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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン3.22Covenant[契約]

第一幕プロローグ
一人の女性がスモールビルの暗い森を歩いています。
夜。
彼女の全身は森の木々に遮られ見る事ができません。
唯一見えているのはクツさえ履いていない素足の足でした。
歩き続ける彼女の髪は肩より数インチほど長いブロンドでした。
彼女の背中が見えると彼女はシャツも着ていない完全な全裸で森の中を歩き続けていました。
彼女が道路に出てくるとやっと顔の見分けがつき、若く魅力的な女性でした。
彼女に向かって近づいてくるトラックのライトが彼女の顔を照らします。
彼女が道路の中央に出て来たことに気付いたトラックの運転手は直ぐにクラクションを鳴らします。
運転手は急ブレーキを踏みタイヤを軋ませますがトラックは彼女に向かって滑っていきます。
彼女は道を開けるどころか両手を差し出すと彼女に向かってくるトラックのボンネットを手で押さえつけました。
トラックは彼女の頭上に舞い上がり空中で回転をしながら彼女の後ろの道路に車の屋根を下にして叩き付けました。
彼女は平然とそのトラックを見つめていると突然トラックは炎に包まれます。
トラックが燃え上がると彼女はトラックが来た方向に歩き去りました。

彼女は ケント家の外を歩いていました。
彼女が家の外のフェンスにたどり着くとわずかに微笑を浮かべます。
彼女はポーチの階段を昇ってドアをノックします。
クラークがノックに答えて表に出ると全裸の彼女を見て驚きます。

女性:はじめまして、クラーク。
     私の名前はカーラよ。
    クリプトンから来たの。

クラークは呆気にとられていました。

第1幕 場面 1
クラークとカーラはリビングルームで一緒に座っていました。
夜。
カーラは腿を隠すほど大きな木綿のシャツを着ています。

クラーク:カーラ、君がどこでクリプトンの事を聞いたのか分からないけど、天文学者はその惑星はもうないって聞いたよ。
カーラ:物理的にはもうなくなっているわ、でも私達を通じてまだ生き続けてるわ。

マーサとジョナサンが台所から入ります。
マーサはカーラに紅茶を与えます。

マーサ:これを飲んで、温まるわ。

カーラは湯気の立つティーカップを持ち困惑した顔をしました。

マーサ:熱いわよ。

カーラはマーサにほほ笑んでコーヒーテーブルにティーカップを置きます。

ジョナサン:お嬢さん、君の両親が心配してると思う。
       電話をかけさせてくれないかな?
カーラ:電話をする相手がいないわ。
マーサ:そんな、野宿するなんてダメよ。
     今晩は家に泊まってらっしゃい。
カーラ:ありがとうございます。
    あなた方がとても優しいと聞いています。
クラーク:どうやってここに来たんだ?
カーラ:洞窟の壁の穴を通って来たわ。
クラーク:どこから?
カーラ:その場所はあなたの全ての疑問が明かされる場所、あなたが本当の自分を隠さなくてもいい場所。
ジョナサン:(いらだち)
       おい、もし本当に遠い惑星から来たのなら、私達のために分かりやすく説明してくれないか?
       君の特殊な力を示してくれ。
クラーク:(ジョナサンがカーラを困らせるのを阻止しようと)
      父さん…

ジョナサンはクラークとカーラに近づきソファーの周りを歩き回ります。

ジョナサン:クラーク、お前が言ったんだぞ、ピートがFBIにしつこく追い回されているとな。
       この事がその策略の一つでないとどうして言えるんだ?

カーラは立ち上がるとジョナサンに決然とした声で言います。

カーラ:ジョナサン・ケント、あなたにはこの話し合いに参加する資格はないわ。
    時が来れば必要に応じてカル・エルに見せます。

クラークが立っています。

クラーク:どこでその名前を聞いたんだ?

カーラは表情を柔らげてクラークに振り返ります。

カーラ:あなたの生まれた時につけられた名前よ。
クラーク:どうして君はここにいるんだ?

カーラはクラークの手を取ります。

カーラ:あなたを家に連れて行くために。

クラークはショックを受けています。
ドアがノックされレックスの声が聞こえてきます。

レックス:クラーク?

レックスが部屋に入るとクラークがカーラの前に踏み出します。

クラーク:レックス。

シュッと空気を切り裂く音が聞こえます。

レックス:なあ、少しいいか?
クラーク:(カーラを紹介しようとして)
      これは、そのー…

クラークが振り返るとカーラがいなくなっていることを知ります。
クラーク、ジョナサン、マーサは皆驚きます。
クラークが答を待っているレックスに振り返ります。
レックスはカーラを見ていませんでした。

クラーク:…構わないよ。

クラークとレックスは一緒に家を出ます。
ジョナサンとマーサは無言でお互いを見ます。

それからジョナサンはコーヒーテーブルの脇に座ってカーラの置いたティーカップを見つめます。

屋根裏に入るクラークとレックス。

クラーク:今頃祝杯をあげていると思ってたよ。
      お父さんが逮捕されたから。
レックス:親父はシーザー軍よりもっと強力な弁護士の大軍を抱えているからな。
      48時間以内に釈放しゃれるだろう。
クラーク:裁判官が殺人犯を釈放するとは思えないよ。

クラークとレックスは階段を登ります。

レックス:クラーク、それは社会的に脅威を持つような証拠があればの話しだ。
クラーク:クロエのボイスメールは?
      君のお父さんの自白があるじゃないか。
      あれはかなりの証拠になると思うけど。
レックス:それは裁判の時の証拠だ。
      保釈を拒否するためには実際に現場を目撃した目撃者が必要だ。
       残念だが、親父の影の部分を知っている者は死んでいるか、出ては来ないだろう。

