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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン4.18Spirit[スピリット、精神]

第1幕 プロローグ
スモールビル高校の体育館の天井にはスポットライトを当てられたミラーボールがあります。
夜。
体育館ではダンスパーティーを開催していました。
体育館はスローテンポの曲に併せてゆったりと踊っているタキシードやドレスを着たカップルでいっぱいです。
照明は薄暗く、至る場所に間接照明があります。
ステージではバンドが演奏しています。
彼らの頭上には「スモールビル高校 ダンスパーティー、星を見よう」と書かれた幕が下がっています。
しばらくバンド演奏が続き、歌い手が穏やかに歌いだします。

スモールビル高校の暗い廊下を歩いている一人の女性。
彼女の顔は暗さのため見えず、彼女はドレスを身に付け派手なハイヒールをはいています。

体育館のバンドの演奏。

廊下では女が消火斧の入っているキャビネットのガラス扉を壊して斧を取り出します。

バンドのショット。

女は片手で斧を持って歩き続けます。

バンドのショット。

女の髪はブロンドで銀の宝石をちりばめたティアラを着けていました。

バンドは音を大きくしてカップルたちのために演奏し続けます。
そして楽しい一時を過ごします。

廊下で、ジョナサン・ケントがタキシードを着て階段を昇っています。
彼が階段の上に着くと女が斧を持っているのを見ます。
女はクロエでした。
ジョナサンは彼女に挨拶しようとしましたが、その時クロエはジョナサンの顔を殴ります。
ジョナサンは唸り声をあげて後方の階段を転げ落ちます。
クロエは満足げに彼を見下ろします。
クロエの顔はまるで彼女が泣いていたかのようにマスカラが落ち汚れていました。

両手に斧を握り締め学校のボイラー室に入いるクロエ。
彼女は足早に部屋の中心へ歩いて行ってあたりを見まわします。
そして辺りを調べ、突き出ているコック「可燃性」と記されたパイプを見つけます。
微笑みながらパイプまで行くと斧でコックを壊します。
濃い黒い液体がパイプから噴出して床に水たまりを作ります。
クロエは斧を投げ捨てて焼却炉までゆっくりと歩きます。
そして炉を開け炎をさらします。

クロエ:[嬉しそうに]全員道連れよ。

彼女は壁に立てかけてあったボロモップを手に取り焼却炉に突き刺します。
モップが燃え出すと取り出して上に掲げます。

クロエ:これが本当のトーチよ。

彼女は炎を上げるモップを可燃性の液体の溜まっている場所へと投げます。

クロエ:[微笑み]ジーニアス(才能)。

第1幕 場面1
スクリーンテキスト:数日前。

スモールビル高校の廊下に一塊の学生たちがいます。
ダンスパーティーでステージの上に掲げる幕を作って忙しそうです。
日中。
クロエとラナは一緒に階段を歩いて来ます。
ラナはトーチの新聞を声を出して読みます。

ラナ:「ダンスパーティーの女王様選びは、早くも古臭い儀式となった」
   またクロエ・サリヴァン攻撃されるわよ。
クロエ:えっ?ああ、言わなくていいわ、私、ティアラなんか欲しくないから。
ラナ:違うわよ。
   でも風船もタフタも、あなたはちっとも興味がないのね。
クロエ:まあね、こう思ってるのよ。
    ホームカミングパーティー(訳注:年に一度行われる旧教職員と卒業生を招待して行う行事)はスポーツ選手のため、
    卒業パーティーは両親のため、そしてダンスパーティーは私達皆のためにあるのよ。
    それは四年間の思い出の中で最高のものじゃない。
    それなのにどうして人気コンテストなんかやってぶち壊すの?
ラナ:そうね、だから私は沢山ピザを注文してブラッド・ピットでも見ようかな?

二人は歩くのを止めます。

クロエ:えっ?行かないの?
    ジェイソンと何かあった?
ラナ:学生とデートしてクビになったコーチと行くなんて…私にはできないわ。
クロエ:そうね。
ラナ:それに、四年間を振り返ってみても、思ったようにはいかなかったわ。
クロエ:ねえ、あなたの反面はそうかもしれないわ。
    でも私が知ってるラナはそんな風には逃げ出したりしない。
    行こうよ、ラナ、楽しむだけでもさ!
    レックスがライフハウスを呼んだんだよ。
    彼氏のいないもの同士で行こうよ。

ラナは笑います。
二人は最高学年のドーン・スタイルズのイライラした声を聞きます。

ドーン:悪いけど、どいてくれない。

ドーンは二人の背後に歩いてきます。
ドーンはブロンドの髪をして、ぴったりしたジーンズにハイヒールを履いていて、
ピンクの上着にあうピンクのハンドバッグを持って、お高くとまるような女でした。

クロエ:[ラナに]学校の精霊みたいね。
ドーン:クロエ、あなたは神聖な学校の伝統をタブロイド紙紛いの記事で非難してカッコイイと思ってるんでしょうけど、
    私にはうんざりだわ。
クロエ:気楽にしてよ、ドーン。
    あなたが選ばれるから。
    皆があなたが噂をばら撒くのを怖がってるからね。

ドーンは左手で髪を耳の後にかきあげてあざ笑います。

ドーン:覚えておきなさいよ!この嘘つき。
クロエ:うそ…

クロエは唖然とし、ラナと二人して笑いをこらえます。

クロエ:悪いけど、あなたが私に言ったって全然意味が通じないわよ。
ドーン:とぼけないでよ。
    あなたの写真がその壁にあるじゃない。
    あなたのいい加減な記事のせいよ。
クロエ:写真?どこの壁に?

ドーンはクロエとラナの後の壁を見ます。
クロエとラナが振り向くとダンスパーティークイーンの候補である三人の女の子の写真のポスターが貼ってありました。
一人はドーン・スタイルズで、もう一人はページ・ディヤングという名の女の子です。
そして三人目はクロエ・サリヴァンです。
クロエはゾッとした顔でポスターをじっと見つめます。
ラナは微笑みます。

ドーン:言っとくわ「最高の女の子が勝つ」のよ、だから分かるでしょ誰が勝つか?
    [彼女は冷たくクロエの肩を軽く叩きます]
    またね!

