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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

訳者編集後記
  初めて編集後記を書きます。
  最後に書くのが編集後記なんですけども、読まれる前に言い訳をしたくて先に書きます。
  クラークとロイスの会話なんですが、原文の英語と合っていないかもしれません。
  あまりにも比喩が多すぎて何て言っているのか不明なんです。特にロイスが。
  多分こんな感じじゃないかなと思いつつ翻訳しました。
  違う本当はこう言ってるんだと分かる方は是非メールか掲示板にお願い致します。
  それとロイスの父親、サム将軍の階級ですが、
  アメリカの基準で、一つ星:准将、二つ星:少将、三つ星:中将、四つ星:大将、五つ星:元帥を採用しました。
  ですので将軍又は中将と表記しております。カナダなら大将になります。

シーズン4.02Gone[去る]

第1幕 プロローグ
クラークとロイスはトウモロコシ畑を一望する草の茂る丘を歩いています。
日中。
空は薄い灰色の雲で覆われています。

クラーク:信じてもらえないかも知れないけど、信じて欲しい。
     クロエはあの墓に埋葬されていないんだ。
ロイス:どうしてそんな事が分かるの?
    ねえ、私の方が誰よりもクロエが生きていて欲しいと思ってるわ。
    でもあなたの直感だけでは何もならないのよ。
クラーク:もし僕がその場にいたら、こんな事にはならなかったんだ。
ロイス:オーケー、あなたが分からないわ。
    あなたって半分はおとなしい子に見えるけど、もう半分は異常に過激なのね。
クラーク:君にそんな事したかな?
     直ぐに人を判断するのかい?
ロイス:ええっ自分の事でしょ。
    そんなに分かりにくい性格なの。

クラークとロイスが丘の頂上に到着するとその場所は警察の黄色いテープに囲まれていました。
その焼け跡には焼け爛れた車もありました。
焼け残った数本の柱も立っていました。

ロイス:[小さな声でショックを受け]
    これがクロエの隠れ家なの?
クラーク:その残骸だな。

彼らは歩くのを止めて畏怖して焼け跡の有様を凝視します。

ロイス:なんてことなの、クロエ。
    一体何があったの?

クラークが焼け跡に入るために警察のテープを持ち上げるとロイスが後に続きます。
彼らは瓦礫の中をゆっくりと歩きます。

ロイス:こんなところで何を見つけようとしてるの?
クラーク:分からない、でもFBIはこの事件を封印したんだ、検死報告さえも。
     変だと思わないか?

ロイスはいっそう不安になって残骸を見回します。

ロイス:もし私が目撃者でFBIに関わっていたら。
クラーク:多分彼女は爆発の前に外に出てたんじゃないかな。
ロイス:FBIは内で歩いたと言っていたわ、クラーク。
    こんな状態で生き残ってるはずがないわ。
    ねえ、クロエは生きてはいないわ。
    でも私はこんな事をした犯人を見つけ出すわ。

雷が遠くで轟きます。

ロイス:クラーク、ここから出ましょう。
    この場所は何かイヤだわ。

クラークとロイスは雷でない別の轟を聞きます。
突然、黒いヘリコプターが二人のいる場所に現れプロペラの起こす風を吹き付けました。
驚いた二人は見上げます。
ヘリコプターは空中に停止します。
そして黒い戦闘服を着た二人の男たちがヘリコプターからロープを伝って地上に降りてきました。
彼らはヘルメットをかぶって、そして大きい銃を背中に結び付けていました。

クラーク:[ロイスに]
     走って!

ロイスは二人が登ってきた丘に向かって走り出します。
二人の男たちが地上に着地するとロープを解き、そしてヘリがロイスを追いかけます。
男たちの一人が焼け跡に飛び込みクラークに銃を向けます。
クラークは男の手から銃を叩き落し男を投げます。
男は宙を舞い焼けた車の上に落ち気を失います。
ロイスは草の茂る丘を駆け降り続けます、しかしヘリコプターは彼女に追い迫っています。
ヘリのドアからもう一人黒い戦闘服を着た男が顔を出していました。
ヘリはロイスの頭上スレスレを飛びロイスは前のめりに転びます。
ヘリが彼女を追い越しトウモロコシ畑の向こう側でUターンしてくると彼女は立ち上がります。
それを見ていたクラークが丘の上にロイスに向かって走ろうとするともう一人の男に止められます。
男は弾丸ではなくテイザー銃をクラークに撃ちます、
しかしクラークの傍にあった木のフレームに当りクラークは銃を取り上げ男を突き飛ばします。
ロイスはトウモロコシ畑にたどり着き幅の狭い通路を駆け降ります。
ヘリは彼女の後を追います。
彼女は止まって周りを見回し方向を変えます。横に走り抜けてトウモロコシの狭い隙間を掻き分けて進みます。
彼女が未舗装の道路に出るとヘリは彼女の頭上に待機してました。
ドアにしがみついていた男は地面に飛び降りロイスに向かって走ります。
クラークが何が起きているのか見るために丘に超スピードを出します。
彼は黒い服を着た男がロイスに近寄って話しかけているのを見ます。
男はロイスの顔を殴ろうとします、しかし彼女は男の腕をふせいで男の顔を殴りつけました。
クラークはヒートビジョンをヘリに打ち込むと不安定になります。
ロイスは男と戦い続けます。
彼女は訓練していたのか専門的な技術と機敏さで地面に男を投げ飛ばします。
ヘリが未舗装の道路に沿って横滑りして地面に落ちたとき男は立ち上がります。
ロイスは男のヘルメットの脳天を踵落しで蹴ると男は背中から倒れ気を失いました。
クラークがロイスの後ろへと超スピードを出します。

クラーク:ロイス!

ロイスは少しほほ笑んで振り向きます。

ロイス:さあ、突っ立てないで。
    早く。

ロイスはクラークに向かって走ってくると彼の腕を掴んで引っ張りヘリから離れます。
葉巻を銜え野戦服とサングラスを身に着けたサム将軍がヘリから出てきます。
ロイスとクラークが逃走しているのを見ると彼は怒ってサングラスをはぎ取ります。
もう一人の黒い服を着た男がサムに駆け寄ります。
ヘリの爆音に叫んでいました。

男:失敗しました、将軍!
サム:[葉巻きを口から取り]
   見つけるんだ!
男:イエッサー!

