えました。
ハリソンが父親のオフィス等を探し回り、リチャードが彼女の裁判での弁護士を務めたことが分かった後
二人して父親の退社後に私的ファイルを盗み見した事はこの場では言わない方がいいと思いました。
二人は彼女を訪問する価値があるのかどうか調べるため小さな物音にビクビクしながら懐中電灯の明かりを頼りにオフィス内を嗅ぎまわっていました。
「まず最初にあなたの動機から聞きたいんですけど」トゥルーは始めました。
「もしあなたが私のファイルを読んだのなら私が何て言ったか分かってるでしょ」
「それは読みました」とトゥルーが答えました。
「でももう一度あなたの口から直接聞きたいんです。 もしあなたが嫌だと思わないなら」
リラは肩をすくめました、そして彼女の視線はドアのそばに警備員に動きました。
彼女は少しため息をついてトゥルーに振り向きました。
トゥルーは彼女の視線に少し震えました。
「彼は殺人犯だったわ」リラは始まりました。
「彼はこの刑務所の中の全ての殺人犯を集めたより多くの人々を殺していたわ」
「報告では彼には犯罪歴がなかっと書かれていましたが」とハリソンが言葉をさしはさみました。
「彼は普通のタイプの殺人者じゃなかったわ」とリラがきつい微笑で答えました。
「いいえ、彼は大衆の前を自由に歩いていた殺人者だったのよ。
彼の犠牲者は事故や悲劇によって報告されてるわ。
犠牲者の死が明らかに殺人だった時でも、彼は大手を振って自由に歩いていたわ、他の誰かが引き金を引いていたから」
トゥルーはリラが何を話しているのか分かり始めると心が逸るのを感じ始めました。
リラは誰かを殺す事によって犠牲者の命を救うため自分自身の自由を犠牲にしたのだと思いました。
今トゥルーとハリソンは間違った結論に飛びついていたことに悟りました。
「どうして彼を警察に通報しなかったの?」すでに答えを知っていましたがトゥルーは尋ねました。
「何回かやってみたわ」リラは肩をすくめました。
「でも信じてもらえなかった、それに私の言葉だけで証拠もないわ。それがあなた達が知りたかった事?」
トゥルーはリラを見ながら席から立ち上がりました。
「いいえ」とトゥルーは頭の振りながら言いました。
「もう1つ質問があるの。彼も同じように一日をやり直していたの?」
リラは顔面蒼白になって背もたれに背を打ち付けました。
「誰にもその話をしてないのに」と彼女がささや声で言いました。
「その事は絶対に誰にも言わなかったはずよ」
「それで彼もそうなんだね?」ハリソンは尋ねました。
「ええ」とリラがうなずきました。
「彼は何年もの間私と対立してたわ。私がやり直しをすると彼も戻ってきたの。
毎回私に助けを求めた人々を救う私の努力を彼が邪魔をするのよ。
最初の頃は彼よりも私のほうが数回は勝って(まさって)いたわ。
それから次第に彼は私を出し抜いて成功するようになってきたの。
彼は私の行動をあらかじめ予期する事ができたのよ。
結局私は彼のために犠牲者の全てを失っていたわ。
彼を止めることができなかった。
彼がそこにいたやり直しの日は、私を傷つけて、私に不利に働いて。
それで私は会うことを予期できない普通の日に彼を追い詰めて…後はあなた達の知ってる通りよ」
「あなたは故意に彼を殺したのね」とトゥルーが小さな声で言いました。
「それが彼を止める唯一の方法だったの。もし彼がいなければ、また彼らを救い始めることができると思ったのよ」
「あなたはその後にやり直す力がなくなるとは思わなかったの?」トゥルーは尋ねました。
「いいえ」とリラが答えました。
「捕まる事なんて考えてなかったわ、それに裁判も大失敗だった」
「多分陪審に一日をやり直すという話が良くなかったんだな」とハリソンが指摘しました。
「そう思うわ」とリラが言いました。
