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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン4.12Pariah [のけ者]

第1幕 プロローグ
タロン。
夜。
ラナ、ジェイソン他何十人もの人たちがタロンの中にいます。
小さなステージではクロエとロイスがカラオケに熱中して歌っていました。
二人はマイクを持ち適当に踊っています。
皆も手拍子をして楽しんでいます。

ロイス&クロエ:[歌](訳注:面倒なので直訳)
          私はロックンロールが好きだから、もう一個ダイムをジュークボックスに入れます、ベイビ!
          私はロックンロールが好きだから、ここに来て私と一緒に踊ろうよ。
クロエ:[マイクへ叫び]ワオッ!

ラナは喜んでいいのかというような顔で笑います。
ロイスはクロエに笑いかけます。

ロイス&クロエ:[歌]
         彼は微笑んだから名前を聞いたの。

ロイスはラナとジェイソンの脇のテーブルの席にいた美青年にステージから降りてきます。
彼の名前はティムです。

ロイス:[浮かれて]そこの君。

ティムは少し落ち着かずに微笑みます。

ロイス&クロエ:[歌]
         彼はそんな事どうでもいいと言った。
         私は言った、あなたの家に連れて行って、alo-woe-woneになれる場所にって?
         そして私達は行った、そして彼は私といました。イエイ。

ラナはティムの方を覗き微笑みます。
彼は微笑み続けるがまだ少しきまりが悪いようです。

ロイス&クロエ:[歌]
         そして私達は行った、そして彼は私といました。イエイ。
         私はロックンロールが好きだから、もう一個ダイムをジュークボックスに入れます、ベイビ!
         私はロックンロールが好きだから、ここに来て私と一緒に踊ろうよ!

クラークとアリシアが手を繋いでタロンに入ります。
ラナは入口の方を向いて二人が入ってきたのに気づき顔色を変えます。
ロイスとクロエも気づいて歌うのを止めます。
ロイスはクロエに振り向いてマイクのスイッチが切れていないのに気づかず話をします。

ロイス:彼って結婚したんでしょ、ねえあの娘?

ロイスの言葉はハウリングを起こしながらタロン中に響きました。
アリシアは落ち着かずに目を伏せます。

クロエ:それって微妙ね、ロイス。
ロイス:[とまどい]そうなの。
クロエ:いいわ。

音楽は止まります。
そしてタロンにいる誰もがアリシアとクラークをじっと見つめて黙っていました。
アリシアは懇願するようにクラークに目を向けるとクラークはロイスを睨み付けます。
ラナはしばらくあたりを見まわして、そしてジェイソンに振り向きます。

ラナ:[うんざりして]
   今晩はもうお終いにしましょ。

ラナは立ち上がりアパートに階段の方へとにジェイソンのもとを去ります。
アリシアは彼女の後を追います。

アリシア:ラナ、待って。

ラナは顔をアリシアに向けます。

アリシア:私、謝りたいの。
ラナ:[笑いながら怒って]
   どうして?私を殺そうとした事、それとも成功しなかった事?
アリシア:ねえ、私にチャンスをちょうだい、あなたに本当の私を証明する。
ラナ:もうしたじゃない。

ラナは階段を登ります。
ジェイソンとクラークはアリシアの後を追ってたどり着くと立ち止まります。

ジェイソン:[クラークに]
      お前が彼女をここに連れて来るとは思わなかったよ。
クラーク:ジェイソン、聞いてくれ…
ジェイソン:何を?別の言い訳か?

アリシアは踵を返しタロンから出て行きます。

ジェイソン:考えても見ろよ彼女の気持ちを?まったく。

ジェイソンは階段を登ります。

タロンの外。

ラナはアパートに二階にいます。
そしてバスローブを着てバスルームでロウソクに火を入れます。
彼女はマッチを吹き消してドアに行きます。
そして電気を消してドアに鍵を掛けます。
ロウソクの柔らかな明かりの中、彼女はシャワーをひねります。

ジェイソンはリビングルームのテーブルに着き宿題をしています。

バスルームでラナは半透明のカーテンの向こう側でシャワーを浴びています。
そして彼女は髪を洗います。
誰かがドアの鍵穴から中を覗いています。

霧のようなのような渦巻を巻いたものが鍵穴を通ってバスルームに飛び込みます。
そして柔らかな唸りを上げっています。
風は音を伴ってロウソクの炎をわずかに揺らします。
ラナは音に気づきますが直ぐに気にしなくなります。
ラナがシャワーを顔にかけて髪を顔から払うと突然カーテンが外れて彼女の顔に巻きつき息ができなくなります。
彼女は叫ぼうとしますがカーテンに巻きつけられ声が出ません。
ついに彼女は気を失ってバスタブに倒れます。

ジェイソンは大きな物音に気づき外側から鍵のかかったドアを開けようとしています。

ジェイソン:ラナ?

ラナが答えないのを知るとジェイソンはドアを蹴破ってバスルームに入ります。
彼はラナがバスタブに倒れているのを見つけます。
彼女はカーテンに包まれ、シャワーはまだ流れています。

ジェイソン:ラナ?

彼はバスタブに駆け寄ってシャワーを止めるとラナをバスタブから出しカーテンを引きちぎります。
頭は現れましたがは彼女は気を失っていました。

ジェイソン:[うろたえ]ラナ?おい、聞こえるか?

霧の集まりはジェイソンの後のドアを外へ飛びだします。

ジェイソン:ラナ?ラナ。ラナ、俺を見るんだ。

第1幕 場面1
スモールビル医療センター。
夜。
ラナが病室で病院着を着てベッドに座っています。
ジェイソンは彼女の側にいます、そしてちょうどラナの心臓をチェックし終わった看護婦が部屋を出ていきます。
看護婦が去ると病室にいた医者がラナを検査するために彼女の方へ歩きます。
ロイスとクロエは廊下で待ちます。
クラークが角を曲がって彼らの方へ歩きます。

クラーク:[息を切らし、心配して]ラナはどうなんだ?大丈夫なのか?