黒い服を着た男が走り去るとサムは口に葉巻きを戻します。

第1幕 場面1
ケント家、バスルーム。
日中。
クラークはシャワー・カーテンを閉めシャワーを浴びていました。
ロイスが入ってきます。
彼女はクラークの木綿のシャツを着ていて少し髪が湿っていました。
タオルを肩に掛けている彼女は鏡の前に立ち髪を乾かしていました。

ロイス:「北北西に進路を取れ」みたいな血沸き肉踊るようなアクションは好きじゃないわ。

クラークはシャワーを浴びている時にロイスが浴室に入ってきたことにショックを受けます。
彼がカーテンを少し開け覗くと、ロイスはシャツ以外の何も身につけないのを見ます。
彼はカーテンを閉じます。

クラーク:[困ったように]
     あのさ、バスルームは交替で使うはずだろ。
ロイス:あら、私が最初でしょ。
    あなたって長風呂なのね。
    [彼女は髪にブラシかけます]
    それに私がこの町についたときにチラッと見たけどデリケートな私の感性は不快じゃなかったわよ。
    そのー、君のジュニア君は。
クラーク:僕の両親はウッドストック・フェーズみたいなミスしたんだよ。
     [クラークは水を止めます]
     それにしまいには僕を男女共学の学校に入れたときには有頂天になってたし。

クラークはカーテンの隙間からロイスがこっちを見ていないのを確認すると
手を伸ばしてラックからタオルを引っ張りました。

ロイス:[興味をそそられ]
    しまいにはって?
    模範生の君みたいな子でも秘密を持ってるんだ。

クラークは腰の周りにタオルを巻きつけシャワーから出てきます。

クラーク:そんなの忘れてくれ、いいね?
    [シャツに気付き]
    そのシャツは僕のだ。
ロイス:一番きれいだったのを見つけたの。

イライラしてクラークはドアに向かいますかロイスが立ちはだかります。

ロイス:ねえ、今朝のヘリとの鬼ごっこのは秘密にしておきましょう、いいわね?
クラーク:ああ。
    [皮肉ぽく]
    僕は口を閉じておけないからね。

クラークが浴室を出るためにドアを開けるとマーサが洗濯をしたタオルを抱えて廊下に立っていました。
マーサはドアの後ろにいるロイスを見ません。

クラーク:母さん。

クラークはロイスが見えないことを確認してドアを閉じます。

マーサ:[明るく]あら。
クラーク:帰ってきてたの。

マーサは微笑して頷きます。
ロイスはクラークの後ろから出てきて爪先立ちにクラークの肩越にマーサを見ます。

ロイス:[笑顔で]
    こんにちは、ケントさん。

マーサはロイスとクラークを見て口をあけます。
クラークが不器用にマーサを見つめているとロイスは微笑し続けます。
彼には何の言い訳もできませんでした。

第1幕 場面2
エッフェル塔。
日中。
ラナはアパートでノートパソコンでいくつかの写真を調べていました。
彼女はシャツを纏っていますが、背中の下の方にあるシンボルの形をした刺青が見えていました。
モニタにはスモールビルで撮った数枚の写真があります。
クラークの画像をクリックするとモニタに拡大表示されます。
写真はクラークがカワチ洞窟の石壁の前立っているところでした。
近づいてクラークの後ろの壁を調べるとシンボルが描かれていて
そのシンボルと彼女の背中にある形は一緒でした。
彼女は立ち上がって鏡の前に行くと刺青を見て不安を増大させます。

第1幕 場面3
ケント農家。
日中。
台所でクラークとロイスはジョナサンとマーサの前に並んで立っています。
クラークは服を着ています。
ロイスはまだクラークのシャツとジーンズを身につけています。
マーサとジョナサン疑い深くクラークとロイスを凝視しています。

ロイス:大したことはしてないわ。
    私達はシャワーを浴びていただけよ。
クラーク:僕だけだろ。
     別々にシャワーを浴びていたんだ。
マーサ:[懐疑的に]
    お昼に?
ロイス:[ウソをつこうとして]
    私達はただ…
クラーク:[真実を話します]
     二人でクロエの隠れ家に行ったんだ。

ロイスはクラークをにらみます。

クラーク:そしたら男達が現われて畑の中を追いかけてきたんだ、それで汚れたんだよ。
ジョナサン:[進み出て怒ります]
      クラーク、それは連邦犯罪現場だろ。
      最もやって欲しくないのはお前たちがFBIに関わって欲しくない事だ。
ロイス:たとえ誰であっても、あいつらがヘリから降りて来てたのは畑の真ん中だったから顔は見られてないわ、
    だから心配ないのよ。

クラークはロイスが真実を語ることに対して腹を立て目を閉じます。
ジョナサンとマーサは深刻にお互いを見ます。

ロイス:そんなのって苦痛だわ、それにこれは家族の問題じゃないの、だから…
    私なりの方法でやります。

ロイスはバッグを取り上げ階段に向かうと途中でクラークに囁きます。

ロイス:がんばってね。

クラークは文句を言おうとしましたがロイスは階段へと走って行ってしまったので無言のまま彼女をにらみました。
ジョナサンはクラークに近づきます。

ジョナサン:[静かな、そして厳しい]
      ヘリを壊さなかっただろうな。

クラークはやましげにジョナサンを見ます。

第1幕 場面4
刑務所。
日中。
ライオネルはオリの中で半分仕立てられたスーツを着て等身大の鏡の立っていました。
仕立屋が採寸しながらチョークでスーツに印を付けています。
レックスがライオネルの背後のドアから入ります。
ライオネルは鏡で彼が入ってきたのを見ます。

レックス:新しいスーツは無駄になるぞ、親父?
ライオネル:私はそうは思わん、レックス。
      たとえサリバンが生きていて私に不利な証言をしたとしても、
      陪審員が私を有罪にしないことは分かっているはずだ。
     [彼はレックスと向かい合うために振り返ります]
     すまないな、レックス。
レックス:すまないか、それは彼女を殺した事か、それとも邪魔になったからか?
ライオネル:私の謝罪はお前に対してだ。
      お前が私を裏切ればこんな結果になる事を予測できたはずだ。
レックス:[少し声を上げます]
     この脅威から救う事ができるぞ。親父。
     俺は親父が考えているほど簡単じゃない。

