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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン4.21Forever[永遠に]

第1幕 プロローグ
クロエのトーチ最後の記事の一面。
見出し「学校の外へ、フォーエバー!」
クロエはブレンダンとトーチにいます。
日中。
彼女は彼のアルバムにサインをしています。
彼女は自分の写真の脇に「クロエ・サリヴァン、Most Likely Succeed」とサインします。

クロエ:わあ、四年間ってこんなに早く過ぎたなんて思えないわ。
    [彼女は本を返し]どうぞ。
ブレンダン:OK。
      [声を出して彼女のメモを読む]
      「ブレンダンへ。決定的瞬間を捕えることができるカメラマン」
      ありがとう。
クロエ:どういたしまして。
ブレンダン:もう行かないと。じゃあ。

彼はアルバムバックパックに入れます。

ブレンダン:バイ。
クロエ:バイ。
ブレンダン:ランチで。

彼は部屋を出ます。
クロエはコンピュータに座ってコーヒーを飲みます。
授業ベルが鳴ると、彼女はタイピングを始めます。
しばらくすると彼女は廊下からの音がない事に気がつきます。
始業ベルの音の後には学生たちのわめき声がいつも聞こえてくるのですが、静寂が広がっていました。
クロエが壁の時計を見ると8:30でした。
しかし学生達は開いたドアの前を通過しません。
彼女が廊下に出て行くと廊下には誰もいません。

クロエ:ねえ?

彼女は角を曲がりましたが誰にも会えません。

クロエ:誰か?

廊下の静寂は耳をつんざくようです。
ついにクロエは女子ロッカールームから水の滴る音を聞きます。
彼女はコーチの部屋に入ってロッカールームの中を見まわします。

クロエ:誰か、ここにいますか?こんにちは?

彼女はロッカールームへのドアの窓から見ます。
シャワーから蒸気が出ています。
そして蒸気は窓に付き水滴となって滴っています。
しかし明りは点いていません。
クロエはロッカールームのドアを開け中に入ります。
女の子が部屋にいました。
噴水式水飲み器に寄りかかっていました。
クロエは彼女が誰だか分かります。

クロエ:ヘイリー?ああ、よかった。
    何が起きたのか分からないけど、私達二人だけ…

彼女がヘイリーに近づくとヘイリーが動かない石像だと分かり立ち止まります。
ヘイリーの目は聞こえているとばかりに動きますが、他の部分はまるで石のように固まっていました。
クロエはあえいでロッカールームから疾走します。
彼女は廊下に出て建物を出ようとします、しかしドアはロックされています。
彼女は引き返しトーチに戻り電話を取り上げます、しかし電話通じません。
それから彼女は振り向いて窓に駆け寄ります。
彼女は窓のブラインドを引いて開けます。
光が差し込んみますがまぶしくはありません。
彼女は別の窓のブラインドを開きますがそこも一緒でした。

クロエ:[退き]ああ、なんてことなの!何が起きてるの?

窓の外は表ではなく日差しだと思ったものは蛍光灯の光でした。
授業ベルが鳴ります。

クロエ:助けて!助けて!助けてよ!!

クロエのいる場所は学校ではなく、放置された倉庫の中でした。

第1幕 場面1
クラークが家の階段を降りてきます。
日中。
彼はマーサとジョナサンがキッチンで話しているのを耳にします。

マーサ:あの子はずっとこの事を考えていたのよ。
    あの子自身に決めさせないと、ジョナサン。

クラークがキッチンに入るとジョナサンが封筒を持っているのを見ます。

ジョナサン:おい。どうして中部カンザスに行くための奨学金を申し込んだのを私に話さなかったんだ?
クラーク:それは、僕が行く大学だからだよ。
ジョナサン:Met Uはどうしたんだ?
      オハイオやマイアミはどうしたんだ?
クラーク:僕は家の近くしようと思ったんだ。
マーサ:クラーク、あなたが新しい都市で新しい友人と全てをやり直すことがどれだけ大変な事か分かるわ。
    でも、あなたは諦められるの。
ジョナサン:これはお前の人生の中でも最も重要な決定の内の一つなんだぞ。
クラーク:そのぐらい分かってるさ。
ジョナサン:もしかしてラナが中部カンザスに行くのか?
クラーク:ラナがどの学校に行くのか知らないんだ、
     だからこの学校にラナが来るかどうかなんて分からないよ。
ジョナサン:ああ、それなら私達の事だな。
      私がお前の助けなしにこの農場を経営できないと思っているんだろ。
クラーク:ここには僕が必要なんだよ。
ジョナサン:クラーク、お前の人生はトウモロコシ畑の向こう側にあるんだ。
      私達のために、後悔させるような事は決してしたくない。
      今はもう農場を走る事もできるんだ。

ジョナサンは去ります。

マーサ:クラーク?それが本当の理由なの?

