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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン3.17Legacy[懐かしの]
第1幕プロローグ。
ケント家。
日中。
マーサは納屋の方に歩きながら勾配のきつい屋根の上にいるジョナサンに叫んでいました。
ジョナサンは風見鶏を手に持ち屋根の上に取り付ける準備をしていました。
マーサ:ジョナサン!
そこで何をしてるの?
クラークにやらせたら!
ジョナサン:私なら大丈夫だ。
何を心配してるんだ?
ジョナサンは風見鶏の方向を調整します。
マーサ:ジョナサン、気をつけて!
ジョナサン:マーサ、親父と私がこの屋根を作ったんだ。
目を閉じたってこの屋根の上を歩けるさ。
彼は真直ぐに風見鶏を取り付け金具に立てます。
マーサ:あなた、お医者様は安静にするようにって言ってたでしょ。
ジョナサン:(頑固に)いいか、最後の検査のとき、医者は農場を走るなと言ったんだ。
ジョナサンが風見鶏のネジを締め始めると、甲高い音と低い音のうなりが聞こえてきました。
うなり音は物凄くうるさいく反射的に耳を抑えました。
小屋の中にの道具箱の隙間から金色の光が漏れていました。
屋根の上のジョナサンはずっと耳を押さえ続けていました。
マーサにはその音が聞こえていないようです。
マーサ:ジョナサン?
ジョナサン:ああ!
マーサ!
ああ!
ジョナサンはバランスを失い風見鶏をつかみました。
マーサ:ジョナサン?!
風見鶏はジョナサンの体重を支えきれず屋根から外れジョナサンと共に屋根の上から落ちていきました。
ジョナサンには、うなり音はまだ聞こえていました。
マーサ:(彼女は息をのんで、悲鳴を上げます)
クラーク!!!
他の畑でクラークハトレーラーから干し草をフォークシャベルで降ろしていました。
マーサの悲鳴を聞いたクラークは超スピードで畑を突っ走り屋根から転げ落ちようとしているジョナサンの元に急ぎます。
小屋の脇のフェンスを飛び越え腕が伸ばした状態でジョナサンのすぐ下で止まりました。
ジョナサンが屋根から落ちるとその後ろから風見鶏が落ちてきました。
クラークはジョナサンを抱きとめると風見鶏が落ちてくる前にその場を離れ地面に倒れこみました。
風見鶏は二人の脇に落下してきます。
クラークが立ち上がるとうなり音は止まりました。
クラーク:父さん、空を飛ぼうとしてたの?
大丈夫かい?
マーサ:ジョナサン!
ジョナサンが立ち上がるとマーサはすぐにジョナサンの側に行きました。
彼はうなります。
ジョナサン:ノイズが聞こえてきたんだ。
一体どこから聞こえてきたんだ?
マーサ:私は何も聞こえなかったけど。
ジョナサンはクラークを見て数秒間の間がありました。
ジョナサン:多分空耳だろう。
ジョナサンが風見鶏を拾い上げるために屈むと
クラークは彼の代わりにそれを拾い上げようとします。
クラーク:あのさ、父さん、ダメだよ…
ジョナサン:(怒って)おい、カル・エル、それぐらい自分でできる!
マーサ:(驚き)
カル・エルって?
クラーク:どうしてその名前で?
ジョナサン:(当惑し)分からん。
ジョナサンが立ち去るとその後をクラークが追いかけます。
クラーク:父さん、ノイズが聞こえたって言ったね。
どんな音だったの?
ジョナサン:あれは喧しい、高周波のような…
クラーク:ふーん?それってキーじゃないかな!
ジョナサン:(気短かにクラークに向き)
クラーク、私は足を滑らせて屋根から落ちただけだ、そうだろ?
ジョナサンは再び歩き去り始めます。
クラーク:ジョー・エルとは無関係だっていえるの?
ジョナサン:話は終わったはずだ。
答えを聞かずにジョナサンは地面に風見鶏を放り捨て家に向かって歩きます。
クラークとマーサは心配顔で顔を合わせました。
小屋に入るクラーク。
彼はツールボックスの一番下の引き出しを開けて、古いタックルボックスを取り出します。
その中から宇宙船の八角形のキーを取り出し考え込みながら見ていました。
ルーサー・コープ。
日中。
ライオネルのオフィスでは、ライオネルはオペラ音楽をバックグラウンドにこめかみに銃を向けたままソファーの上に座っています。
彼の指が引き金を引こうとした寸前に携帯電話が鳴りました。
彼は目を瞑ったままじっとしていましたが携帯は鳴り続けます。
ついに彼は引き金から指を外しこめかみから銃を降ろしました。
彼は電話を取り上げそれに答えます。
ライオネル:何んだ?
(間があり)
彼が?分かった、ヘリを待機させておけ。
彼は携帯電話を閉じてコーヒーテーブルに置き銃を箱にしまい閉じました。
スモールビルの洞穴にクラークがいます。
彼は手に八角形のキーを持って洞穴の壁を見つめます。
クラーク:どうしてこれを使って父さんを呼び出そうとしたんだ、ジョー・エル?
(回答はありません)
父さんがどんな約束をしたとしても、僕は行かないからな。
さあ応えろよ!
(彼はキーを壁に向かって握ります)
さあ早く、ジョー・エル!
僕が来たんだぞ!
クリプトンのシンボルが金色に輝き始め、壁の八角形の穴は開きます。
シンボルは赤、黄色、青に輝き、そしてキーはクラークの手から離れ、壁の前の空中に浮かんでいました。
赤、青、黄色のエネルギーの3本のビームは穴の周りの3箇所から放たれキーに照射されると1本のビームとなって穴に収束します。
エネルギーが壁からキーに集まると、歪んだ音が壁に反響し篭もった声のように聞こえました。
クラークが驚いて見ていました。
するとライオネル・ルーサーが彼に向かって歩いてきました。
ライオネル:そこにいるのは誰だ?
