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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン3.11Delete[デリート]

第1幕 プロローグ
メトロポリス都市の上空。
夜。
ヘリコプターが空に上昇していきます。
カメラアングルはディリープラネットのタワーの上で回っている地球儀に急接近すると建物の側面を降下していきます。
その窓の一つには沢山のジャーナリストが忙しく電話をしたりファイルを見たりタイプを打ったりしています。
「クロエ・サリバン、コラムニスト」と書かれたネームプレートの隣に「ゴー・クロウ」と書かれたコーヒーマグが置いてありました。
クロエは机の私物を片付けています。
彼女はネームプレートを取り上げると悲しげにそれを見て箱にそれを入れます。
彼女はハンドバッグを肩に掛け箱を持つと出て行こうとしました。
マックス・タイラーが自分のオフィスから出てきてドアに寄りかかりました。

マックス:さよならもないのかい?

クロエは振り返るとため息で答えました。

マックス:入って。

マックスは脇によけクロエをオフィスに入るように合図します。 彼女は中に入ります。

クロエ:卒業する前にブラックリストに載せられちゃったわ。記録を作っちゃった。

クロエは箱をマックスの机に置きます。

マックス:君が誰を怒らせたか分からないけど、でも誰かの逆鱗に触れたんだな。
クロエ:上の方に敵がいるのよ。
マックス:(机の後ろに歩き) まあ、僕らも君がいなくなると淋しなるな。
クロエ:(ほほ笑んで)ええ、そうかも。あなたはフリーの校正係がいなくなると寂しいでしょ。

マックスの上司のモーリンが入ってきます。

モーリン:マックス、奥さんから三回も夕食の電話があったわよ。
マックス:分かりました、今度電話がきたらもう帰ると言っておいてください。

モーリンは去ります。

マックス:(クロエに) まじめな話、もし僕にできることがあれば…
クロエ:(ポケットからディスクを取り出し)じゃあ、えーと、あたしが今まで書いた記事は少しだけなの。
     この中を一度見て欲しいのよ。
マックス:クロエ、悪いんだけど君の名前を出すわけにはいかないんだよ。
クロエ:じゃあ、偽名を使ったら? (クロエがメモ用紙に名前を書きます)
    彼女はあたしの従妹なの。嫌だとは言わないと思うわ。ジャーナリズムに興味を持ってないから。

クロエがマックスにメモ用紙を渡すと彼は名前を読みます。

マックス: ロイス・レイン。

ルーサー・コープでは、コンピュータのモニタに切り替わり。
ルーサー・コープの技術部門の部屋は薄暗くコンピュータやその他の電子機器が所狭しと置かれていました。
レックスは技術者を探しに入ります。
机には誰も座っていないので踵を返すと少しイタズラっぽく笑う魅力的な若い女性、モーリー・グリッグスがいました。

レックス:(少し驚いたように)探しにきたんだが、あー、保守の技術者を。
モーリー:じゃあ、私ね。
レックス:き、君が技術部で働いてるのか?
モーリー:プレイステーション中毒になったオタクで「スターウォーズ」のTシャツを着ている方がよかった?

レックスは申し訳なさそうに微笑します。 モーリーは笑って手を差し出します。

モーリー:モーリーよ。
レックス:レックスだ。 (握手をします)
モーリー:それで何が壊れたの、レックス?
レックス:ああ、プレゼンテーション用ソフトを終了しようとするとプログラムはクラッシュし続けるんだ、あまり詳しくなくてね。
モーリー:おそらくウイルスね。
レックス:俺もそう思う。

モーリーは鼻で笑って背中をレックスに向けると机の上のディスクの山を調べだしました。
彼女のヒップにレックスの目は少し下がり、モーリーは見られている事を知っていたずらっぽく眉を上げます。
レックスは彼女の隣に歩いて机に寄りかかります。

レックス:いいかな、俺は戻ってきて数週間だけど君に会わなかったことが驚きだ。
モーリー:どこから戻ってきたの?
レックス:長い話さ。
モーリー:そう。つまり私とは無関係ね。
           (彼女が探しているディスクを見つけます)あったわ。
     これはどんなウイルスでもスキャンできるの。
     (色っぽく)自分でやる、それとも私が必要かしら?

レックスは彼女からディスクをとります。

レックス:自分でやれると思うよ。

モーリーは微笑します。
それから彼がオフィスを去るとき彼女はレックスを見つめます。
彼がいなくなった途端彼女は机の後ろに戻ってボックスから包みを取り出して机の上に置きます。
包みを開けると中身がさらけ出ている機械が出てきました、そして彼女はメガネをかけます。
彼女は仕事に取り掛かります。机の上に置かれてた部分的に解体されたハードドライブにドリルで穴を開けます。
ハードドライブをモニタに接続するとスモールビル高校のマークと下の方にはクロエ・サリバン名前が表示されました。
モーリーがドライブの内部のディスクを引き抜くとモニタは黒くなります。
ディスクには「スモールビル高校の特徴」と書かれていました。

暗くなったスモールビル高校の駐車場。
学校の中ではクロエがトーチオフィスに入っていきます。
灯りはすでに点いていて全てのコンピュータがありません。
ピートがそこにいます。

ピート:トーチにようこそ。やられたぜ。
クロエ:(驚いて) ピート、あたしのコンピュータはどうしたの?
ピート:デリバリの集団が今日の午後来たんだ。ルーサー・コープはコンピュータを持って帰ったよ。
クロエ:でもあれって寄付されたんじゃないの?
ピート:(厳しい顔をして)ああ、あれだ、誰かが奴の心を変えたんじゃないか。
    そうだ、どこかの女の子が来たぜ。名前は言ってなかった。
クロエ:ありがとう、ピート。

クロエはハンドバッグを机の上に置き残念そうに辺りを見回します。

学校を出て行くクロエ。
彼女が自分の車へと駐車場を歩いていると道を騒音を立てて近づいてくるのエンジン音を聞きます。
トラックはキーッという音を立てて駐車場のアスファルトにタイヤを滑らせながら急激なターンをしました。
クロエが驚いて振り向くとトラックが彼女の右前方で停止しました。
彼女は混乱状態でヘッドライトのせいで運転手の顔が見えないながらも凝視します。
トラックは脅迫するように少しずつ進んで、それから再びクロエめがけてスピードを出し始めます。
彼女はトラックがつき進んで来るのを見て逃走します。
彼女は学校の隣りに駐車された黒塗りのバンのところまで行くと躓き地面に倒れすすり泣きます。
トラックは彼女を轢こうとしますがトラックのタイヤの間に入り奇跡的に助かり、
トラックはバンの側面に激しくぶつかり停止しました。
トラックの下でじっとしていたクロエは頭を上げて恐る恐る見回します。
クロエの顔の真正面に運転手がドアを開けて降りてきました。彼女はその脚からゆっくりと離れます。
彼女は横に這い続け運転手が誰なのか確かめようと首を伸ばしました。
それはクラークでした。
彼は辺りを見回して混乱したクロエを見つけます。

クラーク:(彼女を見て驚いて) クロエか?