クラークは答えません。

第1幕 場面2
放置されている倉庫。
日中。
トーチにそっくりな倉庫の中でクロエは必死にコンピュータにタイプしています。
モニタにダイアログボックスが現れ「インターネットに接続できません」と表示されます。
彼女がタイピングを続けていると廊下の方で二人の女の子の話し声がしてきます。

リサ:あの生物のテストは本当に難しかったわ。
ディーリア:そうね、私は全く分からなかったわ。

クロエは廊下に駆け込んで女の子達を認めます。

クロエ:リサ、ディーリア。
    何が起きたか知ってるの?
リサ:急がないと、クロエ、それともトリッグに遅れるつもり。
クロエ:待って、トリッグって?教室なんてドアの向こうにないじゃない。
ディーリア:[小さな声で]調子を合わせて。彼が見てるわ。

ディーリアは天井の隅を見上げます。
クロエは彼女の視線を追うとて、監視カメラがこちらを撮影していました。
ブレンダンが来るとクロエは彼に走ります。

クロエ:ブレンダン、待って!
    ドアを閉めないで!
    [ドアは閉まります]
    あなたは何をしてるの?
    あなたも調子を合わせてるの?
ブレンダン:調子を合わせる?クロエ、僕がこれを計画したんだ。
クロエ:あなたが私達をここに連れてきたの?
ブレンダン:学校が終わるからさ、ラストフォーエバーにはしたくないんだ。
クロエ:ブレンダン、ふざけてるの。

ブレンダンが歩き始めるとクロエは彼を止めます。

クロエ:どうしてこんな事までして高校に残りたいわけ?

ブレンダン:君なら分かると思っていたけどな。
      君はトーチの編集者であり、ダンスパーティーのクイーンだ。
      クロエ、君はいい高校生活を送ったよな。
      君が卒業したら、残っているのは期待はずれもいい者たちばかりだ。
      でもここは違う。
クロエ:ブレンダン、ずっと私達をここに閉じ込めておく事はできないのよ。
    前向きに考えを直さないと。
ブレンダン:[感情的に]何を?
      なあクロエ、僕らの中には君のように理想の大学に入れなかったんだ。
      沢山の不合格通知を見るって事は、残りの人生を地元のビデオ屋で働くことを意味するんだ。
クロエ:ねえ、他の人達もこんな事に協力すると思ってるの?

二人の後ろで男の子がロッカーから取り出しています。
ブレンダンは振り返って彼に話をします。

ブレンダン:[驚いたように]ウェンデル?ウェンデル、ここに来てくれ。

ウェンデルは怖がって動きません。

ブレンダン:ここが来いと言ったんだ!

ウェンデルは振り向いてブレンダンのところへ行きます。

ウェンデル:僕は何もしてない、誓うよ。
ブレンダン:クロエが調子を合わせないとどうなるかって疑問に思ってるんだ。
ウェンデル:[後ろに下がり、手を上げ]止めてくれ、お願いだ。
ブレンダン:ウェンデル…
ウェンデル:いやだ、止めて…

ブレンダンがウェンデルの腕を掴むとウェンデルは叫びます。
ウェンデルの腕が段々と石に変わり全身へと広がってきます。
そして完全に固まります。
彼の目だけがわずかに動きます。
ブレンダンはクロエに戻ります。

ブレンダン:君がここがどれほど幸せなのか分かれば、ここは最高さ、クロエ。
      [明るく]ランチの席を取っておくからな。

ブレンダンは微笑んで歩き去ります。
クロエは恐る恐るウェンデルをじっと見つめます。

第1幕 場面3
本当のスモールビル高校。
日中。
廊下では卒業生がいくつかのテーブルの前に一列に並びます。
そして卒業式用の帽子を受け取っています。
クラークはビニールに包まれた赤い帽子を持ってます。
ラナは帽子を被って彼に近寄ります。

ラナ:似合う?
クラーク:最後にハッとするような感じだ。もう、本当に終わるんだね?
     [ラナはうなずきます]
     一年生の最初の日、僕が君をあのドアに案内したのを覚えてるかい?
ラナ:[帽子を脱ぎ]
   あの時、あなたはつまづいたわよね。[彼女は笑います。]
クラーク:まあ、僕にはどうしようもなかったし、君は僕を不安にさせたし。
ラナ:かわいかったわ。
   そんなあなたがこんなにすごい高校のフットボールスターになるなんて思わなかった?
クラーク:元フットボールのスターだよ、ロッカーで毎朝君に会ってたのは。
     [悲しそうに]
     でも、君が大学に行くと、もう全く変わってしまうよ。
ラナ:私はまだ行くかどうか決めてないわ。
クラーク:本当に?
     それはどういう意味だい?
     小さな頃から子の町を出ようって夢見てたじゃないか。
ラナ:そうね、今でもそれは変わってないわ。
   もし行くんなら、正当な理由をつけて行きたいのよ。
クラーク:それじゃ、スモールビルにいるのかい?
ラナ:分からない。皆がこの町を出て行くとしたらそれは難しいわ。
クラーク:皆が出て行くわけじゃないよ。
     僕は、中央カンザスに通うつもりなんだ。

ラナは微笑みます。

ラナ:それなら、あなたにさよならを言うためにこんなに時間をとる必要はないわね。

彼らは互いに微笑みます。
帽子を配っている女教師が名前を叫んで言います。

女教師:ヴェンデル・ジョンソン!クロエ・サリヴァン!
    ヘイリー・ティミンズ!ディーリア・ワトキンズ!