クラークがやましげに目を伏せます。
それから彼はレックスを見ます。

クラーク:僕が申し出るよ。
レックス:お前の気持ちは嬉しいよ、クラーク、しかし目撃者が必要なんだ。
クラーク:ベル・リーブで見たんだ。
     医者に君への電気ショックの電圧を上げるように指示したのを。
     医者が植物状態になると言っても聞かなかった。
レックス:(頭を振り、冷静に)
     どうやってそれを見ることができたんだ?
クラーク:君を救おうとしてこっそり侵入したんだ、でも遅すぎた。
レックス:(クラークに近づき)
     お前は初めから親父の両親殺しを知っていたんだな?
     (クラークが目をそらします)
     それなのに俺に話さなかった。
クラーク:レックス…
レックス:俺は親友同士の間ではそんな情報は何も言わなくても教えてくれると思っていたよ。
クラーク:親友が殺されかけなければ。
      レックス、君の父親は君を精神病院に放り込んで脳を焼いたんだ。
     もしまた君が一からその事を知ったら、次は本当に殺されるかもしれないと思った。
     そんな事は絶対に避けなければと思ったんだ。

クラークが嘆願するようにレックスを見ます、そしてレックスは長い間静かに見つめています。
それから彼はクラークの腕に手を置きます。

レックス:お前は良い親友だ、クラークです。
     裁判官に今言った事を証言してくれれば、親父はアルマーニのスーツをオレンジの囚人服に交換する事になるな。

クラーク:(少しほほ笑んで、感謝しています)
      証言するさ。
      君は安心していい。

レックスはうなずきます。

第1幕 場面 2
メトロポリス刑務所。
夜。
警備員がドアを開けるとライトが回転し警報音が鳴り響きます、そして広い白い部屋の中央にはオリがありました。
ライオネルがエージェントのロダーに連れられて入ります。
ライオネルはオレンジ色の囚人服を身に付け、手錠と足枷をはめられていました。
別の警備員がオリの鍵を開けるとライオネルとロダーが中に入りました。

警備員:6-1、クリア。
ライオネル:取引をしたはずだが、ロダー。
ロダー:あんたの息子に取り付けた送信機の秘密を教えた、どんな事を言っても記録上からは消去したさ。
     だが数十年前の殺人の証拠を持ち出されたんじゃもう演技は無理だ。
ライオネル:それじゃ他の調査は、レックスの友人の。
       どういう事になっている。
ロダー:(笑い)
     そんな事。
     気付いていないなら教えておこう、死刑からは逃れられんよ。
     あんな農家の子供の秘密なんか知っても助かるわけじゃない。

警備員がライオネルの手錠と足枷を外します。

ライオネル:それは不便だな。
       私はあと二時間で釈放されるだろう、今まで集まったクラーク・ケントの情報を持ってくるのを期待するよ。
ロダー:あんたには長い時間があると思うよ。
     取引は終わっている、ルーサーさん。
ライオネル:それは危険な海に出るようなもんだぞ、ロダー。
ロダー:泳ぎは達者な方でね。
     おやすみ。

ロダーは去ります。

警備員:開錠、6−1。

第1幕 場面 3
クラークが納屋の外でレックスが車で帰るのを見送ります。
夜。
カーラはクラークを見つめすぐ近くに立っていました。
彼女が話かけるまで彼は彼女に気付きません。

カーラ:彼らの問題に首を突っ込まない方がいいわ。
クラーク:レックスは親友だ。
      彼を助けたいんだ。
カーラ:彼を信用しちゃいけないわ。
クラーク:何も知らないくせに。
カーラ:知らなくても構わないわ。
    それが人間でしょ。
    人間ってそんなものよ。
クラーク:僕の知っている人たちはそうじゃない。
カーラ:皆があなたを裏切った時、後悔するのはあなたよ。
    (彼女は彼に向かって歩きます)
    あなたの怖がっている訳は分かるわ。
    あなたも分かってるでしょ。
    でもあなたはこの世界の者じゃないの、カル・エル。
    あなたは私のものよ。

クラークがカル・エルの名前にひるみます。

クラーク:僕はクラークだ。
      それにどうして君の話を信じろって言うんだ?
カーラ:それが真実だから。
クラーク:本当か?
      じゃあ今までの十四年間どこで何をしてたんだ?
カーラ:私と一緒に来れば、全ての質問に答えられるわ。
クラーク:それはできない。

クラークが家に戻って歩き始めます、そしてカーラは彼の腕をつかみます。

カーラ:カル・エル、待って。
    私と一緒に来て。

カーラは後ろ向きに歩き始めます、そしてクラークは引かれるまま歩きます。
それから二人は納屋の脇で足が地面から離れ、バスケットボールのゴールリングを越えていきます。
地面が段々と離れクラークは不安げにカーラの目を見つめます。
カーラ自信ある表情で彼を見つめ返します。
クラークが見下ろします。

クラーク:どうやってるんだ?
カーラ:あなたもやってるのよ。
クラーク:僕は飛べない。
カーラ:まだね。
     これから始まるの、カル・エル。
    あなたは自分の強さを分かってないわ。

クラークが考えながら見回した後カーラの目を見つめます。
月が二人の後ろで明るく輝きます。

カワチの洞窟に入るクラークとカーラ。
クラークが洞窟の壁の割れ目に触れています。
カーラは彼の後ろに立っています。

クラーク:この割れ目は先週にはなかった。
カーラ:それは私が来たために開いたの。
    私達が行くときにもう一度開くわ。
クラーク:どうしてこの世界を嫌がるように仕向けるんだ?
カーラ:あなたが悲しむのが目に浮かぶのよ、カル・エル。
    あなたがよそ者だと感じない日は一日もないはずよ。

カーラはクラークの胸に手を置きます。

カーラ:あなたに一番近い人たちさえ決して本当のあなたを理解しないわ。
    でも理解されなくても構わないのよ。

クラークは黙ったまま言い返すことができません。
彼はカーラの手から身を引いて彼女を超えて歩きます。
彼は彼女が言ったことによって動揺し、二回ため息をついて話題を変えます。