誰がここに降りてきたんだ?
クラークは空中のキーをつかみライオネルが角を曲がってこちらに来る前にジャケットのポケットにしまいました。
ライオネルが角を曲がって来ると彼はクラークに懐中電灯の光をあてます。
ライオネル:ああ、クラーク。君か。
(ゆっくりとクラークに近づき)
邪魔をしてしまったかな。
クラーク:一人でここに来ただけですから。
ライオネル:ああ、それは分かるが。
(彼はクラークの後ろに回り壁に光をあてます)
私も時々ここに降りてくるが、この壁を見ると宇宙の神秘を発見できる気がするんだ。
(クラークに振り向いて)
どう思うね?
クラーク:もう行かないと。
クラークが去り始めます。
ライオネル:クラーク。
(クラークは止まります)
お父さんの具合はどうだね?
悪化しているのか、それとも回復したのか?
クラーク:(気が進まず、そっけなく)
調子はいいです。
ライオネル:彼に会えないんじゃないかと思ってな…弱っていて。
クラーク:弱い、強い、健康。
僕の父さんだ。
父さんを愛してる。
ライオネル:もちろんだとも。
父親に対する息子の愛…それは何もいう事はない。
ライオネルは親しげに不気味な表情でクラークの肩に手を置きます。
クラークが心配そうに手を見下ろします。
ライオネルの感情は本物のように思われます。
ライオネル:そうだ、君にはたった一人しか父親はいないんだ。
クラークはライオネルの手から身を引きます。
彼は不審にライオネルを見て去り始めます。
ライオネルは壁に懐中電灯の光をあてて八角形の溝が再び現われたのを見たとき、
クラークは立ち止まり
ライオネルが質問してくる前に超スピードで走り去りました。
ライオネル:(見回し)
クラーク?
彼は溝に触れます。
第1幕 場面 1
レックスの屋敷。
日中。
レックスは
彼の書斎でライオネルに話をしながらスモールビルの帳簿を見てソファーに座わっていました。
一面の見出しは「科学者を洞窟へ戻す」と書いてあります。
ライオネルは壁の暖炉の隣に立っています。
レックス:デジャヴーを見ているようだな。
どうして突然もう一度洞窟に興味をもったんです?
ライオネル:レックス?
聞いてくれ。
何か異例の事が起きたとしか思えない。
(彼はレックスの隣に座ります)
覚えているだろ、そのー、八角形の穴、洞窟の壁にあった穴だ?
レックス:(無関心で)
親父、悪いが、俺は親父と違って興味がないんでね。
ライオネル:分かった、だが穴がなくなってしまったことは覚えているだろ。
(レックスはうなずきます)
昨日、あそこでクラーク・ケントに出会った。
クラークの名前を聞いたレックスは興味を持ちます。
レックス:(懐疑的に)
クラーク?
ライオネル:そうだ。
そして穴が開いていた。
彼がどうやってそれを開けたのか。
レックス:(ライオネルの方に向いて)
知っていると思うが、親父、精神的疾患は遺伝だと言う。
(レックスはソファーから立ち上がりバーに行きます)
俺にたわごとを信じろというのか?
ライオネルは立ち上がってレックスの後に従います。
ライオネル:おお、レックス、世の男たちが唱えたビジョンは常に迫害されてきた。
ガリレオは地球が太陽の周りを回っている事を発見して、死刑を宣告された。
レックスは飲み物を注ぎます。
レックス:(皮肉に)そんな事を調べていたのか?
ライオネル:なあ、クラークとお前の友情のために目を背けないでくれ。
洞穴を発見したのはクラークだったのを忘れるな。
それから洞穴のシンボルの一つが不思議にも彼の小屋に現われた。
小屋が爆発した同じ日に穴はふさがってしまった。
レックス:おそらく偶然の一致だろ。
ライオネル:(あざけり)偶然の一致?
それは愚か者の使う言葉だ。
(説得力を持って)
レックス、もし一緒にやれば大きな事を成し遂げる事ができるかもしれない。
レックスのシャツの下の胸には小さな送信機がテープで貼り付けられています。
二人の男が小さな部屋の机の前に座りレックス達の会話をスピーカーを通して聞いていました。
男の一人は以前レックスが自分の父親を捕まえさせようと取引したFBIのFBIのエージェントです。
ライオネル:私がお前と同じように強迫観念に取り付かれていると思うな。
お互いクラークの秘密を探ろうとしているのは分かってるんだ。
もしお前が手を貸さないなら別の者を探すだけだ。
二人の男は色々な記録装置に囲まれていて、
この小さな部屋と思われた物はスモールビルの道から外れた木の傍に停まっている小さなトレーラーでした。
建築関係のユニフォームを着た二人の男達が誰も入ってこないようにオレンジ色のフェンスでトレーラーの周りを囲んでいました。
第1幕 場面 2
納屋では
ジョナサンは八角形のキーを手に持ってそれを見ていました。
日中。
彼は後ろに立っているクラークに気がつきません。
ジョナサン:もっと時間があると言っていたじゃないか。
クラーク:誰と話をしているんだい?
ジョナサン:(向きを変え)いや、独り言だ、クラーク、声が大きかったかな。
クラーク:ジョー・エルに話をしていたんじゃないか?
ジョナサン:なあ、こんな物がお前の本物の父親なわけないだろ?
クラーク:本物の父親なんかじゃないよ。
ジョナサン:ああ、そうだな、クラーク。
その通りだ。
(納屋の中を見回し)
私がいなくなったなら、彼はここに来ようとしている。
クラーク:父さん、どうしちゃったんだ?
ジョナサン:こんな事を言っても理解してもらえるとは思っていないが、
私は死にかけた、そしてこう見回して考えると、一体何をしたんだか分からない?
あなたは幸せだ、クラーク。
お前は決して死なないだろうな。
だがもしお前が考えて別の選択肢を見つけたなら、その通りにするといい。
クラーク:(悲しげに)僕を引き取った事?
