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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン3.12Hereafter[来世]

第1幕 プロローグ
ジョーダン・クロスはスエットスーツを着て森林の道を走っています。日中。
朝の日差しがいくつかの木漏れ日を作っていました。
ジョーダンはスモールビル高校の体育の授業で走っているクラスメイトのグループに追いつきます。
ジョーダンが彼らを追い越すと先頭を走っていたラナとピートがジョーダンを見つめます。
先頭を走るジョーダンに引き連れられ一行はスモールビル高校のグラウンドの裏に出てきました。
彼らはチアリーダーが練習をしているトラック競技場とフットボール場を横切ります。
ジョーダンは一人のチアリーダー、ミーガン・コールダーを見ますが彼に気づかずに練習を続けていました。
彼は体育教師、アルトマンが待っているトラックに到着すると止まります。
他の生徒達はジョーダンに遅れ次々と到着しました。

アルトマン:いい走りだ、皆。ストレッチを忘れるなよ。

アルトマンは歩き去り始めます。 ラナが進み出ます。

ラナ:アルトマン先生。私、そのー、私も行っていいですか。もし何かあれば私…
アルトマン:まあ、今のところ何もしてもらう事はないな。
       (悲しげに思い出し) 彼女は本当に一年の内のこの時期が好きだったな。

アルトマンは歩き去ります。

外野席の横のテーブルの脇でラナは深呼吸しながら顔の汗を拭いていました。
テーブルにはウォータークーラーとプラスチックのカップが置いてあります。
ジョーダンは水を飲みに来ました。

ラナ:あなたって本当にすごいわ。皆が抜いていったって話してる。(彼女は笑います。)私はラナよ。
ジョーダン:ジョーダン・クロスだ。 俺は2日前からここに通い始めたんだ。

二人は同じカップに手を伸ばし手が触れます。
光の閃光が走り、突然ベッドに横たわる長い白髪混じりの髪をした女性とその脇に同じ年ぐらいの男性が立っていました。
彼女は手を握ってくれている男を見上げます、そして彼女が目は閉じると男は彼女の手を彼女の脇に置きました。
その女性はラナのクリプトナイトのネックレスをつけていました。

ジョーダンがゆっくりとラナを見ると彼の心に投影された光る透明な石は、
二人が取ろうとしていたカップがテーブルから落ちると完全に現実に引き戻されました。

ジョーダン:ごめん。
ラナ:(気取らず)いいの、大丈夫よ。沢山あるから。

ジョーダンは少し困惑したラナをそのままにして何も言わずに歩き去ります。
ジョーダンがトラックに到着するとアルトマンが彼のところへ歩み寄ります。

アルトマン:おい、今日はいい走りだったぞ。君はいつから参加してるんだ…

アルトマンがジョーダンの肩に手を置くと、また光の閃光が走りました。
ジョーダンはアルトマンが目を閉じまっすぐに向かってくる車に両手を広げ道路の中央に立ち
その車に撥ねられボンネットにぶつかるシーンを幻視します。
そしてフロントガラスを割り車の天井にまで転がるとそこから落下し目を開けたまま地面に横たわっていました。
明らかにアルトマンは死んでいました。

閃光が走ると現実に引き戻されます。

アルトマン:…チームに?

ジョーダンはこめかみを押さえアルトマンの触れている手から離れます。

アルトマン:大丈夫か?

ジョーダンは走り去って行きました。

放課後、学校の正面玄関を出て行くジョーダン。
クラークが彼の後を追いかけます。

クラーク:ジョーダン。(ジョーダンが振り向きます)落ち込んだ顔をしてるって皆が言ってた。僕はクラークだ。

クラークが手を差し出しまがジョーダンは握手を拒み手をポケットに入れたまま二人で駐車場に向かって歩きました。

ジョーダン:その通りだよ。おせっかいだな。
クラーク:ねえ、体育館で会うはずだったけど。
     皆が君が走って行ったって言ってたから。本当に大丈夫なのか?
ジョーダン:俺は皆と慣れようとしてるんだけど、今まで家で教育されてきたから。
クラーク:僕が君の相談役で悪いけど、
     全ての転校生は相談役を割り当てられるんだ、もっとも重要なのは地図なんだけどね。
     さあ、場所を案内するよ。

クラークがポケットから地図を引っ張りだすとジョーダンは彼を遮ります。

ジョーダン:親父が来てるから聞いてからでもいいかい?

クラークは駐車場にトラックから降りて待っているジョーダンの父親を見ます。
彼はジョーダンに手を振っていました。

クラーク:いいとも。

ジョーダンはクラークを置いたまま父親の方へ行きます。

クロス父:また起きたんだな?(ジョーダンがうなずきます)ジョーダン、私はうまくいけばいいと思っている、
      だがまだ早かったのではとも思うんだ。

ジョーダンが辛そうに目をそらします。
すると車がカーブをスピードを出して曲がって来ると、アルトマンが学校から歩いて出て行こうとするのに気付きました。

ジョーダン:ダメだ。今日はダメなんだ。

アルトマンが車が接近して来るのに気付きます、そしてジョーダンは彼に向かって走り始めます。

ジョーダン:今日はダメなんだ。
クロス父:ジョーダン!

クロスはジョーダンを止めようと彼を掴みます。
アルトマンはジョーダンの見た光景と全く同じように
目を閉じて両腕を広げて迫り来る車の前の道路の中央に走って出ました。
クラークはその光景を見ると超スピードを出し道路にいるアルトマンを道路から体当たりして押し出しました。
車が急停止するのと同時に二人は地面に倒れ込みます。

クラーク:アルトマン先生、大丈夫ですか?
アルトマン:どうして私を止めたんだ?私は正気だ、ただ娘の所に行きたかっただけだ。
      (泣きます)娘は死んでいる、それは私のせいなんだ。

アルトマンが泣き続けるのをクラークが哀れんで見ていました。
ジョーダンが二人に向かって走って来るとクラークが振り向きます。
クラークとジョーダンは目を見交わすと、ジョーダンは完全にショックを受けていて、クラークは困惑していました。

第1幕 場面1
スモールビル医療センター。日中。
ラナと友人のチアリーディングチームのミーガンは一緒に廊下を歩いていました。
ラナはクラークがロビーに座っているのを見ます。

ラナ:ミーガン、あなたは先に行ってて、そして看護師さんにアルトマン先生に面会できるか聞いておいてね。

ミーガンは頷くと近くのナースステーションに入ります。
クラークはラナを見ると立ち上がりラナが彼に近づいてきました。

ラナ:アルトマン先生はどんな様子?
クラーク:かなり強い鎮静剤で眠ってる。
     医者は完全に精神鑑定を診断できるまで入院だって言ってたよ。
     君は知らないのかい、ミーガンはアルトマン先生を知らないのに。