クラーク:君は流星群の日からずっとここの中にいたって言うのか?
カーラ:ええ。
    待っていたわ、あなたの用意が出きたって彼が知るまで。
クラーク:彼?
カーラ:あなたの実の父親よ。
    ジョー・エル。
クラーク:クリプトンで死んだはずだ。
カーラ:ええ、でも彼の心と遺言はこの壁の中に生き続けてるの。
クラーク:そうだったのか。
カーラ:彼はあなたが想像するようなモンスターじゃないわ。
    あなたの命を救ったのよ。
クラーク:(声を荒げ)
      僕が望んでもいない者に変えるためにだ。
カーラ:自分の運命を知っていると思っているかもしれないけど
     この先どんな事が待ち受けているのか分かってないわ。
クラーク:それなら話してくれよ?
カーラ:私がここに来たのはあなたの変化を助けるためよ。
     あなたが知りたいと望む事は全てそこにあるわ。
     (カーラは壁を見ます)
    でも選ぶのはあなた。

クラークは恐る恐る壁を見つめます。
カーラは彼の顔に触れますそして彼は彼女を見ます。

カーラ:私と来て、カル・エル。
クラーク:(間があり)
      僕にはできない。
カーラ:分かってるわ。
    あなたの用意ができるまで待っているわ。

クラークがカーラを見ます。
彼は明らかに迷っていました。

フェイドアウト。

第2幕 場面 
ライオネルが悲嘆して一人独房の真ん中に立っています。
日中。
レックスが彼の後ろに入ってきます。
レックスが声をかけるとライオネルが振り向きます。

レックス:オレンジが似合っているな、親父。
     二十五年もたてば少しは色あせるかもしれないがな。
ライオネル:(静かにニヤリとします)
       そんな挑発にはのらんよ。
        (彼は間をおき、考えをまとめます)
       たとえ我々の溝が深くなろうとも、レックス…
       私はお前の父親だ。
       何があってもな。
レックス:そして俺が生まれた日からつきまとっていた悪魔だ。
ライオネル:レックス、これは私にとって簡単な事じゃない。
       父親として…
       (長い間があり)
       お前に落第点を付けた。
       今なら分かる、悪かった。

レックスは無表情で静かに聞きます。

ライオネル:私は二年前に診断された、そのー、進行性の肝臓病だ。
       考えられるべき事は全て試してみた、だがダメだった。
       手遅れだったよ。
       金では私は助からない。

レックスは父親の視線を拒否して目を伏せます。
ライオネルは格子の端に歩いて右手でケージをつかみます。
彼は口早にレックスにささやきます。

ライオネル:レックス、お願いだ。
       私をこんなところで死を迎えさせないでくれ。

謝罪の表情でレックスはケージに歩いて手をライオネルの上に置きます。
ライオネルは愛情を込めてレックスの手をつかみます。

レックス:親父…
     (ライオネルの目をじっと見て、そして突然冷たくなります)
     こんな場面でレクイエムでも掛かれば効果的だったかもな。

ライオネルはショックを受けています。
彼の目は涙でいっぱいになります、そして彼は格子から後ずさりして手をレックスのから遠ざけます。

ライオネル:分かっているさ。
       どうすれば信用してくれる?
       主治医に私のカルテを渡すように頼んである。
       おまえ自身で確かめてみろ。

レックスはしばらくの間ライオネルの目を見つめていました。
それから彼は手をケージから放し部屋を出て行きました。

第2幕 場面 2
カーラはケント家の窓を見ています。
日中。
彼女は特に焦点を合わせているようには見えません。
マーサはカーラの見ているリビングルームの入口に立ち、ジョナサンとクラークが立っている食堂に戻ります。

マーサ:今まで彼女がここにいたけど、何も食べなかったわ。
ジョナサン:マーサ、あの娘の食欲の事は今は問題じゃない。
クラーク:僕は彼女が本物だと思う。
      ジョー・エルが彼女を送ったと思うんだ。
マーサ:それは確かなの?
クラーク:ほかにどうやって彼女の力を説明できるんだい?
ジョナサン:クラーク、ここはスモールビルだ。
        クリプトナイトが多くの人々に特別な力を与えた。
クラーク:彼女は僕の本当の名前を知っていた。
      僕の事を全て知っているんだ。
ジョナサン:彼女はスワン博士から何か聞いたんじゃないか。
マーサ:あなたはスワン博士がカーラを送ったと思うの?
ジョナサン:あの男の計画が何なのか分からんさ。
       だがたとえ彼女がどこから来ようとも、私は彼女を信じない。

シュッという音が聞こえると突然カーラがジョナサンの後ろに立っています。
彼女が話をすると彼は向きを変えます。

カーラ:あなたの方こそ信用できないわ、ジョナサン・ケント。
     あなたは契約を破ったわ。
    ジョー・エルがあなたに多くの警告を与えたのに、その事に耳を傾けない事にしたじゃない。
マーサ:ジョナサン、彼女は何の事を話してるの?

ジョナサンは返答しません、そしてカーラはもっと近づきます。

カーラ:カル・エルにあなたが何をしたか言ってください。
クラーク:(緊張して)
      どんな取引をしたんだい、父さん?

ジョナサンはしばらくカーラを見ます。
クラークの質問に答えるまで彼は彼女を見続けます。

ジョナサン:(深く息をし)
       もしお前をメトロポリスから連れて帰れる力を与えてくれたら、いつかお前を返すとジョー・エルと取引したんだ。
マーサ:(ショックを受け)
     ジョナサン、そんな。
ジョナサン:マーサ、こんなに早くその時が来るとは思わなかったんだ。
マーサ:そんな…

ケント家の外に車が停まりその中にはエージェントのロダーが乗っていました。
彼は衛星放送のアンテナを小さくしたような盗聴器を農場の方に向けていました。
彼は耳にスピーカーをあて、中の話し合いを聞いていました。

カーラ:私が話したでしょ、カル・エル。
    皆があなたを裏切るって。
    あなたが父親と思っている人手さえよ。

ジョナサン:(腹を立て)
       裏切ってなどいない。
カーラ:黙って。

カーラは頭を窓の方に向けます。

カーラ:誰かが聞いてるわ。
ジョナサン:一体何の事だ?

外ではロダーが聞き続けています。
カーラは彼の車に超スピードで移動します。
彼女が窓のすぐ傍に来るまで彼女に気付きません。
驚いた彼はたじろぎます。

ロダー:いつのまに?

カーラは静かに彼を見ます。
それから彼女は手を伸ばして彼の首を締め上げました。
直ぐにロダーは車のギアに入れて走り去ります。
カーラは少し笑みを浮かべると離れて行く車を見ます。
ロダーの車の前に突然カーラが出現し、ロダーは急ブレーキを踏みます。

ロダー:お前は何者だ?

