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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン3.03Extinction[絶滅]

第1幕:プロローグ
学生たちはスモールビル高校にいます。日中。
ドアの上に「お帰りなさい!」と書かれた垂れ幕があります。
ドアのすぐ外でペットボトルの水をがぶがぶ飲んでいるジェイク・パレンがいます。
ヴァン・マクナルティーが歩いてきてジェイクの隣りに座ります。

ヴァン:息継ぎもしないのか?
ジェイク:俺はのどが渇いてるんだ。飲んじゃダメなのか?
ヴァン:来いよ、車で送ってくから。
ジェイク:人を待ってるんだ。

ラナが出て来るのと同時にジェイクとヴァンはドアの方を見ます。
彼女は彼らに気づかず通り過ぎます。

ヴァン:ラナ・ラングだ。非常に個性的だな。
ジェイク:俺は彼女がまた一人になったって聞いたぜ。
ヴァン:それって彼女のオフィシャル・ストーカー・ウェブサイトに書かれてたのか?
ジェイク:彼女にストーカーしたことはない。
ヴァン:いいや、お前は彼女のスケジュール全てを記憶してるからな。

ラナが自分の車に入り込むのを彼らは見つめます。

ヴァン:あの娘、シークレットサービスに頼まなきゃならないほど沢山彼女を尾行している男たちがいるからな。

ジェイクは立ち上がるとラナに向かって歩き始めます。
ヴァンは笑って頭を振ります。

ジェイク:[ラナが車を始動させると]ハイ。
ラナ:[親しげに]ハイ。

ラナは運転してその場をあとにします。
ヴァンがジェイクのとこまで歩いてきて彼の背中を軽くたたきます。

ヴァン:非常にスムーズだな。多分あと10年でお前は確実に外に完全に書き上げることができるな。
ジェイク:またあとでな。

ジェイクは立ち去ります。

スモールビル高校のスイミングプールで。夜。
ラナはプールにたった1人でいます。
水着を着た彼女は飛び込み台に近づきます。
彼女は飛び込み台からジャンプしプールの向こう端に向かって泳ぎます。
彼女の泳ぎ方はほとんど音もさせず水しぶきもあまりたちません。
彼女はプールの真ん中で泳ぎをやめると辺りを見回します。

ラナ:誰?

誰も辺りにはいません、彼女は向こうサイドに向かって泳ぎを続けました。
しかし彼女の下、プールの底にはジェイクが座っていました。
彼女は端まで来るとターンをしているのをジェイクは静かに彼女を見上げています。
彼女がプールの端近くまで泳いだときジェイクは水の中で彼女の足を引っ張り込み、彼女は悲鳴を上げます。

ラナ:キャー!

彼は後ろからラナを掴み水の中へと引きずり込みます。
ラナは向きを変えると彼の顔を拳で殴りました。
しかし彼女が苦闘し続けるもジェイクはしっかり彼女にしがみつきます。
ついに彼女はジェイクの腹に蹴りを入れると自由になって水面へと顔を出します。

ラナ:助けて!助けて!

ジェイクは彼女の後ろへ回り手を彼女の首にかけ締め上げます。
ラナは身を捩り蹴りますが抜け出す事ができません。
かすかな発砲音が聞こえると弾丸は水中にいるジェイクの背中に当りました。
ジェイクはすぐにぐったりとなり水の中で彼の背中から血が上へとあがっていきます。
ラナは泳いで離れるとジェイクは水底へと沈みその脇には小さな緑のクリプトナイトがありました。
隕石には白いインクで「フリーク」と書かれています。
ラナは水面に戻ると息を切らしパニックになりながらもプールサイドへと泳ぎ着き2階の窓を見上げました。
彼女は急いで逃げる銃を持った人影を見ます。
彼女はプールから出て行きました。

第1幕 場面 1。
ピートとクラークはスモールビル高校の廊下を歩いています。日中。
ピートは壁のそばに置いてあるスモールビルトーチの最新号を手に取ります。
一面にはラナの写真と「謎の狙撃者がスモールビルの学生を救う!!ガンマン、プールで攻撃」という見出しがありました
ピートがクラークに新聞を見せながら歩き続けます。

ピート:お前のようなヒーローだな、ピンチヒッターができたじゃないか。
クラーク:僕はこれをヒーローって言えるどうかわからないよ、ピート。ラナが無事だったのは嬉しいけど。
ピート:ああ、知ってるよ。ラナに会ったか?
クラーク:今はラナの周りにいない方がいいんだ。

アダムス保安官と数人警察官が二人の脇を通り抜けロッカーへ行きジェイクのロッカーを開けてチェックします。
ピートとクラークを含めた数人の生徒が何が起きているのか見ようと立ち止まります。

アダムス:この場から離れて。

クラークとピートは再び歩き始めます。

ピート:俺はまだジェイクが泳いでるラナを襲ったなんて信じられないぜ。

クロエがピートの会話を聞いて彼らに合流します。

クロエ:ええ、あたしも同じよ、彼がプールサイド通り魔タイプだと断言はできないわ。
    でもジェイク・パレンが平均的な高校生だったとも思えないわ。

クラーク、クロエ、ピートの三人はトーチオフィスに入っています。

クラーク:どうしてそう思うんだ?
クロエ:彼の遺体の脇に「フリーク」って書かれた隕石があったの知ってる?
     [コンピュータの前に座ります。]
    実地見学でクレータ湖に行った時あたしが、そのー、桟橋から鍵を落したの覚えてるでしょ?
ピート:[笑いながら]ああ。海軍のシール部隊と呼ぼうとしたんじゃなかったけ。
クラーク:ジェイクが潜って鍵を見つけたんだ。
クロエ:その通り、6分間も水の中にいたんだよ。デイビッド・ブレイン(マジシャン)かヒマラヤのヨガのマスターでもなきゃ不可能よ。

クラークがクロエのパソコンを覗きます。

クラーク:ねえ、そのリストは何?
クロエ:ああ、ただの直感、まあいわば多くのデータよ。どちらかって言うと苦行みたいなもんかな、奇妙な事だと格付けする前のね。
クラーク:[リストに載っているジェイクの名前を指し示し]ジェイクの他のファイルはある?

