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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン4.19Blank[空白]

第1幕 プロローグ
ロイスともう一人のウェイトレスがタロンのバーの後で働いています。
日中。
若者たちの大群が注文しようとバーに立って待っています。
ロイスはカップをバーに置きます。

ロイス:お待ちどうさまです、エスプレッソダブルです!

彼女は次の注文を受けます。

ロイス:いらっしゃませ。
    まるでコーヒーの注文を受ける無料ショーみたいだわ。
    OK、ウェイトレスはどこ?

ロイスはバーの近くに立っている男、ケビン・ガーディーに見られているのに気づきません。

ロイス:次の方?

客が彼女にお金を手渡すと彼女はレジスターを開きます。

ロイス:6ドル50セントです、ありがとうごうざいます。
    お釣りになります。

ロイスは次の注文の準備し始めて開けっ放しのままレジスターから離れます。
ケビンが、バーの後へと歩いてレジスターからお金を掴みとろうとするとロイスが彼を捕えます。

ロイス:ねえ、ちょっと!そんな事はさせないわよ。

ケビンはロイスに向き合うと握っていて手を開いてロイスの顔の前にかざします。
すると緑色のエネルギーが指先から放たれロイスの額を打ちます。
彼が手を降ろしたときには彼女は楽しそうに彼に微笑みます。
たった今起きた事を彼女は覚えていませんでした。

ロイス:何かご用ですか?
ケビン:あー、ありがとう、もういいよ。
ロイス:そうなの。次は?

クロエとクラークはタロンに入ります。

クロエ:マイアミ大学?
クラーク:ああ。
クロエ:あなたが木綿のズボンをビーチサンダルに変えるなんて見たくないな。
クラーク:まあ、もし君が考え直すんなら、浜辺のある所でやり直さないか?
     僕が農場を親に任せて行くのは少し気が咎めるんだけど。
クロエ:ええ、あなたほどの能力があればいろんな事できるから大変よね。
クラーク:能力?

彼らはバーに到着します。
クロエはクラークの言葉の説明を避けるためにすぐにロイスに話しかけます。

クロエ:あー、ロイス、ねえ。カプチーノをダブルでお願いね?
ロイス:ええ、ちょっと待ってて。

ロイスはお金を入れようとレジを開けて、お金がなくなっているのに気がつきます。

ロイス:ああ、なんてこと。強盗よ。

クラークはあたりを見まわしてタロンのバックドアからケビンがたった今出て行ったのを見ます。

ケビンは路地に停めてあったトラックに乗り込み車を走らせます。
そして急いで離れてタイヤはキーキーいわせます。
そして不安そうにあたりを見まわします。
クラークがトラックの前にいることを知って彼は急ブレーキをかけます。
クラークは運転席のドアに行って開けます。
ケビンはクラークの顔にエネルギーを投げつけ、クラークは路地に倒れます。

クラークは走馬灯のように今までの出来事を一瞬で現在から過去へと心に思い浮かべました。

クラークが目を開けるとタロンの路地で自分に屈みこんでいるクロエがいました。

クロエ:クラーク?クラーク?
    [彼女はひざまずきます。]何があったの?
クラーク:クラークって、誰?

クロエは不安そうに彼をじっと見つめます。

第1幕 場面1
ケント農場。
日中。
クロエとクラークはクロエの車で到着します。
彼らは家の隣に停まり、クラークは窓を開けあたりを見まわします。
それから彼らは車から降ります。
クラークは自分がどこに来たのか分からない様子で不安そうな顔をします。
彼らは家の方へ歩きます。

クロエ:始めに自分の育った家を見て。
    何か思いださない?家や牛…トラクター、何でも?
クラーク:本当に僕はここに住んでいたのか?
クロエ:ええ。あなたはほとんどあそこにいたわ。

クロエは屋根裏を指さします。

クラーク:[疑わしそうに]納屋?
クロエ:まあ、あなたのスタイルは普通じゃなかったからね、クラーク。

クラークは理解できないように彼女を見ます。

クロエ:表現がおかしかったわね。
    時々変な言い方して失敗するんだ。ごめん。

クラークは家に振り向いてポーチを上がって行きます。クロエがあとに続きます。
クラークはドアをノックしようと手を上げます、しかしクロエが彼を止めます。

クロエ:クラーク、自分の家だよ。
クラーク:そうか。

クラークはノブを回しますがドアは開きません。
彼はもう一度力を入れてノブを引くと、ドアはヒンジからはずれ取れてしまいます。
そしてドアは表の芝生の上に飛んでいきます。

クラーク:[驚き]…開かなかったはずなのに。
クロエ:[落ち着いて]多分、鍵がかかってたんだよ。

クロエは微笑んでクラークを追い越し家に入ります。
クラークは彼女の後を追って中に入ると、冷蔵庫の上に彼自身と両親の写真を見ます。

クロエ:[あたりを見まわし]ケントさん?いませんか?

家の中から返事はありません。
ロイスが入ってきます。

ロイス:一体ドアをどうしたの?
クラーク:ああ、僕が開けようとしたら…
クロエ:[彼を黙らせ]ああ、突然突風が吹いてきて、こうなっちゃったの。

クラークは理解できませんでしたが何も言いません。

ロイス:そうなの。
クロエ:それでさ、ロイス、ケントさん達がどこにいるか知ってる?
ロイス:二人ともケントさんの心臓の検査のためにメトロポリスに行ったわ。
    クラーク、あなたも知ってるでしょ。
クロエ:それが、そうじゃないのよ。
    記憶喪失になっちゃって、大変な事に…
ロイス:またなの?
クラーク:それはどういう意味?