クラークはオロオロする女教師に振り向きます。

クラーク:クロエが真っ先に来ると思ってたけどな。

第1幕 場面4
レックスは書斎の上の階にいて、興奮して電話で話しています。
日中。

レックス:ルーサー・コープは洞窟の法的管理者だ。
     我々が必要だと判断すればどんな発掘作業でもすることができるんだ。

ジェイソンが入ります。

レックス:後でまた電話をする。
     [彼は電話を切ります]
     もう俺たちの仕事は終わったはずだが。

ジェイソンはピストルを引き抜いてレックスに向けます。
引き金を引くと、小さな矢が飛び出しレックスの首に刺さります。
レックスはあえいでクビから矢を引き抜くと矢を見ます。

ジェイソン:直ぐに効くさ。

レックスは倒れ意識を失います。

フェイドアウト。

第2幕 場面1
ジョナサンは納屋で木を切っています。
日中。
マーサが入ってきて、彼が激しい息を切らし玉のような汗をかいているのを見ます。

マーサ:クラークが今晩やるわよ。
ジョナサン:何を言ってるんだ、このぐらい私一人でもできるさ。
マーサ:あなたが何を思っているのか分かるわ、ジョナサン。
    あなたはこの農場でクラークの代わりにはなれないのよ、誰もね。
    他の農場でも、少なくとも五人必要なのよ。
ジョナサン:クラークがやって来る前は、私の一族は数世代にわたってこの農場を経営してきたんだ。
      私が一人でできないわけがわないだろ。
マーサ:時々、どっちが頑固なのか分からなくなるわ。
ジョナサン:どうしてそんな事を言うんだ?

彼はもう一本の丸太を置いて半分に切ります。

マーサ:いつになったらあなたは事実を受け入れてくれるの、
    私とあなただけじゃこの農場は運営できないのよ?
ジョナサン:マーサ、私に何が言いたいんだ?
      クラークにお前がいなければやっていけないんだと言わせたいのか?
      どこにそんな事を言う親がいるんだ?
マーサ:正直な人ね。
    いつもは大人のように扱ったり?
    今回についてはまだまだだったり。
ジョナサン:または罪の意識だ。
      マーサ、クラークはまだ私の心臓に責任があると感じている。
      私はあの子が哀れみからそれを選ぶのは許せないんだ。
マーサ:それは哀れみなんかじゃないわ、ジョナサン。
    クラークは行ってしまえば年に2、3回しか戻って来れないのを分かってるのよ。
    そしてあの子はその帰って来る時があなたの葬式になってしまうのを望んでないのよ。

ジョナサンは黙ったままショックを受けます。

第2幕 場面2
スモールビル高校。
日中。
クラークとラナはトーチに入ります。
まるでクロエが私物を詰め込もうと準備していたように箱が至る所にあります。

クラーク:クロエ?

ラナはクロエの壁をじっと見つめます。

ラナ:Met Uに超常現象の壁を持っていくなんて。
クラーク:彼女は今日、トーチに来てない。
ラナ:プリンターが動いた形跡は?
クラーク:[モニタを見て]
     いや、最終項すらない。
     クロエが学校の最終日に最後の言葉を入れないはずがない。
ラナ:それにコーヒーが残ってる、最後に徹夜で仕事していたのはいつ?

ラナは飲みかけのコーヒーをクラークに示します。

クラーク:それもライフラインを放り出して?

クラークはクロエの携帯電話を見つけます。

第2幕 場面3
レックスは意識を回復します。
彼は暗い小さな部屋で椅子に縛られています。
日中。
解こうと必死になりますが自由になることができません。
あたりを見まわすと火の入った暖炉の上に鹿の首の剥製がかかっているのを見ます。
暖炉の隣にはライオネルが同じように椅子に縛られていました。

レックス:自分の本能を信じなければいけなかったな。
     ジェイソンと組んでいるのは知ってたよ。
ライオネル:十分前まではな、全て私の手からはなれたよ。
      お前は不思議に思うだろうがな。

ジェヌビエーブとジェイソンが入ってきます。

ライオネル:ジェヌビエーブ。それに忠実な息子。
      エディプスの絆は確かに繁栄するのかも知れないな、レックス?

ジェヌビエーブはライオネルの顔を叩きます。

ジェヌビエーブ:ライオネル、石はあなたにとってコレクションの一つかも知れないわ。
        でもこんな事で今まで探し回った年月を無駄にしたくないの。
レックス:大きな間違いをしているぞ、ジェイソン。
     君の母親だという事を知っているが、彼女が君を襲わないとは言い切れないぞ。
     俺を信じろ。
ジェヌビエーブ:[身を守り]ジェイソン…
ジェイソン:分かってるよ、お袋。
      こいつらに忠誠心はないよ、特にルーサー家の血に流れている物が裏切りならな。

ジェイソンは銃の撃鉄を起こしライオネルの首に向けます。

ジェイソン:さあ、俺から盗んだ石を返してもらおう。

レックスは驚いてライオネルを見ます。

ジェヌビエーブ:そうよ、レックス、あなたのお父様が、石の一つを持ってるの。
レックス:それなら俺に何の用があるっていうんだ?
ジェヌビエーブ:彼は石をあきらめるぐらいなら死んだ方がましだと思ってるはずよ。
        でも自分の肉親が危険になればそんな考えも変わるかもしれないわ。

ジェヌビエーブは、ゆっくりレックスへ歩いて行きます。

レックス:親父は俺とは違うぞ。
ジェヌビエーブ:そうじゃない事を望むわ、あなたのためにね。

第2幕 場面4
ロイスがタロンで働いています。
日中。
いつものように彼女はとても忙しそうにバーの客に囲まれます。

ロイス:お待ちどうさま、カプチーノ二杯とダブルエスプレッソです。
    お客様はどちらですか?
    どうぞ。

彼女は客にコーヒーを手渡します。

女の子:ありがとう。

クラークがバーに来ます。

ロイス:どうしたの、クラーク。
    学校の卒業式を抜け出してまで私に会いにきたわけじゃなさそうね。

クラーク:今、昼休みなんだ。
ロイス:そうなの。普通の学生らしい事はしないの?
    卒業式には「刑務所から自由になった」ってカードを持ってさ。
    ヘイリーでさえ朝のシフトをはずれたわよ。
クラーク:クロエを探しにきたんだ。彼女に会ったかい?
ロイス:彼女、最終項を上げるんだって夜中の2時までトーチで仕事してたから、どこかに泊まったんじゃない。
クラーク:ロイス、それがやってなかったんだ。
     だから何かが起きたんじゃないかと思って。