ラナはミーガンが看護師に話をしているナースステーションの窓越しにちらっと見ます。

ラナ:それは、そのー、本当は先生の娘さんを通して知ってるの。
   私達は中学生のとき一緒にチアリーディングチームにいたわ。
   彼女が事故にあった後、アルトマン先生は全く変わったわ。
クラーク:僕は彼女が車に轢かれたのを覚えてるよ。
ラナ:ええ、シーズンパーティーが終わって帰る途中でね。
   お医者様は回復の可能性がないって言ったわ、でも、んー…
   (悲しげに)でもアルトマン先生は奇跡を望み続けていた。
クラーク:奇跡が起きなかったって聞こえるけど。
ラナ:(ほとんどささやき)先月、彼女の生命維持装置を外したのよ。
クラーク:(ショックを受け)そんな判断は誰もしたくないだろうな。
     (間があり)君はその事に責任を感じてるんだね。
ラナ:もう行くわね。

ラナが歩き去るとクラークが真剣な眼差しで彼女を見送ります。

病院ベッドに意識不明のアルトマンの脇に立つミーガン。彼女は泣きながら声をかけていました。

ミーガン:もしあの夜を変えることができたら。どうしてジュリアとケンカしてたのかさえ覚えてないわ。

ラナはミーガンが何かを言っているの聞いて入ります。

ラナ:ミーガン、そんな事ないわ。
ミーガン:ジュリアンが私のことを怒っていたから、あの晩ジュリアは帰ったのよ。もし彼女を止めていたら…
ラナ:(ミーガンの肩に手を置き)私も彼女の後を追いかければよかったと思うわ、
   でもいい、誰も何が起きるのか予測なんかできなかったわ。自分を責め続けちゃダメよ。
ミーガン:(アルトマンを見つめ)先生に話すべきだったわ。
ラナ:先生は鎮静剤で眠ってるわ、ミーガン。あなたの声も聞こえてないわ。さあ、もう行きましょう。
ミーガン:(帰り際アルトマンに)本当にゴメンさい。

ミーガンは病室を去ります。
ラナは彼女の後に続きドアから出て行く前に後を振り向きアルトマンをもう一度見てから病室を出て行きました。
アルトマンの目は開きそして冷淡に出口を見ます。
彼はすべてを聞いていました。

第1幕 場面2
スモールビル高校。日中。
中ではジョーダンが教室への階段を降りています。
廊下は学生たちでいっぱいです。
彼は自分の行く先の人達を避けて慎重にジグザグに進みます。
階段の下に着こうとしたとき誰かの手が伸びてきて彼の肩に触れました。
明るい閃光が走り、突然ジョーダンは幻視を始めます。
風にたなびく赤いケープとゆがんだ黄色い三角形のマークが見えます。
ケープは地上を離れ風にたなびき、雲をつき抜け目もくらむ太陽のような明るいライトが輝き、
厚い雲が明るい光で反射する中を驚くほどのスピードで宇宙へと飛んで行きます。
ジョーダンが現実性に戻って振り向くと肩を掴んでいるのがクラークであるのを見ます。
クラークはジョーダンが驚いているのを見ます。

クラーク:やあ、ジョーダン、僕だよ。
ジョーダン:(振るえ)やあ、どうも。
クラーク:昨日は案内できなくなって申し訳なかったね。
ジョーダン:アルトマン先生は君があそこにいて運がよかったよ。
       ただ俺の親父があれを見ていなかったらよかったと思う。

ジョーダンが階段を降り続けます、そしてクラークが彼の後に従います。

クラーク:お父さんに言っておいてよ、スモールビル高校ではめったにあんな事は起こらないってさ。
     僕を信じて、僕の親は過保護についての本を書いたんだ。
     元気を出せよ。

クラークがジョーダンの肩を軽く叩こうと手を伸ばすとジョーダンはクラークに触れられないようにさっと動きます。

クラーク:大丈夫か?
ジョーダン:ああ。ただ触られるのが好きじゃないんだ。
クラーク:分かったよ。

学生が通り過ぎたとき偶然にジョーダンにぶつかりました。
明るい閃光が走り、ジョーダンが頭を抑えます。
次に女生徒もジョーダンにぶつかり、3番目の生徒がぶつかってくると彼は息を切らし始めます。
クラークは困惑しこの光景を見ていました。
ジョーダンがクラークが見つめている事と胸にノートを抱きかかえているのに気づきました。

ジョーダン:何だ?
クラーク:何も。君はそれを持っていただけだ、あのさ、昨日アルトマン先生が車の前に飛び出す直前に。
     君は先生が何をしようとしていたことを知っていたんじゃないのか。
ジョーダン:(心配そうに)少し空気を吸わせてくれ。

ジョーダンが歩き去ります。 クラークはジョーダンに興味を持って数歩前に進みました。

第1幕 場面3
タロン。夜。
中では従業員の二人が帰るとき、ラナはテーブルに椅子を片付けていました。

ラナ:おやすみなさい。
少女:さようなら、ラナ。
少女 # 2:さようなら。

少女たちが帰るとラナはバーに歩き始めます。
彼女はこもった男性の絶叫とドサッという音を聞き止まります。
彼女は慎重に様子を窺うと絶叫はより大きくなります。
彼女は階段の上のアダムに貸した部屋のドアを見上げます。
ドシンと落ちる音が聞こえると彼女は階段を駆け上がりドアの外に止まりました。
アダムが再び悲鳴を上げると彼女は中に入ります。

アダム:あーっ!痛たい!熱い!

ラナはアダムがベッドの上で悪夢にうなされころげ回っているのを見つけます。
ラナは彼の傍に行きます。

ラナ:アダム、しっかりして?

アダムの腕は激しく動き枕許のテーブルからランプをたたき落とします。

アダム:あっ!
ラナ:アダム、目を覚まして!
アダム:あーっ!

