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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン3.04Slumber[うたたね]
第1幕 プロローグ
クレーター・レークと黄色で書かれた木でできた看板が森の入り口にあります。
日中。
クラークが森から出てきて看板を通り過ぎると湖が見えました。
それは青くそして大きな湖です。
太陽は明るく輝き背景には多くの樹木が生い茂る丘陵が続きます。
クラークは笑顔で小さな桟橋の中ほどまでいくと立ち止まりシャツを脱ぎます。
彼はズボンのボタンを外してクツを脱ごうとしたとき、彼の後ろにラナの声を聞きます。
ラナ:ハイ、クラーク。
ラナは微笑して近づいてくるとクラークが振り向きます。
クラーク:ラナ。
僕のほかに誰かがここに来るなんて思わなかったよ。
ラナ:まあ、私達の避暑に対する考えが同じってことね。
クラーク:ああ、焼け付くような暑い日だからな。
ラナはクラークのむき出しの胸を見ると恥ずかしそうに目を伏せ笑顔が消えていきます。
クラーク:いいよ、僕はまた来るから。
ラナ:えっ、どうして?
こんなに大きな湖よ。
二人には十分過ぎるほどの場所があるわ。
[クラークは返事をしません]
もしあなたがよければ、私も一緒に。
クラークは驚いて眉を上げます。
ラナは桟橋の端にいるクラークの後ろへと歩いていきます。
ラナ:見ないでね。
彼女はクラークに背を向けるとシャツを脱ぎ下へ落とします。
ラナがブラジャーを外すとクラークの顔はニヤニヤとしだします。
彼女はそれをクラークの足の上に放ります。
ラナはズボンを脱ぐと桟橋の終わりまで走り出しました。
クラークが振り返るとちょうど湖の中に飛び込む裸の彼女を見ました。
次の瞬間、彼女の水から頭を出しました。
ラナ:あなたの番よ、クラーク。
見ないって約束するわ。
ラナは水の中でクラークに背を向けます。
彼は素早くズボンを脱いで微笑みながら水の中に飛び込みました。
ラナは、彼を探して、向きを変えます、しかしどこで/に彼にも会いません。
ラナ:クラーク?
返事がありません。
彼女は向きを変え探します。
ラナ:クラーク!
彼女の目は恐れで大きく見開きクラークを探そうと水面を見回します。
突然彼の頭が彼女の背後から飛び出ました。
クラーク:ブー。
ラナは彼の顔に水しぶきを掛けます。
ラナ:やらないでよ!
クラークは笑いながら背後で水しぶきを掛けます。
しばらくの間二人は水の掛け合いするとラナも笑っていました。
ラナ:ねえ…おかしくないわよ。
ラナは顔の水を拭い、お互いの顔を見合わせると少しづつ近づきます。
ラナ:[静かに。]
私いつも私達の間には何もないだろうって言ったわね。
クラーク:今はないよ。
クラークは彼女にキスするために抱きしめ、二人の唇が触れようとしたその時、恐怖の絶叫が聞こえてきました。
少女:助けて!
彼らが砂浜の方を見ると砂浜から木の間に追われるかのように走る、少女、サラ・コンロイを見つけます。
サラ:助けて!
サラは全くどこに行くかも気にしない様子で森の中へと走ります。
サラは突然正面に服を着たクラークに出くわします。
彼女は息を切らし彼を見上げます。
クラーク:どうかしたの?
サラは辺りを見回し怯えているように数歩クラークから下がります。
サラ:奴はここにいるわ。
走って。
走って!
うなり声が聞こえると腐敗した手が地面から伸びサラの足首をつかみます。
サラ: キャー!
サラは倒れ泥の中へと引きずり込まれます。
サラのウエストまで深く潜ったときクラークは彼女のところに走って彼女を引っ張り出そうと手をつかみます。
サラ:いやー!
奴に私を連れて行かせないで!
いやよ!
クラークの力を以ってしても掴んだサラを引き上げえる事ができません。
彼女は地面の中に引きずり込まれ穴は完全に跡を残さず消えてしまいました。
サラ:いやー!
クラークは驚いた顔で地面を見つめます。
第1幕 場面 1
ケント農場の郵便ポストの風景。
日中。
家の中では台所でクラークが朝食をしながら両親と話をしています。
クラーク:僕は穴を堀ったりX線ビジョンを使ったんだけど彼女がまるで消え失せてしまったよううなんだ。
ジョナサン:お前のほかに誰が一緒にいたんだ?
クラーク:[速く]
誰も。
僕だけだった。
マーサ:あなた1人で裸で泳いでいたの?
クラーク:[笑いながら恥ずかしそうに]
まあ、その方が刺激的だったから。
ジョナサン:分かった、クラーク、私が後で保安官に電話をしておこう。
クラーク:ねえ、学校を休んで彼女を探しに行くべきじゃないかな。
マーサ:クラーク、それは皆を救うあなたの責任じゃないわ。
ジョナサン:それに今の言葉に父さんは驚いたぞ。
3人は外にでて玄関の階段を降りて来ます。
クラーク:うわーっ、父さん新しいトラックを買ったの知らなかったよ。
家の外には真新しい青いトラックが停まっていました。
ジョナサン:これは私のじゃない、クラーク。
お前のだ。
クラーク:何が?
マーサとジョナサンはうれしそうに笑います。
クラーク:やったー!
ピートに話すまで言わないでよ!
クラークはトラックに近づき顔を寄せます。
ジョナサン:おい、クラーク、それは楽しむためだけじゃないんだぞ、私達は新しいトラックが必要なんだ。
クラーク:まあ、でも車を買うお金はどうしたの?
ジョナサン:ああ、レックスが渡してくれたお金が多少残ったからな。
クラーク:出所を考えると父さんがそのお金を使ったことに驚くなあ。
ジョナサン:ああ、、わ、分かっているさ。
だが私は悟ったんだよ、彼に公平な機会を与えていなかったことにな。
マーサ:結局のところあなたは2ヶ月前に戻ってきたわ、私達はあなたと一緒に住むことができて嬉しいのよ。
クラーク:なんて言えばいいのか。
ジョナサン:お前が彼女の面倒をよくみるんだろ?
ジョナサンはキーを差し上げます。
クラーク:[嬉しそうにキーをつかみ]
僕が彼女の面倒をよくみるよ。
マーサとジョナサンはクラークを抱きしめながら笑顔になります。
クラーク:ありがとう!
