言葉のごった煮>トップへ
SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン3.05Perry[ペリー]
第1幕 プロローグ
星々光り輝く宇宙空間で銀色に光る流星が細かな隕石を引き連れ軌跡を描きながら太陽に向かって飛んできます。
そして流星は太陽へと落ち大爆発を起こしました
太陽の表面は白光します。
ホワイトアウト。
女性レポータの声が聞こえてきます。
クラークは画面に釘付けになりレポートを食い入るように見ています。日中。
彼の隣りのテーブルの上には数冊の天文学の本と「サイエンティフィック・アメリカン」という雑誌が開かれたまま置かれています。
レポータ:…カンザスシティー、カンザスから。科学者は天文学において今世紀最後の最も重大な現象の一つだといいます。
巨大な太陽フレアはすでに急激な変化をもたらし、そして…
ジョナサンとマーサがスーパーの袋を抱えて入ってきました。
ジョナサン:クラーク?おいクラーク、ちょっと手を貸してくれてもいいんじゃないか?
クラーク:ああ。 [立ちあがって]ごめん、見入っちゃったよ。ニースの特番に声をかけられたから。
クラークは母親から荷物を受け取り台所へ行ってテーブルの上に置きました。
ジョナサン:本当か?何の特番だ?
クラーク:太陽フレアと地球の大気に対する影響だよ。
NASAによれば今日彗星が太陽に衝突して今までに記録された中でも最も大きな太陽フレアなんだってさ。
マーサ:ふーん、随分興味がありそうな言い方じゃない。
クラーク:実際に宇宙の災害を調査するのは安心するよ、僕には関係ないけどさ。
マーサは笑います。
クラーク:もう行かないと。タロンでピートとノートの交換を約束したんだ。
クラークはバックパックを背負い、ドアに向かう途中でコートを取りました。
マーサ:車で行くの?
クラーク:いや、自分で走るよ。じゃあ。
マーサ&ジョナサン:いってらっしゃい。
クラークはドアをドアを閉じるとすぐに超スピードでいなくなりました。
リビングのテレビはニュース特番を続けいていました。
レポータ:…強力な大爆発は遠くまで影響をうけるでしょう。 このタイプのコロナガスの噴出の衝撃波は…
ワイルド・コヨーテ・バーでは。 バーの上のテレビは先ほどの特番を映しています。
その下ではペリー・ホワイトがテキーラのグラスを持ち既に酔っぱらっています。
レポータ:…は非常に強いので、降り注ぐ磁気嵐は地球の磁界に衝突します。分かりやすく言うと…
ペリー:[バーテンに] お前さんはこの世界のどこかに俺たちの知らない大きな力があると信じるか?
ペリーはバーテンを見ますが、既に目もかすみ目を細くして尋ねます。
バーテン:もちろんだ。なあ、フットボールの試合に回してもいいか?
ペリーが頷くとバーテンはチャネルをフットボールの試合に変えます。
ペリー:[クスクス笑います] それは人間にとっては小さなステップだが、メトロポリス・シャークスにとっては大きな飛躍だ。
[彼はグラスを乾杯の形に上げます]リトルビルへ、そしてカンザスとそこに住む人達に。
彼はテキーラを飲み干します。
ペリー:もう一杯だ。
バーテン:なあ、小言は言いたくないんだが、もう十分飲んだんじゃないか。
ペリー:[大声で]トラブルを起こしたくないなら、俺に小言なんか言うな。
バーテンと別の男がペリーをバーのドアのから押し出しています。
バーテン:[中に入りながら] もう来るなよ。
ペリー:[千鳥足で] なにがいい町スモールタウンだ、クソ。
クラークはタロンに向かう道路に沿って超スピードで駆け抜けます。
ペリーはまだ酔ったような状態で車を運転し地図を見ながら携帯電話で話をしています。
ペリー:い、いや、ええ、いや、お、お、お、俺がを見つける…ああ、分かってる…
[携帯を耳から放し、もう片方へ移します] ああ、うーん、いや。違う、飲んでないさ。
心配してくれてありがとう。
ペリーは電話を切ると地図に目を移し、その車の脇をクラークが超スピードで通過します。
ペリーは地図を折り畳むと助手席のバッグにしまい道路から完全に目を離しました。
すると車は道路を車線を越えて急に蛇行し始めます。
クラークの走るスピードが遅くなったり早くなったりとコントロールできないように見えます。
彼は突然超スピードが出なくなり道路の真ん中でよろめきながら止まりました、そこへペリーの運転する車が近づいてきます。
ペリーの目は見開き、急ブレーキをかけるとクラークを避けて右にそれました。
タイヤは路面にスリップ音を軋ませ電柱にぶつかりました。
電信柱が折れ曲がり火花を散らしながら衝突したペリーの車の上に落ちてきます。
切れた電線がスパークしながらクラークの足元や車の周りに横たわります。
クラークは車に向かって超スピードで動きドアをはぎ取って道路の反対側に投げるとペリーは驚いて見つめます。
クラークが車からペリーを引っ張り出すと超スピードで歩道へ移動し地面にペリーを下ろしました。
クラーク:大丈夫ですか?
ペリー:素手で自動車のドアを引きちぎったのか?電線の中を突っ切って。
クラーク:少し酔ってるんじゃないですか、えーと…
ペリー:ホワイト。 ペリー・ホワイトだ。
第1幕 場面 1
空で輝く太陽。日中。
農場の外でクラークは何本もの木の杭を担いで干し草の山の脇に下ろしました。
彼は一本取ると尖った方を地面に簡単に突き刺しました。
もう一本杭を取りに戻り同じ事を繰り返します。
三本目の杭を取って地面に突き刺すと、本人は無意識でほとんど地面に埋もれるほどの力で埋め込んでしまいました。
ジョナサンが近づいてきました。
ジョナサン:まぁまぁ。気を楽にしろ、クラーク。
クラーク:強さの加減を間違ったんだよ。
ジョナサン:聞いてくれ、今病院に電話したんだが。ペリー・ホワイトさんが昨夜遅く自分で確認に行ったようなんだ。
クラーク:救急医療師は酒気帯びだったと言ってたけど。
ジョナサン:なあ、お前は彼が何を見たと思う、クラーク?
クラーク:父さん、あの人は多分僕の名前も覚えてないさ。
ジョナサンはうなずきます。 小型トラックが道路に停車するとペリーが荷台に座っていました。
ペリー:クラーク! クラーク・ケントだね! [運転手に] ありがとう。
ペリーは地面に飛び降りるとトラックは行ってしまいました。 クラークは不安そうにジョナサンを見ます。
ジョナサン:やあ。
ペリー:[クラークに]この間あんたに会ったとき、あんたは車のドアをフリスビーのように投げて高圧電線すら無視していた。
クラーク:[ペリーと握手をしながら] ホワイトさん。
ペリー:[クスクス笑って、彼の目の前で4本の指を振りかざします]
俺を救急車に乗せてくれたクラークさんにお礼を言おうとしたんだが4人もクラークさんがいて迷ったよ。
[ジョナサンに]ケントさんですね?