ロイスは微笑んでクラークに近寄ります。

ロイス:まあ、少なくても今回は服を着てるようね。
クロエ:ロイス、彼の両親を何が何でも連れてこないと。
ロイス:それは少し難しいわよ。
    ケントさん、特急の片道切符を持ってたわ。
    2、3日はかかるんじゃない。
    それで、どうする?
クラーク:僕が最後に覚えてるのは、路地で目を覚まして、えーと…

彼はクロエの名前を思い出せず彼女を見ます。

クロエ:クロエよ。
    [ロイスに]
    私は彼の「記憶を奪う強盗」事件の犯人を見つけ出したいわ。
ロイス:それって何?記憶を奪う泥棒なんているの?
    [クロエは肩をすくめます]
    スモールビルの変な事が本当ならレジが空っぽになってたり、8杯ものコーヒーの注文を忘れたのも説明がつくわ。
クロエ:[彼女は頷きます]
    私はトーチへ行って記憶喪失について何か探ってみるわ。
ロイス:分かったわ、記憶喪失さんは私に任せて。
    これを扱うのは私はプロだから。
    [クラークに]でもね、私は料理のレパートリーがないんだから我慢してよ。
クロエ:[クラークに]OK?

彼女は去り始めます。

クラーク:あー、僕と彼女は親戚じゃないよね。

クロエ:いいえ、私が従妹よ。あなたは彼女と一緒に暮らしてるの。
ロイス:クラーク。

クラークはロイスに振り向くと彼女は彼にピーナッツバターのビンを投げます。
彼はそれを開けようとしますが、クロエは素早くそれを彼から取ります。
クロエは彼がビンを壊すかもしれないと思いました。

クロエ:あー…あのね?[彼女はビンを置きます]
    納屋に連れて行くわ、あそこでなら何かのきっかけで記憶が戻るかも。
ロイス:わかったわ。勝手にして。
クロエ:[小さな声でクラークに]
    ちょっと話したい事があるの。


第1幕 場面2
タロン。
日中。
ラナがアパートに入るとジェイソンが笑顔で中で待っていました。

ラナ:チェシャ猫みたいね?

ジェイソンは厚い封筒を上げます。

ジェイソン:多分カンザス中央からだ。おめでとう。
      もし君が不合格だったら、おそらくこれは送ってこなかっただろう。
ラナ:[ジェイソンより感激せず]いいえ、そうじゃないかも。
ジェイソン:おい、この週末一緒に寮を確認しにいけると思ったのに。
ラナ:ジェイソン、私はカンザス中央に行くつもりはないわ。
   大学に行くかどうかも分からないもの。
   この事色々と考えてみたわ。
ジェイソン:どの部分?
      俺たちが計画していた事かい?
      ラナ、ここ数ヶ月渡って起きた事全てをやり直すチャンスだと思うんだ。
      はじめてパリで会った時みたいにさ。
ラナ:どうやって?
   ジェイソン、去年の夏はよかったわ。
   でももう私達はそれに向かわないと。
   ここで全部は言い表せないけど、そんな事だけじゃないわ。
   石の事やあなたのお母さん、それにウソ。
ジェイソン:どれくらい前から知っていたんだ?
      [怒ったように]
      一晩考えたぐらいじゃ、そんな風に気持ちが変わるはずがない。
ラナ:ええ。
ジェイソン:そうか。
ラナ:同じようになってからずっと、分かれようと思ってた、パリに行った時みたいに。
ジェイソン:ああ、そうか、クラークの事だな。
ラナ:違うわ、クラークのことじゃない。
   ジェイソン、私達のことよ。
   あまりにも沢山の隠し事があるわ。
   私は最初からやり直せるんじゃないかと願い続けてきた。
   でもそれは無理だったわ。
   そんなチャンスは…多分、もうやってこない。

ラナはジェイソンから遠ざかってリビングルームの中に入ります。
彼は彼女の後を追って腕をつかみ彼女の向きを変えます。

ジェイソン:君は俺の人生の一部なんだ、俺の中にあるものを忘れさせてくれる。
ラナ:[怯えて]何の話をしているの?
ジェイソン:俺を見捨てないでくれ。
ラナ:ジェイソン…
ジェイソン:分かった、君は俺がどれほど守ってきたのか知らないんだ?

ジェイソンは彼女を放しアパートを飛び出します。

第1幕 場面3
クラークは納屋の外のトラクターの近くに立っています。
日中。
クロエはクラークに近づきバールを手渡します。

クロエ:ここで。これを曲げてみて。
クラーク:これは金属だ。曲がるわけないよ。

クロエは干し草の束の上に座ります。

クロエ:ドアをヒンジから引っ剥がしたじゃない?やってみて。

クラークは両手でバールを握ると顔の前で簡単に曲げます。

クラーク:[驚き]どうして僕が?
クロエ:それについては私はいつも想像してたわ。
    うーん、こっちに来て。座って。

クラークは彼女の脇に座ります。

クロエ:スモールビルは私達が子供の頃、史上最大の流星雨があったの。
    今じゃ誰でも知ってるわ。
    でも隕石がこの町の人たちに地球外の影響を与えたの。
    そして、その一人があなただと私は推理してるわ。
クラーク:地球外の影響?君は僕がエイリアンだと言ってるのか?
クロエ:違うわ、そうじゃない。
クラーク:ミュータント?
クロエ:あー…そうね…そしてあなたは沢山の事件で私の命を救ってくれたわ。
    ねえ、あなたはスモールビルでたった一人のヒーローになる決心をしたの。
    それは素晴らしいと思うわ。