第1幕 場面1
スモールビル医療センター。夜。
中ではアダムス保安官がクラークに酒気帯び検査をしていました。
酒気検知器がビープ音を出します、そして彼女は結果を読むためにクラークの口からストローを取り出します。
クロエは診察ベッドに座り、医者は骨折がないか診察をしていました。

クラーク:僕が覚えているのは、図書館にいたのが最後です。歴史のレポートを書いていました。
アダムス:(デバイスを読みます) しらふのようね。サリバンさん、ケント君の事故の様子を教えてくれない?
クロエ:どういう事ですか、あたしが道路をかじらなかった事ですか?
    (医者は診察を終え去ります)分かりません、
    うーん…ただ彼のトラックがコントロールを失ったようにように見えました。
アダムス:(ため息をつきます)じゃあ、ケント君、あなたの家族に間違いなく車を詳細に調査する事を伝えておいて。
クラーク:(懇願するように) クロエ…
クロエ:(クラークを遮りアダムスに) それでクラークの事情聴取はおしまいですか?
アダムス:(クラークに) 家に戻ってもいいわよ。私はまだサリバンさんにもう少し聞きたい事があるから。

クラークが去ります。
彼は廊下に出ると窓越しにクロエを見ました。
クロエは注意深く彼をちらっと見て目をそらします。
クラークが廊下を歩き始めるとアダムとラナが部屋から出てくるのを見ます。

ラナ:まあ、あなたがそう思ってくれてよかったわ、アダム。

ラナはクラークを見ます。

ラナ:クラーク、大丈夫?たった今事故の事を聞いたわ。
クラーク:僕は大丈夫だけど、クロエが少し怪我をした。

クラークとアダムは不器用にお互いを見ます。

ラナ:あー、クラーク、こちらはアダムよ。
クラーク:(手を差し出し)はじめまして。

アダムはためらってクラークの手を握ります。

アダム:それじゃ君がクラークか。君の事はよく聞いてるよ。
クラーク:それを言うために来たわけじゃないだろ。 (ラナに)どうしてこんなに早くここにこれたんだい?
ラナ:2階にいるアダムのお見舞いにきてたのよ。リハビリのね。
クラーク:二人っきりで会っていたのかい?
アダム:(威圧的に)ああ、君がラナの見舞いに来たら会えると思ったけど、君は大分忙しいようだな。
クラーク:そう、忙しかったんだ。

ラナのハンドバッグからPDAが音を鳴らしました。 彼女はそれを取り出し見ます。

ラナ:(悩んだ顔で) レックスがこれをくれたときからずっと一人でコーヒーフィルターも変えられないのよ。

ラナはPDAのボタンを押します。
アダムは挑戦的にクラークを見るとクラークは目を伏せます。
ラナは緊張感に気付いて二人をちらっと見ます。

第1幕 場面2
ルーサー・コープ。
日中。
レックスは技術部に入っていきます。
働いている男性がいます。

男:ルーサーさん。
レックス:モーリーはどこにいる?
男:えっ、モーリー?
レックス:ああ。彼女は昨夜ここで働いていた。俺にこれを貸してくれてね。 (ディスクを上げます)
男:ああ、今までそれを探していたんですよ。それにモーリーという人はいませんよ。私は昨夜は自宅で待機していたし。
レックス:彼女はここでこのコンピュータの箱を包みから取り出していたんだ。

レックスは箱を指し示し、それに「スモールビル高校」というラベルをはられていることに気付きます。

男:はぁ、じゃあ、これらの全てのハードドライブがどうしてなくなったのかよく分かりませんね。

レックスは申し訳なさそうに肩をすくめる男を見ます。

第1幕 場面3
ラナはタロンのバーでコーヒーカップに入ったカラメルをかき混ぜホイップクリームを注ぎます。
日中。
アダムは彼女の隣に座っています。

アダム:そのカップに全部いれるんだ?
ラナ:まあね、あなたは初めてだからサムアップしてもらえるように一生懸命やってるのよ。

アダムは分かったとばかりにサムアップをするとラナは笑います。
彼女はバーから自分のカップを取ると二人はテーブルに歩きます。

ラナ:この場所は本当に私にとって避難場所なの。
アダム:何から避難?
ラナ:ああ、全てからよ。
アダム:クラークに会って興味がでたよ。

ラナは落ち着かず中断して笑います。

ラナ:私達はただの友達同士よ。
アダム:ただの友達。(テーブルに座ります。) まあ、友達にしてはあまりにも気詰まりを感じるな。
ラナ:ええ、まあ、色々あったから。
アダム:ふーん。俺はあいつの君を見る目を見たぜ。
ラナ:(間があり)クラークが自分がどうしたいのか分からないの。それに彼の気持ちはコントロールできないわ。
アダム:それで…君は?
ラナ:クラークは常に私の人生の中では大きな部分を占めてるわ。でも私達の間にはもう何もないのよ。

アダムは受け入れて頷きます。

第1幕 場面4
クラークのいるロフト。
日中。
トラックはロフトの中に駐車されてます、
そしてクラークは助手席から教科書とノートパソコンを取り出して落ち込んだようにドアを閉じます。
トラックの前部は完全に粉砕されています。
クラークが近くのテーブルに本を置くとクロエが入ってきました。

クロエ:もし細工の痕跡を探してるなら少し手伝おうか。
    それに何も悪いことじゃないし。整備員に聞いてきたわ。
クラーク:少し説明をさせて欲しい。
クロエ:あなたがなぜあたしを轢こうとしたかについて?いいわよ、どうぞ。
クラーク:君は保安官にトラックがコントロールを失ったと言ってただろ?
クロエ:あなたの代弁をしたのよ、クラーク。
    あなたは歩道にまであたしを追いかけてきた。
    (体を震わせ泣き始めます)
    ねえ、あ、あたしがあなたをライオネルの事で怒っているのは分かってる、
    でも殺そうとするなんてあまりにもひどすぎない?
クラーク:クロエ、君は僕が君を傷つけようとしたと思ってないんだろ。
クロエ:分からないよ。でもあなたの最近の行動が…クラーク、
     分からない、あたしはただ謝る事しかできないわ!
クラーク:僕は今までそれを乗り越えるのに苦労していた。
     君に会うといつも君とライオネルが話をしているのを想像してしまうんだ。
     いつもの君とは思えないんだ。
クロエ:あたしがメトロポリスに引っ越してオートバイに乗ってパーティー大好き人間になって、
    そしてあなたにあたしの前から消えてって言えばいいの?そうなの?

