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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン4.08Spell [呪文]
第1幕 プロローグ
フランス、1604年。
マデリン・エヴァンス、ブリアナ・ウィズリッジ、イソブル・セローの三人の女性は、
馬に引かれる鍵の掛かったオリに入って身動きが取れなくなっています。
夜。
ブリアナはオリの鍵を外そうと鎖を引っ張りますが緩むことはありません。
ブリアナとマデリンは恐れます。
オリは外を見られないようにシートで覆われています。
マデリン:火あぶりの処刑場に着くまでに逃げないと。
イソブル ?
イソブルは赤いフードつきのケープを着ています。
フードは彼女の顔の上にあり口元しか見えません。
彼女がいくぶんイライラしている様子ですが穏やかに話をします。
イソブル:あいつらが本と私達の力を奪ったのに、どうしろっていうの?
ブリアナ:何でもよ。
もう時間がないわ。
イソブル:時間は自分達で作るのよ。
もし今夜逃げ出せたら、また探求の旅に出られることを約束するわ。
馬車が止まるとブリアナとマデリンは息をのみます。
シートが取り外されるとドアの向こうには怒りを露にした人々が松明を持って彼女達に向かって怒鳴っていました。
黒いフード付きのローブを着た男は一人一人彼女達をオリから引っ張り出します。
別の男が受け取ると薪を積んだ場所へと彼女達を引っぱります。
ブリアナとマデリンは泣き喚き許しを請います。
フードをかぶった男は最後にイソブルを掴んで彼女を降ろすと火あぶりの場所へと引きずります。
別の男が彼女の頭から赤いフードをはがすと、彼女は激しい怒りの顔で睨みつけます。
その顔はラナ・ラングにそっくりです。
彼女はマデリンとブリアナが既に縛り付けられている薪の山に押されます。
群衆が怒りでフォークシャベルやオノを振り回す中、身なりの良い男が進み出てイソブルの目をじっと見ます。
イソブルは男を見つめ返します。
イソブル:[恐れずに]
ウィルキンズ判事。
最後の仕事を見届けに来たの?
ウィルキンズは彼女の横っ面を平手で殴ります。
彼女は後ろにいるフードを被った男に後退します。
ウィルキンズ:伯爵夫人、三つの石の力を教えるんだ。
そうすれば火あぶりは中止してもいいぞ。
イソブル:私の本に、印をつけたページがあるわ。
別の男がウィルキンズにイソブルの呪文の本を手渡します。
彼は羽の挟まっているページを開きます。
ページにはラナの腰にあるのと同じシンボルの絵があります。
彼はイソブルにそれを示します。
ウィルキンズ:これは何の意味だ?
イソブル:それは石の力が私のものであることを意味してるわ。
そして一旦私がそれを持てば、あんた達は私の足元にひれ伏し二度と私達みたいな者を迫害する事はない。
ウィルキンズは恐る恐るイソブルを凝視します。
すると彼女はシンボルの上に口に溜まった血を吐きます。
イソブル: Animum remitto 。(私は精神を返します)
イソブルの露出した腰の辺りに本と同じシンボルが現れます。
ウィルキンズ:悪魔め。
仲間の所へ連れて行け。
フードを被った男は薪の所へとイソブルを引きずる彼女はは残酷に笑います。
マデリンとブリアナは既に縛り付けられていて命乞いをしていました。
二人とも小さな声で。
ブリアナ:お願い。
マデリン:許して。
イソブルが薪の上に連れて行かれ杭に縛り付けられている間、二人はいっそう狂ったようになります。
群衆の何人かが興奮して叫びます。
マデリン:いや、いやよ、お願い!
許して!
ウィルキンズ:マデリン・エヴァンス。
ブリアナ・ウィズリッジ。
伯爵夫人マルガリット・イソブル・セロー。
イソブルはあざけるように笑います。
ウィルキンズ:お前たちは闇の印と魔術を使った罪だと裁決された。
神に対する侮辱のため、私はここにお前たちを地獄に送るため火あぶりの刑に処すことを宣告する。
イソブルは唇の端から血を流したままウィルキンズにニヤリと笑います。
ウィルキンズはフードを被り松明を持った男に頷きます。
男は薪の下の方の何箇所かに火をつけ始めます。
マデリンとブリアナは恐怖に泣き喚きますがイソブルは落ち着いて更に大声で笑い続けます。
イソブル:こんな炎ごときで終わると思っているのか?
私はしばらくの間眠りに着くだけだ。
そして時が来れば、私の子孫が私を目覚めさせ、復讐をする!
イソブルは頭を後ろに仰け反らせ夜空を見上げ高らかに笑うと村人達は恐怖します。
三人とも炎に包まれる中、二人は恐怖に悲鳴をあげても、彼女だけは気が違ったように笑い続けます。
火あぶりの炎から暖炉の火にフェイドイン。
アパートの暖炉の前にラナは踏み出します。
背中の開いた服装のため彼女の背中の刺青の一部が見えています。
彼女はジェイソンの座っている床の脇に座ります。
二人の前には郵送された小包があります。
ジェイソン:それでオークションで見つけたのはこれか?
ラナ:ええ、ニースの老人がこれをオークションに出していたの。
手に入れるのにクレジットカードの限度枠一杯まで使ったわ。
そこまでしてでも手に入れたかったの、まるで私に落札しろって言ってるみたいだった。
ラナは興奮して箱を開いてエアパッキングの包みをはがすとイソブルの呪文本が出てきました。
表紙の周りは擦り切れていて明らかに古い物だと分かります。
箱から取り出したラナはジェイソンに見せます。
ラナ: イソブル・マルガリット・セロー伯爵夫人の呪文本よ。
ジェイソンは革カバーの上の彫版を示します。
ジェイソン:これは洞窟のシンボルと同じように見えるな。
ラナ:ええ。
多分これでパリのイソブルのお墓に触ったときの事が分かるかもしれない。
ジェイソン:ああ、それと刺青と記憶のない12時間のな。
ラナは本を開いてゆっくりと調べます。
ラナ:ふーん。
あの、あなた、ラテン語は分かる?
ジェイソン:イタリア語と同じぐらい良く…知らない。
ラナはジェイソンから本に目を移します。
別のページをめくるとシンボルに掛かったイソブルの血のページが出てきます。
暖炉の炎が消え部屋を薄暗くします。
ジェイソンは好奇心を持って火を見ます。
ジェイソン:ちょっと見てくる。
ラナがページを見ていると彼は火を起こそうと立ち上がります。
ラナ:何なの?