クロエはジェイクのファイルからいくつかの情報を画面に呼び出しました。

クロエ:まあ、あたしはしばらく前から隕石の影響を受けて水陸両用の能力を身に付けたんじゃないかなって思い始めてたんだ。
ピート:これって誇張しすぎてないか、クロエ?
クラーク:ジェイクが不可解だとは思わないけど。つまり、少し変だと思わないか?
       ラナが攻撃されているまさにそのときにライフル銃を持った男が現れるなんてさ?
クロエ:もしあなたが謎の自警団員を見つけ出すのを手伝ってくれるんならジェイクの調査をしてあげてもいいけど。
クラーク:[少し間を置き]それはここの仕事をしてもいいってこと?
クロエ:ええ、あなたが抜けた後の人選はまだしてなかったからね。

クラークは微笑んでピートをちらっと見ます。

クロエ:ねえ、クラーク、実は今、ディリー・プラネットのコラムで忙しくてさ、でもあなたが帰ってきてくれると嬉しいんだ。

クラークは受け入れて明るく微笑します、そしてクロエも微笑を返します。

第1幕 場面 2。
ルーサー・コープの外。日中。
ライオネルはオフィスで携帯電話で話をしています。

ライオネル:分かった、博士、レックスを週末までに調査に立ち寄らせよう。分かった。
        [静かにスーツを着たレックスがブリーフケースを持って入ってきます]
        そして、あー、ボブ。ありがとう。[電話を切ります。]レックス。ルーサー・コープよく帰ってきた。
レックス:俺は去った事などなかったように思うけど。

ライオネルは笑って腕をレックスの背中にまわします。

ライオネル:お前のオフィスは私の隣だ。川が見えるいい眺めだぞ。
レックス:そういう意思表示はありがたいですが、しかしここに風景を楽しみにきたわけじゃありません。利益を生み出しに来ている。
ライオネル:レックス、レックス、お前にはもう仕事があるぞ。

ライオネルは微笑して机からファイルをとりレックスにそれを手渡します。

ライオネル:今日からお前は行政部に入いった、少し書類に書き込む作業が要だ。コーヒーは?
レックス:結構です。

ライオネルは自分のコーヒーを注ぎ、レックスはファイルを見ます。

レックス:企業の生命保険?
ライオネル:全ての上位レベル従業員の標準だ。
レックス:5千万ドルが標準?
ライオネル:自分の価値を過小評価するな、息子よ。
        [間があり]気が進まないようだな、レックス。私には理解できんな。
レックス:あなたが死んだらこの価値がどうなるのかと考えるとね。
ライオネル:違うぞ、レックス、私はお前とこの不信感を乗り越えて一緒に働くのを望んでいるんだ。
レックス:いわゆる常識って奴ですか。
ライオネル:[レックスの肩に手を置きます。]いや、いや、お前は法人資産なんだよ、レックス。
       もし何かがお前に起こったなら、会社はその損失に対して支払をしなければならん。
        [レックスは返事をしません。]
       分かった。もしそれがお前にとって容認できないというなら、分かった。
       お前は、あー、ここを出る時にネルソンにお前のセキュリティカードを渡すがいい。

レックスがライオネルを疑い深く見るとライオネルはコーヒーの場所へと引き返します。

第1幕 場面 3。
タロンでお客がラナにクレジットカードを手渡します。日中。
ラナがカードを持ってバーへ戻るとクラークが手にアルバムを持ち肩にはバックパックを背負って入ってきました。

クラーク:やあ、ラナ。元気だった?
ラナ:ハイ。しばらくぶりね。

二人はバーに歩き続けます。

クラーク:僕はその方がいいと思って。
ラナ:誰のために?
クラーク:君の気を悪くさせないようにここに来なかったんだ。僕は今トーチの取材でジェイクについての記事を書いてるんだ。
ラナ:それはよかったじゃない、クラーク。で、何が知りたいの?

ラナはトレーをバーに置くと、スキャナーにクレジットカードを滑らせます。

クラーク:あのさ、君が警察に話したときに、彼が近づいてきたとき友達と一緒にいたと言ってたろ、
      それでその友達を特定できないかなと思ってさ。

クラークがアルバムを開くとラナはそれを見るためにバーの方に来ます。
彼女はヴァン・マクナルティーの写真を示します。

ラナ:彼だと思うわ。
クラーク:ヴァン・マクナルティー。ありがとう。

二人は一瞬の不器用にお互いを見ます。

ラナ:手伝いができてよかった。

ラナが立ち去ろうとするとクラークが彼女の手をつかみます。

クラーク:ラナ…。
ラナ:[少しの間]これは取材とは違うのかしら?
クラーク:ごめん、ここに来なくて。
ラナ:クラーク、私達これ以上一緒にはいられないわ、でも口実を作ってまで会いにこなくてもいいわ。

二人はしばらくの間お互いを見つめあいます、
するとクロエが店に入ってきて二人の間にサッと入ると持っていたファイルを二人の間に広げました。

クロエ:ねえ、これでヒマラヤのヨガのマスターを除外することができたわ。
     コネでさあ検死官のオフィスで貰ってきたのを見てよ。

クロエはジェイクの検死の写真を何枚か並べ広げます。
ジェイクの耳の後ろにスリット状の小さなヒダがあります。

クロエ:ジェイクの公式の検死報告ではこれについては何も見られないわよ。信じようが信じまいがこれはエラよ。
ラナ:気持ち悪いわ。
クラーク:個人的には大きく開いている銃弾傷の方が気持ち悪いと思うけど。
ラナ:いいわ、もしその射撃者が現われていなかったなら私は死んでたかもしれないのよ。
   もし私を溺死させようとしたエラ少年に対して同情を感じてない私を許して。
クラーク:ジェイクは隕石にさらされてたんだ。彼はこんな事を望んだわけじゃない。
ラナ:違うわ、グレッグ・アーキンのバグ能力もティナ・グリアの変身能力だって望んだわけじゃないでしょ。
   でも事実、彼らが行ったのは狂気の権力行使よ、そして私を殺そうとしたわ。ティナはすぐに戻ってきたし。

クラークは目を逸らし賛同しません。

ラナ:クロエだって私より沢山襲われたでしょ。
    [クロエに]ジャスティン・ゲーンズとショーンケルビンを覚えてるでしょ。
クロエ:ええ、1人は超能力で農機具にあたしを串差しにしようとして、もう一人はあたしの体温を奪おうとした。
      思い出させてくれてありがとう。
クラーク:それは少し極端すぎないか。
ラナ:あなたが私達をこの人達から救った時はどうだったの、クラーク?何があなたとこの射撃者とどう違うって言うの?
クラーク:まず、僕は一度も人を殺したことはないよ。
ラナ:それならティナ・グリアをどう説明するの?警察は彼女の遺体が路地で串差しにされているのを発見したわ。
クラーク:それは彼女が自分自身でしたんだ。僕は君を守っていた。
ラナ:まさに自警団員のような言い方ね。

