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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン5.01ARRIVAL[到着]

第1幕 プロローグ
北極。
日中。
クラークがクリスタルを雪原に投げると、雪原の中から 孤独の要塞が競り上がってきます。
要塞が完全に出来上がると クラークは要塞の中へと歩いて行きます。
要塞の中に入るとクラークは辺りを見まわします。
中央に光り輝くクリスタルが積み上げられた山に引きつけられます。
一つのクリスタルがその山から浮き上がり彼はそれを掴みます。


ジョー・エルの声が何処からともなくクラークに語りかけます。

ジョー・エル:カル・エル、お前は遠くまで来た。
         一つの旅は終わった。
        新しい旅が始まろうとしている。ようこそ、息子よ。

スモールビルのフィールド。
日中。
煙が晴れてくるとラナがクレーターの近くにいて、その背後にはヘリコプターの残骸があります。
クレーターの中の宇宙船が反応して非常に明るい光を発します。
ラナは人影が出てくるのを見て逃げ出します。
突然、彼女の正面に一人の男と一人の女が現れます。
この二人はクリプトン星人です。

ラナ:お願い、何もしないで。

サイレンを唸らせてやってくるパトカーとヘリコプターが彼らを囲みます。

警官:地面に伏せろ!

女のクリプトン星人はヒートビジョンでヘリコプターを撃ち落とします。


ラナは地面に吹き飛ばされます。
警察は激しくクリプトン星人に発砲を始めます。
ラナは背の高い草の中に隠れ、クリプトン星人の体に当たった弾丸が跳ね返るのを見ます。


女のクリプトン星人はヒートビジョンでパトカーを撃ち、吹き飛ばします。
男の方も同じことをします。
全てのパトカーとヘリコプターは破壊されます。
ラナは草の中にまだ隠れています。

女クリプトン星人:あの娘はどこ?
男クリプトン星人:娘は関係ない。
           カル・エルを探すんだ。

彼らが去るのをラナが見ていると、女の背中腰の辺り、ちょうどラナの刺青と同じ位置に、
形は違うが クリプトンのシンボルがあるのに気がつきます。


ケント農場。
日中。
ロイスは車でやってくると車から降りてシェルビーを見てます。

ロイス:シェルビー!

彼女はケント農場で炎を上げるクレーターを通り越してほぼ全壊の家を見ます。
彼女は散乱状態になり中に走ります。

ロイス:なんてことなの。
ジョナサン:マーサ!マーサ!マーサ!

ジョナサンは瓦礫の下を必死に妻を捜しています。

ロイス:ケントさん!あなたは大丈夫ですか?マーサさん!クラーク!
ジョナサン:クラークはここにはいない、あの子は大丈夫だ。マーサ!

二人はマーサを探します。

ジョナサン:マーサ!

ロイスがマーサを見つけます。

ロイス:ここよ!ここにいたわ!

瓦礫の中にマーサの手が見えます。
ロイスとジョナサンはマーサの上にのしかかっている家具をどかします。

ジョナサン:マーサ、直ぐにここから出してやるからな。
      大丈夫だ。しっかりしろ。
ロイス:かろうじて息はしてるわ。
ジョナサン:大丈夫だ。
      ここから出してやるからな。
      手伝ってくれないか?

ロイスはうなずきます。

カワチ洞窟内でレックスが瓦礫の下から這い出ます。
近くに放り出された小型のオレンジ色のモバイルを拾い上げます。

レックス:どこだ、クロエ?

彼は洞窟の中心(秘密の部屋)へと歩いて祭壇に刺さっていた八角形のキーを取り外します。


それを見ていると突然空気を切り裂く音が聞こえ振り向くとクリプトン星人がいました。
二人はラナのところにいたクリプトン星人でジャンプスーツを着ています。

レックス:ここは当局の管理下だ。
      ここから出て行ってくれないか?

女のクリプトン星人はX線ビジョンを使います。

女クリプトン星人:キーを持ってるわ。

彼女が手を差し出すとキーが手の中に飛び込みます。

レックス:お前らは何者だ?
男クリプトン星人:カル・エルか?
レックス:誰だって?

男は腕を伸ばしレックスの首を締め上げます。
レックスの首からは出血し始めます。
女クリプトン星人はゆっくりとレックスに近づき血が出ているのに気づきます。

女クリプトン星人:違うわ、カル・エルなら出血はしない。

男のクリプトン星人はレックスを数フィート投げつけます。
レックスは喘いで二人を見ていると、二人は超スピードで姿を消します。

北極。
日中。
雪原に倒れていたクロエは起き上がってあたりを見まわします。

クロエ:クラーク?クラーク!

彼女は驚いて孤独の要塞をじっと見上げます。

孤独の要塞内で。

クラーク:クリプトンは破壊されたはずじゃ!
ジョー・エル:その通りだ。
       だが、ここ孤独の要塞は我々の惑星の知識とお前の訓練のために再生された。
クラーク:あんたから学ぶ事が沢山あるのは分かっている。
     でも家に帰らないと。
     僕がいるべき場所に。
ジョー・エル:流星群は序章にすぎない。
       クリプトンの闇の力の封印が解けた。
       カル・エル、そしてそれらは地球にやってくる。
クラーク:僕に何をしろって言うんだ?