クラークは圧倒された表情でクロエを見ます。
彼は曲がったバールを持ったまま呼吸をして立ち上がります。

クラーク:君がそういう事を知ってるんなら、僕らはかなりの親友だという事か。
クロエ:[立ち上がり]ええ、実は私には教えてくれてないの。
    でも大丈夫。あなたはその事を秘密にしてきてたから。
    その事を知ったら、ほとんどの人はあなたから離れていくでしょうね。
クラーク:[より明るく]でも君はそうはしないだろ?
クロエ:絶対にしないわ。

第1幕 場面4
タロン。
夜。
中で、クラークとクロエは強盗の調査をしています。
タロンは閉店しています。

クロエ:それでロイスはずっとここに立っていたって言ってたわ。
クラーク:どうして警察を呼ばないのか分からないんだけど。
クロエ:私があなたを病院へ連れて行かなかった理由と一緒よ。
    クラーク、今私達が欲しいのはあなたの力で得られる情報よ。
    何か見つけられる?

クラークはあたりを見まわし始めます。
彼は偶然X線ビジョンを使いカウンターを透視します。
そしてバーの後の床にカードを見つけます。

クラーク:クロエ。何かがそこにあるみたいだ?
     君の足の近くのマットの下だ。

クロエはかがんでカードを拾います。

クロエ:OK、どうやって見つけたの?
クラーク:[怖がって]その、た、多分…透視能力があるみたいだ。

クロエは上着の前を閉めます。

クロエ:ちょっといい。ものを透かして見えるっていう事?
クラーク:その事は知らなかったのか?
クロエ:いえ、あー、多分知られたくない力の一つだったんだよ。
クラーク:あのさ、考えてみたんだけど。
     どうして他の人の目をそんなに気にするのか分からないんだ。
     僕は人を助けてきたんだろ。
     君なら分かるかい。
クロエ:ええ、でもクラーク、残念だけどスモールビルの一部の人間は、
    あなたが記憶を失っていても前向きな考えはしないわ。
クラーク:それは彼らの問題で僕のせいじゃない。
クロエ:ねえ、あなたが直ぐにでもみんなの前に名乗り出たい気持ちは分かるわ。
    マスクで顔を隠せばしばらくの間はごまかせるかもしれないけど、そんなに簡単なことじゃないわ。
    でも、今はその話しは後にしてくれない。
クラーク:なるほど、それは当然だな…
     つまり誰も僕の事を分からなきゃいいんだ。
クロエ:それは難しいと思うわ。
    でももしその事を誰かに話しちゃったら、もう今頃はここにいないと思うな。
    だからあなたの記憶を取り戻す必要があるの。
クラーク:それじゃ僕は皆にウソをつき続ける事になるんじゃないか?
クロエ:クラーク…
クラーク:クロエ、僕はそこまでして元に戻りたいとは思わないよ。
クロエ:ちょっと待って、あなたが両親とちゃんと話をするまで、いい?

クラークはクロエから落胆したように目を逸らします。
彼はラナが階段の下に来ているのに気がついて彼女にうっとりします。
クロエは彼が何を見ているか分かりません。

クロエ:クラーク?クラーク?

クラークはゆっくりとラナの方向に歩きます。
彼女は彼に気がつかず、タロンのドアの外で切花を抱えたウェイトレスに微笑んでドアの方へ歩きます。
まるで何か目に引っかかったようにクラークは瞬きをします。
そして彼は不意にヒートビジョンを放ち近くのランプの笠を燃やします。
クロエはランプに駆け寄って水をかけ火を消します。

クロエ:あぁ!燃やしちゃった。これは知りたくなかったな。

クラークはラナをじっと見つめ続けます。

クラーク:あれは誰?
クロエ:ああ…ラナ・ラングよ。

クラークの笑みは広がります。
ラナは前のドアの方へ歩きます。
そしてクラークとクロエが見ていることにまだ気づいていません。

クロエ:あなたの好きな人よ。

クラークはドアを見つめます。クロエはクラークを見ます。

フェイドアウト。

第2幕 場面1
屋根裏。
夜。
クラークはラナの写真を見てソファーに座ります。
彼はラナの写真を脇に置くとカワチ洞窟に描かれていた図形とシンボルの写真を手に取ります。
彼はそれらの意味が分からず投げ落とします。
ロイスが入ってそれを見ます。

ロイス:その顔つきじゃ何も思い出してないみたいね。
    あなたっていつもそんな表情は隠すもの。
    あなたが何か思い出しか聞きに着たんだけど、答えは分かったわ。

彼女は椅子を引き寄せてソファーの近くに座ります。

クラーク:僕の人生は完全に空っぽだよ。
     君はどう思う?
ロイス:まあ、気の毒でもあり、面白くもありね。
クラーク:ねえ、クロエは僕をすごく守ろうとしてるんだ。
     僕には信用しちゃいけない多くの人がいるみたいだ。
ロイス:それにあなたはそれが誰なのか分からないでしょ。
    ねえ、あなたはゲーム板の全てのプレーヤーを覚えたからといっていいわけじゃないわ。
    でも、あなたのゲームはまだ続いてるの。
クラーク:教えてくれるのかい、僕がどうすればいいのか?
ロイス:自分の直感を信頼しなさいよ。
    今の私にはそれしか言えないわ。
クラーク:[彼は微笑みます]
     僕らはお互いがあまり好きじゃないみたいだ。
ロイス:[頷き]そうよ。その調子よ、クラーク。

