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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン4.20Ageless[永遠に]
第1幕 プロローグ
男性、タナーと女性カレンはスモールビルの道を車で走っています。
夜。
タナーは車を猛スピードで走らせています。
そして助手席にいるカレンは携帯電話に叫んでいます。
彼女は妊娠していて陣痛に苦しんでいます。
カレン:違うわ、そうじゃないの。
今すぐ助けてほしいの!
お願い、私たちを助けて。
そんな時間はないわ。あぁ!
彼女は陣痛に叫びをあげるとタナーは彼女の電話を取ります。
タナー:これは人道的問題だぞ?!非常事態なんだ!
カレン:もうだめ!もうだめよ!
彼女の腹は白い輝きを発し始めます。
カレン:もう産まれそう!!!
タナーは輝きを見て電話を落とします。
それから彼は急ブレーキをかけると道を外れて広場へと停まります。
カレン:ああ、何なの!いったい私に何が起こっているの?
彼女の腹は痙攣し始めて輝きはより明るくなります。
タナーはドアの取っ手を掴みます。
タナー:ごめんよ!
彼は車からはい出るように逃げます。
カレン:いや!いやよ、行かないで、お願い!
輝きは辺り一面にあふれるように明るくなります。
そしてカレンは苦しみに叫びます。
するとラナが運転する車にクラークが乗ってやってきます。
突然激しい爆風がありラナは急ブレーキを踏みます。
クラーク:大丈夫かい?
ラナ:ええ。何があったの?
クラーク:わからない。
エヴァンズフィールドからだ。
フィールドに駆け込んでくるクラークとラナ。
先ほどまでカレンの乗っていた車があった場所には大きなクレーターがあり、その端に彼らは立ってあたりを見回します。
しかし辺り一面、煙に覆われ何も見えません。
すると煙の下から赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。
ラナ:ああ、大変だわ。
ラナはスカーフを外しながらクレーターの下へと向かいます。
クラークは彼女の後を追います。
クラーク:ラナ、待って。ラナ!
ラナは男の赤ん坊を抱きかかえるとスカーフで包みます。
赤ん坊は泣くのを止めます。
クラークとラナは煙の中巨大なクレーターの中央に立っていました。
第1幕 場面1
スモールビル医療センター。
夜。
クラークとジョナサンが廊下にいるとアダムス保安官がやってきてクラークに質問します。
アダムス:さっき調べてきたけど、赤ん坊は空から落ちてきたわけじゃないわね、ケント君。
クラーク:30フィートものクレーターなんですよ、保安官。
ほかにどんな説明はあるって言うんですか?
アダムス:まあ、もう少し調査をしないと何とも言えないわね。
ジョナサン:この後、赤ん坊はどうなるんですか、保安官?
アダムス:施設が見つかるまで、幼児サービスに置かれるでしょうね。
彼女は歩くのを止めてクラークに振り向きます。
アダムス:あなたはいい事をしたのよ、ケント君。もしあなたが見つけていなければあの子は死んでいたかもね。
彼女は歩き去ります。
クラーク:[小さな声で]父さん、この赤ん坊の両親はこの周りにはいないと思う。
ジョナサン:どういう意味だ?お前はこの赤ん坊が…地球人じゃないと?
クラーク:父さんと母さんが僕を見つけたように、僕らもあの子をクレーターで見つけた。
ジョナサン:ああ、だが私たちがお前を見つけた時、宇宙船も一緒だった。
本当のところ、その場所で何が起きたのか分からない。
ジョナサンとクラークが病室に入るとラナが赤ん坊を抱いて、マーサもそこにいました。
赤ん坊は、大きな声で泣いています。
ジョナサン:やあ。
マーサ:ハイ。
ラナ:やれるだけのことはやったんだけど、泣きやまないの。
クラーク:この子は大丈夫なのかい?
マーサ:泣いているのはいいサインなの。お医者様は全くの健康だって言っていたわ。
ラナ:私は看護婦さんと話をしてくる、もう少し別のやり方がないかどうか。
来て、クラーク、あなたに引き継ぐわ。
ラナは赤ん坊を渡すためにクラークに近づきます。
クラーク:[落ち着かないようすで]僕が?
ラナ:ええ。
クラーク:あの、僕は…ラナ、僕にはできないよ…
ラナがクラークに赤ん坊を手渡すと、赤ん坊はすぐに泣きやみます。
ラナ:わあ。魔法の手みたい。
クラークとラナは互いに微笑みます。
ラナ:すぐに戻ってくるから。
ラナは去ります。
クラーク:この子はいつ施設に引き取られるんだろう?
マーサ:まだのようよ。この子の部屋が用意できていないの、だからこの病院にしばらくはいるわ。
クラーク:病院には置いておけないよ。つまり、この子は…家で預かったらいいんじゃないかな。
マーサはジョナサンを見ます。
クラーク:この子の部屋が用意できるまでさ。
クラークは眠そうにクラークを見上げる赤ん坊を見ます。
第1幕 画面2
スモールビル高校。
日中。
タロンで、クロエはコーヒーを注ぎながらラナと話しています。
クロエ:私は前にエヴァンズフィールドで矢じりを見つけたわ、クレーターの赤ん坊じゃなくてね。
ラナ:本当に怪しいけど、もっと怪しいのはクラークがあの子といる事よ。
クロエ:ちょっと待って、彼って赤ん坊恐怖症じゃなかったっけ。
クロエはラナにコーヒーカップを手渡します。
ラナ:まったくの正反対よ。
見たらわかるから、彼が赤ん坊を抱いているときの目をね。
とっても嬉しそうよ。自分の子供みたいに。
クラークが入ります。
クラーク:唾でシミになっちゃったよ。
ゴメン、遅れて。
一晩中泣きやまなくて起きていたんだ。
下に置くと泣き出すから。
ラナ:もし手助けが必要なら私が行こうか。
クラーク:えっ、それは助かるよ。帰る途中で拾ってってもらえるかい?