アダムが偶然出した足がラナの腹を蹴飛ばす事になり、彼女は壁にぶつかり床に倒れました。
アダムは衝撃についに目を覚ましてベッドに座ります。
彼は息を切らし顔とむき出しの胸は汗で光ります。
ラナがゆっくりと起き上がると彼は床の上のラナに気付きます。

アダム:ラナ。どうしたんだ?大丈夫か?
ラナ:(息を切らし腹を押さえ)大丈夫よ。あなたは相当な悪夢を見ていたのね。
アダム:そうかもな。

アダムはベッドから出て行って、シンクに行くと顔を洗いました。

ラナ:その夢の事話てくれる?
アダム:正直言って、いやなんだ。

アダムはまだ呼吸を整えようとしているときに、二人は一瞬真剣な眼差しでお互いを見ます。

アダム:服を着てこのひどい有様を掃除するよ。

彼は立ち尽くすラナを尻目に歩き去ります。

第1幕 場面4
クラークがトーチの記事をプリントしています。日中。
ピートとクロエが笑顔で入って来ます。

ピート:クラーク、お前をそこいら中探してたんだぞ。(クロエに)どっちがホストを務められるか見てくれよ。
クラーク:何の話だい?
クロエ:あなた、ラナのタロンに泊まっている客についての最新ニュースを聞きたい?
クラーク:いや、別に。
ピート:「別に」って、お前はちっとも興味がないのか?
クラーク:いや。「別に」って言ったのはもう僕には関係ないからさ。
     ラナと僕はもう友達同士の関係だからね。
     彼女とアダムの事を僕がとやかく言うつもりはないよ。
ピート:(クロエに) うわーっ。 クラークがチームだと思い込んでるよ。
クラーク:今後、僕とアダムを切り離して考えてくれよ。
クロエ:オーケー、今の話でゴシップ話はお終いね、次はなんなの?

クラークは次の話題を話す用意をして机にかがみ込みます。

クラーク:二人は新しい転校生の事で何か聞いてるかい? ジョーダン・クロスの?
ピート:つまりあいつが「病的に人との交際を恐れている」ことか?
クラーク:僕の第一印象はかなりいいと思うんだ。
     あのさ、馬鹿げた話に聞こえるかも知れないけど、
     彼はアルトマン先生の事を予知したんじゃないかと思ってるんだ。
クロエ:何を根拠にそんなに跳躍をしたの?
クラーク:直感だよ。
ピート:それじゃあ、ジョーダンと同じじゃないか。
クラーク:どういう事だい?
クロエ:普通、直感っていうのが強まったのが予知なんじゃないの。
ピート:ああ、多分あいつは何かをふと耳にしたか見たかしたんだよ。
クロエ:ええ、でもあなたの今までの直感の実績と超常現象の壁から、それを調査するべきね。
クラーク:(喜び) ありがとう。
クロエ:感謝は無用よ。またあなたのバーンスタインやウッドワードみたいで面白そうじゃない。

クロエが自分の机に座るとクラークが微笑します。

第1幕 場面5
レックスは書斎の机に着きノートパソコンで仕事をしていました。日中。
ドアがノックされます。

レックス:ラナか、中に入ってくれ。

ラナが入ります。

ラナ:重要な話があると言ってたわね。何か悪い事でもあったの?
レックス:君が俺に話すべき事じゃないのか。昨夜タロンで事件があったと聞いている。
     周りに住む人達が君の住み込み人が悲鳴を上げているのを聞いたと言っているが?
ラナ:「事件」っていうには大げさよ。アダムが悪夢を見たの。それで終わりよ。
   そんな大げさなものじゃないわ。
レックス:それが初めての事なら俺も恐らく君と同じ意見だと思う。
ラナ:どういうこと?
レックス:(ファイルを上げます)俺は送り状を読む立場にある。

レックスは立ち上がって机の周りを歩きながらファイルを読みます。

レックス:読んでみようか。家具の修理、壊れた窓の修理に請求書が出ている。先週毎日だ。
     何故俺に話さなかったんだ、理由があるのか?
ラナ:多分あなたが驚くと思って。
レックス:認めた方がいいぞ、アダムの行動は異常だ。
      (レックスは穏やかにラナに近づきます)
      君が反発するのは、感情が君の常識をうわまっているのは明らかだ。
ラナ:ねえ、これは私的な事じゃないわ。アダムはタロンにとって今まで本当に助かってるの。
   彼の悪夢を我慢することぐらい平気でしょ。
レックス:そうか、それが君の意見か。
     だが少なくとも、君自身がどのれぐらい新しい友人について知っているのか聞いてもかまわないか?

レックスは机に戻り、ラナはどうしようかという顔つきで立ち尽くします。

第1幕 場面6
スモールビル高校の廊下をクロエが歩いています。日中。
彼女は誰もいないはずの教室に入ろうとすると背を向けて座っているアダムを見てドアのところで立ち止まりました。
彼は少し背を丸め明らかに見られていることに気づいていません。
アダムは立ち上がって何かをごみ箱の中に捨てると袖まくりをしていた袖を下ろして別のドアから教室を出ていきます。
クロエがそれを見ていました。
アダムがいなくなるとすぐにクロエは教室に入ってゴミ箱のところに行きます。
彼女は教師用の机からハンカチをとると、ハンカチを使いアダムが捨てた物をごみ箱の中から拾いました。
それは注射器でした。

クロエ:うわぁ。

トーチでコンピュータに向かっているクラーク。
クロエが入ります。

クラーク:クロエ、僕は何かを見つけたよ。
クロエ:えっ?あなたも。
    (バッグを机に置いてコートを脱ぎます)
    あたしももっと現実的な凄いものを見つけたよ、
    アダ…(ラナとアダムに対するクラークの姿勢を思い出しクラークをちらっと見て)。
    気にしないで。ごめん。
    ところで、ジョーダンの話に夢中のようね。
クラーク:ああ、元帳のデータベースからこれを引っ張りだしたんだ。

子ども頃のジョーダンと彼の父親が写った新聞記事がコンピュータのモニタに映っています。
見出しは「6歳の予言者がローラーコースターの事故を予言」と伝えます。

クラーク:間違いなくジョーダンが6歳のとき、誰かがローラーコースターから飛び出して死ぬって叫んだんだ。
     父親は彼をコースターから降ろしたけど、コースターが再開したときに車両の1台が壊れて落ちたんだ。
クロエ:(記事を読み)彼と一緒に乗っていた女性は死んだって。
クラーク:(うなずき)アルトマン先生の事はジョーダンが初めて予言したわけじゃなかったんだ。
クロエ:分かったわ、まあ、気味が悪いけど、ジョーダンは流星群の日に生まれたから。
    (クラークにファイルを手渡し)
    裁判所へ行ってクロスさんに関する資料を出してもらったわ。
クラーク:(読み)
     これによると、母親はジョーダンが生まれた後すぐに亡くなってる…流星群のせいなのかい?
クロエ:一つの命が終わって、もう一つの命が始まったの。
クラーク:じゃあ、関係あるかもしれないな。
クロエ:ええ、それを隕石との関係で調べてみて、そうすればあなたはジョン・エドワードへの道に入れるわよ。

トーチオフィスの外で騒動があります。
クロエとクラークがドアから顔を出すと学生達が叫びながらそして走って外に出て行きます。

クロエ:悪い事でも起きたのかしら。

二人は表の方でジョーダンが悲鳴を上げているのを聞きます。

ジョーダン:もうすぐだ!ミーガン、お願いだ!
クラーク:ジョーダンだ。

ジョーダンはミーガンと一緒に学校の外にいます。
彼らは学生たちに囲まれます、そしてクラークが外に出て来ました。
ミーガンは逃げようとしますがジョーダンが彼女の行く手をふさぎ続けます。

ミーガン:止めてよ!
ジョーダン:君は分かってない!君を助けたいんだ!
ミーガン:あっちへ行ってよ!
ジョーダン:ミーガン、止まるんだ!お願いだ!
      ただ君と一緒に歩いて家まで送らせてくれればいいんだ。
      分かってくれ!君は何も考えなくていい!
ミーガン:私を一人にしておいて!