女の子がアルバムを持ってクラークに近寄ります。

女の子:[はにかんで]クラーク?私のアルバムにサインしてくれない?
クラーク:[うれしそうに]ああ。

クラークが自分の写真の脇にサインするのを見てロイスは目を泳がせます。
「NFLへドラフトされた男」
彼がサインしている間、彼はヘイリーの写真に気がつきます。
彼はロイスにそれを示します。

クラーク:この子が今日仕事を休んだ子かい?
ロイス:[サインを読んで]「シャークスのリーダー」?
    ええ、そうよ。

クラークはアルバムを女の子に返します。

女の子:ありがとう。

彼女は歩き去ります。

クラーク:聞いてくれ、ウェンデル、ヘイリー、クロエ、ディーリア。
     皆、今日、卒業式のローブを受け取りに来なかった。
ロイス:皆みたいに群がらなかっただけじゃない。
    何か起きたと思ってるの?
クラーク:分からない。昨日の夜クロエと分かれたとき何かおかしな事はなかった?
ロイス:いえ、彼女はカメラ小僧を相手してたわ。

クラークはそれについて考えます。

第2幕 場面5
ラナは学校から出て車へ歩いて行きます。
日中。
車に乗ると小さなポーチをバッグから取り出します。
ポーチをあけると中国で見つけた石を赤いハンカチで包んであるものを取り出します。
彼女はしばらくそれをじっと見つめてから再び元に戻します。
彼女が開いた窓を見るとブレンダンがアルバムを持ってそこに立っています。
彼女は驚きます。

ラナ:ハイ。
ブレンダン:やあ。脅かすつもりじゃなかったんだ。
ラナ:平気よ。
ブレンダン:君にアルバムにサインをして貰いたくてさ。
ラナ:もちろん。

ブレンダンはアルバムのラナの写真を開けます。
彼女は声を出してキャプションを読みます。

ラナ:「表紙を飾る娘」
   [彼女は笑います]
   こんな事書くのはカメラマンでしょ。

彼女はそれにサインします。

ブレンダン:ありがとう。
      もちろん写真が本物に勝てるわけないけどね、そうだろ?

ラナは微笑んでサインを続けます。
彼は窓越しに彼女にさわります。
ペンを持っているラナの手が固くなっていきました。

フェイドアウト。

第3幕 場面1
放置された倉庫。
日中。
クロエがウェンデルの固まった像の脇にいるとリサが近づいてきました。

リサ:クロエ、授業に行かないと。
   ベルがすぐに鳴るわよ。
   遅れたくないでしょ。
クロエ:私はここにいるわ。

二人は監視カメラの方をちらっと見ます。
ブレンダンが二人に近づいてきます。

クロエ:[驚き]ブレンダン!
ブレンダン:二人そろって、何の話しだ?
クロエ:ちょっとクレイマー先生のテストのために勉強の計画していたのよ。

リサも頷き微笑んで速く歩き去ります。

ブレンダン:君のために驚くものを持って来たよ。

彼は彼女の背中を押しトーチへと導きます。
内に入るとクロエは立ち止まります。
そして見たものに対してぞっとします。
固まったラナが机に座っていました。

ブレンダン:彼女は「表紙を飾った娘」だからな。
      でもこれで君の友達がここにいることになった。

クロエは微笑んで恐れを隠そうとします。
ブレンダンがラナの顔にさわると、彼女はあえぎとともに元に戻って来ます。
彼女は机から立ち上がりクロエのところに行きます。

ラナ:クロエ、何があったの?
ブレンダン:クロエ、ラナにルールを話してやってくれよ。
クロエ:[明るく]分かったわ!

ブレンダンは去ります。

ラナ:どうやって学校に戻ってきたのかしら?
クロエ:[微笑をつくって]OK、あせらないで。ここは学校じゃないわ。
ラナ:どうしてこんな事をしてるの?
クロエ:彼が見てるから。

クロエは壁のカメラを見ると、ラナもそれも見ます。
クロエは窓に行ってブラインドを引き上げると蛍光灯があります。
ラナはあえぎます。

クロエ:ブレンダンは、男版メドゥーサ・タッチを、この場所で再現してるの。
    「瞬間を捕えた」っていうフレーズに新しい意味を与えてね?
ラナ:でもどうやって…私が覚えているのは彼のアルバムにサインしていたことよ。

クロエの心に考えが浮かびます、そして彼女は年鑑を取り上げラナにそれを持ってきます。

クロエ:ラナ、私のアルバムにサインしてもらえる?
ラナ:[調子を合わせ]OK。

クロエは彼女の写真のページに開けました。
ラナ、クラーク、ウェンデルの写真のほかに倉庫に閉じ込められている他の皆の写真もあります。

クロエ:[小さな声で]名前を見て。
    このパジャマパーティーの招待客の一覧が「最も〜」で始まってるわ。
    これは偶然の一致じゃないわ、集められたのよ。

クロエはカメラが見ているためまだ微笑んでいます。
ヘイリーが元気なふりをして入ってきます。

ヘイリー:ねえ、皆!
     [クロエに]あなたが言ったように、ブレンダンにあなたが惚れてるって言っておいたわ。
ラナ:何の話をしているの?
クロエ:ブレンダンは高校生活を望んでるの。
    だから彼に高校生活を与えてやるのよ。

ラナは混乱してクロエを見ます。


第3幕 場面2
ジェイソンは真っ赤に焼けた火かき棒を持って部屋に入りレックスの方へ歩きます。
日中。
彼は火かき棒をレックスの顔に向け胸の肌に押し付けると、皮膚は音を立てて焼けレックスは叫びます。
ライオネルはすくみます。

ジェヌビエーブ:[ライオネルに]石はどこ?
レックス:あぁ!ああ!