ラナ:もちろん。おしめはどうなの?
クラーク:おしめ…かわいいもんだよ。
クロエはまるで家族のように接する二人を見ていやそうな顔をし途中で会話を遮ります。
クロエ:OK。あなた達が子供を学校に行かせる前に、これを聞いて。
彼女はコンピュータの前に座ります。
クロエ:あなた達が赤ちゃんを見つけた時間、救急隊への電話をチェックしてみたの。
一件見つかったわ。
クロエはコンピュータで再生します。
カレンが後ろで痛みのため呻いていて、男が電話に叫んでいます。
タナー:これは人道的問題だぞ?!非常事態なんだ!
カレン:もうだめ!もうだめよ!
カレン:もう産まれそう!!!
ラナ:[動揺し]彼女はとても怖がっているみたい。
カレン:いや!いやよ、行かないで、お願い!
再生は終わります。
ラナ:父親は母親のもとから逃げたの?
クラーク:もしそうなら、父親はまだ生きているかもしれない。
クロエ:この録音からすると、母親は残念だったみたい。
ラナ:[動揺し]彼女は赤ちゃんに会えなかったのね。
クロエ:でも赤ちゃんは生き残ったわ。
どうしてなんだろう?
クラーク:この電話の携帯電話を調べられるかい?
クロエ:やってみる。
クラーク:もし父親なら、何か知ってるかもしれない。
第1幕 場面3
メトロポリス。
夜。
ジェヌビエーブのホテルの部屋にライオネルが入ってくると彼女は植物を切っていました。
ライオネル:ジェヌビエーブ。私は子犬のように呼び出されるのになれていない。
ジェヌビエーブ:ばかなことは言わないで、ライオネル。
あなたをひざの上になんかだっこしないわ。
ライオネルはくすくす笑います。
ライオネル:それで、なぜ私を呼び出したんだ?
君と一緒に楽しむためではないだろう。
ライオネルが上着をコーヒーテーブルに置くと、ジェヌビエーブは振り向きます。
ジェヌビエーブ:前のつけを返してもらう時がきたのよ、ライオネル。
完全なセキュリティ完備の刑務所からあなたを釈放させる手配をするのは簡単な仕事じゃなかったわ。
それにまだお礼の一言も聞いてないわよ。
ライオネル:礼状を書こうとして頭を絞っていたんだが、
言葉ではなかなか言い表せなくてな。
ジェヌビエーブ:あなたの息子は失われた遺物を持って中国から帰ってきたわ。
それを私のために取り戻して欲しいのよ。
ライオネル:いやいや、それは息子違いだ。
石を持ち帰ってきたのはジェイソンだ。
ジェヌビエーブ:ジェイソンはそんなごまかしができる子じゃないわ。
残念なことにあの子は夫側の血を引いたみたいね。
ライオネル:ほう、君が結婚するとは思ってなかったよ。
ジェヌビエーブ:レックスは、違ったようね、かなり悪い人からの遺伝子を受け継いだみたい。
ライオネルは飲物を注ぎます。
ライオネル:知ってるかね、他にも宝泥棒が中国に現れた事を、ジェヌビエーブ。
ジェヌビエーブは微笑みます。
ライオネルはソファーに座ります。
ジェヌビエーブ:農家の男の子と元チアリーダーとレックス・ルーサーね。
ライオネル:うむ。
ジェヌビエーブ:あなたは誰が一緒だと思ってるの?
ライオネル:まあ倅は私の話さえ聞かない。
私に何をさせたい、倅を殴り飛ばせばいいのか?
ジェヌビエーブは冷静に彼をじっと見つめると彼はくすくす笑って飲物を飲みます。
ジェヌビエーブ:分かってるでしょ、ライオネル。
お互いレックスに媚を売らないことは。
ライオネル:[突然深刻に]気をつけることだ、ジェヌビエーブ。
ルーサー家を脅すのは私を脅す事と同じだとな。
ジェヌビエーブ:どうとってもらっても構わないわ。私はその石が欲しいの、ライオネル。
彼女はその場を離れます。
ライオネルはもう一口飲物を飲みジェヌビエーブを見ます。
第1幕 場面4
ケント家。
夜。
キッチンでクラークは毛布に包まれた赤ん坊を抱いています。
クラークが哺乳瓶を与えようとしていますが赤ん坊は大泣きしています。
クラーク:一体どうしたんだ?何がいやなんだ?
ミルクが冷たすぎるのか?
赤ん坊は泣き続けます。
クラークは哺乳瓶を上げて暖めるためにヒートビジョンを使います。
クラーク:[優しく]これでどうだい、これならいいだろ?
赤ん坊は泣くのを止めて哺乳瓶を咥えます。
クラーク:ほうら。ほうら。
マーサはそれを見ていて笑顔になります。
マーサ:クラーク、チェルシーにタロンを任せてきたわ。
もう表に行ってもいいわよ。
クラーク:そうなんだ。でもこの子と一緒にいたいんだ。
マーサ:分かったわ。
クラーク:何かあったとき僕がいれば母さんも安心だろ。
マーサ:[頷き]そうね。
クラーク:それに色んな意味でさ。
クラークはしかめっ面して赤ん坊を見下ろし哺乳瓶を置きます。
クラーク:おしめをとってくれないかな?