ロイスは去ります。
クラークはラナのもう一つの写真を手にとって考え込みながらじっと見つめます。

第2幕 場面2
クラークはスモールビル高校の廊下を歩きます。
日中。
ラナが開いたロッカーの前に立っているのを見て立ち止まります。
彼女は上着を着て帰る準備をしています。
クラークは彼女に近づきます。

ラナ:あら、クラーク。
クラーク:やあ。
ラナ:あなたの事聞いたわ。
   あっ、ごめんなさい。
   私の事も分からないのよね。
クラーク:ラナだろ。

クラークがラナをじっと見つめるとラナはクラークの隠さない感情を読み取り思考がとまります。
ラナはクラークの弱弱しさに感情をほだされしばらくじっとクラークを見つめます。

ラナ:[ゆっくりと]そうよ、あー、誰かに聞いたのね。
   あなたにここで会うとは思わなかたわ。
クラーク:実は、君に会いにここまで来たんだ。
     クロエが、彼女…彼女が僕らはそうだったって、あー、…
ラナ:ええ、過去の事よ。
クラーク:何があったんだ?[ラナは答えることができません]
     お願いだ、僕は…本当の事を知りたいんだ。
ラナ:それは私もよ。
クラーク:[疑問に感じ]僕のせいなのか?

ラナは目を落とします。
クラークは悲嘆に暮れたように見えます。

クラーク:どうして。僕は…こんなにも近親間を感じてるのに…

ラナは話そうとしています。

クラーク:言わないで。知りたくない。
     今度は違うから。
ラナ:[涙目になり]今度は?

ラナの後ろでロッカーの閉まる音がして彼女は驚き現実に戻ります。

ラナ:うーん、今はこんな話をするべきじゃないと思うの。
クラーク:いつなら、話せるんだい?

クロエとロイスが廊下にやって来てクラークとラナが話しているのを見ます。

ロイス:どうやってここに着たの?
クロエ:脳みそより心が覚えてたんじゃない。

二人はラナがクラークから早足で歩き去るのを見ます。
彼は彼女が行くのを見ます。

ロイス:ちょっと、そんなにボヤッとしてないで。

二人はクラークまで歩きます。

クロエ:ねえ、いい知らせよ。探ったら、グランド・ビュー・モーター・クロス・パークを見つけたわ。
    ケビン・グレーディーって人がオーナーよ。
ロイス:スモールビルに住んでるのよ、それで住所を確認しに来たわけ。来る?

第2幕 場面3
ケビンはバックパックを背負って家のキッチンにいます。
日中。
彼はテーブルから写真額とるとバッグに入れます。
それから引き出しを開けて食料を取り出し、同様に中に押し込みます。
彼の父親が部屋に入ります。

グレーディー:ケビン?ここで何をしてるんだ?
ケビン:ゴメン、父さん。でも僕はもうあんなとこにはいたくないんだ。
グレーディー:ケビン、戻るんだ。お前はまだ治療の最中だろ。
ケビン:そんなの知らないよ。僕は知ってるんだ、父さんがディランに隠してる事を。
    でも問題ないよ、僕の事を忘れるようにしたから、僕は本当の事を知ってるんだ。
グレーディー:ケビ…
ケビン:僕のことは心配しないで。
    お金もあるし、大丈夫だよ。
    父さんのそんな顔を毎日見ていくないんだ。
グレーディー:ケビン、お願いだ、お前を助けたいんだ。
ケビン:それは無理だよ。あそこで僕は化け物にされたんだ。
グレーディー:それはどういう意味だ?
ケビン:これさ。

ケビンは緑色のエネルギーをグレーディーの顔に投げます。
グレーディーが気がついた時にはキッチンで一人で立っていました。
ドアベルが鳴ると彼はそれに答えます。
それはロイスとクラークでした。クロエは後ろの方でグレーディーの車を見ていました。

グレーディー:はい?
ロイス:こんにちわ。ここに来たのにはわけがあるんです。実はあなたの息子さんがタロンで詐欺まがいにお金を盗んだんです。
    それを返してもらいにきたんです。
グレーディー:あー、それは何かの間違いじゃないか。
クラーク:実はグレーディーさん、タロンのレジスターのところでこれを見つけたんです。
     [クラークはパスを差し出します]
     これはケビンのものですね。彼と話をしたいんですけど。
グレーディー:息子はそんなことはできないはずだ。今、街にはいないからな。

クロエはポーチに近寄ります。

クロエ:それってサマーホルト研究所で何かの治療をしているって意味ですか。
    申し訳ありませんが、あなたの車のフロントガラスに駐車場のパスがおいてあるのを見つけました。
グレーディー:それは誰かの車じゃないのか。申し訳ないね。
クラーク:僕たちは彼が盗んだとは言っていません。
     彼が知っていることを知りたいんです。

グレーディーは長い間躊躇って彼らをじっと見つめます。

グレーディー:わかった。そうだ、私の息子はサマーホルトの患者だ。
       昨年の秋、私はオードリークリアリングで狩りしに二人の息子を連れて行った。
       事故だったんだ。
       ケビンは自分の銃に装填していた。
       あー、そして息子のディランを失ったんだ。[彼は感情的になります。]
クラーク:グレーディーさん、すみません。
グレーディー:ケビンは一緒に暮らすことができなくなったんだ。
       息子は…そして私はどうすべきかわからなくなった…
       だから私達は…もしサマーホルトでその記憶を消す事ができれば、
       ケビンは自分の人生を取り戻せるだろうと思ったんだ。
       申し訳ない。
       あー、息子を探してみるよ。ありがとう。