ジョナサンは言いたい事が伝わらずクラークの方に向きます。
ジョナサン:(弁解するように)
クラーク、違う、そうじゃないぞ…その事は決して後悔はしていない。
私達がお前を引き取らなかったらチャンスはもっと別のものになったかもしれない。
そのチャンスを失わせた事のミスは甘んじて受け入れよう。
私のミスをお前の事だと思うんじゃない。
クラーク:疲れているんだよ。
(クラークはキーを受けとるために手を伸ばします)
中に入ろう。
ジョナサンはクラークの手の上にキーを渡しました。
クラーク:僕たちが一番気にかけなきゃいけない事はもっとこれに注意をすることだ。
クラークはボロでキーを包みタックルボックスに入れます。
ボックスを閉じると南京錠で封印しました。
第1幕 場面 3
タロン。
日中。
クラークは「心的障害における評価と処置」と書かれた本を読んでテーブルに着いていました。
彼の額にはシワが寄っています。
ラナが彼のところへ歩み寄ります。
ラナ:まるで精神分析のお医者さんみたい。
クラーク:(本を閉じ)父さんがどんな事を経験してきたのか、ヒントを掴もうと思って、
手術とか色んな事をさ。
ラナ:(クラークのコーヒーを継ぎ足し)
私が入院していたとき、先生は大きな手術の後は気が滅入るものだって言っていたわ。
クラーク:今までの父さんとは思えないんだ。
人生の事を振り返って犯したミスを話し続けるんだよ。
ラナ:(慰め)
クラーク、それは大丈夫よ。
治らないなんて事ないわ。
クラーク:もし君が一番大事なものをなくしたとしたら、取り戻せないとしたら?
クラークがこれ以上ジョナサンについて話をしません。
ラナ:まあ、それはあなたがどれぐらい決意しているかによると思うわ。
ラナは同情的に微笑して立ち去ると、クラークは考え込んでいました。
第1幕 場面 4
レックスは未舗装の道路に駐車しているトレーラーの外にいました。
日中。
彼はトレーラーの中にいた二人のFBIエージェントと話をしています。
エージェント:それでどうして洞窟に執着しているんだ?
レックス:会話を聞いただろ。親父の偏心の一つだ。
エージェント # 2:クラーク・ケントは?
レックス:信じてくれ、クラークは親父とは何の関係もない。
エージェント:そんなふうには聞こえなかったがな。
いいか、メトロポリス警察があんたにお縄をかけようととしたとき、あんたは我々に完全開示を提供した。
レックス:(怒り出し)おい、俺を試すんじゃない。
俺が手助けをするのは、親父を捕まえるための不正経理だ。
非合法の細胞のリサーチ、クローニング、人類に対する犯罪を教えただろ。
クラークは除外しろ。
エージェント:ほーお。
(レックスとライオネルの会話の記録を読みます)
「お互いクラークの秘密を探ろうとしているのは分かってるんだ。」
田舎の子供よりも下手な言い訳だな。
レックス:(小さな声で、脅迫的な)
送信機が付いているんだからもっと良く聞くんだな。
(より近づき)
クラーク・ケントは関係ない。
エージェント # 2:ヴァージル・スワン博士というのは仲間じゃないのか?
レックスは確認を最初のエージェントに求めます。
エージェント:(うなずき)
えぇ、まぁ。
レックスは目を伏せます。
二人のエージェントはトレーラーに戻り、レックスは悩んだ目をしてそれを見ています。
第1幕 場面 5。
ヴァージル。スワンの巨大な建物。
日中。
中ではライオネルは広い部屋の窓から外を眺めていると、スワン博士の車椅子で入ってきました。
ライオネルは振り返ります。
スワン:巨大企業の方が何の予告もなしに私の家に来るとは。
ライオネル:(静かに笑い、緊張しながらも敬意を払い)
あー、驚かせた事はお詫びします、スワン博士、しかし、あー、少し緊急の問題が発生した。
スワン:それでは直ぐにお帰りになってもらえるんですね。
ライオネル:それなら、あー、どうして私がここに来たのか聞いて欲しい。
スワン:(穏やかに)多分あなたは今まで私とクラークの電子メールを読んだと思っています。
そうでしょう?
ライオネル:(クスクス笑い)私の犯罪行為をあなたは暴く事は無理です。
うれしいね。
スワン:私は科学者だ。好奇心が最も称賛に値すると分かっている。
ライオネル:スワン博士、私はカワチ洞窟の財産管理人だ。
もしあなたが洞窟の壁に書かれている事を教えてくれれば、
あなたの財団法人にその管理委員会を渡そうと思う。
スワン:それは、ありがたい事ですが、あなたのお役に立てるかどうか。
あの
言語はまだ謎のままなんですよ。
ライオネル:あー、以前洞窟の壁に八角形のキーホールがあったことを知っていますか?
何カ月もの間なくなっていたが。
突然復活したんだ、我々二人の知り合いであるクラークがそこにいたときにね。
スワン:(冗談ぽく)なら、私は必要じゃないじゃありませんか。
鍵師の方が必要だ。
ライオネル:(笑い)そうだな、だが、その鍵は私の手元にあったんだ。
しかし、金庫から盗まれてね。
現在はクラークが持っている。
スワン:じゃあ彼が持っていると信じてるんですね。
ライオネル:彼はあなたを信頼している。
彼と話してもらいたいんだが?
(スワンは目を伏せます。)。
たったこれだけの事をしてもらえればあの洞窟は調べたい放題だ。
スワン:そうですね、まあ、私自身は何を探求しようとしているのか分かってます。
ですが、あなたは何を知りたいんですか?
ライオネルはためらい応えません。
スワン:あなたは死にかけている。
ライオネル:(驚き)どうしてその事を?