答えを聞かずにクラークは二人を通り越して病室の窓へと近づきます。
医者はラナの目をペンライトで調べていました。

クロエ:ねえ、クラーク。
    彼女は大丈夫よ。
    つまりさラナはラッキーだったの、ジェイソンがバスルームのドアを壊して助けたんだから。
ロイス:ただラナを襲った謎の人物はもういなくなってたって。
    それで、もうあなたのブレスレットをした彼女は逮捕されたの?
クラーク:[戸惑い]なんで?
クロエ:アダムス保安官がさっきまでここにいたんだ。
    保安官は「鍵の掛かった部屋内で襲われた」事にかなり詳細に聞いてたわ。
ロイス:そしてアリシア・ベーカーの名前が浮かび上がったってわけ。
クラーク:アリシアじゃない。

ロイスとクロエは疑わしそうにクラークを見ます。

クラーク:彼女はベル・リーブから退院してからずっと鉛のブレスレットをつけてるんだ。
     それは彼女の力を使うのを妨げる。
ロイス:[信じずに]
    彼女はその話を自分に都合がいいようにあなたに信じさせたわけね。
    あなたが自分の頭で考えられないように。
クロエ:クラーク、アリシアがブレスレットをしてるからテレポートできないって言ってもそれが事実だとは限らないわ。
クラーク:ラナが襲われた時、彼女は僕と一緒にいたんだ。
     グランビルで。
クロエ:そう、でもちょっといい?
    彼女がカーク船長より簡単に移動できるのを認めるでしょ。
ロイス:それに彼女は前にラナを切り刻もうとしたわ。
    それはまだ進行中じゃないの。
クラーク:アリシアがこんな事はできなかったって話してるんだ。
     僕は彼女を知ってる。

クラークはクロエとロイスから離れ窓の方へと行きます。
ジェイソンが病室から出てきてクラークと顔をあわせ困ったような顔で立ち尽くしました。

ジェイソン:クラーク。ラナは君に会いたくない。

クラークはジェイソンを越えてラナが医者とまだ話をしている窓を覗きます。

第1幕 場面2
アダムス保安官はケント家のキッチンでクラーク、マーサ、ジョナサンの三人に事情聴取をしながらメモを取っています。
日中。

アダムス:まるでデジャブーを見てるみたいだわ、ケント君。
     前にもこんな事があったわね?
クラーク:前とは違います、保安官。
     アリシアはラナを襲ったりはしてません。
     僕と一緒にいたんです。
アダムス:[脅すように]
     あなたがガールフレンドの代弁をするのが分からないわ、ケント君。
     あなたがアリバイを証明しなければ彼女を刑務所に入れておけるのよ。

アダムス保安官はクラークに頷くとジョナサンとマーサをちらっと見て立ち去りました。
ジョナサンは彼女のためにドアを開け彼女は出ます。

クラーク:[不快]保安官はもうアリシアの事を犯人だと決め付けてかかってる。
ジョナサン:保安官のいう事はもっともだぞ、クラーク。
マーサ:ラスべガスの時も今回の事も非難されて当然よ。
    あなたはあの子をどうしたいの、クラーク?
クラーク:アリシアがやったんじゃない。
ジョナサン:クラーク、お前のガールフレンドには問題がある。
      それにこの関係は健康的じゃない。
      どうしてそれが分からないんだ?
クラーク:父さんはいつも僕に人のためになる事をしろって言ったじゃないか。
     だからその言葉を信じたんだ。
     アリシアには第二のチャンスがあるんだ。

言い返そうとしてジョナサンは息を吸い込みます、しかしマーサが彼を遮ります。

マーサ:私が理解できないのはあなたが彼女に会い続けてる事よ。
    その事を私達がどう思ってるか分かってる?
クラーク:[カッとなり]
     彼女は僕の秘密を守ってる。
     僕を助けるために撃たれさえしたんだ。
     それ以上、証明するために他に何をしないといけないんだ?
マーサ:彼女がやったとしたらどうなの、クラーク?
    前にやった方法でラナを襲ったとしたら?

クラークは黙って、心配します。

第1幕 場面3
クロエとロイスがトーチオフィスにいます。
日中。
クロエがバッグを肩に掛けるとベルが鳴ります。

ロイス:今までもっと外に出る事を考えないの?
クロエ:今週末に大学から逃げ出してきたやり手大学生が来たからね。

クロエが部屋を出るとロイスも後に続きます。
二人は並んで廊下を歩いて来ます。

ロイス:そんな事ないわ。
クロエ:それで?
ロイス:それで、彼らはシャツに書いてるのよ、グループソングを歌ってさ…
クロエ:[偽りの同情で]ああ。
ロイス:仲間同士でパワーパンキングコンテストをしてるわ。
クロエ:[うんざりして]へえ、そうなの。
     でもどうしてスモールビルに出てきたの。
ロイス:まあ、信じてもらえないかもしれないけど、
    あなたと一緒にいるのが好きなんだ、従妹だって思えないし。
    それは「隕石がフリークを生み出す」なんてあなたの持論を信じる意味じゃないけどね。

二人がクロエのロッカーに着くとクロエはロッカーを開けます。

クロエ:それは持論じゃないわ、ロイス。
    アリシア・ベーカーは二度も私の友達を殺そうとしたんだよ。
    そして彼女がそんな事ができるのは流星群によって誘発された能力によってだよ。

クロエは何冊かの本をロッカーに仕舞い閉じます。

クロエ:ラナのバスルームのドアに鍵がかかってたって知ってた?
    誰も中に入れなかったんだよ?それでもまだ他に何か?