マーサ:ええ。はい、どうぞ。
クラークが赤ん坊をカウンターに置くとマーサは彼におしめを手渡します。
マーサ:ねえ、聞いて、タロンの電話番号は知ってるわね、
何かあったらお父さんは納屋の方にいるから。
クラーク:分かった。
マーサ:そう?よろしくね。
クラーク:ああ。
マーサは去ります。
クラークは赤ん坊のおむつを外し頭を振ります。
クラーク:OK。
ラナは入って来て微笑みます。
ラナ:クラーク・ケントはおしめ替えのプロね。
クラーク:皆が思ってるより簡単だす。
下の世話だってかわいいもんさ。
クラークが言葉を言い終える前に赤ん坊はおしっこを噴水のようにしました。
ラナは笑い、赤ん坊も嬉しそうにのどを鳴らします。
クラーク:いい狙いだぞ。
ラナ:クラーク、いつまでも赤ちゃんって呼んでられないわよ。
学校に連れて行ったら皆がからかいそう。
クラーク:うーん、エヴァンズフィールドで見つけたから。
エヴァンって呼んだらどうかな?
クラークは赤ん坊を抱きかかえます。
ラナ:それっていい名前じゃない。
[赤ん坊に]こんにちは、エヴァン。
こっちがクラークで、私がラナよ。
今まで見た赤ちゃんの中でもあなたが一番かわいいわ。
クラーク:ねえ、ラナ、僕らは多分手放さないといけなくなる。
ラナ:手放すって?
クラークはリビングルームに行きます、そしてラナはあとに続きます。
クラーク:あまりこの子に愛着を持たない方がいい。
彼は揺りかごにエヴァンを寝かせます。
クラーク:この子の父親がまだ生きていれば…
ラナ:でも他の場所にはこの子以外何も残っていなかったわ。
クラーク:ラナ、僕らには何が起きたのか分からないんだ。
この子の父親は助けを求めに行ったのかもしれない。
今この瞬間でさえエヴァンを探しているかもしれない。
ラナ:そうじゃないかもしれないわ。
私たちみたいに、エヴァンも孤児になるかも。
クラークはその言葉に沈黙します。
ラナ:クラーク、こんな事はそうそうあるもんじゃないわ。
この子が生き残って、あなたがこの子を見つけたのにはわけがあるのよ。
クラーク:僕じゃない、二人で見つけたんだ。
二人はお互いの目を見つめあいます。
突然明りがチラチラし始め、二人は慌てて辺りを見まわします。
すると強風と暖かい金色の光がエヴァンの揺りかごから放たれます。
クラーク:エヴァン?
輝きは目も眩むような明るさになります。
ラナ:クラーク、何が起きてるの?
目の前でエヴァンは変化していきます。
しかし強烈な光のため二人は目を覆い見ていません。
ついに光が消えると、二人は唖然としてエヴァンをじっと見つめます。
ジョナサンが何事かと急いで家に駆け込みます。
ジョナサン:クラーク、何…
[エヴァンを見て]何だと…
彼らの前に座っているのはエヴァンです。
しかしもはや赤ん坊ではありません。
七歳ぐらいの男の子です。
彼は恐る恐るクラークとラナを見ます。
フェイドアウト。
第2幕 場面1
レックスは書斎の机に座っています。
夜。
レックスがいくつかの写真を調べているとライオネルが入って来ました。
ライオネル:何をしてるんだね、レックス?
刺激的な新しい冒険か、それとも産業の長にふさわしい事かね?
レックスはファイルフォルダに写真をしまいます。
レックス:親父が興味のなくなった事を続けいる。
あー、今は話すことができない。
ライオネル:まあ、話そうじゃないか。
ジェヌビエーブ・ティーグが、お前が失われた遺物を持っていると思っている。
レックスは肩をすくめ、理解していません。
ライオネル:中国から持ってきたものだ。
レックス:なあ、親父。ストレートに言ったらどうだ。
なぜジェヌビエーブ・ティーグを持ち出すんだ?
自分からは言い出せないのか?
ライオネル:私は息子の安全を心配する父親としてここに来たんだ。
彼女はブリジット・クロスビーをもう一つの石のために殺害させたんだからな。
彼女がお前に対して躊躇すると思うのか?
レックス:それは持ってない。
それにたとえ持っていたとしても、親父の事は全く信用していないからな。
レックスは立ち上がり出て行こうとします。
ライオネル:レックス。
[レックスは止まります]
私達にはもう一緒に過ごす時間はあまり残っていない。
私を疑い続けて残りの人生を過ごすか、私を愛する父親として認めるか。
レックスは疑わしそうに目を落とします。
それからライオネルを一瞥してから出て行きます。
ライオネル:彼女は危険だ、レックス。
彼女は…お前の背中を見ているぞ。
レックス:俺はいつもだ。
レックスは出ます。
第2幕 場面2
ケント農場。
日中。
マーサ、ジョナサン、クラークはキッチンにいます。
マーサ:エヴァンはどこにいるの?
クラーク:ラナと一緒に屋根裏にいるよ。
それに母さん、こんな事ってはじめてだよ。
夕べまではあの子は赤ん坊だったのに。
ジョナサン:急激な成長には驚いたよ。
マーサ:それは怖いわ。
エヴァンを医者に診せる必要があるわ。
病院に連れていかないと。
クラーク:医者にこの子は二世代目の流星群のフリークだって話すのかい?
残りの人生をベル・リーブや研究所で過ごす事になっても。
ジョナサン:分からないが、クラーク。
あの子に何かしなきゃいけない義務はある。
クラーク:僕はあの子を隕石の影響を研究する人の所へ連れて行く方がいいと思う。
ジョナサン:[疑わしそうに]クラーク、レックスが過去に私達を助けてくれた事は分かっている。
だがな、この子を彼の手に渡すつもりは毛頭ない。
クラーク:もし僕が問題を抱えていて、レックスだけが助ける事のできる人物なら、父さんはどうする?
ジョナサンはクラークを見つめながら考えます。
第2幕 場面3
ラナが屋根裏に入ると、エヴァンはソファーに座って絵本を声を出して読んでいました。
日中。
エヴァン:「彼はとても優しいのでしょう、ラビットランドの事を知った彼はずっと私達と一緒に暮らすかもしれないから」
ラナは彼の隣に座って驚きの微笑を浮かべて彼を見ます。
ラナ:読み方を知ってるの?