ラナは立ち去ります。
クラークはサッと目を伏せるクロエを見ました。

第1幕 場面 4。
メトロポリススカイラインのショット。日中。
クロエがファイルを持ってルーサー・コープのライオネルのオフィスに入っていきます。
ライオネルは机の前に座っていました。

ライオネル:サリバン君、嬉しい驚きだ。クラーク・ケントについての追加報告を私に持って来てくれたのかな?
クロエ:[ファイルを差し出します]違います、これはディリー・プラネットのあたしの最後の記事です。
    あたし、今日、辞表を提出してきました。
ライオネル:[ファイルを受け取ります]おお。我々の協定は終了かね。
クロエ:すみません、でもクラークとの友情にあまりにも卑劣で。
ライオネル:それは意外ではないが期待はずれだったな。
クロエ:すみません、ルーサーさん。あたしより他の人の方がスパイ活動するのには適任だと思います。

クロエが立ち去り始めます。

ライオネル:私の事を誤解しているな、サリバン君。

クロエが立ち止まって向きを変えます。
ライオネルは机から立ち上がります。

ライオネル:私が失望しているわけではないぞ。それは君の父君の事だ。
クロエ:父さんがこれと何の関係があるって言うんですか?
ライオネル:まあ、彼が君を驚かせようとしたのだと思うが。
       君の父君はゴルフコースを見渡せる新しい家のためにかなり大きな借金をしたのだよ。
クロエ:父さんはまだ新しいウォーター・ヒーターを開発してないはずでは。あたし達をボロアパートに移しといて。
ライオネル:まあ、それは彼の新しい昇進を祝う彼なりの方法かもしれんな。
       私はルーサー・コープに対して彼の難しい仕事と献身に対して報酬を与えた、その時の彼は誇りに満ちていたよ。
       彼は…うむ、もし彼が突然失業したとなったなら、残念がるだろうな。
クロエ:そんな事できるはずがないわ。
ライオネル:いや、私にはできるのだよ。
       だが私はそうはしない、いつまでも我々は実り多い協力をしていこうと思っているんだよ、サリバン君。

クロエは怖い顔をしてライオネルを見上げます。

第1幕 場面 5。
ヴァン・マクナルティーはスモールビル高校の廊下を歩いています。日中。
彼は警察無線の受信機をベルトに取り付けイヤホーンでそれを聞いています。
クラークが彼の後ろに近づきます。

クラーク:ヴァン・マクナルティーかい?
ヴァン:やあ。
クラーク:クラーク・ケントだ。

二人は握手をします。

クラーク:僕は、あのー、悪いんだけど、君の友達のジェイクについて聞きたいんだ。
ヴァン:いいよ。いいか、奴はいつも女の子達を追っかけていたんだ、でも俺はまだやつが誰かを襲ったなんて信じられないよ。

二人がヴァンのロッカーの前に着くとヴァンは受信機を消します。

ヴァン:警察無線さ。いつジェイクの殺人犯を捕えるか聞きたくてね。

ヴァンはロッカーを開け教科書を取り出します。

クラーク:僕はトーチの取材をしているんだ。君がジェイクについての背景を知ってるかと思ってさ。
ヴァン:俺が知っている事は全て警察に話してあるよ。

クラークはうなずきます。
クラークがヴァンのロッカーの中に陸軍の礼服の胸に沢山の勲章を付けた男の写真がある事に気がつきました。

クラーク:そんなに沢山の勲章を見たことがないよ。君のお父さんかい?

ヴァンはうなずきます。

クラーク:英雄なんだね。
ヴァン:そうだった。そして素晴らしい父親だった。いつも一緒にいろんな事をしたよ。

ヴァンはバックパックを背中に背負うとロッカーを閉じます。

ヴァン:授業に遅れるからこれで。

彼は歩き去ります、そしてクラークは彼の後姿を見送ります。

第1幕 場面 6。
クラークがトーチのオフィスでコンピュータの前に座っているとクロエが入ってきます。日中。

クロエ:ねえ。ジェイクの遺体のそばに落ちていた「フリーク」って書かれてた石を覚えてる?
    それってさあ、警察が見つけたのが初めてじゃなかったんだって。

クロエはファイルを開いてクラークに写真を手渡します。

クロエ:見て、レオナルド・ウォレス、2週間前に撃ち殺された地元の整備士よ。誰かが同じような石を彼の遺体のそばに置いてたの。
クラーク:なんで殺されたんだい?
クロエ:よく分からないけど、でも先月あたしのワーゲンを修理に持って行った時、
     あたしの車の下にあったレンチを取るのに彼の腕が3フィートも伸びたのを確かに見たわ。
     彼も特殊な能力の持ち主じゃないかと思って彼の事を調べてみたの。
     でもジェイクとは違ってウォーレスは全くおかしくはならなかった。
クラーク:それじゃあラナを救った謎の英雄は誰も救おうとはしていない。狩をしてるんだ。
クロエ:スモールビルのヘイト・クライムと同じね。でもどうして?

クラークはコンピュータの画面を見ます。

クラーク:復讐だ。

彼はモニターの向きを変えてクロエに見せます。
「十代の不良少年に殺された町の名誉退役軍人」という見出しとヴァン・マクナルティーの父親の写真のニュース記事があります。

クラーク:ヴァン・マクナルティーの父親は海兵隊のスカウトでティナ・グリアに殺された。
クロエ:ティナは死んでいるから自分で終止符を打つためにターミネーターになることに決めた。
クラーク:[うなずき。]ヴァンは彼自身の個人的な戦争をしてるんだ。

第1幕 場面 7。
ピートとクラークは樹木の密集したエリアを歩いています。日中。

ピート:クラーク、俺にとっての「ハイキング」の定義は2マイル前に終わったぜ。
クラーク:警察に提出する証拠を手に入れないとならないんだ。
     彼はここにいつも父親と一緒に来ていた。もう時期さ。
ピート:ああ、その言葉、奴のロッカーを開けたときにも言ったぜ。それに奴の車と家でもな。

二人は小屋に近づきます。

クラーク:ジェイクは狩り用のライフル銃で殺された。
ピート:町中のトラックの中を覗いても見つけられなかったじゃないか。

二人は小谷の中に入ると、クラークは懐中電灯で辺りを照らします。
部屋の中はホコリだらけで今年は使われなかったように見えます。

ピート:なあ、ここは強力洗剤で掃除した方がいいんじゃないか。
    分かったろ、クラーク、もう十分だ。行こうぜ。ここに何もないよ。
クラーク:彼は父親とかなり似ていた。
ピート:クラーク、俺が最後に調べたとき親子の結び付きに犯罪はなかった。

クラークは壁の錠がかかっているクロゼットに近づきます。
クラークがドアの中をX線ビジョンを使って見ると中には何丁かのライフル銃がありました。

クラーク:ピート、ここにライフルが置いてあるぞ。
ピート:クラーク、ここは狩り用の小屋だぜ。何を期待してるんだ?