クラークが歩いて来ます。

クラーク:それは僕も知ってる。
     クロエ、アリシアと似たような力を持った者がスモールビルにいないかどうか調べる必要がある。
クロエ:クラーク、悪いけど、
    でももしアリシアのような力を持った者がいたとして、ラナにどんな恨みを持ってるって言うの?

ティム他タロンにいた者たちが歩いて来ます。

ティム:やあ、論評原稿は終わったよ、クロエ。
クロエ:すごいじゃない。
ティム:やあ、ロイス。
ロイス:やあ。
ティム:[突然飛びのいて]
    おっと、ぶつかるんじゃないかと思った。

クロエは微笑みます。そして何が続いているか理解します。

ティム:あー、もしよかったら、そのー僕と一緒にコーヒーでもどうかなと思ってさ。
ロイス:[驚き]コーヒー?

クラークはロイスに微笑みます。そして彼女の不快に喜びます。

クロエ:[ティムに]
    あのね、さっきロイスが表に出たいって言ってたわ。
ロイス:[抵抗しようとして]わ、私…ちょっと…
ティム:いいね。それじゃ決まりだ。

ティムはクロエにファイルを手渡します。
彼女はそれを開けて記事の表題を読みます。

クロエ:「スモールビルの全盛期」

見出しの下の小見出しは「史学会が展覧会を開く」

クロエ:面白そうね。
ティム:[ロイスに]
    そうだろ。だから僕とコーヒーでも飲みながらその話をしようじゃないか。

ティムは歩き出します。
ロイスは怒ってクロエを睨みつけるとクロエはお返しに微笑みます。

クラーク:やあ、ティム。
     [ティムは振り向きます]
     あのさ、昨日の晩、タロンにいただろ。
     何かおかしなものをみなかったかい?
ティム:うーん、いや、特には。
    でも、君のお袋さんがいたよ、掃除をしていた。
    それと君と一緒にいたブロンドの女の子が路地にいた。
    多分、二人なら何か見たんじゃないか。

ティムは歩き去ります。
クラークを心配したような顔で立ち尽くしていました。

第1幕 場面4
ケント農場。
夜。
クラークの屋根裏で、クラークとアリシアが上の階にいます。
アリシアは立って手摺りにもたれて、クラークは心配そうにうろうろしていました。

アリシア:動物園の熊みたいよ。
     [クラークは答えません]
     大丈夫?
クラーク:いや。
     [うろうろするのを止め]
     ラナが襲われた時、誰かがタロンの裏路地でブロンドの女の子を見てるんだ。
アリシア:[間があり]
     それは私じゃないわ、別の誰かよ。
     疑ってるの、クラーク。皆私だと思ってるのね。
クラーク:[自分を納得させようとして]
     君は僕と一緒にいたんだ、そんな事はできないさ。
     それに君はそのブレスレットをつけているんだから。

クラークはアリシアの手をとってブレスレットを見るために袖を持ち上げます。
ブレスレットはありません。
ショックを受けたクラークは後ろに下がります。

アリシア:[防御的に]クラーク…
クラーク:嘘をついたのか。
アリシア:そうじゃないわ…ウソじゃないの。
     つまり…もうあれは必要じゃないと思ったのよ。
     [クラークの顔に恐れの表情が浮かびます]
     あなたは分からないでしょうね。
     私は二度とあの力を失いたくなかったの。
     刑務所にいるよりイヤだったのよ。
     もし誰かがあなたに力を使う事はできないと言われたら、あなたならどうする?
クラーク:分からない。
     でも誰かを傷つける前に、すぐに誰かに言うだろうな。
アリシア:ええ、だから今の私がそうなのよ、クラーク、あなたはそれを知ってるわ。
     皆に私が何者なのか、受け入れて欲しいのよ。
     もしあなたが私と同じ立場なら、心の奥底では同じ事を望んでるはずよ。
     あなたにブレスレットの事を話さなかったのは謝るわ。
     でもラナを襲ったりなんかしてない。
     本当よ。
     [より小さな声で]
     ウソじゃないわ。

第1幕 場面5
タロン。
夜。
ラナとジェイソンはバーの隣に立って話しています。
マーサは掃除をしていて話し声の届く範囲にはいません。
タロンは閉店しています。
ラナとジェイソンは深刻そうな話をしていますが、幾分くだけていました。

ラナ:ジェイソン、バカな事は言わないで。
   2、3時間ぐらいなら平気よ。
ジェイソン:君は鍵を掛けられた自分のアパートの中で襲われたんだぞ。
      僕だけ大学に行って、君は写真の片づけをして残すなんてできると思うのか?。
ラナ:あなたの歴史の試験を失敗させたくないのよ。

クラークが中に入ります。
そしてラナの最後の言葉を聞いて彼女とジェイソンの間に割り込む事ができませんでした。

クラーク:母さん、帰れる?
マーサ:[ジェイソンに]どうして、クラークと私でラナの所に泊まるんでしょ?