スワン:先ほども言ったはずですが、好奇心は最も称賛に値すると。
ライオネルはスワン博士に近づきます。
彼の声は優しくまじめなものでした。
ライオネル:スワン博士、私の命を救うことができるものがその洞窟の壁の中に隠されていると思っている。
スワン:その可能性は大いにあるでしょう。
ですが私は自分の研究をしたいんです。
ライオネルは拒絶されたことを悟って後ろに下がります。
ライオネル:分かりました。
時間を割いていただきありがとう、博士。
ライオネルが去り始めるとスワン博士が話し出しました。
ライオネルは立ち止まり振り向かず、スワン博士も背を向け話はじめます。。
スワン:たとえキーを持っていたとしても、もしそれをロックに入れて何が起きるのか分からないでしょう。
ライオネル:そのリスクは承知の上です。
スワン:ほほー。それならば協定を結ぶことができるかもしれませんね。
ライオネルは振り返り、考え込んでいるスワン博士を見ます。
彼は明らかに何かを計画していまいた。
フェイドアウト。
第2幕 場面 1
洞窟内部。
日中。
洞窟内は明るい照明設備、研究設備と忙しく動き回る白衣を着た研究員でいっぱいです。
中に入ったクラークはそれを見て唖然としています。
ライオネルは彼の後ろを歩いていました。
ライオネル:クラーク。
(クラークが振り返ります)
君の聖地を侵略してしまい申し訳ない。
ライオネルはクリップボードを持ってきた研究員にサインをします。
クラーク:ここで何をしようとしてるんですか?
ライオネル:なあ、教えてくれないか。
どうすればあれが開くんだね、
クラーク?
クラーク:何の話ですか。
ライオネルは八角形のキーホールの壁に歩きます。
キーホールを照らし出すスポットライト。
ライオネル:私はゲームをする気はない。
(ライオネルは別のクリップボードを持っている男に歩きます)
君が学期末のレポートを書くだけの理由でこの洞窟に魅了されたと私が信じているとでも思っているのかね?
ライオネルは男のノートを調べてペンでいくつかのチェックを入れます。
ライオネル:(男に)もう一度、確認してくれ。
男は立ち去ります。
クラーク:あなたが変な妄想を話しているとは思いたくありません。ルーサーさん。
どうして僕を調べさせるように友達を脅したのか説明してくれない限り。
ライオネル:その理由はここにあると思っているよ、クラーク。
我々の仕事はその理由が何なのか見つけ出す事だ。
ただ、一人ではできないこともある。
ライオネルはまた別の研究員に歩きます。
クラークは不安を隠そうとします。
クラーク:そんなもの探せるなんて思えませんね。
ライオネルはクラークに振り返ります。
スポットライトの青白い光は不気味にライオネルの顔を照らします。
ライオネル:君が思っているよりも、案外分かるかもしれないぞ。
クラークが答えずに心配そうにライオネルを見ます。
第2幕 場面 2
ケント家。
夜。
数台の黒い政府機関の車が青赤ライトを光らせ車道を走ってきます。
車がケント家に横付けして停まるとマーサはポーチに走り出ました。
マーサ:何があったんですか?
エージェントのトビンが正面に歩み寄ります。
トビン:(他の二人の男たちに)お前達は納屋を調べろ、残りは私と来い。
(マーサに)
マーサ・ケントさん?
マーサ:何をしにきたんですか?!
トビン:FBI捜査官のトビンです。
お宅の捜索に来ました。
マーサ:そんな事はゆるしません!
トビン:(マーサに捜索礼状を手渡します)
捜査令状です。
マーサはショックを受け捜索令状を見て芝生の上に立っていると、
トビンが家の中に入ると車の中から沢山の男たちが出てきて家に入りました。
中では、棚から物をたたき落としたり引き出しを開けているエージェントでいっぱいです。
家の外から見ると
懐中電灯の明かりはいたるところで揺れ、車の赤いライトも窓を通して壁に映ります。
物が落ちたりガラスの壊れる音があちこちで響き、家の中は荒らされていきます。
納屋の方では。
エージェントはテーブルをひっくり返したり屋根裏から干し草の山を投げ色んな装置を使って調べています。
マーサは信じられないという顔をして小屋の中に入ります。
彼女の手にはまだ捜査令状を持っていました。
マーサはエージェントがひっくり返されたツールボックスの上に鍵を掛けられたタックルボックスを置くのを見て驚きます。
別のエージェントがボルトクリッパーで南京錠を壊そうとします。
マーサは急いでタックルボックスに行こうとしますがトビンは彼女の行方をふさぎます。
トビン:申し訳ありませ縁、奥さん、外に出ていていただけませんか。
彼は背後のドアに彼女を連れて行きます。
彼女は彼の肩越にタックルボックスを見ると、エージェントがボルトクリパーで鍵を壊すところを見ました。
第2幕 場面 3。
タロン。
夜。
クラークは電話で話をしています。
タロンは閉店していました。
クラーク:(留守電にメッセージをいれます)
母さん。母さんも父さんを探して外に出ていると思うんだけど。
父さんがいる場所に心当たりがあるんだ。
直ぐにそっちに帰るよ。
クラークが電話を切るとラナはクラークのところへ歩み寄ります。
クラーク:電話、ありがとう。
ラナ:(心配して)
クラーク、何があったの?
クラークはバーに歩いてラナに背を向けたままでいます。
クラーク:父さんが、行方不明になったんだ。
飼料を降ろしに行くってトラックで出ていったきりいなくなったんだ。
ラナはクラークに近づきます。
クラーク:(感情的な声で)ゴメン、ラナ、こんな事は始めてなんだ。
ラナはクラークの腕を掴み自分の方に向かせます。
ラナ:ねえ、大丈夫よ、心配ないわ。
クラーク:グチをいうつもりじゃなかったんだ。
ラナ:私に打ち明けてくれた事は気にしないで。
二人はしばらくの間見つめあいました。
クラークがついにラナにキスします。
彼女はキスを受け止め、それから顔を下げます。
クラーク:ラナ?