クラークは素手でナンキン錠を壊しドアを開けます。
彼らは中に入って壁に立てかかっている何丁ものライフルを見ます。
クラークが懐中電灯で辺りを照らすと壁に「フリーク」と緑色で書かれているのを見つけました。
その下にはクロエのコンピュータにあった全く同じジェイクの写真とプロフィールがありました。
最初のプロフィールはレオナルド・ウォレスのもので、二つ目はジェイクです。
二つの写真は緑色のX印がついていました。
3つめプロフィールはレックスの写真で、同じく緑色のXがつけられていました。

ピート:なんで。レックス・ルーサーの写真がこんなところに?
クラーク:ピート、保安官を呼んでくれ。

クラークは超スピードで小屋から出て行きました。

ルーサー・コープではちょうどレックスが建物から出て車に向かって歩いています。
クラークはスモールビルの街中を超スピードで駆け抜けています。
レックスが車の鍵を開けているとき、ヴァンは遠く離れた場所でライフル銃に弾を詰めていました。
ヴァンはスコープを覗き込みレックスに照準を合わせます。
クラークは風景もかすむ勢いで橋を渡ります。
ヴァンがレックスの後頭部にレーザースコープの赤い点をあわせます。
ヴァンがライフル銃の引き金を引くと弾丸は空気を引き裂き飛んで行きます。
弾丸がレックスの頭に当る寸前、クラークは超スピードで駆けつけ手を伸ばし弾丸を握りつぶしました。

クラーク:レックス、伏せて!

クラークが地面にレックスを引き倒すとヴァンは発砲を続けレックスの車の窓を粉々にします。
数人の警備員が外に出て来ます。

クラーク:[警備員に]誰かが彼を殺そうとしてる!レックスを中に!早く!

警備員達はレックスを建物に戻します。
クラークが手につぶした弾丸を持って辺りを見回のをヴァンが見つめています。
クラークが弾丸を落とすとヴァンは逃走しました。
しかしクラークは超スピードで建物の側面に回り込みヴァンを捕まえます。
二人とも地面に倒れるとヴァンのバッグから数個のクリプトナイトがクラークのすぐそばに落ちます。

クラーク:あーっ!
ヴァン:[立ち上がり]お前も奴らの1人か。お前が銃弾を捕まえるのをこの目で見たぞ。
   それをお前が持ってた。防弾か何かの化け物なのか?

ヴァンは隕石を見てクラークが苦しんでいるのを知ります。
彼は微笑してクラークのわき腹を蹴飛ばし仰向けにします。
ヴァンはひざをついて隕石を拾い上げます。

ヴァン:どうしたんだ?これがお前の力を弱める作用をするか?

ヴァンはクラークの顔のそばに隕石を近づけるとクラークの苦痛は激しくなります。

ヴァン:見ろよ。このちょうどいい大きさの隕石ならどうだ?どう感じるんだ?

セキュリティトラックが角を曲がり猛スピードで近づいてきます。
ヴァンはクラークの胸の上に隕石を落とすと無力になったクラークをそのままにして逃走しました。
クラークがそばにあった隕石の一つに目を向けると「フリーク」の文字を見ます。

フェイドアウト。

第2幕 場面 1。
レックスは警備員に囲まれてルーサー・コープ内の大きな階段の上に立っていました。日中。
二人の警備員に両脇を挟まれクラークが入ってきました。

クラーク:レックス。

レックスの周りにいた警備員はクラークをレックスに近づけさせないようにレックスの前に出ます。

レックス:大丈夫だ、大丈夫。

警備員は後ろに下がりクラークの脇にいた警備員もクラークを放し肩をすくめます。
クラークとレックスは階段を降ります。

レックス:クラーク。お前はどうやって俺を殺そうとした奴の事を知ったんだ?
クラーク:ラナを襲った奴を撃ったのと同じ人間さ。
レックス:俺を殺してどうするつもりだったんだろうな?
クラーク:あの、変に聞こえるかもしれないけど、でもヴァン…彼はスモールビルに落ちた隕石で特定の人達が変化したと思ってる。
レックス:[不安そうに笑います]変化とはどういう意味だ?
クラーク:あいつはその人間達が僕らと違った能力を身につけたと思ってるんだ、そしてその人達を狩っている。
             レックス、あいつはヒットリストを持ってた。リストはあいつの小屋で見つけたんだ、そして君もそのリストにあった。
レックス:クラーク、俺が持っている唯一の能力は市場を動かすことと間違った女性たちにほれ込むことだ。
クラーク:あいつは明らかに頭がおかしい。
レックス:そいつが俺を選んだには何かしらの理由があるに違いない。

第2幕 場面 2。
クロエがトーチでコンピュータに入力している後ろでクラークはゆっくりと歩いています。日中。

クロエ:考えてみて、クラーク。レックスは流星群や、死んでもおかしくない自動車事故、それに飛行機の墜落事故から生き残ったわ。
         彼でさえ天使にお金を渡してどうにかなるもんじゃないわ。これを見て。

クロエがコンピュータにレックスのファイルを呼び出します。

クロエ:レックスのカルテからは白血球の数値が異常値を示してるわ。つまり、おかしいなんていう程度を越えてる。
クラーク:[悩み]レックスのファイルまで持っていたのか。クロエ、君はシークレットファイルの扱い方を学ばなかったのかい?
クロエ:これはあたし自身のプライベートメモだよ。いつから好奇心が犯罪になったの?
クラーク:それは誰かが君のデータベースを盗んでそれをヒットリストにしたんだ。ヴァンが同じファイルのプリントアウトを持っていた。

クロエは驚いてモニタを凝視します。

クロエ:[小さな声で]このコンピュータのネットワークで結ぶのを手伝ってくれたのはヴァンだよ。
          あたしのパスワードをクラックしたんだわ。どうしよ、クラーク。あたしの責任だわ。
クラーク:クロエ、すまなかった。僕は君に責任を擦り付けるつもりじゃなかったんだ。それに君が引き金を引いたわけじゃない。
クロエ:違うわ、あたしが銃に弾を装填するように仕向けたのと同じよ。