エヴァン:クラークの本は全部読んだよ、でもこれが僕のお気に入りなんだ。
百科事典が好きなんだ。
ラナ:[調子を合わせ、驚き]百科事典、エッ?それってかなり厚い本よ。
エヴァン:知ってるよ。
「W」のとこまで読んだんだ。
Windmills(風車)って、ペルシャで発明されたって知ってた?
ラナは目を見開きエヴァンをじっと見つめます。
そして彼が真実を言っていると理解します。
エヴァン:どうしてそんなに僕を見るの?
ラナ:うーん…あなたはとっても、特別な男の子なのね、エヴァン。
私が今までに会った中でも一番の特別な男の子だわ。
エヴァン:本当に?
ラナ:ええ。あなたは幸せね、沢山の本が読めるし、色んな場所を見られて。
エヴァン:[興奮し]たとえば?
ラナ:本物の風車とか。風車の上に乗ったら世界中があなたの回りに広がるわ。
エヴァン:[微笑み]行けるの?今すぐ?
クラークが入ります。
クラーク:どこに行くって?
エヴァンはクラークに走り腕の中に飛び込みます。
エヴァン:お父さん!お母さんが本物の風車に連れて行ってくれるって!
驚きクラークはエヴァンをソファーに連れ戻して脇に膝を下ろします。
クラーク:うーん、エヴァン、聞いて。
僕らは君の本当の親じゃないんだ。
エヴァン:誰でもお母さんとお父さんがいるでしょ。
それにクラークだってラナを同じくらい好きなんじゃないの。
ラナとクラークはぎこちなく一瞥を交わします。
ラナ:クラークと私はとってもあなたの事が好きよ、エヴァン。
それは本当の事よ。
エヴァン:[深刻になり]二人が僕のお母さんとお父さんじゃなきゃ、どこにいるの?
ラナ:分からないの。
でも両親がどこにいたとしてもあなたをとっても愛していると思うわ。
クラーク:トラックでドライブでも行かないか?
エヴァン:[再び興奮し]風車に連れてってくれるの?
クラーク:あー、そうだな。
でも最初に僕の友達に会わせたいんだ。
第2幕 場面4
ルーサー・コープ工場。
日中。
研究所内で、医者が注射器に薬品を入れて診察台までやってくると、エヴァンがシャツを脱ぎ毛布をかけて横たわっていました。
エヴァンは二本のケーブルを胸に接続しています。
そして医者がエヴァンの腕に注射すると、彼はわずかにしかめっ面をします。
クラークとラナは隣の部屋から窓越しにその様子を見ています。
エヴァンが彼らに振り向くとクラークは手を振ります。
クラーク:正しいことをしたと思いたい。
エヴァンは二人の言っている事は聞こえません。
そしてラナはエヴァンを不安にさせないよう笑顔を保ったまま話をします。
ラナ:クラーク、あの子怖がっているように見えるわ。
クラークは頷きます。
クラーク:すぐに終わるさ。レックスは最高の科学者を持っているから。
レックスは階段を降りてきてクラークとラナが立っている部屋に入ります。
レックス:それにいくらかの興味をそそる発見をしたからな。
ラナとクラークはレックスに行きます。
ラナ:[心配して]レックス、あの子は大丈夫なの?
レックスはすぐに答えません。
クラーク:何を発見したのか、教えてくれ。
レックス:予備検査だけでは正確なことは、
だがデータではエヴァンの体はバッテリー充電のようにエネルギーを蓄積している事を示している。
ラナ:蓄積て、どんな風に?
レックス:我々が導き出した理論では、
十分なエネルギーが蓄積されると、突然の急速な細胞分裂が起こるということだ。
クラーク:それが一日で赤ん坊から七才まで育った原因か。
ラナ:それを止める方法があるの?
レックス:俺のチームは骨髄移植をすれば成長を遅らせるかもしれないと考えている。
正常に代謝を戻すかもしれないとな。
ラナ:私達の骨髄を使う事ができる?
[彼女はクラークに手ぶりで示します]
助かるんなら何でもするわ。
レックス:それはそんなに単純じゃない。
彼の遺伝子の塩基は非常に珍しい。
移植のためには完全に一致した骨髄が必要だ。
それは実の両親という意味だ。
クラーク:あの子の母親はあの子が生まれたとき死んだと思う。
だから父親を探し出そうとしてるんだ。
ラナ:もしできなかったらエヴァンはどうなるの?
レックスが答えようとしたとき、研究室の明りがチラチラし始めます。
それから大きな音と共に医者の一人がガラスを突き破って飛んでラナ、クラーク、レックスのいる部屋の床に落ちます。
ラナ:エヴァン!
ラナとクラークは粉砕された窓から入り体を起こしているエヴァンの枕元に行きます。
ラナは驚いて彼の腕にさわります。
ラナ:エヴァン。
レックスは彼らの後について研究室に入ります。
そしてエヴァンをじっと見つめます。
レックス:信じられない。
エヴァンはさらに成長し変声期を終えた若者へと姿を変えました。
彼は恐る恐る自分の手をじっと見つめます。
エヴァン:僕はどうしたんだ?
レックス:レベル3の準備だ。彼をすぐに移した方がいい。
クラーク:ダメだ、どこにも連れて行かないでくれ。
クラークは上着を脱いでエヴァンの肩にかけます。
レックス:クラーク、色んな試験が終わるまで、彼を隔離した方がいい。
エヴァン:僕は家に帰りたい。
ラナ:レックス、この子は少年よ。
クラーク:君が僕らを助けようとしているのは分かっている、それには感謝するよ。
でももう十分だろ。
家に連れて帰る。
クラークとラナはベッドからエヴァンを降ろし、研究室から連れ出します。
レックスは黙ったまま不満そうな顔で見ています。
フェイドアウト。
第3幕 場面1
クラークの屋根裏。
日中。
エヴァンは座っていてクラークとラナと話をしています。
彼はいつもクラークが来ている木綿のシャツを着ています。
そして彼の目には涙があります。
エヴァン:僕は死にかけているの?