ラナ:あなたがストレスでした事だって分かってるから。
クラーク:違うよ。そんな事でしたんじゃない。
ラナ、父さんの事は関係ない、自分の事を振り返ってしたことだ。
クラークが再びラナにキスしようとしますが彼女は離れます。
ラナ:クラーク、私達は前にも試してみたじゃない。
クラーク:元に戻れない可能性はゼロじゃないって言ったじゃないか。
ラナ:(目に涙を浮かべ)違うわ、私達の事じゃないわ。
ねえ、今はお父さんの事を考えて、ね?
あなたを必要としているのはお父さんよ。
クラーク:(失望し)ああ。
クラークがタロンから出て行くと、ラナはバーに行き気落ちしたようにバーを磨きながら涙を落としました。
第2幕 場面 4
ジョナサンは両親の墓の前で膝をつけていました。
夜。
クラークが彼の後ろに近づきます
クラーク:父さん?大丈夫かい?
母さんも僕も心配したよ。
黙って出て行くなんて。
ジョナサン:どうしてここにいるのが分かったんだ?
クラーク:僕が答えを捜すときは、僕も父さんを頼るから。
それが家族っていうもんでしょ。
ジョナサン:私が知っている中でもおじいさんは一番の頑固者だった。
(立ち上がり)
なあ、クラーク、お前は私の本当の息子ではない。
私の母親は私と親父が言い争っているのを見て正反対だとよく言っていた。
だからお前がジョー・エルと争っているのはクリプトン星での親子のように思えるんだ。
クラーク:彼は僕の父親じゃないことを除けばね。
父さんはあなただ。
ジョナサン:(非常に不幸せそうに)ああ。
私はお前の父親だ、お前が最も彼を必要とするときお前に背を向けるな。
お前に逃げる事を教える父親だ。
私の親父なら決してそんな事はしなかっただろう。
ジョナサンはヒロム・ケントの墓の日付を見ます:1924年1月24日 − 1980年12月22日。
ジョナサン:私に親父の強さと分別があったと思うよ。
クラーク:父さんはしてるじゃないか。
ジョナサン:クラーク、これ以上お前をどのように守ってやれるか分からないんだ。
クラーク:それは父さんの仕事じゃない。
父さんの仕事は僕にどうやって僕自身を守るべきか教えることだよ。
でもそれは父さんが必要じゃないって事じゃない。
母さんも父さんを必要としているんだ。
家に帰ろう。
ジョナサンは深呼吸をしてクラークと一緒に墓地から立ち去ります。
第2幕 場面 5
ラナとレックスはレックスの書斎のコーヒーテーブルのソファーに向かい合って座ります。
夜。
壁の暖炉には火が入っていて、二人はタロンの帳簿の作業をしていました。
部屋は静かです。
レックス:タロンの利益を君に払わなければならないな、売り上げの多い月は、ただ色んな事が起こっているからな。
ラナ:(不自然な微笑で)。
いえ、いいのよ。
ラナはハンドバッグを抱え立ち去ろうとします。
レックスが話を続けると彼女はドアのところで止まります。
レックス:ラナ、何でも俺に話してくれてもいいんだぞ。
ラナは振り返りレックスの背中を見ながら悩みます。
彼女はレックスの真向かいのソファーに戻っていきました。
ラナ:私は誰でも変わることができるって信じてるの、でも…
(泣き始めます)
でも、迷い始めてる。
レックス:クラークの事か?
ラナ:(涙を拭いて頷きます)
彼、さっきタロンに来たの。
そしたらキスをしてきた。
レックス:君にか。
ラナ:ええ。
レックス:それは君が望んだものじゃないのか?
ラナ:いえ…(すすり泣きを押さえます)
分からない。
レックスは立ち上がって彼女の隣りに座りました。
彼は彼女の背中に優しく手を置きます。
レックス:なあ、俺は恋愛に少し疲れ切っている。
俺に言えるのは、結局は誰かが傷つく事になるという事だ。
ラナ:私がクラークを信頼できるかできないかってこと?
レックス:それが信頼なのかどうかは分からない。
それはドイツの詩人、リルケはこう言った、
「A person isn't who they are during the last conversation you had with
them.
They're who they've been throughout your whole relationship.」
ラナは床に目を落とし次にレックスの目を見ます。
第2幕 場面 6
マーサは納屋の真ん中に立っています。
夜。
エージェントは全員いなくなっていますが、部屋の中はひどい有様でした。
クラークとジョナサンが入ります。
クラーク:母さん?
マーサ:ああ、やっと戻ってきてくれたのね。
クラーク:一体何があったの?
マーサ:FBIが来たのよ。
家の中を家捜しして言ったわ。
クラーク:何を見つけようとしてたんだい?
マーサ:分からないわ、でも捜索令状を持っていたし、それでキーを持っていったの。
クラークはパニックなり床の上のタックルボックスに行きます。
ボックスを開くと中身がない事を知ります。
クラーク:取り戻さないと。
もしそのキーが目的だとしたら…
ジョナサン:大丈夫だ、クラーク。
クラーク:(タックルボックスから離れます)
どうしてそんな事を言うの?!
ジョナサン:それはな、キーを持っていかなかったはずだからさ。
ジョナサンはキーを差し上げます。
マーサとクラークは驚いて顔を見合わせます。
フェイドアウト。
第3幕 場面 1
レックスの屋敷。
夜。
レックスは暖炉の前のソファーに仕事関係の二人を前に座っていました。
レックス:ドイツ語で(コストを減らさないとならない)
クラークが怒って入ってきました。
クラーク:レックス!
レックス:クラーク、仕事中だ。
待ってくれないか?
クラーク:FBIが僕の家を捜索に来た。
レックス:(実業家に) (今夜は遅いので、話は明日にしましょう)
彼らは立ち上がって出て行きました。
レックス:(クラークに)どういうわけだ?