クラークは返事をしません。

第2幕 場面 3。
ライオネルがルーサー・コープのオフィスに入るとレックスがソファーに座っていました。日中。
ライオネルはドアのところに立っている警備員のそばを通り過ぎます。

ライオネル:[警備員に]彼はどこだ?[ソファーにいるレックスを見て彼の隣りに座ります。]
       レックス。無事だった事を神に感謝せねばな。お前は今私個人の警備員によって警護されいる。
レックス:ありがとうございます、父さん、でも俺はどの馬の骨とも知れない暗殺者に生活を邪魔させはしませんよ。
ライオネル:その投げやりな言い方はやめなさい、レックス。
レックス:それのことで心配はいらないでしょう、父さん。俺は今保険を掛けられいる。
ライオネル:まだだ。ロンドンのロイズ保険会社ではお前の手続きに若干難しいものがあるそうだ。
レックス:何が原因ですか?
ライオネル:お前はあまりにも死に近い体験を引き付ける事だ。
レックス:[憤りながら笑い]生き残るべき何かしらの価値があると思っていますが。
ライオネル:その通りだ。すぐに手続きをし直そう。心配するな。

ライオネルは立ち去るために立ち上がります。
レックスが声を掛けると彼は止まります。

レックス:父さん。流星群の前、俺は病気にかかっていたのかな?
ライオネル:お前が子供のとき、お前は、あー、喘息があった、しかし、あー、それ以外にはなかった。大きな病気はな。

レックスは立ち上がって父親に向かって歩きます。

レックス:おかしいとは思いませんか、そのー、俺の生涯でそれ以来1日も一度も病気になったことがないなんて?
ライオネル:この事と何か関係があるのかね、レックス、ん?
レックス:[中断して]何でもありません。俺は強い遺伝子を受け継いだんでしょう。

ライオネルはニヤッと笑いレックスも微笑します。
レックスが立ち去るとライオネルの顔の表情は張り詰めます。

第2幕 場面 4。
クラークは手にフォルダーを持ってタロンに入ります。日中。
アダムス保安官がちょうど帰るところです。

クラーク:アダムス保安官、もうヴァンを見つけましたか?
アダムス:いいえ、我々は見張ってはいるけど彼がスモールビルに戻る理由が見当たらないわ。
クラーク:僕はあると思います。これをちょっと見てください。

クラークはアダムスにクロエのファイルをプリントした名前のリストを見せます。

クラーク:この中の1人がヴァンの次の目標だと思います。
アダムス:超常現象的な話し、ケント君?
クラーク:最初の3つの名前を見てください。

アダムス保安官はリストを見てレオナルド・ウォレス、ジェイクパレン、アレキサンダー・ルーサーの名前を読みます。

アダムス:どこで手に入れたの?
クラーク:こらの人達が関係があると信じてる友人です、そのー、スモールビルでの事件です.。
アダムス:事件、はぁ?それは私の管轄外だわね。
クラーク:じゃあ、それが本当だと信じなくてもかまいません。
      ヴァン・マクナルティーなんです、そしてこれらの人達は危険にさらされてるんです。
アダムス:用心深いことに越したことはないわね。

アダムス保安官はリストを受け取ると立ち去ります。
クラークがバーに向かって歩くとラナはトレーを持って近づいてきました。

ラナ:レックスはどう?
クラーク:大丈夫だと思うよ。それに彼は標的にされたのはこれが最初じゃないから。
ラナ:ヴァンが射撃者だったと確信してるの?
クラーク:僕はそう思う。

ラナはクラークを睨んでバーに戻ります。
クラークが後に続きます。

クラーク:ラナ、彼が君の命を救ったことは分かるけどそれが彼の意図であるとは思えないんだ。
ラナ:違うわ、ラッキーなアクシデントだったのよ。
クラーク:悪かった、そんなつもりで言ったわけじゃないんだ。
ラナ:クラーク、本当に私は死ぬところだったのよ。
クラーク:君とはもう終わったから。
ラナ:今まであなたは私を守るためにいてくれたわ、でも今回はあなたは来ないと分かってた、
   それでヴァンが現われたときあなたのような人が他にもいたことに安心したの。
クラーク:彼は僕とは違う。君は彼が何者なのか知らないんだ。彼は殺人者だ。
     ラナ、君を襲った者に対して怒るのは構わない、でもそれを隕石によって影響を受けた皆にぶちまけるのは正しくないよ。
     それは彼らのせいじゃない。誰もそうなりたいと望んだわけじゃないんだ。
ラナ:[中断して]もし流星群が起こらなかったら、皆の人生はもっと良かったはずよ。

クラークはラナの言葉に傷つき目をそらします。

第2幕 場面 5。
ヴァンは屋外でキャンプファイアーをしながら腹筋運動をしています。夜。
彼は上半身裸でアーミーパンツを身に着け頭の後ろをライフルで押さえ、静かに数を数えています。

ヴァン:197、198、199・・・。

最後の一回になると腕をひざに置いて止めました。
彼は背後のキャンプファイアーに目を配ると立ち上がってライフルを木の幹に立てかけそばに行きます。
近くにはビーカーやビンなどの器具の乗ったテーブルがあります。
数個のクリプトナイトも置いてあり確認するようにその内の一つを取り上げました。
それから彼は輝く緑の液体のが入っているグリルの上の鍋の前にひざまずき隕石を鍋の中に投げ入れました。
テーブルから長い柄のついた柄杓を取ると鍋の中に入れ液体をすくいます。
その隣にはいくつかの円形の穴の開いたトレーがあります。
彼は穴に柄杓の中の液体を注ぎこみました。
火バサミを使いトレーを掴むと水の入ったバケツにそのトレーを入れます。
水はぐつぐつと湯気をたてはじめます。
バケツからトレーを引っ張り出すとテーブルの上にそれを置きます。
トレーからピンセットで取り出したものはクリプトナイトで作られた弾丸でした。

第2幕 場面 6。
クラークとジョナサンは畑でトラックの荷台から干し草の束を降ろしています。日中。

クラーク:ここもメトロポリスも色々探したけどヴァンは煙のみたいにいなくなったみだいだ。
ジョナサン:まあ、クラーク、永久に隠れることはできんさ。国中の警官が探している。必ず見つけるさ。
クラーク:ただ彼が最初に次の目標を見つけないことを望むよ。
     [中断して]父さん、僕はヴァンと同じかな?
ジョナサン:ん、その質問の答えはお前が一番よく知っていると思うが。本当の疑問はお前がヴァンと同じだと思っている事じゃないか?
クラーク:僕は多くのクリプトナイトに影響を受けた人達と接触してきた、でもそれは友人として手を握り合える事は決してないと思う。
      ラナにこの話をしたんだ。僕はいつも彼らのことを悪い者をだと仮定していた。