ジョナサン:[ペリーと握手しながら]ええ、そうです。元気そうでよかった。
ペリー:まあ、それとは相対的で、俺の車はメチャクチャでさ、
おまけに保安官が酒気帯びで免停で、俺の頭の中では任務を遂行しろって喚いてやがる。
クラーク:あなたはレポータですか?
ペリー:昔はな。 今の俺は「X-スタイル」の先乗り要員さ、ケーブルTVの超常現象なら何でも扱う番組さ。
ジョナサン:それで何しにスモールビルに来たんです?
ペリー:ああ、俺は流星群とそれが生んだ超常現象について少し研究してるんだ。
ジョナサン:[笑いながら]そんなバカげた事を信じてるんですか。
ペリー:それは歯の妖精と同じだ。
彼らは共に笑います。 ペリーは木の杭が干し草の山の脇に置いてあるのに気付きます。
ペリー:杭打ちするのに道具を使わないのか?
クラーク:[話題を変え] あのー、ホワイトさん、本当はお礼を言いに来たんじゃないんですか?
ペリー:いや、そうじゃない。お、俺は示談を話し合いに来たんだ。
ジョナサン:示談とは?
ペリー:お笑い種だが俺の車はスクラップだ、ケントさん。あんたの息子を避けるためにな。
それで、俺はこの話を簡単に済まそうと思うんだ。
この地域を良く知っている地元の人間に俺を車に乗せて回って欲しいんだ。
二日間、俺にクラークを貸してくれれば、それで帳消しにしようじゃないか。
ジョナサンとクラークは顔を見合わせました。
第1幕 場面 2。
レックスは書斎で種々の芸術品を見ながら歩き回っています。 日中。
レックス:屋敷を直すとき父は骨董的な正確さを目指した、だが俺は自由な装飾をしようと考えていた。
芸術品や骨董品から以外の、そうもっと近代的な何か…抽象的なもの。
どうですか、先生?
クレア・フォスター医師がレックスの机の前に座っていました。
クレア:私はただ今日の話し合いがもっと生産的であることを望むだけです。
レックス:うーん。心理学の表現は信じています、あー、当然受け入れる事ができないものは拒否します。
そしてどんなに追求してもありもしない感情を表す事はできない。
クレア:今誰が拒否すると?
レックス:俺を信じてくれ、何も隠してはいない。
クレア:それなら島にいたときの事を話してください。
あなたを見つけた漁師はあなたが何か想像上の敵について熱弁をふるっていたと言っていましたが。
レックス:俺は病気だった、マラリアにかかっていたんだ。
クレア:あなたの血液検査の結果を見たわ、レックス。 病気の痕跡はなかった。
でもたとえ架空の病気であっても父親に向けるあなたの対立の狭間で困窮している感情を論じる
あなたの抵抗を説明できないわ。私達がそれを理解し合うまでね…
レックス:俺が理解したのは、先生、
ルーサー・コープの保険会社が俺に5つの精神医学の治療セッションを受けろ強く主張したことだ。
[彼は机に着きます] それで俺は従った。 そして嘆かわしいことに時間はもうない。
俺はこのセッションをミスするだろうな。
クレアは自分の道具を片付けて出て行きました。
レックスはイスに深々ともたれると満足のため息を漏らします。
第1幕 場面 3。
クラークとペリーはタロンに入ります。 日中。
クラーク:2つの隕石のクレーターだけ、他には何も見たくないんですか?
ペリー:まあ、吹き飛ばされた建物とクレーターがバックグラウンドだ、クラーク。
今俺は物的な素材を探してる。 人間のな。
ラナが出て来るとペリーはバーに向かって歩きます。
ラナ:クラーク、何かあったの? ピートは夜の十時まであなたを待ってたのよ。
クラーク:あー、話すと長くなるから。
ペリー:[ラナに] やぁ、ペリー・ホワイトっていうんだ。トリプルカプチーノを頼むよ、それら砂糖をまぶしたカラールーと…
ペリーはカウンターに雑誌を投げます。それは流星群の事を記事にしたラナの写真が表紙に載っている「タイム」誌でした。
ペリー:…スモールビルのカバーガールとのインタビュー。
ラナは雑誌とペリーを見交わしうろたえます。
クラーク:何をするんだ?
ペリー:なに、話を聞きたいだけさ。
[ラナに] あー、空想的な事はなしだ、ラングさん、単なる簡単な質問だよ。
いいかい、あー、隕石のビッグバンから14年たったけどどうなんだい?
ラナ:[腹を立て、傷つき]ちょっと、冗談でしょ、その日に両親が死んだのよ。
ペリー:それはすまなかった、だがそれはニュースの価値があるな。
ラナはクラークを見ます。
クラーク:[ペリーに] もういいでしょ、帰りましょう。
クラークがペリーの腕をつかみます。
ペリー:なあ・・・いいのか、彼女が今俺に話をするのと、明日の朝カメラに向かうのとどちらがいいんだ。
ラナ:クラーク、あなたがこの人と一緒にいるなんて信じるられない!
クラーク:ラナ・・・
ラナ:ねえ、二人とも帰って。
ラナは歩き去ります。
クラーク:ラナがあなたの計画の一部だと言わなかったじないか。
ペリー:君は彼女を知ってると言わなかったじゃないか。
なあ、もし君のガールフレンドを傷つけたならあやまるよ、だが彼女はまともな情報源だ。
クラーク:ダメだ、彼女にこれ以上は。
ペリー:そうはいかないんだ、クラーク。まだテレビカメラの前に出す顔を見つけなきゃならん。
ペリーはジャケットからトーチの新聞を引っ張り出します。
ペリー:いいか、君の学校の新聞はバグ・アイのモンスターサークルでなかなかの評判になってるんだ。
クラーク:それがどうしたんですか?
ペリー:[皮肉ぽく] どうして?俺はこの町に来る前に少しリサーチをしたんだ。
ライターが流星群について何かを知ってるんじゃないか?
クラーク:どうして僕が知ってるって思うんですか?