ライオネルは仕立屋の場所からレックスに向かって歩きます。

ライオネル:色んな試練にあって強くなったものだな。
      だが今回は違う。

ライオネルは顔をオリに触れるほど近づきます。
彼の声は静かで、そして脅威に満ちています。

ライオネル:お前は決してそれがいつ起きるのか知らないだろう、しかし必ず起きる。
      お前が飲むワイン、ドアを開ける時…お前の友人たち。
      お前にはもう平穏な日々はない。

レックスは黙っています。
彼の唇は少しぴくっと動き後退することを拒否してオリに近づきます。
ライオネルはレックスから顔をそむけて仕立屋にほほ笑んで鏡の前に戻ります。
レックスは鏡の前に立つ父親を見つめます。

第1幕 場面5
レックスは書斎で赤ワインをグラスに注ぎます。
日中。
ワインボトルを目の前に差し上げライオネルの言葉を思い出します。
誰かが彼の後ろのドアから入ってきます、そして彼が振り返るとその人物はラナでした。
レックスはグラスを置くとラナは微笑しながら彼に向かって歩きます。

レックス:元気そうだな。
ラナ:[微笑しながら]
   ありがとう。

彼らは抱きしめあいます。

レックス:久しぶりだな。
ラナ:久しぶりね。
レックス:君からの連絡じゃ、まだ要領を得ないな、ここで途中下車して戻ってくるつもりなのか。
ラナ:しばらくの間よ。
   パリは私には合っているわ。
レックス:そうか。
     [ソファに向かって歩きます。
      彼の口調はからかっています]
      博物館に夜のジャズクラブ、セーヌ川沿いの散歩。
      俺には退屈に思える。

ラナはレックスの後に従い二人並んでソファに座ります。

ラナ:電話で話したことを話しておきたくて。
レックス:少し不可解だな、だが俺に相談とは。
     君は帰省のためいい日を選んだ。
     知ってるか、クラークもまた帰ってきた。
     興味深いタイミングだ。
ラナ:[軽べつ的に]
   変よ、クラークのことは聞いた覚えはないわ。
   [話題を変え]
   実は、タロンが板で塞がれていたからここに来たの。
   もう売ってしまったと思って。
レックス:ああ、まあ、少しトラブルがあってな。
     [ラナは好奇心旺盛にレックスを見つめます]
     どうしてだ、誰か代わりの者を見つけたのか?
ラナ:[微笑して]
   ううん。
   あのー、違うの。
   あそこのアパートを借りたいのよ。

レックスは頷いて笑みを浮かべます。


第1幕 場面6
ケント農場。
日中。
クラークがリビングルームのソファーで寝ています。
彼は青い毛布をかけうつ伏せに寝ます。
顔は枕に埋めていました。
ロイスは自分の服を着て階段をそおっと降りてくると、リビングルームのクラークをちらっと見ます。
彼はかすかに動きますが目を覚ましません。
ロイスは玄関に行ってそおっとドアを開け出て行きました。
クラークはもう一度寝返りをしますが起きませんでした。

クロエの墓石前。
ロイスが息を荒げています、彼女は墓を掘り起こしていました。
既にかなりの深さまで掘っています。
堀るのを止め辺りを見回す彼女の顔は汗まみれで泥で汚れていました。
それからシャベルを掘り返した土の上に挿します。

ロイス:クラークが正しいことを祈るわ。
    さもなきゃ問題になるわね、クロエ。
    オーケー。

彼女はひざまずいてクロエの棺の上にかかっている泥を払いのけます。
棺の蓋が見えると彼女はためらいます。
それから彼女は目を閉じてゆっくりと棺の蓋を引き上げます。
蓋を開けるとロイスはゆっくりと目を開いて驚きます。
棺の中は空でした。

ロイス:[ほほ笑んで]
    正しかったわ。

ロイスは棺を閉じて立ち上がります。
若者、トレントがロイスの数メートル後ろ木の脇に立っていました。

トレント:クロエ・サリバンはどこにいるんだ?
ロイス:[向きを変えます]
    あなたは一体誰?
トレント:[脅迫的に]
     彼女の居場所を言った方が身のためだぞ。

トレントがロイスに向かって歩きます。
彼の頭はスキンヘッドに近い状態です。
彼は黒いシャツと黒いパンツと茶色のトレンチコートを身につけています。
ロイスは墓から飛び出しバッグの中からマスタードスプレーを取り出します。
彼女がトレントに近づきながら蔭にそれを隠します。

ロイス:何なの?
    あの時私を捕まえられなかったから、上司があんたを送ってきたわけ?
    ふざけないでよ。

ロイスとトレントは面と向かって立っています。
トレントが背中で右の手を握ると大きな銀色のブレードに変化しました。
それから彼は腕を前に出しロイスにブレードで切りかかります。
彼女はトレントの目にスプレーをかけようとします、しかし彼は彼女を殴り倒しシャベルの脇にスプレーを転がしました。
トレントが再びロイスに切りかかります、彼女は後ずさりします。
トレントのブレードは近くの墓石に当り墓石を切り倒します。
誰かがシャベルとスプレーを拾い上げます。
トレントがロイスにかがみ込んでブレードを持った手を引き切り掛かろうとしたその時、
突然誰かがシャベルでトレントの後頭部を殴りました。
彼が振り向くとラナが彼の目にスプレーを掛けました。

トレント:ウワァッ!

トレントは目を押さえ地面に倒れます。
ラナはシャベルを放るとロイスの所に行き立ち上がるのを助けます。

ラナ:大丈夫?