「リチャードは真実を話すことによって精神異常の申し立てをしようとしたんだけど、それはうまくいかなかったわ。
その事を理解したときにはもう遅すぎだったの」
「それじゃ、やり直しを止める唯一の方法は二人のうちどちらかが死ぬ事だったんだな。俺はジャックを選ぶぜ」とハリソンが言いました。
「ジャック?」 リラは険しい顔つきで尋ねました。そして彼女がトゥルーを見たとき彼女の目は驚いて見開きました。
「あなたは?」
トゥルーは静かにうなずきました。
「あなたの天命は去年私に移ったの。 ジャックは私と対立する男よ」
「それじゃ、終わってなかったのね」とリラが言いました。
「あなたに降りかかってしまったのね」
「そのようね」トゥルーは警備員を一瞥すると頷きました。
警備員は聞いているようには見えませんでしたが確実にそうだとは言い切れませんでした。
「天命についてほかに何を知ってるんだい?」
ハリソンは全く警備員が聞いているかもしれないということを心配せずに話し出しました。
「あんまりよくは」とリラが答えました。
「何年もの間調べてみたけど、何も具体的には分からなかったわ。偽りのレポートが沢山。
いくつかは非常に説得力があったけどそれもウソ。
私と同じようにやり直す事ができる人なんて誰もいなかった。
多分少なくともその地域的には一度に一人なんだと思う。
もっとも遠くの場所を調べるチャンスはなかったけど」
「二人よ、ジャックとフィリップを数にいれるんなら」とトゥルーが熟考しました。
「相対するものがいなければ存在することはできないのかも」とリラがうなずきました。
「フィリップが死んだ時私のやり直しは終わったわ。
もしジャックが死んだらあなたも同じようにやり直す力がなくなるはずよ。
別の誰かに移るでしょうね」
「俺が奴を消してやるよ」とハリソンが冗談を言うとトゥルーは目を瞬かせハリソンをにらみつけました。
リラは返事の変わりに彼女に微笑を向けました。
「私には誰にも打ち明ける人がいなかったわ」とリラが言いました。
「それは俺たちは家族だからさ、なあ、姉さん」ハリソンは笑みを浮かべ言いました。
「あなた達が弁護士の依頼で来たわけじゃないの?」リラはささやきました。
「正確じゃないけど」とトゥルーがささやきました。
「リチャード・デイビーズはあたし達の父親なの」
「ああ」とリラがうなずきました。
「でもあなたの前にあたし達の母親も天命を持っていたのよ」とトゥルーが付け加えました。
「ハリーが家族だって言った本当の意味はそのことなの。
あなたがやり直しを体験し始める直前に母は死んだわ」
トゥルーが話すとリラは今まで思い出せなかった何かを思い出そうとするように見えたのでトゥルーはリラを見守りました。
トゥルーは彼女がそれが一体何であったかを継ぎ合わせるのを待ちました。
トゥルーはハリソンが何かを言おうとしたのに気づき頭を振って彼を止めました。
リラが眉間にシワをよせているのをトゥルーは熱心に見守りました。
廊下の外で起きていた騒ぎが部屋の中に及ぶまで誰もリラの後ろのドアが開いているのに気付きませんでした。
一人の囚人が彼女を抑えようとしていた警備員と争っていました、そして彼らはテーブルに向かって倒れ込んできました。
囚人の女性は手にナイフを持っていました、そしてとがった鋭い刃が警備員を刺すのをトゥルーは恐怖で見守りました。
部屋にいた警備員がその事態を止めようとトゥルーとハリソンを押しのけ前に進み出ました。
囚人はあばれまくっていました、そしてナイフがリラに近付いたのをトゥルーは激しい恐怖で見守りました。
警備員が部屋を満たしました。
そして囚人は警備員の監視下の下でまもなく戻っていきました。リラと囚人を捕まえようとして刺された警備員は床の上で死んでいました。
トゥルーはリラを見ました。もっと多くの答え、どんな希望もほんの一瞬の騒ぎの中で失われてしまいました。彼女は再び椅子に沈みこんでリラと警備員を見ました。