ドーンは元気よく手を振りながら唖然とした二人から離れます。

ラナ:[からかうように]あなたの記事を読んで喜んだのは私だけじゃなかったようね…
   [ひざを曲げ]…お姫様。
   [彼女は笑います]グッド・ラック。

ラナは去ります。
クロエは信じられないという顔でポスターをじっと見つめ続けます。

第1幕 場面2
レックスは警備員と一緒に屋敷の表を見回りしています。
日中。
更に二人の警備員があとに続きます。
彼らはかなり樹木の生い茂った湖の近くまで歩きます。

レックス:誰が彼女を見つけたんだ?
警備員:庭師です。排水溝を掘っていました。かなり動揺していますよ。

彼らは土がむき出しになった場所で歩くのを止め、レックスはひざまずきます。

レックス:死んでからどれぐらい経っている?
警備員:少なくとも一日は。

女性が土の中で死んでいます。
地面からは彼女の足が突き出ていました。
ジェイソンが歩いてきます。

ジェイソン:レックス?
      [彼は足を見て]何だって。
レックス:[立ち上がり]ジェイソン、何をしにきた?
ジェイソン:いくつかのレポートについて話をしに来たんだ。
      そしたら警備員たちが屋敷を出るのを見たから。

警備員はレックスまで歩いて彼にハンドバッグを手渡します。

警備員:これを見つけました。IDが入ってます。

レックスはハンドバッグを開けてニューヨーク発行の運転免許証を取り出します。
名前はブリジット・クロスビー、写真が貼ってあります。

レックス:ブリジット・クロスビー。
ジェイソン:その名前は知ってるぞ。
      何回かリサーチでその名前に出くわしたんだ。
      彼女は億万長者のベルギリウス・スワンの元で働いていた。
レックス:おい、これはお前には関係がないことだ。
ジェイソン:もし石との関係があれば、大有りだ。
レックス:[警備員に]エドワーズ、ロウ、ティーグさんを丁重に車へお戻ししろ。

ジェイソンはしばらくじっとしていましたが諦めて歩き去ります。

第1幕 場面3
トーチのオフィスではクラークがトーチの最新号を読んで机に着いています。
日中。
見出しは「立候補はしません!」です。
クロエが入ります。

クラーク:なあ、お辞儀した方がいいかな、君と会ったら、それとも…
クロエ:わざとらしいわね。
    立候補はしないって、どうして誰も分かってくれないの?
クラーク:ああ、皆それは分かってるさ。
     君はボイコットするんだろ。
     考えてみろよ。
     これまでの四年間、皆に「押し付けられた固定観念から抜け出そう」って言ってきたのは君だろ。
クロエ:スモールビル高校のダンスパーティーだよ?

クラークは微笑みます。

クロエ:クラーク、もしかしてこの事にあなたが一枚噛んでないわよね?
クラーク:[ずるく微笑み]二、三人と話したかも。

クロエはクラークに鉛筆を投げつけます。
彼は新聞を上げ妨ぎます。

クロエ:ねえ、あなたは私を一人でそんな場所に出て行けって言ってるのよ。
    スモールビルの住人で最適な独身男性をダンスパーティーへ連れて行かなきゃいけないのよ?
クラーク:[深刻になり]実はこの事を止めさせようと思うんだ。

クラークは立ち上がります。

クロエ:えっ?あなたもなの。
    待ってよ、こう思ってるわけ。
    あなたは四年間もかけてそういう事を考えて、自分の経験値にならないって。
クラーク:そんな感じかな。
クロエ:それじゃ、あんなマンネリ化した舞台から私を救い出してくれるわけ?
クラーク:マンネリだなんて言ってないだろ。
クロエ:ええ、でも私にとってはそうよ。
    それに私一人じゃないし。
    ねえ、クラーク、あと二週間でこんな青春期のファンタジーから卒業なのよ。
    あんなマンネリ化した古臭い事はしたくないわ。
    経験値だってそうよ、クラーク、あなたがあれを止めさせれば生涯あなたの名前が残る事になるわ。

クラークは深刻にクロエを見て考えます。

第1幕 場面4
ドーンと二人の友達がメモ帳に鉛筆で印をつけながらタロンに入ります。
日中。

ドーン:だから。2時は日焼けサロンで、3時はネイルサロンで、4時が美容院よ。
    だから6時にリムジンが迎えに来るの。

ドーンの友人の一人ハーモニーがドーンの後ろのバーを見ます。

ハーモニー:私なら12時からにするな。
ドーン:そんなに早くやる必要はないわ。
ハーモニー:いいえ、ドーン、12時よ。

彼女はまっすぐに指を伸ばします。
その先を追ったドーンはバーで男と女がたわむれているのを見ます。
ドーンは耳の後に髪をかけます。

ハーモニー:あれって彼氏じゃないの、一年生の?
ドーン:[意地悪く]彼女は仲間じゃないわ。

ドーンはボーイフレンドのビリーと女の子のところへ歩きます。

ドーン:[女に、胸を見て]最初に、大きい胸ね。
    [大きな声で]バイバイ!

女は恐る恐る逃げます。

ドーン:[ビリーに]タロンで?どう言い訳するの?
    ダンスパーティーはあと27時間ないのよ。
ビリー:ああ、それについては。僕は行かないよ。
ドーン:バカにしないで。
ビリー:ドーン、もうお仕舞いだ。
ドーン:えっ?
ビリー:とっくの昔にお仕舞いにしないといけなかったんだ。
    僕は君のドレス姿のお飾りじゃない。
ドーン:[疑うように]うそでしょ、明日がダンスパーティーなのよ。
ビリー:もう終わりだ。

ビリーは歩き去ります。

ドーン:ビリー!

ビリーは去ります。
ドーンの二人の友人彼女に近寄ります。

女の子:[同情的に]辛いわね。
ドーン:忘れて。あんな腐った肉みたいなのは。
    OK。計画を大きく変更よ。
    一人じゃダンスパーティーに行けないから。
    私の王様を探すのよ。

友人達は頷きます。

ドーン:在校生名簿が必要ね。

ドーンはラジオで音楽をガンガンかけて車を運転しています。
彼女はひざの上で名簿をめくっていて道をほとんど見ません。
彼女はクラークの写真を見つけて頷きます。

ドーン:これに決めたわ!

彼女は携帯電話を取り出しダイヤルします。

ドーン:ハーモニー。このプロフィールをチェックして。
    素晴らしいフットボールチームのキャプテン、このところ彼女がいなくて。
    うんうん。
    クラーク・ケントの情報を手に入れて。

ドーンは助手席のメモ帳にクラークの電話番号を書きとめようと再び道から目をそらします。

ドーン:うん、そう。

道は斜めにバンクし右への急カーブになります。
道の左側は崖になっていて道の側にはバリケードが築かれています。
ドーンはカーブに気づかずに走り続けます。
そして彼女はまっすぐにバリケードに向かい目を上げた時にはもう停まる事すらできませんでした。

ドーン:きゃーっ!