二人はトレントがどこで倒れているか見定めようとしました。
彼はいなくなっています。

ロイス:一体どこに行っちゃたの?
    あの変質者は。
ラナ:[クロエの墓を見て]
   こんな真昼間にお墓を掘るなんて変よね。
ロイス:実は、私がやったの。
   [ラナは奇妙な顔でロイスを見ます]
    従妹のお墓なのよ。
   [手を差し出します]
    ロイス・レインよ。

ラナは握手をします。

ラナ:ラナ・ラングよ。


第1幕 場面7
クラークが庭でトラクターを直していました。
日中。
ラナの車がやって来て庭の外に停まります。
ラナが車から降りてくるとクラークはレンチを下に置いて微笑んで車に向かいます。
彼女は浮かない顔をしていました。

クラーク:ラナ。
     戻ってきたんだ。
ラナ:[不器用に]
   ええ、クラーク。

ロイスが助手席から降りてきたのを見てクラークは驚きます。

クラーク:ロイス。
     どうして二人が…
ラナ:さっき会ったばかりなの。
   クロエのお墓参りに行ったのよ。
ロイス:[ラナに]
    私の命を救ってくれた部分を省略してるよ。
    [クラークに]
    どこかの不良がクロエのお墓で私を襲ったのよ。
ラナ:ねえ、クラーク、もし本当にクロエが生きているって言うんなら、彼女を見つけるのを手伝うわ。
クラーク:あー、ラナ…
     君の気持ちは嬉しいんだけど、まだ何も分かってないんだ。
ラナ:分かったわ。
クラーク:パリから戻って来たって事は、探しているものが見つかったんだね。
ロイス:[割り込みます]
    ちょっと!
    地球上で最もロマンチックな町で暑い夏の思い出なんか誰も聞いてなんかないわよ。

ラナは恥ずかしそうにロイスとクラークをちらっと見ます。
クラークが不審そうにラナを見ます。

ラナ:[クラークに]
   あなたに話すつもりだったんだけど。
クラーク:[傷ついて]
     平気だよ。

ロイスは理解して二人を見ます。

ロイス:本当に?二人が?
クラーク:僕らは…
ラナ:そうじゃないの。
クラーク:…何でもない。
ラナ:複雑なのよ。
ロイス: [うんざりして]
    複雑ねぇ。まっ、気にしないわ。

ラナとクラークはもう一度顔を見合わせます。

ラナ:じゃあ、もう行くね。

ラナはソワソワして笑って車に戻って歩きます。

ロイス:面倒な事になったわね。

クラークは返事をしません。
ロイスはラナに振り返ります。

ロイス:ふられて火がついたみたいね。
クラーク:君のために毎日の葬式をしてやるよ。
ロイス:私がそうなったらね。

ロイスは家に向かって歩き、途中で車で去って行くラナにチラッと振り返りました。クラークはその場に佇んでいました。

第1幕 場面8
クラークの屋根裏。
夜。
月は星空に白く輝いています。
ロイスはクラークの後を追いかけ階段を登ってきます。

ロイス:聞いてよ、本当にここにきて何か見つけたと思うんだ。
    自分で調べたのよ、そしたらルーサー・コープがクロエのお葬式の費用を払ったんだって。
    どうして彼らがそんな事をするのよ?
    意味が分からないでしょ。

クラークは返事をしません。
二人は階段を登り続けます。

ロイス:真の問題は誰が、何故、空の棺を埋めたかだわ?
    そうでしょ、クラーク?

彼らは最上部に到着します、そしてクラークは何も言わず考え込んだままでした。

ロイス:クラーク?

クラークはぼんやりとロイスの方に向きます。

ロイス:うわーっ、彼女に夢中なのね?
    [クラークは理解しません]
    ラナでしょ?
    キュートで、頭が良くて、勇敢で…それに他にもいっぱい。
    あなたが彼女に夢中なのは分かるわ。
クラーク:なあ、そんな話じゃないだろ、それにその話はしたくない。
ロイス:お好きなように。

ロイスはソファーに行ってバッグからノートバソコンを取り出し開いて座ります。
クラークはロイスに背中を向けますが、結局彼もその事を話したいと思いました。

クラーク:それはただ…
     彼女が他の人とデートしている事ぐらい知ってたさ。
ロイス:でも?
クラーク:[ロイスに振り返ります]
     分からないよ、君みたいに何でもかんでも知りたがって…
ロイス:あなたはそんな事知ろうともしないでしょ。
クラーク:[失望し]
     いつでも人の考えを中断させるんだな?
ロイス:だって、そうでしょ?

クラークはロイスが正しい事に目を伏せます。

二人が会話を続けようとする前に、ヘリコプターの音が屋根裏の外に聞こえます。
目もくらむほどのサーチライトが窓を通して中を照らし出します、
そしてプロペラの起こす風が屋根裏に瓦礫を飛ばします。
クラークは何が起こっているか見るために窓に走ります。

ロイス:[クラークの腕を掴んで]
    早く!
    逃げるのよ!

彼らは階段に走ります、しかし彼らがそこに着くのとちょうど同時にサム将軍が彼らに向かって階段を登ってきました。
彼は冷淡にクラークを凝視します。
それから目をロイスに向けます。

ロイス:[恐れずに]
    ハーイ、パパ。

クラークはロイスに頭を動かし驚きました。
ロイスは彼にほほ笑みます。

フェイドアウト。

第2幕 場面1
サムとロイスは屋根裏から立ち去ります。
夜。
サムは火の付いていない葉巻きを持っています。

サム:理解してくれていると思っていたよ。
   あの犯罪現場には近づくな。
ロイス:パパはペンタゴンにいるはずでしょ。
サム:ふん。
   演習の監督のためフォートライアンに派遣されたんだ。
ロイス:私を見張るためにでしょ。
    そうでしょ、ボス?
サム:[歩くのを止め]
   よせ、ロー。
ロイス:どうして?
    私がここに来たのは間違いないわ。
    夕食に遅れるわ、鳥料理なんだって。

ロイスは家に向かって歩きます、そしてサムは彼女の後を追います。

ジョナサンがトレーをオーブンから取り出し、マーサはダイニングテーブルで夕食の準備していました。
クラークがマーサの脇に立っています。

クラーク:[不満顔で]
     あの人まで夕食に招待するなんて。
ジョナサン:クラーク、レインさんは三つ星の将軍だ。
      少しは敬意に値すると思うが。
クラーク:[それに反論しようとして]
     母さん。母さん…

サムとロイスが台所に入ります。

サム:[親しげに]
   これはこれはケントご夫妻。
   もう一度礼を申し上げます。娘を見張っていて下さって。

マーサは微笑します。
サムは葉巻きジョナサンに差出し。

サム:Chaveloですがいかがかな?