カーラは答えません。
彼女は脅すようにロダーを見つめます。

ロダー:(パニックになり)
     そこをどけ!

カーラはボンネットの上に両手をたたきつけます。
彼女の手から火のようなオレンジ色のエネルギーが車のいたる所に広がり始め、数秒の内に車とロダーは完全に消失しました。
クラークがカーラのところに走ります。

クラーク:その人をどうしたんだ?
カーラ:その男はあなたを恐れていたわ、カル・エル。
    あなたを利用しようとしてた。

クラーク:それで殺したのか?!
カーラ:痛みなんて感じなかったわ。

カーラは家に向かって歩きます。
クラークがあまりの事にぼう然として道路に立ち尽くします。

ジョナサンとマーサはポーチの外で話をしています。

マーサ:人を殺したわ、ジョナサン。
     保安官に電話をしないと。
ジョナサン:クリプトンから来た少女がFBI捜査官を蒸発させたと言うつもりか?
マーサ:あなたは私達の生活に何をしたの?
ジョナサン:マーサ、正直言って他の選択肢はなかったんだ。
マーサ:(激怒し)
     私に何も話さないでクラークの事をそんな風に思ったの?
ジョナサン:それがクラークを取り戻す唯一の方法だったんだ。

ジョナサンを見るのもイヤになったマーサは彼の後ろへ歩きます。

マーサ:どうして秘密にしておいたの?

ジョナサンは向きを変えます。

ジョナサン:それは、起こりもしない事を心配して過ごす事を望まなかったからだ。
マーサ:あなたは本当にジョー・エルがいつかクラークを諦めると思うの?
ジョナサン:クラークを連れ去るのを黙って見逃す事はできないよ。
マーサ:でも、私達に選択の余地はないわ。
     あの娘はクラークよりもっと強いもの。

第2幕 場面 3
スモールビル高校。
日中。
クロエがトーチでコンピュータの前に座っています。
ジョナサンが入ってきます。

クロエ:(驚いて)ケントさん。
ジョナサン:ここが有名なトーチか。
クロエ:はい。
    想像してたより小さいでしょ?
     (彼女は立ちます)
    クラークを探してるなら今のところ会ってませんよ。

ジョナサンはビニル袋に入ったティーカップを取り出します。

ジョナサン:君を探していたんだ。
クロエ:ここでティーパーティーはやってませんよ。
ジョナサン:いや、君は調べ物をするのが非常にうまいからな。
       このカップから指紋を検出できるかい?

クロエが袋をとります。

クロエ:問題ありません。
     あの、指紋の持ち主の名前は?
ジョナサン:その名前が知りたいんだ、クロエ。
       カップに付いた指紋の持ち主を探している。
クロエ:(少し困惑して)
    分かりました。
    でも、もう少し詳しく教えてくれれば力になれるかも…
ジョナサン:クロエ、これは個人の問題だ、お願いだから詮索はしないで欲しい。
クロエ:分かりました。
    ええっと。
    すぐに知り合いに電話してみます。
ジョナサン:ありがとう。

クロエが電話を取りダイアルします。
ジョナサンは彼女の後ろに立って待ちます。
彼女が応答を待っている間、彼女は後ろのジョナサンに振り向きます。

クロエ:少し時間が掛かりそうです。
ジョナサン:分かったよ。

ジョナサンはオフィスを出て行きます。
クロエは彼の後姿を奇妙に見つめます。

第2幕 場面 4
クラークが農場に立っているとラナが車でやってきました。
日中。
停車して車から降りるとクラークが近づいてきました。

クラーク:もう荷造りしている頃だと思ってたよ。
ラナ:もうスーツケースは一杯よ、他の物を入れようとしたら爆発しちゃうかも。
クラーク:それでいつ発つんだい?
ラナ:明日の正午までに空港にいかないといけないの。
   (クラークがうなずきます)
   それでここに来たんだけど、
   あの、空港まで送ってってくれないかなって。
クラーク:(申し出に驚き)もちろんだよ。
ラナ:変な年になっちゃったけど、でもこんな蟠りを持ったまま行くのがいやなのよ。
クラーク:ラナ、君が幸せを望んでいると言ったとき、僕には分かったよ。

ラナはクラークの最後の言葉を聞いて話します。
彼女は明らかに何かを思っています。

ラナ:あなたがこの前の夜招待してくれた時、私に何か大切な話しでもあったんじゃない?

クラークは答えません。
ラナは突然静かに話しだし 彼女の言葉は差し迫ったようになります。

ラナ:クラーク、もし何か言いたい事があれば、私が行ってしまう前に話して。

クラークは決心するかのようにじっと彼女の目を見つめます。
ラナは嘆願するように彼を見ます。
彼は彼女に真実を話す決断をします。

クラーク:ラナ…

ラナはクラークの後ろに人影を見ます。

ラナ:その人は?

クラークが振り返り農場の外にいるカーラを見ます。

クラーク:(間があり)
      従妹だよ。

ラナ:一度も彼女の話をしたことがないわ。
   どこから来たの?
クラーク:遠くなんだ。
       カリフォルニア。
ラナ:じゃあいいわ、お客さんがいるんなら、他の人に当ってみるから。

ラナは車に向かって歩き始めます。

クラーク:ラナ。
     (ラナは止まります)
     君を見送るのは辛いけど、君のために一緒にいたいんだ。

ラナは喜んで微笑して車に乗り込みます。

クラーク:明日、車で話をしてもいいかい?