青い光がクラークを取り囲みます。

ジョー・エル:お前は私の教えを受けなければならない。
       なぜならば、それがこの惑星を救う唯一の方法だからだ。

イメージとシンボルがクラークを取り囲みます。

クロエが孤独の要塞へ歩いて入ります。
彼女は寒さに震えています。
彼女はクラークが青い光に取り囲こまれているのを見ます。
要塞内を吹雪のような風雪が吹きつけ彼女はひざを落とします。
彼女は死ぬほど凍りつき始めています。

クロエ:クラーク!

彼女は精いっぱいの声でつぶやきます。
ビジョンはクラークの目の前にまだ展開されていますが、
スーパーヒヤリングでクロエの声を聞くことができました。

クロエ:クラーク、聞こえる?クラーク!

クロエはひどく凍え、声は弱いです。
クラークの目の前のビジョンは消え去りクロエを見つけます。

クラーク:クロエ!

彼は走り彼女を抱きかかえます。



ジョー・エル:カル・エル、まだ終わっていない。やめることはできない。
クラーク:彼女は僕の友達だ!
     彼女を助ける!
ジョー・エル:お前の使命は一人の人間の命を救うよりはるかに大きな使命を持っているのだ。
クラーク:いやだ、彼女を死なせない!
ジョー・エル:お前が感情を揺るがす度に惑星が危険にさらされるのだ。
       それがお前の弱さだ、カル・エル!
クラーク:お願いだ!死なせないでくれ!

クロエは震えています。

ジョー・エル:いいだろう…条件がある、太陽が沈む前に戻ってくるのだ。
クラーク:戻ってくる。約束する。
ジョー・エル:期待を裏切るんじゃないぞ、カル・エル、事は重大だ。
クラーク:必ず戻る。
クロエ:ねえ。スーパー・クラーク・モードに変わる時よ。
クラーク:スーパー・クラーク?
クロエ:あなたが弾よりも速く走れるのは知ってるわ、クラーク。
    私を連れていって。

クラークは彼女を抱き起こします。

クロエ:行って、クラーク。

彼らは超スピードで去ります。

レックスは高速道路をスピードを出して走っています。
日中。
ラナは道路を足を引きずって歩いているのをレックスが見つけます。
そして彼女の直前で止まり車から降ります。

レックス:ラナ!

ラナは歩き続けます。

レックス:何があったんだ?
ラナ:(まだ歩きながら)あいつらがまだ向こうにいるわ。
   見つかったら殺される。
レックス:分かった。もう大丈夫だ。
     ラナ、その足を医者に見せる必要がある。

ラナはショック状態でまだ歩いています。レックスはあとに続きます。

ラナ:あなたには分からないわ。
   大丈夫じゃないのよ。大丈夫じゃない!

レックスは後ろから彼女をつかみます。
彼女は彼の腕を振り解こうとしますができませんでした。

レックス:ラナ、君はショック状態だ!もう終わったんだ!
     流星群は終わった。もう終わったんだ。



ラナは少し落ち着きます…しかしまだ動揺しています。

ラナ:男と女がいるわ。あいつら、私の目の前に現れた…

レックスは彼女を振り向かせます。
彼女顔は涙と傷から出る血と泥で汚れていました。

レックス:どこに?そいつらはどこから出てきたんだ?
ラナ:宇宙船よ。

レックスは彼女の顔に触ります。

レックス:どこにある?
ラナ:畑に着陸したの。
レックス:ラナ、あんなことがあった後だ、心を落ち着けるんだ。俺を信頼しろ。

ラナは怒って彼を押しのけます。

ラナ:違う、レックス!あなたこそ、私を信じて!
   私は何を見たか分かってるわ。
   できるだけ遠くに逃げないと。

彼女は彼の車の方向に後ろに足を引きずり始めます。

レックス:ラナ!

ラナは弱りきって地面に倒れます。

雪の多い山の村。
クロエの病室、看護婦は彼女に何かを手渡します。

クロエ:ありがとう。

看護婦が出て行くと、クラークが壁によりかかっていました。

クロエ:夢でも見てるみたい。
    あなたがこの病院に連れてきてくれたのね。
    私、あなたの秘密を知っていたの。
クラーク:どれぐらい前から知っていたんだい?
クロエ:だいぶ前からよ、でも黙ってた。
    すぐにいなくなるし、奇跡的な回復に、苦しい言い訳。
    でも、確信したのはビーチボールみたいに車を捕まえたのを見たときよ。

クラークは窓へ歩いていって外を見ます。

クラーク:どうして何も言わなかったんだ?
クロエ:あなたがスーパーパワーを私に話す準備ができたら、いつか話してくれるだろうと思って。
クラーク:君は親友だよ、クロエ。
クロエ:もちろんよ。
クラーク:君に話してしまいたい時が度々あったよ。
クロエ:クラーク、あなたを非難しないわ。
    口は災いの元よ、それに私が隠しておけなかったかも。
    ラナはどうなの?知ってるの?