クラークとラナはぎこちなく顔を見合わせます。
そしてジェイソンは疑わしそうにクラークを見ます。

ラナ:それはいいアイディアだわ。
   [ジェイソンにジャケットを手渡し]
   行って。私は大丈夫だから。
ジェイソン:わかった。すぐに戻るよ。

ジェイソンはもう一度冷ややかな目でクラークを見てから去ります。

タロンの裏路地をジェイソンが車に向かって歩いています。
彼はキーの束をポケットから取り出し車の警報装置をオフにして乗り込みます。
そしてドアを閉めるとぼんやりとバックミラーをちらっと見てからキーを入れます。
再びミラーを見上げるとミラーが曲がっていて、そこにぶら下がっているダイスのマスコットが前後に揺れています。
ジェイソンはミラーを直します。
おかしいなとは思いますが、あまりに気にしていません。
彼がキーに手を伸ばし回そうとした時、
突然、緑のスカーフが彼の頭の上から被せられクビを締め付け窒息させます。
彼はあえいでスカーフの方に手を伸ばします。
しかしクビをきつく絞められ息ができません。
彼は片手でスカーフを引っ張り、もう片手で死にもの狂いに何度もクラクションを鳴らし始めます。
ジェイソンには見えませんが、クラークは路地に超スピードでやってくると助手席側のドアを開けようとします。
しかしドアはロックされます。
クラークがウインドウを叩き割ると、スカーフはすぐにジェイソンの首の回りから落ちます。
そして再び呼吸ができるようになったジェイソンはあたりを見まわすが車の中には他に誰にもいません。
彼が息をついて首をさすります。
クラークはスカーフを調べます。
そして誰の物か分かった様子です。
ジェイソンの座席の下からラナのアパートで見た同じ霧のような物が渦を巻き車から出て行きました。
ジェイソンもクラークもそれを見ません。

フェイドアウト。

第2幕 場面1
スモールビル医療センター。
夜。
ジェヌビエーブが息を切らして病室に走って来ると、
彼女はジェイソンの顔を手で覆います。
ジェイソンはちょうど病院着を着終わったところです。

ジェイソン:お袋、ここで何をしてるんだ?
ジェヌビエーブ:自分の息子の無事を確認しに来たのよ。
        [彼女は彼を抱きしめます]        ここに来る途中でマーティン先生に電話したのよ。
        今日、あなたをここで診てくれるって。

悩んでジェイソンは彼女から離れます。

ジェイソン:俺は大丈夫だ。
      フットボールでもっと大変な怪我をしたことだってあるんだから。
ジェヌビエーブ:でも、他のお医者様の意見を聞いても別に問題はないでしょ。
ジェイソン:あきらめてくれ、お袋。

ジェイソンは腕時計をテーブルから取り手首に付けます。

ジェヌビエーブ:あなたがここで一人で苦しんでいるのを見るのは辛いのよ。
        少なくてもガールフレンドがここにいるはずでしょ。
ジェイソン:母さん本当にそのゲームをしたいのか?
ジェヌビエーブ:ゲームなんかじゃないわ、ジェイソン。
        あなたの人生よ。
        あなたが落ちていくのを心配してるの。
ジェイソン:俺が落ちて行くってどういう意味だ?
ジェヌビエーブ:何の話?
ジェイソン:ラナだよ。
      俺がパリで知り合った娘を見に来ただろ。
ジェヌビエーブ:本気で言ってるの?
        どうやって二人をパリで出会わせて恋をさせることができる?

ラナが入ります。

ラナ:ティーグさん。そのー、あなたがここにいるとは思いませんでした。
ジェヌビエーブ:入って、ラナ。
        ちょうどあなたの事を話していたのよ。
        えーと、ジェイソンが私があなたとの出会いを仕掛けたって話しを聞いた?
ラナ:[小さな声で]ええ、しました。
ジェヌビエーブ:それであなたはどう思った?
        あなたも私が何かしらの力を使ってあなたがパリに行った時にあの子をパリに行かせたと思ってるの?

ラナはジェヌビエーブから目をそらしてジェイソンに目を向けます。

ジェイソン:そんなの答える必要ないよ。
ジェヌビエーブ:彼女もそう思ってるみたいね。
        [より近づき]
        ラナ、私は完璧な母親じゃないわ。
        特に息子の女性の事については過保護だし、時には横柄よ。
ジェイソン:[止めようとし]お袋…
ジェヌビエーブ:あなたが私の反応からも分かったように、あなた達二人とは無関係よ。
        それに私の息子があなたに会った事を私に責めるなら、自分自身に聞いてみればいいわ。

ラナはいくぶん恐る恐るジェヌビエーブを見て間をおきます。

ジェヌビエーブ:[ジェイソンに]
        もし気が変わったら連絡をちょうだい。
        [彼女はジェイソンの顔にさわります]
        気をしっかり持ってね。

ジェヌビエーブは病室を出ます。

第2幕 場面2
ケント農場。
日中。
クラークは納屋に入りテーブルに置いてある釣りの道具箱を開けます。
箱にはルアーが沢山入っています。
一つの区画には全て小さな銀の魚のようなルアーが入っていました。
彼はそれらのうちの一つを出して針を抜きます。
別のルアーを見てそれも同じように針を抜き前のルアーとつなぎあわせます。
アリシアが彼の後に入ります。

アリシア:それじゃダメよ。
     私につけられた物は特別製だったの。
     力を弱めるためには血流の中に鉛を流さないといけないの、覚えてるでしょ?
     [クラークは続けます]
     私に考えがあるの。
     [彼女はクラークの作るブレスレットを見ます]
     それはかなりひどい事かもしれない。
クラーク:どこでにたんだ、昨日の晩は?
アリシア:あなたがもう一度電話してくれると思ってたわ、どうして?