ジェイソン:どうした?
ラナ:これはイソブルのお墓にあったシンボルだわ。
ジェイソン:そりゃ気味悪いな。
ジェイソンはマッチを擦ると暖炉に火をつけるため中に手を入れます。
ラナは血の付いたページに手を伸ばしてシンボルに触れます。
シンボルはピンクから真っ赤になり始めます。
そしてラナの背中の刺青も同じ色に輝きます。
暖炉から炎のようなエネルギーが噴出しジェイソンが後ろに倒れると、
エネルギーはラナに流れ込みます。
エネルギーの風はしばらくの間部屋に渦巻きラナの目をピンク色に輝かせます。
風がやむとラナの唇には危険な笑みが浮かびます。
ジェイソンは文句を言いながら立ち上がります。
暖炉の火は普通に燃えています。
ジェイソン:大丈夫だったか?
ラナは片手に本を持ってゆっくりと立ち上がります。
彼女は返事をせずに奇妙にジェイソンを見て、
それから彼女は自分が本当にそこにいることを確認するかのように穏やかに腹に触り体を見下ろします。
ラナ:[薄気味悪く落ち着いて]
とってもいいわ。
ジェイソンは何かが変わったの見て注意深くラナを凝視します。
ラナは微笑します。
第1幕 場面1
ケント農場。
日中。
空は今にも降り出しそうな厚い雲に覆われています。
クラークが干草の束を納屋の近くに降ろしていると車がやって来て停まりロイス・レインが降りてきました。
クラークは振り返ると彼女に向かって歩きます。
クラーク:やあ、ロイス。
何しに来たんだ?
学校は?
ロイス:クロエの十八才のサプライズパーティーをここで開くって言ったでしょ、忘れたの?
ロイスは車の後部座席のドアを開けて箱いっぱいのパーティーの飾りを取り出します。
クラーク:違う。
ここじゃできないって言ったはずだ。
ロイス:[クラークに箱を手渡し]
今更遅いわ。
もう皆を招待しちゃったし。
あなたはパーティーで大騒ぎされたくないだけでしょ。
彼女の心を傷つけるわよ。
ロイスはもう一つ箱を取り出しクラークの持っている箱の上に積みます。
クラーク:[疑うように]
何だって?
ロイス:そうなると私はあなたをぶっ飛ばさないといけなくなるけど。
ロイスは三つ目の箱を取り出しドアを閉じます。
彼女は納屋に向かって歩きます、そしてクラークが彼女の後に従います。
クラーク:聞いてくれ、ロイス、僕は…
ロイス:ちょっとこれを飾っておいてくれる?
パパが気づかないうちに車を戻しておかないといけないから。
クラーク:ロイス、今晩はムリなんだ。
プリンストンから来る人と会う約束がある。
それに両親とも町に出かけてるし。
ロイス:リラックスしないさいな、クラーク。
二人だけでハッピーバースディを歌うわけじゃあるまいし。
ソドムとゴモラでもあるまいし。
大学の人がここに来るわけでもないでしょ。
私を信じて。
ロイスは納屋に入るとクラークは文句を言えませんでした。
第1幕 場面2
ラナはアパートの台所にいます。
日中。
カウンターはロウソク、ハーブ、蒸気を出している液体の入ったボールと神秘的な眠り薬の入れ物で覆われています。
ラナは石臼で何かをつぶしています。
それが終わると彼女はカウンターの上のボールの隣りに座って薬のリストを見ます。
薬のいくつかはすでに消されました。
ラナ:[読む]
二人の処女の髪。
彼女は自分の頭から髪を引き抜いて微笑しながらそれを見ます。
ラナ:あら。
とてもお行儀がよかったようね?
彼女は笑ってボールに髪を入れます。
ドアがノックされクロエとロイスが入ってきます。
ラナは呪文本をタオルで隠します。
クロエ:こんにちは。
ロイス:あら、家にいるじゃない。
ずっと電話してたのに誰も出なかったわ。
クロエはラナの道具に困惑しています。
ラナ:その、夢中でやってたから。
化学の実験を。
クロエ:何世紀の?
ラナ:古い物全般。
1600年代の内容を再現したくって。
クロエ:へえ。
ラナは二人を見ます。
ラナ:二人とも本当に面白いと思うようになるわ。
ロイス:[クロエに]
ちっくしょう。
電話を車に置き忘れてきちゃった。
貸してくれない?
クロエ:心配しなくてもいいわ。
この匂いがたまらないから、もう下に行くわ。
[ラナに]
バイ。
ラナ:バイ。
ロイス:ありがと。
クロエが去ります。
ロイスはラナに振り向きます。
ロイス:一体どうしたの?
パーティーの準備が終わるまでクロエを買物に連れ出す約束でしょ。
ラナ:そうだったわ。
すっかり忘れてた。
ロイス:じゃあ、言っておくけど。
彼女は普通のレポーターじゃないわよ、
一マイル離れた場所から計略の匂いを嗅ぎ付けるんだから。
[ドアに顔だけ向け]
少しでも手伝ってくれれば今晩の計画は彼女に知られずにすむんだからね。
ラナは手を伸ばしてロイスの頭から髪を引き抜きます。
ロイス:痛っ!