ペリー:[トーチを読み]「校長が新しいジムマットを許可」記者:クラーク・ケント。 俺は注目したね。
クラークはペリーを睨み付けます。
第1幕 場面 4。
クラークとペリーはトーチのオフィスで運命の壁を見ています。 日中。
クラーク:もう行かないと。
ペリー:やれやれ、この壁の事が信じられんよ。
クロエが入ってきます。
クロエ:でもほんとの事よ。
クラーク:クロエ。 ホワイトさんは流星群に興味を持ってるんだ。 彼がこれ見て困った事になるなんて思わなかったんだ。
クロエ:隠す事は何もないよ。
ペリー:まあいい。 君のアイディアを2、3借りたい、我々のショーのためににね。
自分で構成してみるかい、それとも他のライターに渡しても?
クロエがクラークをちらっと見ます。
クロエ:失礼ですが?
ペリー:[クロエに名刺を手渡します] ああ、まあ、そのー、珍しいものの専門家だ。
俺は毎日ではないが奇怪な事を扱うジャーナリストに会ている。
クロエが「X-スタイル」の名刺を見ます。
クロエ:「X-スタイル」?
ペリー:そうだ。
クロエ:[悩んだような顔で] あたしは真実が好きなの、フリークと絶叫の番組のエピソード2には参ったな。
ペリー:[笑いながら、感心して]ほう。
クラーク:それじゃ、もう帰りましょう。
クラークとペリーが立ち去ろうとすると、クロエはまじまじと名刺のペリー・ホワイトの名前を見ます。
クロエ:待って、待って、待って、待ってよ。
クラークとペリーは振り向いてクロエの方を見ます。
クロエ:あなたがペリー・ホワイトさんなんですか?
ペリーはクラークを見るとすぐにクロエの方を見ます。
ペリー:[たくらんでいます] よし、クラーク。
俺は先にフーフ・モーテルに戻っているから、そのー、彼女と仲直りしたら後で立ち寄ってくれ。
それからツアーの続きをしようじゃないか、なっ?
ペリーは立ち去ります。
クロエ:クラーク、あなたはあの人が誰なのか知ってるの?
クラークはぼんやりとクロエを見ます。 彼女は驚きで彼を見続けます。
第1幕 場面 5。
レックスは目を閉じ書斎で座っています。 日中。
海の波の音が聞こえています。
誰かの手が彼の肩に伸にてくると、レックスはその手を強い力で掴み振り向きました。
それがラナである事を知ると手を離しました。
ラナ:レックス…ごめんなさい。じゃましちゃったかな。
レックス:いや、いいんだ。慣れてないだけさ。
レックスは立ち上がると棚のCDプレーヤーに歩きます。
レックス:俺が島にいたときは海の波音が嫌いだった。 戻って来てからはリラックスさせてくれるは唯一のものだと気付いた。
彼はCDを止めると波音が止まります。
ラナは彼に近づきます。
ラナ:あなたは毎日何が起きたのか考えてるのね。
レックス:その事を言いに来たんじゃないのは分かってる。 [ラナは返事しません。] 何について俺に会いに来たんだ?
ラナ:このテレビ版タブロイド紙のレポータが今日、タロンに来たの。
そして流星群について私にインタビューをしようとしたわ。
レックス:「ノーコメント」の一言でおしまいじゃないか?
ラナ:違うの。明日カメラマンと一緒に来るって言ったわ。
レックス:それで君は望んでいない。
ラナ:私はその日の事を忘れようと努力してこれまでの14年を過ごしてきたの、
そして一瞬で彼はそのすべてを持って戻ってきた。
色んな事を聞かれるのは分かってるわ、でもあなたにお願いすれば何とかなるんじゃないかと思って。
レックスは一瞬ラナを見て踵を返すと机の方へと歩きます。
レックス:驚いたよ、君がクラークのところに行かなかったことに。
ラナ:クラークは彼と一緒だったわ。
レックスは机に座ります。
レックス:それで君はそいつをこの町から出て行かせる事を望んでるのか?
ラナ:彼にやめさせたいの。
レックス:非常にしつこいんじゃないのか。そいつの名前は?
ラナ:ペリー・ホワイトよ。
レックス:[しばらく考え込み]二度とそいつが君を追いかけないようにしてやろう。
ラナはホッとしてため息をつくとレックスは彼女に微笑を返します。
第1幕 場面 6。
クラークがワイルドコヨーテに入ります。 日中。
クラークがドアを閉めるまで暗いバーの中は日差しが差込み明るくなりました。
ペリーはテーブルに座っていました。
クラーク:ホワイトさん、ずっとあなたを探してたんですよ。
ペリー:ああ、俺はここにいるぞ。お前はレポータの素質があるのかもな、ケントくん。
クラーク:どういう意味ですか? [クラークは座ります] あなたが帰った後クロエと二人で少し調べたんですけど。
ペリー:記憶にないがな、だが Google 検索は忘れてないぜ。
ペリーはグラスに手を伸ばしますがクラークが彼を止めます。
クラーク:飲んだってあなたがメトロポリスで一番のレポータだったって事実は消えませんよ。 何があったんですか?
ペリー:人生はは旅だ、バッタだ、そして時々のトリップは多少の潤滑剤なんだよ。
[彼は酒ヲひと口飲みます] とにかく、何の用だ?
クラーク:あなたはジャーナリストだ、しかもあなたには才能があるって分かりました、それに背を向けるべきじゃありませんよ。
ペリー:ふん。俺は生涯で2つの間違いを犯した、小僧。 一つ目はジャーナリズムに入ったことだ。
クラーク:二つ目は何ですか?
ペリー:それが問題だった。 [バーテンに] もう一杯。
クラーク:結構です、もう十分飲んでますから。
クラークは立ち上がると彼を立たせてドアの方へと連れて行きます。 ペリーは笑います。
ペリー:俺はつからないぜ、小僧。
俺はお前の両親を力づくで、ガールフレンドをほじくりまわし、編集の娘にむっときて。
そしてまだ、ここでお前はヒーローを気取るつもりか。
二人の前のドアが開き逆光に立つ人影がまぶしい光のせいで誰だかわかりません。
その人影が声を発しレックスだと分かります。
レックス:時々だがクラークの誠意は仲間内で常識よりも重要だ。
クラーク:レックス?
レックスの後ろでドアが閉まり彼の顔が見えました。
レックス:大丈夫か、クラーク。 ここからは俺がホワイト氏の相手をする。
ペリー:[クラークに]お前を過小評価したのかもな、小僧。
レックス:クラークは関係ない。
ペリー:なあ、レックス、もしこれがお前の親父のアイディアなら、こいつに俺がメトロポリスにいたときの事を教えてやれ。
俺は過去を蒸し返す気はない。
レックス:これは親父に関係ない。ホワイト、お前の事だ。
クラーク:レックス、少し言い過ぎじゃないのか?