車はバリケードに突っ込み崖を転げ落ちます。
車はフロントから地面に突っ込み数回転がって逆さまになって止まります。
ドーンは車から投げ出され気を失っていました。
彼女の周りには緑色に輝く隕石が転がり、ドーンの手は赤いエネルギーでかすかに光り始めます。

第1幕 場面5
ドーンは自力で森の中から大通りへと出てきます。
夜。
マーサ・ケントが彼女の方に向かって運転してきます。
ドーンは道の中央に立っていて腕を振ってマーサの注意を得ようとします。

ドーン:止まって!お願い、止まってください!

ドーンは運転し続けるマーサには全く見えませんでした。

ドーン:待って!止まって!

マーサは止まりません。
ドーンが頭を回すとマーサは殴られたかのように頭を回します。
するとドーンは車を通り抜けマーサの中に入ります。
マーサの頭は動き急ブレーキをかけます。

車が停まるとマーサは手を見てから、バックミラーで自分を見ます。

マーサ:なんて事なの。私がクラーク・ケントのお母さんに。

フェイドアウト

第2幕 場面1
クラークが家に入ります。
夜。
彼は一瞬立ち止まります。
そしてキッチンから大きな音でロックミュージックが聞こえてきて驚きます。
その曲はドーンが車を衝突させたときにかかっていた歌です。
クラークはキッチンに行きます。

クラーク:[驚き]母さん?

マーサはキッチンにいます。
片手にアイスクリームの入った大きな箱を持って、激しく音楽に合わせて踊ります。
彼女はクラークが入って来るのに気づきません。

クラーク:母さん!

マーサはクラークを見てラジオを切ります。

クラーク:何をしてるんだい?

彼女は笑います。

マーサ:ハイ、クラーク。

マーサはスプーンでアイスクリームを食べます。

クラーク:[より混乱し]夕食は何?
マーサ:[理解できずに]夕食?ああ、そうね!これよ。
    [彼女はアイスクリームを差し出します]
    これを食べてみて。本当においしいわ。
クラーク:母さん、大丈夫かい?
マーサ:全然平気よ。聞きたいことがあるんだけど…
    [彼女は左耳の後に髪をかけ、色っぽい上目遣いでクラークを見つめます]
    もうダンスパーティーの相手は決まった?
クラーク:母さん、言っただろ、僕は行かないって。
マーサ:えっ?!行かなきゃだめよ!
クラーク:[驚き]まあ、少しはラナと行きたいと思ったけど、でも…
マーサ:[子供っぽくめそめそした感じに]
    ラナ・ラングと?
    本気なの。あなた達二人は昨年も行ったじゃない。
    クラーク、このダンスパーティーはあなたの人生で最も忘れがたい夜なのよ。
    あなたに後悔させたくないわ。
    私を連れて行って。
クラーク:母さん、もう行く相手は決まってるだろ?
     父さんと一緒に。
マーサ:ああ。そうね、そうよ。いいわね。

彼女は目をキョロキョロさせます。
ロイスがくしゃみをしながら階段を降りてきます。
そしてシェルビーが続きます。

ロイス:絶対に間違いなく犬アレルギーだわ。
    どこに行ってもシェルビーが追いかけて来るんだもん、拷問だわ。

マーサは意地悪くロイスを見ます。

マーサ:[クラークに]それじゃあなたは彼女をダンスパーティーに連れて行くのね?
クラーク:[彼は鼻を鳴らし]ロイスを?
ロイス:ケントさん、世の中にはいろんな事があるけど、クラークと行くぐらいなら火星人と行くわ。
マーサ:どうして、二人は一緒に住んでいるのに、人前で秘密にする事はないでしょ?
クラーク:[とまどい]母さん!
ロイス:失礼かも知れませんが、ケントさん、料理中に飲まれました、シェリーでも?
マーサ:そんな事はしないわ!
    ダンスパーティーの事を聞き出したかったから。

ロイスとクラークは不安そうに見交わします。

マーサ:私は行くつもりよ。
クラーク:母さん、今夜はタロンに行くはずだろ、送ろうか?
マーサ:タロン?ああ、そうね。そこで仕事だったわね。
    いいわ、自分で運転できるから。
    [彼女は手を振ります]
    バイバイ!

マーサは出ます。

ロイス:「バイバイ」って?

第2幕 場面2
タロン。
夜。
マーサが髪を耳にかけながら入ります。
彼女がバーの方へ歩いていくとテーブル席で二人の女子高生がドーンについて話しているのを耳にします。

女の子:いい気味よね、ドーンがビリーにふられてさ。
    彼女、立ち尽してたって。
女の子#2:私は彼がもうスー・アン・ガードナーと付き合ってるって聞いたわ。

マーサは怒って女の子に振り向きます。

マーサ:スー・アン・ガードナーは太ったメスブタよ!

女の子達は互いを見て信じられずに笑います。
ラナがアパートから階段を降りてきます。

ラナ:ケントさん?
マーサ:[ラナにやな目つきをして]あら、ラナ。
    あなたは装飾の手伝いに学校に行ったんじゃなかったの?
    ダンスパーティー委員会は猫の手も借りたいぐらい忙しいそうよ。
ラナ:私はダンスパーティーへ行くつもりはありません。
マーサ:[意地悪に]どうして、自分の方が上だと思ってるから?
ラナ:[カチンとして]いえ、そんなつもりじゃありません。
マーサ:ああ、あなたは一人だったわね、フランスまで行って大学生の男の子と知り合ったのに。

マーサは笑います。

ラナ:[侮辱され]もう聞きたくありません。

ラナは去り始めます。

マーサ:ねえ。

マーサはラナを止めようとラナの肩にさわります。
すると閃光が走り、突然、マーサは混乱したように見えます。
ラナは自分の手を見下ろします。
それから彼女は鏡で姿を見て興奮して微笑みます。
ドーンの心は彼女に乗り移りました。

ラナ:すごいわ。

クラークがタロンにやって来てラナに会います。
彼女はクラークに弾むように元気良く話しかけます。

クラーク:ラナ、母さんに会った?
ラナ:お母さんなんか忘れて、クラーク。
   [彼女は耳の後に髪を戻します]
   あなたに聞きたいことがあるの。
クラーク:ああ、いいよ。何?
ラナ:ねえ、もうあまり時間がないの、でも驚かないで聞いてくれる、私達で一緒にダンスパーティーに行きたいの。
クラーク:[驚き]私達って?
     [ラナは頷き]ラナ、ジェイソンはどうしたんだ?
ラナ:クラーク、あなたよ。あなたと行きたいの。

クラークはしばらく疑わしそうに考えます。

ラナ:私と一緒に行きたくないの?