ライオネルは応えません。

ジェヌビエーブ:ライオネル、レックスはあなたの息子でしょ。
        それにあなたが息子を信じようとし信じまいと、
        息子が死ぬところを見たくないはずよ。

ライオネルは黙ったままです。

ジェヌビエーブ:ジェイソン?[彼女は火かき棒を受け取ります]

ジェイソンはレックスの頭を抑えると、
ジェヌビエーブはレックスの目に向かってゆっくり火かき棒を近づけます。

レックス:[奮闘し]ああ、ああ!

ライオネルはしばらく見ていましたがついに口を開きます。

ライオネル:止めろ!止めてくれ!
ジェヌビエーブ:どこにあるの?
ライオネル:ラナに渡した!
レックス:ラナは関係がない。
ジェヌビエーブ:あなたは彼女にとって信用できるには値しなかったようね。
ライオネル:私が寺院の地図を彼女に渡したんだ。
      彼女は選ばれた者だ、それを知っているはずだ!

ジェイソンはレックスから離れ出て行こうとします。

ジェヌビエーブ:ジェイソン。
        [ジェイソンは立ち止まります]
        私がラナの方を片付けるわ。
ジェイソン:お袋は彼女を傷つけないと約束したはずだ。
ジェヌビエーブ:彼女はこれまでにあなたに感謝した事があって?
        ラナはあなたがどんなに彼女を守ってきたのか全く理解していないわ。
        それは、どうして?
        あなたよりクラークを選んだんじゃないの?

ジェヌビエーブはキーを受け取るためにジェイソンに手を伸ばします。
そして穏やかに彼と話します。

ジェヌビエーブ:あのね、私は彼女のように決して裏切らないわ。

ジェイソンはあきらめきれません。
しかし彼はついに降参し、ジェヌビエーブにキーを渡します。

ライオネル:彼女を過小評価などしない方がいいぞ、ジェヌビエーブ。
      ラナ・ラングの祖先が君の一族に復讐すると誓ったことを忘れない方がいい。
ジェヌビエーブ:もし私があなたなら、過去の民間伝承は忘れるわ、ライオネル。
        私の先祖は裏切り者を火あぶりにした。
        あなたもその中の一人にならないようにした方がいいわ。

ジェヌビエーブは部屋を出ます。

第3幕 場面3
スモールビル高校。
日中。
クラークとロイスは暗い部屋に入ります。
いたるところに写真が乾かすために写真が下がっています。

クラーク:ブレンダン?ここにいるのか、まるで自分の部屋みたいに使ってるな。
ロイス:ちょうどクロエがトーチでやってるのと同じね。
    こんなの見ると嫌気がさすわ。
    [写真を見て]
    背の高い人、チアリーダー、女の子、ジョッキー。
クラーク:ブレンダンは皆を知っている。
     トーチの一面を見れば一目瞭然さ。

ロイスが壁のスクリーンに振り向くと、何枚かの写真が貼られるのを見ます。
その写真の人物たちはアルバムに「最も〜」と書かれた人たちで、
何人かは線を引いて消されていました。

ロイス:ノーマン・ベイツみたい。
クラーク:これは「最も〜」のリストだ。

彼はラナが抹殺されているのを見ます。

クラーク:ラナ?
ロイス:ああ、本当だわ、この人たち…
クラーク:いや、コレクションみたいなものだ、どこかに閉じ込めてるはずだ。

クラークはスライドを見つけるとオーバーヘッドプロジェクターに入れます。

クラーク:ロイス、これを見て。

彼はプロジェクターをオンにします。
するとロイスの目に光があたり、彼女は手で光を遮ります。

ロイス:もう、クラーク。

クラークはスクリーンに映像を合わせます。
映像は何らかの建物の設計図のようです。
そして各部屋には人影が写っていました。

ロイス:紙人形か何かがあるわ。
クラーク:それ以外は青写真の比率だな。
     この学校の一部をどこかに作ったのかもしれない。
     [彼は青写真を読みます]
     「ナッシュ建設」

第3幕 場面4
倉庫。
日中。
クロエはトーチでタイピング中です。
ブレンダンがドアをノックします。

クロエ:[彼に会って嬉しそうに]
    ねえ!昨日の事は驚いたわ。
ブレンダン:君の働いている姿を撮りたくてね。

彼は机の端に座ります。

ブレンダン:知ってるか、おかしい事を。
      四年間一緒に学校にいたけど君とヘイリーがあんな風に親しかったとは思えない。
クロエ:[当惑を装い]どうして?彼女が何を話したの?
ブレンダン:[ふざけ]いや、なにもないよ。

クロエは立ち上がります。

クロエ:あのね、考えれば考えるほど、この場所を再現したなんて信じられないのよ。
ブレンダン:不合格通知を受けとったあと、僕はここで自分自身を証明するために時間を費やした。
      それは苦じゃなかったよ。
クロエ:もう一度やり直すのね、もし私達がいなくなったら。
    [彼女は、彼の近くに来ます]
    どうするの?
ブレンダン:父さんにも言ったよ、もし言わなかったらマネキンなんかに変えなくてすんだのに。
      [彼は笑います]
      君は彼女たちの表情を見なかったのか。
      面白かったぜ…

陰に隠れていたラナは机の引き出しブレンダンの後頭部を殴ります。
彼が気を失い床に倒れると、クロエは彼のポケットからキーをとります。

クロエ:行きましょ。

二人がオフィスを走って出て行くと、ヘイリーが外で待っていました。

ヘイリー:お願い、私達もここから出して!