ラナ:エヴァン、それを言わないで。
ラナは彼の近くに座ります。
エヴァン:いや、僕は、僕は、男の平均寿命が七十四歳だって読んだ。
四十八時間で新生児からティーンエイジャーまで年をとるなんて。
[彼は呼吸をします]
計算すればわかるだろう。
クラーク:エヴァン、僕らはあきらめていないよ。
レックスは今、どうすればいいか取り組んでるんだ。
ラナ:そしてあなたのお父さんを見つけられれば…
エヴァンは不安そうに立ち上がり背中を彼らに向けます。
エヴァン:本当に一晩で治療法が見つかると思う?
運命のイタズラみたいだ。
本で読んだけどこんな事は…僕は違う…[振り向き]そうでしょ?
クラーク:そんな言い方をしてはいけない、そうだろ?
できる限りのことをするんだ。
エヴァン:フェアーじゃないよ。こんな事…全くフェアーじゃない!
エヴァンは階段を駆け下り屋根裏から出て行きます。
ラナ:[苦しみ]クラーク、何んとかしないと。
あの子を放ってはおけないわ。
クラーク:君はあの子を見ていてくれ?
僕は父親の方を捜す。
ラナは去ります。
第3幕 場面2
スモールビル高校。
日中。
休み時間クロエとクラークは一緒に階段を歩いて来ます。
クロエ:電話会社の知り合いから教えてもらったわ。
911へ電話した携帯電話まで遡る事ができたわ。
彼の母はカレン・ガラッガー。
彼女はここの卒業生よ。
クロエはクラークに古いアルバムを手渡しカレンの写真を見せます。
クラーク:彼女の名前は知ってる。
超常現象の壁にあったんじゃなかったか?
彼らはトーチに入ります。
クロエ:彼女がコンピュータ室に入るといつもモニタがショートしたのよね。
でも、超高速妊娠なんてのがあるなんて思わなかったわ。
クラーク:彼女妊娠期間はどれぐらい?
クロエ:えーと、先週末ね、クリスティーナ・バーナロの家でパーティーを開いてるわ。
カレンはベッドルームで17歳未満お断り状態だったって。
クリスティーナはそれが誰なのか全く分からないって。
クラーク:[疑惑で]それじゃ彼女は妊娠して一週間で赤ん坊を出産したのか?
クロエはうなずきます。
クラーク:エヴァンの父親を見つけないと。
クロエ:[クラークの顔に懸念を見て]OK。
クロエはコンピュータの前に座ってタイプし始めます。
クロエ:さて、クリスティーナは招待を出すのにEメールを使ったわ。
私達あてのEメールは途中で行方不明になったんだと思う。
今全部チェックするからね。
招待の返事を出した人物はと。
クロエは名前のリストを引き上げクラークはそれらに目を通します。
第3幕 場面3
クラークは手に紙を持って車のガレージに入ります。
日中。
クラークは油圧リフトの上に吊るされた車の下で働いている男に声をかけます。
クラーク:申し訳ありません。タナー・サザーランドはここで働いていますか?
男:ああ、あそこにいるよ。
男はレンチでガレージの後ろを指さします。
クラーク:ありがとうございます。
クラークは別の車に取り組んでいるタナーの後ろへ歩いて行きます。
タナーは車の持ち上げられたフードの後にいます。
クラーク:タナーさん?
タナー:[見上げることなく]車から離れてくれ、そっちに行くから。
クラークはタナーに会うためにフードを歩き回ります。
クラーク:あの、あなたは先週クリスティーナのパーティーに行きましたか?
タナー:[躊躇い]あー、覚えてないな。俺は…
彼は手をボロでふきます。
そして目を合わせようとはしません。
タナー:仕事をしていたと思う。
クラーク:それじゃあなたはカレン・ガラッガーとは会ってませんね?
タナー:[怒り]何を調べているんだ?お前、何様のつもりだ?
クラーク:僕はあなたの子供を見つけました。フィールドの中央で。
タナー:なあ、お前さ、俺には息子はいない、それに…それの何の話か全く分からない。
仕事の邪魔だ。
彼が逃げようとするとクラークはさっと彼の腕をつかみます。
クラーク:あなたを逃がすわけにはいかないんだ。あなたには責任がある。
タナー:[離れ]俺に触るな。一体何だっていうんだ?
クラーク:あなたの息子さんはあなたの助けが必要なんです。
どうしてあの子があんな場所にいたのか教えてください。
タナー:[間があり]パーティーで知り合った女の子だ。
翌日彼女は泣きながら電話をてきた。
そして言ったんだよ…妊娠したって。
俺が見たときにはもう…腹が膨らんでた…
一週間後、俺たちは車で病院へ急いだんだ。
彼女は叫んでたよ「産まれる!」てな。
そしたらどんどん腹が膨らんできて、化け物が車の中で産まれようとしてたんだ!
あれは赤ん坊じゃない、化け物だ。
クラーク:あの子は人間だ、タナー、そしてあなたの息子だ。
あの子は速く年をとっているんだ。
あなたの助けが必要なんだ。
骨髄移植が必要なんだ、あなたしかあの子を助ける事ができない。
タナー:何だって?いやだ!そんな事はできない。悪いが、俺には。
タナーは逃げます。
第3幕 場面4
クラークの屋根裏。
日中。
クラークは納屋に食べ物の袋を持ってジョナサンと話をしています。
クラーク:どうして自分の息子にあんな事ができるんだろう?