彼女は再び耳の後に髪を戻して魅惑的にクラークをじっと見つめます。

クラーク:[言葉に窮し]あの、つまり、僕は…
ラナ:素敵。決まりね。
   私は準備とお手伝い学校に戻らなないと。
   私がいないと何もできないんだから。
   [彼女は微笑んで手を振ります]
   バイバイ。

ラナは出て行きます。
クラークは動揺してバーの席に座っているマーサの方へ歩きます。

クラーク:母さん。母さんてば、大丈夫かい?
マーサ:どうやってここに来たのかさえ覚えてないの。

クラークは不思議そうに彼女を見ます。

第2幕 場面3
ラナはダンスパーティーの準備中の廊下にいます。
夜。

ラナ:上出来よ、皆!

ラナはハシゴの上に立っているポスターを壁に掛けている女の子に近寄ります。

ラナ:完璧ね。でももっとテープでしっかり貼らないとね?
   [彼女は子供と話ているように指を振ります]
   用心に越した事はないでしょ。

彼女は2人の女の子が緑色のポスターをロッカーに掛けているところまで歩きます。
彼女は怒って二人からそれをむしり取ると、床に座って標示を書いているドーンの二人の友人に言います。

ラナ:それを貸して!ハーモニー!
   これはピンクの綿菓子よ。
   そうして緑の海に泡なの?
ハーモニー:[微笑み]いいでしょ、ドーンのまねなんかして。
女の子:そうよ、あんたなんか真似したって無駄なんだからさ。
ラナ:[怒って]それはどういう意味?
ハーモニー:それにしてもドーンはどこにいるのかしら?
女の子:知らないわ。
    正直言って、彼女にあれこれ指図されない方が楽だけど。

ラナは唇を尖らせて床にポスターを放り投げます。
二人の女の子は驚いて彼女を見上げます。
ラナは角を曲がってきたビリーが体育服を着て男子ロッカールームに入っていくのを見ます。

ラナ:[彼の方へ歩き]ずいぶん汗をかいたのね。
ビリー:やあ、ラナ。
    君がダンスパーティーの手伝いに来るとは思ってなかったよ。
ラナ:まあね、何かわけがあるんでしょ、あなたがドーンと別れたって聞いたわ。
ビリー:もう彼女と一秒でも一緒にいたくなくなったんだ。
    彼女の声は黒板を引っ掻くようなもんだよ。
    何の事か分かってるだろ?
ラナ:[鋭く見つめて、黒板を引っ掻くように]
   全然、何の事かさっぱりよ!
   [彼女はすぐに落ちつきます]

ビリーは飛び上がります。

ラナ:でも私に考えがあるの。
   着替えてきたら、その辺をブラブラしながらお互いをもっとよく知り合わない?ビリー:[非常に関心があり]すぐに戻ってくるよ。

ビリーとラナは互いに微笑み、ビリーはロッカールームに入ります。
彼が去るとラナは振り向いてドアから離れます。
彼女は管理人が廊下に置いていった電気床磨きの所に行くと立ち止まります。
彼女はそのコードを裂き、コードの端をスパークさせながらずるく微笑みます。

クラークは別の廊下でクロエを見つけてやってきます。

クラーク:クロエ、ラナに会ったか?
クロエ:ここに残ってる人は皆ダンスパーティーの手伝いをしてる人だけよ。どうして?
クラーク:何かが起きたんだ。
     母さんがおかしな行動をし始めたんだ。
     十代の若者みたいに振舞ってた。
     そして今度はラナが彼女らしくないんだ。
クロエ:まあダンスパーティーのためにここに手伝いに来てるんなら、
    それは確かにラナらしくないわね。

ロッカールームで、ビリーはロッカーの前で服を着替えています。
ロッカーのドアを閉めると、ラナが彼をじっと見つめてそこに立っているのを見ます。
彼は落ち着かない状態で微笑みます。

ビリー:ラナ、こんなところに入ってきたのか?
ラナ:誰もドーン・スタイルズとは別れられないわ。

彼女はスパークをあげるコードを出しロッカーに接触させます。
電気はロッカーを走り、ビリーはロッカードアに触っていて感電します。
彼の背中を仰け反らせ、腕は電気で硬直します。

クラークとクロエが立っている廊下の電気が明滅します。
クラークが何が起きた事を確かめるためクロエから離れます。
ラナはロッカールームを出ようとしています。
クロエが頭は回し戻したときにクラークが去るのを見ます。

クロエ:クラーク?

クラークは超スピードでロッカールームに入りビリーの手をロッカーから引き剥がしました。
ビリーは床に倒れます。
クラークが振り向くとラナと目が合いました。
するとラナはその場を速く立ち去ろうとします。
クラークは廊下で彼女に追いつきます。
しかし彼が彼女と話をしようとしたとき彼女はロッカーのところに立っている男子学生の背中にさわります。
ラナは方向感覚を失ったようになります、そして閃光が走ると男子学生が微笑み始めます。
クラークとラナが向かい会って話す時、彼はクラークとラナから逃げます。

クラーク:ラナ?何があったんだ?
ラナ:分からないわ。

男子学生が角を曲がると。女性教師が彼の方へ歩いてきます。
すると彼は軽く彼女の肩をたたきます。
ドーンは心を彼女に移しました。
先生は微笑んでハーモニーとドーンの他の友人と立っているところまで歩きます。
彼女はハーモニーにさわります。そしてハーモニーはすぐに逃げます。
女性教師はまるで頭がフラフラするように頭にさわります。
ハーモニーはクラークとラナを通り越して歩きます。
そして彼女が通り越すとき彼らをにらみます。
彼らは気づきません。
ハーモニーは耳の後に髪を戻しながら歩き続けます。

クラーク:[ロッカールームを指して]ラナ、あそこで何をしてたんだ。
ラナ:どうやって学校に来たのかも分からないのよ。

ハーモニーは再びラナとクラークを冷ややかな目で見ます。

フェイドアウト

第3幕 場面1
スモールビル高校。
夜。
トーチで、クロエは電話を切るとラナが座るソファーに歩きます。

クロエ:クラークからよ。
    今、病院にいるって。
    ビリーは大丈夫だってさ。
ラナ:よかった。クラークは私がロッカールームから出てくるのを見たって言ってたわ。
   私が記憶のない間、私が何をしたのか分かる?