二人同時に目を開いてトゥルーの方に向きました。「私達を助けて」彼らが助けを求めるとトゥルーは時間を遡りました。

第2章。
トゥルーはハッとして目を覚ましました。
一瞬トゥルーはここがどこなのか分からなくなっていました。弟が運転席をしていて助手席で自分が居眠りをしていたのかさえ分かりませんでした。
トゥルーが車に乗っている時間に戻ったのは初めてではありませんでしたがそれにもかかわらず当惑しました。
しかしながらハリソンが運転をしている状態で車の中でやり直しが起きハッとして前へがくんと倒れるのを初めてハリソンは経験しました。
ハリソンはすぐに路肩に寄ってエンジンを止めました。
「姉さん?」と彼は心配して尋ねました。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫よ」とトゥルーが微笑しながら答えました。
「ただ車で居眠りした事を忘れてて、部屋で目を覚ますと思ってたから」
「今やり直しになったのか?」 ハリソンは驚いて尋ねました。
「でも今日は仕事じゃないだろ?」
「そうね、でも死体を見つけるのは何もに死体安置所じゃなくてもできるんだよ」とトゥルーは携帯電話を取り出しながら言いました。
彼女はデイビスの番号をダイアルして彼が応答するのを待ちました。
「トゥルーか?」デイビスが尋ねました。
「もう終わったのか?」
トゥルーはデイビスが腕時計を見て刑務所に到着する時間を計算しているのを想像することができました。
「そこに行って彼女と話をしたんだけど、また同じ事をしようとしているところよ。
今回はできる限り彼女が話の途中で死なないようにしないと」
「やり直しか」とデイビスが言いました。
「俺は何をしたらいいんだ?」
「刑務所に先に電話をして、あたし達を安全な場所で面会できるようにできないかしら?」トゥルーは尋ねました。
「行く前にハリーに電話させるけどもうすぐ着くわ」
「もっと安全な場所?」デイビスが尋ねました。
「そこが一番安全な場所じゃないのか。刑務所だろ」
「安全じゃないのよ」とトゥルーがつぶやきました。
「あたし達がいる面会室に一人の囚人と警備員がなだれ込んできたの。その警備員とリラが二人とも殺されて助けを求めまてきたんだよ」
「できる限りの事はやってみよう」とデイビスが約束しました。
トゥルーは携帯電話をポケットに戻してハリソンの方に向きました。
「それで俺は何を知る必要があるんだ?」ハリソンは当惑した険しい顔つきで尋ねました。
「デイビスがやってくれるんなら事は簡単じゃないか」
「彼ならやってくれると思うわ」とトゥルーが答えました。
「その事じゃなくてリラの事よ。あたし達が間違っていたわ」
「彼女はやり直しをしてなかったのか?」ハリソンは失望して尋ねました。
「違うわ、彼女はやり直しをしてた」とトゥルーがため息をついて言いました。
「彼女はあたしやママとまったく同じように助けを求められる側だったのよ。
彼女はあたし達にやり直しを止める唯一の方法を教えてくれたわ。それはもう一人の方を追い出す事よ」
「つまりジャックを追い出すという事?」 ハリソンは尋ねました。
「奴は町を出て行く事はないぜ。それは間違いないと思う」
「そういう意味の出て行くじゃなくて、永久にいなくする事よ。彼女は自分の相手を殺したのよ」
「それじゃ、ジャックを殺すかい?」 ハリソンは邪悪な笑みで言いました。
トゥルーは目を泳がせました。
「他にも何かがあるわ」と彼女が言いました。
「リラは言ったわ、パパが陪審員にやり直しの事を話すことによって精神異常の申し立てをするように言ったって」
「それで?」どうしてという顔つきでハリソンが尋ねました。
「彼女が陪審員にやり直す事について話しているのを知ってるぜ」