クラークはクロエの話が見えなくて返事をしません。

クロエ:ねえ、何を知ってるの?
    その罪悪感には興味をそそるけど、
    あなたの昨日の夜に起きたどんなに小さな事でも調べようと思ってここに来たの。
    図書館に行った後何があったの?
クラーク:僕は図書館を出て行ったことも覚えていないんだ。
     最後に覚えてるのはノートパソコンで作業していた事だけさ。

クロエはテーブルに近づきクラークのノートパソコンを開くと電源を入れました。
彼女はコマンドで「最近のドキュメントを検索」とタイプします。
検索はクラークが取り組んでいたレポートを呼び出します。

クロエ:ほら、コンピュータはあなたのレポートを回復したわ。シャーマンの概要ね、興味があるわ。

クラークがモニタを見ます。

クラーク:書き終わってないよ。

クラークは別のボタンを押してメールボックスを開きます。
リストのトップのE-メールアドレスは「brainwave@instamail.org」でした。

クラーク:それは僕が事故を起こす前にダウンロードしたものだ。
     (彼はそれをクリックします、しかし「Eメールはロックされています」と返ってきました)
     開かないんだよ。
クロエ:ブレインウェイブって誰なの?

第1幕 場面5
モーリーは自宅のコンピュータの前に座っています。日中。
彼女はクロエのハードドライブを彼女のコンピュータに入れ、もう1つのディスクをCD-ROMに入れます。
彼女はタイピングしだすと顔に笑みを浮かべます。

スモールビル高校の廊下を歩いているラナとアダム。
いたるところにカラスの旗が掛かっています。

アダム:(皮肉っぽく)この学校の校章ってなんだっけ。
     (若者がカラスのジャケットを着て通り過ぎます)ああ、分かった、鳥だ。
ラナ:(笑い) いいわ、小さい町だから。私達は愛校精神を真剣に受けとめてるわ。
   あっ、私、そのー、歴史の教科書を忘れてきちゃった。外で待っててくれない?
アダム:オーケー。

ラナがロッカーに戻っていくとアダムは去ります。

モーリーはコンピュータにタイプし続けます。
彼女はクロエのE-メールリストを呼び出すと下の方にスクロールしてラナの名前を見つけメッセージを送りました。

ちょうどその時ラナのPDAが音を出します。
彼女はハンドバッグからそれを取り出し開くとブレインウェイブからメッセージを受け取ったのを見てメールを開きます。
そしてモニタには点滅する数字と文字がジーと音を立てながらモニタ内を動き回っていました。
彼女がそれを見ていると電気刺激が彼女の目から視神経を通って脳に達します。
彼女は一度瞬きすると瞳は黒くなっていました。
彼女の目は突然冷たく危険に見えます。

フェイドアウト。

第2幕 場面1
クロエがスモールビル高校の廊下を歩いています。
日中。
彼女は掲示板に目をとめその脇に止まります。
ラナの目は静かに前方へまっすぐにクロエの方に向けます。
スローモーションで、
PDAが彼女の脚の脇に落ちながらラナの足はゆっくりとクロエに向かっていきます。
クロエが振り返ります。

クロエ:ラナ、やあ、今まであなたを探していたんだ。

ラナは返事もせずにクロエの髪をつかんむと掲示板に彼女の頭をたたきつけます。
クロエの髪を掴んだまま彼女の腕をもう片方の手で掴み階段の近くへと投げ飛ばします。
クロエが階段下の踊場まで転がり落ちてくると、数人の学生は息を飲みそして悲鳴を上げます。
クロエは恐怖しながら立ち上がるとラナは彼女の後を追うように踊場まで降りてきました。
クロエの額からは出血しています。