レックス:こいつが後でラナのところへ行く事を思えば、感謝されるべきだと思うが。 [ペリーに] 行くぞ。
ペリー:[クラークに]運転ごくろうさん、小僧よ。
ペリーとレックスはバーを立ち去るとクラークは一人混乱したまま立ち尽くします。
第1幕 場面 7
レックスとペリーは車で移動していました。 日中。
レックスがバス停に車を寄せて停まると二人は車から出て来ました。
ペリー:いいのか、計画の変更なんかして、ルーサーよりもかなり荒っぽいんじゃないか。
レックス:それでビデオコメントのためにティーンエージャーの少女を張り込みさせてか。
もちろん、人を使うのはお前の常套手段だったな。
ペリー:いいか、俺たちが出会ったのは何年も前の一回かぎりだ。
レックス:寄宿学校の時でさえ、俺はレポータをかぎつけることがうまかった、
だがお前は「友好的な話し合い」をカードに非常にうまくやった。 確か俺が「地獄に落ちろ」と言う前の10分だったか。
ペリー:俺はただ自分の仕事をしていただけだ、そしてあんたは妥当な情報源だった。
レックス:俺は16歳だった、そしてお前は親父の汚点をあさり回っていた。
ペリー:それは事実だ? あんたの父親の秘密は。
レックス:もし事実なら、何か出てきたはずだ。
ペリー:[笑い] 本当にそんな事信じてるんなら、あんたを気の毒に思うぜ。
レックス:バスが出るのは4時だ。
レックスは車からペリーのバッグをつかんで地面に放ります。
それから彼は車に乗り込んで道端にペリーを1人を置き残して走り去ります。
ペリーはジャケットから小瓶を取り出しました。
ペリー:まあ、5時前に飲まないなんて事はないな。
第1幕 場面 8
クラークは外でトラクターを運転しているジョナサンのところに歩み寄ります。 日中。
クラーク:ねえ、父さん。
ジョナサン:おい。 おい、クラーク、今日はお前に期待してないぞ。 ホワイトさんはどこだ?
クラーク:帰ったよ。彼にとってスモールビルが友好的じゃなかったと思ったんじゃないかな。
ジョナサン: へー。 まあ、お前が戻ってきてうれしいよ。後1時間で1ブロックをやらなきゃならん。手伝ってくれるか?
クラーク:もちろんさ。
クラークがトラクターの脇に回って持ち上げようとしますが動かすことができません。
もう一度トラクターにスーパーパワーを使いますが結果は同じでした。
ジョナサン:どうした?
クラーク:分からない。全ての力がなくなったみたいだ。
ジョナサン:もう一回試してみろ?
クラークが再びトラクターをつかむために屈みました。
彼は深呼吸してトラクターを持ち上げると放り投げてしまいました。
トラクターが空高く急上昇するのをクラークとジョナサンは見守り、クラークは目を不安そうに動かします。
バス停にいるペリー。
彼が小瓶から酒を飲もうとしたその時トラクターがバラバラになって彼の真正面の路上に落ちてきました。
口を開いたままペリーは小瓶を傾け地面に中身を流してしまいました。
ペリーが不思議そうに空を見上げているとクラークはペリーがそこにいることを知らずに
トラクターに向かって道路を超スピードで近づいてきました。
クラークが振り向くとペリーを見ました。
ペリーは物凄く驚いた顔でクラークの方に顔を戻しました。 クラークは不安そうな顔で彼を見ました。
フェイドアウト
第2幕 場面 1
レッカー車の運転手がバラバラになったトラクターの本体をレッカー車に繋ぎます。 日中。
アダムス保安官が現場検証をしています。
彼女はトラクターのでこぼこになったナンバー・プレートを拾い上げて一塊で立っていたクラーク、ジョナサン、ペリーのところへ歩いてきます。
アダムス:ケントさん。あなたのトラクターが二車線に渡りアスファルトの上に散乱していた事について何か言いたい事はありますか?
ジョナサン:ああ、あー、私達はトラックで農場に行ったとき、トラックの荷台に誰かがトラクターを載せてるのを見ましたよ。
アダムス:それは誰かがトラクターを盗んだと言っているのですか。
クラーク:あの、僕はその後を追ったんですけど。ここに着いたときには、そのトラックから落ちたんだと思います。
ペリー:俺が教えるよ、空から落ちてきたんだ.。
アダムス:[ペリーに]あなたは昨夜、看護師に飛んでいる猿を部屋から追い出してくれと頼んでいたそうですね。
ペリー:[クラークに]小僧、お前はこれに何も関係がないってのか。
クラーク:正直言って、保安官、僕には何が起きたかわかりません。
ペリー:[アダムスに]あの、こいつは何か隠してるんだ、チーフ。
アダムス:[悩んだような顔で] ホワイトさん、あと1時間後にバスが来ます。そのバスに乗る事を提案するわ。
それと私をチーフと呼ばないでもらいたいわね。
アダムスは車に戻り、ジョナサンとクラークはペリーから離れます。
クラーク:父さん、ゴメン、トラクターがあんな事になるなんて。
ジョナサン:クラーク、トラクターの事は心配してない。
お前の能力に何かが起こっているとしても、私ら家族はペリー・ホワイトの網の中だ。
ペリーは疑い深くジョナサンとクラークを見ます。
第2幕 場面 2
ペリーがトーチのオフィスに入るとクロエは入力作業中でした。 日中。
クロエ:入ってくるなんて賢明な判断ね。天気予報は脱穀機の軽いにわか雨のちコンバインの霧雨かしら。
ペリー:そう思ってるのならそれでいいさ。
ペリーが運命の壁のところまで行くときクロエが彼の側に来ます。
クロエ:もしあなたが、そのー、何を探しているか教えてくれれば手伝ってあげられるかも。
ペリー:どうして手伝ってくれる気になったんだ?
クロエ:なぜって、前からあたしがなりたいって思ってた理想のレポータだから。
でも、わ、わたし沢山のピューリッツァー賞ノミネート者の一人と仕事がしたいの。
ペリー:一生記事を書かないより悪いって分かるか?
クロエ:何で?
ペリー:書くのが怖いんだよ。
クロエ:ペリー・ホワイトの「ピットブル」が記事を書かないなんて?信じられない。
ペリー:まあ、ライオネル・ルーサーは非常に説得力があるからな。
クロエ:[真剣に] ルーサーさんがあなたのキャリアの失落に関係があるんですか?
ペリー:皆がいいジャーナリズムのレポートを期待しているわけじゃないさ、それが特に金持ちの感情を害せば、復讐だ.。
クロエが心配して彼を見ます。
彼はケント農場の畜舎の壁にクリプトン星の記号が焦げ付いた写真に気づきます。
ペリー:これはケント農場じゃないのか?