ジョナサン:分かってるよ。
おい、学校に行った方が良いんじゃないか。
もう遅刻だぞ。
そうだ、もしアダムス保安官がその少女について何かを見つけたらお前に知らせるからな。
クラーク:分かった。
マーサとジョナサンはクラークがトラックに乗り込むのを見ます。
中に入るとクラークは窓越しに興奮した顔つきで両親を見るとエンジンを始動させました。
ジョナサンは手を振りマーサが投げキッスを送ると、クラークは未舗装道路をほこりをたてながら走り去りました。
第1幕 場面 2。
スモールビル高校の外の風景で始業ベルが鳴っている。
日中。
校内の廊下をクラークが歩いています。
ラナは彼に追いつきます。
ラナ:ねえ、クラーク。
クラーク:ラナ。昨日のことなんだけど…
ラナ:ああ、それは問題ないわ。
クラーク:怒ってないのかい?
ラナ:あなたが行ってしまったことで?
全然、むしろいいものを見せてもらったわ。
クラークが困ったように微笑します。
ラナ:それで誰が悲鳴を上げていたの?
クラーク:誰か分からないけど女の子だった。
ラナ:彼女は大丈夫なの?
クラーク:分からないんだ。
彼女は、なんて言えばいいのか、姿が消えてしまったんだ。
悪かった、君を置き去りにして。
また。
ラナ:ヤシの実とか何か食べてたわけじゃないでしょ。
でも面白かったわ。
クラーク:僕もだよ。
ラナ:私達の関係はいつも痛みと不安だけだったから。
少しぐらいハメを外した方がリフレッシュできるわ。
しばらく、あなたは自分を責めるのはやめて、そして私達がなぜ冷静じゃなかったのか分かるときが来るわ。
クラークは目を伏せ何か言い返そうとしますが、
ラナは彼の肩に手を置きます。
ラナ:大丈夫よ、クラーク。
私はずっと待ってるから。
彼女は歩き去ります、そしてクラークはあこがれの眼差しで彼女が行くのを見ます。
それから彼は目をそらすと廊下の真ん中でサラが彼を見つめて立っているのを見ます。
クラーク:ねえ。
彼女が歩き去り始めると彼は彼女の後を追いかけます。
クラーク:ねえ、待って。
ねえ、君は誰なんだい?
サラは壁の脇にあるトロフィーのガラスケースの前で止まります。
クラーク:何があったんだい?君が地面の中に引きずり込まれるのを見たんだ。
少なくとも名前ぐらい教えてくれよ。
サラ:[震え声で]
あのー、サラ。
サラ・コンロイよ。
クラーク:オーケー、サラ、何があったんだい?
サラ:あいつは私を求めてるの。
クラーク:誰が?
サラ:あいつはいつも私を欲しているわ。
サラは過去のクラークのように見えます、そして彼女は恐れで緊張しています。
クラークは彼女の後ろのガラスケースに映るサラに手を伸ばす赤いケープとフードで顔が見えない人影を見ます。
クラークはその周りを手で払いますが何もありません。
ピートがやってきました。
ピート:クラーク、お前どこにいたんだ?
クラーク:ピート、男を見なかったか?
ピート:男って何だい?
クラーク:そいつはどうやって消えることができたんだ?
大きい赤いケープを着ていて
ちょうどそこに立っていたんだ。
[彼は向きを変えます]サラ、君も…
クラークはサラがいなくなっているのに気づきました。
ピート:サラって誰だい?
クラーク:彼女がちょうどそこにいたんだ。
ピート:[うなずきます]
気が触れたふりか。
そいつはいい。
俺もまねしようかな。
クラーク:僕は正気だ。
ピート:じゃあ、成績の50%を占める歴史試験をサボってどうしたんだ?
クラーク:今日だったっけ?
ピート:今日だよ。
お前試験に落ちたな。
ピートは頭を振って歩き去ります。
第1幕 場面 3。
クラークがクロエがいるトーチのオフィスに入ります。
日中。
クラーク:クロエ、助けてくれないか。
昨日湖で何かが起きたんだけど。
クロエ:[笑いながら]
ああ、聞いてる。
あなたが元ガールフレンドと一緒に行った「ブルー・ラグーン」の森のことでしょう?
クラーク:その事、知ってるの?
クロエ:クラーク、ここは高校だよ。
皆が知ってるわ。
クラーク:ただ…サラ・コンロイって知ってる?
クロエ:全く知らないわ、一度もそんな名前聞いた事ないよ。
クラーク:じゃあ、彼女は転校生かも。思うんだけど
森で彼女に会って、そして廊下でも彼女に会った。
彼女は確かに宿命の壁の候補だな。
クラークは壁を見て突然驚きます。
クロエ: 残念だけど、宿命の壁はもうやめたんだ。
クラークはクロエの背後の壁へと歩きます。
壁には切抜きがすっかりなくなっていました。
クラーク:クロエ、誰がやったの?
クロエ:あたしよ。
子供っぽい追求ごっこはやめにしたの。
あなただけがこの夏に大きくなったわけじゃないのよ。
そのうえ、ディリープラネットが少し重荷になってきたんだ。
クラーク:でも僕らはこらの話が本当なのを知ってるじゃないか。
クロエ:あたし達が?
人がその壁のために死んだのよ。
クラーク:そして同じく人を救ってきた。
クロエ:あたしは架空の敵を追うのをやめたんだよ、クラーク。
今からは事実に基づいた重大ニュースを扱うの。
クロエはトーチのオフィスを去ります。
第1幕 場面 4。
レックスは書斎でイスに座り物思いにふけってブランデーグラスを揺すっています。
夜。
クラークが入って来ます。
クラーク:レックス?
緊急の用事ってなんだい。
何か悪いことでも?
レックス:よく分からないんだ。
俺はなんて言うか、奇妙な日だった。
クラーク:こっちもだよ。
レックス:お前が問題に関して俺の助けになると思ったんだ、クラーク。
クラーク:何が必要なんだい?
レックス:その剣を取ってくれないか?
レックスは壁に掛かっている鞘に納められた日本刀を指すとブランデーを一口飲みます。
クラークは壁から刀を取るとそれをじっと見つめます。
クラーク:これは新しいものなのかい?
レックス:[イスから立ち上がりながら]
それはお前の定義に依存するな。
それは16世紀の武士が使っていた儀式用の武器だ。
カタイ。
聞いた事があるか?