ミーガンは走って逃げます。
クラークがジョーダンのところに行きます。

クラーク:ジョーダン、どうしたんだ?
ジョーダン:彼女を助けなくてならないんだ!
クラーク:どうして?落ち着いて!何がミーガンに起こるんだ?
ジョーダン:(絶望的)彼女は死ぬことになる、クラーク!
       お前も分からないのか?彼女は死ぬことになるんだ。

ジョーダンは離れて行くミーガンを走って追って行きました。
クラークはどうしていいか分からずにその場に立ち尽くしました。

フェイドアウト

第2幕 場面1
ジョーダンはスモールビル高校のフットボール場のトラックに沿って走り、
森の小道へと入り学校から離れていきます。日中。
クラークは超スピードを出して彼に追いつきます。

クラーク:ジョーダン、待ってくれ!

ジョーダンは止まって振り向きます。

ジョーダン:親父は正しかったよ、クラーク!これは失敗だ。
      俺は学校に来ちゃいけなかったんだ。
クラーク:ジョーダン、僕は君を信じるよ。
     ミーガンに触ったとき何かが見えたんだろ?
ジョーダン:何の事を話しているのか分からないな。
クラーク:予知のようなものだ?
ジョーダン:(悲鳴を上げ)一体何の話だ!
クラーク:ローラーコースターの事は知っているよ。
     (ジョーダンの目は逸らします)
     ミーガンに触って何が見えたんだい?
ジョーダン:(ゆっくりと)火と…煙が見えた。
       ミーガンは叫んでいた。息ができないようだった。
       クラーク、俺は彼女に警告しなきゃならなかったんだ。
クラーク:(一瞬考え)多分まだ遅くない。

ジョーダンはクラークと一緒に静かな通りを歩いています。

クラーク:ミーガンの家はこの角のあたりだったはすだけど。
     そのビジョンが見えたときどんな感じだった?
ジョーダン:言葉にするのは難しいよ。
       死ぬ瞬間を見るのはちょうどカーテンが長くかかっているみたいだ。
クラーク:今までにこういうビジョンが実際に起こるのを阻止できた事があったかい?
ジョーダン:いや.。親父と二人でできる限りの事はやった。
       警察や救急隊に電話をして真剣に受けとめるように懇願したよ、
       でも俺たちが何をしても必ずビジョン通りになった。
クラーク:それじゃどうしてアルトマン先生の自殺は止められたじゃないか。
ジョーダン:(当惑して)先生が助かった事を除いて。君のおかげで。君はどうやって助けたんだ?
       君が階段で俺に触ったとき、君のビジョンが見えた。
クラーク:(突然緊張して)どういうことだい?何を見たんだ?
ジョーダン:君は他の人達と違う人生を送る。
      それは永遠に生きているようだった。
クラーク:(驚き)なあ、ジョーダン。そんなことはないさ。
ジョーダン:いや。多分それがアルトマン先生を助ける事ができた理由だ。
      (彼らは歩くのをやめます)
      誰も今までに死を止めることはできなかった。
      多分君ならミーガンを助ける事ができる。

二人は無線の音を聞いて、ミーガンの家に着いた事を知ります。
アダムス保安官ともう一人の保安官がミーガンの母親と一緒に庭の前の芝生で話していました。

アダムス:(母親に)ちょっと失礼します。
      (クラークのところに来て)ケント君。
      驚かないわよ?
クラーク:保安官、何があったんですか?
アダムス:メインハイウェーから離れた場所でミーガン・コールダーの車が乗り捨てられているのを発見したのよ。
      争った痕があったわ。
      (ジョーダンを見ます)あなたはジョーダン・クロスね?
      (ジョーダンがうなずきます)あなたがは今日コールダーと口論をしたと聞いてるけど?

ジョーダンは怖がってクラークを見ます。

クラーク:僕も一緒にいました、保安官。
     そんなに大した事じゃありませんよ。
アダムス:私は行方不明の少女を見つけたいの、ケント君。
      すべて重要な事よ。
      (静かにジョーダンに)話をしてくれた方がいいわ。

第2幕 場面2
タロン。日中。
ラナがバーからテーブルまでコーヒーをトレーに乗せて運んでいます。
クロエが入ってくると彼女の後を追いかけます。

ラナ:2番目のトリプルキャップには少し早いと思うけど?
クロエ:うーん、実は、あたし、あー、あなたに話があって来たの。
    アダムは近くにいる?

ラナはテーブルにトレーを降ろし立ち止まります。

ラナ:分からないわ。しばらくの間で彼に会ってないから。
    大丈夫なの?
クロエ:まあ、平気よ…「レポータにとってひどい」日なのかも。
    (ラナは不審そうに彼女を見ます)
    あなたとアダムが一緒に時間を過ごしていることを知ってるわ、でも…
ラナ:クロエ、どうかしたの?