彼は中に入ってドアを閉めます。

ロイス:かなり悲しい出来事だと思うわ。
    でもそれとこれとは話しは別よ。
    私は辺りを探してみる。

ロイスは歩き去ります。
突然クラークのスーパーヒヤリングが効き始めてクラークは変な表情をします。

クロエ:クラーク、大丈夫?
クラーク:誰かが走っているのが聞こえるんだ。
クロエ:えっ?それってスーパーヒヤリング能力じゃない。
    どこにいるの?
クラーク:家の端の方からだ。
クロエ:じゃあ、行って捕まえるわよ。
クラーク:この音はオートバイみたいだ。

二人はオートバイのエンジン音が近づいてくるのを聞いて、ケビンが急いで逃げ出すのを見ました。

クロエ:私を信じて、クラーク。走って。
クラーク:クロエ…
クロエ:早く追いかけて、クラーク!

クラークはケビンを追いかけて走り出すと直ぐに超スピードになります。
クラークはケビンに追いつきますが止まる方法が分からず追い越して走り続けます。
クラークがついに止まれたのは牛の放牧されている農場でした。

フェイドアウト。

第3幕 場面1
レックスの屋敷。
日中。
クラークとクロエが書斎に入ります。
クラークは圧巻されあたりを見まわします。

クラーク:こんな城まで全部ここに運んできたなんて思えないよ?
     億万長者の考えは理解できないな。

レックスが入って二人に近づきます。

レックス:面白いな、前のお前なら決してそんな事は言わなかったがな。
クラーク:[堅苦しく怯え]ルーサーさん。
レックス:レックスでいい。
     お前は覚えていなと思うが、
     俺がお前を橋から落とした時から、俺たちは親友になった。
クロエ:ねえ、緊張をほぐしあうのもいいんだけど、別の理由でここに来たの。
    まだサマーホルト研究所にコネがあるかと思って。
クラーク:クロエは君に何かの実験をしたと言ってるんだ。
クロエ:ええ、クラークの記憶を消した男がある種の治療を受けていると思うんだ。
レックス:おそらくそれはないだろう、あまりにも飛躍しすぎている。
     まあ、俺が少し揺さぶってみよう、何か見つけることができるかもしれない。

クロエとクラークは去り始めます。

レックス:クロエ、もしよかったら、クラークと少し話したいんだが。
クロエ:[いやそうに]でも、彼を家にちゃんと連れて帰るって彼の両親に約束したし。
レックス:それは俺が責任を持って送り届けるさ。
クラーク:それならいいよ、クロエ。
     君は付添い任務から離れられたね。僕はいいよ。

クロエは不安そうにレックスを見ます、そして彼は無邪気に彼女を見ています。

クロエ:OK。

彼女は落ち着かない様子で書斎を去ります。
彼女がドアに着くと声をひそめてささやきます。

クロエ:クラーク。

クラークはわずかに頭を回しスーパーヒヤリングで彼女の声を聞きます。

クロエ:気をつけてね。

彼女は出ます。

レックス:クラーク、お前の記憶をよび戻せる何かを知っているかもしれないんだ。

第3幕 場面2
クラークとレックスは懐中電灯を持ってカワチ洞窟に入ります。
日中。

クラーク:僕がこの洞窟を見つけたのか?
レックス:それ以来ずっと二人で一緒に探っていたんだ。このミステリーを解こうとな。
     ここだけの話だがな。
クラーク:このシンボルは何を意味してるんだ?
レックス:多分、変に聞こえるかもしれないが、これはお前についての事が書かれていると思う。
クラーク:[壁に向き]待って、双頭の怪物がこっちに描かれてるはずだ。

クラークは壁にライトを当て怪物の絵を見つけます。

レックス:それじゃあ、この場所を覚えているんだな。
クラーク:いや、屋根裏の図面から判断したんだ。
レックス:[ウソをつき]そうだったな、ファイリングしたんだった。

クラークは秘密の部屋の扉の方の壁にライトを向けます。

クラーク:待ってくれ。この壁はなかったはずだ。
レックス:どういう意味だ?
クラーク:図面の中にはこの壁の後に部屋があった。
レックス:[平常心を装い]クラーク、屋根裏に帰って、詳しく写真を見てみようじゃないか。
     お前に説明する手助けができる。

クラークはレックスを信用できるのかどうか判断するようにしばらくレックスを見ます。

クラーク:いや、もう戻らないと。両親に心配かけたくない。
レックス:もちろんだ。

クラークはレックスを残したまま洞窟を出て行きます。

第3幕 場面3
サマーホルト研究所。
日中。
クロエは建物に入って誰もいない廊下を歩きながら、通り過ぎるドアの名前を見ています。
ドアが開き、男性と女性が部屋から出て来るとクロエはその場を逃げ出し角を曲がります。
彼らはクリップボードを持って穏やかに話しています。
クロエは廊下を進んで、ノートとデータCDでいっぱいの棚がある記録室に入ります。
彼女はコンピュータ前に座り、机の上にあるいくつかのCDを見ます。
彼女はそのうちの一枚を取り出しドライブに入れます。
CDの中身が標示され、トップには「ケビン・グレーディーの治療」と書かれています。
彼女は自分のEメールアドレスをタイプして、CDの中身をドラッグして添付します。
それから彼女は携帯電話を取り出しダイヤルします。