クラークは釣りの道具箱を閉じて片づけます。

クラーク:ラナの彼氏が襲われたんだ。
     僕が彼を助けた、そしてこれを見つけた。
     [彼は緑のスカーフを上げます]
アリシア:[びっくりして]
     私じゃないわ、クラーク。
     そんな場所に行った記憶がない…私じゃないのよ。
クラーク:アリシア、警察に行こう。
アリシア:[苦しんで]
     私を信じてないのね。
クラーク:信じたいさ、本当に。でも僕はこれを止めさせなきゃならないんだ。
アリシア:分かったわ、じゃあ、誰がやったのか犯人を突き止めなきゃ。
クラーク:皆、君だと思ってる。
アリシア:どうして、私の力のせい?
     私がフリークだから?
     ねえ、クラーク?
     他の皆があなたの力の事を知ってたら、あなたも疑われる事になるわ。
クラーク:違う、アリシア、これは君の力のせいじゃないんだ。
アリシア:言うのは簡単よ、クラーク。
     皆はあなたが普通だと思ってるんだから。
     あなたの友達が私みたいにあなたの本当の事を知ったら皆はどう反応すると思う?
クラーク:保安官のところへ行こう。
     何があったか話すんだ。
     全てを説明すれば分かってくれるはずだ。
     だから大丈夫さ。
     [アリシアはしばらく考えます]
     保安官に説明するんだ。
アリシア:分かったわ、あなたと一緒に行くわ…
     [クラークは安心してため息をつきます]
     …あなたも保安官に力の事を話すんならね。
クラーク:僕はできないんだ。
アリシア:どうして、クラーク?
     皆が私達の力の事を知れば、皆だって本当の私達を分かってくれるはずじゃない?
クラーク:残念だけど。
アリシア:ええ、私も残念だわ。
     いつか二人が自由になれるのは皆に分かってもらう事よ、クラーク。
     そうなるまで私の事を嫌いにならないで。

彼女は彼から2、3フィート離れます。

アリシア:さようなら、クラーク。

彼女はテレポートをします。

クラーク:アリシア!

クラークが彼女の方に手を伸ばしますがもう遅かった。

第2幕 場面3
タロン。
日中。
クラークはアリシアの緑のスカーフを持ってタロンに入ります。
彼はアダムス保安官がコーヒーを飲んでいるバーの方へ歩きます。

アダムス:ケント君。最近会わなかったわね。
     お母さんの手伝いに来たの?
     [コーヒー飲み]
     うーん。そのラッテの機械を壊しちゃったみたいね。
クラーク:[不機嫌に]
     違います、保安官、僕はあなたに会うためにここに来ました。
     [彼は彼女にスカーフを見せます]     ジェイソンが襲われた時、車の中で見つけました。
     これはアリシアの物です。
アダムス:[スカーフを取り]コロコロとよく気が変わる政治家みたいだわね、ケント君。
     それじゃ、今は彼女がやったと思ってるの、エッ?
クラーク:多分。
アダムス:あなたをガッカリさせるのは気が引けるんだけどね、ケント君。
     でも私はあの道すぐ近くにいたのよ。
     ベーカーが最初の事件の時、あなたといたというあなたの主張があったけど、
     私は彼女を彼女を牢屋に入れたの。
     スカーフがそこにあったかもしれないけど、あなたの彼女じゃないわ。
     アリシアベーカーは第二の犠牲者が襲われた時、私と一緒に尋問室にいたんだから。
     彼女にそんな事ができるはずがないの。

アダムスはスカーフをクラークへと返します。
クラークは驚いてスカーフを見下ろします。

第2幕 場面4
クロエがトーチで入力しています。
夜。
アリシアがオフィスに入ります。
そして彼女自身に関するいくつかの記事がクロエの壁に貼られているのに気がつきます。
クロエは彼女を見ません。

アリシア:[記事のタイトルを読み]「牢屋は彼女を閉じ込めておけるか?」

クロエは驚いて立ち上がりアリシアに振り向きます。

アリシア:おそらく、そんな事はないわ。
クロエ:[怖がり]アリシア、ここで何をしてるの?
アリシア:クロエ・サリヴァン、優秀なリポーターね。
     あなたはフリークと呼ばれる人達の事を記事にしてるのね。
     だけど自分の近くにいる者の一人がそうだとは思ってない。
     どうしてそんなまじめな顔をして目を背けるの、クロエ?
     クラーク・ケントについての真実を知りたくはない?
クロエ:[疑い]
    皆あなたがおかしいというのは知ってるわ。
    どうしてあなたを信じなきゃいけないの?
アリシア:あなたのために証明してあげるわ。
     それからあなたは一生の記事を書くことができるわ。

アリシアはクロエの両手を掴むとトーチからテレポートします。

アリシアの車の中に現れた二人、アリシアは運転席に座っています。

クロエ:ここはどこ?何をしたの?
アリシア:あなたに次の見出しをあげるわ。そしてクラークにとってもいい事になるわ。

アリシアは携帯電話を開けてダイヤルします。
それから彼女は夜の道をスピードを上げ始めると耳と肩の間に電話を挟みます。
彼女はタイヤがキーキーいわせながら走るとクロエは恐る恐るあたりを見まわします。

アリシア:[電話で、恐怖を装い]クラーク!

電話から聞こえるクラークの声。

クラーク:アリシア、どうした?
アリシア:オールド・ブラッサム街道にいるの。
     車が故障したみたい!止まらないの!
クラーク:待ってて!
アリシア:急いで!
     [彼女は電話を切ってクロエと話します]
     前にもあなたは見たはずよ、分かるはずよ、クラークが何者なのか。
     そして、あなたはその毒舌をスモールビルを変えるために記事にするのよ。

車はスピードを上げ続けます。そしてカラーコーンとバリケードで塞がれている建設現場に向かいます。
車がそこに着く前にアリシアはクロエの肩を触りテレポートして車から出て行きます。
クラークは現場に超スピードでやってきます。
彼は建設機械と車の間に立ちはだかります。
アリシアとクロエは少し離れた道の脇に現れます。
そしてバリケードの後ろからクラークを見ます。
クラークは二人を見ることができません。
クロエはクラークが対向する車の進路に立っているのを見ます。

クロエ:[小さな声で怖がり]クラーク、あなたって…
アリシア:心配しないで、クロエ。

車が建設現場のランプまで上がってきたのをクロエは目に涙を浮かべパニックで見ています。
そして車は宙に舞い上がりクラークの方にまっすぐ急落下してきます。
クラークは車のボンネットの部分を捕まえ空中に持ちます。
それからゆっくりと地面に車を降ろします。
彼が顔を上げたとき車が空であると気がつきます。
クラークはしばらく混乱し、それから彼は超スピードで離れます。