ロイスは振り返り不審そうに彼女を睨み付けます。
ラナ:[引き抜いた髪を見つめて]
あーあ、ダメだわ。
役に立たないわ。
ロイス:えっ、抜いておいて何て事言うの。
ラナ:[弁解し]
グレーよ。
ロイス:私は白髪なんてないわ。
[ラナは意見が合わないかのように彼女を見ます。
ロイスは少し考え]
ちょっとバスルームを借りるわ。
ロイスはバスルームの中に急ぎます。
ラナは失望して髪を一べつします。
するとアイデアが浮かびます。
彼女はアパートを出て行きます。
第1幕 場面3
ケント家。
日中。
台所でクラークはロイスの言った事に取り組んでいます。
テーブルには青い包装紙、青と赤のリボン、ハサミとリボンの切れはしでいっぱいです。
彼は不器用に大きな箱を青い紙で包み、大きな赤いリボンをどのように箱にかけようかと迷います。
ついに靴紐を縛るようにリボンをすると満足したように軽く箱を叩きます。
それから彼は既製の赤いリボンを取り上げてリボンの上に取り付けます。
彼が座ってプレゼントの箱をぐるりと点検しているとラナが彼の後ろから入ってきました。
彼女の行動は内気を装い不思議です。
ラナ:[プレゼントを見て]
今のあなたには女性の手伝いが必要そうね。
クラークは立ち上がって振り返り彼女を見て驚きます。
クラーク:やあ、ラナ。
ラナ:こんにちは、クラーク。
大きな箱ね。
クラーク:これは、そのー、クロエへのプレゼントだよ。
ロイスと二人で選んだんだ。
ラナ:そう、きっと彼女も気に入ると思うわ。
特にあなたからなら。
クラーク:あのさ、君がここに来てくれて嬉しいよ。
ジェイソンに起きた事を君に話しておきたくて。
ラナ:ああ、その事は心配しないで。
その事は終わったことだから…とっくに。
ラナは「とっくに」と言う言葉と共にクラークに笑みを見せゆっくりと近づきます。
彼女はテーブルからハサミを取り背中に隠します。
クラーク:君は、そのー、雰囲気が?
少しだけど…
[ラナが近づいてくるとクラークはスツールにドサッと座ります]
違っている…
ラナ:まあ、それはお互い様でしょ。
ラナはクラークの顔に手を置き、そしてゆっくりと頬を撫で下ろします。
クラーク:ジェイソンは僕の友達でもある。
ラナ:[クラークに顔を近づけ]
彼はそう思ってないわ。
彼女は彼にキスしようと迫ってきます。
二人の唇がゆっくりとふれあい、ラナはクラークの髪を切ろうと彼の頭の後ろにハサミを取り出すとクラークは目を閉じます。
しかし彼女が髪を切ろうとするとハサミは二つに壊れます。
クラークは立ち上がり後ずさりします。
クラーク:おい、何を…するつもりなんだ?
ラナ:クロエの誕生日のために作っているスクラップブックにあなたの髪を入れたいの。
クラーク:[少し悩み]
じゃあ、聞いてくれればよかったんだ。
ラナ:[ほほ笑んで]
じゃあ、くれるの?
クラークは彼女のどこがおかしいのかとラナを凝視します。
ラナは壊れたハサミを上げます。
ラナ:これってどうしちゃったのかしら?
クラーク:[彼女からハサミを取りあげ]
これは壊れてたんだ。
クラークは頭に手を伸ばして何本かの髪を引き抜きます。
彼はラナに髪を手渡します。
クラーク:ほら。
それで十分だろ?
ラナは髪を上げてしっかりとそれを見ます。
彼女は満足して微笑します。
ラナ:完ぺきよ。
ありがとう、クラーク。
彼女は嬉しそうに家から立ち去ります。
クラークは彼女の後姿を見送ってから壊れたハサミを見ます。
第1幕 場面4
レックスが書斎でピアノを弾いています。
夜。
彼の腕は確かで難しいクラッシクを弾いていました。
右手は軽やかに鍵盤の上を踊り、左手は伴奏を奏でます。
ほとんどピアノの前にある楽譜には目をとめません。
ラナが書斎に入ってくるとレックスは弾くのをやめます。
ラナ:素晴らしい演奏ね。
レックス:ありがとう、だが多少腕が鈍ってきている。
ラナ:あの、中断させて悪いんだけど。
少しあなたに手伝ってもらいたいことがあって。
レックス:今まで、ラナ・ラングの頼みを断ったことがあったか?
レックスは彼女にほほ笑んでピアノから立ち上がると部屋の真ん中へと歩きます。
ラナは彼の後に従います。
レックス:一体何を望んでるんだ?
ラナ:クロエの誕生日に良いワインを一本欲しいの。
レックス:彼女はまだ成人になってなかったはずだが。
ラナ:分かってる、でも私とロイスとクロエの三人でお祝いをするのに一杯ぐらいはいいでしょ。
[レックスは気が進まなく見えます]
どこで手に入れたのか誰にも言わないから。
[小さな声で]
二人だけの秘密にするから。
ラナがレックスの目をじいっと見つめると、彼は決心を鈍らせます。
レックス:それじゃ、弱いライトリースリングを持ってきてやろう。
ラナが微笑するとレックスはワインセラーに行こうとします。
ラナ:実は、南フランスの年代物のメルロを探してるの。
ラングドックかデルドニアのぶどう園の。
ちょっと贅沢だけど。
レックス:[隣りの部屋から]
パリで過ごした夏で大人になったようだな。
ちょっと待ってろ。
ラナが部屋を見回すとガラスケースに古い写本があるのを見つけます。
彼女は突然真顔になると明らかにそれを認識してゆっくりと近づきます。
レックスが一本のワインを持って書斎に戻ります。
レックス:ラングドックのサリーぶどう園の1902年物だ。
誕生日プレゼントには最適だろ。
ラナ:[まだ写本を見て]
これは何?
レックス:少し前にサンペテルブルグで見つけた物だ。
古代の写本らしい…
ラナ:嘘だわ。
レックス:[驚き]
何だって?
ラナ:[彼の方に向き]
これの本当の目的は知ってるはずよ、でもこの地図はあなたのための物じゃない。
レックス:ラナ、どうやってページの下に隠された地図の事を知ったんだ?
ラナ:それは…
彼女はしばらくの間冷淡にレックスを見ます。
彼は困惑し少し不安になり彼女に振り返ります。
ラナは写本に目を戻し見出しの部分に指を指します。
彼女が指を指すとピンク色のエネルギーの小さなボールが彼女の手の上に現れます。
ラナ: Venis e!(出て来い!)
写本はケースから消滅します。
レックスは驚いてそこに向かいます。
レックス:ラナ、何をしたんだ?
ラナ:[レックスに対して指を向けます]
Finis!(止まれ!)
レックスは動くことができずに歩みを止めます。
ラナ:あなたは石を探してるのね?
[彼女はレックスの持っているワインをとります]
あれは私達しか持つことはできないの。
[彼女は彼の背後に回ります]
さっきのあなたは正しいわ、アレクサンダー。
もっと練習が必要ね。
弾き続けなさい。
Infinitas 。(永久に)
ラナは書斎を去ります。
レックスはピアノへとロボットのように歩いてイスに座りラナが入ったとき弾いていた曲を弾き始めます。
彼は無気力になり手はラナの呪文のせいで止める事ができません。
第1幕 場面5
ラナのいる場所は森の中で黒い液体の入ったデカンターを振りながらラテン語で何かをつぶやいています。
夜。
ラナ:Per lunam et mare.