ラナは再び微笑して車を始動させます。
クラークが彼女が走り去るのを見送ります。
突然 カーラがクラークの後ろに立っています。
彼女が声をだすとクラークが振り向きます。

カーラ:彼女は本当にあなたを愛しているのね。
    でもそれは叶わないわ、分かってるでしょ。
クラーク:それは誰にも分からないさ。
      君にも。ジョー・エルにも。

クラークが家に向かって歩きだすとカーラは彼の後に従います。

カーラ:隠さなくてもいいわ、カル・エル。
    あなたがラナと共有するものは、疑いと痛みと悲しみでいっぱいの現実の愛よ。

クラークがカーラに振り返ります。

カーラ:私達の愛についてはあなたが思っている以上に深いものなのよ。
    あなたと私だけが唯一残ったの、カル・エル。
    私達だけがクリプトン星の種族を残す事ができるのよ。

クラークは返事をせずに冷淡にカーラを見ます。

カーラ:一緒に来て、カル・エル。
    帰ってきて。
クラーク:ここが僕の家だ。
カーラ:そう言うと思ったわ。
    でも遅かれ早かれ、ここであなたを知っている人たちは嘘をついてあなたを裏切るか、あるいは去っていくわ。

クラークが後ずさりし始めます。

クラーク:何と言われても絶対に君とは一緒に行かないぞ。

クラークが家の方に歩いていくと カーラは何か策がありそうな笑みを浮かべ見送ります。

中に入ったクラークはテーブルに手を着き息を詰まらせていました。
カーラの言葉は思った以上に彼に影響を与えました。
ドアがノックされるとクラークがそれに答えます。
若い配達人がポーチに立っています。

男:クラーク・ケントさん?

クラークがうなずきます。

男:お届け物です。

男はクラークに大きい封筒を見せます。

クラーク:誰からですか?
男:(封筒を読みます。)。
  ライオネル・ルーサーさんからですね。

男はクラークに封筒を差し出します。
クラークは一瞬驚いて封筒を受け取ります。
配達人が立ち去るとクラークは封筒を破って開けます。
彼は封筒を逆さまにして手の上に中に入っている物を出しました。
封筒から出てきた物は 普通の家の鍵のようです。
彼はじっと鍵を見ます。

第2幕 場面 5
レックスの屋敷。
夜。
レックスはカルテを見ながら書斎の机に座わっています。
彼は平机の前に立っているクロエに話をします。

レックス:(読んで)
       ジョンズ・ホプキンス。
       メイヨ・クリニック。

レックスはファイルを閉じて立ち上がるとクロエに近づき彼女にファイルを手渡します。

レックス:親父は西側のありとあらゆる有名な医療機関を訪ね回ったが、治療法がなく毎回家に返されたようだ。

クロエがファイルを見ます。

クロエ:考え直すつもりでいるの?
    レックス、手を引きたいのは分かるわ。
    お父さんは罪を償う必要があるけど、あなたの父親だし。
    それに死に掛けている。
レックス:ああ。
     親父はメトロポリスのVIPルームではなく、刑務所で息を引き取る事になる。

クロエがうなずきます。
レックスは進み出て彼女の肩に手を置きます。

レックス:だが君がまだやり通すと言うのであれば。
クロエ:(ためらって)
     そんな言い方は好きじゃない。

レックスはクロエの肩を放して壁の暖炉に歩きます。

レックス:クロエ、死に瀕した男は失う物はほとんどない。
     親父は死者を蘇らせるためにおかしな血小板の血清を作ったり、研究所の殺人を俺に擦り付けた。
     親父が刑務所に入らないためにはどんな戦術を使うか分かるだろう?

クロエがレックスに歩きます。

クロエ:ええ、でもFBIが私達の安全を保証したわ。
    裁判が終わるまで私とお父さんは保護される。
レックス:それがどうした?
クロエ:レックス、私を怖がらせようとしてるの?
レックス:俺は君が心配なんだ、クロエ。
     君が法廷に入る前に君の意見を聞きたい。

クロエが額にシワを寄せ考えます。

クロエ:(心を決めると)
      あなたのお父さんは長い間私を脅迫してたの。
     引き下がらないわ。

レックスは自信なくクロエを見ます。

第2幕 場面 6
ライオネルは格子の中で簡易ベッドの上に座っています。
夜。
クラークが入ってきて怒って鍵を上げます。

クラーク:これは何ですか?

ライオネルは振り向きません。

ライオネル:鍵。
        残念だが、我々が探しているものじゃない。
クラーク:もしあなたがゲームをしたいんなら帰ります。
ライオネル:クラーク。
        (ライオネルは立ち上がります)
       弁護士が君の名前が検察側の証人リストにあったと言っていた。

ライオネルは向きを変えて格子の端に向かってゆっくりと歩きます。
しかし端では立ち止まらず左右に行ったり来たりします。
クラークがじっとしています。

ライオネル:我々親子の争いレックスが君を味方につけようとしたんだな。
       私はおろかだった。
クラーク:そうですね。
       あなたは殺人犯です。
ライオネル:私は両親を殺していない、クラーク。
       確かに葬儀では涙を流さなかった。
       虐待する父親の言いなりになって、君をコントロールしようとしている事が分かっていない。
クラーク:あなたの息子がそうだ。
       レックスは今までにエキスパートです。
ライオネル:嘘とごまかしにおいてのエキスパートだ。
       鍵を持っているな。 それはドアの鍵だ。
        3階の東棟、ルーサーの屋敷の。
       見たら分かるだろう。
クラーク:僕はもう罠には掛からない。
      あなたの言う事を聞いて、サマーホルトでモルモットになった。

ライオネルは顔をケージにくっつけます。

ライオネル:クラーク、君を傷つけるつもりはない。
       君に教えたいんだ。
       答えが知りたいんだろう?
       その答えがある。
       信じられないような。

クラークが手の鍵を見下ろすとライオネルはじっとクラークを見ます。

フェイドアウト。

第3幕 場面 1
レックスの屋敷。
日中。
中ではクラークがドアに鍵を挿入して開錠すると部屋に入ります。
ドアが彼の後ろで閉まると彼はショックを受けた顔つきで部屋の下へと階段を降りていきます。
彼は部屋の壁沿いに歩いて、壁に彼自身の大きな黒と白の枠にはめられた写真を見ます。
近くには多分惑星を表している宙吊りの模型があります。
別の壁面には洞窟の壁の絵を引き伸ばした写真があります。
八角形の宇宙船のキーの回転している映像がモニタに映っています。
クラークが左側にあるもう一台のモニタを見ると、
レックスの車が橋の上でクラークにぶつかり川に落ちるシミレーションを移していました。
クラークの後ろには彼の写真と両親の写真もあります。
緑色の光が彼の顔を照らし始めると彼は突然苦しみだします。
彼は展示されている隕石のサンプルを見ます。
彼はガラスケースで覆われた隕石から離れドアに向かって行きます。
彼はレックスが階段の最上部に立っているのを見つけます。

レックス:結論を急がないでくれ、クラーク…
クラーク:(腹を立て)
      僕の調査はもうしないと言ったじゃないか。
レックス:止めたさ。
クラーク:止めたって?
      それじゃこれはどういうことだ?