三人はウェンデルの像まで走ってから出口に向かいます。
クロエはドアのそばのセンサーにブレンダンのセキュリティカードを通します。
ドアは錠が開きます。

外に続くドアに向かう三人。
ラナがつまずくとクロエは彼女を助け起こすために立ち止まります。
ヘイリーは走り続けてドアへの階段を登ります。
彼女がそこに着くとドアが開きま、ブレンダンが外に立っていました。

ブレンダン:逃げだそうなんて思わなきゃよかったのにな、ヘイリー。

ヘイリーは踵を返し階段の下に走って戻ろうとします。
しかしブレンダンは彼女にさわり彼女を石像に変えます。
クロエとラナが階段を昇り始めると、ブレンダンを見て立ち止まります。

ブレンダン:君は僕と同じ意見だと思ってたのに。
クロエ:ブレンダン、こんな場所に私達をずっと閉じ込めておく事はできないわ。
ラナ:私達を行かせてよ。
ブレンダン:君がそれを本当に望んでるとは思えない。
      ここが好きなんだろ。
      それともヘイリーみたいになりたいのか。

彼はヘイリーの切断され石となった頭を上げ、階段の下に放り投げます。
首は床に落ち粉々になり、至る所に血をぶちまけます。
クロエとラナはあえいでブレンダンをじっと見つめます。

第4幕 場面1
ライオネルとレックスが椅子に縛り付けられている部屋。
日中。
ジェイソンは暖炉の傍に跪いています。

ライオネル:こういうことに巻き込まれた君を責める気はない、ジェイソン。
      君の母上は、なんと言っていいか、抵抗しがたい女性だ。
      君はラナと親しそうだったがどうしたね?
      母親のせいでダメになったのか?

ジェイソンは銃をつかんで立ち上がります。

ジェイソン:おい、あんたの情報源なら、もうラナがお袋の駒の一つだという事を知ってるはずだ。
ライオネル:駒?
      それが真実なら、君はその駒に恋をしたんだな。
      自分を犠牲にしたのか、母親の温もりと引き換えにラナに対する感情を…
      [ジェイソンは銃をライオネルに向けます]
      …君らしくないな。

二人はしばらくじっと見つめます。
それからジェイソンは部屋から出て行きドアを閉めます。

レックス:まるでウォルトンのようだな?
ライオネル:[くすくす笑い]悪かったな、レックス。
      お前を巻き込んでしまって。
      信じなくても構わないが、ここには私一人がいるべきだった。

レックスは炎をじっと見つめます。

レックス:正直言って、親父、あんたと二人でここにいられて嬉しいよ。
     火の中からその火かき棒を蹴り飛ばして、できるだけ俺のイスの近くによこしてくれ。

ライオネルはイスごと立ち上がり火の近くに行きます。
火に中から突き出ている火かき棒のラックをひっくり返し床に倒します。その先端は熱く赤く輝きます。
レックスはイスを揺らし火かき棒の傍に転がると、腕を結びつけているロープを押し付けます。
彼は熱さにしかめっ面をします、しかし、彼はロープが切れるまで我慢をしていました。

部屋を出たライオネルとレックス。
ジェイソンは薪を集めに外に出ていたところ、彼らを見つけます。二人が森に駆け込むとジェイソンは後を追います。
銃の撃鉄を引き、数回二人を狙って撃ちますが失敗します。
二人は走り続けます、ジェイソンは再び撃ちます。
しかし木に銃弾があたります。
レックスとライオネルは大きな木の後ろに回って隠れます。

レックス:[息を切らし]ここで分かれよう。行って!

二人は反対方向に走り出します。
ライオネルは小さな丘を駈け上がります。
丘の上まで来ると上で待っていたジェイソンと差し向かいになりました。
ジェイソンは銃をライオネルの顔に向かって発砲します。
弾丸はライオネルの前に横たわっていた木の幹に当たります。
ライオネルは力尽き、崖を転げ落ち底に着きます。
ジェイソンは崖の端に立つと再び銃を構えます。
ライオネルにはもう逃げ道はありませんでした。

するとレックスがジェイソンに駈け寄って木の枝でジェイソンの腕を殴りつけます。
ジェイソンが銃を落とすと今度はジェイソンの顔を枝で殴ります。
ジェイソンが倒れ、再びジェイソンを殴ろうとするとジェイソンはレックスの目に土を投げつけます。
レックスが目に入った土を取ろうと瞬きしていると、
ジェイソンはその隙に逃げ出します。
レックスは枝を持ったまま再び彼の後を追います。
彼らは川の近くの丘を駈け上がります。
水のない川底に追い詰められたジェイソンは急に止まります。
レックスが彼の後にやって来ると、ジェイソンは手を上げます。