この全てを見ていたクロエの口が塞がりません。

クロエ:なんて事なの。

フェイドアウト。

第3幕 場面1
スモールビル歴史博物館。
日中。
ティムとロイスはテーブルにおいてあるスモールビルのミニチュアモデルを見ます。

ティム:どうだい、流星群の前の1988年ころのスモールビルだ。
    あの後全ては変わった。
    父さんは流星郡がスモールビルを変えたんだって言ってた。
    この町に悪をもたらしたってね。
ロイス:[冗談ぽく]SFテレビのナレーションみたいに聞こえるわ。
ティム:ああ。ごめん、時々昔を思い出して我を忘れちゃうんだ。
    僕は父さんの思い出があまりないんだ。
    小さかった頃死んでしまったから。

彼らはスモールビルの2、3のモデルを通り越して歩きます。

ロイス:親を失う事の辛さは分かってるわ。
    私も小さかった頃ママが死んじゃったから。
    ママの想い出は胸の中にあるわ。
ティム:そうか。僕のお気に入りは父さんがよくスモールビルの事を話してくれたことだ。
    ねえ、。誰も、誰も道徳心や善悪を言わないんだ、フットボールのコーチと学生がデートしているような事を。
    それは正しいとは思えない。

ロイス:二人とも十八歳以上でしょ。

ティムはじっとロイスを見てそして笑います。

ティム:ロイス、そうじゃない、つまり、ルール…ルールがあるんだ。
    もしあの二人がルールを無視すれば、他の皆もやってみたくなる、そうだろ?
    二人が襲われたのはいい気味さ。
ロイス:それじゃ、あなたは誰かが二人の関係を不道徳だと思ったから襲われたと思ってるの?
ティム:うーん、自業自得だと思ってるよ。

ロイスは眉をつり上げるとティムが少しおかしい事に気づきます。
ティムは彼女に頷き自分の言葉が間違っているとは思っていません。
彼女は腕時計を見て帰る理由を見つけます。
男性の声がスピーカーから聞こえます。

男の声:スモールビル歴史博物館は、後二分で閉館です。
ロイス:わあ。もうそんな時間。トーチに戻らないと。
    もう少し…調べものがあるの。

ロイスはティムを放って博物館を出ます。
彼はたった一人博物館に残っていました。
彼はモデルから離れると彼の体は霞んで揺れだすと霧の様になりました。

第3幕 場面2
クロエはタロンのバーに座っています。
夜。
彼女はコーヒーを持っていますが飲んでいません。
彼女は宙を見ていて思案にふけっていました。
ロイスが急いで入ってきます。

ロイス:クロエ、クラークに会った?
クロエ:[驚き]
    なに?私がクラークの何を見たって?
    [ロイスは混乱するクロエをじっと見つめます]
    えっ、ええ、会ったわ。
ロイス:どこで?
クロエ:どうして?何かあったの?
ロイス:最悪のデートだったわ。
    多分アリシアはあの事件の犯人じゃないと思い始めてる。
    クラークを見つけないと。
クロエ:[ロイスより自分自身に]
    多分、アリシアを探すために探し回ってるんじゃないかな。
ロイス:あなた、大丈夫?
クロエ:[速く]大丈夫よ。ええ、平気。
     あー…多分アリシアの家に行ったと思うわ。
ロイス:そこにいるか行ってくるわ。
    もしここに現れたら電話してくれる?
クロエ:OK。
ロイス:OK。

ロイスは去ります。

第3幕 場面3
ティムはアリシアの納屋でチェストを探っていました。
夜。
アリシアが彼の後から入ってきます。

ティム:君が家に帰れて嬉しいよ。
アリシア:あなた、何をしているの?
ティム:ああ、次の殺人で残しておく証拠品を探してるんだ。
アリシア:あれはあなただったのね。
     あなたのために皆が私の事を犯人だと思ってるわ。
ティム:君には罪があるんだ。つまり、この、この町は本当に素晴らしい小さな町だったんだ。
アリシア:[彼の方へ歩き]
     自分が何をしてるか分かってないの。
     クラークでさえ私を犯人だと思ってる。
     [彼女は彼の腕をつかみます]
     あなたは…

ティムはアリシアから腕を振りほどき彼女を羽交い絞めにします。
そして彼女の口と鼻にハンカチを押し付けます。
彼女は叫んで逃げようとしますが、彼は離そうとはしません。
馬が驚いていななきます。

ティム:もう遅い。

アリシアは意識を失って地面に倒れます。
ティムはハンカチをジャケットのポケットにしまいます。

第3幕 場面4
レックスの屋敷。
夜。
レックスは書斎で酒を注ぎ一口を飲みます。
ジェヌビエーブが入ってくると彼は振り向きます。

ジェヌビエーブ:大きくなったわね。
レックス:失礼だがあなたの記憶が俺にはないんです、ティーグさん。
     以前に会った事を知りませんでした。
ジェヌビエーブ:いいえ、構わないわ、レックス。ジェヌビエーブと呼んで。
        私はあなたのお父様と亡きお母様と一緒に沢山の委員会に勤めてきたわ。
        時々あなたにも会ったのよ。
        [彼女は微笑みます]
        いつもオペラに飽きてしまって何か問題を起こしてたわ。
レックス:最後の方は少し覚えてますよ。
     私に何かできる事がありますか、ジェヌビエーブ?
     もう私も成長しましたから。