クラーク:何も言ってなかった、でも君のお父さんが関わっていると思う。
レックスは壁の暖炉に向かって歩きます。
レックス:クラーク、親父がFBIを動かせるとは思えない、だがどうして親父が君の家に興味を持ったのか知りたいな。
レックスは火かき棒で火を突きます。
クラーク:今日、君のお父さんと話をした。
馬鹿げた事を言っていたよ。
洞窟の事で僕が何か知っていると思っている。
レックス:(クラークの方に向き)そうなのか?
親父は時々手段を選ばない、だがそれには何かしらの真実が含まれている。
クラーク:君のお父さん洞窟に取りつかれているからありもしない事を想像しているんだ。
レックス:クラーク、話してくれてありがとう。
俺を信頼して話してくれたと思っているよ。
クラーク:僕に話していない事があるのか?
レックス:(問題をはぐらかし)何のことだ、クラーク?
(間があり)調べてみよう。
未舗装の道路を走るレックスの車は
FBIのトレーラーに向かっていました。
レックスは車から降り、トレーラーのドアの前に立つエージェントに質問します。
レックス:ケント家に一体何を探しにいったんだ?
エージェント:静かに。
我々の秘密捜査を台無しにする気ですか?
中に入って。
エージェントがドアを開けると
レックスはトレーラーに入ります。
エージェント:クラーク・ケントについての事なら、話すことはあまりない。
レックス:お前らの仲間じゃないのか?
エージェント:我々は農家を襲撃することはない。
君が守ろうとしている少年は一体なんなんだ?
外では、クラークがレックスの車に超スピードで追いかけてきていました。
未舗装道路の終わりにトレーラーを発見します。
彼はトレーラーに焦点を合わせてX線ビジョンで調べました。
レックスがエージェントに話をしている上レックスの胸には送信機がテープで貼り付けられていました。
更に会話を聞くためスーパーヒヤリングを使います。
エージェント:なあ、ルーサー、これは私の仕事だ。
我々が君のところに来たのを思い出せ?
レックス:俺が選択したはずだ。
エージェント:取引をしただろ。
FBIはそんな農家の少年には興味はない。
君の父親に興味を持っているんだ。
仕事の邪魔をしないように、ここから出ていってくれ。
レックスはトレーラーから出ると車の方へと行きます。
リモコンを差し出すと車のロックを解除しました。
レックスが車に到着するのと同時にクラークが近づきレックスを自分の方に向けさせ肩を掴みます。
クラーク:(激怒して)君の父親がFBIを動かしたんじゃない。君だ!
レックス:クラーク、信じてくれ。
クラーク:そうしたかったよ。
クラークはレックスのシャツを引き裂いて送信機を胸からちぎり取ります。
クラーク:これはミスだったな。
クラークは歩き去り始めます。
レックス:クラーク、それは勘違いだ!
おい、お前の事じゃないんだ!
親父の事を調べてた!
(クラークは振り向かずに歩くのをやめます)
親父はメトロの研究所での殺人事件を俺になすりつけようとしたんだ、
だから俺はFBIに取引を持ちかけた。
(クラークは振り向きレックスに近づきます)
なあ、何度も俺は親父にチャンスを与えてきた、それなのにこのざまだ。
親父に復讐する。
クラーク:そして君は人のプライバシーを侵害しているのに気づかないんだ。
レックス:クラーク、農場を襲撃したのはFBIじゃない。
親父ならFBIの振りをさせるのはたやすい事だ。
問題はどうしてかだ。
クラーク:多分君のせいだ!
君に手を引けと警告してるんだ!
レックス:なあ、もしそうならお前を巻き込んでしまったのは謝る。
だがお前はすでに巻き込まれていると思っている。
クラーク:それはどういう意味だ?
レックス:お前はどれだけヴァージル・スワン博士という人物を知っている?
クラーク:(驚いた顔で)どうして彼の事を?
レックス:まあ、FBIによれば、父親は彼と話をしていた。
そして親父はお前を通してスワン博士を見つけたんだ。
二度ほどEメールを出しただろう?
クラーク:彼は洞窟の絵を調査していた。
レックス:なあ、クラーク、お前がどうして巻き込まれたのかは分からない。
だがどういうわけか二人の億万長者がお前と洞窟に興味を抱いた。
お前の敵は奴らだ。俺じゃない。
クラークが答えません。
第3幕 場面 2
ヴァージル・スワンの屋敷。
日中。
クラークはスワン博士のいる大きな部屋に乱入します。
クラーク:僕を裏切ったんですね!
スワン:やあ、カル・エル。
クラーク:(イライラして)僕の名前はクラークだ。
スワン:私がライオネル・ルーサーと会見したからといって、どうして君を裏切ったと思うんだね?
クラーク:あなたは彼と会見する以上の事をしたじゃないか。
ライオネルに手を貸す事に。
スワン:私は裏切ってなどいないよ、カル・エル。
私は君の秘密を決してここには残していないし、そうしないと約束した。
ライオネル・ルーサーと私の問題は君の最大の利益になる。
クラーク:あの男は僕の家族を苦しめる事以外何もしていない。
スワン:彼が畑で爆発を起こしたのか?
彼が君をメトロポリスで野蛮にさせたのかね?
(頭を振り)
私は君が用意ができたと思ったから相談に乗ったんだ。
過去1年にわたって君の行動は私が間違っている事を証明した。
クラーク:あなたは何も分かっていない。
実の父親から宇宙船にもうひとつのメッセージがあった、
それはここを出て世界征服しろというものだったんだ。
それが事実なのを知っていたのか?
スワン:私は全ての答えを知っているわけではない。
君と同じように試行錯誤の状態だ、カル・エル。
クラーク:(嫌がって離れ)その名前で呼ばないでくれ。
その名前が誰なのかさえ分からないんだ!