クロエ:ラナ、何をするの?
ラナ:(冷静で冷たく)クロエ・サリバンを殺す。

ラナがクロエの背中に蹴りを入れると彼女は次の階段の下へと落ちていきます。
再びクロエは踊場まで落ち立ち上がるとラナがまた降りてきます。
ラナがクロエの腹を蹴るとクロエは背後の壁に激突します。
前へよろめくクロエの顔をラナは殴り次の階段から落ちそうになりますが数段目で手すりを掴みました。
彼女は手すりに寄りかかって向きを変えます。
ラナがクロエのジャケットを掴むとクロエもラナを掴みついに反撃し始めてもみ合いになります。
クロエは後ろの階段に落とそうとラナの顔めがけて拳を振り上げます。
ラナはひっくり返って階段から滑り落ちます。
階段の一番下で見守っていた学生達は驚きショックを受けて悲鳴を上げていました。
ラナが立ち上がるとクロエは階段を駆け降りてラナの腹にショルダーアタックをぶちかまします。
ラナは背後の壁の火災用のホースを収めてあるケースにぶつかりガラスを壊します。
上に乗っているクロエの腹をひざで押し返しクロエの顔を蹴るとクロエは仰向けに大の字に倒れました。
ラナは向きを変えてケースから火事用斧を掴むと鼻からは血が滴り落ちていました。
彼女は転げまわって逃げるクロエに斧を振り下ろします、
そして斧が床にぶつかると見ている者は悲鳴を上げます。
クロエが立ち上がると腹を狙って振られた斧の一撃を後ろへジャンプしてよけました。
ラナはクロエの腹を蹴ります、そして彼女は後ろ向きにロッカールームのドアに激しくぶつかります。
クロエに近づいたラナはクロエの頭に向かって斧を振り下ろすとクロエは脇によけ斧はドアに突き刺さります。
クロエは一瞬斧を見て恐怖を募らせるとラナは斧を引き彼女の腹を再び蹴ります。
蹴られた衝撃でクロエはロッカールームのドアを背中で押し開け中に転がりました。
部屋の中は着替えをしようとしていた多くの女子高生が悲鳴を上げました。
まだ床の上で半狂乱になって後ずさりするクロエに向かって
ラナが斧を振り下ろすとクロエの脚の間の床に斧がぶつかります。
彼女が再び斧を振り上げるとクロエは彼女の腕を掴み、
ラナの腹めがけて蹴りをいれるとクロエの上に仰向けに倒れ込んできました。
二人は斧を放さないままお互いを掴み向かい合わせに立ち上がります。
ラナは斧を引っ張って彼女を引き寄せるとクロエを蹴り後ろへ吹き飛ばせます。
クロエは斧を手放し立ち並ぶロッカーに激しくぶつかります。
ラナは斧を拾い上げると再びクロエに斧を振り上げます。
クロエが立ち上がるとラナは彼女の腹にスピンキックをし彼女は後ろ向きにシャワールームへと倒れ込みます。
シャワー中の生徒達は全員逃げ惑い、
クロエは壁に寄りかかるように座って上から流れる水で髪や服が水浸しになっていました。
ラナはロッカーの方に置いてあった斧を拾い上げると頭の上に振り上げました。
クロエは完全にグロッキーでどこにも逃げられない状態でラナを見上げていました。
突然誰かの手が斧を掴みます。
ラナが振り向くとそれがアダムであるのを見ます。
ラナは決して斧を放さないでアダムの腹に蹴りを入れました。

アダム:あっ!

ラナはアダムに斧を振り上げます、
しかし彼はラナの肩へ蹴りを入れると彼女は斧を落としてシャワー室の壁に向かって倒れました。
アダムは斧を拾い上げてラナの腹を蹴ると足で彼女を壁に押えつけました.。
彼女が彼の足を掴むと彼は全身の力をいれます。
彼女の力が抜け体が折れ曲がりると彼は床に座ります。
クロエは足に手を伸ばして、足の裏でラナを蹴ります。
ラナは堅い床に頭を打ちつけて鼻血を出しながら背中から倒れます。
アダムとクロエがラナに屈み込むと彼女はぼう然とした状態で目を開きます。

ラナ:(息切れしながら) 何があったの?

クロエは驚いてラナを見ます。

第2幕 場面2
クロエがタロンでコーヒーを飲んでます。日中。
彼女がクラークとアダムに話をしながら不安そうに見回します。
彼女の額には包帯が巻かれていました。

クロエ:それじゃパラノイアを除外できるわね。 誰かがあたしを殺そうとしてるんだわ。
クラーク:誰かじゃすまないだろ。
クロエ:ああ、まあね、いずれにしても、それはあたしにとっては気味が悪いわ。

ラナは氷のうを持ってテーブルに来ます。

ラナ:クロエ、本当にごめんなさい。あなたが言ったような事を私がしたなんて信じられないわ。

ラナは座って氷のうをクロエの額にあてます。
クロエはラナが触るのを嫌がり彼女から氷のうをとります。

クロエ:ほんとに。あなたが停学処分になるような事するなんて信じられないわ。
    ありがたいことにアダムが来たからよかったものの。
    (アダムに) すごい動きだったわね、カンフー?それとも柔道?
アダム:(肩をすくめ)分からないな。多少ジャッキー・チェンの映画を見たぐらいだよ。

クラークとラナはお互い信じられないという顔つきでアダムを見ます。

クロエ:まあ、誰も高校の廊下で危険な事が起きるとは思わないもんね?

クラークがコーヒーをひと口飲むと考えが浮かびました。

クラーク:(ラナに) この直前に変なE-メールを受けとらなかったかい?
ラナ:ちょっと待って。 (彼女はPDAを見てブレインウェイブからのE-メールを見ます)
   受け取ってるわ、でも開いた覚えがないわ。
クラーク:同じような事が僕ら二人に起こったようだな。まるで催眠術をかけられているみたいに。
アダム:それはサブリミナルメッセージじゃないのか。
クロエ:何かが2進法のコードで隠されるかもしれないわ。
ラナ:(クラークにPDAを手渡します) じゃあ、私はどんな風に操られていたの?
クロエ:それは、第一に「クロエを殺せ」っていう衝動を引き起こしたんじゃないかと思う。
クラーク:(PDAを見ます)またブレインウェイブだ。

全員が不安そうにお互いを見ます。

タロンのバーの後ろでアダムがコンピュータにタイピングをしています。
彼はラナのPDAを持っています、そしてクラーク、クロエ、ラナは彼の作業を見守ります。

アダム:オンラインのすべてのコンピュータはIPアドレスを持っているんだ、
     それでメッセージが送られたコンピュータを追跡することが可能なんだ。
クラーク:(怪しんで)やれるのか?
アダム:まあね。
クロエ:このブレインウェイブって奴がそんなにあたしを殺したいんなら、
    どうしてあたしに自殺するようにメッセージを送って来なかったのかな?
アダム:脳は生きようとするんだ。つまり、催眠術のメッセージでさえ生きる事は本能的に最優先なんだよ。

クロエがアダムの知識に驚きます。

クラーク:どうして、どこでそれを学んだんだい?
アダム:俺は何カ月間もリハビリテーションしていたんだ。他にする事がないから本を読んでたんだ?

ラナはアダムとモニタを奇妙に見ます。
「クロエ・サリバンに登録されたコンピュータとIPアドレスはルーサー・コープに記録しました」と書かれた
ダイアログボックスがポップアップします。

クラーク:クロエ、メッセージは君のコンピュータから届いてる。
ラナ:ライオネルが全てのコンピュータを回収したと思ったけど。
   ルーサー・コープの誰かがどうしてあなたを殺そうとするのかしら?

クロエとクラークは心配そうにお互いを見ました。

第2幕 場面3
レックスとクラークはメトロポリスで歩道で話をしています。
日中。
レックスはディリープラネットディスペンサーから新聞を買います、そして二人らは並んで歩き始めます。

レックス:なあ、俺はメトロポリスへの来る事が時間の浪費だと思いたくない、
     だがいくら親父でもクロエを殺そうとしているとは思えない。
クラーク:どうして?精神病院に自分の息子を入れる事が平気なんだ。
     (レックスは鋭くクラークを見ます)君は父親の力を知ってるだろ。
レックス:クラーク、親父がスモールビルの高校生レポータを追い掛け回すその理由はなんだ?

