恋 唄

恋唄

1.I love you だけが愛を告げる言葉じゃないと、君は醒めきった瞳で呟く
 誰にでも愛される権利はあるのだと、君は立ち止まったまま呟く
 I love you だけが愛を唄う言葉じゃないと、君は冷え切った手で涙を拭う
 ひとつ位 悲しい思い出があるのだと、君はコートの襟を立てる

  いつの間にか少し君は大人になった
  あれ程嫌がっていた大人になった
  君の愛していた唄がこの町に流れる
  想い出を探しているのか君は目を閉じる
  君の言いかけた言葉を想い出そうとしてる
  僕も少し大人になった

2.さよなら だけで愛は全て終わるのですかと、君はブランコに座って呟く
 誰にでもいつかは別れが来るのだと、君は独り言のように呟く
 さよなら だけが街の中に流れていると、君は虚ろな目で空を見上げる
 薄く曇った冬空が悲しいくらいだと、君は空を見つめたまま

  いつの間にか少し君は大人になった
  あれ程嫌がっていた大人になった
  君は愛してた唄に涙をこぼして
  淋しい唄だったのねと無理して笑った
  僕は言いかけた言葉を飲み込むように
  独り慣れないタバコに火をつける

  君の愛していた唄がこの町に流れる
  想い出を探しているのか君は目を閉じる
  君の言いかけた言葉を想い出そうとしてる
  僕も少し大人になった