クラーク:[頭を振ります]
日本の歴史は僕には向いてないから。
レックス:じゃあ、俺が教えてやろう。
レックスが手を伸ばすとクラークは彼に刀を手渡します。
レックス:伝説では富士山の火でこの刀を鍛え造られたと伝えられている。
レックスは刀を鞘から抜きます。
レックス:この刃は何でも切裂くことができる。[彼は後ろに鞘を落とします]
カタイは決して戦には持っていかなかったんだ。
彼らは決して…その日までこの強力なカタイで戦ったことはなかった。
レックスはクラークの後ろの壁の暖炉に行くと両手で刀を握ります。
クラークは困惑顔でレックスを見ます。
レックス:後がなくなったカタイの最後の武士はこの刀で敵目がけて突進した。
刃は見事に敵を二つに切り裂いた。
だが敵の鎧が剥がれたとき、カタイは敵が人間的ではなかったのを見た。
レックスは首を叩き頭を傾けます。
それから警告もなしにクラークに剣を向け振り下ろしました。
クラークは腕を上げ刀を受け止めると刃は細かく粉々になりました。
レックス:[興奮した口調で]
お前とまったく同じようにな、クラーク。
俺が常にお前には素直に話したんだ。
だが俺がお前に目をつけたその日からお前は俺に嘘をついていたんだな。
クラークは頭を振ります、そしてレックスは立ち去ろうとします。
クラーク:違うんだ、レックス、説明させてくれ!
レックス:もう遅する!
皮肉だな、お前は俺のところに来る運命だったんだ、クラーク。
俺はお前の友人だった。
お前の秘密なら守っただろう。
お前自身を守ってやれたんだ。
だが俺がルーサー家だから信頼できなかったのかもな。
クラーク:違う、そうじゃないんだ!
レックス:気にするな![クラークに近づき]
俺は世界中にクラーク・ケントが本当は何者なのか俺の名において公表するつもりだ。
お前がそれを知ったとき、もうおしまいだ。
クラーク:レックス…
レックスは部屋を出て行きます。
クラーク:レックス!
トラックを運転し帰宅するクラーク。
彼はヘッドライトを消してトラックを降り家を目指します。
クラーク:母さん!
父さん!
大変なことが起こったんだ!
クラークはフェンスの傍で月光のせいで青白い幽霊のような顔をして立っているサラを見つけました。
クラーク:サラ?
君はここで何をしてるんだい?
サラはフェンスの近くに咲いている花を見ています。
サラ:ライラック。
この数年間ライラックなんて見なかったわ。
この花が好きなのよ。
ママが私のためにって育ててくれたわ。
クラーク:家族はどこにいるんだい?
サラ:ねえ。
お願い、また私をあいつに連れて行かせないで。
クラーク:誰だって?
サラ:トラベラーよ、クラーク。
クラーク:どうして僕の名前を?
突風が突然吹くとサラはクラークの肩越しに見ます。
サラ: あーっ!!!
クラークが振り向くと赤いフードを被った人影がありました。
それは顔がなく死神のような腕は伸ばし
悪魔的な男の声を出しました。
トラベラー:サラ、俺から逃れることはできんぞ。
クラークは自分よりも数フィート背の高いトラベラーのところに行って彼の腹を殴ろうとします。
トラベラーはクラークの手を掴むとクラークを投げ飛ばしました。
クラークは干し草を積んだトラックの荷台に落ちます。
トラベラー:[サラに]
お前がどこに隠れようとも、俺は必ず見つけ出してやる。
トラベラーはゆっくりとサラに近づきます。
サラ:いやよ…お願い、やめて!
クラーク!
キャー!
クラークがサラの元へ走るとトラベラーは彼女を包み込むように腕を巻きつけ彼女を覆い隠し前かがみになりました。
クラークが赤いケープを掴みましたがサラとトラベラーはすでに消えてしまい
残っているのはケープだけでした。
クラーク:クソッ!
サラ!
クラークは地面に拳を叩きつけると地面には深い穴が開き
彼はま逆さま穴に落ちていきました。
屋根裏のソファーの上で目が覚めたクラークは飛び起きます。
彼はきちんと座り直します。
マーサとジョナサンが彼の傍にやって来ました。
マーサ:クラーク!
ああ、よかったわ、ずっと心配していたのよ。
クラーク:一体何が?
マーサ:あなたは歴史の試験勉強している最中に眠ったままになってしまたのよ。
ジョナサン:1日半前のことだ。
それからずっとお前を起こそうとしていたんだが。
マーサ:きっと夢を見ていたのね。
クラーク:ものすごいリアルだった。
サラ・コンロイっていう女の子に会って、そして彼女は困難に陥ったんだ。
ジョナサン:コンロイ。
それは隣に引越してきた人の名前だ。
ティーンエージャーの娘がいたはずだが。
クラーク:ラナのいた家に引っ越してきたの?
クラークはソファーから立ち上がり窓に向かって行きます。
ジョナサン:昨日からそこにトラックが来ている。
クラーク:一度も会ったことがない人の夢をどうやって見ることができたんだろう?
ジョナサンとマーサは心配顔でクラークを見つめクラークもゾッとしました。
フェイドアウト
第2幕 場面 1。
クラークがコーヒーを飲みながら玄関前の階段の上に座っています。
日中。
彼は立ち上がると階段下へと降り腕を伸ばします。
ジョナサンとマーサが外に出て来ました。
ジョナサン:おっと。
こんなに早く誰かと思ったぞ。
マーサ:クラーク、あなたは一晩じゅう起きていたの?
クラーク:なんか眠るのが怖くて。
夢なのか現実なのか分からなくなってきたよ。
コンロイをチェックする必要があると思うんだ。
マーサ:何て事言うの?
サラがあなたの夢の中で危険だったって?
ジョナサン:少し注意深くする必要があるぞ、クラーク。
クラーク:うん、今も注意してるよ、眠らないようにさ。
ジョナサン:お前はただ眠っていたわけじゃないんだぞ、クラーク。
36時間もの間寝ていたんだ。
たまたま偶然その娘が隣に引っ越して来ただけじゃないのか?
クラーク:彼女が僕を眠らせていると思う?
ジョナサン:私には分からないな、クラーク。
しかし奇妙な事はこの辺りで続いているんだ、注意するにこした事はないぞ。
それでな、お前に聞きたいんだが、隣の家は避けた方がいいんじゃないか。
クラークは応えずコンロイの家の方を向に距離を調査します。
第2幕 場面 2。
クラークがトラックの後ろに干し草の梱を載せています。
日中。
ラナが近づいてきます。
ラナ:この2,3日、あなたが学校に来なかったから淋しかった。
クラーク:あまり気分がすぐれなかったんだ。
ラナ:正直言うと、少し疲れたような顔をしてるわ。
少し眠った方がいいんじゃない。
クラーク:[即答]
いや。
あのー、すぐ元気になるから。
ラナ:[笑いながら]
オーケー。
ラナはバッグから何枚かの紙を取り出すとクラークに手渡します。
ラナ:じゃあ、えーと、宿題を持って来たの。
ブレア先生が言ってたんだけど、そのー、ご両親からノートを受け取っているなら歴史の追試をしてくれるって。
クラーク:[ほほ笑んで]
ありがとう。
[間があり]
話してもいいかな?