レックスは階段を降りて来ます。

レックス:お前がこれを見てどう思ったか分かっている。
     だが実際、これは俺のことなんだ。
クラーク:全くのデタラメだろ。

レックスはクラークの後ろへ歩いて部屋の中を見回します。

レックス:俺は今まで生き残ってきた事に説明が付かないことが多すぎるんだ。
     俺はあの流星群から生き残った、そして全てはこの自動車事故から始まったんだ。

彼はモニタを見ます。

レックス:もし俺が何らかの罪を犯しているとすれば、不可解な事を知りたいという親父の好奇心を受け継いだのかもな。
クラーク:君はお父さんの不正直を受け継いだんだ。

レックスはクラークに振り返って彼に向かって歩きます。

レックス:クラーク、俺の目を見ろ、そして俺にお前の秘密を教えてくれ。

クラークが何も言わずに長い間レックスを見ます。

クラーク:君に出会ったときからずっと、僕は君を守ってきた、両親やピートみたいに君を悪くいう者から。
      「レックス・ルーサーは信頼ができる、いい奴だ。父親とは違う。」
      でも間違っていたよ。

レックスはクラークの言葉に傷ついています。
クラークがドアに目を向け歩きます。

レックス:クラーク!

クラークは後ろ手にドアを閉めて部屋から出て行きました。

第3幕 場面 2
ケント農場。
日中。
クラークとマーサは屋根裏で向かい合って座り話し合っていました。

クラーク:レックスが三年もの間僕を調査するために親友のふりをしていたなんて。
マーサ:分かるわ。
     あなたが一生懸命かばっていたのに。
クラーク:多分カーラは正しいよ。
      彼女は全ての友人たちが僕を裏切るって警告した。
     多分ここには僕の居場所がないんだ。
     もっと別の場所があるんだ。

マーサは立ち上がって彼の背中に手を置いて隣りに座ります。

マーサ:いいえ、そんな事ないわ。
クラーク:僕はジョー・エルにことごとく反抗してきた。
     母さん、それは事を荒立てただけだった。
マーサ:クラーク…
クラーク:僕は行ったほうがいいんだ。
マーサ:ああ、クラーク、なにもそんなに早く決断しなくても?
     ピートやラナが行ってしまうことはあなたにとって辛いことかもしれない。

クラークはうなずくと、突然ラナを空港に連れて行くはずであったことを思い出しました。

クラーク:ラナ。

第3幕 場面 3
メトロポリス国際空港。
日中。
ラナはバックを持って空港の外の歩道を歩いています。
彼女はキスを交わすアベックを通り越して不幸せそうに目をそらします。
彼女は歩道に沿って歩き続けます。
彼女はレックスを追い越したことに気付かず、レックスが彼女の腕を掴みました。

ラナ:(驚いて) レックス。
レックス:別れを言いに来たんだ。

ラナはバッグを下に置きます。

ラナ:裁判所にいるはずじゃ?
レックス:なに、待ってくれるさ。
      ラナ、君をこのスモールビルから送り出すのにチップ代わりに運転手をしてやれなかった。
ラナ:(感謝してほほ笑んで)
   レックス、あの、あなたがしてくれた事に何もしてあげられなくてごめんなさい。
レックス:君の運命はスモールビルのはるか向こう側にあるのは明らかだ。
     俺はただその手伝いをしたいだけだ。
ラナ:(彼女の微笑は大きくなります)
   こんなに素晴らしい友達がいたなんて、私の人生に関わってくれたことが嬉しいわ。

レックス:多分シャンゼリゼで君に会うかもしれないな。
ラナ:あなたもパリにくるの?
レックス:この二年は行っていない、だが今は行く理由がある。

ラナは微笑してしっかりレックスを抱きしめます。
道の反対側にクラークが彼らの抱擁を見ます。
クラークはラナに別れを言うために来ていたのは明らかで手に白いバラを持っていました。
けれども彼はレックスがすでにそこにいるのを見て、そしてラナが全く不幸に思われないとき彼は心を変えます。
クラークはバラを地面に落とします。
彼はラナとレックスがさようならを終わらせるのを見ます、そして次にレックスは歩き去ります。
ラナはバッグを拾い上げるためにかがみます。
彼女が通りの方を見るとクラークが立っているのに気付きます。
ラナはクラークが立っているところに走ります。
彼女が到着する直前に大きなシャトルバスが彼女の視界からクラークをかき消し通り過ぎます。
バスがいなくなるとクラークはもうどこにもいませんでした。
ラナは通りを渡り終えてクラークを捜し回ります。
彼女が見つけた物は地上に落ちている白いバラです。
彼女はかがんで悲しげにそれを見て拾い上げます。

第3幕 場面 4
メトロポリス裁判所。
日中。
クロエはドレスアップして法廷の外にいます。
レックスはスーツを着て彼女のところへ近づくと彼女は不安そうに腕時計をチェックします。

クロエ:レックス。
    クラークがまだ来てないの、裁判官がもしあと五分で来ないならお父さんの保釈準備を進めるって。
レックス:電話をしたか?
クロエ:ええ、家にも携帯にもしてみたけど出ないのよ。
    何かあったんじゃ、ラナとのことで。
    (レックスは目をそらします)
     レックス、何かあったの?
レックス:いや。
     クラークが心変わりをしていない事を望むよ。
クロエ:(理解できなく)
     あなたは彼の親友でしょ。
    どうしてそんな事をするの?