USAでも有名な葉巻にジョナサンも手を伸ばしかけましたがやめました。

ジョナサン:いや、私は、あー…
      心臓が悪いので。
サム:[マーサに]
   今夜のもてなしはまた今度という事にしてもらえませんかな、ケントさん。
マーサ:いつでも歓迎いたしますわ。
    [彼女はサムに握手をします]
サム:ありがとう。
   [ロイスに]
   早くしなさい、ロー。

ロイスはクラークに近づき彼に抱擁します。
彼は彼女の優しい行動に困惑します。
彼女は彼の耳の中にささやきます。

ロイス:クロエの事よ。
    クラーク、ルーサー・コープとの関係を見つけて。

ロイスはクラークから離れ気付かれないように彼にほほ笑みます。
彼女は出て行きます。

サム:では、おやすみなさい。
ジョナサン:おやすみなさい。

サムは去ります。
ジョナサンはまだロイスの言葉に驚くクラークを見ます。

第2幕 場面2
レックスはシュトッカー捜査官と一緒に書斎にいます。
日中。
彼らはコンピュータのモニタを見ていて、
レックスのプライベートジェットがドアを剥ぎ取られた時のシミュレーションを映していました。

シュトッカー:私にはジャカルタとシャトルの事故に思えるが。
レックス:見事だな。

レックスはモニタに近づき飛行機のドアを示します。

レックス:それじゃあ、2万フィートの上空でどのようにジェットのドアが剥ぎ取られたか説明できるか。

シュトッカー:爆発物の痕跡は見つけられなかった。
     この証拠ではジェット機のドアは外からの力によって剥ぎ取られた…手で。
レックス:[不確かに]
     すまないが、ジェット機の外から人間が開けたと言うのか?

ドアが開く音を聞き、クラークが部屋の中に入ってきます。
レックスは彼を見て驚きます。

レックス:シュトッカー捜査官、席を外してくれないか?

レックスはリモコンを取るとシュミレーションを止め、シュトッカーは出て行きました。
クラークはレックスを見つめてドアの近くに立っています。

レックス:また俺と話をしてくれるのか?
クラーク:[冷たく]
     それしかないならな。
レックス:親友から格下げか。
    [悲しんで]
     それで俺の信用を回復してもらえるんなら、話を聞こう。
クラーク:分かった。
     クロエを探すのを手伝って欲しい。
レックス:おいおい、お前との仲を元には戻したいが、いくらなんでも墓から遺体を引き上げる事じゃないだろ?
クラーク:レックス、クロエは墓にはいない。

レックスは目をそらします。
クラークがゆっくりと彼に向かって歩きます。

クラーク:彼女は君の父親の裁判で要だった。
     君はあのエリアを隈なく調査させたはずだ。
     何を見つけたんだ?

レックス:少しコネを使ってFBIにおかしな詳細を公表しないように依頼した。
     実際、爆発の痕跡は全て回収した、そしてクロエの棺が空だったわけは…
     何も残ってなかったからだ。

クラークはショックを受け目を伏せます。
彼の目はレックスの机にあてもなくさまよいます。
彼はChaveloの葉巻きが灰皿で揉み消されていたのを見つけます。
新たな考えが浮かびクラークはレックスに振り返ります。
レックスは変化に気付きません。

レックス:悪かったな、クラーク。

返事をせずにクラークは向きを変えて去ります。

第2幕 場面3
刑務所のライオネルはシャワーを浴びています。
日中。
彼は体をこすったりお湯を浴びたりと楽しそうです。
彼は待機している警備員をちらっと見ます。
石鹸を取ると頭や体を洗い出します。
もう一度警備員の方を見ると警備員はいなくなっています。
困惑してあたりを見回しますが誰にいません。
ライオネルの背後に別の囚人が入ってきて片腕を伸ばし手を掛けます。
男はライオネルよりずっと若く腕には刺青があり頭は剃りあげられ筋骨たくましい体つきをしていました。
男は腰の周りに白いタオルを巻いています。
男がライオネルをつかむとライオネルは驚いて飛びあがります。
男はライオネルに何か耳打ちすると左手に隠し持っていたナイフでライオネルの脇腹を刺します。
男がナイフを抜くとライオネルはよろめいてゆっくりと倒れ男は逃走します。
ライオネルの口は開いたままで、彼は刺された腹に手をやり血がしたたり落ちているのを感じます。
ライオネルは倒れたまま喘いでいました。

第2幕 場面4
軍基地。
日中。
オフィスの机の上にはChaveloの葉巻きの箱が置いてあります。
箱の脇にはファイルがあります。
誰かがファイルを開いて書類を調べます。
机の上のネームプレートは「中将、サム・レイン」と書かれています。
ネームプレートの脇には、サムと彼の妻とロイスが一緒に写った写真があります。
サムのオフィスにはロイスがいました。
彼女はファイルキャビネットを開けて詮索し続けます。
彼女がそこに役に立つ物を何もないと判断すると
今度はブックシェルフに行って記録帳を取り出しページにすばやく目を通します。
オフィスのドアの外から明かりが差込み彼女を照らすと彼女は向きを変え驚きます。
クラークが入ってきて後ろ手にドアを閉じます。

クラーク:君のお父さんが外に出ている間に、君がこんなところで書類を捜しているとは思わなかったよ。
ロイス:あなたが忍び込んでくるとも思えなかったわ。
    驚いたわね、こんな秘密にされた軍の基地に忍び込むなんて。
    何しに来たの?
クラーク:君を探しに。
     君のお父さんはレックス・ルーサーと共謀している思っている。
     レックスの書斎で君のお父さんの葉巻き見つけた。
ロイス:知ってるわ。
    その通りよ。
    何が分かったの?
    パパとトラストファンドの王子さまのことで。

ロイスはサムの机に戻って調べ続けるために記録帳を下に置きます。

クラーク:二人はクロエの事を隠そうとしている、もしここで見つかったら…
ロイス:パパの事なら大丈夫よ、クラーク。
    それにチョッパーの襲撃のことなら、あなたが私をダンスパーティーに誘ってるんだと思っただけよ。
クラーク:えっ、僕の父親以上の過保護だ。
ロイス:[少しにっこり笑います]
    ママが死んだときパパは落ち込んだわ…それ以来私まで失うのを怖がってるの。