クロエは返事をしません。

ラナ:どうして、私がビリー・ダーデンを傷つけたりするの?
クロエ:あなたじゃないわ。でもドーン・スタイルズなら。
ラナ:ドーン?ダンスパーティーの女王候補の?
クロエ:皆があなたの事を気まぐれで彼女のマネをしてるって言ってたわ。
    それにタロンではクラークのお母さんがドーンによく似たそぶりだったって。

ラナは立ち上がります。

ラナ:それって私が意識を失う前に覚えている最後の事よ。
   そしてタロンでケントさんと話して。
クロエ:ケントさんは最後に覚えているのは54号線を車で走っていた事だって言ってるわ。
    そこはカールトン渓谷の下でドーンの体が見つかった場所よ。
    その場所には隕石が沢山のあったそうよ。
ラナ:[理解し]ああ、なんてことなの。
クロエ:救命病棟に彼女はいるわ。昏睡状態で。
ラナ:それじゃあなたは彼女の心がケントさんに乗り移って、私に移ったって思ってるの?
クロエ:ここはスモールビルだからね。
    つまりダンスパーティーは、ボディスナッチャーダンスパーティーになっちゃうわ?

ラナは不安そうな呼吸をします。

第3幕 場面2
スモールビル医療センター。
夜。
クラークはドーンの病室の外の廊下にクロエとラナと立っています。

クラーク:ラナ、大丈夫かい?
ラナ:ええ、本当に恐ろしいわ。
   自分が何をした覚えてないなんて。
クラーク:君は何もしてないさ。
     ドーン・スタイルズが乗り移ったんだ。

ラナはうなずきます。

クロエ:そこが問題よ、ここに元に戻ったラナがいるなら、ドーンはどこにいるの?

ハーモニーが彼らに近寄ります。

ハーモニー:[誇張された懸念で]彼女はどうなの?
クラーク:かろうじて持ちこたえてるよ。
     頭にかなりの傷があるんだ。
     見られたもんじゃない。
ハーモニー:醜くいの?

クラークは頷きます。
ハーモニーはドーンの病室の窓へ歩いて行きます。

ハーモニー:いやよ、そんなの。私の顔は完璧だったのに。

クロエは不思議そうにラナとクラークを見ます。
ハーモニーは病室に入ってベッドに横たわる意識不明のドーンを見ます。彼女の顔は傷だらけです。

ハーモニー:全体的なのね。

看護婦が病室に入ります。

看護婦:あら、ここは入ったらだめよ。

ハーモニーは脅迫的な微笑を浮かべて看護婦に振り向きます。

ハーモニー:本当に?

廊下のラナとクラーク。
クロエはもういません。

ラナ:怖いわ、今まで何を言ったりしてきたのかを考えると。
クラーク:それじゃ、今日タロンで僕に何を言ったかも覚えてないのかい?
ラナ:そんな。私、何て言ったの?
クラーク:それは…僕をダンスパーティーに誘ったんだ。
ラナ:[驚き]えっ。本当に?
クラーク:それは君じゃないんだね?だとしたらドーンだ。

ラナが応えようとしたとき女性の声がスピーカーから流れます。

女性:コードブルー、256号室。コードブルー、256号室。

クラークとラナはドーンの病室の方へ歩きます。
クロエが彼らに追いつきます。
さっきハーモニーと話していた看護婦が彼らに近寄ります。

看護婦:すみませんが、あなたはドーンのお友達?
クラーク:ええ。何があったんですか?
看護婦:手の施しようがありませんでした。
    彼女は亡くなったのではないかと思います。
    彼女は苦しまなかったと思いますよ。すみません。

看護婦は歩き去り角を曲がります。
彼女は彼らの視界から外れると空の注射器を取り出し微笑んで捨てます。

第3幕 場面3
ジェイソンは暗いレックスの書斎にいます。
そして机に座っています。
夜。
彼はレックスのノートパソコンを操作しレックスの名前でルーサー・コープのイントラネットにログインします。
彼はレックスの電子メールを開け、ブリジット・クロスビーからのメッセージを見つけます。
レックスが入ります。

レックス:面白いものでも見つけたか?
ジェイソン:ああ、見つけたよ。

レックスは机の方へ歩きます。

レックス:君は一線を越えたな、ジェイソン。
     俺の非常に深いプライバシーにクビを突っ込んだ。
ジェイソン:そして本当に殺人をしたんだな。
      それは、あなたがブリジット・クロスビーに電子メールを送ってるじゃないか。
レックス:俺は彼女を知らないと否定はしてないぞ。

ジェイソンは立ち上がってレックスの方へ歩きます。

ジェイソン:この屋敷で二人でミーティングしてた朝に彼女はここの地面に埋められていたのが見つかったじゃないか。
レックス:クロスビーは、そのミーティングには現れなかった。

レックスはバーへ歩いて行って飲物を注ぎます。

ジェイソン:あんたは電子メールでアイテムについて言っている。
      それは石の事だと俺は思う。
      何をしようとしたんだ?
      彼女からそれを買い取るつもりだったのか?
      それとも力で奪うつもりだったのか?
レックス:君に説明する必要はないよ、ジェイソン。
ジェイソン:いや、だがその事を警察に説明しなければならないことになる。
レックス:なあ、俺は無関係の殺人事件に興味はないんだ。
     報道は言うまでもなくな。
ジェイソン:あんたの土地で死体が見つかったんだぞ、レックス。
      それを無視するのはいくらなんでも難しいはずだ。
レックス:俺を信じろ、俺はやってはいない。
ジェイソン:誰を守ろうとしてるんだ?
      自分か?親父さんか?
レックス:死体を裏庭に埋葬するのは俺の趣味じゃない、ジェイソン。

ジェイソンは疑わしそうに微笑みます。

ジェイソン:そうか、なら殺人を隠すのは俺の趣味じゃない。
      保安官に話す決心をしたよ。

ジェイソンは書斎を去ります。
レックスは机に座ります。

第3幕 場面4
スモールビル医療センター。
日中。
ロイスは看護士と話してフロントデスクに立っています。
彼女は彼に請求書を手渡します。

ロイス:[怒って]ちょっと、アレルギーの専門医に診てもらっただけよ。
    200ドルなんて高すぎない。
男:それは検査料金を含んで215ドルなんです。
ロイス:でも、沢山の針を私の背中にチクチク刺しただけじゃない?
男:それであなたがアレルギーかどうか調べるんです。
ロイス:何のアレルギーかは分かってるの。
    それは四つ脚で、よだれを垂らしてるのよ。
    私が必要なのは薬なの。
    お願いだから、薬を出してちょうだい。

男は請求書を手に取り奥に引っ込みます。
前の晩からの看護婦がロイスの後ろから話します。

看護婦:お嬢さん?