Redi e aquae sublatus sunt.
Per lunam et mare.
Redi e aquae sublatus sunt.
Per lunam et mare.
Redi e aquae sublatus sunt.
(月と海を渡って。戻れ、水が干上がるように)
彼女が詠唱すると薬はピンク色になりピンクの蒸気がビンから上昇します。
彼女の前の地面には三つのクリプトンのシンボルがあります。
その内の一つは彼女の背中にあるシンボルです。
地面の上で輝くシンボルは薬が輝くのをやめるとゆっくりと消えていきます。
ロイスがラナの後ろにやってきます。
ラナ:Per lunam et mare.
Redi e aquae sublatus sunt.
ロイス:オーケー、こんな森で何をしてるの?
クロエに隠れて、月夜の散歩?
彼女が疑ってるわ。
ラナ:パーティーの前に女の子と会うのは素敵だと思うの。
クロエが二人に駆け寄ります。
クロエ:何のパーティー?
ロイス:[ラナに]
台無しじゃない。
クロエ:[笑い]
先月から計画していたパーティーの事?
ロイス:知ってたの?
クロエ:ええ、もち。
調査レポーターよ。
誰も私を欺けないわ。
私の名前でパーティーを開くのは知ってたけど、
森の妖精の事は知らなかったな。
ラナ:急いだ方がいいわね。
ラナはピクニックバスケットから三つのコップを取り出し、ロイスとクロエに一つづつ手渡します。
ラナ:乾杯よ、この特別な夜のために。
ロイス:[ほほ笑んで]
分かったわ。
これからもよろしく。
ラナは薬を二人のコップに満たし自分にも注ぎます。
ラナ:時間がどれだけ過ぎても、友達は決して忘れないわ。
クロエ:それに乾杯よ。
ラナ:乾杯。
クロエ&ロイス:乾杯。
三人はコップをあわせます。
そしてラナは飲む振りをして口の近くにコップをつけます。
彼女は静かに興奮してクロエとロイスの飲物を見つめます。
突然稲光が光り雷鳴が轟くと強風が吹き始めました。
ロイスは変な顔でコップを見ます。
すると二人の目はピンクになり苦しむように頭を仰け反らせ空を見上げます。
二人が普通に戻ると風と雷は止まります。
二人とも自分がどこにいるのかという風にあたりを見回します。
ラナ:[クロエに]
マデリン。
[ロイスに]
ブリアナ 。
21世紀にようこそ。
クロエ:[興奮し]
どうやってここに来たの?
ラナ:ウィルキンズが私を火あぶりにする前に最後の呪文をかけたのよ。
私の血を呪文の本のシンボルにかけて子孫を呼び寄せたの。
[ロイスは微笑します]
そして彼女がシンボルに触れたとき私は彼女の体を乗っ取ってあなた達を呼び寄せたのよ。
ロイス:素晴らしいわ!
[彼女は胸に触れて笑います]
これを見て!
ラナ:[無関心に]
そうね、とってもいいじゃない。
クロエ:[深呼吸して]
ああ、フランスの森ね。
ここなら隅々まで知ってるわ。
ラナ:ここはカンザスよ、マデリン。
ロイス:どこ?
ラナ:アメリカ。
どうしてこの地で蘇ったのかは分からないわ。
これは私が意図したものじゃない、でも…
クロエ:本は!
どこにあるの?
ラナは微笑して近くに置かれているピクニックバスケットを見ます。
バスケットにはワインのボトルと呪文本があります。
ラナ:再び私達の手に戻ったわ。
この本と私達の魔法で、石を探すことが…
クロエ:あー…
私達が火あぶりになったのと同じ?
ロイス:あんまりいい気はしないわね。
ラナ:究極の力を手に入れるためには多少のリスクはあるわ。
[ロイスとクロエはためらいがちに見えます]
あなた達は元の人格の記憶を持ってるでしょ。
その知識を使ってこの世界を知るの、そして力を手に入れるのを手伝って。
ロイスとクロエはラナに微笑みます、そして彼女も微笑みます。
第1幕 場面6
クラークの納屋。
夜。
「ハッピーバースデークロエ」と書かれた垂れ幕が掛かっています。
納屋の中は飾り付けられ音楽が鳴りお客が入って来ます。
沢山の人達がそこにいますがパーティーは静かです。
クラークは携帯電話で誰かに連絡しようとしていますが応答がなくガッカリして電話を切ります。
彼がジェイソンを見るジェイソンは腕時計を確認していました。
クラークが彼のところに行きます。
クラーク:あの、ジェイソン、三人がどこにいるか分かりますか?
一時間前にここに来るはずだったんですけど。
ジェイソン:[軽べつ的に]
悪いが、知らないな。
ジェイソンは歩き去ります。
クラークが後を追います。
クラーク:ねえ、ジェイソン…
ジェイソン:クラーク、俺はラナがここに来たいと言ったからここに来ただけだ。
それは俺の彼女だからだ、君がどう思おうとな。
大きな音がすると納屋の大きな扉が開きます。
そしてラナ、クロエ、ロイスの三人はそこに立って月明かりにシルエットを浮かばせます。
三人とも足並みを揃え納屋に入ってきます。
三人とも体にフィットした悩ましい黒い衣類と黒いハイヒールのブーツを身につけています。
皆がクロエのために拍手をします。
彼女は明るく微笑します。
ゲスト:驚いた!
クラークとジェイソンは変な顔をして三人を見ます。
ラナ:[イライラして]
時間がないわ。
クロエ:時間は私達が作るものよ。
火あぶりになる前にあなたが言った事でしょ?
ラナ:本当にそう思ってるんじゃないでしょうね?
クロエはゲストを歓迎するために行きます、そしてクラークがわきにロイスを引っ張ります。
クラーク:プリンストンからもう直ぐ人が来る。
どうして遅れたんだ?
ロイス:ちょっと景色がいい道を通って来たから。
[色っぽくクラークを目で嘗め回します]
景色が好きなのよ。
クラーク:[気持ち悪がり]
飲んでるのか?
ロイスはただ微笑します。
ジェイソンがラナのところに行きます。
ジェイソン:おい、悪いんだけど、クロエに誕生日の挨拶をしたらもう行くからな。
ラナ:まあ、そんな駄々を言って。
何でも手に入るのよ。
ジェイソン:君が必要なのは俺だろ。
ラナ:まあ、気が変わったのよ。
ジェイソン:どうしてそんな事を言うんだ?