ラナ:ええ。
クラーク:夢を見たんだ、そしてそれは本当にゾッとした夢だった。
ラナ:どんな内容?
クラーク:色んなこと。
女の子の。
ラナ:[少しがっかりした様子で]
ふーん。
クラーク:ラナ、そうじゃないんだ。
彼女は助けを求めていたんだ。
ラナ:ちょっといい。
あなたが彼女を救わなければならなかったの。
クラーク:僕が助ける事ができなかった事を除けばね。
彼女の名前はサラといって君の元の家に引っ越してきたんだ。
ラナ:あなたはいつ彼女に会ったの?
クラーク:それは夢の中で。
実際には会ってない。
でもどうやって彼女の夢を見ることができたのか?
ラナ:まあ、もしあなたが私を夢の中に案内してくれるんなら理解することができると思うけど。
クラーク:僕の事おかしいと思ってないか?
ラナ:クラーク、私はあなたが沢山の問題を抱えてるとは思ってるけど心まで失ったと思ってないわ。
クラークが笑います。
ラナ:オーケー、それであなたはどこで最初に彼女に会ったの?
クラーク:クレーター湖。
君もそこにいた。
ラナ:本当に?
私達何をしてたの?
クラーク:[構えて]
何も。
うーん、ぼんやりとしか覚えてない。
ラナ:オーケー。
じゃあ、私に考えがあるわ。
私達でサラに会いに行けばいいんじゃない?
クラークは何か言い返そうとしましたが微笑してうなずきました。
サラがベッドの上で意識を失った状態で横たわっています。
サラの叔父のニコラスが愛しそうに彼女の額に触れるのをクラークとラナは見守ります。
クラーク:[ニコラスに]彼女は、そのー…医者は彼女が目覚めると言ってましたか?
ニコラス:まあ、希望はあると。
ラナ:こんな状態の娘さんを見るのは本当に辛いでしょうね。
ニコラス:ああ、サラは私の姪だ。
それでこの家は君の元家だったね、ラナ。
ラナはうなずきます。
ニコラス:[クラークに]
そして君は隣に住んでいる子だったかな。
クラーク:何が起きたんですか?
ラナ:[小さな声で]クラーク…
ニコラス:大丈夫だよ。
秘密でもなんでもないんだから。
それは自動車だった。
サラと彼女の親はサッカーの試合を見た帰り道で、ローブ橋から落ちたんだ。
救命救急師はサラが眠っていたと言っていた、それがおそらく彼女が助かった理由だ。
ラナ:サラはスモールビルにいたんですか?
ニコラス:グランビルだ。
郡境のすぐ向こうだ。
クラークがサラの枕許のテーブルにあった花に気付きます。
クラーク:ライラック。
これはサラのお気に入りだ。
ニコラス:そうだ。
どうして知っているんだね?
ラナ:[カバーするように]
私もその花が好きなんです。
同じ家に住んで、運命かもしれないわ。
ニコラスはサラの枕を直すために前屈みになると金のペンダントが彼の首にしているのが見えました。
クラーク:そのメダルは。
ニコラス:これかい?
まあ、これは古い聖クリストファーだ。
クラーク:トラベラーの守護聖人?
ニコラス:ああ。
そうだ、私は毎晩サラの旅が終わる事を望んでる、そして彼女が戻って来るようにと彼へ祈りを捧げているんだ。
おっと、すまない。
折角来てくれたが、
あー、サラの薬の時間なんだ。
立ち寄ってくれてありがとう。
クラークが心配そうに微笑します、そして彼とラナは部屋を出て行きます。
彼らがいなくなるとニコラスは種々の薬が沢山入っているキャビネットの錠を開け扉を開きました。
第2幕 場面 3。
ルーサー・コープの外。
日中。
レックスがライオネルのオフィスに入るとライオネルはテーブルにうつ伏せになりマッサージをさせていました。
レックス:父さん、俺はルーサー・コープ、そしてあなたに忠実で完全に戻ったことを明確にしたはずですが。
ライオネル:[頭を持ち上げないで]ああ、それは嬉しいぞ…[彼は喜こんでモゴモゴと言います。]…それを聞いて.。
ところで、何か問題でも?
レックス:俺は仕事で必要なコンピュータファイルが半分もブロックされている。不十分なセキュリティークリアランスじゃないか?
ライオネル:[マッサージ師に]ありがとう、メイル。
ライオネルはきちんと座り直しマッサージ師は彼のローブを着るのを手伝います。
ライオネル:これらは、うーん、セキュリティ対策なんだ、レックス、やむを得ない事なんだ。お前はそのことを知っておくべきだ。
我々は我々の資産を守らなければならん。
レックス:俺からかい?
ライオネルはテーブルから立ち上がりソファーへと歩きます。
ライオネル:私はルーサー・コープに対するお前の新たな意気込みに拍手を送ろうじゃないか。
お前のこれまでの事から見れば、それは注目に値する。
レックス:だがあなたは俺が再び裏切るかもしれないと思っている。
ライオネルはコーヒーテーブルの上から桃をとります。
ライオネル:私を裏切る?それは面白い見解だな。
[彼は桃をひとかじりします。]お前はそうするのかね?
レックスはライオネルの座るソファーの隣に座ります。
レックス:俺はこれがうまくいくことを望んでいる。再び家族になることを望んでるんだ。
あなたは俺を恐れるものは何もないはずだ。
ライオネル:何故お前は精神鑑定を途中で拒否したんだ?