クラークが答えないでためらいます。

レックス:俺に話していない事があるのか?俺が思い出せない七週間に関係があるのか?
クラーク:僕が知っている事のはライオネルが君にクロエの父親を解雇するように言った事だよ。
レックス:なあ、クラーク、それは仕事だ。
     (レックスは歩くのをやめてクラークに向きます)
     いいか、お互いの認識とは正反対で、親父はスモールビルでの極悪非道な活動の後ろにはいない。
     それに親父ならそんな遠まわしな事はしないはずだ。
クラーク:E-メールはルーサー・コープに送られたクロエのコンピュータから来たんだ。
     ほかに誰がアクセスできるっていうんだ?

レックスは返事をせずに考え込みます。

第2幕 場面4
モーリーはコンピュータに取り組んでいます。
日中。
エレベータが開くとガーナー博士が出てきました。
モーリーは彼を迎えるために立ち上がりました。

モーリー:ガーナー博士。サマーホルトへどうして?何か問題でも?
ガーナー:いや。それならまだいいのだが。ディリー・プラネットの記者が今日来たんだ。

ガーナー博士はポケットから名刺を取り出しモーリーに手渡します。

ガーナー:名前はマックス・テイラーだ。
モーリー:あの娘が書いた実にひどい記事の事についてですか?
ガーナー:残念だが。
         ただ私がもし止めたらどうなるのか分かっていない。
         (リビングルームの窓に歩いて外を見ます)
         皆を助けているためにやっている事なのに。
         もし止めたら皆はどうなるんだ?
モーリー:そんな事は起きませんわ。
ガーナー:分からない。我々が孤立させるわけには行かないんだ。
         モーリー、どうすれば理解させることができると思う?
モーリー:無理でしょうね。彼らは決して理解なんてしないでしょう。
ガーナー:君が手伝ってくれて本当に嬉しいよ。

ガーナー博士はモーリーの頬を優しく指でなでます。

ガーナー:だがもしこの記者達が自らの方法をとれば、他の患者はあまり幸運とはいえない。

モーリーは目に決然とした意思を表しコンピュータルームに戻ります。

第2幕 場面5
アダムは病室でバッグに荷物を詰めていました。 日中。
ラナが入ってきます。

ラナ:退院なの?
アダム:(笑い)仮釈放さ。行いがいいからね。
ラナ:それじゃ、メトロポリスに帰るの?
アダム:俺は…そのースモールビルに居ようかと考えてるんだ。
ラナ:(驚いて)どうして?
アダム:おいおい。それは痛いな。
ラナ:違う、違うの。つまり、分かるでしょ、私が学校でした事を。
   スモールビルはあなたの好みの場所じゃないと思うの。
アダム:実は、俺の田舎とよく似てるんだ。
    (ラナに近づき彼女の顔に手をおき)
    俺はもっと一緒に過ごしたいんだよ、
    今まで見た事がないきれいな目をしたコーヒーショップのオーナーとね。
ラナ:(顔を下げ) アダム、私達まだお互いの事もよくを知らないのよ。
アダム:それは俺がいちゃいけない理由じゃないだろ?何か問題でもある?どうなの?

ラナは向きを変えてゆっくりと離れると立ち止まります。

ラナ:習ってもない武道を知ってるわけないわ。
   クロエがあなたみたいにハッキングできないのに、
   本を読んだだけで覚えたっていうならその本はどこにあるの?
アダム:うわーっ。 クラークだな、あいつが君の思いを邪魔をしてるんだな。
ラナ:ええ、そうよ。そしてもう同じ過ちは繰り返したくないの。
アダム:(辛抱強く我慢して)なあ、俺は君が好きだ、それは話しただろ。
    でも君の想いがどうであっても、俺は君を待つ一人ではいたくないんだ。
    (ラナは返事をすることができません)
    君は帰った方がいい。
ラナは傷ついてアダムの病室を後にします。 彼女は廊下に出ると立ち止まり悲しげに振り返りました。

第2幕 場面6
スモールビル高校。
夜。
クロエがトーチのオフィスに入ると彼女の後ろにクラークが近づいてきました。

クラーク:クロエ。

彼女は向きを変えビックリし息をのみます。

クロエ:クラーク、こっそり近付かないでよ!
クラーク:あのさ、レックスと話をしたんだ、
     そしてルーサー・コープに君の古いコンピュータがあった、でもハードドライブはなくなっていたよ。
クロエ:(うなり)あたしのメールアドレスも全部あの中よ。
クラーク:じゃあ、誰が取ったんだ。

クラークはクロエにモーリーの監視カメラの写真を見せます。

クラーク:彼女はライオネルに雇われたと思う。彼女の名前のモーリーだ。
クロエ:グリッグスよ、あたし知ってる。それにライオネルとの関係は一度だけじゃないわ。
    1カ月ぐらい前に記事にするため彼女にインタビューをしたことがある。
クラーク:何のことについて?
クロエ:サマーホルト神経研究所についてよ。

クロエが引き出しを開けファイルを取り出します。

クラーク:サマーホルト?それってライアンが使ってた場所?
クロエ:ええ、彼のESPを研究するために。それが場所を調査し始めた理由よ。
    間違いなく彼はガーナー博士が彼らの意志に反して持っていた患者は一人じゃないわ。

クロエがクラークにファイルを手渡します。

クラーク:まあ、奴のやり方はメンゲレ・ハンドブック通りだから。
     どうしてモーリーはそこにいたんだ?
クロエ:あー、マサチューセッツ工科大学に15年いたんだ。
    学生を殺すまでは彼女は若手エンジニアとして成功してたの。
    その後彼女をサマーホルトに送ったのよ。
クラーク:ふーん、でもサマーホルトは正確には心理学の管轄じゃないだろ。
クロエ:スーパー頭脳の持ち主のためのものだよ。
クラーク:どうして彼女が君を殺そうとするんだ?
クロエ:まあ、彼女と話したとき、彼女はガーナー博士がもう新しい人生を与えてられていた事をかなり主張してたわ。
    すぐに彼を止めるために記事を書いて攻めたんだ。
クラーク:(しきりに) クロエ、他に誰がこの記事の事を知ってるんだ?
クロエ:マックスよ。

ディリー・プラネットのマックス・テイラーのオフィスでクロエとマックスは電話で話していました。

マックス:クロエ、俺は君の書いたサマーホルトの記事を見たよ。
     君がここで何かを手に入れたと思ってる。
     (間があり)
     待ってくれ、早まるな、脅迫は仕事の一部だ。
     気をつけるべきだ。君は分かってるはずだ。

上司のモーリンがオフィスに入って来て鉛筆を箱から取り出すと電気鉛筆削りで削りだします。
それから彼女は鉛筆の先が尖ったことを確認します。
マックスは電話口を手で押さえ肩越しにモーリンを見ます。

マックス:何か用ですか、モーリン?