それにそんな格好をして?
ラナ:どうしてって、それはセクシーさを演出したの。
[無礼に]
帰るんじゃなかったの?
ラナはジェイソンから離れクロエが立っているテーブルに歩き去ります。
ジェイソンは長い間ラナを見て、それから去ります。
クロエ:[口に食べ物を詰め込んで]
この時代の食べ物はおいしいわ!
ラナ:それに男たちは本当にお風呂に入ってるし。
ロイスは通り過ぎる男をチェックしながら二人に合流します。
ロイス:それにとってもたくましそうな体だわ!
ラナは二人の手を取ってドアに導き始めます。
ラナ:でももっといいパーティーをした事があるわ。
ゾッとするようなね。
クロエ:私達で変えちゃおうか。
クロエがいたずらっぽくラナにほほ笑みます。
ラナはしばらく考えクロエとロイスを見ます。
ラナ:まあ、あれから四百年が経ったわ。
探すのは後にして少し楽しもうか。
三人とも振り返り人差し指と小指をパーティーのゲストに向けます。
三人の手の上にピンク色のエネルギーボールが現れると、ライトがうす暗くなり風が納屋に吹き始めます。
ラナ:Liberate bestia!
(野生動物になれ!)
三人の手の上のピンクのエネルギーは部屋中に広がり満たします。
それが次第に消えていくとダンス音楽がやかましく鳴り部屋の皆は動物のように踊っています。
数人の男女は肌着以外の何もを着ていません。
スーツを着てブリーフケースを持った男が入ります。
彼はヤコブソン、クラークがプリンストン大学から来るのを待っていた男です。
彼はビーズで飾られた入口を通り抜けるとシャツを着ていない若者達が彼に走り寄ってきて驚きます。
彼が部屋を見回すと半裸で踊る人たちの間を進み始めます。
ヤコブソン:失礼。
彼は若者の肩をたたきます。
ヤコブソン:クラーク・ケントはどこにいますか?
若者は屋根裏の階段を指し示します。
ヤコブソンが見上げるとそこにはラナとクロエとクラークがダンスをしていました。
ヤコブソン:クラーク!
クラークは名前を呼ばれたため見下ろします。
ヤコブソン:クラーク!
クラークはまだ踊りながら下の彼にほほ笑みます。
ヤコブソン:ヤコブソンだ、プリンストン大学の。
クラーク:ああ、入ってください!
パーティーに参加してください!
フォー!
ヤコブソンは詩文の目と耳を信じられずに見回します。
クラークが踊り続けます。
クラーク:フォー!
フェイドアウト。
第2幕 場面1
ケント農場。
日中。
納屋の中は前夜からのパーティーの飾り床の上のいたる所にばらまかれます。
ゲストはすべていなくなっています。
携帯電話が鳴るとクラークは眠っていた干し草の上から身を起こします。
彼は電話の着信名を見て一瞬驚き電話に答えます。
クラーク:[明るく]
やあ、母さん。
うん、メトロポリスはどう?
本当に?
そんなに楽しかったんだ。
クラークは脇に置いてあるズボンを引っ張りますが何かの下敷きになっているようです。
クラークの近くには同じように寝ていた若い男女が起きて慌てていました。
二人は起き上がると急いで納屋を出て行きます。
クラーク:[立ち上がり]
何?
ああ、プリンストンからの。
うん、夕べ会った。
僕は、そのー…
心配しないで。
いい印象を与えたと思う。
クラークは無残にぶら下がっているライトを見ます。
第2幕 場面2
クラークがレックスの書斎に入ります。
日中。
レックスはまだピアノを弾き続けていました。
クラークが部屋に入り話しかけてもレックスは引き続けます。
クラークはレックスの方には向かずに話しかけます。
クラーク:レックス、少し話せるか?
ちょっと問題が発生してさ。
夕べプリンストンの卒業生に会う約束をしていたんだ。
でもロイスがクロエの誕生パーティーを納屋で開くって効かなくてさ。
もうパーティーはメチャクチャで、
そこにやって来たんだ、それで失敗したみたいなんだ。
クラークはまだレックスを見ないでピアノの方にやってきます。
レックスの背後にやってくると彼の頭はぐったりと揺れ動いています。
クラーク:あの、君を頼るのは忍びないんだけど、でもプリンストンにコネは持ってるかい?
クラークはついに返事をせずにピアノを引き続けるレックスを見ます。
クラーク:レックス?
クラークは近づいてレックスの手を見ます。
レックスの指は血まみれでピアノのキーは血だらけになっていました。
クラーク:レックス、どうしたんだ?
レックスはクラークを見上げます。
彼は目を潤ませボーっとして疲れきっています、しかしピアノを弾くのは止めません。
クラークが彼の脇にひさまずいて彼の腕をつかみます。
クラーク:止めろ。
もう止めるんだ!
レックス:俺の意思じゃ止められないんだ。
クラークが片手でピアノを押すと足のキャスターで動き離れます。
それからレックスを動かさないようにしっかりと腕を掴んでいます。
クラーク:レックス、何があったんだ?
レックス:[弱々しく]
ラナだ。
息を切らしレックスは頭をうなだれ目を閉じます。
第2幕 場面3
ジェイソンは呪文本のカバーを見てラナのアパートにいます。
夜。
暖炉の火が突然つくとジェイソンはそちらを見ます。
ラナが背後から入ってきます。
ラナ:それに触っちゃダメよ。
自分を傷つけることになるわ。
ジェイソン:聞いたよ、夕べの君たちのパーティーの事。
ラナ:大昔に始めた事をやり遂げる前の前夜祭をしたのよ。
[ジェイソンはゆっくりと彼女に近づきます]
私の邪魔はさせないわ。
ジェイソン:君は誰だ?
ラナ:Qui est-ce que vous pensez?
(何を考えてるの?)
ジェイソン:[小さな声で]
イソブルか?
ラナ:新しい体だけどね。
[彼女は笑います]
ジェイソン:ラナをどうしたんだ?
ラナ:彼女はこの体のどこかにいるわ。
ジェイソン:彼女を表に出すことができるのか?
ラナ:[大笑いします]
どうしてそんな事する必要があるの?