ジョナサン:クラーク、父親になるというのは大な責任を持つという事なんだ。
子供にはそれを取り扱うにはあまりに若すぎる。
クラーク:あの人がエヴァンの唯一の望みなのに、
説得できないとエヴァンは死んでしまう。
ジョナサン:分かってるさ、何とか方法を考えよう。
それよりもエヴァンにどう話すんだ?
クラーク:父親を見つけたって言わない方がいいんじゃないかと思う。
悩むだろうから。
ジョナサン:クラーク、孤児になる子供には自分の生い立ちを知る権利がある。
お前なら誰よりもよくそれを知っているはずだろ。
私はお前に話した…私からあの子に話してやるか?
私なら少しは経験があるからな。
クラーク:ありがとう、父さん、でも、これは僕があの子に言わないと。
ラナとエヴァンが入ります。
エヴァン:何を話すって?[興奮して]父親を見つけたの?
クラークは答えません。
ラナ:クラーク、どこにいるの?
クラーク:ダウンタウンで働いてるよ…マッシーのガレージで。
名前はタナー・サザーランド。
エヴァン:いつ、会えるの?
ジョナサン:なあ、エヴァン、うーん、本当の父親に会うのは辛い事かもしれない。
エヴァン:どうして?分からないよ。
クラーク:君の期待通りじゃないかもしれない、エヴァン。
僕を信じて。
エヴァン:でも、会いたいよ。
ラナ:エヴァン、私達はあなたを守りたいの。
エヴァン:[動揺し]誰も僕を守る事なんてできないよ。
クラーク:ちょっと落ち着いて?
エヴァン:僕に命令するのは止めろ、クラーク!あんたは父親じゃないんだから。
エヴァンは屋根裏に階段を駈け上がります。
クラーク:エヴァン!
ジョナサン:クラーク。[クラークが追いかけるのを止め]
第3幕 場面5
ルーサー・コープ。
夜。
レックスは研究室で医者と話しています。
レックス:エラーの可能性は?
医師:三回テストしました。
レックスは不安そうに医者から離れます。
クラークが入ります。
クラーク:レックス、エヴァンの父親を見つけた。
レックス:どこだ?
クラーク:スモールビルにいる、でも助けたくないそうだ。
レックス:エヴァンが年をとるとき、
放出するエネルギーに加えて細胞分裂が指数的に増加しているんだ。
エヴァンを安定させるためには後2、3時間だけだ。
予測によると、次の変化はエヴァンにとって最後の変化かもしれない。
クラーク:エヴァンが死ぬて言うのか?
レックス:それよりもっと悪いさ。
次にエヴァンが年をとるとき、
彼の放出するエネルギーは近くにいるものを全員殺してしまうんだ。
第3幕 場面6
マッシーの自動車ガレージ。
夜。
ガレージ従業員の一人が帰ろうとしてタナーを見ます。
タナー:おやすみなさい。
男は頭を縦にふって去ります。
エヴァンは中に入って希望に満ちた顔でタナーをじっと見つめます。
タナー:今日は終わりだ。明日来てくれないか。
タナーはエヴァンに近づきながらおかしな様子を感じます。
タナー:耳が遠いのか?何をじっと見てるんだ?
エヴァン:父さん。
タナー:言うな。俺はお前の親父じゃない。
エヴァン:いや、あなたは父さんだ。どうして認めないの?
タナー:[不安そうに]俺から離れろ、あっちに行け。
エヴァン:お願いだ、父さん。助けて。僕はあなたの息子だ。
エヴァンはタナーのシャツをつかみます。
そして二人はもめあいます。
タナー:違う、お前なんか知らない!お前なんか化け物だ!
タナーがエヴァンを押しのけて後ろに下がると鋭い金属ロッドが背中に刺さります。
口から血を流し彼は倒れ死んでしまいます。
エヴァン:父さん?
エヴァンはタナーの脇にひざまずきます。
エヴァン:父さん?父さん。なんて事だ。僕は何をしたんだ?
フェイドアウト。
第4幕 場面1
クラークとレックスはマッシーの自動車ガレージに入ります。
夜。
クラークは電話で話しています。
クラーク:分かった、父さん、見つけたら電話をして。[電話を切ります]
レックス:どうした?
クラーク:エヴァンが隙を見て逃げ出した。
うちの親が探してる。
戻ってくるかもしれないからラナは残ってるって。
レックス:じゃあ戻ってきたら助けられるようにするべき事をしようじゃないか。
クラーク:レックス。
クラークは指差しします。
そしてレックスはタナーの遺体を見ます。
彼らはその脇にひざまづき、レックスは脈を診るため首にさわります。
レックス:死んでる。
クラークはタナーの手にエヴァンの破けたシャツを見つけます。
クラーク:エヴァン。
レックス:クラーク、エヴァンに歳を取らせないためには生きている提供者が必要なんだ。
クラーク:他に助ける方法があるはずだ。
レックス:あるさ。彼を探し出して、ルーサー・コープの地下に閉じ込めておくんだ。
クラーク:ダメだ、レックス…
レックス:それしか彼の最後の爆発を食い止める方法はない。
クラーク:レックス、僕はあの子を死なせるつもりはない。
レックス:もうそれしか手段がないんだ、クラーク。
悪かった、だがエヴァンを閉じ込めなければ、多くの罪のない人々が死ぬことになる。
第4幕 場面2
ケント家。
早朝。
ラナはリングルームで電話で話をしています。
ラナ:戻って来ていません、ケントさん。
見つけたら知らせください。
彼女は電話を切ります。
それからキッチンに入ろうと振り向くとエヴァンがそこに立っています。
彼女は驚きあえぎます。
ラナ:[怒って]エヴァン、あなたの事で心配したのよ!
皆で一晩中あなたを探していたんだから。
エヴァンあ目は落とし応えません。
ラナ:大丈夫?