クラークが申し訳なさそうに目を伏せてサムの机の写真を見ます。

ロイス:[同情したクラークを面白がり]
    話してあげるわ。
    私が六歳のときにママは死んだの。
クラーク:[間があり]
     ごめん。
ロイス:気にしないで。
    高校時代にジムの後ろに隠れてタバコを吸うようなあなたの事じゃないんだから。
    
ロイスは別の記録帳を取り上げクラークに手渡します。

ロイス:少しは役に立ってよ。

彼女はもう1冊の本を手に取りページをぱらぱらとめくり始めます。
クラークは手渡された本にざっと目を通します。
名前のリストを見たクラークは目をとめました。

クラーク:ネリー・Blyeって?
ロイス:知ってるわ。
    十五年前にパパが彼女に護身術を教えたのよ。
    幸せだったんじゃない。
クラーク:彼女は約八十年まえに死んでる。
ロイス:[サムの日誌を見ます]
    でもパパの日誌では少なくても週に一回は会ってたみたいね。
クラーク:彼女は女性初のアンダーカバーのレポータだった。
     クロエのお気に入りでね。

ロイスはぼう然としています。
彼女は机に座って日誌を見続けます。

ロイス:ここに書いてある、彼女の住所は…ウォールナッツ通り2348。

空気の切り裂く音が聞こえロイスが日誌から目を上げるとクラークはいなくなっています。

ロイス:クラーク?

道路を超スピードで走るクラーク。
彼は田舎の古い別荘に到着して、玄関が少し開いているのを見つけます。
彼が中に入るとラジオから音楽が流れているのを聞きます。
ドアの右脇には机がありノートパソコンが置いてありました。

クラークが入ると廊下の突き当たりにドアがあり、まるで誰かがたった今出て行ったかのようにゆれていました。
辺りを見回すと、ちょうどトーチオフィスのクロエの怪奇現象の壁に酷似した写真などがありました。

クラーク:[叫びます]
     クロエ?

クラークが写真に近づいて調べます。
それから彼は机の上のノートパソコンの方に向きます。
床を見るとそこから隣りの部屋へと続くドアへと血が垂れていました。
クラークがドアに急そぎ部屋に入ると中では二人の警官が死んでいました。
一人は壁にそしてもう一人は椅子の上で背を丸めていました。
クラークが男の脈を調べようと椅子の方に急いで行きます。
それから彼はさっき通ったドアを見るとそこにはレックスが立っていました。
二人はにらみ合い、レックスは目をそらします。

フェイドアウト。

第3幕 場面1
刑務所。
日中。
刑務所内の医務室でライオネルは腹に包帯を巻かれベッドで横になっています。
シャツは着ていず点滴をしていました。
目は閉じられています。
トレントがルームに入り声をかけるとライオネルの目は開きます。

トレント:あんたが正しかった、ルーサーさん。
     レックスの雇った男たちは俺を彼女のところに導いてくれたよ。
ライオネル:それで?
      私に何を聞きたいんだ?
トレント:なにも。
     言えば、少し気が変わった。
     二人も殺さなければならなかったからな。
     金は二倍にしてもらいたい。
ライオネル:それは非常に馬鹿げた話しだ、トレント。
      君は特殊な能力を持っている。
      知っているぞ。
      だが君がベル・リーブに送られたのはその能力のせいじゃないだろ?
トレント:[激怒し]
     知ったかぶりをするな!
     知らないくせに。

トレントがライオネルの顔に指をかけます、そして指がブレードに変化します。
ライオネルはゆっくりとトレントの手を押し返します。

ライオネル:私を信じろ、君がどうしてそうなったのかは想像できない。

トレントの指は正常に戻ります。

ライオネル:だが、トレント、君の人生の中で極めて少ないだろうが君を受け入れる者もいる。
      どうして君を受け入れようとする者に背を向けようとするんだ?

トレントは一瞬の間黙ります。
ライオネルの言葉は彼に影響を与えています。

トレント:気にしてない。
ライオネル:だが気にしている。
      君の欲するものは、トレント…普通だ。
      そうだろ?

トレントの顔は感情をあらわにします。

ライオネル:私は君を助けたい。
      だがそれはできない。
      自由になれないからな。
      もしクロエ・サリバンが明日、証言すれば。

トレントはライオネルが何を求めているのか理解してライオネルを見つめます。
ライオネルはトレントに父親のような微笑を見せます。

第3幕 場面2
クラークとレックスは田舎の別荘にいます。
日中。
レックスが携帯で怒りながら話していると、クラークは壁の前に立って写真を見ていました。

レックス:彼女の位置を突き止めるのにどれぐらいかかるんだ?
    [間があり]
     じゃあ、直ぐにやれ!

彼は電話を切ってクラークの方に向きます。

レックス:クラーク、俺は彼女を守ろうとしたんだ。
クラーク:彼女の手首に追跡用のブレスレットをつけてか。
     彼女が安全だって思ってなかったんだな。
レックス:用心に越した事はない。

クラークが腹を立てながらレックスに近づきます。

クラーク:君は僕の目を真直ぐに見て、彼女は死んでいると言いった。
レックス:なあ、時にはどんな犠牲を払う必要もある。
クラーク:たとえその犠牲がクロエの命であってもか。
レックス:クラーク、俺がいなかったら、クロエはあの場で死んでいたはずだ。

隠れ家に入ろうとするクロエと父親の回想が始まります。

レックス:俺はクロエに責任を感じていた、それで俺は見張りを彼女につけた。
     見張りは隠れ家で爆発物を見つけた。
     すでに親父がクロエを証人台に立たせないように何者かを雇ったんだろう。

隠れ家に入った二人を黒い戦闘服とヘルメットに身を包んだ二人の男が飛び出して二人を捕らえます。
彼らはクロエとガブをクロゼットに押しやります。
クロゼットの床の隠し戸を開けると地下に続く階段があります。
クロエとガブは階段の下へと押されます。