ジェイソン:[呪文本を見ます]
事の起こりはラナがこの本を見つけた事から始まったんだ。
彼はライターを拾い上げて火をつけるとその上に本をかざします。
ジェイソン:それじゃこの本をこうすれば…
ラナは「こっちに来い」というように指をクイッと曲げると突然本はジェイソンの腕から離れ彼女の手に入ります。
ラナ:何をしようとしてるのか全く分かってないわね。
[彼女は壁を指し示します]
Porta !(飛んで行け!)
ジェイソンは部屋の向こうの壁に飛んでぶつかり床に倒れます。
ラナ:[彼を指差し]
Suus summum!
(上にあがれ!)
ジェイソンは壁に寄りかかるように立ち上がると上へと浮き上がり天井に頭がぶつかるとクビを捻ります。
ラナ:これで分かったでしょ。
あなたなんか虫けら以下よ、捻りつぶしてやる。
ラナが手を伸ばすとピンクのエネルギーが浮かび上がります。
ジェイソンは壁に押し付けられたまま苦闘していると彼女は笑います。
クラークが入ってきて何が起こきているかの見ます。
クラーク:ラナ、よせ!
ラナはクラークを見てから窓の方に手を振ります。
ジェイソンは部屋の向こう側の窓へと飛びガラス窓を割って飛び出します。
クラークは超スピードを出しジェイソンを助けるために通り出ます。
クラーク:ジェイソン!
大丈夫ですか?
ジェイソンは返事もできないぐらい弱っています。
彼の顔は割れたガラスで細かい傷だらけです。
突然クラークの顔が炎のような光に照らされると、建物の脇に炎で書かれた「納屋の夜中」という文字を見ます。
納屋に入っていくクラーク。
あたりを見回しますが誰もいません。
ラナが屋根裏部屋から声をかけるとクラークは上を見上げクロエとロイスが一緒にいるのを見ます。
ラナ:早かったわね。
悪巧みでもしてるんじゃないの、クラーク?
クラーク:レックスとジェイソンに何をしたんだ?
ラナ:なにも、これからあなたにしようとしてることに比べればね。
ロイス: Surgite !(浮け!)
ロイスが大きな木製の車輪を指さすとそれは空中に浮き上がりクラークに向かってぶつかり納屋の向こう側に吹っ飛びます。
クラークは地面に倒れますが無傷で立ち上がります。
彼女たちが階段を降りて来ます。
クラーク:どうなってるのか分からないけど、手に負えなくなる前に止めないと。
ラナ:あなたはただ速いだけじゃなさそうね。
これは面白いことになりそうね。
クロエはラナに微笑むと彼女の腕を掴みその手を差し出します。
クロエ: Incede !(行け!)
電気鋸、レンチ、やっとこなどが空中に浮かびあがります。
それらはクロエの前に集まると一つずつクラークに向かって飛びかかります。
クラークはヒートビジョンを放ち飛んでくる道具を叩き落します。
三人とも驚いて彼を見つめます。
クラーク:僕は誰も傷つけたくないんだ。
ラナ:あなたの魔法はすごいわ。
クラーク:魔法だって?
ラナ:でも私の方だって。
Evertere!(ひっくり返れ!)
ラナがクラークを指すと彼は痙攣を起こして空高く浮かび上がります。
ラナ:私達は長きに渡る捜し求める旅を終わらせるのだ、そのため死をも欺いてきた!
わずかばかりの力を持った農家の小倅に止めさせはしない。
ラナが手を下げるとクラークは床に落ちます。
クロエとロイスは彼の脇にひざまずきます。
クロエ:彼は違うわ、イソブル。
ロイス:力を感じられる。
ラナ:それじゃその力を奪わないと。
クラークは顔に痣をつくり唇からは血がしたたり落ちた顔で見上げます。
クラーク:クロエ。
助けてくれ。
君がそこにいるのは分かってるんだ。
クロエ:[真剣にクラークの目を見つめ]
クラーク?
クラーク:[頷き]
聞いてくれ。
僕に手を貸して欲しい。
クロエはクラークからロイスへ苦しそうに見ます。
彼女は大笑いします。
彼女はただクラークの言葉に正気に戻った振りをしていただけでした。
同じくロイスも笑います。
それからラナは倒れたクラークの上に馬乗りになりシャツを引き裂き胸に手を置きます。
彼女は静かにラテン語で詠唱します。
明るい光がクラークの胸から輝きうす紫色のエネルギーが出てくると納屋の外へと流れていきました。
ラナ:これでいいわ。
もう力はないはずよ。
三人は立ち上がって気を失ったクラークから後ずさりします。
彼女らは勝ち誇った笑みを浮かべます。
フェイドアウト。
第3幕 場面1
クラークの手は納屋の手すりに鎖でつながれています。
日中。
彼は自由になろうと努力しますが無駄です。
ロイス、ラナ、クロエの三人は彼を見つめます。
クラークの顔にはあちこちに痣があり鼻と唇から血が流れていました。
ロイス:目が覚めたようね。
クラーク:僕に何をしたんだ?
クロエ:あなたがもう魔法使いじゃない事を確認したのよ。
クラーク:僕は魔法使いじゃない。
クロエ:違うの?
本当に?
ラナ:違うわ。
彼は別の何かよ。
特別な何か。
[クラークに]
魔力をあなたの体から取り除くときそう感じたわ。
あなたに感じたの。
[間があり]
三つの力の石。
知ってるわね?
クラーク:そんなのは一度も聞いたことがない。
クロエとロイスがゆっくりとクラークに近づきます。
クロエ:聞くどころかもっとよく知ってるはずよ。
それに触ったことがあるんだから。
ロイス:私達はその事を感じとれるの。
ラナ:そしてもっと。
その内の一つがどこに隠されてるかも知ってるわね。
クロエ:石がどこにあるのか教えなさい、クラーク。
クロエが手をそおっとクラークの胸に沿って撫で降ろします。
ロイス:お願い、教えて。
クラーク:君たちが何の事について話してるのか分からない。
クロエ:痛い目を見たいようね。
クロエは爪を立てクラークの胸を引っ掻くと爪の痕が血で染まります。
クラーク:うわぁっ!
ラナ:止めなさい!
クロエは不審そうにラナを見てクラークを傷つけるのをやめます。
ラナ:もっと簡単な方法があるわ。
ロイスとクロエはクラークから離れます。
クロエは指の血をなめます。
ラナはゆっくりとクラークに向かって来ます。
ラナ:私が取り付いたこの体。
あなたはこの人物に思いがあるのね?