クロエ:うーん、良い目ですね。警察はハイになった異常な少年達が畜舎にやったんじゃないかって。どうしてですか?
ペリー:プロとしての興味だ。君の友人のクラークは俺の興味をそそるな。
クロエは不安な目をして記事からペリーへと目を移しました。
第2幕 場面 3
ジョナサンとクラークは屋根裏でクラークの天文学本を調べています。 日中。
ジョナサン:お前の問題は太陽フレアに関係があると思う以外にも過去にヘイル・メリーが接近したときにもあったな?
その時も力が大きくならなかったか?
クラーク:分かってるよ、父さん。でも影響を受けたのが彗星でも僕の力は不調になった。多分関係あるよ。
ピートが新聞を持って入ってきました。
ピート:「多分」そうだと思うぜ。
クラーク:何か見つけたのか?
ピートはジョナサンに新聞を渡します。それは一面に太陽フレアの写真がありました。
ピート:ああ。 昨日の宇宙の衝突事故は今までに記録された中でも一番の大きい太陽フレアを引き起こしたんだ。
俺はコミュニケーショングリッチに聞いて、過剰電圧…
クラーク:それはまさに僕に起こっていたのと同じだ。急に力がなくなったりすぐその後に過剰な力が出たり。
ジョナサン:そのー、私達は常にお前の力の源について不思議に思っていた。
クラーク:多分僕の強さやスピード、僕のできる事は太陽から受けてるんだ。
ピート:まるで歩く太陽電池だな。
ジョナサン:[新聞を見ます] これによれば、太陽フレアの影響は明日の晩までだとされてるな。
もしそれが本当なら、多分お前のアクシデントはおわるだろう。
クラーク:その時まで能力を使わなければ大丈夫なんじゃないかな?
クロエが入ります。
クロエ:ねえ、クラーク。あなたに注意をしにきたよ。 あのゴーストバスターズはまだ仕事してるわ。
クラーク:ペリー・ホワイトかい?メトロポリスに戻ったと思ってた。
クロエ:明らかに心変わりをしてるようだったわ。特にあなたに興味を持っているようにみえたわ、クラーク。
クロエがクラークを探るように見ます。
第2幕 場面 4
レックスはクレアが待っている彼の書斎のドアを押し開けて中に入ってきます。 日中。
レックス:[激怒しながら]一体何をしに来たんだ?
クレア:レックス、落ち着いて。
レックス:なぜなんだ?あなたはすでに俺のいわゆる精神状態について結果がでたんじゃないのか。
[ファイルを拾い上げ] これによればあなたは俺の心理上の解放を承諾することを拒否している。
それともあなたは不明確な基礎に続けられるさらにもっと多くのセッションを勧めているんですか?
クレア:私は正確に結論を報告する倫理上の義務を持ってるわ。
レックス:[威圧的にクレアに近づき] あるいは多分メトロポリスからの精神科医はもう少し名声のある患者と話をしたいんじゃないか。
あなたの好みだろう。
クレア:そんな趣味はないわ。
レックス:それならどう説明する?
クレア:あなたは手助けが必要だわ、レックス。
島にいたこと、結婚の失敗あなたがスモール・ビルに来る前の出来事、信じがたい経験をした精神的トラウマ。
レックス:そしてあなたはソファーの上でより多くの時間をかけて診察をする?五つもの精神鑑定をしてきたじゃないか。
クレア:いいえ、あなたの美術コレクションや高価な車などあなたの趣味を聞いただけで、
最も心の痛手となる核心部分については話していないわ。
レックスはクレアの反対方向の机に向かって歩きます。
クレア:レックス、もしあなたが心の闇を出さないなら、それはあなたを焼き尽くすことになるわ。
レックス:今までそうだったんだ、先生。
クレア:上っ面の話さえしなかったわ。
支配欲の強い人あなたの父親をだませるかもしれないけど、私にお世辞を言ってもだます事はできないわよ?
レックス、お願い。
レックス:出てけ。出ってくれ!
クレアは興奮したレックスをそのままにして書斎から飛び出しました。
第2幕 場面 5
クラークが納屋から出て来るとペリーが干し草の束の上に座っているのを見つけました。 日中。
ペリー:おはよう、クラーク。
クラーク:ここで何をしてるんですか?
ペリー:お前さんは俺にやる気を出させたんだよ。 もし特別な能力があるんだったら使ってみせろよ、覚えてるぜ?
クラーク:あんたは酔ってっるんだ。
ペリー:多分な。にもかかわらず、俺はついに特種を得たんだ。
クラークがその場を後にするとペリーは彼の後を追いかけます。
クラーク:僕についていくつか突飛な話をきいたよ。クロエが話してくれた。僕は面白いとは思わない。
ペリー:おお、それは冗談だろ、クラーク。俺は事実の裏づけをとったんだ。
クラーク:どんな事実ですか?
ペリー:事故、送電線、お前さんの神秘的な出現、空から落ちてきたトラクターだ。
クラーク:[歩くのをやめてペリーに向き直ります]それは説明しただろ。
ペリー:「トラックから落ちた」それでは説明になってないぜ、まるでジョークの落ちだ。
俺は徹夜で警察記録と新聞の記事をくまなく調べてみた。
いつもお前さんは現場にいるじゃないか、クラーク。 お前さんはスモールビルのヒーローだ。
クラーク:本当になんでもないんだ、ホワイトさん、僕は特別でも何でもない。
ペリー:ほお、それはお前さんが間違ってるぜ。
今まで見たところじゃお前さんは本当に強くて、頑丈のようだ。
質問だ、お前さん袖の中に何かネタでも仕込んでるのか?
彼らは遠くにマーサの声を聞きます。
マーサ:クラーク? クラーク、手を貸してくれない?
クラーク:行かないと。
クラークが歩き去り始めます。
ペリー:また邪魔が入ったぜ!
クラークは軽く走りながら離れていきます。
ペリー:逃げても…
クラークは突然意志に反して超スピードで姿もぼやけるほどの目がくらむ速度で走り、
遠くの森の中でまた突然スピードが元に戻りました。
ペリー:…無駄だぞ…
ペリーは信じられずに目をまばたかせます。
ブラックアウト
第3幕 場面 1
ジョナサンがバス停で待っているとバスが近づいてきます。 夜。 バスが停車するとクラークが降りてきました。
ジョナサン:クラーク、大丈夫か?