クロエはトーチからマックスに電話をしていました。
モーリンは突然激しい動きを見せます。クロエは何かが当る音を聞きます。

クロエ:マックス?

マックスの腕はダランと力なく垂れ下がり、受信機は彼の座っているイスの脇にぶら下がります。

クロエ:マックス?

クロエはモーリンがぞっとするほどの悲鳴を上げるのを聞きます。

モーリン:キャーッ!
クロエ:マックス?
モーリン:あーっ!マックス!どうして!あーーっ !!!マックス!

モーリンは悲鳴を上げて泣き続けます。
マックスの耳には鉛筆が刺さっていて耳から流れ落ちる血は顔を伝わり机の上へと滴り落ち死んでいました。
 
フェイドアウト。

第3幕 場面1
レックス、クロエ、クラークの三人はレックスの書斎に入ります。
 日中。

クラーク:クロエもここに呼んでくれてありがとう、レックス。
レックス:俺ができる事なら手を貸すさ。

レックスはバーに行って飲み物を注ぎます。

クロエ:ええ、あたしが探す最後の場所よ。
レックス:クロエ、ディリー・プラネットの君の友人にはすまないと思ってる。
     ガーナーの仕業に違いなのか。
クロエ:ええ、まあ、確かじゃないけどあたしを狙ってるんだと思う。最近あまりよくない事が起こりすぎるんだ。

レックスは机に座ります。

レックス:それで君の理論じゃ、ガーナーはE-メールで催眠術を使ってモーリーを暗殺者に変えたということか?
クラーク:それ以上の事だと思う。サマーホルトは脳を研究してコントロールすることまでできるんだ。
レックス:それは驚くべき大発見だな、応用ができればだが。
クロエ:(突然激しく)そんな問題じゃないわ。脳の話になると話をそらすんだから、間違いなくガーナー博士よ。

レックスは思いにふけってクロエを見ます。

クラーク:ガーナーに話をしに行こう。

クラークが去り始めます、しかしクロエが彼の腕をつかみます。

クロエ:ダメ、ダメよ、クラーク、お願い。あまりにも危険だわ。
クラーク:奴が探しているのは僕じゃない。だから大丈夫だ。
     屋敷から出ないで。もし何か分かったら君に電話をするから。

クラークが去ります、そしてレックスは机から立ち上がります。

レックス:クロエ、俺は彼女を追跡させているところだ。奴らが何をしようとしているのか見てくる。家で待ってろ。

クロエがうなずくとレックスは去ります。
彼女は目に涙を浮かべて彼を見送ります。

第3幕 場面2
サマーホルト。
日中。
クラークは大きな玄関のドアをくぐって中に入るとガーナー博士が出てきました。

クラーク:クラーク・ケントです。
ガーナー:また私の患者をさらいに着たのか?
         お前の侵入以来ここのセキュリティは強化しているぞ。
クラーク:あなたとモーリーが何をしているか知っています。
ガーナー:(名前を思い出そうとします) モーリー… グリッグスか?
         彼女は辞めたよ、数カ月前にな。
クラーク:彼女は催眠術のE-メールを送っている。それは普通の電気屋で使われるような技術じゃない。
ガーナー:またサマーホルトかね、君が言いたいのは。

ガーナー博士が去り始めるとクラークが彼の腕をつかみます。

クラーク:モーリーはすでにあなたがここでしている全てを曝そうとしていた一人のレポータを殺した、
     そして彼女はもう一人をやろうとしている。偶然の一致にしてはできすぎてる。
ガーナー:ケント君、ここは神聖な研究所だ。サマーホルトを高校生ごときの想像で関わって欲しくないね。
クラーク:(脅すように進み出て)警察がそんな風に見るとは思えませんよ。

二人の警備員が近づいてきます。

警備員:ガーナー博士?
ガーナー:コーネル、友人を玄関まで案内してくれたまえ?

コーネルはクラークの肩に手をかけると玄関の外に彼を連れて行きます。
クラークはガーナー博士が携帯電話を取り出してダイアルするのを振り返って見ました。
コーネルはクラークを外に押し出します。
クラークは外から窓越しにガーナー博士が廊下を曲がって行くのを見ると
ガーナー博士の電話にスーパーヒヤリングを集中します。

男が電話を取ります。

男:センテニアルタワーアパートです。どちらへお繋ぎしますか?

ガーナー:927号を。

別の部屋で電話の呼び出し音が鳴るとモーリーが出ます。

モーリー:もしもし?
ガーナー:モーリー、問題が起きた。

必要なことを聞いたクラークは立ち去ります。

第3幕 場面3
タロンでラナはテーブルを片付けています。
日中。
アダムが入ってきます。

アダム:図書館だよ。(ラナは驚いて彼を見ます。)俺が読んでいた全ての本が見つけられるよ。
ラナ:もうメトロポリスに帰ってる途中だと思ってたわ。

彼女はバーに歩き始めますそしてアダムは彼女の後を追いかけます。

アダム:そのつもりだった、でも俺はこのまま帰るのはどうかと思ってね。急に気が変わったんだ。

ラナはトレーをバーに置きます。

ラナ:そういう方法もあるわね。

アダムはガッカリしてうなります。

アダム:俺をバカにしてるのか!
     君がどのぐらい強いのか俺は分かる、そしてそんなバカな理由で傷ついた振りをしてる。
     それは馬鹿げてるよ。
ラナ:それってこれで終わりにしようって言うあなたの別れの言葉?
アダム:他の人がここで何て思ってるのか分からないけど。俺は何も隠そうとしてない。
ラナ:それならどうしてそんなに慎重なの?
アダム:理解してくれ、俺は過去に継ぎ合わせることができないほどの事があるんだ。
ラナ:(理解) そしてその質問に答えると皆が去っていくのね。
アダム:それはどちらかと言えば怖いことなんだ。スモールビルは一人でメトロポリスに行くよりも少し怖い。

ラナは目を伏せてそれから微笑してアダムを見上げます。

ラナ:頭のおかしい忍者少女よりも?