ロイスは振り向きます。

看護婦:多分、あなたの力になれるわ。

看護婦は嬉しそうに微笑みます。


第3幕 場面5
ケント農場。
夕暮れ。
キッチンでクラークはスモールビル高校の名簿を見ながらカウンター席に着きます。
ジョナサンとマーサは正装をして階段を降りてきます。

クラーク:へえ、二人ともかっこいいよ!
マーサ:クラーク、私達が一緒に行くのに同意した理由はあなたのためよ。
クラーク:分かってるよ、前にも言っただろ。
     両親はダンスパーティーへ、そして僕は家で寝ずに待つ留守番。
ジョナサン:[ネクタイを結び]
      クラーク、お前が年をとり、お前が高校生活を振り返った時に
      ダンスパーティーへ行かなかった事を残念だと思うんじゃないぞ。
クラーク:父さん、パンチボウルのそばに立って、ダンスを見るのが大事な思い出だとは思えないんだ。

マーサがネクタイを結ぶのを手伝います。
ジョナサンはくすくす笑います。

ジョナサン:私もそう思うよ、クラーク。
      トラックを回してくる。

ジョナサンは去ります。

マーサ:あなたがどうして今夜行かないのか分かってるつもりよ。
クラーク:僕が一年生だったとき、外に立ってダンスパーティーに行くタキシードやドレスを着た人たちを見たのを憶えてるよ。
     ラナと一緒に行けたらと思ってる。
マーサ:ああ、クラーク。
    いつもそんな風に思ってたのね。
    でもあなたがチャンスを与えれば、いい思い出になるわ。
    気が変わったら来て、ドアのそばにあなたのタキシードを置いておいたわ。

マーサは微笑みます。

クラーク:僕のためにタキシードを借りたの?
マーサ:[頷き]念のためにね。
クラーク:母さん…

ジョナサンが外でクラクションを鳴らします。
クラークとマーサは抱きあい、マーサは出て行きます。
クラークは笑みを浮かべます。
するとロイスが階段の上から声をかけます。

ロイス:それで?

クラークはロイスを見て体にピッタリしたストラップレスのピンクのダンスパーティードレスを着ているのを見ます。
彼女はピンクのイヤリングをつけていて手にはコサージュとハンドバッグを持ちます。
彼女は耳の後に髪を戻します。

ロイス:[微笑み]どうかしら?
クラーク:[自信なく]その格好は、ダンスパーティーへ行くつもりか。
ロイス:そうよ。
    [彼女は階段を降りてきます]
    あなたにエスコートしてもらって!
    両親が一晩中遊んでくるのに、あなたに一晩中ふさぎ込んでブラブラさせるつもりはないわ。
    楽しみだわ。
クラーク:[頭を振り]いやだ、僕は行かないぞ。
ロイス:もう決めたの。あなたがどう思おうともね。
    あなたはダンスパーティーに行くのよ。
    話しは終わり。タキシードを着て。
クラーク:ロイス、こんな事計画してたのか?
ロイス:何でもよ、クラーク。何でも。

フェイドアウト

第4幕 場面1
ジェイソンとアダムス保安官は懐中電灯を持ってレックスの屋敷の敷地を歩いています。
夜。
ジェイソンはブリジット・クロスビーの死体を見せるために彼女を連れて行っています。

ジェイソン:こっちです、保安官。
      [彼はあたりを見まわすが、何も見ません。]
      ちょっと待って下さい。死体はちょうどここにあったんです。
      それにこの岩のちょうど脇で。
      ちょうどこの場所に見晴らし台を作ったんだ。

ジェイソンはやせこけた木の枝と鋼でできている古い感じの見晴らし台まで歩きます。

アダムス:記録によれば、ルーサーがスモールビルに来てからずっと見晴らし台がここにあったわ。
ジェイソン:保安官、見たのは間違いないんだ!
アダムス:あ、そう、ブリジット・クロスビーの腐敗した死体ね。
     [彼女は腹を立ててため息をつきます]
     ティーグさん、本当のことを言って、いい殺人推理小説は今必要ないの。
     犠牲者がいないのに殺人事件は成立しないわ。
     このブリジット・クロスビーは記録にないのよ。
     これまで彼女が存在していたという。
ジェイソン:[混乱し]それはおかしい。彼女は間違いなく存在していた。
アダムス:IRSもPTAもあらゆる政府データベースにはあなたと意見が合わないわ。
     Googleでも検索したけど近いのを見つけたわ。
     クロスビーっていう麻薬があったわ。
ジェイソン:庭師だ。庭師が死体を見つけたんだ。
      彼には質問をしましたか?
アダムス:全ての造園に従事しているスタッフに質問したわ。
ジェイソン:それじゃあレックスだ。彼が金をつかませたか、脅したんだ。
アダムス:まただわ。
     ティーグ君、殺害があったのは聞いたから死体を見たいものだわね。

ジェイソンは絶望的にアダムスをじっと見つめます。

アダムスは車で車で走り去り、ジェイソンは彼の車の隣に立っていました。
彼女が去ると彼は携帯電話を取り出してダイヤルします。
呼び出し音が鳴ると彼は車に乗り込みます。

ジェイソン:もしもし、お袋?
      [彼は微笑みます]
      ああ、やったよ。
      思ったとおり、レックスが死体を始末した。
      [間があり]うん。俺も愛してるよ。

彼は電話を切って助手席に投げ出します。
それから彼は小さなブリキの箱を拾って開けます。
その中にはブリジット・クロスビーが所有していた黒い石が入っていました。
ジェイソンは箱から石を取り出して興奮して手にそれを持ちます。