エヴァン:分からない。悪い事をしたみたいだ。
彼は彼女から遠ざかります。
ラナ:エヴァン、何があったか話して。
エヴァン:あれは事故だったんだ…間違って。
ラナ:皆間違いをするわ。
それは人間的な事よ。何があったの?
エヴァンは苦痛にうめき始めて体を折り曲げます。
ラナは彼の顔を見るために前に回ります。
ラナ:大丈夫?
エヴァン:また起きはじめた。分かるんだ。
ラナ:クラークに電話をするわ、あなたを助けてあげるからね?
ラナは電話を取り上げます、しかし発信音が聞こえません。
それから家の明りはチカチカとし始めます。
エヴァン:もう直だ。僕には分かるんだ。
ラナ:私たちにできる事がある?
エヴァン:あるよ。前に言ったことを覚えてる、風車の事?
世界中が見渡せるって。
それを見てみたいな。一度でいいから。
[弱々しく]お願いだ、ラナ、急いで。
第4幕 場面3
スモールビル高校。
日中。
クラークはクロエーがいるトーチに入ります。
クラーク:クロエ、エヴァンはここに来た?
クロエ:いいえ、って言うより彼が成長した姿を知らないから分からないわ。
クラーク:ラナと一緒だと思うんだ。
電話をし続けてるんだけど、全くでないんだ。
クロエはコンピュータへ行ってタイプし始めます。
クロエ:多分、彼の母親と同じようにエネルギーが増えだしてるんだわ。
パワーサージよ。
クラーク:パワーサージ?
クロエ:ええ、彼女の最後のから町中で起き出したのよ。
ねえ、あらゆる場所で起きてるわ。
彼女はコンピュータモニタに地図を出します。
クラーク:これは?
クロエ:被害のあった場所よ、見て。
クラーク:最近起きた場所は?
クロエ:うーん.…西に十マイルも人里から離れた町の郊外よ。
どうしてラナとエヴァンが向かったのかしら?
クラーク:風車だ。
クロエ:チャンドラーフィールドの?
クロエがコンピュータに向かうとクラークは超スピードで出て行きます。
彼女は彼が出て行った事を理解します。
クロエ:速やく、間に合ってよ。
第4幕 場面4
エヴァンとラナは風車の天辺に立ち見下ろしています。
日中。
エヴァン:本当だったんだ。世界中が見渡せるよ。
彼らは遠くの森を見ます。
メトロポリススカイラインが白い雲が点在する青い空の下にかろうじて見えます。
エヴァン:キレイだな。
ラナ:やっと見ることができてよかったわね。
エヴァンは明るい光を発し始めると彼はかがんで呻きます。
彼らが立っているプラットフォームが揺れだします。
ラナの視界の外では、クラークが超スピードでハシゴのを昇ってきます。
彼は後ろから彼女を抱きます。
クラーク:ラナ、逃げるんだ。
ラナ:ダメよ、クラーク、あの子を助けないと。
クラーク:時間がないんだ。今すぐ逃げろ。
エヴァン:クラーク…
クラーク:行って。
クラークは揺れるハシゴへとラナを送ります。
それから彼はエヴァンがプラットホームに横になるのを手伝います。
エヴァンは痛みに泣きだします。
クラーク:大丈夫だ。僕はここにいる。
エヴァン:ごめんなさい、わがまま言って。
クラーク:それはいいさ、分かってるから。
エヴァン:僕を見つけてくれたのがラナとクラークでよかったよ。
クラーク:君が僕らを見つけたんだよ。
振れは強まりエヴァンの痛みをします。
エヴァン:何が起きるんだ?僕には分かるんだ。早く逃げて。
クラーク:いやだ、エヴァン、僕は君から離れない。
エヴァン:クラークが本当の父さんならよかったのに。あぁ!
クラーク:エヴァン。エヴァン。
エヴァンの顔は明るく光りだします。
そして彼は若い成人から白い髪の初老の男へと変化していきます。
クラークはエヴァンの体を自分の体で覆います。
ラナが地上に出て車に駆け寄り影に隠れると、ついに爆発が起き風車を破壊します。
爆発が収まると彼女は立ち上がって煙だらけで見えない辺りを見まわします。
ラナ:クラーク!クラーク!
クラークは煙の中から彼女の方へと歩いてきます。
彼は黒くすすけ服は燃えていました。
ラナ:クラーク、大丈夫?
クラーク:大丈夫だよ…
ラナ:エヴァンは、どこ?
クラーク:逝ってしまったよ。
ラナは泣き出しそうです。
フェイドアウト。
第5幕 場面1
ケント農場。
夜。
クラークはぬいぐるみのクマを見ながら屋根裏にいます。
クラークが開いたトランクにクマを置くとラナが入ってきます。
彼女はテーブルに置いてある沢山のエヴァンの品を見ます。
ラナ:あの子が逝ってしまったなんて思えないわ。
クラーク:僕もだよ。
ラナ:今年は色んな事があってバラバラな年だったわ。
でもエヴァンが私の人生に関わったとき、ついにどこに居場所があるのか分かったの。
私には目的ができたわ。
クラーク:あの子は短い一生を生きたんだ。
でもエヴァンは僕らの人生に大きな影響を与えた。
ラナ:クラーク、私達は無限の時間を持ってると思って永遠に生き続けられると思ってるけど、
それは事実じゃないわ。
クラーク:僕らは手遅れにならないうちに限りある時間を最大限に活用しなきゃいけないね。
ラナは「ベルベットのうさぎ」の本を拾って悲しげにそれを見ます。
ラナ:これはあの子の好きだった本だわ。
クラーク:本当に?