この人物も同じ思いのようよ、クラーク。
とっても、とってもね。
ラナはクラークの唇にそおっとキスをします。
ラナ:[ささやき]
Demonstra。(こちらを見なさい)
ラナはゆっくりと悩ましく再びクラークにキスします、そしてクラークがキスを返します。
ラナが離れるとピンクのもやがクラークの口から出て来て彼女を包み込みます。
クラークの口は動きませんが彼のささやくような声がもやの中から聞こえてきます。
クラーク:[ゆっくりと]
洞窟…
クラークはその声を聞いて驚きラナを見ます。
ラナは微笑します。
ラナ:ありがとう、クラーク。
とても役に立ったわ。
[彼女は右手を上げます]
Abige!(引き上げ!)
目が眩むほどのピンク色の光が納屋の中で光ると三人は突然消えてしまいます。
クラークは鎖の戒めに苦闘しますが自由になることができません。
ジェイソンが入ってきます。
ジェイソン:クラーク?
ジェイソンはクラークのところに走って彼を助け出します。
ジェイソン:大丈夫か?
何があった?
ジェイソンが鎖を解くとクラークは地面に倒れます。
ジェイソンは彼の脇にひざまずきます。
ジェイソン:ラナがやったのか?
ムリをするな、落ち着いて。
彼女はどこだ?
彼女を見つけないと。
クラーク:彼女はロイスと一緒だ。
クロエも。
でも普通じゃない。
三人とも人格が違う。
まるで幽霊に取り付かれたみたいだ。
ジェイソン:そうか。
そういう風にみえるよな。
起きられるか?
[彼はクラークが立つのを手伝います]
ラナは十七世紀の魔女を調べていたんだ。
彼女が見つけた呪文の本のページに触ったら…
クラーク:待って。
ラナは魔女に心を乗っ取られたって言うのか?
ジェイソン:ああ。
イソブルは本を媒体にしてラナの中に入った。
だから彼女を見つけて本を処分しないと。
どこに行ったか分かるか?
クラーク:あー、よく分からない。
学校を調べてくれませんか?
僕はタロンを見に行きます。
ジェイソン:分かった。
クラーク、もし彼女達を見つけたら、俺の携帯に電話しろ、いいな?
…一人じゃ何もするな。
用心しろよ、いいな?
ジェイソンは去ります。
第3幕 場面2
ラナ、クロエ、ロイスはカワチ洞窟にいます。
日中。
ラナは片手で呪文本を持ちもう片手で壁のシンボルに触ります。
ラナ:そういう事だったのね。
私が千マイルも離れた場所で生き返った訳は、運命だったのよ。
三人は力の石を隠した秘密の部屋の壁に歩きます。
彼らは力強く壁を凝視します。
ラナ:皆、感じる?
私達に呼びかけているわ。
一つ目の石はこの壁の向こうにあるわ。
これで、私達の魔法は十倍になる。
全ての石が手に入れば世界中の男たちが私達を神と崇めるようになるわ。
手を伸ばせば直ぐのところにあるのよ。
ラナは本を開き三つのシンボルのページを開きます。
それらは彼女がロイスとクロエを変えたときに現れたシンボルと同じものです。
彼女は深呼吸をして壁を指さします。
ラナ: Murus scinde !(壁よ開け!)
壁が開き始め白い光が隠し部屋から漏れ出します。
三人は詠唱しながら近づきます。
全員:Volutus vita nostra est.
Volutus vita nostra est.
Volutus vita nostra est.
Volutus vista nostra est.
(私達の命は復活した)
隠し部屋の中にはクラークがレックスのジェット機から盗んだ力の石が祭壇に据え付けてあります。
ラナ:今までの苦痛と迫害。
それも今晩で終わるわ。
ロイス:そして私達の未来が始まるのね。
クロエ:早く取ってよ、イソブル。
私達を導いて。
ラナ:最初の石よ。
長い間夢にまで見た。
ついにたどり着いたわ。
ラナはゆっくりと石に手を伸ばします、しかし彼女の手が石に届く直前、銃の撃鉄を起こす音が聞こえます。
クラーク:いや、まだだ。
ラナが祭壇の向こう側を見るとクラークがショットガンを構えて立っていました。
彼はシャツを着ていますが、痣はまだ消えていません。
ラナ:[ほほ笑んで]
ここに来るべきじゃなかったわ、クラーク。
クロエ:愚かな子ね。
ラナ:この秘密の部屋を私達に教えてくれた事に対して感謝してるわ。
だから命ばかりはとらないつもりだったのに。
クラーク:悪いけど、ラナ、でも君たちに譲るわけにはいかない。
ロイス:そんな事言える立場なの!
ロイスがクラークの銃を指し示し手を横に振るとクラークの手の銃は部屋の向こう側に飛んでいきます。
ラナ:あなたが証人になりなさい、クラーク・ケント、新しく始まる夜明けのね。
ラナは祭壇から石を引っ掴みます。
掴んだ途端石は白く輝き彼女の手を燃やし始めます。
彼女は悲鳴を上げて石を落とします。
石が地面に落ちる前にクラークは石を捕えます。
そして次に彼はゆっくりと立ち上がります。
石の光はクラークの胸の中へと入っていきます。
光が消えるとクラークの顔の傷は癒され彼は彼女達を睨み付けます。
ロイス:[混乱し]
彼の力が戻ってるわ。
クロエ:どうやって?
クラーク:僕はここの出身じゃないんでね。
ラナ:そんな事はどうでもいいわ。
前にもあなたから力を奪ったんだから、
今度も同じように奪えばいいだけの事じゃない?
クラーク:はたしてどうかな。
クラークの目は赤くなりラナの手にしている呪文本にヒートビジョンを放ちます。
ラナはページを見下ろします。
イソブルの代わりを務めているシンボルが白く輝きだします。
ラナ:いやーっ!!!
白いエネルギーが渦となって本から立ち上ります。
フェイドアウト。
第4幕 場面1
ラナ、クロエ、ロイス、クラークは全員洞窟の地面に気を失って倒れています。
日中。
クラークが目を覚まして見回します。
彼女たちが目覚めると彼は立ち上がります。
ロイス:どうしてこんな土の上で倒れてるの?
クロエ:それにこんな格好を?