ジェイソン:待ってくれ、レックス、止めてくれ!
      [レックスは止まります。]
      なあ、俺を見てくれ。
      あんたと俺はそんなに変わっちゃいないだろう。
      それは俺たちのことじゃなく、親の事だ。
      お願いだ!レックス、どうか!
レックス:俺はいつもお前からラナを守らなければと思っていたんだ。
ジェイソン:でもあんたも親友から守らなかったじゃないか、エッ?クラークを?
レックス:クラークはこれとは関係ない!
ジェイソン:ああ、信じてないな。
      クラークは俺たちの誰よりもこの事に関係している。
      あんたはそれを無視する気か。
      思い出してみろ…シンボルは、ケント家の納屋で焼印を押されただろ?
      フィールドでも?
レックス:土壇場で責任転嫁をしているのは見え見えだ。
ジェイソン:どうして、何が正しいのか分からないんだ、レックス?
      クラークだ。彼が…

銃声がします。
弾丸はジェイソンの胸に当たります。
レックスは振り返り銃を撃ったのがライオネルなのを知ります。
ジェイソンは胸の傷を見下ろすとバランスを失って崖から落ちます。
そしてはるかに下の水にザブンと落ちます。
レックスは木の枝を落とします。

ライオネル:奴は…お前を殺すところだった、レックス。
レックス:それとも俺に知られちゃいけない何かを言おうとしていたのかも。
ライオネル:レックス、お前は私の命を救ってくれた。
      だからお前を助けたんだ。
レックス:俺には選択の余地はなかった。
     親父が石を持っているということを知ってな。
     [脅迫的にライオネルのシャツを掴み]
     何かがラナに起こったなら、親父も同じ運命を辿る事になるぞ。

レックスは歩き去ります。

第4幕 場面2
ロイスとクラークは倉庫の外を歩いています。
日中。

ロイス:放置された倉庫、そのまんまね。

彼女はドアが鎖で閉じられているのを見ます。

ロイス:ああ、もう。
クラーク:多分この角を曲がったところに別の入り口があるかもしれない、
     そっちを探してくれないか?
     僕はこの鍵がないかどうか探してみる。
ロイス:[疑い]鍵?ドアマットの下には絶対無いと思うけど。
    探すだけ無駄よ。

ロイスが行ってしまうとクラークは鎖を壊してドアを開けます。

角を曲がった所でロイスはくず鉄の箱を見つけてその場所に置きます。
それから彼女は小屋の上の方に通気孔を見つけるとよじ登って通気孔をこじ開け中に入ります。

クラークはスモールビル高校の廊下と同じ場所にいます。
彼はウェンデルが石像となって固まっているのを見つけます。
次にトーチの窓越しに中でクロエが動かないでいるのを見つけました。

クラーク:クロエ。

彼はオフィスに入り彼女の肩にさわります、しかし彼女はまだ動きません。

クラーク:クロエ?

ロイスは天井に穴を開けて廊下に降ります。
ゆっくり廊下を歩いてくると、クラークとクロエがトーチの窓越しに見えました。
窓にブレンダンの影が映り後へ近づいてくるのを見ます。
躊躇なしに彼女は振り向いて彼を蹴ろうとします。
しかし彼は彼女の足をつかんで彼女を石像に変えます。
それから彼は壁まで行くと壁にかかっていた野球のバットを取ります。
ロイスの片足は上に上がったままの状態で、その足をブレンダンがバットで叩こうとしたその時、
クラークは振り向いて彼女を窓越しに見つけました。
ブレンダンがバットを振り降ろした瞬間、クラークは超スピードで移動しロイスを自分の体で庇います。
バットはクラークの背中で粉々になります。
ブレンダンは驚いて壊れたバットとクラークを見つめると、階段の上の方に逃げます。
クラークは超スピードで階段を駆け上がりブレンダンの前に立ちはだかります。
ブレンダンは走るのを止め立ち止まります。

クラーク:ブレンダン。

ブレンダンは他の方向に逃げようとしますが、クラークはすでにそこにいます。

クラーク:皆を解放するんだ。
ブレンダン:僕は君のような役回りをしたかったんだ。
      でも、君は…[怒って指さし]君はここに来る権利なんてないんだ!
クラーク:皆を解放するんだ。
     時は流れていくんだ。いくら欲しがってもそれは変わらない。

ブレンダンは階段を戻ります。
クラークはゆっくり彼の後を追います。

クラーク:僕らは、永遠に高校生活をする事はできないんだ。
ブレンダン:君は本当にそれでいいのか。
      クラーク…考えてみろよ。

ブレンダンは階段の上を指差すと、そこには石像となったラナがいました。

ブレンダン:彼女は永遠にあのままでいられるんだ、
      いつでも君と一緒だ。
      君はもう恐れる事なんかないんだ、彼女が行ってしまわなければ。
クラーク:僕は恐れてなんかいないよ、ブレンダン。
ブレンダン:それでいいのか。
      彼女は君の元を去ろうとしてるんだぞ、クラーク。
      もう戻って来ないかもしれない。
      本当に彼女が好きなら、彼女に何でもするだろう。
クラーク:彼女を離せ!

クラークはブレンダンの方へ歩きます。
ブレンダンはクラークの腕を掴み石像に変えようとします。
しかし、クラークには効きません。
更に、力は逆戻りしブレンダンの手が石像へと変わり始めます。

ブレンダン:どうしたんだ?そんな!止まらないぞ!
      永遠に好きな人を失う事になれ。

ブレンダンはラナを蹴飛ばします。

クラーク:止めろ!