レックス:俺は奴らの裏をかくために考えた。
     あの家は地下鉄工事のときに残されたトンネルの上に立てられていたんだ。
     二人が家に入ると直ぐに地下に向かわせた。
     爆発はトンネルを見つけられないようにするためのカモフラージュだ。

クロエとカブが狭く薄暗いトンネルを歩きながら恐る恐るしがみつきます。
隠れ家が爆発します。

現在に戻って。

レックス:警官には見つけられなかった。
クラーク:サム・レインは?
レックス:俺はFBIを信用していない。
     救出するには誰かの助けが必要だった。

レックスはPDAにメッセージを受けとります。
彼はそれを見ます。

レックス:彼女は古い鋳物工場にいる。
     心配するな、クラーク、直ぐに人を送る。

レックスは携帯を開いてダイアルすると耳にあてました。
空気を切り裂く音が聞こえるとクラークは超スピードで出て行きました。

レックス:[電話に]
     レイン将軍を。

彼は玄関に向いてドアがわずかに開くのを見ます。
クラークはどこにもいませんでした。

鋳物工場。
煙突からは白い蒸気と煙が立ち昇っていました。
工場内は巨大なボイラー室のような場所には長いケーブルでフックが掛かっています。
手首を縛られた者がそのフックにぶら下がっています。
クロエでした。
頭の側面から出血し、口はガムテープでふさがれています。
彼女は自由になろうともがきます。

クラークは工場に向かって超スピードを出します。

クロエは宙に足を浮かせ近くの鉄骨を脚で蹴ります。
彼女は振り子のように揺れると今度は梁に足を絡めました。
彼女の脚の下にボタンがあり彼女は足でボタンをけります。
ケーブルが動き出すとゆっくり地上へと下降し立つことができました。
彼女はフックから腕を外し口からテープをはぎ取ります。
それからボイラー室を離れ始め時々誰かが後をつけていないかと振り向きます。
所々で激しく噴出す蒸気と火花があります。
彼女は蒸気の壁を走り通り抜け見回し続けます。
突然手が現れ彼女の喉を掴むトレントに出くわします。
彼は意地悪くしかめっ面をします。
トレントの手が金属に変わりクロエは空気を求めてあえぎます。
彼女は腕にしがみついて引き離そうとしますが動きません。
トレントは金属に変わった腕に映ったクラークの姿に気付きます。
驚ろいて振り向いたトレントをクラークは掴み放り投げます。
トレントは壁に立てかけてあった二本のパイプにぶつかりパイプとともに倒れます。
トレントが立ち上がるとクラークは激怒してトレントに向かって大またで歩きます。
トレントはクラークに振り向くと腕を大きなブレードに変化させクラークに振り下ろします。
クラークが腕でブレードを受けると火花が飛び散ります。
トレントは回転して腕を振り回します、そしてクラークは両腕で阻止します。
トレントがもう一度腕を振り回すと、クラークはの腕を掴んで後へと彼を突き飛ばします。
クラークがトレントの胸を殴るとトレントの体全体が液体金属になり床に流れクラークの背後に実体化します。
クラークが振り返るとトレントが腕を振り上げようとしていました。
突然、トレントの体は電気に覆われます。
彼はが振り向くとロイスがテイザー銃で彼を撃っていました。
クラークがトレントの体にヒートビジョンを撃ち込むと、
トレントは蒸気をたてはじめ液体金属の小さい粒子となって爆発しました。

ロイス:一体何をしたの?

クラークは返事をしないで立ち上がります。

ロイス:クロエがいつも言っていたけど、この町は変なことばかりだって。
    私がいなかったら助からなかったかもしれないのよ。

彼女は、背を向けてクロエに向かって走るクラークに笑顔を見せます。

クラーク:[ロイスに]
     どうしてここが分かったんだ?
ロイス:[彼に引き続いて]
    同じ事を聞きたいわ。
    どうやってここに来たの?
クラーク:[叫びます]
     クロエ?

彼はクロエが気を失って倒れているのを見つけると彼女の手の戒めを解き彼女の脇にひざまずきます。

クラーク:クロエ、大丈夫か?
     クロエ?

クロエは目は開きます、そしてクラークを見ると彼女は幸せそうに笑います。
彼女は身を起こし抱きしめあいます。

クラーク:クロエ。
     君が死んでしまったと思ってた。

クロエは返事をするにはあまりにも感情になっていました。
彼女が喜びの涙にしゃくり上げるとクラークは立ち上がるのに手を貸します。
彼女は再び笑うと本当にそこにいることを確認するかのようにクラークの肩と顔に触れます。
それから彼女はロイスがクラークの後ろに立っているのを見ます。

クロエ:[驚いて]
    ロイス?
    ロイス、どうしてあなたが?
    ロイス!

ロイスとクロエは抱き合います。

ロイス:二ヶ月もの悪夢を忘れたいわ。

二人は離れると、クロエが嬉しそうに笑います。

ロイス:私、本当にあなたを見つけられて嬉しいわ。
クラーク:「私」?

クラークとロイスは少しいら立ったように見つめあいます。

クロエ:もし二人がよかったらここから出たいんだけど。
クラーク:そうだな。
ロイス:ええ。

クラークとロイスはクロエの両脇に立ち彼女を抱え工場を後にします。

クラーク:さあ、ここから出よう、クロエ。
ロイス:ライオネルがこれ以上あなたに何かする前にね。
クロエ:ええ。
    明日の朝法廷でライオネルに決着をつけるわ。

フェイドアウト。

第4幕 場面1
ケント家。
夜。
ジョナサンは食卓でディリープラネットの新聞を読んでいます。
太い文字で「有罪!」と書かれています。
手錠をしたライオネル・ルーサーの写真があり、その下には小さく「陪審が注目された事件に評決を下す」と書かれています。
マーサはジョナサンの脇に立ちクラークは食卓に座って食事をしていました。

ジョナサン:ライオネル・ルーサーでさえ金で買えないものがあるのはいい事だ。
クラーク:クロエに感謝ね。
ジョナサン:[新聞を下に置き]
      クラーク、認めたくはないが、レックスにも感謝だ。
      クロエを守るという約束は果たした。
クラーク:それでレックスが手に入れたものを知ってる?
     ルーサー・コープの権限だ。