クロエはラナに真実を語ろうとして間をあけます。

第2幕 場面3
レックスの屋敷で誰かがグランドピアノで美しいクラッシクを演奏していました。日中。
レックスはファイルを持って部屋に入ります。

レックス:誰かが音楽は野蛮人の心を胸を和らげる呪文だと言っていたな。

レックスがピアノに近づくとピアノを弾いていたのはアダムでした。

アダム:そんなのは当てにならないさ。君も弾くかい?
レックス:(頭を振り)俺は忍耐強くないんでね。
アダム:俺の親はこんなピアノのために殺ろされたんだ。
    (弾くのをやめ)俺は中古のおんぼろで学んだんだ。

アダムが立ち上がるとレックスはピアノの上にファイルを置いてピアノのイスに座ります。

レックス:君の演奏はなかなかだったぞ。
     ラフマニノフの最も複雑な小節だ。
アダム:俺を呼んだのはここで音楽理論を論じるためじゃないだろ。
レックス:いや。君に会いたいと思ってな。
アダム:もしランプの事なら弁償するよ。
レックス:俺が心配なのは君の行動だ、アダム。ラナは俺の友人だ。
アダム:真偽の程は分からないが、お互いラナのことを気にかけてるんだな。

アダムはグランドピアノの先へと歩き回ります、そしてレックスはピアノの上にファイルを滑らせます。
アダムはそれを取ると開きます。

アダム:これは何だ?
レックス:君のカラフルな過去だ。
アダム:俺の学校の成績表じゃないか。これは見られないはずだ。

彼はレックスのところにファイルを滑らせます。

レックス:何を気にしているのかは分からないな。模範的な内容じゃないか。
     全面的に素直なエースだ。
アダム:俺はいつも良い学生だったよ。
レックス:実は、君の恩師と話をした。
     俺は彼らが使った「素晴らしい瞳」と「教えるべき喜び」という表現を信じるよ。
アダム:正当に評価されて光栄だ。
レックス:奇妙なのは、ほとんど全員が口を揃えて、一語一句同じ事を言ったことだ。
     (アダムは目をそらして返事をしません)
     心配しなくていい、アダム。俺は調べ続けるから。
     我々は皆過去のどこかの汚点を持っているものだ。

レックスが歩き去るとアダムは怒りを顕わにして彼を見ます。

第2幕 場面4
クラークとジョーダンはまだミーガンの家の前にいます。日中。
ジョーダンの父親がトラックでやって来て降りるとジョーダンのところに走ってきました。

クロス氏:ジョーダン!大丈夫か?
ジョーダン:別のビジョンが見えたんだ。俺は助けることができると思ったんだ。
      (クロス氏は不安そうにクラークをちらっと見ます)
      大丈夫だよ。クラークは知っているから。
クロス氏:トラックで待っていなさい。
ジョーダン:父さん、お願いだ。
クロス氏:(警告するように)ジョーダン。

ジョーダンはクロス氏とクラークを置いてトラックに歩きます。

クロス氏はクラークを通り過ぎアダムス保安官に向かって歩き始めます。

クロス氏:失礼するよ。
クラーク:クロスさん。ジョーダンは本当は学校に行きたいと思っているはずです。
     もう一度彼にチャンスを与えてはどうでしょうか?
クロス氏:クラーク君、本当に君の好意はありがたい、だがジョーダンは…特別なんだ。
      もしあの子が家にいれば、少なくとも私はあの子を守ってやることができる。
      (トラックをちらっと見ます)ジョーダン…

ジョーダンの姿が見えずにバックパックだけがトラックのボンネットの上にありました。

クロス氏:なんて事だ。ジョーダン!
     (辺りを見回して道路に走ります)
     ジョーダン!

第2幕 場面5
スモールビル高校のロッカーにラナは荷物を入れています。
夜。
廊下は誰もいなくて静かです。
アダムが歩いてきます。

アダム:君からのメッセージを聞いたよ。
    君が場所を指定しなかったから学校に来たけど。
ラナ:少し調査のためにトーチにいたの。

二人は一緒に歩き始めます。

アダム:ふーん。
ラナ:(緊張して)アダム、こ、こんな事聞くのはちょっと変かもしれないけど、
   でもある人が今日ゴミ箱であなたが使った注射針を見つけたの。
アダム:違法な事はしてないさ。

ラナは歩くのをやめて彼に向きます。

ラナ:ねえ、あなたに疑わしい点がないのを確かめたいのよ。
   糖尿病なの?インシュリンの注射みたいな?
アダム:(皮肉っぽく)それで君が調査していたわけだ?
     その事を説明しなくちゃいけないのか?
     保健医が糖尿病患者に使った注射器を置いていった可能性も考えずに。
ラナ:私を信じて、どんな理由があっても非難なんかしないわ。
アダム:ああ、君ならそうだな。
     君は俺が麻薬を使ってると思ってる。
     事実、君は俺を信頼していないじゃないか。全くな。

アダムは怒って歩き去りるとラナは彼の後を追いかけます。

ラナ:それはフェアじゃないわ。
   あなたはいつも正直に話してくれると言ったわ。
   どうして今は正直じゃないの?
アダム:(歩くのをやめます)なあ、俺はこれがうまくいくことを望んでる、
     もし君が疑うんならお別れの言葉を言わなくてはならない。

アダムは再び歩き去りますが今度はラナは追いかけません。

学校内の別の廊下をジョーダンは歩いていました。
アダムが角を曲がってくるとジョーダンとばったり出くわしぶつかりました。
明るい閃光が走ります、そしてジョーダンは息を詰まらせ体を折り曲げます。
アダムは何が起きたのか確かめようと止まります、そしてジョーダンは驚いた顔つきでアダムを見ます。
言葉もかけずにアダムは目をそらして歩き続けます。
ラナは曲がり角にやって来ます。

ラナ:アダム!

アダムは歩き続けます、そしてラナはジョーダンに気付きます。

ラナ:ジョーダン。大丈夫?
ジョーダン:大丈夫だ。
ラナ:ここで何をしてるの?
ジョーダン:親父から隠れてるんだ。親父は俺を学校に通うのを止めさせようとしてる。
ラナ:逃げたって解決する事じゃないでしょ…

ラナがジョーダンの肩に触れると、別のビジョンを見ます。
彼は非常に苦しい痛みでラナの顔を見ます。
チアリーディングのユニフォームを着た三人の少女たちの写真を見ます。
写真は燃えています。
写真は聖堂のような若い少女達がいる場所で全体が焦げています。
ラナは炎に閉じ込められて悲鳴を上げています。

現実に戻り。
ジョーダンは頭を抱えラナの手から離れます。

ジョーダン:(混乱し)変わった。
ラナ:ジョーダン、何が変わったの?
ジョーダン:(執拗に)ラナ、お願いだからここを出ないで。
ラナ:何が起こったの?
ジョーダン:説明することができない。でもひどい事が起きようとしているんだ。
       クラークを探しにいかないと!
ラナ:クラーク?

ジョーダンが行こうと振り向くと突然黒服に身を包みスキーマスクを被った人影が現れ、
ジョーダンの顔を殴ると彼は床に倒れました。

ラナ:あなたたちは何者なの?!

黒服は力強くラナの口と鼻の上にハンカチをかぶせました。
彼女はもがきますが悲鳴はこもり、ついに彼女は意識を失います。

フェイドアウト

第3幕 場面1
タロン。夜。
アダムの部屋のドアを誰かがノックします。
答えがありませんがクロエが中に入ります。

クロエ:アダム?こんばんわ?