クラークは超スピードで階段を駆け下りラナを捕えます。
ブレンダンは恐怖の表情のまま石像になり、階段の手すりの隣にいました。
ブレンダンは階段の手摺りから落ち粉々になりました。
その時ラナはあえいで元の状態に戻ります。

ラナ:クラーク。

廊下ではウェンデルが、オフィスではクロエが元に戻ります。
クロエは廊下に飛び出しロイスに抱きつきます。

クロエ:ロイス!
ロイス:ああ、やあ!
クロエ:よかった…

クラークとラナは手すりに目を移し、床の上でバラバラなったブレンダンを見ます。
彼の顔の大きな部分には、まだ開いたままの目が一つありましたがその目は閉じました。

フェイドアウト。

第5幕 場面1
屋根裏。
夜。
クラークは望遠鏡で星を見ています。
ジョナサンが彼の後から入ります。

ジョナサン:ほう、しばらくお前が望遠鏡を使うのを見てなかったな。
      それだけお前が大人になったんだと思っていたよ。
クラーク:父さん、僕…
ジョナサン:なあ。
      クラーク、人は誰でも永遠には親のそばにはいられないんだ。

クラークは振り向き反論しようとします。

クラーク:父さん…
ジョナサン:クラーク、私はな…私のためにお前の可能性を犠牲にするのは望まん。
クラーク:それは犠牲なんかじゃないよ、父さん。それは選択だ。

ジョナサンは微笑んで窓に歩いて行きます。

ジョナサン:それはあまりにも幅のない選択だな?
クラーク:父さん、一晩中話しても父さんには理解できないかもしれない。
ジョナサン:お前が思っているよりかなり理解していると思うが。
クラーク:そうか、だから父さんは僕の気持ちを変えようとここに来たんだね。
     父さんは僕自身で決断を下せるようにって言ってきたじゃないか。
     それなのにどうして僕を信頼してくれないの?
ジョナサン:[クラークに振り返り]
      それは私のようになって欲しくないからだ。
      私も卒業と同時にMet Uへの道のりが開けていたんだ。
      問題はそこだ、親父はこの農場で私を必要としていた。
      だから、私は残った。
クラーク:[驚き]父さん、それは初耳だよ。どうして言ってくれなかったんだい?
ジョナサン:お前にそんな風になって欲しくなかったからさ。
      私は親父が私を愛していたのと同じくらい愛していた…
      だが私の中にはまだ、私を必要とした親父に憤慨している心もいまだに残っているんだ。
      お前にはこんな気持ちを抱いて欲しくはないんだ。
      私は親父とは違うんだ…
      言いたかったのはそれだけだ。

ジョナサンは去り始めます。

クラーク:父さん。
     [ジョナサンは立ち止まります]
     父さんはそういう父親じゃないよ。
     僕は父さんの息子でよかったと思ってる。

ジョナサンはクラークに微笑んでぎゅっと彼を抱きしめます。

第5幕 場面2
スモールビル高校。
日中。
トーチで、クロエは超常現象の壁から最後の写真をはがしています。
彼女は完全に空になったオフィスを見回して記事を彼女のボックスに入れます。
最後にもう一度室内をぐるっと歩きます。
それから彼女はドアに行き明りを消すために手を伸ばすと、彼女は目に涙を浮かべ再びオフィスを見ます。
彼女は明かりを消してドアを閉めます。
そして深呼吸をすると歩き去ります。

学校を出ていくクロエ。
たくさんの学生達が帰ろうとしたり、大声で話しながら互いのアルバムにサインを交わしています。
クロエが階段の下に来ると、学生が学校の二階の窓から紙ふぶきを嵐のように降らせます。
クラークとラナが彼女に近づきます。

クロエ:やあ。

クラークはクロエの持つ箱を受け取ります。

クロエ:ありがとう。

三人は一緒に静かに学校から歩き去ります。

クロエ:もうこれでおしまいだね?
クラーク:そんな事はないさ、また会えるよ、だろ?
ラナ:そうよ、夏休みとか休日とかね。

ラナの言葉はあまり二人にとっては慰めにはなりませんでした。

クロエ:ださいなーもう。
ラナ:いいじゃない。
クラーク:突然、あれだけイヤだったテストや先生の事が不思議とイヤじゃなくなってるよ。
ラナ:ブレンダンとの事があった後だからよ。
   さよならを言うのは簡単な事なのに。
クラーク:皆、さよならをするためにここに来たんだ。
クロエ:「精神異常者」って言わないんだね。
    でも、私だって皆をまとめようとしたブレンダンを責めることができないわ。
    しばらく監禁された後、過去にしがみついて動けなくなって怖くなったわ、
    前に進めないんじゃないかって。

彼らはしばらくの間黙って歩き続けます。
すると何かがクロエの心に浮かびます。
彼女は歩くのを止めてクラークとラナの前に立ち彼らと向き合います。

クロエ:ちょっと待って、ラナ。
    あなたは「とかねって」言ったでしょ、夏休みと休日はって?
    あなたはどうなの?
ラナ:私はスモールビルにいるわ。
クラーク:まだ決まってないって言うのかと思ったよ。
クロエ:あの向こう側に何が他にあるのか見たくはないの?
ラナ:まあね、それが昨年パリに行った理由よ。
   でも故郷に引かれたのも事実だわ。
   ここでの可能性を全て探し当てたわけじゃなかったの。

クロエは長い間のラナを見ます。
そして分かろうとします。
それからラナは再び歩き始めます。
クラークは彼女の後を追います。
クロエは彼らを見ます。

クロエ:[自分自身に]結局変わらないのね。

クロエは追いつこうと彼らを追いかけます。
彼女はクラークと腕を組みます。
そして三人はスモールビル高校から歩き去ります。

フェイドアウト。

おしまい。