クラーク:[ラナに、助け起こしながら]
大丈夫?
ラナ:クラーク、何が起きたの?
クラーク:まあ、このところの君は君じゃなかったんだ。
ラナは恥ずかしい衣装に胸の前を腕で隠します。
クラークが彼女にほほ笑みます。
第4幕 場面2
ケント農場。
日中。
クラークが階段を降りてくるとマーサは台所で果物を薄く切っていました。
マーサ:まあ、やっと目が覚めたのね。
クラーク:母さん。
いつ帰って来たの?
マーサ:今朝よ。
父さんがあなたの代わりに手伝ってくれてるわ。
クラーク:ごめん。
寝坊しちゃたね。
クラークが冷蔵庫からジュースを取り出しコップに注いでいるとジョナサンが入ってきます。
クラーク:おはよう、父さん。
ジョナサン:おはよう、クラーク。
なあ、私と母さんに何か話しておきたい事はないか?
ジョナサンはセクシーな赤と黒のブラジャーを上げます。
マーサ:[小さな声で]
どこから持ってきたの?
ジョナサン:納屋の外だ。
干草の中にな。
マーサ:[ショックを受け]
クラーク…
クラーク:[素早く]
それはマジックなんだ。
マーサ:私もそうだと思ったわ。
クラーク:違うよ、本当の魔法なんだ。
母さんたちに話さないでパーティーを開くべきじゃなかったんだ。
それは分かってるけど。
でももう手のつけようがなくなって。
ラナのせいで、でもあれはラナじゃなかったんだ。
彼女は魔女に乗り移られて呪文をかけたんだ…その後こんな事になって。
ジョナサン:なあ、ここがスモールビルであることは分かってるつもりだ。
だが魔女や呪文…
[ブラジャーを上げ]…魔法?
クラーク:父さん、魔法は本当にあるんだ。
僕は見たんだ。
悪いことに、僕は魔法で傷つけられた。
ジョナサンとマーサは心配して目を見合わせます。
第4幕 場面3
タロン。
日中。
ラナはアパートのカウンタートップから壊れたガラスの破片を掃除していました。
レックスが入ります。
レックス:なかなか派手にやったな、外にまで飛んでる。
ラナ:レックス。
あなたに会いに行くつもりだったのよ。
レックス:先制攻撃だ。
何か悪い事に備えて万が一にな。
ラナ:もう私は大丈夫よ。
私、あなたに何かしたの?
レックスは片手を見ます。
レックス:ああ、何も無い、だが君は興味をそそる能力を見せてくれた。
ラナ:ごめんなさい、何も覚えてないの。
したくてした事じゃないわ。
レックス:まあ、君が無事で何よりだ。
ラナ:クラークに感謝だわ。
彼が何をしたのか覚えてないけど、でも歴史の彼方からイソブルが戻ってきたって。
レックス:俺も皆もクラークに感謝すべきだな。
ラナ:そうね。
本当にあの人の事が理解できないの。
友達のために命を危険にさらしても平気なくせに…全く反対にジェイソンをクビに追いやったりして。
ねえ、彼って嫉妬深いのかしら?
ラナはリビングルームに向かって行きます。
レックスは一瞬ためらいます。
レックス:ラナ。
[ラナが振り返り]
クラークじゃないんだ。
俺がやったんだ。
ラナ:[やんわりと]
あなたが?
レックス:なあ、君は自分を大人だと思っているだろう、だがまだ高校生だ。
誰かが君らの関係をばらしてしまうのを黙って見ていられなかった。
ラナ:[腹を立て、しかしソフトに]
何をしたの、レックス?
レックス:俺は君を守ろうとしたんだ。
ラナ:それが本当に私に必要な事だと思ってるの?
レックス:ラナ、今君は気が動転している、だが俺は君のために一番いい方法を選択した。
ラナ:私の事で心配なんかする必要ないわ、レックス。
もう自分の事は自分で決められる歳よ。
[厳しく]
誰の指図も受けないわ。
ラナはアパートを去ります。
傷ついた表情でレックスは彼女が行くのを見ます。
第4幕 場面4
クラークが屋根裏でパーティーの飾り付けを片付けています。
日中。
彼は赤い女性の上下の下着を拾い上げて落ち着かないで凝視します。
ラナは彼の後ろから入り下着を見ます。
ラナ:少なくともそれは私のじゃないわね。
クラークはゴミ入れの中に速く下着を落とします。
クラーク:やあ、ラナ。
ラナ:[階段の上に来て]
あなたにお礼を言いたくて。
またあなたに助けられちゃったわね。
クラーク:いや、元のラナに戻ってくれてよかったよ。
イソブルはそのー…積極的でセクシーだったから。
ラナ:[恥ずかしそうに微笑んで]
そうなの。
尻軽女に乗り移られたものね。
ラナはもっと何か話したそうに静かにクラークを見ます。
クラークは彼女の言葉を待ちます。
ラナ:あのね、レックスがジェイソンをクビにしたのが分かったわ。
あなたがそんな事をするわけないと思うべきだっだ。
クラーク:君とジェイソンの事を聞いたとき、僕はいやだったんだ。
でも後になって冷静に考えると、僕の取った行動は君を幸せにはできなかった。
ラナ:あのね、あなたがいつも私に秘密を隠していた事に腹が立ったの。
だから私はあなたに同じ事をしないわ。
クラーク、私がスモールビルに戻ったのにはわけがあるの。
パリにいた時イソブルのお墓に触ったの、
そしたら物凄い光に包まれたかと思うと気づいた時にはアパートに戻っていたわ。
そしてこれがあったの。
ラナは向きを変えてジャケットをめくるとクラークに刺青を見せます。
クラークはそれに触わろうと手を伸ばしますが触りません。
クラーク:前にこれと同じものを見たよ。
洞窟の壁にあった。
ラナ:もっと早くあなたにこの事を話すべきだったわ、
でも怖かったの。
クラーク、あなたは他の誰よりも洞窟の事を知ってるわ。
このシンボルが何を意味するのか分かる?
クラーク:[はい、と答えたいのですが]
いや。
ごめん。
クラークが真実を話していないことを悟りラナは嘆願するようにクラークの目を見つめます。
クラークがやましげに彼女から目をそむけます。
洞穴では。
懐中電灯の光が壁を照らしています。
懐中電灯を持っているのはレックスです。
彼は熱心にシンボルを見つめています。
フェイドアウト。
おしまい