レックス:まさかだろ、父さん。あなたは一度だって心理学者のたわごとを信じたことがないじゃないか、そして俺もそうしない。
ライオネル:私は信じてるよ、うーん、個人の感情的な問題が日ごとの意志決定に影響を与えることに間違いないとな。
夢がしばしば隠れている危険を明らかにすることができると思っている、警告としてな。
レックス:ユング・クリフの説教かい。父さん。
ライオネル:それは5つのセッションだ、レックス。それが全てだ。
お前は我々の債券を再確立することを望んだはずだが。
レックス:その通りです。
ライオネル:ならそれを実行しなさい。お前に対しての私の全体の信頼が正当化されることを証明してみなさい。
ライオネルは桃をもう一かじりをします、そしてレックスはただ彼を見ます。
第2幕 場面 4。
クラークはスモールビル高校の彼のロッカーを閉じています。
日中。
クロエが彼と一緒に立っています。
クロエ:隣の家の女の子の夢を見ているクラーク・ケント。
決して変わらないものがあるって知って嬉しくないよ。
彼らは歩き始めます。
クラーク:ずっと起きていようとしてるんだ。
クロエ:ええ、レッド・ブルさえその限度を持っています。あたしを信頼してよ。あたしがテストしてあげる。
クラーク:サラが助けを求めるために僕に連絡をしようとしてるんだと思う。
クロエ:コミュニケートするためにあなたの夢に入り込んだ?
クラーク:ほかにどうすれば彼女の生活の細部を知ることができるんだい?ライラックの事みたいに。
彼らはトーチのオフィスに入ります。
クロエ:R.E.M.睡眠の間にテレパシーの感受性が増加するっていう理論があるわ。それは前頭葉の活発化と関係があるの。
クラーク:僕の前頭葉がビーコンの役を務めてるんだ。
クロエが笑います。
クロエ:一度もこんなに飛躍的なケースは見たことがないわ。でもあなたの脳があたし達より少し違ってることを知ってるから。
付け加えるなら彼女が落ちた川ってさ、あたし達の好きな緑色した物体のある場所で、
完璧におかしくなっちゃうスモールビルカクテルがあるんだよね。
クラーク:隕石が彼女にこの能力を与えたと思うかい?
クロエ:まあ、彼女が中に入った途端にあなたを眠らせることができるんだから。確かに一日半グーグー寝てたって言ってたわよね。
クラーク:トラベラーが現われるまで目を覚まさなかったんだ。それは彼女の叔父さんだと思うんだ。
クロエ:あるいは彼女が叔父さんに対して感じている不安の象徴かも。ゴメン、精神分析するようなつもりで言ったわけじゃないよ。
クラーク:違うんだ、彼女の叔父さんは彼女の生活の全権を握ってる。彼はなぜ彼女の夢に出てこないのか?
クロエ:あなた、利他的を買ってでてない?
クラーク:慈善事業とかそんなもんじゃないさ。
裁判所へ行けば叔父さんのニコラスについて何かしらの公開記録を見せてもらえるかも?
クロエ:あたしはディリープラネットの締め切りなの、それに話にならないほど変な話は彼らの心に優先順位がないの。
クラークが今も変わっていない運命のの壁を見ます。
クラーク:これ以上子供っぽい追求の時間はないんだ。
クロエ:ねえ、今はフェアーじゃないよ。
あたしが一緒に行ければ分かってるでしょ、あたしも一緒に間違いなくほこりまみれの記録を引っ張りだしてるわ。
クラーク:そうかな。いいよ、ラナに言ってみる。
クラークが去り始めます。
クロエ:そうかもね、少なくても彼女ならカフェインを切らす事はないからね。
クラークはクロエを振り返って皮肉っぽく微笑すると立ち去ります。
第2幕 場面 5。
クラークとラナはクラークの屋根裏で公開記録の山を調べています。
夜。
ラナはソファーに座りクラークは彼女の後ろに立っています。
ラナ:今分かったわ、公開記録がなぜ公開なのか。信じられないほど退屈だわ。
クラークがひざを落とし1枚の書類を差し出します。
クラーク:全てじゃないよ。これをちょっと見て。
ラナは書類を受け取ります。
ラナ:うわーっ。サラのご両親ってお金持ちだったのね。
クラーク:両親が死んだとき彼女は全てを相続したんだ。そのお金を誰がコントロールしてるかわかるかい。
ラナ:ニコラス叔父さんね。
クラークはソファーの正面に回ってラナの隣りに座ります。
クラーク:彼女が昏睡状態になってる限り彼が財産をコントロールするんだ。
ラナ:でもまだ何か悪いことをしてないし、姪の面倒をみるながら生活をしてるんだから決定的な証拠はないわ。
クラーク:それならサラはなぜ彼にそれほど怯えているんだい?そこが分からないんだ。
ラナ:ねえ、あなたは疲れているのよ。
クラーク:目を閉じるのが怖いんだ。
ラナ:もう1つコーヒーポットを作って置いていくわね。
ラナは立ち上がります。
クラーク:帰ってもいいよ。
ラナ:そうするわ、クラーク。
彼らはお互いにほほ笑みます、そしてラナは屋根裏を出て階段を下ります。
クラークは顔を手でなでおろし大きな欠伸をします。
彼のまぶたは段々と下がり始めすぐにまぶたを閉じました。
階段を登る音が聞こえるとクラークは再びまぶたを開けます。
クラーク:ずいぶん早かったね。
クラークはサラが階段の上に来ているのを見ます。
クラーク:サラ。
サラ:[小さい微笑で]ハイ。
クラーク:僕は眠ってしまったのか。
サラ:ええ。
クラーク:君はどうやって僕の夢の中に入るんだ?
サラは階段の中途で止まります。
サラ:分からないの、クラーク。私…今までに一度もこんな事はなかったわ。
ただこの前、突然だったわ…森、学校、そしてあなたの家にきたの。
あなたとラナが私に会いに来たとき何が起きたか悟ったの。
クラークがゆっくりと立ち上がります。
クラーク:僕らの声が聞こえたのかい?
サラ:ええ。それは長い暗いトンネルみたいだった。
つまり、時々それが開いたり閉じたりしてるの。
私はあなたに連絡を取ろうとしたわ。
つまり、あなたの体を動かなくしなければ決してコンタクトできないのよ。
クラーク:サラ、トラベラーは誰なんだい?
サラは恐れて階段を後退しました。
サラ:だめ、わ、私達はあいつの話をしちゃだめよ。あいつが私達を見つけるわ。
クラーク:[階段を降りていきます]君の叔父さんじゃないのかい?
君はなぜ彼をそれほど恐れてるんだ?彼が君に何をしたんだ?
サラ:分からないわ。お医者様が話をしているのを聞いた事があったわ、それは私が目を覚ますことができるって言ってた。
でもほんの少しだけ気分良く感じる時は決まっていつも彼が何かをするの、
そして海の底のような深い暗い場所に送り返されるのよ。
1度だけ目を覚ましかけた事があるわ。それは彼がここに引越しをしてきたときよ。
突然風が屋根裏に吹き始めます。
サラ:どうしよう、あいつがここにいるわ。
突然サラは後ろ向きに引っ張られるように階段の手すりを超えて落ちました。
クラークは走って床に落ちてサラを探します。
トラベラーは彼女の後ろに立ち、ゆっくりと彼女を赤いケープで覆い腕を巻きつけます。
サラ:きゃーーー!