彼女はドアを閉じて懐中電灯を点けると
アダムのベッドやブックシェルフに懐中電灯の光をあてて室内を調べ始めます。
何かがベッドの下に床の上で輝きます、クロエは腰を屈め頭を傾け見ました。
それは透明な液体で満たされた何かの薬の小瓶で、クロエはそれを拾い上げました。
彼女が頭を起こして座ったときレックスが彼女の後ろに立っていました。

レックス:最近聞いたところでは、壊わす事と侵入する事はまだ違法だと思ったが。

クロエは飛び上がり小瓶を隠して振り向きます。

クロエ:あなたも同じことしてるんじゃないの。
レックス:(クロエにより近づき)俺はここの所有者だ。
     君がラナの新しい友人について心配をしているのは当然だと思う。
クロエ:かなり当ってるかも。

クロエは小瓶をハンドバッグの中に滑り込ませて部屋を出て行こうとレックスを通り過ぎます。

クロエ:それで何が引っかかっているの?
レックス:ラフマニノフだ。
     (スライド写真を拾い上げて見ます)
     アダムが今日俺に会いに来たとき、彼はその曲の最も難しいフレーズを弾いていた。
クロエ:それが犯罪なの?
レックス:CDでもなければラジオでもない、譜面さえもな。
     (クロエにスライドを手渡します)
     彼の成績証明書によれば、音楽の授業は受けていない。
クロエ:それでコンピュータやキックボクシングや熟練したピアニストなの。
    うわーっ。アダムは正真正銘のルネッサンスの再来ね。
レックス:君が言ったように、それは犯罪じゃない。
クロエ:でもそれは間違いなくあなたの興味をそそった。

レックスは少し微笑します。

レックス:出る時には鍵をかけておいてくれよ。

クロエはレックスが許可を与えらてくれた事悟って彼を見るとレックスは帰って行きました。
彼女はハンドバッグから小瓶を取り出してしっかりとそれを見ます。

第3幕 場面2
クラークが屋根裏で必死に道具棚を調べています。夜。
ジョナサンが入って来たとき彼はついに懐中電灯を見つけます。

ジョナサン:クラーク?
       クラーク、町中をジョーダンを探しに行くつもりか。
       もう夜だぞ。
クラーク:父さん、彼のサポートが必要なんだ。
     その代わり、彼を犯罪現場に連れて行くけど、保安官のいる場所に彼を置いていく。
ジョナサン:それはお前のせいじゃないだろ。
クラーク:まあ、僕に会う前よりずっといいと思うよ。

クラークが去り始めます。

ジョナサン:クラーク、もし彼が逃げたとしたら、
       それは彼が家でも話をするべき者がいないと思っているからだと思う。
クラーク:彼のお父さんは良い人に見えたよ。
ジョナサン:私もそうだと思う。
      そして彼の父親も私と同じくジョーダンのために
      最も良い方法をしようとしているに違いないと思うんだ。
      (クラークの肩に手を置き)
      なあ、お前の息子が能力を持ったとしたら、
      お前が最初にする事はその子を隠すこと、全てから保護することだ。
クラーク:父さんはそうしなかったじゃないか。
ジョナサン:私はそうしたかった。
       母さんは私にお前が外の世界を経験する必要があると諭したんだ。
       単にこの農場だけじゃなくな。最終的には母さんは正しかった。
       (クラークがうなずきます)
       だからジョーダンも家に帰って来るだろう。
       しかし彼はまだその準備ができていない。分かるな?
クラーク:分かったよ。
ジョナサン:よし、中に入って、少し食べていったらどうだ?
クラーク:すぐに行くよ。
ジョナサン:分かった。

ジョナサンは去ります。
クラークは道具棚に戻って懐中電灯をしまいます。
彼がバックパックを置いて出て行こうとすると突然ジョーダンが隠れていた場所から飛び出してきました。
ジョーダンの顔は殴られた箇所が赤く腫れていました。

ジョーダン:クラーク!
クラーク:ジョーダン、一体何があったんだ?
ジョーダン:ラナと一緒に学校にいたら誰かが俺たちを襲ってきたんだ!
       そいつが彼女を連れて行ったと思う!
クラーク:誰が彼女を連れて行ったんだ?
ジョーダン:分からない、顔は見えなかった!
      クラーク、俺は別のラナのビジョンを見た。
クラーク:別のってどういうことだい?
ジョーダン:確かじゃないが。
       先日、彼女がグラウンドで俺の手に触れたときは何も問題はなかったんだ。
       彼女は穏やかに年を取って天寿を全うした。
クラーク:それが変わったっていうことかい?
ジョーダン:彼女はミーガンと同じように炎に閉じ込められていた!
クラーク:分かった、落ち着いて。ほかに何を見たんだ?
ジョーダン:墓標…床の上に、燃えている写真、ラナとミーガンともう一人いた、でも今よりもっと若かった。
       チアリーディングのユニフォームを着ていた。

クラークがバックパックを開け新聞を取り出すとジョーダンに手渡します。

クラーク:この子じゃないか?

ジョーダンにジュリア・アルトマンの死亡記事を見せます。

ジョーダン:アルトマン先生の娘さん。
クラーク:僕が彼を助けた事で全てを変えてしまったんだ。
     ラナに起こるはずのことさえも。
     (突然恐れ)
     分かった、彼女がいる場所を何か見なかったか?
ジョーダン:あー、ある…中に古い文字があった。
クラーク:それは何て書いてあった?
ジョーダン:「ワンダリング・ヒル」だ。
クラーク:どこか知ってるよ。(彼は去り始めます)
ジョーダン:クラーク、俺も連れて行ってくれ。
クラーク:だめだ。
ジョーダン:俺は家を見た。多分それを見つける手助けができる。お願いだ。
クラーク:(短い間)何か問題が発生したら、君は戻るんだぞ。
     (ジョーダンがうなずきます)行こう。

第3幕 場面3
アルトマンは両手にガソリン缶を持って古い家の地下室にいます。夜。
彼は一つ目の缶を下に置いて、もう一つを梁に後ろ手を縛られ座っているラナの隣に置きます。
ミーガンも同じように梁に縛り付けられてラナから離れた場所にいました。
二人はガソリン缶に囲まれています。

ラナ:(怖がり)アルトマン先生、どうしてこんな事をするんですか?
ミーガン:お願い、こんな事はしないで!
アルトマン:(冷静)君らがジュリアにしたことに対して償ってもらおうと思ってね。
ラナ:なんの話をしているんですか?
アルトマン:病院で君らの話を聞いていたよ。
       ミーガンは娘とケンカをした、そして君は彼女を帰らせた。
       君は娘を気づかってくれるべきだったんだよ。
ラナ:私達が事故を起こしたわけじゃありません。
アルトマン:君らがやったのも同然だ!
       娘は君らのせいで外に一人で出て行ったんだ!
ミーガン:(泣きます)それは私達のせいじゃないわ!