「でもパパは彼女が正気ではなかったと思っていたの」トゥルーは弟に何を言おうとしているのか分かるように念押ししました。
彼女はその瞬間ハリソンの心の中で何か閃いたのに気づきました。
「姉さんは親父に天命の事を話そうとは決してしなかった」ハリソンは言いました。
「あんたはあたしの頭がおかしくなったと思ってたわ」とトゥルーが指摘しました。
「でもちょっと不思議に思ったの。もしママが天命のことをパパに話してたら。
ママが結婚する前から天命を持っていてその後死ぬまで持っていたとしたら、
あんたはママがパパに打ち明けていたと思わない?」
「二人は結婚してからもなかったんじゃないか」とハリソンが言いました。
「ほとんど普通で正直なタイプだとは思うけど、少なくとも親父の事に関係はないだろ」
「多分ね」とトゥルーが認めました。
「でもママはパパに話すことを考えたに違いないわ」
「多分母さんは親父が信じないと分かってたんだろ」とハリソンが答えました。
「でもずっとその事を秘密にしておけるの」トゥルーは外の道路に目をやって深く座り直しました。
時折車が通り過ぎるだけで道路はほとんどひと気がありませんでした。
「そんな事想像できなのよ。こんな秘密をずっと隠したまま、あんたなら愛していける?」
「何で俺に聞くんだ?」ハリソンは尋ねました。
「姉さんが俺を納得させようとしてるから真実を話しているのかと思ったぜ」
「誰かにあたしの頭がおかしくないって言って欲しかったんだ」とトゥルーが笑みを浮かべて言いました。
「あたしが間違ってた」
「少なくとも俺は確信を持ってきたぜ」とハリソンが笑いながら言いました。
「深刻なんだよ」とトゥルーは身を捩って弟の方を向きました。
「あたしがあんたに話したのはその事を秘密にしておくことであんた嘘をつきたくなかったからなんだよ。
ずっとあんたとあたし二人でやってきたんだよ、ハリー。秘密があたし達を隔てることは望んでないの。
あんたは遅かれ早かれ知ることになったはずなの」
ハリソンは少し姉の愛情表現に困り道路に視線を向けました。
「それじゃ、母さんが親父に話したと思うのか?」ハリソンは姉を興奮させないように尋ねました。
「分からない」とトゥルーが答えました。
「リラがパパの事について話したことから、あたしはママがパパに話したんじゃないかと思う、でもパパはママを信じなかった。
あるいはママはパパに話さなかったけどパパはママがずっと嘘をついていたことを知っていたのかも。
あたし達は家族がバラバラになった原因はパパのせいだって思ってた。
でもそんな事じゃなかったのかもしれない」
「母さんが天命を持っていた事が二人の関係をこじらせたって思ってるのか?」 ハリソンは言いました。
「可能性はあるわ」とトゥルーが答えました。
「あたしはルークとずっと一緒にて分かったの。いつも弁解をして彼に嘘をつく。
彼は嘘なのを知っていた、そしてそれがいつも二人を隔てていたわ。
それにあたし達は結婚してもいないし同居しさえしてなかった。
ママとパパみたいにずっと長い間冷静ではいられなかった。
もしパパが知らないかママを信じてなかったら、ママがやり直しをすることは二人の結婚生活に影響があったはずよ。
あたしにはそれが分からないのよ」
「じゃあ、親父は知っていて、母さんの事も信じてたんじゃないか」とハリソンが結論しました。
「それで姉さんは天命について親父に話をしようかと考えたんだ。
でも姉さんは親父がリラの事を正気じゃないって思ったように自分もそう思われるのが怖いんだよ」
「彼女が正気だって思う人がいる?」トゥルーは尋ねました。
「あたし達のほかに?」
ハリソンは静かに座ってハンドルの上で指を軽くたたきました。
「裁判では間違いなくいなかったさ」と彼がついに指摘しました。