ロイス:[電話で]もしもし?
クロエ:ロイス?
ロイス:ああ、クロエ。あなたなの?
クロエ:ええ。潜入したわ。私のEメールをチェックして。
ロイス:分かったわ。

クロエが電話を切ると、誰かが彼女の後から近づいてきて突然彼女の口を手でふさぎます。
彼女はあえぎます。

第3幕 場面4
クラークはトーチに入ります。
日中。

クラーク:クロエ、僕は…

ロイスがクロエの机に着いているのを見て彼は立ち止まります。

クラーク:ロイス。
ロイス:クラーク、これを見て。
    クロエから電話があって、サマーホルトからEメールを送ったからファイルをダウンロードするように言ってきたの。

クラークはコンピュータへ歩いて行きます。

クラーク:どうやって忍び込んだんだ?
ロイス:クロエは侮れないわ、特にあなたを助ける事となるとね。

ロイスはコンピュータでビデオを再生します。
スクリーンにはケビンが映りサマーホルトのベッドに縛り付けられています。

ケビン:[恐る恐る。]こんな事は止めてくれ!
    誰にも言わないと約束する!
    何があったかなんて誰にも話さない。
    あれは事故だったんだ。
    そんなつもりじゃなかったのは分かってる。
クラーク:ケビンは弟を殺してなかったのか。
ロイス:ケビンの記憶を消した奴は、新しい記憶を植えつけたのね。
クラーク:誰がそんな事を?
     殺してもいない弟を殺したなんて。
ロイス:間違いないわ、一緒に暮らしたくない人間よ。
クラーク:ケビンを見つけないと。
ロイス:どこを探すの?
クラーク:彼の弟が死んだ場所から始めるのがいいと思う。
ロイス:ちょっと待ってよ。

ロイスが何かを取ろうと目をそらすとクラークは超スピードで部屋を出て行きました。

ロイス:事故が起きた場所は…
    [彼女はクラークがいなくなっているのに気づきます]
    …オードリー・クリアリングだっけ?[彼女はあたりを見まわします。]クラーク?

第3幕 場面5
ケビンはオードリークリアリングの森を歩きます。
日中。
彼は事故のあった日を回想します。
彼と彼の弟ディランと父親は、ハンティングに来ています。
彼らはフランネルのジャケットを着てライフルを持って森を歩いています。
銃声が聞こえるとディランが地面に倒れます。

現実に戻り、ケビンははっきりと思い出そうと空き地を見てまわります。
クラークが彼の後から歩いてきます。

クラーク:ケビン。

ケビンは振り向いて再びクラークにエネルギーを撃とうとして手を差し出します。

クラーク:[手を上げ]止めてくれ、それはもう結構だ。
     聞いて欲しい、サマーホリルの事で君に聞きたい事があってここに来たんだ。
ケビン:[手を降ろし]あんたはタロンにいた奴だな。
    どうして僕を覚えてるんだ?
クラーク:覚えたはいないよ。君が僕の記憶を消したんだろ。
ケビン:全て忘れたって?他の人は、最後の数分間の記憶だけ消えるだけだ。
クラーク:僕は他の人と違うらしい。
     なあ、ケビン、大変な事が起きたのは知っているよ。
     でもその事故について君と話をしたいんだ。
     ここが事故の起こった場所だね?
ケビン:だいたいここの辺りさ。
    [不安そうに]
    僕はここで起きた事を知っている。

クラーク:その日、何があったかのか教えて欲しい。

ケビンは再び回想します。
彼はライフルを装填すると木の根につまずいて偶然、ディランを撃ってしまいました。
現実に戻り。

クラーク:君はその日の記憶を本物だと思っているのか?

ケビンは再び回想します。
木の根につまずいた彼は誰かの指が引き金を引いているのを見ます。
そしてケビンは恐怖で見ていて、地面に倒れたディランの顔は血に覆われます。

現実に戻り、ケビンは深く呼吸をし、怖がります。

クラーク:ケビン、どうした?
ケビン:[頭を振り]分からない、自分で記憶をブロックしてたんだ。
クラーク:それとも誰かに記憶をブロックされたか。

ケビンは撃たれて地面に倒れているディランの記憶を見ます。

ケビン:違う、僕は自分の銃に装填していたんだ。それはちょうどここだった。
クラーク:でも実際、それを覚えているのか?
     銃に装填したのを憶えているのか?
     それとも誰かにそう言われた事を覚えているのか?

ケビンはひざを落して、事故の日を回想します。
彼はひざを落としディランを見ます。
ケビンが振り向くと父親がディラン上に跪いていて煙を出しているライフルを持っているのを見ます。

現実に戻り。
ケビンはひざまづいたまま黙っています、そしてクラークに振り向きます。

ケビン:僕じゃない。

クラークは彼の脇にひざまずきます。
ケビンは泣き始めます。

ケビン:あれは父さんだ。
    どうして僕がやったようにしたんだ?
クラーク:ごめん、ケビン。
ケビン:謝らなくていいよ。
    僕はタロンから金を盗んだ、それに君の記憶まで奪ってしまった。
    君に迷惑をかけたしまったのに?
クラーク:君が記憶の一部を失った事がどういう事なのか分かるよ。
ケビン:ごめん、僕では君を元に戻してやれない。
    もしチャンスがあるとすればサマーホルトに侵入することだ。
    でもあそこに入る手段がない。
クラーク:僕ならできるかも。