ジョナサンは立ちあがると台所に行きます、そしてクラークが後に続きます。

クラーク:ねえ、僕が悪かったよ、でももう一度レックスを信頼できるようになるには時間がかかると思う。

マーサは二人の後に従います。

マーサ:彼があなたに会ったときからずっと、彼は説明のつかない事に巻き込まれていたわ。
    私達は真実を追究しようとした彼を非難できない。

クラークがシンクに皿を入れます。

クラーク:それはそうだけど、初めて会った時から僕に嘘をついてきていたんだ。
     洞窟の予言では、僕には敵がいると書かれている。
     前はライオネルの事だと思ってた。
     でも真の脅威は僕の目の前にいたんじゃないかと思い始めてる。
     レックスだと。

第4幕 場面2
ラナはカワチ洞窟にいます。
夜。
彼女は懐中電灯で壁画を照らして見ていました。
クラークが懐中を持って彼女の後ろから入ってきました。

クラーク:ラナ。

ラナはどうやって言い訳をしようかと振り向きます。

クラーク:ここで何を?
ラナ:多分あなたと同じよ。
   [クラークは彼女の言葉を待ちます]
   安心するの。
クラーク:君に会わないと思うと現れるんだね。
ラナ:別に驚かせようとしてるわけじゃないわ、クラーク。
クラーク:分かってるよ。
     君が行ってしまうのも当然さ、君に会って分かったよ。
ラナ:おかしいわよね。
   私達はもうおしまいね、私達の関係を乗り越えるのは時間がかかりそう。
クラーク:[理解できず]
     私達って?
ラナ:あなたとロイスの事。
クラーク:ロイス?

クラークがラナが何を言おうとしているか悟ります。
彼はそれを否定しようとします。

クラーク:彼女は高飛車なんだ。

ラナはクラークの否定的な言葉を聞いて微笑します。
クラークは証明しようとして継続します。

クラーク:彼女は思い上がりで傲慢なんだ。
     彼女には我慢できない。

ラナは微笑してうなずきます。

ラナ:出会いってそんなものよ。

クラークは返事をせずにラナを見ます。
ラナはクラークの後ろの壁に彼女が背中と同じシンボルを見つけました。

ラナ:運命って信じる?

ラナは壁のところまで行ってシンボルに懐中電灯の光をあてます。

クラーク:信じたくはないよ。
ラナ:でも運命から逃れられないとしたら?
   たとえまだそれが何なのか分からないとしても?

ラナはクラークに背を向けて立っています。
彼女の背中にある刺青は今は服を着ていてクラークは見ることができません。

クラーク:ラナ、僕に何か話してない事があるんじゃ?
     君が出会った人と関係があるのかい?
ラナ:いいえ、違う。
   そうじゃないの。
   [彼女は彼に振り返ります]
   でもそう思われても仕方がないわね。
   もう行くわ。

ラナは去ります。
クラークが残念そうに見回します、そして彼の目はナマンとサゲスの絵に止まります。

第4幕 場面3
刑務所。
夜。
ブザーが鳴るとドアが開きます。
ライオネルは格子で囲まれた小さなオリに警備員によって導かれます。
彼はオレンジ色のジャンプスーツを着ていて、片手に折り畳まれた毛布、もう片手には二冊の本を持っていました。
レックスはオリの外の彼の後ろに立っています。

ライオネル:見事だ、レックス。
      [彼はレックスに向きます]
      だが私に警告したな、傷つけも殺しもできないと?

レックスはニヤリと笑います。
ライオネルは牢屋に続く道へ向き直ります。

レックス:そうだ、親父…

メインゲートが開きます、そしてライオネルは踏み出し始めます。
彼は止まって少し頭を回しレックスが話をするのを待ちます。

レックス:[薄笑いで]
     俺は絶対にこのチャンスを逃さない。

ライオネルはレックスを見も返事もしません。
彼がゲートを通り抜けるとゲートは閉まります。
独房の廊下に沿って威嚇的にライオネルをじろじろ見る
オレンジ色のジャンプスーツを着た多数の危険に見える男たちがいます。
レックスの笑みは大きくなります。

第4幕 場面4
タロン。
夜。
空の建物の中ではラナがアパートの外の階段の最上部にいます。
彼女は手すりの向こう側にいくつかある段ボール箱の上に空の段ボール箱を投げます。
彼女がアパートに戻ろうとすると階下のドアが開く音を聞き止まります。
彼女は手すりのところまで行って驚いて見下ろします。
ジェイソンが花束を持って彼女を見上げています。

ジェイソン:[小さな声で]
      やぁ。

ラナは呆然として返事をしません。

ジェイソン:まるでケーリー・グラント(訳注:二枚目俳優)でも見たような顔つきだね?

ラナは息つぎもしないで笑顔で階段を降りて来ます。

ラナ:どうしてここに?
ジェイソン:君に会いに。

彼は彼女に花束を手渡します。

ラナ:きれいな花ね。

ジェイソンはポケットからメモを取り出し広げます。

ジェイソン:俺はこれを見たよ。
      [彼は読みます]
      「ジェイソン、私は家に帰らなければなりません。
       説明する時間があればよかったんだけど」
      それじゃ、説明してくれないか?

ラナは微笑します。

ラナ:ごめんなさい、ジェイソン、私…
   何て言ったらいいのか。
ジェイソン:いいさ。もういい。
      これが俺のせいだって思いたくなかった。
      でも…本当はなんて書こうとしたんだ?

ラナは返事をしません、そしてジェイソンはそれが立ち去る合図だと思います。
彼はドアに目を向けそして歩きます。

ラナ:待って。

ジェイソンは止まって振り返ります。

ラナ:ジェイソン、あなたに出会った事じゃないのよ。
   あの、ここに来てくれて、それで私、うまく説明できないわ。
ジェイソン:君がパリから出て行った理由は俺のせいか?
ラナ:あなたがどう思ってるのか分かるわ。
   心変わりじゃないの。
   でも戻る事はできないわ。
ジェイソン:ラナ、俺は君を連れて帰ろうとしてここに来たんじゃない。
      君と一緒にいたいんだ。

ラナは感謝してジェイソンにほほ笑みます。
彼はゆっくりと彼女の方に顔を寄せ暖かくキスします。

フェイドアウト。

おしまい