二人は笑います。

アダム:そうさ。少し急ぎすぎたのは分かってる、もし俺らの友情に何かを感じたなら、すまないと思ってるよ。
ラナ:少し早すぎたわ、何にしてもね。
アダム:ああ。

二人は一瞬の暖かくほほ笑みます。

アダム:バスが行ってしまうから。

アダムはバッグを持って踵を返し去り始めます。

アダム:ラナ、俺は、俺は本当に君がもう一度人を信頼する事ができるように祈ってるよ。
    君は本当にすごい人なんだ、そを近くで見れないのは残念だけど。

アダムは微笑して再び去り始めます。動揺したラナは何かを言おうとします。

ラナ:アダム、待って。(彼女は彼に近づきます)ここに留まることは本気だったの?

アダムはラナに微笑みます、そして彼女は希望を抱いて彼の目を見つめます。

第3幕 場面4
メトロポリス。
夜。
モーリーは自宅のアパートでレックスの座っているリビングルームに
コーヒーポットと2つのマグをトレーに乗せて持って来ます。

レックス:俺はコンプレックスを持ち始めてね。女性に対してまた精神を病むんじゃないかと思う。

モーリーはコーヒーテーブルにトレーを置いてレックスの前に座って静かに笑います。

モーリー:似たようなものよ。
レックス:(前に傾きモーリーのあごにさわり)ガーナーは君に何をしたんだ?ん?

モーリーは首を回します。
エレベータのドアは開くとクラークがアパートに入ります。
モーリーは立ち上がります。

クラーク:(驚いて) レックス、ここで何をしてるんだ?
レックス:俺の調査人は彼女を追っていたんだ。
モーリー:(クラークに) それであなたは?

クラークが机の上のコンピュータを見て指差しします。

クラーク:これを僕の友達を傷つけるために使っていたのか?

クラークが机に向かって歩くとモーリーは彼の前に立ちはだかります。

モーリー:これから離れて!
クラーク:モーリー、ガーナーを守らなくてもいいんだ。僕らは奴が君を操っているのを知ってる。
モーリー:ねえ、才能を持った者がたった1人いるわ、そしてあなたは彼女を見ている、すぐコンピュータから離れて!
レックス:お前が探しているのはこれか、クラーク?

レックスはディスクを上げます。

モーリー:どうやってそれを?
レックス:同類さ。(レックスは立ち上がります)
     ガーナーじゃない。プログラムを開発したのは君だな?
     (モーリーはディスクを奪おうとしますがレックスは渡しません)
     君のディスク・ドライブから取り出したんだ。
モーリー:あなたは理解してないわ。
     他の子供たちが見ることができないものを見、想像さえできないことを感じて、
     そしてそれについて考える事がどれほど異なっているか分かってない。

クラークはレックスからディスクを受け取ってモーリーの顔の前にそれを出します。

クラーク:モーリー、ガーナーは君を助けようとしてない。
モーリー:彼は私に普通に接してくれたわ、そんな事は絶対にない。

レックスはコンピュータのモニタを見ます。

モーリー:今、もし誰かがあなたにそのチャンスを与えてくれたらあなた達も守ろうとするんじゃないの?

クラークは答えません。

レックス:クラーク、俺たちがここに着く前に彼女はE-メールを送っている。アドレスから誰か分かるか?

クラークがコンピュータのモニタのアドレスを見ます。 CNH320@instamail.org

クラーク:母さんだ!

第3幕 場面 5。
クロエがクラークの屋根裏に入ります。夜。
マーサがテーブルの脇に立っていました。

クロエ:ケントさん?ケントさん、あなたの呼び出しに来ましたけど。

マーサは微笑して向きを変えます。

クロエ:クラークが何か見つけたんですか?

マーサは壁から鎌を掴むと威圧的にクロエに向かって歩きます。

クロエが後ずさりし始めるとジョナサンにぶつかります。
彼は彼女を柱に押し付けると動けないように首の周りに鎖を巻きつけます。
マーサは頭の上に鎌を振り上げて少しずつ近づいてくると、クロエは泣きながら鎖を外そうともがきます。

フェイドアウト

第4幕 場面1
屋根裏にクロエ、マーサ、ジョナサンがいます。
夜。
ジョナサンはクロエの首に巻きつけた鎖を締め上げます。

クロエ:うっ!

マーサは鎌を持ってクロエに向かってゆっくりと近づいてきます。
クロエがマーサの顔を蹴るとマーサは鎌を落として床に倒れます。
超スピードで屋根裏に来たクラークはジョナサンをクロエから放すために床に倒します。

クラーク:クロエ。 (彼女の側にひざまずいて)大丈夫か?

クロエは頷きます。
ジョナサンはサディスティックに笑いながらポケットからクリプトナイトを取り出します。
彼は立ち上がってクラークに向かって近づいてきます。

クロエ:クラーク!

ジョナサンがをクラークの顔を隕石を持った手で殴るとクラークが倒れます。
ジョナサンがクラークに覆いかぶさり何度も彼を殴りつけているとクロエが立ち上がります。
クロエは助けようと辺りを見回し、そして屋根裏の二階に干し草の梱の山を見つけました。
彼女が壁に走ってレバーを引くと干草を押さえていた手すりがはずれ干し草がクラークとジョナサンの上に落ちてきました。
クリプトナイトは転がり落ちて緑の光は消えます。
クラークが干草をどかして出てくるとクロエは彼が無事なのを知ってに安心しため息をつきます。

クラーク:母さん。

マーサは立ち上がっていました。
クラークがジョナサンの上の干し草をどかすと母親のところに行きます。

マーサ:何があったの?
クラーク:大丈夫かい?