スワン:父親とは子供たちが嫌がる未来を欲しがるものだ。
その争いは人類が生まれてから続いている。
クラーク:(スワンに振り返り)僕は人間じゃない。
スワン:人類とは生物学においてだけではない。
クラーク:あなたはジョー・エルを知らないからだ。
奴が言った通りになった。
僕の父さんは僕を救うために奴と取引をした、そして今父さんは死に掛けている。
スワン:だが君がもっとこの道を辿れば、それだけルーサーにだけではなく、全世界に君の秘密を暴露する危険が大きくなる。
クラーク:(絶望的に)僕のミスのために父さんを犠牲にはできない。
スワン:(間があり、気が進まずに)
まあ、君の意見がそうならば、見せたいものがある。
(音声認識スイッチを入れます)
スクリーンを作動。
大きなスクリーンがスワン博士の後ろに下がります。
いくつものクリプトンの記号が
画面をスクロールして文字が入れ替わっていきます。
クラークがメッセージを見ます。
クラーク:「私は待ってる」と書いてある。
ジョー・エルに間違いない。
スワン:そのメッセージは星からではない。
発信源はここ、地球だ。
だが私は君を呼び出すためではないと思っている、カル・エル。
クラークはぼう然としています。
第3幕 場面 3
納屋のツールボックスな中で
キーは黄金の光を放っていました。
夜。
ジョナサンが入って来ると輝きは止まります。
彼は引き出しを開けてキーを取り出します。
一瞬の間深刻にキーを見て納屋を出ます。
フェイドアウト
第4幕 場面 1
クラークが玄関から家に入ります。
日中。
家の中はランプが床の上に散乱し家具がひっくり返ったままのひどい状態です。
クラーク:父さん?!
(マーサが掃除しにリビングルームに入ります)
母さん父さんはどこ?
マーサ:またいなくなったのよ、クラーク。
あまり父さんに強く言わないで。
こんな事になってショックを受けたのよ。
クラーク:(急いで)
母さん、そんな事じゃないと思う。
さっきスワン博士に会いに行ったんだ。
ジョー・エルは誰かと連絡を取ろうとしていると言っていた。
母さん、それは僕じゃない。
父さんが行動を起こしたのは、キーを通じてメッセージを受け取ったからだと思う。
マーサ:ジョー・エルはお父さんに何を?
クラーク:分からない、でもジョー・エルは何かを待っていると言っていた。
父さんがどこに行ったかわかるかい?
第4幕 場面 2
ライオネルは洞窟の地下でトビンと話をしています。
日中。
ライオネル:農場をくまなく探したのか?
トビン:はい。
ライオネル:間違いないか?
トビン:はい。間違いありません、あそこにはありませんでした。
ジョナサンがショットガンを持って洞窟に入ります。
ジョナサン:全員ここから立ち退くんだ。ここから出て行け。
外に出ていけ。行くんだ、直ぐにだ!ここから出て行け!
作業員たちは銃を見てパニックになって逃走し始めます。
ジョナサン:直ぐにここから出てくんだ!
ジョナサンが撃鉄を起こし引き金を引くとノートパソコンに当り粉砕しました。
ジョナサン:私は全員ここから出ていけと言ったはずだ!
ライオネル以外の皆が逃走します。
ライオネル:どうして…
ジョナサン:(撃鉄を起こしてライオネルに向けます)
あんたはここに来る権利はない。
ライオネル:ええ、まあ、国営公園管理局と君とでは意見が違うかもしれんが。
ジョナサン:(より近づき脅迫的に踏み出します)
あんたは欲しがってはいけないものを欲しがっている。
それを渡すつもりはない。
ライオネル:この世界には個人で所有するにはあまりにも貴重なものがあるんだ。
ジョナサンは銃座でライオネルの胸を打ちつけ壁のキーホールの前のガラスに押しつけます。
ジョナサン:私は病気で疲れているんだ、あんたと話をするのもな。
これは最終警告だ。
私の息子に近づくな。
ライオネル:もし彼を私が引き取っていれば、君は彼を守らなくてすんだはずだ。
弱さは君が耐えるものじゃない。それを学びとれ。
クラークは君から学んだようだな。
ジョナサンが腹をたててライオネルの顔を殴り飛ばすとライオネルは唸って体を折り曲げました。
ライオネルは疲れきったジョナサンの腹に肘鉄を食らわせます。
ジョナサンの胸に手を当て後ろへと彼を押しお互いに近くの棚においてある設備を倒し火花が飛び散る地面に倒れました。
二人はやっとの事でひざまずくと洞窟内は赤と白い光が洞窟内全体を照らしました。
ジョナサンは再びライオネルの顔を殴りライオネルは倒れます。
ライオネルは起き上がろうとジョナサンの腕をつかみますがジョナサンは彼の腕をたたきます。
今度はライオネルは仰向けに倒れました。
ジョナサンがライオネルに向かっていくとライオネルは足を上げジョナサンの胸を蹴り飛ばしました。
ライオネルは立ち上がってジョナサンを掴み立たせ頭突きをします。
ジョナサンはガラス板をライオネルに投げつけますが壁に当り粉々になます。ジョナサンは壁に寄りかかります。
ライオネルは再びジョナサンの顔を殴ります。
ジョナサンの目を親指で押さえつけます。
ジョナサンが苦闘していると上着に入っていたキーが輝き始めました。
ライオネルはそれに気づきキーを取ろうとジョナサンのポケットの中に手を伸ばします。
ジョナサンは彼の手からキーを叩きます落とすと地面に落ち転がっていきました。
ライオネルはキーを取ろうと地面に倒れ手を伸ばしますがジョナサンはライオネルのレッグを掴み行かせようとしません。
ジョナサンはライオネルの背中に圧し掛かり光り輝くキーに触れる直前にライオネルの手を掴みます。
ライオネルはもう片方の手を伸ばしますが、キーは空中に浮かび上がり驚いて見つめていました。
異なったシンボルが黄色、赤、そして青く輝きます。
キーは壁の方へ向かいガラスの中央の穴を通ってキーホールに入りました。
穴の周りの空気は白いエネルギーとヒューッと音をたてて歪んでいます。
ジョナサンはライオネルの首を折ろうとしているかのように腕をライオネルの喉に巻きつけます。
クラークが超スピードで入ってきて事態を見ます。
クラーク:父さん!