遠くの木の下の影でヴァンが銃の撃鉄を起こします。
彼はカモフラージュスーツを着て、そして顔は陸軍のペイントで覆われています。
彼はクラークを狙いますがジョナサンがその前に踏み出しました。

ジョナサン:おそらく影響を受けた者達の中にも完全に普通の生活を送る事のできる者も多くいるだろうな。
クラーク:でもその人達は僕みたいに秘密を甘んじて受け入れることを強いらる。
ジョナサン:そして同じく彼らはずうっと能力をいい事に使う事になるだろう。さあ、シャワーでも浴びるとするか。

ジョナサンが家に向かって歩きだすとヴァンの視界にはクラークが入ってきます。
彼はクラークの胸にレーザーポインターを向けます。
クラークがジョナサンの後に従い向きを変えたときヴァンが引き金を引きました。
クリプトナイトの弾丸は銃口から飛び出し空中を回転しながら飛んでいきます。
クラークが振り向くと弾丸が彼の頭に向かって飛んで来るのを見ます。
クラークはそれを阻止するために左手を上げて弾丸を止めようとしましたが手の平の真ん中から手の甲に貫通して驚きます。
弾丸は彼の左肩にあたり地面に投げ出されるように倒れました。

クラーク:うわーーーーあっ!
ジョナサン:クラーク?クラーク!

ジョナサンは仰向けに倒れのたうつクラークのそばにひざを落します。
クラークは激痛に泣き叫びます。
ヴァンはサディスティックに微笑しています。

クラーク:父さん…ああ…父さん…
ジョナサン:クラーク、私はここにいる。

ジョナサンはひざの上にクラークの頭を乗せます。

クラーク:うわーーー!

フェイドアウト

第3幕 場面 1。
マーサは台所で包丁をガスストーブの上で加熱殺菌をしています。日中。
ジョナサンは台所の床に座り、痛みでまだ呻きながら横たわっているクラークの隣にいました。

ジョナサン:[マーサに]準備はできたか?
マーサ:できたわ。

ジョナサンがクラークのシャツを引き裂いて開けるとクラークの胸は血まみれで左肩の銃痕は腫れそこから静脈が浮き上がり四方八方に伸びてきていました。

クラーク:あーっ!
ジョナサン:大丈夫だ、クラーク。大丈夫だ。心配ない、クラーク。がんばるんだ。

マーサはボールと布巾と包丁を持ってクラークとジョナサンのところに走ります。
クラークの呻き声はいっそう深刻になります。

マーサ:死にかけてるわ。毒の広がるのが早いのよ。

ジョナサンは包丁をとります。

ジョナサン:オーケー、クラーク、やるぞ…それを摘出してやる。

ジョナサンはクラークの銃痕に包丁の先端を刺します。

クラーク:うわーっ!
ジョナサン:クラーク、クラーク、じっとしてるんだ。
マーサ:[クラークの髪をなでながら]がんばって、クラーク、がんばってね。お父さんが今取り出してくれるからね。
クラーク:あーー。

クラークの声が小さく消えていきました。

マーサ:呼吸してないわ!
ジョナサン:分かった。それをよこしてくれ。

マーサがジョナサンにボールからプライヤーを手渡すとクラークが意識を失います。
ジョナサンはプライヤーをクラークの銃痕の中に差し込みます。
マーサは振るえながら手で口を抑えます。

ジョナサン:今ここでお前を死なすわけには行かないんだ!

ジョナサンはプライヤーで中を探ります。

マーサ:ジョナサン、何をしてるの?
ジョナサン:マーサ、奥深いところにあるんだ。ちょっと待ってろ。よし掴んだぞ。オーケーだ。
マーサ:[泣きながらクラークに]がんばって、クラーク、がんばって、クラーク、お父さんが取ってくれたわよ。

ジョナサンはゆっくりとクラークの肩から輝くクリプトナイトの弾丸を抜き出します。
弾丸とプライヤーの先端は血で覆われています。
ジョナサンとマーサは一瞬胸がむかつく思いで弾丸を見ます。
それからジョナサンはボールの中にそれを落とします。
マーサはボールを布巾で覆うと部屋から走り去ります。

ジョナサン:ここからそれを持ち出すんだ。クラーク、さあ、息子よ。さあ、クラーク。

クラークはまだ意識不明です。
しかしジョナサンの目の前ではクラークの銃痕の周りにあった静脈のふくらみは消え銃痕は自然にふさがり完全に治癒しました。
ジョナサンはクラークの脇の床の上に尻をつけへたり込みました。

第3幕 場面 2。
橋の上のクラークと撃たれたレックスのポルシェのコンピュータシミュレーションがながれます。夜。
それを繰り返しレックスは机の前に座りモニターのシミュレーションを見ていました。
彼は指の爪を噛んで長い間それを見ます。
もう一度、水の中に飛び込むようなクラークと撃たれた車を見ます。

第3幕 場面 3。
ラナはゴミ袋を持ってタロンの後ろの路地に出て来ます。夜。
彼女がゴミ置き場に行く途中ヴァンの声が聞こえてきました。

ヴァン:ラナ。

ヴァンが明るみに出て来るとラナは振り向き驚きます。
彼はまだ迷彩服を着てその顔はまだ陸軍のペイントがわずかに残っていました。
彼は少し息を切らしています。
彼が話をしながらゆっくりとラナに向かって歩くと彼女は後ずさりします。

ヴァン:俺だよ、ヴァンだ。君を救ったじゃないか。
ラナ:[ビクビクしながら]ええ、あなたが誰かは分かってるわ。
ヴァン:道路が封鎖されたんだ、それに俺の家と狩り用の小屋も見張られている。俺がここから出るのを手伝って欲しいんだ。
ラナ:ヴァン、あなたは自首するべきよ。
ヴァン:警察にか?奴らは役に立たない。奴らは俺たちを守らなきゃならないはずなのにだ。
    君なら俺を理解してくれると思ったんだけど。
    俺に借りがあるだろう、ラナ。君の命を救ったじゃないか。
ラナ:分かるわ。

ラナはタロンの方へと後ずさりしながらヴァンの周りを歩きます。

ラナ:でもレックスはあなたに何もしなかったじゃない。
   あなたのお父さんの事は残念に思うわ、でも罪もない人達をつけますのは良くないわ。
ヴァン:奴らは怪物であって人間じゃない、ラナ、分かるか、なんと思われようとそうなんだ!