彼はもう一杯酒を注いでジェヌビエーブに手渡します。

ジェヌビエーブ:私もあなたが色んな事を経験して大人になったと思ってるわ、レックス。
        [彼女はグラスをすすります]
        あなたはラナ・ラングと関係があるわね。
レックス:それはどういう話ですか?
ジェヌビエーブ:私の息子は若いわ、レックス。
        オペラで飽きてしまうような男の子のように頑固なの。
        息子は自分にとって何が最良なのか見えてないわ。
レックス:あなたならそうすることができると。
ジェヌビエーブ:年の功でね、私ならできるわ。
        息子は将来を捨てているのよ。
        それはあなたの友人のせいね。
        きっとあなたは二人がうまくいかないことを知ってるはずよ。
レックス:普段他人の心の問題には介入しない方針でね、ジェヌビエーブ。
ジェヌビエーブ:でもあなたは高校には介入したわ。
レックス:それは市民としての問題だ。
     私は家庭内のカウンセラーじゃない。
     だが、あなた自信で息子さんと話をするように提案しますよ。
ジェヌビエーブ:ええ、やってみたわ、レックス。
        でもね、今の若い者は母親の話しなんか聞こうとはしないわ。
        私の手助けをして欲しいの、あなたが説得すれば。
レックス:さっきも言いましたが、他人には干渉しません…
ジェヌビエーブ:他人の心の問題ね、分かってるわ。
        もっと大きな心で見ないとだめよ、レックス。
        私を助けてくれればあなたにとって有利になるわ。
        最近、あなたのお父様が有罪判決を覆して刑務所を出所した方法について少し情報を得たの。
        あなたにとって興味深い情報をね。

レックスは数秒ジェヌビエーブを見てから彼女に小さな微笑を返します。

第3幕 場面5
クラークがアリシアの家の隣の納屋へと歩きます。
夜。
クラークが通るとアリシアの犬がフェンスに飛びついて死にもの狂いで吠えています。

クラーク:アリシア!

答えがありません。
クラークは歩き続けます。
納屋を覗くとアリシアがロープでクビを括っているのを見て非常に驚きます。
彼女の目は閉じられ力なくぶら下がっていました。
クラークは彼女を助けるため彼女を抱えて持ち上げるとロープの上の方にヒートビジョンを放ちます。
ロープが焼けアリシアを解放します。

クラークはアリシアを膝の上に抱いて彼女の顔を見ます。

クラーク:ダメだ、お願いだ。

アリシアの顔は青ざめ、反応がありません。

クラーク:[泣き始め]
     お願いだ、目を開けろ。おい。
     [叫び]うわぁ!!!

アリシアの頭は力なくクラークの胸にもたれます。

クラーク:ダメだ!!!

ロイスが彼の後から入ってきます。

ロイス:クラーク!
    [アリシアを見て]
    なんてことなの。
    クラーク、何があったの?
    [クラークは応えません]
    誰が犯人か分かるわ。
    そいつを見つけることも。

クラークの顔は怒りを通り越した顔になります。

閉館後の博物館にクラークは走り込んできてティムを見つけます。
クラークはティムを放り投げると彼の上に跨りティムの顔に手を押しつけます。
ティムが霧に変化するとクラークの手は床に落ちます。
クラークの後にティムが実体化します。

ティム:君でさえ彼女が犯人だと思ったんだろ?エッ?

クラークは立ち上がりティムを殴ろうとします。
しかしティムの方が最初にクラークを殴りクラークを部屋の向こう側にふっ飛ばします。

ティム:気にする事はないはずだ。
    去年、彼女は君の彼女を殺そうとしたんだからな。

クラークは目に怒りの涙を浮かべ立ち上がります。

クラーク:お前こそラナを殺そうとした。
     どういうつもりだ?
ティム:違う、分かってくれ、クラーク。
    僕はスモールビルにとって正しい事をしたんだ。
    世の中は正しくしなければならない。
クラーク:アリシアを殺した。
     僕は彼女を愛していたんだ。
     それをお前は奪い去ったんだ。

クラークがティムを殴ると再び霧と化しクラークに群がります。
クラークは息を詰まらせます。
クラークはひざをつき喉を抑えます。
クラークが霧に向かってヒートビジョンを放つとティムは実体化し床に倒れ悲鳴を上げます。
クラークはティムの足を捕まえ再びヒートビジョンを放ちます。
ティムの顔はヒートビジョンのせいで赤くなります。

クラーク:彼女を殺した!

クラークはティムの喉を見ると手で喉を締め上げます。

クラーク:彼女は二度目のチャンスを望んでいたんだ。

ロイスが博物館に入りクラークとティムの方に走ります。

ロイス:クラーク、止めて!

クラーク:[注意を払わず]彼女を殺した。

ロイスがクラークの側に着きます。

ロイス:止めて、クラーク。クラーク、殺しちゃうわ。

クラークは空気を求めて泣いているティムの首を絞め続けます。

ロイス:止めて。彼を離して。

クラークはついにティムの首を放します。
そしてティムは床に落ちます。
クラークが息を切らすティムをじっと見つめていると、ロイスはクラークの腕をとります。
涙はクラークの頬につたいます。

ロイス:それでいいのよ。クラーク、それでね。

クラークは怒りの表情でティムを見下ろしながら泣きます。

フェイドアウト。

第4幕 場面1
レックスの屋敷。
日中。
レックスが書斎で机に座っているとジェイソンが入ってきます。

ジェイソン:今更どうしてレックス・ルーサーが俺に会いたがるんだ?
      俺が十八歳の高校生とデートしている非常勤コーチに意見を言いたいからか?