ラナ:ええ。
クラーク:僕が子供のとき、僕の好きだった本なんだ。
ラナは驚いてクラークを見ます。
クラーク:僕はよくウサギの真似をしたよ。
僕はまるで彼のようだった、そしたら両親が愛で僕を包んでくれたんだ。
ラナ:唯一の願いは、エヴァンもそんな風に私達の事を思っててくれたらって。
二人は近づき抱擁します。
第5幕 場面2
メトロポリスのジェヌビエーブのホテル。
夜。
彼女の部屋で、彼女はテーブルを挟んでワインボトルを持っているライオネルの前に立っています。
ライオネルはラベルを見ます。
二つの空のグラスがテーブルにあります。
ライオネル:ほう、1961年物のボルドーかね。光栄だ。
ライオネルがジェヌビエーブにボトルを返すと彼女はグラスに注ぎます。
ジェヌビエーブ:あなたの訪問が…お祝い理由よ。
ライオネル:私の訪問が祝わうに値するわけではないんじゃないか、ジェヌビエーブ?
ジェヌビエーブ:他にもあるわ。
ライオネルはくすくす笑います、そしてジェヌビエーブは彼にグラスを手渡します。
彼はワインを嗅ぎます。
ライオネル:うーん…
彼女は彼の方へ歩き魅力的に彼をじっと見つめます。
ジェヌビエーブ:何を持ってきたのかしら?
ライオネル:持ってきたとも。
彼は彼女のグラスと合わせ乾杯します。
ライオネル:我々の問題の答に。
ジェヌビエーブ:[希望を抱いて]うーん...
彼女はワインの一口を飲みます。
ライオネルは彼女から遠ざかります。
そして、考えにふけって話します。
ライオネル:親子の関係とは。興味深い現象だな?
彼が振り返るとジェヌビエーブは喉を押さえ苦しみだします。
ライオネル:我々がする事は…子供を守る事だ。
ジェヌビエーブは喘いでグラスを落とします。
グラスは床で粉々になります。
ライオネル:とどまる事をしらない。
ジェヌビエーブ:[息を詰まらせ]何をしたの?
彼女は床に倒れ喘いでのどを抑えます。
ライオネルは静かにグラスを置いて彼女の方へ歩きます。
ライオネル:あなたが今飲んだワインはほんの数分で死に至る。
その苦しみは耐えがたいそうだ。
ジェヌビエーブは怒りと恐れの交錯でライオネルを見上げます。
ライオネル:取引をしようか?
私にブリジット・クロスビーから盗んだ石をくれないかね、
私はこれを渡そう…
ライオネルはコートポケットに手を入れて青い液体の入った小びんを取り出します。
ライオネル:…解毒剤を。
ジェヌビエーブは話すことができなく必死に手を伸ばします。
ライオネル:もう一度…倅に近づき、倅に何かあったら、分かてるな?
彼女は死にもの狂いでうなずきます。
ライオネルは彼女の前で小びんを振ります。
ライオネル:石は、ジェヌビエーブ。どこにあるんだ?
第5幕 場面3
クラークは表のポーチに座って考えています。
夜。
マーサとジョナサンが外に出て来て、ジョナサンはクラークの肩を軽く叩きます。
ジョナサン:お前はやるべき事をやったんだ、クラーク。
マーサ:[座り]エヴァンもそれは分かってくれてるわ。
クラーク:僕が逃げ出したり、姿を消したり、死にかけた時、
父さんたちはどうやって耐えてきたの?
ジョナサン:[ひざまずき]
それは簡単な事じゃなかったさ、クラーク。
しかし、それはつきものだ。
分かっただろ、全ての親の恐れている事は、永遠に子供を失う事だと。
クラーク:子供を育て上げる事が世界中で一番難しい仕事だと思うよ。
マーサ:それは最も価値がある事よ。
ジョナサン:お前の自分の息子が青年に育ったとき、それを誇りに思えるようになるさ。
クラーク:僕にはそれがどういう事なのか決して分からないだろうな。
マーサ:そんな事はないわ。
クラーク:僕は宇宙人だ。人間ですらない。
僕に子供ができるかどうかも分からないだろ?
マーサ:クラーク、お父さんと私には子供ができなかった。
でも、息子には恵まれたわ。 あなたも将来何が起きるのかまだ分からないわ。
クラークはそれを考えます、そしてジョナサンは愛情をこめて彼の手にさわります。
第5幕 場面4
レックスの屋敷。
夜。
クラークは使用人に連れられて書斎に案内されます。
クラークが入るとレックスは弁護士と暖炉の傍に座っていて立ち上がりました。
レックス:クラーク。
クラーク:ラナから聞いたよ、君が幼児サービスを考え直すって。ありがとう。
レックス:まあ、お前と彼がかなり親密なのを知ってるしな。
約束しよう、エヴァンの人生は無駄ではなかった。
クラーク:どういう意味だい?
レックス:チームが彼のユニークな細胞構造を研究した結果、
数百年分ものガンと年齢関連性の病気の研究を進めることができたんだ。
世界中のあらゆる研究施設に調査結果をリリースした。
エヴァンの人生は、数世代に渡って受け継がれていくんだ。
クラークは誇りをもって微笑みます。
クラーク:あの子は特別な子供だった、レックス。
どんな男に育ったのか知りたかったよ。
レックス:よかっただろうな…お前の子供でいられたら。
お前はいつか偉大な父親になるのは間違いなかっただろう、クラーク。
クラーク:そして、君もな、レックス。
レックス:俺はダメだろう。
俺は登りつめるだけの人生だった。
お前の両親は励ましと支援をしてきた。
俺とは正反対だ。
俺はそれとは違う遺産を残すつもりだ。
クラークは不思議そうにレックスを見ます。
そしてまだわかりません。
レックス:さて、仕事に戻らないとな。
クラーク:ありがとう、レックス。
彼らは握手します。
クラークが出るとレックスの弁護士が立ち上がります。
弁護士:ルーサーさん、あなたは調査結果をリリースしたいんですか?
レックス:[冷たく]最終的にはな。
フェイドアウト。
おしまい