第4幕 場面2
ダンスパーティー。
夜。
バンドがステージで演奏しています。
そして体育館は踊っている学生でいっぱいです。
リードシンガーが歌い始めるとロイスはタキシードを着たクラークと入ります。
ロイスはあたりを見まわします。
クラークはいくぶんきまりが悪く見えます。

ロイス:[有頂天で]素晴らしじゃない?
    嬉しくないの、クラーク?
    こんなにも楽しいじゃない!
クラーク:OK、ロイス、僕をここへ連れてきたのは。
     ウソをつかなくてもいいよ。
ロイス:パンチでも取ってくるわね。

ロイスは歩き去ります。
マーサとジョナサンがパンチテーブルに立っているました。
そこへ行く途中でロイスはパーティーの女王ティアラと杖がステージの上の紫のビロードの枕にのっているのを見ます。
それらは女王ろ王の発表を待っていました。
彼女は息を切らして胸に手を置きもの欲しそうにティアラをじっと見つめます。

一人で体育館に入ってくるクロエ。
彼女は不安そうにダンスカップルを見まわします。

クロエ:[小さな声で]さあ、クロエ。あなたならやれるわ。

クロエは少し遠くに顔見知りの顔を捜して部屋の中に入ります。
彼女はついにクラークを見て安心して微笑みます。
クラークは彼女を見ると彼女は手を振りながら彼のところにやって来てます。

クロエ:ねえ。前にもここで会わなかった?
クラーク:今回は多分天災はないだろ。
クロエ:あなたが来るなんて驚きだわ。
クラーク:ああ、まあね、話していた事を覚えてるかい?
     僕は君が頭にティアラを乗せる事はない方にかけるよ。

クロエは目を泳がせます。
クラークは彼女に微笑みます、しかし彼の表情はからかってはいませんでした。

クロエ:あなたがここに来てくれて嬉しいわ。

ロイス:クラーク!クラーク!

ロイスが二人に駆けつけて、クロエは混乱します。

ロイス:エスコートして、呼ばれたわ。
クロエ:[ロイスに]あなたもここに来たの。ピンクで。どうして?
ロイス:私が来たのは、えーと、あなたを応援しによ。

音楽が止まり女教師がマイクで話しだします。

女教師:申し訳ありません、皆さん!申し訳ありません!
    [演奏を止めたバンドに]ありがとう、皆さん。
    [学生に]しばらくの間私の話を聞いてください。
    ありがとう。
    発表の時間です。

ジョナサンとマーサは期待して聞きます。
ロイスは興奮してクロエとクラークに振り向きます。

クロエ:OK、もし万が一私が勝ったら、皆がティアラを燃やしに私の家に来るわね。
ロイス:もっと近くに行きましょ。さあ。

ロイスとクロエはステージに近づくために群衆を掻き分けて進みます。

女教師:皆さんは投票しました、そして結果がでました。
    今年の栄えあるスモールビル高校ダンスパーティークイーンは…

全ての学生は興奮して聞きいります。
ドラムロールがあります。
そしてまるで自分が勝つ事を知っているようにロイスの微笑は大きくなります。
クロエは顔を引きつらせてステージをじっと見つめます。
賞を発表する女教師は封筒を開けて微笑みます。

女教師:クロエ・サリヴァン!

クロエとロイスは驚きの表情を交わすと、全学生たちが拍手して声援します。
ジョナサンとマーサもクラークも拍手を送り笑顔になります。

女教師:さあここに来て、クロエ!
ロイス:おめでとう!

ロイスはクロエに抱擁をします。
そして閃光が走るとドーンの心はクロエに移ります。
クロエは大きな笑みを浮かべ抱擁から抜け出しステージまでそそくさと行きます。
ロイスは今何が起きているのか分かっていません。
彼女はクラークに振り向きます。

ロイス:私、ドレスを着て一体全体何をしてるの?
    それも高校のダンスパーティーで?
クラーク:[理解して]そんな。

舞台上ではクロエは花束を受け取っています。
そして女教師がティアラをクロエの頭に置きます。
女教師が杖を渡そうとするとクロエはほとんど引っ手繰るように杖を受け取ります。

ロイスはまだクラークを見てドレスに着いているコサージュを指さします。

ロイス:あなたがこれを私につけたの?
クラーク:後で説明するよ、ロイス。
ロイス:ちょっとオッパイに近くない?

クロエが喜びの挨拶を開始するとクラークはそおっと指をロイスに上げます。

クロエ:ああ、嬉しいわ、皆さん、ありがとう!
    とっても嬉しい!
    子供の頃からずっとスターを目指してきて、この瞬間を望んできました。
    皆さんも夢見てここに立つ事をができます、たった今、私がその夢をかなえました。
    [感情的になり]これは全く才能なの!ありがとう!
    もう一言言わせてください…
    [彼女は頭のティアラに触ります]
    …本当にこの名誉に値する人はドーン・スタイルズです。

数人の人々が笑います。

クロエ:いいえ、まじめな話よ皆!まじめな話!
    彼女にこそふさわしいの、クロエ・サリヴァン以上に。

学生たちが合唱し始めます。

学生:クロエ!クロエ!クロエ!クロエ!クロエ!クロエ!クロエ!

クロエはこれにぞっとして頭を回します。
そして不幸せそうな涙をふきます。

クロエ:[危なげに]とにかく、私はこれが忘れられない一晩であることを約束します…そして皆さんを決して忘れません。

クロエはステージから走り出します。

ロイス:[クラークに]OK、クラーク。
    私は三回も一緒に踵を鳴らしたけど何も起こらなかったわ。
    もう何が起きたのか教えてよ。

クラークはロイスに説明するべきであるか、クロエを探しに行くべきか迷っています。

フェイドアウト

第5幕 場面1
学生達はまだ踊っています。
夜。

一番最初のシーンに戻り。
クロエが消火斧を得るためにガラスを割っています。
彼女は歩き、ジョナサンが階段を昇り一番上でクロエに会います。
彼女は彼の顔を殴り、彼は階段の下に倒れます。
それからクロエがボイラー室に入って行きます。

階段の下でジョナサンを見つけるクラーク。

クラーク:父さん?父さん、大丈夫かい?