マーサは混乱してクラークを見ます、そしてジョナサンは咳をしながら床に座ります。
クラークはまだ動揺しているクロエを見ます。

第4幕 場面2
タロン。
日中。
中では、ラナはメインルームの脇にある階段にアダムを導きます。
彼女は上に着くと立ち止まり後ろの彼に振り向きます。

ラナ:いい、偏見を持たないでね。

アダムが頷くとラナはついてくるように促します。
彼女はドアの鍵を外しました。
彼女が中に入るとアダムが後に続き、
電気を点けるとホコリまみれの雑然とした物置には箱や家具、古い映画のリールが沢山ありました。
灰色がかった直射日光が窓を通して差し込んできます。

ラナ:それで? あなたはどう思う?
アダム:思うに…ノーマン・ベーツがここにいたのか。
ラナ:まったくもう、いるわけないでしょ。
アダム:提供してくれるのか?
ラナ:私達でこのガラクタをきれいにして塗りなおせば良くなると思わない。
   相当所有者に賃貸料を交渉したんだから。

ラナがステンドグラスの窓の隣のランプを点けるとアダムは見回します。

アダム:まあ、この上なら目覚まし時計は必要ないな。
    (ラナは理解しません)新鮮なコーヒーの匂いで朝目が覚めるだろ。
ラナ:ええ、もしまだあなたが長く時間がかかっても近くで待ってくれるなら、あなたを仕事に雇いたいの。

アダム微笑しラナに歩み寄ります。

アダム:俺のためにこんな事までしてくれるのは感謝するよ、
     でも俺のことを気の毒に思ってならそんなのは望んでない。
ラナ:いいえ。 違うわ、それとこれは別よ。信じて。ただ友達として手助けしたいの。

アダムは一瞬じっと彼女を見つめると微笑んで頷きました.。

第4幕 場面3
クロエがトーチオフィスにいます。
日中。
クラークが入ると彼女はコンピュータをセットしていました。

クラーク:新しいコンピュータかい?
クロエ:前のと同じコンピュータよ。新しいルーサーのね。レックスが返してくれたの、コネはなしで。
    あー、あたしのパパをクビにした事で気が咎めたんだと思う。
クラーク:まあ、少なくても君は元気そうだ。
クロエ:サイバー・ストーカーなしでね。 (笑い)
クラーク:君の魂はまだ損なわれてないよ。
クロエ:ええ。 (長い間があり彼女はクラークを見つめます)
    ねえ、モーリーと同じものが…あるわ。あたしが同じだと思う事が一つね。
クラーク:ないよ、クロエ…
クロエ:ううん、あたしの罰よ、分かる、あたしがあなたにした事よ。

クロエが机に座ります。
クラークは深く息をするとクロエの真向かいの机に座ってバックパックを下に置きます。

クラーク:君が全ての非難を受けるわけじゃないさ。
     僕が君を遠ざけたから、君はライオネルのところに行ったんだ。
     それは最近の僕の隠された才能の一つみたいだ。
クロエ:(笑い) そんなに隠されてないと思うよ。(クラークがおどおどして微笑します)
    いい、あたしはあなたを調査なんかしなかったの、クラーク。
    それを本物らしく見せようとしたから、本物以上に良く見えたんだよ、
    だから誰かがあたしの仕事に興味を持つかもしれないわ。
クラーク:それが君をこんな事態に追い込んだんだね。
クロエ:ええ。 それにあたしの前でライオネルはあたしの夢を並べ立てたわ、
    そしてただ…(彼女は泣き始めます)知らなかったから最も悪い直感に従ったんだ。
クラーク:違うよ、クロエ、彼は弱いところをついてきたんだ、皆そうなるさ。
     (クロエは頷きます)君がメトロポリスの僕を見つけたとき、君は僕に背を向けなかった。
     僕に二度目のチャンスをくれたじゃないか、俺には君に借りがあるんだ。
クロエ:(微笑んで感謝し)あたしもそうしたい。 (目を拭います)
    これからどうする?つまり、起きた事は忘れる事ができないじゃない。

クラークが一瞬考えてそれから立ち上がるとクロエの隣りに座ります。

クラーク:じゃあ、君は絶対に僕が意味の分からない行動をとることがあるのを理解して欲しい。
クロエ:(笑い)分かってるわ。
クラーク:僕の事を探るのを止めてくれるかい?
クロエ:(間があり深呼吸をします) ええ。あなたがあたしに話してもいいって思うまで待つわ。

クラークは微笑します。

クラーク:じゃあ、また明日。
クロエ:オーケー。

クラークの後姿をクロエは希望を抱いて見送ります。

第4幕 場面4
レックスはサマーホルト神経研究所の外の噴水の隣に停めた車に寄りかかっています。
夜。
ガーナー博士が建物から出てきます。

ガーナー:ルーサー君。クラークが来た時に君が早々に来ると思うべきだったな。
レックス:クロエ・サリバンにそれ以上のどんな事をするつもりですか…無分別に。
ガーナー:モーリーは跡形もなく消え失せたようだ。君が知りたい事は私には分かりかねるね。
レックス:モーリーは世話をしてくれる人達のところにいる、彼女を利用するべきではありませんよ。
ガーナー:レックス、君は頭が良い男だ。
         次への進歩のためには多少曲がった事をしなければならない事も知っているはずだ。

ガーナーは歩き去り始めますがレックスが口を開くと止まります。

レックス:素質と狂っている事の間には相違があると信じてます。
ガーナー:君は一度も何も見ないで発見できると思っているのかね?
         私の仕事は世界の見方を変えるんだよ、知性をね。考えてみたまえ。
レックス:俺はあなたの研究が罪がない者への価値を持っているとは思いません。
ガーナー:私に道徳の授業は必要ないよ。失礼する。

ガーナーは再び歩き去り始めます。

レックス:クロエの記事は実際途中では終わらない。
     (ガーナーが歩くのを止めるとレックスはポケットからディスクを取り出します)
     殺されても仕方ないだろう。

ガーナーは向きを変えます。

レックス:そうは思いませんか、博士?
ガーナー:何が望みなんだ、レックス?
レックス:あなたの助けです。
     (レックスはガーナーに近づき面と向かいあいます)
     二ヶ月前、残念な事に俺は七週間もの記憶を消すショック療法を受けた。

ガーナーは静かにレックスを見て次の言葉を待ちます。

レックス:俺はその七週間を取り戻したいと思っている。

レックスはガーナー博士の目の奥を見つめ、
噴水の水から反射した光はレックスの顔に薄気味悪く光を投げかけます。

フェイドアウト。

おしまい