アルトマンはもう1つのガソリン缶を拾い上げるとジュリアの写真が飾られた壁に向かってまき始めます。

アルトマン:何年もの間、どうして自分がそこにいなかったと非難し続けていた。
ラナ:アルトマン先生、それは違うわ。
アルトマン:だが今は自分に非がなかった事を知っている。君ら二人が娘を殺したんだ。
ミーガン:(気が狂ったように)違う、私達じゃない…

アルトマンはポケットからライターを取り出し火をつけます。
ラナは縛られているロープを解こうともがきます。

ミーガン:お願い、止めて!

アルトマンがライターを放るとすぐに炎が燃え盛ります。

ミーガン:ああ、イヤ!いやよ!

炎が後ろの壁に広がるとミーガンとラナは叫び声を上げ続けます。
炎がジュリアの写真を飲み込むと、アルトマンは墓標の前にゆっくりとひざまずきます。

ミーガン:あーっ!助けて!お願いよ!

チアリーディングのユニフォームを着たラナとミーガンとジュリアの写真に火が点くと、アルトマンは目を閉じました。

クラークとジョーダンが車で走っていると廃屋の窓から煙と炎が立ち上っているのを発見しました。

ジョーダン:クラーク、見ろ!
クラーク:(トラックを止め)ジョーダン、車にいてくれ。
ジョーダン:ラナとミーガンがいるはずだ。人手が必要になるはずだ!
クラーク:車にいてくれ、ジョーダン。

クラークは車から降りると廃屋に走り、地下室のドアを押し破って入ります。
ミーガンとラナが梁に縛り付けられ、炎の勢いは強く部屋中を焼き尽くそうとしていました。
ラナとミーガンは二人とも気を失っていました。
彼はラナのところに走って彼女の頭を持ち上げます。

クラーク:ラナ?ラナ。
ラナ:(弱く)ミーガンを助けてやって。

アルトマンがクラークの背後から彼を掴みます。

アルトマン:出ていけ!

クラークがアルトマンを突き飛ばすと彼は壁に激突しました。
クラークがラナを助けようと腰を屈めたときジョーダンが中に入ってきました。

クラーク:ジョーダン!
ジョーダン:俺はミーガンを連れて行く!

ジョーダンはミーガンのところに走って彼女のロープを解き始めます。
アルトマンは墓標に向かって這います。

アルトマン:私は置いていけ!娘と一緒にいたいんだ!
クラーク:(ラナに)さあ早く。さあ、行こう!

クラークはラナとミーガンを外に出るのを手伝います。

ジョーダン:コーチ?一緒にここから出ましょう!

アルトマンはジョーダンの背後から彼を掴んで振り向かせます。
アルトマンが触るとジョーダンは一連の閃光とともにいくつかのビジョンを見ます。

アルトマン:君は!君のせいなのか!

外に出たクラークはジョーダンが一緒にいないことを知ります。

クラーク:ジョーダンはどこだ?
ラナ:私達と一緒に来るのは見えなかったわ。

クラークは益々炎が強くなっていく家のドアに振り返ります。
彼は家の中に向かって走ります。

ラナ:クラーク!
クラーク:行ってくれ!

クラークが家の中に戻るとラナとミーガンは家から逃げ出します。
クラークは床の上に気を失って倒れているジョーダンを見つけて駆け寄ります。

クラーク:ジョーダン!

彼は肩にジョーダンを抱えてアルトマンを捜し回ります。

クラーク:アルトマン先生!アルトマンコーチ!ここから逃げて下さい!

クラークは肩に担いだジョーダンと一緒に家から逃げ出します。
二人が表に出た途端に家は爆発を起こし四方八方へ瓦礫を吹き飛ばします。
クラークは地面にジョーダンを降ろすとその上に覆いかぶさりました。
炎はクラークとジョーダンを飲み込みます。
爆発が収まるとクラークは起き上がります。
彼の顔は煤で汚れてジャケットも燃えていましたがジョーダンは無傷でした。
ラナとミーガンが二人の元へと走ってくると彼はジョーダンの肩を揺すって脈を確認するため首に手を当てました。

クラーク:ジョーダン!
ラナ:クラーク!クラーク、あなたは大丈夫なの?
ミーガン:なんて事なの、彼は大丈夫なの?
クラーク:息をしてない。
ミーガン:ジョーダン!

クラークがジョーダンに心臓マッサージを始めます。

クラーク:さあ、ジョーダン。死ぬんじゃない。

ラナとミーガンが恐る恐る見守る中、ついにジョーダンは息を吹き返し体を起こしました。
ラナはほっとしてため息をつきます。

ジョーダン:クラーク。
クラーク:もう大丈夫だ。心配ないよ。

クラークが手をジョーダンに置きます。
ジョーダンはまたビジョンが見えるのを予想してたじろぎますが何も起きません。
彼は不審そうにクラークを見上げます。

クラーク:君はもう普通になったんじゃないか。

フェイドアウト

第4幕 場面1
レックスの屋敷。日中。
レックスが書斎でノートパソコンに向かって仕事をしているとラナが入ってきます。
レックスはノートパソコンを閉じます。

ラナ:レックス?
レックス:ラナ。どうだ?
ラナ:(冗談ぽく)火傷の事それとも足の事、一生掛かる病院を見つけたわ。
レックス:座ってくれ。
ラナ:ありがとう。(彼女は座ります)
   レックス、あなたがアダムの事をもっと知った方がいいって言ったこと正しかったわ。
レックス:突然の心変わりはどうしてだ?
ラナ:クロエが学校で彼が何かの薬を使っているのを見つけたの、
   そしてその事を彼に聞いたら、彼が分からなくなってきたわ。
レックス:ラナ、皆が俺の事を悪く思っているのは知っている。
     俺を信頼ろ、人は常に間違った結論に飛びつく、答えは難しい。
ラナ:レックス、前に話をしたとき、もし彼を追い出したらあなたは幸せになるんじゃないかという印象を受けたわ。
レックス:それは俺のするべき選択じゃない。
     だが俺は二、三質問をするチャンスがあった。
     アダムは彼の主治医が思っていたほどよくは治っていなかった。
     明らかに彼は新薬をテストする病院の医療試験を受けている。
ラナ:それなら注射の事を説明できるわ。
   でもどうしてその事を隠して説明しないのかしら。
   誰かが私の生活の中に入り込もうとしてるんじゃないかと思い始めてるわ。
レックス:君の直感を信じるべきだ。
ラナ:(考え込み)ありがとう、レックス。