ヴァンはラナに向かって歩み続けます、そして彼女は不安そうに辺りを見回します。

ヴァン:ジェイクを見て分かっただろう?あいつは3年もの間俺の親友だった、そう思ってたんだ。
    そして俺がそう思っているのと同じように君もだまされてるんだ。
ラナ:それはどういう意味?

ラナはタロンへ降りる階段の入り口の中へと後退します。

ヴァン:クラーク・ケントは奴らの1人だ。
ラナ:[ささやくように、怖がり]どうしてそう言うの?
ヴァン:なあ、奴のことを完全に普通だと思ってるのは知ってる、でもラナ、俺は奴が弾丸を捕まえるのを見たんだ。素手でな。
    奴は他の怪物達と同じだった。
ラナ:「だった」ってどういう意味なの?
ヴァン:まあ、今はもうクラーク・ケントが誰も傷つける可能はないがな。
ラナ:何をしたの?
ヴァン:俺は奴の弱点を見つけたんだ。特別な弾丸を作ったんだよ。
ラナ:[泣きます]そ、そんな…
ヴァン:その怪物はまさしく当然の報いを受けた。
ラナ:クラークはあなたよりずうっと人間的よ。

ラナは後ろに飛び込むとヴァンも中に入りドアを閉じます、そして彼は長い階段を転がり落ちていきました。
彼女はタロンの中を走ってバーの後ろの電話を取り上げると911をダイアルします。

ラナ:誰かケント農場に行かせてください。すぐによ。クラーク・ケントが殺されたの!

ヴァンが部屋に走り込んでくると壁から電話をもぎ取ってラナの肩を乱暴につかみます。
彼は汗まみれで、そして狂っていました。

ヴァン:君はその汚らわしい突然変異に恋愛中だったなあ?[手で彼女の顔を強く押します。]
    いいか、俺は怪物より嫌いなものが1つだけあるんだ、それは風変わりな恋人だ。

ヴァンは壁から離れてラナをぐいと引っ張ります。

第3幕 場面 4。
クラークは台所の床の上でまだ意識不明です。夜。
頭の下には枕、体には毛布がかかっています。
マーサとジョナサンはダイニングテーブルに座り、クラークの頭が左右に動き始めるとマーサが立ち上がりました。

マーサ:意識を取り戻したわ。

クラークが足で立ち上がろうとしたときジョナサンとマーサはそばに来ました。
彼のシャツは血で染められています。

ジョナサン:おい。クラーク、気分はどうだ?
クラーク:少し気分が悪い。
マーサ:横になってゆっくりと休んだ方がいいわ。
クラーク:いや、ヴァンを見つけなきゃ。
ジョナサン:クラーク、聞くんだ、お前の怪我が治癒されたからといって休む必要がないという事はないぞ。
クラーク:ヴァンがヒットリストを持ってるのを知ってるのに休んでられないよ。

クラークは台所を出るとシャツを脱ぎながら階段のところへ行きます。

マーサ:クラーク、この少年は他の人達のとは違うわ。クリプトナイトの銃弾を持ってるのよ。
ジョナサン:彼はすでに1度お前を殺そうとした。私はお前に二度もそんな目にあって欲しくはない。
クラーク:自分に直面していることはわかってるつもりさ。
ジョナサン:クラーク…

クラークは階段を走り上っていきます。
ドアがノックされます。
マーサがドアを開けるとアダムス保安官が立っていました。
パトカーのライトが彼女の後ろで光っています。

アダムス:ケントさん、クラークは大丈夫ですか?
ジョナサン:ええ、クラークは元気ですが。保安官、どうしてですか?

クラークがきれいなシャツを着て階段を降りて来ます。

アダムス:[クラークに。]まあ、君が死んだと聞いてきたんだけど、ケント君。

アダムスは血まみれのシャツがまだ階段のそばに手すりに掛けてあるのに気付きます。

アダムス:[ジョナサンに。]本当に何も問題がないんですね?
ジョナサン:[シャツを見ます]ああ、あれは有刺鉄線の事故だったんだ。
クラーク:僕が死んだってどういう意味ですか?
アダムス:緊急通報で君が殺されているという通報を受けたのよ。
クラーク:誰がそんな通報を?
アダムス:私にはさっぱり分からない。今は特に犯人捜査の途中で、いたずら電話にかまってる場合じゃないんだから。

アダムス保安官は無線連絡をするためにドアから顔をそむけます。
かすかにヒューッという音が聞こえてきます。

アダムス:ケント農場の件は問題ありません。
無線の声:了解、保安官。
アダムス:以上。

アダムス保安官が振り向きケント夫妻とクラークに戻るとクラークはいなくなっています。

アダムス:息子さんはどこに?

マーサとジョナサンは不安そうに保安官アダムスを見ます。
ジョナサンは言葉に窮し頭を振ります。
外ではクラークがアダムス保安官のパトカーの警察無線を掴み呼びかけていました。

クラーク:ヴァン、君が聞いていることを知ってる。僕は死んでない。
      決着をつけたいなら君の父親の写真を見た場所に来てくれ。僕は向かっている最中だ。

ヴァンがタロンの裏路地で車にラナをつれていこうとしていると無線からクラークの声が聞こえてきます。
彼の片手は彼女の首に、もう片手は彼女の腕を捕まえていました。
彼女は逃げようとしますが彼女の手は後ろ手に縛られていました。
ヴァンは車のトランクを開けて中にラナを投げ入れます。
彼は彼女にかがみ込みます。

ヴァン:君のボーイフレンドがどうやって俺の最初の銃弾から生き残ったか分からないが彼がどうするのか会ってみようじゃないか。

ヴァンが車のトランクをバタンと閉めます。

フェイドアウト。

第4幕 場面 1。
スモールビル高校の外。夜。
駐車場には車が一台もなく、そして学校はひと気がありません。
校内の暗い廊下をクラークはゆっくりと歩きます。
突然ヴァンは銃を手に持って角から出てきました。
ヴァンはラナの首を掴んで腕を引きずります。
ラナの手はまだ後ろ手で縛られたままです。

ヴァン:お前が一度弾丸の脅威から生き残ったかもしれんが二度と同じミスはしないぞ!
クラーク:ラナ。彼女に放せ!
ヴァン:彼女にはっきりと愛する男が怪物であるのを見せたらな。

ヴァンがラナの首を掴んで階段の脇へと突き倒します。
ラナが見上げるとヴァンがクラークを狙い弾丸を撃ちクラークの胸にあたります。
クラークが銃弾によって窓の方へと下がっていきます。

ラナ:クラーク!