ケビンは不審そうにクラークを見ます。

フェイドアウト。

第4幕 場面1
サマーホルト研究所のフロントデスクでロイスが受付の女性と話していると、アダムス保安官がフロントデスクへ歩いて来ます。
日中。

ロイス:ねえ、この人の子供が泥棒した上に、私の友達から記憶を奪ったの。
    取り次いでよ、それとも手錠をかけられたいの。
女性:先ほども申し上げたように、ここに署名していただければ、あなたがここにいるということをお知らせます。
ロイス:これがどういうことか分かってないの?
    従妹と最後に話した時、彼女はここにいたんだから。
    精神異常者が彼女をどこかに拉致してるはずよ。
アダムス:[ロイスを止め]レーンさん。
     [机の女性に。]大分この子たちが失礼をしたようね。
     私としてはあなたを刑務所に連れて行って時間をかけて話を聞いてもいいのよ。

女性はアダムス保安官から悦に入っているロイスに目を移します。

クラークはサマーホルトの屋上のドアを開けます。
ケビンは彼といます。

ケビン:待って、そっちは鍵がかかってなかったのか?
クラーク:壊れてたんじゃないかな。

ケビンが先に建物へとハシゴを降りると、クラークが彼の後から降りて来ます。
彼らはもう一階下へ降りて貯蔵地域に行きます。

ケビン:ここからメインオフィスに着くはずだ。

部屋のいたるところにクリプトナイトがあり、クラークは苦痛を感じ壁に寄りかかります。
ケビンは引き返してきます。

ケビン:クラーク。クラーク、大丈夫か?
クラーク:先に行ってくれ。後から追いつく。

ケビンは部屋を出ます。
クラークが近くの棚に振り向くと液体のクリプトナイトの入ったいくつかのコンテナを見ます。
彼は倒れます。

ビデオでサーマホトルのケビンが縛りつけられていた同じテーブルにクロエが縛りつけられていました。
グレーディーは白衣を着て彼女に近づきます。

グレーディー:君のこの三日間の記憶をうまく消せたらいいんだが、
       うまくいかないんじゃないかと心配している。
       すべての記憶を消してしまう恐れがある。
クロエ:グレーディーさん、こんな事止めてください。
グレーディー:何、私からの贈り物だと思ってほしい。
       もし私たちに対するイヤな記憶がなければ、この後の人生は辛いものにはならないだろう?

クロエは恐る恐るグレーディーを見るとコンピュータステーションに行きます。
彼はキーボードにタイプします、すると器材が暖まりだし部屋の明りはきらめき始めます。
ケビンが入ります。

ケビン:父さん!一生僕に嘘をつき続けるつもりだったのか?
    [父親の上着を掴み]
    僕に弟を殺したとい記憶を植え付けて。
グレーディー:ケビン、落ち着け。
       お前は明らかに治療に対する精神的な副作用が出ている。
       [ケビンを押しのけ]
       私がやったなんて誰も思わないさ。

ケビンは怒ってグレーディーを突きます、しかしグレーディーは避けてケビンはカートをひっくり返して倒れます。

貯蔵部屋で起きることができずに床に倒れているクラーク。
彼が見上げると天井からフック付きのチェーンがぶら下がっているのを見ます
チェーンはロープに繋がれ壁に留められています。
クラークはそれを引っ張ろうと壁に手を伸ばします。
チェーンは下に揺れ落ちてフックはクリプトナイトの容器が入っている棚をひっくり返します。
クラークは起きると部屋を出ていきます。

研究室ではグレーディーが先ほどコンピュータでしていたことを再び始めました。
そしてクロエの記憶を消す準備をしだすと機械の音は段々大きくなっていきます。
緑色の光がクロエの顔を照らしてい始めます、そして彼女はひきつります。
緑色のエネルギーはテーブルの上のプロジェクターから彼女に向かって放たれます。
しかし彼女の頭に届く前に部屋へクラークが超スピードで入ってきます。
クラークは彼女の顔を体でかばいます。
エネルギーはクラークに撃ち込まれます。
そしてタロンの路地の時と同じように、彼は記憶の強烈なイメージを持ちます。
しかし今度は過去から現在へと進んでいきます。
エネルギーがクラークの背中に当たると、二方向に跳ね返り両わきの鉄の柱にぶつかります。
巨大な柱は彼の方へと落ち、彼は両手でそれを支えます。
ロイスとアダムス保安官が部屋に入って来て驚いて見ています。
クロエは何事かと見上げ、ケビンは意識を回復してクラークが柱を支えているのを見ます。

ロイス:わあ。
アダムス:なんて事なの。

クラークは諦めたように見えます。
そして見られてた事を理解しえ柱を反対方向へと押しのけます。

クラーク:[不安そうに]ロイス。保安官。
ロイス:もうクラークなんて呼べないわ。

ケビンはエネルギーをロイスとアダムスに撃ちます。そしてクロエに向けます。
彼とクラークはアイコンタクトをすると彼はクラークに頷き去ります。
ロイスがクラークと話す声は落ち着かない口調で、彼女は何があったのか忘れていました。

ロイス:クラーク、何をしてるの?
    一日中そこに立ってるつもり、それとも彼女を解放するの?