(ジョナサンの側に走ります)
父さん!
クラークはライオネルからジョナサンを引き剥がし壁に彼を押しやります。
ライオネルは息を詰まらせ地面に横たわっていました。
クラーク:一体何をしているの?
何を考えてるの!
ジョナサン:お前の安全を守ってやれる唯一の方法だからだ。
ライオネルの部下達のトビン他数人が戻ってきてジョナサンに対して銃を向けます。
ジョナサン:(ライオネルに)あんたが私の家を不法に捜索した事を警察に説明できないなら
あいつらをここから出て行かせろ。
ライオネルはひと呼吸おき。
ライオネル:(男たちに)下がっていろ。
研究員が洞窟に再び入って壁を見ています。
技術者:(驚いて)…これを見てください。
ライオネルが壁に行くと二人の男たちも一緒に行きます。
彼はキーホールが再び封印されたのを見ます。
ライオネル:(当惑し)
キーは壁にあるはずだ。
間違いないはずだ。
ジョナサン:(小さな声で)どこにあるんだ、
クラーク?
クラーク:(ライオネルと同じぐらい当惑して)僕じゃない。
第4幕 場面 3
クラークは納屋に土を乗せた一輪車を押してきます。
日中。
ラナは彼の後ろに車を止めました。
彼は一輪車を下ろして振り返るとラナは車から出てきました。
クラーク:(彼女へ近づき)やあ。
ラナ:ええ、えーと…(クラークの後ろへと歩き)
あなたがやり直したいっていう気持ちは分かるわ。
ただ、私達はあまりにも心が通わなかった。
クラークが彼女と一緒に歩きます。
クラーク:僕がとった行動は理解してもらえないかもしれない、でも、ラナ、僕の気持ちは一度も変わった事はないんだ。
ラナ:その一部は私のせいだって思ってる。
でも、レックスが言ってくれたけど
a person isn't who they say they are in any one moment. They're who they've always been.
クラーク:レックス?
彼がどうして?
ラナは止まってクラークの方に向きます。
ラナ:私は彼を信頼してる。
彼のアドバイスを信用してるわ。
彼は私達に良くなって欲しいって思ってる。
クラーク:ねえ、ラナ、僕らは何度もお互いを避けてここに立っていたのかな?
ラナ:それはいつもあなたが私を近づけさせるからよ、あなたが去ってしまうともっと傷つくわ。
あなたはルールを変え続けることはできないのよ。
クラーク:ラナ、ごめん、決して君を傷つけるつもりはないんだ。
でも約束するよ、僕はいなくならない。
ラナ:(速く)
多分私も。
(クラークは驚いて止まります)
どうしてあなたのお父さんが過去を振り返りミスをしたように感じているのを聞いてみたの?
クラーク、私があなたとよりを戻したいって思っているのは、多分私自身がいくつかの機会を逃したからよ。
クラーク:(心を痛めて)他人事みたいだね。
ラナ:違うわ。そんな事じゃないの。
そうやって思わないとやっていけないのよ。
私達のどちらかが悪いわけじゃないの。
クラークが気落ちし返事をすることができません。
ラナは車に戻ります。
車に乗り込んでエンジンをかけると彼女はクラークを見ます。
彼は残念そうに彼女を見ます。
農場にトラクターで来るジョナサン。
干し草の山を積んだ荷台がトラクターにつながれていました。
ジョナサンはクラークのいるフェンス脇にトラクターを停めるエンジンを止めました。
ジョナサンは彼に近づきます。
ジョナサン:クラーク?
ラナはすぐに行ってしまったな。
クラーク:ああ。
ジョナサン:大丈夫か?
クラーク:うん。
父さん、洞窟で何が起きたのか教えてよ。
ジョナサン:分かってるさ。
クラーク:父さんはいつもライオネル・ルーサーには気をつけろって言っているのに、どうしてキーを持って行ったんだい?
ジョナサン:よく分からないんだ。キーに導かれたようで。
よく説明する事ができない。
クラーク:父さん、僕はジョー・エルとの取引じゃないかと思ってる。
僕を連れ戻すために父さんは自分を犠牲にした、でもそれだけじゃなかったんだね?
ジョナサン:クラーク、なあ、この数日間私はとんでもない事をしてしまった、しかしそれはジョー・エルのせいじゃない。
私自身の問題だ。
ジョナサンは目をそらしてトラクターに向かって歩きます。
クラーク:ジョー・エルは何を待ってるの?
ジョナサン:(彼は止まります、しかし向きを変えません)
どうしてその事を?
クラーク:スワン博士だよ。
父さん、ジョー・エルと何を取引したんだい?
ジョナサン:(クラークの方に向き)
お前が心配する事じゃない、クラーク。
クラーク:父さん、僕がいなかったらジョー・エルとは何の関係もなかったんだ。
ねえ、どうして僕に話してくれないの?
ジョナサン:クラーク、お前には常に自分の判断に対して責任をとるように言ってきた。
なぜ私に責任を取らせてはくれないんだ?
クラーク:それは、僕らはライオネルに目をつけられているからさ。
ライオネルが壁からキーを取り出して何をするつもりなんだろう?
ジョナサン:キーは壁にはない、クラーク。
クラーク:父さんが取り出したの?
ジョナサン:いや。だが、そこにはもうないはずだ。
クラークが不安そうにジョナサンを見ます。
第4幕 場面 4
箱の中にはキーが入っておりスワン博士の表情は魅惑と興奮が入り混じっていました。
フェイドアウト。
おしまい。