悲しい表情がレックスの顔を横切ります。
彼は応答しません。
クロエがレックスの背後にクラークを見ます。
クロエ:(安堵のため息)
    来たわ、間に合った。

クラークがレックスとクロエに歩きます。
彼は空港から直接来たようで普段着のままでした。

レックス:クラーク、おい…

レックスもクロエお見さえしないでクラークはそっけなく通り過ぎ歩き続けます。
クロエは困惑したレックスを見てクラークの後を追います。
レックスは残念そうに佇んでいました。

聴聞会の後、法廷を出るライオネル・ルーサー。
彼は警備員に囲まれ法廷の外に出ると、レポータの一団が待ち構えていて質問や写真を撮りマイクを突きつけていました。

レポータ:ルーサーさん!
     保釈要求を拒否された今のご感想は?

歩き続けながらレポータの質問に答えます。

ライオネル:(冷静)
       あー、私は無実を確信している。
       最終的には公正に裁かれるだろう。
レポータ # 2:あなたは控訴をしますか?

ライオネルは出口に向かって歩き続けます、そして大勢のレポータが彼の後に続きます。
クラークは群集のあとを歩きながら見ていました。

レックスはクラークに追いついて彼の肩に触れます。
クラークが歩くのをやめます。

レックス:クラーク、来てくれてありがとう。
     色んな意味でな。

クラークがレックスに振り返りません。

クラーク:君のために来たんじゃない、レックス。
      そうすべきだから来たんだ。

クラークは振り向きレックスの目をまっすぐに見ます。

クラーク:もう友情は終わったんだ。

クラークが立ち去るのをレックスは見送ります。

第3幕 場面 5
ケント家の納屋。
日中。
クラークは屋根裏で手すりに寄りかかりぼう然とした悲しみで地面を見つめていました。
彼はカーラに話をします。

クラーク:君の言ったことが本当になったよ。
カーラ:あなたが苦しむのはイヤだわ、カル・エル。
    あなたがここの人たちに素晴らしい感情を抱いているのは分かるわ、
    それにあなたがいなくなってしまったらみんな寂しく思うでしょうね。
クラーク:流星群からずっと僕は皆に苦しみ以外のことは何も持って来なかった。

カーラはクラークの後頭部に触れ、手を彼の背中に沿って降ろします。

カーラ:私と一緒に来て、カル・エル、彼女があなたの苦しみを和らげてくれるわ。

クラークがカーラを見ます。

クラーク:彼女って?
カーラ:あなたの実の母親よ。

クラーク:(期待して)
       ララ?
カーラ:彼女は本当にあなたがいないのを淋しく思ってたわ。
クラーク:でもどうして彼女は?死んだはずじゃ?

カーラはクラークの顔に触れます。

カーラ:彼女の愛は生き続けているわ、そしてあなたやあなたの人生の日々を包んでくれる。

カーラは頬に穏やかにクラークにキスします。
クラークが目を閉じます。
カーラはクラークの顔を引き寄せ額にキスをします。
クラークがカーラを見ます。

クラーク:用意はできたよ。

カーラはクラークの唇にキスをします。

フェイドアウト。

第4幕 場面 1
ケント農場。
日中。
ジョナサンとマーサが玄関からできてます。

ジョナサン:クラークがいなくなったのはいつからだ?
マーサ:3時よ。
     心配だわ、ジョナサン。
     あの子が言っていた事が…
ジョナサン:タロンに電話をしてくれ。
       私は洞窟を見に行ってくる。

ジョナサンが階段を下るとマーサは家の中に走り戻ります。
こちらに近づいてくる車があり、気付いたジョナサンは道路に出ます。クロエが車の窓から封筒を差出ました。
ジョナサンは彼女から封筒を受け取ります。

クロエ:ケントさん、例の指紋が照合できました。運命の壁に載っていたんです…それが奇妙で。

ジョナサンは封筒を開けて新聞紙を引き出します。
彼は内容を読んで不安な表情を浮かべクロエを見ます。

洞窟のクラークとカーラ。
二人は壁の割れ目に手を置いています。
二人は繋いだ手をあげると割れ目から目もくらむほどの金色の光が照らしだします。
強風が洞窟に吹きます。
カーラの目は閉じられ、クラークは不安そうに彼女の方に目を向けます。
彼の視線を感じたかのようにカーラは目を開いて自信を持ってほほ笑んでクラークを見ます。
クラークは壁に向き深呼吸をし準備を始めます。

ジョナサンは二人の後ろ走ります。
強風のためジョナサンは叫びます。

ジョナサン:クラーク!
        待て!

クラークがカーラの手を放して振り向きます。

ジョナサン:彼女の名前はカーラじゃない。
        彼女の名前はリンジーだ、それにクリプトンから来たんじゃない。
クラーク:父さん、何の話をしてるんだ?

カーラはクラークの腕をつかみます。

カーラ:無視して、カル・エル!

ジョナサンは封筒を上げます。

ジョナサン:クロエが調べてくれた、十六年前に万引きして逮捕された少女と彼女の指紋が一致した。

ジョナサンは封筒から新聞紙を取り出しクラークにそれを手渡します。
カーラの写真の載った記事は、現在の彼女と全く同じ年齢でした。
新聞の見出しは「スモールビルで殺された女性…行方不明か」と書かれています。
クラークの後ろには金色の光が壁から光り続けます。

ジョナサン:(カーラに)
       君の名前はリンジー・ハリソンか。
カーラ:私の名前はカーラよ!
ジョナサン:君は流星群の日、母親と一緒にドライブをしていた。
       ルート8号線で車に当った。
        この洞窟の近くだ。

カーラは怒ってジョナサンをにらみつけます。

ジョナサン:クラーク、リンジーの遺体は見つからなかった。

クラークが写真とカーラを見比べます。

クラーク:君は年をとっていない!
カーラ:それはずっとあなたを待っていたからよ!
     (彼女は壁の方に向きます)
    あそこでね!
ジョナサン:違う、リンジー!
       ジョー・エルが君を使ったんだ。
       奴は君の人生をすっかり取り去り、クラークを誘惑するために作り変えたんだ!
       二人ともすぐに私とここを出るんだ!