ヴァンが射撃を止め銃を下げます。
クラークは無事でヴァンを見ます。

ヴァン:[ラナに]俺は君に奴が怪物だと言ったな。

クラークがゆっくりと近づいてくるとラナはヴァンの背後に静かに立ち上がります。
ラナはヴァンの股間を蹴り上げるとヴァンは悶絶して体を折り曲げます。

ラナ:怪物はあなたよ。

ヴァンが立ちあがるとラナはヴァンの顔を蹴り彼はトロフィーのショーウインドーのガラスに激突します、
そして彼が意識不明になるまで殴りつけました。
ラナはクラークのところに行きます。

ラナ:[ささやくように]クラーク、どうなってるの…
クラーク:何があってもいいように準備しておいたんだ。

クラークはシャツのボタンを外してはだけると鉛でできた胸当てを見せます。
輝くクリプトナイトの銃弾が刺さっていました。

ラナ:それは何、鉛?

クラークは胸からプレートをはぎ取って床に落とします。
彼とラナは弱々しくお互いにほほ笑みます。

第4幕 場面 2。
レックスは書斎のピアノのキーの上に思いにふけって指を這わせます。夜。
彼はもう片手にシェリー酒を持っています。
クラークが入ります。

クラーク:もう安心して休む事ができるよ。ヴァン・マクナルティーは拘留されて今精神科病棟に入ってる。
レックス:俺、俺はヴァンが間違った方向に導かれたことを知っていた、しかし奴が正気でないとはそれほど思っていない。
クラーク:何んでそんな事を言うんだい?

レックスはピアノのイスから立ち上がりクラークに背を向けて、飲み物を注ぎにバーまで歩きます。

レックス:チャーチルはかつて「強烈な複合性から、強烈な単純化が出現する」と言った。多分そいつは俺については正しかった。
クラーク:レックス、彼は狂信者だ。
レックス:[顔をクラークの方に向け]ああ、だがクロエ・サリバンは違うだろ?
      俺は死に直面しながらも無傷で何度戻ってきた?数なんてもう分からないさ。
クラーク:大変な事があったんだな。
レックス:ずうっとポルシェの事故から生き残った理由はお前だと思っていた、クラーク。今は定かではないがな。
      いいか、俺はいつも第三者の立場で物事を見る事によって常に全てを説明しようとしていた。
      だが多分俺自身の生理的機能の中に真実がある。
      多分俺は化け物だ。

クラークはあいまいにレックスを見て何も言いません。

第4幕 場面 3。
ラナがケント農場の庭で働くクラークがのところへ車で来ます。日中。
ラナは車から出てきます。

クラーク:ラナ、もう大丈夫かい?
ラナ:私達お互い会うために理由なんて必要ないと思ったわ。

クラークが庭から出てきます。

クラーク:君と話すチャンスがなかったけど、でも昨日の君は迫力があったよ。
ラナ:[笑い]ええ、まあ、私もヒーローだって分かった。あなたはまた撃たれたのね。

ラナは彼のシャツの上からクラークの胸に触れます。

ラナ:かなり痛かったでしょ。
クラーク:[静かに]まだ少しね。
ラナ:知ってる、私が、そのー、彼が私にあなたが防弾能力があるって言ったとき、一瞬ヴァンを信じちゃった。
クラーク:それは彼が君に話したこと?
ラナ:それを聞いて本当に気持ちが落ち着いたの。突然全てを理解したわ。
   竜巻、あなたがそこにいた…私じゃ説明がつかない事…
クラーク:答えがそんなに簡単な事ならいいのにと思うよ。でも僕は隕石の影響は受けてない。
ラナ:もしあなたが…そうであっても平気よ。

クラークとラナは長い間お互いの目を熱望の眼差しで見つめあいます。

クラーク:仕事に戻らないと。

クラークが庭の中に戻ります。

ラナ:理解できないのはあなたが私のために銃弾の中に飛び込んでいく事よ、でもあなたは心にしまい込んで言わないんでしょうね。
   クラーク、もしあなたがあなたを愛する人々と打ち解けられないならあなたはいつも一人ぼっちよ。
   そんな人生を選ぶなんて私には信じられなの。
クラーク:僕には選択の余地がないんだよ。
ラナ:そんなことない。

ラナはしばらくの間クラークを見つめ車に戻って行きました。

第4幕 場面 4。
クロエはトーチのオフィスでコンピュータの前に座っています。日中。
モニタにはダイアログが出ていて「デリートファイル? YES NO」と表示されています。
彼女は何度も「YES」をクリックしますが、その度にダイアログは「ロックファイル、デリート不可能」と表示します。
今度はキーボード上のショートカットキーを押しますが結果は同じでした。
ライオネルが入ってきます。

ライオネル:故障かね、サリバン君?君がよければだが非常に有能なコンピュータ専門家を紹介しようか。
クロエ:あたしがそんなにバカに見えます?
    コンピュータを寄付して、次に何かしらの準備のために専門家を送って。
ライオネル:ああ、慈善活動だよ。私は常にその事に関してはプライドを持っているんでね。
クロエ:[腹を立て]高校生のパソコンに手を加えてもいいんですか?
ライオネル:君が使っているパソコンは確かルーサー・コープ財団から学校へ貸し出したものだったはすだが。
クロエ:最低だわ、卑劣よ。いいですか、クラークのファイルはこのパソコンには入ってません。
    あたしがそんなバカなマネをするとでも思ってるんですか?
ライオネル:私の興味はクラーク・ケントだけじゃないんだよ。君自身もその仕事ぶりも興味があるんだ。
       君の貴重な研究がアルコールのように空中に消滅するのを見たいとは思わないはずだ、
       だが私は息子に関係する情報が君の個人のファイルに不法アクセスされ誰かに渡ることは許されない。
クロエ:ルーサーさん、レックスの事は本当に申し訳ありませんでした。
    あたし以外の誰かがこのファイルを見るなんて思いもしませんでした。
ライオネル:[小さな危険に満ちた声で]君に警告しよう。
       もし君が再び私の家族を調査しているのを知ったら、コンピュータの不具合は最低君自身の問題になるだろう。

クロエは恐怖しイスからライオネルを見上げます。

ライオネル:[少し紳士的になり]おやすみ、サリバン君。

ライオネルは動揺を隠せないクロエを残し出て行きます。

フェイドアウト。
 

おしまい