ケープは渦を巻くように回転しながら床の中へと消えていきました。
ブラックアウト。
第3幕 場面 1。
レックスの屋敷。
日中。
クラークとレックスは屋敷内の廊下を歩いてます。
レックス:面白い理論だな、クラーク。
クラーク:馬鹿げたように聞こえるかも知れないけど実際に起きたことなんだ。
レックス:じゃあ、お前は夢の中でも人助けをしてるって言うのか。精神科医はそのシナリオなら大いに嬉しがるだろうな。
クラーク:信じてくれないのか?
彼らは書斎に入ります。
レックス:お前が信じるなら俺も信じるさ、それで十分だろ。
悪いが、クラーク。俺は心理療法には個人的偏向を持っているんだ。
クラーク:自分の頭にこのような人達がいないから分からないんだよ。
レックス:このようなとは。
クラーク:ああ、僕が彼女を助ける方法を思いつくまで、この娘は僕の頭の中にいるんだ。
レックス:俺はメトロポリスジェネラルへちょっと電話してみたんだが、本当ならサラは目を覚ますはずだった。
クラーク:それなら彼女の叔父は彼女に睡眠薬を盛ってるんだよ。
レックス:彼らは犯罪の証拠となるものは何も持ってなかった、しかし彼らは一通りの血液検査を行なっている。
クラーク:多分検査に引っかからない薬を使ってるんだ。
レックス:クラーク、どう見ても見かけからは何か悪いことをしてるようには見えない。
クラーク:見かけと内心が違うっては事は知ってるはずだろ、レックス。
レックス:警官にお前が見た夢の話をしたところで逮捕されることはないだろうな。
クラーク:手伝ってくれてありがとう。
レックス:いつでも。
クラークが立ち去ろうとしましたが壁の剣に気付き立ち止まりました。
それは夢の中で剣を見つけた同じ場所にありました。
彼は不安そうに剣に向かって行きます。
クラーク:こんな形の剣っていいよね。それで、何て言うか、そのー、有名な侍骨董品なのかい?
レックス:そうでもない。[剣を壁から取り]それは、あー、俺は黒沢映画が好きで気に入っているんだ。
「蜘蛛巣城」が特にな。
レックスは剣を鞘から取り出して構えます。
レックス:オークションで買ったんだ。
レックスはクラークに剣を振り降ろしクラークの目前で寸止めしました。
クラークはたじろぎます。
レックス:[ほほ笑んで]安心しろ、クラーク、お前を切るつもりはないよ。冗談だ。
クラーク:そうだよね。
レックス:[剣を鞘に納めます]お前はファンタジーと現実の違いを学んだ方がいい。少し眠った方がいいぞ。
第3幕 場面 2。
ニコラスの家のドアがノックされます。
日中。
彼がドアを開くとクラークがポーチにいました。
ニコラス:クラーク。これは嬉しい驚きだな。
クラーク:サラに少し新しい花を持って来たんだ。
クラークはライラックの花束を上げます。
ニコラス:[嬉しそうに]おお。中に入ってくれ。
サラの部屋で。
ニコラスが花びんにライラックを活けている間、クラークはベッドでまだ意識不明のサラを見ます。
ニコラス:本当に優しいんだな、クラークは。
クラーク:しばらくの間彼女と一緒に居たいんですけどかまいませんか?
ニコラス:かまわないよ。
クラークはキャビネットにX線ビジョンを使います。彼は中にある全ての薬物を見ます。
ニコラス:何か飲物でも持ってこようか?
クラーク:カフェインが入っているものなら何でもいいです。
ニコラス:私はソーダでも飲むとしようか。
ニコラスが部屋を出るとクラークはキャビネットに行きます。彼はドアを強引に開き薬の入ったビンを掴むとラベルを読みます。
彼は少しの間何かを考えていると次の瞬間スーパースピードで消え去ります。
ニコラスが戻るとクラークがそこにいないことに気づき当惑顔になりました。
それから半ば開かれたキャビネットのドアに気付きます。
彼はキャビネットに行くと薬ビンがなくなっていることを知って腹を立てます。
未舗装道路を走るトラックを運転しているクラーク。
大きな音でラジオを鳴らしながら、直射日光に目をしかめながらも極度の疲労を伴っていました。
手で目をこすると隣にサラが座っているのに気づきました。
サラ:[恐れて]クラーク!
クラーク:サラ…
サラ:叔父は怒ってるわ。
クラーク:待ってくれ、君がここにいるてことは…つまり僕は…
クラークを乗せたトラックは道から外れフェンスを乗り越え空に舞い上がりました。
そして何回転か転がると逆さまの状態で停止しました。
第3幕 場面 3。
マーサが1枚の書類を見ながらダイニングテーブルで電卓を打っていました。
日中。
ラナがドアをノックして入ってきます。
ラナ:こんにちは?
マーサ:ラナ、こんにちは。お入りなさい。
ラナは手にアイスコーヒーを持っています。
ラナ:あのークラークはどこにいますか。彼にコーヒーを持って来たんですけど。
マーサ:まあ、まだレックスのところから戻ってないのよ、でもここで待ってたら。
ラナ:ありがとうございます。
ラナは飲み物をテーブルに置きます。
ラナ:それで、新しいお隣さんが越してきましたね。
マーサ:ええ、昔の人と比べちゃうとちょっとね。
ラナは不安そうに笑います。
ラナ:ケントさん、聞いてもいいですか?
マーサ:もちろんよ、ラナ。
ラナ:[イスに座り。しばらくの間があり]クラークがなぜ私を遠ざけたのか分かりますか?
マーサ:[穏やかに]メトロポリスがクラークを変えたのよ。この春にいなくなる前の同じ少年ではないわ。
ジョナサンも私も同じようにそう理解しようとしてるの。
ラナ:思うんですけど…もし私が十分に時間をかけて彼の元にいたならいつか打ち明けてくれると思うんです。
マーサは同情的に微笑します。
外からジョナサンの声が聞こえてきます。
ジョナサン:マーサ!速く来てくれ!クラークだ!
ラナとマーサは家から走り出てきます。外で彼らは地面に逆さまになったトラックを見ます。
マーサ:なんて事なの!ジョナサン!