クラーク:それが変なんだ。超スピードがタホ湖の辺りで消えたんだ。
ジョナサン:千マイルだぞ。
クラーク:分かってる。一瞬で群を走りきったんだ、ジョギングすらできなくなってる。
家に帰ろうとしたけどコロラドスプリングスの辺りでまた超スピードが消えた。かろうじてバス料金ぐらいは持ってたから。
ジョナサン:これはコントロールができなくなっているようだな、クラーク。
二人はジョナサンの乗ってきたトラックに乗り込みます。
クラーク:心配しないで、父さん。太陽フレアが終わるまでソファーに座ってるから。
ジョナサン:それほど簡単な事じゃない事が心配だ。
ペリー・ホワイトはお前が姿を消すのを見た。
母さんは奴を農場から追い出したが諦めたようには思えん。
ジョナサンはトラックを始動させます。 クラークははっきりと動揺しています。
ジョナサン:とにかく、それほど簡単な事じゃないんだ。
第3幕 場面 2
レックスの屋敷の外。 日中。屋敷の中ではレックスは書斎で机の前に座っているところへペリーが入ってきました。
レックス:お前が門に来たと聞いたとき信じられなかったよ。
ペリー:ああ、俺はあんたと話をするべきだと思ったからな。
レックス:何も話をすることはないぞ。
ペリー:ああ。それは残念だ。今、あんたの父親が何を持っているのかあんたは決して見つけられないぜ。
ペリーは踵を返し立ち去ろうとします。 レックスが口を開くと彼は止まります。
レックス:もしそれが個人的なことなら俺は気にしない。もし法的ならとっくの昔に時効になっているはずだが。
ペリー:[引き返します] それは事情による。
レックスは立ち上がるとペリーのところまで歩きます。
レックス:もしこの情報がそれほど破滅的なら、親父は何故ただ単にお前のキャリアをぶち壊しただけで終わりにしたんだ?
ペリー:コピーと多くの代理人さ、俺が死んだら公表しろと支持してある、まあ、あんたなら計算すれば分かるはずだ。
それをすべてあんたにやる。その代わり欲しいものが一つあるんだが。
レックス:何が望みだ?
ペリー:あんたが知っているクラーク・ケントについての全て。
レックス:クラーク。
ペリー:ああ。 [レックスの後ろに回り] 2年前にあんたはポルシェで橋から落ちた。
俺は警察の写真を確認した、レックス。
あの事故からはどう見ても助かるはずがない、だがクラーク・ケントによって奇跡が起きた。
俺はあんたが実際にこいつと友達になっているのを知った、その時の俺の驚きを想像してみろよ。
レックス:それでお前はクラークの後を付回してるのか。最低な奴だな。
ペリー:俺が知っていたレックスは何の動機もなしに手を握ることはない。
何かを隠し持っているんだろ。
俺にそれを教えてくれ、そうすればあんたに新たな意味をもたらす「父親の罪」の記事を持ってきてやる。
突然、レックスはペリーのジャケットをつかんで乱暴に壁に向かって彼を押します。
レックス:[激怒しています。] 親父になら効果があったかもしれないが、俺ではない!
ペリー:ジャングルでの生活が本当にこたえたようだな。
レックス:俺は警告してるんだ。俺から離れろ、そして俺の友人たちからもな。
冗談じゃないぞ、彼らに何かあってみろ俺の手を血に染めさせるな。
レックスは怒りであえいでいます。 彼はペリーを放すとゆっくり後ろに下がりました。
ペリーはジャケットを直し部屋を出て行きます。レックスは手を上げると震えているのを見ました。
第3幕 場面 3
クラークとピートはケント家のリビングルームから窓の外を窺っています。 日中。
マーサとジョナサンも同じくリビングルームにいました。
窓越しに見ると側面に「Xスタイル」と書かれたバンがあり、その脇には撮影班がいます。ペリーはクルーの間にいます。
ピート:クラーク、俺はお前をパパラッチするなんて思わないけどな。
クラーク:ペリー・ホワイトは撮影班を連れてくるのに何か手を打ったに違いないな。
ピート:ああ。でも、いいニュースも1つあるさ。
もしこの太陽フレア理論が正しいなら、お前がトラクターを投げるのは今晩で終わるだろ。
クラーク:これは信じられない。
クラークは怒って窓から離れます。
クラーク:こんな事信じられないよ。自分の家なのに囚人のように感じる。僕は…
クラークが突然かがむと痛みでうめき始めます。
ピート:クラーク?
クラーク:[こめかみを押さえながら] ピート、伏せて!
ピートは窓から走ってよけるとクラークの目から爆発するようなヒートビジョンがまっすぐに窓に向かって飛び
ガラスに跳ね返りカーテンに火がついてしまいました。
クラーク:母さん!父さん!
クラークは毛布をつかむと窓に走ります。
ジョナサン:クラーク、待て!
マーサ:ジョナサン、急いで!
ジョナサン:クラーク!
クラークは火に毛布を押し付けると火を消そうとして毛布の上から手で叩きます。
突然彼はもう片方の手で叩いていた手を握り後ずさりします。
クラーク: 熱っ!
ジョナサンは窓に向かって消火器で火を消すとクラークのところに来ます。
マーサ:クラーク、手がどうかしたの?
クラーク:火傷したんだ。僕の力はまた弱くなってきてる。
ジョナサン:クラーク、思い出すんだ、お前がしなければならない事は今日を無事に過ごす事だ。
クラーク:それで別の太陽フレアが起きたら農場を全焼させてしまわないようにしないと。
次には父さんか母さんを傷つける事になる、そしてペリー・ホワイトはテープに記録してしまう。
父さん、僕はここにいるわけにはいかないよ。
ジョナサンは返答しません。
ジョナサンのトラックは車道から未舗装の道路へと移り農場から離れていきます。マーサが車道を走ります。
マーサ:クラーク! クラーク、戻って来て!
ペリー:[クルーに] 奴が動いたぞ! さあ早く、行くぞ!
クルーは設備を持つとバンの中に飛び込みトラックの後をスピードを上げ追跡を開始しました。
彼らがケント農場から大分離れたころ突然トラックが道路わきに停止すると同じようにペリーのバンも止まります。
ペリーとクルーがバンから出て行きます。
ペリー:回しとけ、すべてテープに残すんだ!
ペリーはジョナサンがトラックから出てくるのを見ます。
ジョナサン:クラークはここにはいない。そして、あんたらのような人がいなくなるまで戻って来ないぞ。
なあ、家の家族から手を引いてもらえないか?