レックスは微笑します。
ラナは席から立つと部屋を去ります。
レックスがもう一度ノートパソコンを開くとそこには
アダムの写真と個人情報が映っておりモニタの上には「ナイト、アダム」題がつけられていました。
レックスはモニタを読みます。

第4幕 場面2
ジョーダンの家。日中。
学校から家に帰って来たジョーダンとクラークが家に入ります。

クラーク:来週からは学校が楽しくなる事を約束するよ。
ジョーダン:救急救命士はもし君がCPRをしてくれなかったら…死んでいたって言ていた。
クラーク:でも生きているだろ。

彼らはリビングルームに入ります。

ジョーダン:彼女に会ったよ、クラーク。
クラーク:誰に?
ジョーダン:母さんさ。一瞬だけど、すぐ君が俺を引き戻してくれたから。
      (畏敬の念に打たれて)母さんはきれいだったよ。
      母さんのところに走ろうとしたんだけどできなかった。
クラーク:多分、まだそんな時期じゃなかったんだよ。
ジョーダン:目を覚ましたらもういなくなってた。
クラーク:ビジョンは?
ジョーダン:多分、君に会ったときにそれを失うことが定められていたんだ。

ラナが入ってきます。

ラナ:話の邪魔だったかしら?ジョーダン、宿題を持って来たわ。

クラークはラナとジョーダンを見ます。

クラーク:君が僕に代わって相談役になったって気がするんだけど?
ラナ:ジョーダンの後押しを手伝うって申し出たの、そして彼は私より速く走るのを手伝うわ。
クラーク:(ジョーダンへ微笑)君はもうこの高校のやり方を覚えたようだね。

ジョーダンは少し恥ずかしそうに微笑します。

クラーク:(ラナに)君はどうなの?
     (ラナは気乗りせずに微笑します)
     その顔つきで分かるよ。本当に大丈夫なのかい?
ラナ:(小さな声で)ええ、私は大丈夫よ、クラーク。
クラーク:(ジョーダンに)明日また学校で。

ジョーダンがうなずきます。
もう一度ラナを見てクラークは帰ります。

ラナ:それじゃ、私達はやる事が沢山あるわ。

ラナとジョーダンはソファーに座ります、そしてラナはバインダをカバンから取り出します。
ジョーダンは何か言いたそうに不器用に彼女を見ます。

ラナ:どうかした?
ジョーダン:(ためらいがちに)ラナ、君の友達の事だけど。
       廊下で会った、アダムって言ったっけ?
       (ラナはジョーダンの方に向きます)
       彼はオクラホマ出身だ、そうだろ?
ラナ:分からないの。彼は何も言ってくれないから。
    ジョーダン、何があったの?
ジョーダン:本当に良くない何かが彼に起こったと思う。
ラナ:まあ、今まで入院していたから。
   数カ月前にかなりひどい怪我をしたの。
ジョーダン:(不安そうに間をおき)
       変に聞こえるかもしれないけど、でも…それ以上の悪い事だと思う。
       彼はただ怪我をしたわけじゃないと思うんだ。
       彼は一度死んでいると思う。

ラナは驚きます。
彼女はジョーダンの意外な言葉に思い巡らせ目を伏せます。

第4幕 場面3
マーサはオーブンから焼いたクッキーを取り出します。夜。
クラークがミルクを前にして座っているカウンターへとクッキーを運びます。

マーサ:今日は静かね。
クラーク:いつか母さんは僕に沢山の人達の運命を変えることができるって言ったよね。
マーサ:ジョーダンのビジョンは本当に心を覗いたのね。

マーサは戸棚に行って皿を出します。

クラーク:あるいはただ僕が始めからずっと持っていた問題を引き上げただけなのか。
     母さん、アルトマン先生を助ける事によって僕は三人の命を危険にさらしたんだ。
マーサ:でもあなたはその人達のためにそこに行ったじゃない。
クラーク:もし僕が助けなかったら、先生は誰も傷つける事はなかった。
マーサ:(皿の上にクッキーを並べながら)クラーク、本当は何が言いたいの?
クラーク:どうしてここに送られてきたのか、その理由が何なのか知りたいんだ。
     運命を変えるためなのか。
     もし僕が間違った選択をしたら、そして僕がいなかったとしたら?
マーサ:それは責任重大ね。あなたはいい事をしようとすればいいの。
     あなたが助けた人達の事を考えてみなさい。
     お父さんや私それにレックス。
     レックスは本当に良い友達になったじゃない。
     あなたは自分にできるベストをベストを尽くさなければならないの。
     皆を救うことができるわけじゃないわ。
     (クラークがうなずくと。マーサはクッキーの皿を取ります)
     じゃあ、お父さんにこれを持って行ってあげて。
クラーク:分かったよ。(立ち上がってコートを着ます。)
マーサ:(からかいます)まあ、少なくとも私達二人のために小屋にそれを持って行ってね?
クラーク:(微笑)分かった。
マーサ:ありがとう。
クラーク:(暖かく)ありがとう、母さん。

マーサがうなずくとクラークは出て行きます。
彼が行くと彼女は誇らしげに彼の後姿に微笑します。
クラークは手に持った皿からクッキーをつまみ食べながら小屋へと入っていきます。
彼はテーブルソーが回っている音を聞いてジョナサンを捜し回りますがどこにもいません。

クラーク:(大声で叫びます)父さん?

クラークがテーブルソーのところに行くと板が落ちているのを見ます。
ジョナサンはそこにいませんでした。
彼はテーブルソーのスイッチを切ります。
テーブルソーの脇に歩いていくと床の上にうつぶせに大の字になって倒れているジョナサンを見つけました。
クラークはジョナサンの脇にひざまずくとクッキーの皿を放り出し床に落ちて粉々になります。

クラーク:父さん…父さん!

彼はジョナサンを仰向けにします。
ジョナサンの顔はオガクズだらけで痛みに呻いていました。

クラーク:父さん?
ジョナサン:(誰かに話をするかのように)今じゃない!まだだ。
       (クラークに)愛しているよ、クラーク。

ジョナサンは痛みのため顔をしかめると目を閉じクラークの腕の中でぐったりとしました。

クラーク:父さん?!
     (パニックになって悲鳴を上げ)
     母さん!母さん!!母さん!!!

フェイドアウト

おしまい