ジョナサンは横転したトラックからクラークを引っ張りだします。
クラークは意識不明です。
マーサ:何があったの?
ジョナサン:分からない。運転中に眠ってしまたんだろう。
ラナ:救急車に電話をするわ。
ジョナサン:いや、いいんだ、ラナ、ただ頭を打っただけだと思う。大丈夫だよ。
マーサ:まあ、どこから帰ってきたのかしら?レックスの屋敷とは別の方向だわ。
ジョナサン:ああ、クラーク、コンロイのところには行かないように言ったはずだ。
ラナ:サラのことが心配だったの。夢の中で彼女を見続けてたから。私のせいだわ。私があそこに連れて行ったから。
マーサ:ねえ、ラナ、自分を責めちゃダメよ。クラークは大丈夫だから。
ラナ:サラはどうなのかしら?マーサ:私もサラのことが心配だわ。
クラークの閉じられたまぶたの右目はわすかに痙攣をしていました。
クラークの夢に戻り。
彼はクレーター湖のすぐわきの未舗装道路に横滑りして停止したトラックを引っ張っているとサラが車から出てきて逃走します。
クラークは彼女の後に続きます。
クラーク:サラ、待って!
彼女が桟橋に到着するとクラークが彼女を走って追いかけてきました。
クラーク:サラ!
サラ:ダメ!あいつから逃げなきゃ!
クラーク:走り続けることはできないだろう。
サラは止まって顔をクラークの方に向けます。
サラ:私はただ自由になりたいの。
クラーク:できるさ。現実の世界で。ただ君は叔父さんと向き合わなければならない。
サラ:怖いわ。
クラーク:サラ、君がこの夢に僕らを引き留めているんだ。僕が目を覚ますまで君を助けることができない。力が使えないんだ。
サラ:ごめんなさい、クラーク。
遠くで唸り声が聞こえます。
それからトラベラーの腕は水から伸びてサラの足首を掴み水の中へと引きずり込みました。
サラ:キャー!
クラーク:サラ!
クラークは彼女を追って飛び込みます。
第3幕 場面 4。
サラの家の外。
日中。
サラの部屋でニコラスは薬ビンから青い液体を注射器に吸っています。
ニコラス:[腹を立てながら]どうして奴がこの事を知ったんだ?
どうやってライラックの事も?
[彼はサラのベッドの脇にひざまずきます]
何が起きているのかは知らんがこれでおしまいだ。
ニコラスはサラに注射しようとサラの腕をつかみます。
ラナがドアから入ってきました。
ラナ:その注射を打たないで!
ニコラスは注射器を隠して立ち上がります。
ニコラス:どうやって入ってきた?
ラナ:私達あなたがサラに睡眠薬を打っていた事を知ってるわ。
ニコラス:本当かい?
彼は威嚇するようにラナに近づきます。
ニコラス:君とボーイフレンドは少しお節介じゃないかな。
ラナ:もしあなたが彼女を殺すなら、これ以上お金は手に入らないわよ。
ニコラス:誰が「彼女」を殺すって言ったんだね?
ニコラスはラナを掴むと彼女の首に腕を巻きつけ羽交い絞めにします。
ニコラスは注射針を彼女の首に刺すと、彼女はすぐに意識を失ってハンドバッグを落としました。
ニコラスは彼女の体を抱きかかえて床にゆっくりと降ろします。
ベッドにいるサラは閉じたまぶたの下で目は左右に動かしていました。
ブラックアウト。
第4幕 場面 1。
クラークは腕にサラを抱いて水から砂浜に上がってきました。
日中。
彼は浜辺に彼女を寝かせます。
クラーク:サラ、大丈夫かい?
サラ:大丈夫よ、クラーク。
彼女はうろたえていました。
クラーク:誰ないんだ?
サラ:ラナよ。
強風が吹きます。
サラ:いや。いやよ…
クラークが振り返って湖を見ます。
灰色の嵐雲が空と丘陵を覆うように湧き起こりました、そしてトラベラーは腕を広げて水から立ち上がります。
トラベラーは水の上に立ち、さまようような感じで浜辺へと近づいてきます。
トラベラー:警告したはずだ、サラ。お前には決して勝ち目のない争いだ。
サラは立ち上がります。
サラ:[クラークに]遅すぎたわ。
クラーク:サラ、僕らでラナを救わないと。
サラ:あいつは強よすぎるわ。あなたじゃ彼を止めることができない。
クラークがトラベラーに近づくとトラベラーはクラークの首を掴んで上へとクラークを持ち上げます。
トラベラー:ここに侵入する全ての者達へ死を。
クラーク:サラ!君も手を貸してくれ!
トラベラーは空中へとクラークを投げつけ、浜辺にあるピクニックテーブルに落ちます。
トラベラーはサラに向かってユラリと漂います。
トラベラー:サラ、お前は俺から逃れることができん。俺と一緒に来るんだ。
サラ:いやよ…
クラーク:君は奴よりずっと強いんだ、サラ!君は知っているはずだ!
トラベラー:奴はお前を助ける事などできん。
クラーク:奴が君をこんな風にしたんだ!怒れ!奴は6年間もの君の人生を奪ったんだ!
トラベラーがゆっくりと手を伸ばすと、サラは激怒で震え始めました。
トラベラー:俺がお前の運命をコントロールしているんだ、サラ。目を閉じて、眠りにつくんだ。
クラーク:怖がるな、サラ!
トラベラー:もっと抵抗するがいい、サラ、苦しみが増すだけだぞ。二度と警告はせん。
サラは激怒しトラベラーをにらみつけます。突然雲が掻き消え太陽が明るく輝きます。
トラベラーは手を引き戻して息をのみます。
クラークがトラベラーにヒートビジョンを放つとトラベラーは爆発しました。
ソファーの上で目を覚ましたクラークは息を切らしていました。
マーサ:クラーク。
クラーク:母さん。ラナが大変なんだ。
クラークはスーパースピードで家を出るとサラの家に向かい彼女の寝室に入りました。
彼女はまだ意識不明です。
クラークがラナの携帯電話をベッド脇の床の上で見つけます。
クラーク:ラナ。
森の未舗装道路に駐車されているラナ車の運転席ではラナが意識不明まま座っています。
ニコラスは車の周や中にガソリンを注ぐと未舗装道路の上に導火線代わりのガソリンを流します。
彼は空になったガソリン缶を放り投げます。
彼はポケットからライターを取り出すとライターに火を着けました。
クラークはサラの部屋の窓からサラを探しますが見当たりません。
森の木にX線ビジョンを使って調べます。
ニコラスがガソリンの導火線に火の着いたライターを放り出すのを見ます。
クラークの口は恐怖で開き部屋からスーパースピードで出て行きました。
ライターはガソリンの痕跡に落ちようとしています。
ライターが地面に届く前に空間がゆがんだかと思うと次の瞬間ライターはなくなっていました。
クラーク:[ニコラスの後ろから]これを探してるのか?