彼はジョナサンが立ち上がるのを手伝います。

ジョナサン:ああ。クロエが、彼女が、彼女らしくなかった。
      彼女が階段の下に突き落としたんだ。
      わ、私は大丈夫だ。
クラーク:父さん、僕に何か分かった事を教えて。

ボイラー室でパイプのノブを壊しパイプから黒い可燃性油が噴出させるクロエ。
クロエは焼却炉まで歩いて開けます。そして中の燃えさかる火を見つめます。

クロエ:[微笑み]全員道連れよ。

彼女は壁に立てかけてあるモップをつかんで火をつけます。
それから彼女は油の溜まっている場所に戻ります。

クロエ:これが本当のトーチよ。

彼女は炎を上げるモップを可燃性の液体の溜まっている場所へと投げます。
しかしモップが油につく寸前にクラークが超スピードでボイラー室に入りそれを捕えます。
クロエは驚いてクラークをじっと見つめます。

クロエ:どうやったの?

クラークはモップを捨てます。

クラーク:僕は君の正体を知ってるぞ、ドーン。
     こんな事するなんて。

クロエはクラークの方へ歩きます。

クロエ:私はこの四年間皆に選ばれようと努力してきたわ。
    そしたら皆、負けた者には気にさえかけない事が分かったの。
    これは私の人生で最高の夜だと思ってたわ。
    そしたら皆が私を笑い者にした!
クラーク:クロエから出て行け!
クロエ:そうするわよ。
    [彼女は微笑みます]
    ねえ、クラーク、高校生活が終わってもまだ続くの、
    そして私は誰にでもなれるわ。

クロエがクラークの胸にさわると閃光が走ります。
混乱してクロエはあえいで少し後ずさります。

クロエ:クラーク?

クラークはクロエの頭のティアラを取ります。

クラーク:ティアラは私のものよ、このバカ。

クラークは軽くクロエの顔を叩きます。
しかしその力は彼女を部屋の反対側に飛ばすのに十分な力でした。
クロエは叫びます。

クラーク:[ソフトに]ジーニアス、才能ね。

クラークはかがんで床でまだ燃えているモップを拾います。
彼は油の溜まりの方へ進み始めます。
クロエは床で倒れていますが意識はあります。
ジョナサンが入ります。

ジョナサン:ドーン!

クラークは振り向きます。

クラーク:まじめな話、ケントさん。あなたは私を止めることはできないわ。
ジョナサン:それはそうかも知れないが、息子なら止めることができる。

ジョナサンは大き目の緑色のクリプトナイトを取り出します。
クロエは起き上がって床で見ています。
クラークは苦しみだしモップを落とし後に倒れます。

クラーク:何をしたの?それは何?

ジョナサンはクラークの近くに歩きます。
そして彼に隕石を近づけます。

ジョナサン:もう帰る時間だ、ドーン!
クラーク:うわぁ!

クロエは当惑した表情で見ています。
クラークは仰向けに倒れ痛みに喚きながら、ついにドーンの顔をしたピンクのエネルギーが彼の体から出ていきました。
彼女は天井の方へ昇っていき下のクラークに振り返ってから行ってしまいます。
ジョナサンはクリプトナイトをクラークから取って、壊れたパイプに移ります。
そしてハンドルを回し油の流れを止めます。
クロエは目を閉じ、クラークとジョナサンが見ていた事を知られないように気を失ったふりをします。
クラークは体を起こすと彼の強さは回復していました。

クラーク:クロエ!

彼は彼女を助け起こします。

クラーク:大丈夫か?
クロエ:ええ、大丈夫よ。ありがとう。

クラークはかがんでティアラを拾います。

クラーク:これを落としたよ。おめでとう、クロエ。

彼が彼女にティアラを手渡すと彼女は微笑みます。

第5幕 場面2
クラークはダンスパーティーがまだ続いている体育館に再び入ります。
夜。
彼はパンチテーブルのロイスの所まで歩きます。

クラーク:聞いてくれ、ロイス…
ロイス:あなたの両親が教えてくれたわ。
    ドーンという名前の女の子が私に乗り移ってたって。
クラーク:ああ、それは話をはしょってるよ。
ロイス:ええ、でも私が髪の毛をセットするのはこれで最後よ。
クラーク:なあ、君をこんな目に合わせて悪かったよ。
ロイス:それは心配しないで。
    ダンスパーティーなんて着たことなかったんだ。

彼女はパンチを飲みます。

ロイス:でもパンチは少しキックわ。

クラークは微笑みます。
スローテンポの歌がかかり始めます。
長い間がクラークとロイスの間にあります。

クラーク:あー、君が正装した時から考えてたんだけど、僕とここに来たんだから…
     少なくてもダンスをして元を取り返さないか。
ロイス:騎士道精神はあっぱれね、
    でも、私じゃないわよ、あなたと踊りたい人は、クラーク。彼女よ。

ロイスは体育館のドアの方を見ます。
そしてクラークはラナが入って来るのをみます。
彼女は場違いなところに来てしまったかのように深呼吸をして体育館の中に入ります。

ロイス:行ってきなさいよ。

クラークはロイスに微笑んでラナへ歩いて行きます。
ロイスはクラークの方を見ながらクロエの隣のテーブルに座ります。

ロイス:[慰め]この一年間、生涯忘れられないね。
クロエ:[悲しそうに]一年生のとき彼がダンスフロアから不安で逃げ出したのが昨日のような気がするわ。
ロイス:あなたはメトロポリスに行くんでしょ。
    デイリープラネットの大物リポーターになる運命なのよ。
    あなたは本当にクラーク・ケントに負けないでついていくことができる?

クロエはしばらくそれについて考えます。

クロエ:ねえ、ロイス、私はクラークがあなたに言わない事を沢山知ってるかも知れないわ。
ロイス:そんな手には乗らないわよ。

ラナに近づくクラーク。
二人はとても不安そうですが期待しています。
クラークは手を差し延べます。

クラーク:僕と一緒にダンスを踊ってくれませんか?
ラナ:[微笑み]あなたから声をかけてくれるなんて思わなかったわ。

ラナはクラークの手をとり、彼はダンスフロアの方へと彼女をリードします。
クロエがクラークとラナを見ているのをロイスは同情した目でクロエを見ます。
クラークとラナはゆっくり踊り始めます。そして互いの目を見つめあいます。
ジョナサンとマーサは嬉しそうに見ています、そして彼らはまた踊り始めます。

ラナとクラークは皆の周りを回り、ラナはクラークの肩に頭を持たせかけます。
そして目を閉じて微笑みます。
クラークは顔をラナの頭の上に持たせかけます。

体育館のドアのところに立ってラナとクラークが踊っているのを見ているジェイソン。
彼の目は怒りで細くなります、そして彼は去ります。

クラークとラナは他のカップルの海の中で踊っています。

フェイドアウト

おしまい。