ジェイソンはこらえかねて机にかがみこみます。

レックス:俺は校則について強行な手段を講じた、ジェイソン。
     だがそれは個人の評価を落とすものではない。
     君の仕事を奪ったのは悪かった、埋め合わせをしたい。

レックスは立ち上がって机から離れます。

ジェイソン:[懐疑的に]
      本当か?
      あんたの会社のH.Rの者達との面接をもう一度やるって事か?
レックス:もっといい職がある。報酬は年十万ドルだ。
ジェイソン:[皮肉ぽく]
      十万ドルの報酬に、一年間の仕事。
      お袋だな?
      お袋はラナと俺の間を取りもうとうと必死になってる。
レックス:もっとさ、ジェイソン。
     そういうわけで、俺としては君と一緒に働きたい。
     彼女が何をしようとしているのか見つけるためにな。
ジェイソン:[笑い]
      お袋と手を組んだあんたとか?
レックス:敵の敵だ。
ジェイソン:どうやってあんたを信用すればいい?
レックス:ないな。だが他にどんな選択の余地がある?

レックスはジェイソンの肩を軽く叩いて彼から離れます。

第4幕 場面2
クラークの屋根裏。
日中。
クラークはソファーの前の床に座っています。
そして繰り返し壁にボールを投げては捕えます。
マーサとジョナサンが階段を昇ってやってきました。

マーサ:クラーク?
    [反応せず]
    この二日ここに閉じ篭りっぱなしじゃない。

ジョナサンはクラークの脇のソファーに座ります。
マーサは階段の所に座ります。
クラークはボール投げをしながら会話をします。

ジョナサン:アリシアの事だが…あれはお前のせいじゃない。
クラーク:[整然と]
     もし彼女を信じてたら、彼女は死ななかった。
ジョナサン:クラーク、彼女は嵌められたんだ。
      お前が…それを知り得る事はできなかった。

クラーク:僕は彼女を信用する事ができたんだ。
     父さん、アリシアが僕と一緒に保安官のところに行って全てを話す事を望んだのを知ってるかい?
     アリシアは皆が僕の真実の姿を知ったら、捕まるのは後になるって思ったんだ。
     でも僕は行かなかった。
     僕は皆がどう反応するのか怖かったんだ。
     彼女が正しければどうだったか?
     皆が僕の本当の姿を分かって…多分、彼女はまだ生きていたはずだ。
     それが僕は許せないんだ。

マーサは悲しげに目を落とします。
クラークは元気なくボールを投げます。
ボールは反れて跳ね返ります。

第4幕 場面3
スモールビル高校。
日中。
クロエはトーチで超常現象の壁をじっと見つめながら机に座っていました。
ロイスが入ります。

ロイス:学校に戻るわ。
    明日、八時から授業だから。

わずかに驚いてクロエは立ち上がって書類をバッグに入れ始めます。

ロイス:ティムの力についての手掛かりを探してるの?
    アリシアを非難する前に探さなきゃいけなかったものを?
クロエ:多分、今までにあまりにも多くの事が分かったわ。
    流星群のフリークを捜し出すことにこの四年を費やした。
    そして彼らを暴露しようとしていたわ。
    この壁は絶対に始めちゃいけなかったのよ。
ロイス:クロエ、あなたはリポーターでしょ。
    調査して暴露するの。
    それがあなたでしょ。
クロエ:ええ、でもね時々そんな自分が疎ましいと思う時があるわ。
    [間があり]
    ロイス、もしあなたが何かを知ったとしたら、
    誰かの知られたくない秘密を知ったら、その事を皆に話す?
ロイス:それは場合によるよ。
    その人はあなたの好きな人なの?
クロエ:うん。
ロイス:秘密を守る事は誰かを傷つける?

クロエはそれについて考えます。

クロエ:ううん。
ロイス:それなら私の答えはノーよ。
    もし私ならその人が本当に心配なら、知ったとしても話さないわ。
    でもその人の支えになる努力をするわ、だから希望を持って。
    いつか自分自身で話す日が来るまでね。
クロエ:犯罪じゃないわ、ロイス。
    でもあなたの言葉は期待してた通りだった。
ロイス:誰もが秘密を抱え込んでるのよ。
    [クロエは考えこんで悲しく見えます]
    クロエ、私に何か話したいの?あなたの秘密?
クロエ:違うわ、私じゃないの。
ロイス:分かった。二週間後にまた会いましょ。
クロエ:ええ。
ロイス:その人が話す決心がついたらあなたに話してくれると思うわ。
クロエ:[うなずき]ありがとう。

二人は抱き合います。

ロイス:さよなら。
クロエ:さよなら。運転、気をつけてね。
ロイス:OK。

ロイスはトーチを出て行きます。
クロエは超常現象の壁に戻ってクラークの関わっている記事のいくつかを見ます。

クロエ:クラーク。どうして私に言ってくれなかったの?

彼女は記事からピンを取り外して壁から記事を取り外します。
彼女は手に持った記事を見下ろします。
「地元の十代がインディアンの洞窟を発見」と書かれクラークの写真がありました。
彼女は悲しげにクラークの写真をじっと見つめます。

第4幕 場面4
クラークはアリシアの墓の前で跪いています。
日中。
空は曇っていて、クラークは手に赤いバラを持ちます、
彼がバラをアリシアの墓石に置くとクロエが彼の後から歩いてきます。
クロエは彼の脇にひざまずきます。

クロエ:[小さな声で敬虔に]ねえ、クラーク。
    謝りに来たの、全部ね。

クラークは答えません。

クロエ:人と違っているというのはとっても大変なことなのね。
    あなたの言う事を聞きもしないで、皆であなたを責めたわ。
    あなたを決して受け入れない一部の人達がいるということは分かってた。

クラークは墓石をじっと見つめ続けます。

クロエ:私…私はあなたの味方だって知ってて欲しいの…もし話したければ。

クロエは手をクラークの肩に置きます。

クラーク:ありがとう、クロエ。
     気遣ってくれて。

クロエは立ち上がって歩き去ります。
クラークをアリシアの墓の前に置いたまま。

フェイドアウト。

おしまい