ジョナサンはトラックに戻ります。
寝袋を持ってピートとクラークは家から出てきます。二人はピートの車に行くとトランクに寝袋を入れます。
ピート:さあ、クラーク、奴らはもういないぞ。
クラーク:こんな手配までしてくれてありがとう、ピート。
ピート:お前の秘密を分かち合った仲じゃないか。今晩キャンプをして、明日の朝お前の親と合流する。
第3幕 場面 4。
タロンではラナがテーブルに歩み寄り小さなカードをテーブルの上に置きます。日中。
ペリーはテーブルに着きそのカードを拾い上げました。
ペリー:[読む]「我々は誰にでもサービスを断る権利を有します」
ラナ:ワイルドコヨーテの方が似合ってると思いますけど。
ペリー:[笑い]まあ、奴らに追い出されるまではな。
ラナ:何にせよ、帰って欲しいわ。
ラナは踵を返し立ち去るとペリーはその後をつけようとしたときすれ違う女性客にぶつかりました。
女性:まあ。
ペリーはこらえかねて女性客を押しのけて近づきます。
ペリー:時々俺の直感は重要な記事のためなら真剣になるんだ。
ラナ:その弁解があなたの考え?
ラナは再び歩き去ります。
ペリー:違う、違うんだ、なあ、おい、分かった、分かった、分かったよ。
俺が悪かった、俺は交渉が決裂して眠むれなかったんだ。
ラナ:あなたの仕事がそんなに悩ませるなら、どうしてやめないの?
ペリー:そりゃ俺はジャーナリストだからさ。俺の誇りだ。時々それが痛もうとも真実を受けとろうという努力しなければならない。
ラナ:そう、もし話がそれだけならタクシーを呼んであげるわ。
ペリー:来ないだろうな。運賃を踏み倒したからな。だが取引しよう。
ラナ:[いら立ち] ホワイトさん…
ペリー:俺をバス停まで送ってくれれば永久にあんたの邪魔はしないと約束するよ。
ラナ:[用心深く]コートを取ってくるわ。
ペリーはラナに笑顔を向けると彼女は後方の部屋に入りました。
彼女が見えなくなると彼は小瓶をジャケットから取り出して口にあてました。
第3幕 場面 5
クラークとピートは数本の木の後ろの地面に車のトランクからの荷物を降ろしています。 日中。
クラークの携帯電話が鳴ります。
クラーク:もしもし? ラナ? [中断して] 何んだって?! ダメだ、何もしちゃいけない。すぐにそこに行くから。
ピート:クラーク、どうかしたのか?
クラーク:今すぐサンダース渓谷に行かなきゃ。
クラークは走りだしますが超スピードがでません。
ピート:またスピードがでないのか?
クラーク:何にもできない、ピート。 全部の力が。
ピート:乗れよ。送っていく。
クラークが車に乗ると、ピートはトランクの中に寝袋を投げ返します。
サンダース峡谷に急いぐピートとクラーク。
サンダース渓谷と書かれた看板が渓谷を見下ろせる岸壁の淵に立っています。
ラナはピートの車から降りたクラークに駆け寄ります。
クラーク:ラナ、大丈夫かい?
ラナ:ええ、大丈夫。でも…
ラナが崖っぷちの方を向くとクラークは柵の上に立ち今にも飛び降りようとするペリー見ました。
ラナ:彼をバス停まで車で連れて行こうとしたら途中で仮病を使ったの。
車を脇に寄せて停まったら急に車の外に走り出て柵の上に乗ってあなたに電話をしなかったら自殺するって言ったから。
崖の下は相当深くペリーは全く動かない状態でした。 クラークは崖への階段の場所へ行きます。
ラナ:ねえ、クラーク、気をつけて。相当飲んでるから。
ペリー:アイスティーなんかじゃないぞ。
クラークが階段を上ります。
ペリー:お前さんは絶対俺に会おうとはしないもんだから、それなら、お、俺はラナをだまして呼ばせようとしたのさ。
クラーク:ホワイトさん、やめよう。
ペリー:いいか、俺が想像するに、お前は強い、衝撃にも耐える、信じられないほど速い。
そしてお前はこのヒーローコンプレックスに悩まされてる。
クラーク:[少しずつ進みます] ええ、こっちに戻って来てください、それから話をしましょう。
ペリー:いいや。聞かないよ、俺は俺の持論がある。
クラーク:待って、ホワイトさん?それは、僕の事を誤解している。
ペリー:俺はお前さんが助けてくれると確信してるぞ、クラーク。
クラーク:[がっかりした様子で]できません、あなたを救うことはできませんよ!
ペリー:まあ、見られると思うがな?
ペリーは崖から飛び降りました。
クラーク:ダメだ!
クラークは手すりを飛び越えペリーをつかみます。
ラナ:いやー! クラーク!
崖の淵には手すりに結ばれコイル状に置かれた黒いロープのもう一端がペリーの足首に結ばれていて
クラークとペリーが崖から落ちるとそのロープが伸びていきます。
ラナとピートは階段の上へ手すりの方へと走ります。
ロープはついに最後まで伸びきり空中で逆さまにぶら下がっている状態になりました。
クラークはペリーの腕にしがみつきました。
二人は空中にぶら下がりペリーの持っていた小瓶はジャケットの内ポケットから落ち下の岩に当って砕けます。
ペリー:[怖がって] オーケー、お楽しみは終わりだ。お前さんの信じ難い力を見せる時間だ、クラーク。
クラーク:僕は力なんか持ってない!
ペリーは頭を起こし足首に結ばれたロープをちらっと見ます。クラークは下の地面を見て怖がっているようです。
フェードアウト。
第4幕 場面 1
クラークとペリーはサンダース渓谷にぶら下がっています。 日中。
ピートとラナは上から見守っています。
クラーク:ピート! キャンプ用品の中にロープがあるはずだ!
ピート:オーケー!
ピートは車に走ります。
ラナ:待ってて、ホワイトさん!
クラーク:急いで!
ペリーとクラークを支えているロープが切れかかります。 ペリーは息をのみます。
ペリー:小僧…
ラナ:ピート、もうもたないわ!早く!
ピートは車のトランクを開けると長いオレンジ色のロープをつかみます。
ラナは車のへと走りロープの端をピートから受け取るとピートはロープのもう片方を車の前バンパーに結び付けます。
ラナは手すりの上からロープの端を投げ下ろします。
ラナ:ロープをつかんで!
ペリー:待ってろ。
ペリーを支えているロープが少しずつちぎれる間、ピートは車の運転席へと走り車に乗り込みます。
クラークはオレンジ色のロープに手を伸ばしてゆっくりとペリーからロープへと移りますま。
ペリーを支えるロープが完全に切れました。
ラナ: キャー!
ペリーは落ちていく瞬間闇雲に手を振り回しクラークの腰をつかみますがクラークの脚の方へと滑ります。
クラーク:捕まって!捕まっててください!
ペリー:捕まってるよ。うわぁー!おお…
ラナはピートに手を振り回します。
ラナ:行って!早く!
ピートは車をバックさせ崖の上のクラークとペリーを引っ張り上げます。ペリーはしっかりとクラークの足にしがみつきます。
ラナ:いいわ!そのまま続けて!早く!