「彼女は全ての善人のためにやったんだ。親父に何を望んでるんだ?」
「分からない」とトゥルーが答えました。
「どうしたいのか分からないのよ。もしパパがリラの話をどう思っていたのか分かれば助けになるわ。
リラはパパに真実を話してたと言ってた、そして彼女を精神異常の申し立てを行うように助言したわ。
でも本当に彼女の頭がおかしいと思ったのか、あるいはただ彼女の弁護に最善の助言をしたがけなのか?」
「親父のノートからは何も分からないな」とハリソンはオフィスに忍び込みファイルを見たときの事を思い出しながら言いました。
「そうね」とトゥルーは同意しました。
ハリソンは特別その情報を探していたわけではありませんし彼女もそうでした。
リラの話についてファイルには父親が何を考えていたかを示すものは何もありませんでした。
「親父が彼女の話を信じたのかリラに聞いてみたのか?」 ハリソンは尋ねました。
「そんなに詳しく聞く時間がなかったわ」とトゥルーが答えました。
「今日はもっとよく聞こうと思う」
「じゃあ、そろそろ行くか?」ハリソンはエンジンをかけながら言いました。
「ええ」とトゥルーが言うとハリソンは道路に戻ろうと車を動かしました。
「二十分遅れてるな」
「大丈夫か?」とハリソンは静かに考えに没頭しているトゥルーに尋ねました。
トゥルーはうなずきました。
「他にも何か話があるのか?」ハリソンは姉の考えを読み尋ねました。
トゥルーは再びうなずきました。
「何だ?」とハリソンは尋ねると再び車を路肩に寄せようかと思いました。
「本当の事を彼女に話したんだ」とトゥルーがついに答えました。
「姉さんのことか?」 ハリソンは尋ねました。
「俺達のことを信じたのか?」
「そう思う」とトゥルーが答えました。
「あたしとジャックとママの事を彼女に話して、そしてあたし達が父親の会社で働いてないって言ったわ」
「何も彼女に会うのにウソをつかなきゃならないほどじゃないだろ?」
ハリソンは答えが分かっているかもしれないという調子で尋ねました。
もし入るのに問題があったなら彼は何とかできるだけの技術を持っていました。
「ううん、それは大丈夫なの。
とにかく昨日の事だと思って聞いて」とトゥルーはいくぶん彼の心を落ち着かせようと言いました。
「あたしが彼女にリチャード・デイビーズは父親で、彼女の前にママが天命を持っていたって言ったとき…」
「何?」ハリソンは押しました。
「分からない」とトゥルーが落胆したため息で答えました。
「彼女は何かを理解したかのようだった、でも彼女が何かを言う前に彼女は死んだの」
「それが何か重要な事だと思うのか?」
「ええ」とトゥルーが答えました。
「それが非常に重要な事だと思う。今回は彼女が死なずに話してくれるように願うわ」
「じゃあ、光明は見えたな」とハリソンが言いました。 「少なくてもジャックは今日問題を起こすには離れ過ぎてるし」
「小さな幸運に感謝だわ」トゥルーが言うと二人は刑務所に到着しました。
何か悪いことが起きたのかとトゥルーは45分後に険しい顔つきになりました。
昨日は二人の名前を訪問リストに書くとすぐに中に入っていけました。
今日は昨日二人を通した同じ人が小さな声で電話をしながら慎重に二人を見て、二人は机の前で立ち往生していました。
「何かが違ってる」とトゥルーがハリソンにささやきました。
「昨日はここで足止めをくわなかったのに」
「多分俺たちは昨日より少し遅れて着たからじゃないか」とハリソンが言いました。
「そうは思えない」とトゥルーは神経質そうに周りを見て答えました。警備員が二人の後ろに現われたとき彼女は驚きました。
「私と一緒に来てくれませんか?」と警備員はトゥルーとハリソンをリラに会うのに入ったドアではない方を指しながら言いました。
トゥルーは何が起きたのかと警備員の後に従いながら長い廊下を歩いていると刑務所長のオフィスへと到着しました。