ロイスはテーブルまで歩いてクラークがクロエを解くのを手伝います。

クロエ:ありがとう。

クラークは混乱してケビンが出て行った方を振り返ります。

第4幕 場面2
サマーホルト。
日中。
グレーディーは手錠をかけられ警察に連れていかれています。
アダムスはロイスとクロエと話しながらメモをとっています。

アダムス:どうやってそのテープを見つけたの、サリヴァンさん?
クロエ:まあ、その…

クロエが説明し続けている間、クラークは別の警官に話をしていました。

警官:ありがとう。

警官は歩き去ります。
そしてクラークが振り向くとケビンが廊下へと忍び入っているのを見ます。
ケビンはクラークをちらっと見ると背を向けて逃げ出します。
クラークは彼の後を追います。

クラーク:おい。君は路地にいた人だろ。
     [ケビンは頷きます]
     君を車から引きずり出そうとしたのが、僕の最後の記憶だ。
ケビン:ああ、それは残念だったな、クラーク。
    僕の間違いだった。
クラーク:君がどうしてあそこに戻ったのか分からない。
     でも君に借りができた感じがするんだ。
ケビン:僕にとっては、対等の立場になったっていう感じだよ。

クラークは頷きます。

クラーク:どういうわけか君を引き止めちゃいけないような気がする。
ケビン:[同意して]そりゃいい、君があまり僕の事を聞きたくないのは。
    [彼は微笑みます]
    白紙に戻ったんだ、チャンスをありがとう、クラーク。

彼らは握手します、そしてケビンは去ります。

フェイドアウト。

第5幕 場面1
ケント農場の納屋。
日中。
レックスが納屋から出てくるとクラークが彼の方へ歩いて来るのを見ます。

レックス:クラーク。ちょうどお前を探していたところだ。
     よかったじゃないか。記憶が戻ったと聞いたぞ。
クラーク:この二十四時間以外のね。
レックス:お前は何もやらかしちゃいないさ。
     ただ元に戻ったお前に会いたかったんだ。

レックスは車に戻り始めます。
クラークは彼を止めます。

クラーク:レックス。クロエが僕を連れて君の屋敷に行ってるはずだ、君と話すために。
     どんな事を話したんだ?
レックス:俺の記憶喪失の時の事を話したんだ。
     それで元気づけられるかもしれないと思ってな。
クラーク:気づかってくれる親友が沢山いてうれしいよ。
レックス:俺はお前の役にはたたなかったよ、クラーク。

レックスは車に乗って走り去ります。
クラークはわずかに不安そうに見えます。

第5幕 場面2
レックスは書斎の暖炉の前に座ります。
夜。
彼はコーヒーテーブルの上に紙を伸ばし広げます。
クラークが描いた洞窟の絵のコピーです。
彼はそれを見つめます。

第5幕 場面3
ラナがクラークの家のポーチを上がってきます。
夜。
クラークがドアから出てきて彼女に会います。

ラナ:ハイ、速すぎたみたいね。ごめんなさい。
   少し不安で。
クラーク:[彼は微笑みますが分かりません]何を心配してるんだい?

クラークはラナの目を見て真剣になります。

クラーク:僕が何かしたのかい?ラナ、ごめん。
     一日の記憶がないんだ。
ラナ:ええ。でも今は思い出してるでしょ。

クラークは頷きます。

ラナ:それはよかったわ。

ラナは微笑みますがガッカリもしていました。

クラーク:僕らはデートでも約束してたのかい?
     [ラナは目を伏せます]
     ジェイソンは?
ラナ:クラーク、あなたは話しがあったみたい。
   なんでもない、後まで待てないわ。

ラナは去り始めます。

クラーク:ラナ、待って。[彼女は立ち止まります]
     君をこのまま行かせるわけには行かない、また。
ラナ:それは大丈夫よ。お互いよく分かってるでしょ。
クラーク:分かってる。だけど今度は違う。

ラナは長い間をクラークの目を見つめ分かろうとします。

ラナ:今度はって?

クラークは希望を抱いて彼女に微笑みます。彼女はわずかに微笑み返します。

第5幕 場面3
スモールビル高校。
日中。
クロエはトーチでタイプしています。
グレーディーの写真に「サマーホルト記憶部門は閉鎖」と題名をつけていました。
クラークがオフィスに入るとクロエは彼を見ます。

クラーク:君はクロエだよな?

クロエは真剣な顔でクラークを見ます。
彼は微笑みます。

クロエ:それっておかしいわ。笑えない、でもおかしい。
クラーク:両親から聞いたよ、記憶をなくした僕を助けてくれたって、それにメトロポリスに電話をしてくれて。
     お礼を言いたかったんだ。

クロエは立ち上がります。

クロエ:まだとぼけた事を言ってるのね、でも二度も固形食を食べさせるのを教えたくないわ。
クラーク:まあまあ。
クロエ:どういたしまして。
クラーク:それでゾンビの親友を持った気分はちょっと変な感じだったろ。
クロエ:ええ、ええゾンビの生き方が大変だって知らなかったわ。
クラーク:[心配して]大変って?何か変わった事をしたのか?
クロエ:あなたには全ての面で白紙に戻っちゃったみたい、でもね同じ選択をしたわ…一つを除いてね。

クラークは不安そうに笑います。

クラーク:クロエ、本当の事を言ってくれよ。
クロエ:[疑問に]本当に、いいの?
クラーク:僕は何をしたんだ?
クロエ:私を信用してくれたわ。

クロエは机に戻ります。
彼女の意味がよく分からずクラークは彼女を見ます。

フェイドアウト。

おしまい