壁からジョー・エルの声が聞こえてきます。

ジョー・エル:カーラ、カル・エルと一緒に行くんだ。

クラークが壁の方に向きます。

クラーク:(激怒して)
      僕はどこにも行かない!
      あなたが欲しがっているのは僕のことじゃない!

明るい白い光のフラッシュがありカーラは視界から姿を消します。

クラーク:彼女に何をしました?!

ジョー・エル:彼女は目的を果たした…ジョナサン・ケントのように。

炎のロープのような黄色味掛かったオレンジのエネルギーの帯が壁から飛び出してジョナサンの首の回りに巻き付きます。

ジョナサン:ああっ!
クラーク:父さん!

ジョナサンは首からエネルギーの帯を引き離そうとして膝を落します。
クラークが後ろの壁に向きます。

クラーク:僕の父さんを放せ!
ジョー・エル:彼は前から死ぬ定めだった。

クラークはエネルギーの帯にもがき苦しんでいるジョナサンに振り返ります。
クラークは左右を見交わし、文字通り二人の父親の間で立ち往生していました。

ジョー・エル:(急いで)
        私の元に来るんだ、カル・エル。
ジョナサン:クラーク!
       私は充実した人生を送ってきた!
       お前が自由になれるのなら、私はどうなっても構わない!
クラーク:自由なんていらない!
ジョナサン:クラーク!
       だめだ!

クラークはジョナサンの言葉を無視して壁の方に向きます。
エネルギーは壁に彼を引き寄せます。
クラークは恐れと戦っていると、体全体が細かな粒子になって壁の中に吸い込まれていきました。
ジョナサンの首の周りのエネルギーは彼を解放し地面に倒れ気を失いました。
洞窟は暗くなり静寂がやってきます、そしてジョナサンは地面の上で動かなくなっていました。
クラークは消えていました。

第4幕 場面 2
ライオネルは独房の真ん中で一人椅子に座っています。
日中。
警備員がドアを開けると筋肉隆々の腕に刺青をした長い髪とアゴヒゲを生やした男が入ってきました。
その男はタンクトップを着てがっしりとした腕を見せていました。
男がライオネルに近づくと格子のドアは閉まります。
ライオネルは男に目を上げます。

ライオネル:やってくれ。

男はライオネルに近づきライオネルの髪を掴むと頭を傾けさせます。

その頃、
マーサは玄関から出て心配そうな表情で遠くを見ていました。
何か妙な感じです。
彼女はポーチを降りだします。

ライオネルは独房で彼の椅子に座ったままじっと前方を見つめていました。

黒い車が走ってきます。
その車が停車すると、ナンバー・プレートには「合衆国政府」書かれていました。
車からはクロエと彼女の父親のガブが降りてきます。
彼女が以前レックスに言ったようにFBIの保護の下、新しい場所で新しい家に移ることになりました。

男は電気バリカンを ライオネルの頭に当てます。

レックスは 屋敷の書斎でブランデーをグラスに注いで口に運びます。

ライオネルの頭頂部の髪の毛はバリカンで刈られ細長いラインを作りました。

マーサは階段の下に降りショックを受けた表情で家の前のフィールドに向かって歩きます。

ライオネルの頭を刈っている男はライオネルの長い髪の大きな固まりを床に落とします。

クロエとカブは家に荷物を運びます。
ガブはドアの取っ手に手を伸ばします、そしてクロエは不安そうに政府車に振り返ります。
車が走り去るとき助手席のエージェントはクロエににっこり笑います。

ライオネルの右頭部ほとんど刈り込まれました。
彼はまだ前方を穏やかに凝視しています。

レックスはブランデーをたっぷり飲むとグラスを口から放し目を閉じます。

男はライオネルの左頭部を刈り出します。

マーサは不安を増大させパニックになりフィールドに向かって歩いていたのが小走りになります。

ライオネルの髪は顔から膝に向かって落ちます。

ガブが玄関を開けて新居の中をのぞきます。
クロエは笑顔のまま振り返って家の中に入る父親を見ます。
クロエが好奇心を持って彼について入ります。

ライオネルの髪の束は膝に落ちます。

クロエが後ろ手にドアを閉じると突然閉じられたドアの窓から地面を揺さぶるほどの爆風に包まれる彼女の姿がありました。
家全体が次々と爆発していきます。

バリカンがライオネルの頭からもう一筋のラインを作るときライオネルは恐ろしいほど冷酷な顔で前を凝視していました。

マーサはフェンスのところで煙に燻られながら燃え上がる炎を見つめていました。

レックスはショックと苦痛の表情を浮かべ喉を押さえ倒れかかります。

ライオネルの髪の束が脚の前の床に落ちます。

レックスはガラスのコーヒーテーブルに倒れテーブルを粉々にします。
彼は床に倒れました。

バリカンがライオネルの後頭部に掛かったときライオネルは少し顔を傾けます。

マーサが見ているとフィールドの火は突然円と三角形が交差した線からなる巨大なクリプトンのシンボルを浮かび上がらせます。

ジョナサンは洞窟の中で倒れたままでいます。
目は閉じられ口は少し開いていていました。

男はライオネルの後頭部を刈り続け髪を落とします。

ケント農場のフィールドではクリプトンのシンボルが炎で形作られています。

レックスは喉を押さえて痛み悶え苦しんでコーヒーテーブルのガラスの破片の上に横たわります。

男はライオネルの肩と背中に集った毛にブラシをかけてから出て行きました。
頭を下げてライオネルは椅子に座ります。
彼は完全に坊主頭になっていました。
彼は頭に手を当て撫で回します。
満足そうな顔つきが彼の顔に浮かび上がっていました。

ライオネル:ありがとう。

ライオネルは少し微笑します。

クラークのいる場所は不明瞭で水中のいるような感じでチカチカと光っていました。
ジョー・エルの声が聞こえてきます。

Jor-El: Kal-El, my son.
ジョー・エル:カル・エル、私の息子よ。

クラークは頭を上げて見回します。
クラークはシャツを着ていませんでした。

ジョー・エル:今お前は再生するのだ。

クラークは全裸で、胎児のように丸くなって眠っていました。
彼は少し震えます。
大きな三角形の子宮のような中に横たわっていました。

フェイドアウト。

おしまい

シーズン4につづく・・・かな?