ニコラスが振り向くとクラークがまだ火の着いたライターを持っていました。
クラークはライターを閉じるとニコラスを木に投げつけました。
ニコラスは地面に落ちると聖クリストファーのメダルが襟の上にかかった状態で失神しました。
第4幕 場面 2。
ルーサー・コープの外。
日中。
ライオネルはオフィスでドアと反対方向を向いて机の前に座っていました。
レックスが入ってきます。
ライオネル:[向きを変えないで]レックスか?何が緊急な事でも?
レックス:やる事に決めたよ。
ライオネル:おお?何をだね?
レックス:精神科医に会って精神鑑定の一連の検査にさ。
ライオネル:[レックスを見るために振り返ります。]不思議だな。
なんで心変わりをしたのか聞かせてもらえるか。
レックス:なぜって、今まで俺は懸念の姿勢で関係していたからさ。
もしあなたが探偵みたいに嗅ぎまわっても、それはそれだ。
ライオネル:才能だな、レックス。そしてそれは有用だ。
レックス:あなたに俺を正当な相続人であることを証明するつもりである唯一の方法が力の立場からの関係であることを知っている。
俺は隠すべき事は何もない。
ライオネルはレックスに立ち上がって歩きます。
ライオネル:それはどう受け取ればいいんだね、レックス。
レックス:俺はあなたが俺の父親であり、そしてあなたは俺が最大の利益を出す事だけを思っていればいいんです。
ライオネル:医者は誰がいい?
レックス:クレア・フォスター。
ライオネル:おお、大いに資格があるな。彼女は2冊の本を出版した。
彼女はお前にどんな問題があっても手助けしてくれるだろう。
レックス:[間があり]島で頭がおかしくなったわけじゃないよ、父さん。
ライオネル:[クスクス笑います]おお、おかしいなんてそんな事。もちろんそう思ってはいないさ。
ライオネルは軽くレックスを抱きしめます。
ライオネル:だが書面でそれを持ってくるんだぞ?
レックスは立ち去ろうとします。
ライオネル:レックス。お前は金持ちだが頭がおかしいわけじゃない。風変わりなんだ。
レックスは少しうなずくと目をそらして部屋を出て行きました。
第4幕 場面 3。
スモールビル医療センターの外。
夜。
クラークがライラックの花束を持って廊下を歩いています。
彼はサラがベッドに座っているのを窓越しに見て部屋の外から窓をノックして病室に入ります。
クラーク:ハイ、サラ、調子はどう?
サラ:ハイ。
クラーク:君に少しだけどライラックを持って来た。君のお気に入りだろ。
クラークがテーブルの上に花を置きます。
サラ:クラークなの?
クラーク:[うなずきます]君が僕を覚えているとは思わなかったよ。
サラ:ええ。もう会えないと思ってた、一度も正式には会ったことがないけど。
わ、私、どうやってあなたの夢の中に入ったか分からないの。
クラーク:重要な事は君の安全だよ。それと目が覚めていること。
サラ:あなたは明らかに特別な人ね。あなたの力の一端を見てしまったわ。
クラーク:まあ、夢の中ではみんなスーパーだからね。
サラ:私…知ってるの、それが私とは無関係な事、夢は普通個人の…
クラーク:いや、そのー…
クラークがベッドの脇に座ります。
クラーク:君の見解を聞いてみたいな。君は何を見たんだい?
サラ:明らかに恋愛中で、でもそれに抵抗する誰かが、ラナじゃない?
クラークは返事をしません。
サラ:クラーク、6年間閉じ込められていても誰かぐらい分かるわ。
もしあなたがそれほど彼女を愛してるなら彼女から離れちゃダメよ。
クラーク:それは長くて複雑な話なんだ、サラ。
サラ:私はただ見た事を話してるだけ。私がそこにいたかもしれないけど、でも…ラナはあなたの夢なんでしょ。
サラは笑顔を向けますがクラークが思いにふけって彼女を見ると目を伏せました。
第4幕 場面 4。
クラークが屋根裏で宿題をしています。
夜。
ラナが入ってきます。
ラナ:徹夜で一夜漬け?
クラーク:やっと少しだけ眠れたよ。歴史の追試は明日だからね。どんな感じ?
ラナ:[笑い]ちょっとバカな事しちゃった。
クラーク:どうして?君がしたことは本当に勇敢だったよ。サラの命を救ったじゃないか。
ラナ:ええ、でもかなりの代償を払ったわ。あなたが来てくれて運がよかったのよ。
クラーク:僕が心を失っていたとき、君は僕を信じてくれた。それは僕にとっては嬉しかったんだ。
ラナは微笑します。
彼女はクラークの向こう側のウインドウに歩きます。
ラナ:それでさっきサラに会ってきたの。
彼女が話をしたのは全てあなたの事よ。
私は彼女に言ったの、立場が変わっても愛してるって、何があなたの頭の中にあるのか見つけだすわ。
クラーク:それはあまり面白くないな。
ラナ:まだよ、いい、二人の間の事を説明…。
クラーク:[自分の頭を指し示し]ラナ、もし僕のここに答えがあったら、君が一番最初に知る事になるよ。
ラナ:ほんの数日だったけど、また隣人の娘に戻れたような気がしたわ。良かった。
クラーク:それが死にかけたとしても?
ラナは彼に小さく微笑をすると去り始めます。
クラーク:ラナ。君はいつも隣の家の娘だよ。
ラナは階段を下り始めましたが引き返します。
ラナ:そうだ、うーん、二人でこの週末何かしない、どんな事でもいいからさ?あのね、友達としてだよ。
クラーク:何かしたいことがある?
ラナ:まあ、ここのところ暑かったから、クレーター湖に泳ぎに行こうかなって思っていたの。
クラーク:[困ったような顔をして]ああ…でも裸で泳ぐのはちょっとね。
ラナ:[驚きながら]誰が裸で泳ぐって言ったの?
[からかいます。]多分あなたの夢の中なんでしょ、クラーク。
ラナは階段を下ります、そしてクラークは彼女が帰るのを笑顔で見送りました。
ブラックアウト。
おしまい