クラークの手は重さのため数インチロープの下に滑ります。
クラーク: あっ!クソ!
ペリー:小僧…大丈夫か?
クラーク:[ラナに] 急いで!
ペリー:いいぞ…
クラーク:これ以上あまり長くもたない!
ラナ:ピート、もう少し進んで!
ピートがバックし続けるとクラークとペリーは崖の上にゆっくりと引き上げられます。
クラークは下の岩を見ているペリーを見下ろします。
崖の淵まで引き上げられるとクラークは手すりのチェーンをつかみペリーもチェーンを掴みました。
ラナが二人に手を伸ばします。
ラナ:さあ、私の手に掴まって。
ラナはクラークとペリーに手すりを登り越えるのを手伝います、そしてピートは車から出ると崖っぷちに走ってきました。
崖の淵に上りきるとペリーとクラークは二人とも疲れ切っていました。
クラークは自分の手を見ているとペリーは驚いた顔で見つめました。
クラークの掌はロープのせいで何箇所も擦り傷ができ出血していました。
ラナ:クラーク…
ペリーはがっかりして目を伏せます。クラークは少しうなずいて彼を見ます。
第4幕 場面 2
ルーサー屋敷の外。 日中。
レックスは書斎で座って誰かと話をしていました。
レックス:俺はあなたが秘密を守ってくれると信じています。個人的な事を明らかにする、それがたとえ傷つくことになっても。
彼はクレア・フォスターに話をしていました。
クレア:それが治療のポイントよ、レックス。
コントロールを取り戻すために、悪い感情を行って、そして過去のトラウマから回復し始めるの。
レックス:それじゃあ、明日10時に。
二人は立ち上がるとレックスはクレアの手を握ります。クレアは去っていきました。
第4幕 場面 3
ケント農場の上に納屋の外。 日中。
中ではクラークがトラックの荷台から干し草の束を下ろしているところへマーサが入ってきました。
マーサ:クラーク、朝食の用意ができたわよ。
クラーク:分かった。これを下ろしたら行くよ。
マーサ:そう、で、あなたは今大丈夫なのね。
クラークがいたずらっぽくマーサを見ます。
それから彼は干し草の束を掴み上げると納屋の二階へと放り上げ
束がまだ空中を飛んでいる間にクラークは超スピードで移動し束を受け取りました。
クラーク:太陽フレアの影響が弱まった途端に全てが正常に戻ったよ。
マーサ:ユーモアのセンスがあるわね。[彼女は笑います]
クラークがマーサの後ろを見るとマーサは振り向き誰かが入ったことを悟ります。
マーサ:[明るく]あら、ラナ。驚いたわ。
ラナ:ケントさん、お邪魔じゃなかったかしら。
マーサ:いいえ。 クラーク、お皿を暖めておくわ。
ラナ:さようなら。
マーサが立ち去ります。ラナがクラークを見上げると彼は階段を降りて来ます。
クラーク:やあ、ラナ。そのー、後でタロンによるつもりだったんだけど。
ちょっと異常があって、君にお礼をするチャンスがなかったんだ。
ラナ:ええ、まだホワイトさんが何故あなたが信じられないような事ができるなんて思ったのか分からないわ。
でも助けることができてよかったわ。
クラーク:いやその、僕は峡谷でのことで言ったんじゃないんだ。
僕はそんなつもりじゃなかったんだけど、流星群での君の思い返したくない記憶を蒸し返してしまった。
そんな僕を許してくれた事に対して君にありがとうって言いたかったんだ。
ラナ:うん、それも私がここに立ち寄ったかの理由の一つよ。今朝お墓に行ってきたの。
クラーク:君の両親も君に会えて嬉しかったと思うよ。
ラナ:突然私は何カ月もお墓に行かなかったことを思い出したの。
最初、何か悪いことをしていたように、つまり罪の意識を感じたわ。
でもそれは両親が最後にする事だって教えてくれたのよ。
クラーク:それで君は何を話したの?
ラナ:真実よ。私は決して無視してたわけじゃない、
でも…私の人生にほかの誰かがいることを、私が本当に気にかける誰かが。
クラーク:ラナ…
ラナ:クラーク。 それはいいのよ。
今はちょうどお互い慣れてないだけだって両親に話したわ。
でもまだそれを実現することができないわけじゃないわ。
重要な事は、両親はいつも私の中にいるって事よ。
クラークはラナの目をじっと見つめています。
ラナ:もう行くわね。
ラナが納屋を出るのをクラークが見守ります。
第4幕 場面 4
クラークはペリーをバス停に車で連れて行きます。 日中。 二人はトラックから出てきました。
ペリー:また乗せてくれてありがとうな。
クラーク:それは他に方法がなかったから、あなたがバスに乗るのに。
ペリーはクラークを凝視します。
クラーク:何ですか?
ペリー:お前さんは本当に怪物だと思うぜ、そうは思わないか?
クラーク:ホワイトさん…
ペリー:俺は真剣だ。お前は人々を助けている、俺のようなバカ者にさえもな、そして何も見返りを求めはしない。
もうこれで終わりだと思ったときお前の顔を見たら、俺は突然良い人間を破滅させるんじゃないかと分かったんだ。
俺はただ実際にお前のような人間がいると信じることができなかったんだ。
クラーク:僕を信じてください、ホワイトさん、僕はそんなに良い人間じゃありませんよ。
ペリー:まあ、誰も傷つけなかった事が幸いだ。幻覚かDTsのせいにしておいてくれ。
俺が知っているのはこれだけだ、俺は目が覚めたよ。
俺は、あー、[腕時計をちらっと見て]17時間と5分しらふだぜ.。
バスがやってきます。
クラーク:まあ、少し良い事ができてよかった。 それで次は何を?
ペリー:まあ、もしお前がそのがけを越える勇気を見つけたなら、多分俺は一つの記事をやめる勇気を見つけることができるさ。
クラーク:また別のペリー・ホワイトに会うような気がしますよ。
ペリー:その通りさ。うわさじゃディリープラネットに俺の友人が一人か二人残ってるってことだ。
ペリーはバスの階段を上ります。 彼は階段の途中で止まると振り返りました。
ペリー:おお、あー、ところで、俺は、あー、トーチの記事を2つばかりチェックしたんだが。
クラーク:それで?
ペリー:まあ、雑だな、点数をつければ50点だ、だが希望はあるぞ。
もしお前がメトロポリスで記者をやりたいんなら俺を探してみろよ。お前に一つ貸しができたからな。
クラークは微笑します、そしてペリーはバスに乗ります。
バスが小さなほこりの渦を道路の上に舞い立たせ去っていくのをクラークは道路の真ん中へ歩み出て見送りました。
おしまい。