「座って下さい」と刑務所長は自分の机の前のイスを示しました。
二人が座ると刑務所長は書類を捜しました。
「なるほど、君たちはウォルターの弁護士の代表者としてチェックインしたんだね。間違いないかね?」
トゥルーとハリソンは心配そうに目をかわしました。
「そうではないようだね」と刑務所長は二人をにらみつけて続けました。
「実際今朝連絡を受け取った後で、私はウォルターの弁護士に電話をかけることにした、
そして彼らは給料支払い名簿にハリソン・デイビーズという人物はいるがトゥルー・デイビーズという人物はいないと言っている。
そして今回は誰もが彼女に会う予約はしていないのを確認した」
トゥルーは彼らがなぜ今日は調べたのかと思い眉をひそめました。 彼女はこれがデイビスの電話によりセキュリティの強化になったのかと思いました。
「君たちは囚人の脱走を支援することは非常に重大な犯罪であることを知っていると思うが」と刑務所長は立ち上がって二人をにらみつけました。
「何だって?」ハリソンは口走りました。
「君たちはリラ・ウォルターズの脱走を支援するつもりで身分を偽ってここに来たことを否定するのか?」と彼が尋ねました。
「ああ、否定するね」とハリソンはトゥルーが用心深く頭を振るのを無視して答えました。
「じゃあ、デイビーズ君、私が今朝受け取った情報が示すものはなにかね」
「何の情報ですか?」トゥルーはハリソンを黙らせるため手をハリソンの腕に置き尋ねました。
「調査エージェントからの情報だ」と刑務所長は独りよがりの笑みを浮かべ言いました。
「彼らは君らが脱獄を計画しているのを知ってしばらくの間君ら二人を追跡していた、そして今朝私に情報を送ってきたんだ」
「それはでたらめだ」とハリソンはトゥルーの手を振り解いて言いました。
「君らがそこに持っているそのファイルを私に見せられるのかね?」と刑務所長が尋ねました。
「これは証言拒否権がある法律書類です」とトゥルーは素早く書類を自分に引き寄せ言いました。
「デイビーズさん」と刑務所長が彼女への恩着せがましく見て言いました。
「我々はすでに君がウォルターズの弁護士の仕事に関係ないことを知っている、
もし君が持っているものが法律書類であるなら、明らかに不法にそれらを得たことになる」
「俺はリチャード・デイビーズの元で働いている」とハリソンが指摘しました。
「だが君は公式にここに来たわけではない」と刑務所長が答えました。
「それは君も重大な問題にいることを意味する」
「弁護士に話をさせてくれ」とハリソンが言うとイスに座り胸の前に腕を組みました。
刑務所長は彼をにらみつけて立ち上がりました。
「何とかしてみよう」と刑務所長は歯を食いしばり部屋を出て行きました。
「デイビスは一体何を言ったんだ?」 ハリソンはドアが閉まるとすぐに尋ねました。
「デイビスじゃないと思う」とトゥルーは机を指さして言いました。
「それを見て」
ハリソンは前を覗きました。 メモ用紙には「J. H. 調査」と書かれ説明と二人の名前も読み取れました。 彼は肩をすくめました。
「J.H」トゥルーは眉を上げ繰り返しました。
「ジャック・ハーパーか」とハリソンがうなり声で言いました。
「遠くに離れてるから干渉できないと思っていたのに」。
「すぐにでも話をしないと」とトゥルーがため息をついて言いました。
「それがどうなってもかまわない?」
ハリソンは後ろを振り返ってドアを見るとトゥルーに向かい頭を振り肩をすくめました。
「あたしもよ」とトゥルーも言いました。
「でも速く何か考えた方が良いわ、リラが死んだとしてもし彼女がまた助けを求めても、あたしは彼女の近くにいないから」
 

つづく
(訳注:本家サイトでつづくとなっていますが2006.9現在まだ書かれていません)