クラークは振り向きます。

クラーク:いや。
クロエ:じゃあ、これだけは知っておいて。
    私は決してあなたにとってのタイタニックにぶつかった氷山にはならないわ。
    あなたの秘密は絶対に話さない。なにがなんでもね。
クラーク:そうしてくれると助かるよ。
クロエ:まだ少し分からないことがあるの。
     どうやってカワチ洞窟から北極まできたのかしら?
クラーク:クロエ、僕にだって分からないことが多いんだ。
      流星群が…僕を運んできたんだ。
クロエ:それじゃ、あなたはここで生まれたんじゃないの?
クラーク:僕はスモールビルで生まれたわけじゃない。
      実は、この銀河で生まれたわけでもない。
クロエ:OK...OK...それじゃあなたはエイリ...
クラーク:ああ。
クロエ:でも…あなたは…
クラーク:人間に見える?

クロエは彼をじっと見つめます。

クラーク:僕は同じ人間だよ。
クロエ:クラーク…私はあなたがとても凄いと思う。
    あなたは皆の命を救うために何も求めない。
    私にとっては、あなたはヒーロー以上よ。
    スーパーヒーローだわ。
クラーク:クロエ…
クロエ:私はまじめよ、クラーク。
     あなたみたいな人がたくさんいれば、世の中は本当に良くなると思うわ。

二人は微笑をかわします。
それから彼らの注意はテレビに向きます。
ニュースは音声を絞った状態で流されていました。
流星群の事が放映されています。
クラークはボリュームを上げます。

アナウンサー:…珍しい天文現象が起きています。
         ここカンザス州スモールビルでは十六年で二回もの流星群の被害を受け増した。
         多くの被害者が出て、23人が死傷いたしました。

被害を受けたケント農場が映ります。

クラーク:逃げなかったのか?僕の両親は逃げなかったのか?!
クロエ:今あなたを必要としているのは、私よりもスモールビルよ。行って。行ってってば!
 


クラークは超スピードで去ります。

クロエ:わぉ。

レックスの書斎の中二階のソファーでラナが横たわっています。
何かを引っ掻くような音が聞こえてくるとラナは起き上がり、手すりの方に目を移します。
すると下ではライオネルが床を何かで引っ掻いていました。
彼女は階段の下に行きます。

ラナ:ルーサーさん。ルーサーさん!大丈夫ですか?

ライオネルは突然振り向いて彼女の手をつかみます。
彼は下を見ています。
書いていた物はクリプトンのシンボルでした。

ライオネル:ゾッドの手下だ。

彼が顔を上げると彼の目は灰色になっていて、ラナは驚いて離れます。



ライオネル:奴等を止めなければならない!
ラナ:宇宙船に乗っていた人たちのことですか?

ライオネルは立ち上がります。

ライオネル:この家には奴等に対抗するための毒がある。

彼はクリプトナイトでいっぱいのドアがなくなってしまった金庫に目を向けます。

ライオネル:この家には奴等に対抗するための毒がある。
ラナ:どこに?

スモールビル医療センター。
ジョナサンはマーサのベッドサイドにいます。
彼女は起きていて、彼は微笑みます。

ジョナサン:ああ、マーサ!随分心配したぞ、あんなことがあって。
       お前を失うかと思った。
マーサ:私はちゃんと戻ってきたわ。

ジョナサンはうなずきます。

マーサ:クラークは帰って来た?
ジョナサン:マーサ、クラークのことは心配しないで、今は自分の回復のためにがんばってくれ。
       クラークは自分の道を投げだしたりはしない。

ロイスが入ります。

ロイス:ケントさん!食器棚が背中に倒れてきたんですよ。
マーサ:[彼女の手をとり]ロイス。あなたに会えてうれしいわ。
ジョナサン:ロイスはかなり活躍してくれたんだ。
ロイス:お二人が私を居候させてくれたから。
    私ができることは何でもします。

突然、爆発があります。
そして窓が吹き飛ばされ、廊下は混乱状態です。
ジョナサンは状況を確認しようと病室の外に出るとクリプトン星人に出会います。

男クリプトン星人:カル・エルはどこだ?
ジョナサン:何者だ?
女クリプトン星人:どこにいるか知っているわね。
ジョナサン:残念だが、お嬢さん。
       誰のことについて話しているのか分からないな。

女クリプトン星人は腕を伸ばし、ジョナサンの首を絞め上げます。
ロイスが入ります。

ロイス:OK、みんな落ち着いて、10まで数えたら…

女は廊下の反対側にジョナサンを投げつけます。

ロイス:ねえ、麻薬でもやってラリッてんじゃないの。
     仲間のカル・エルを探しているんでしょう。
     うまく話すことを学んだ方がいいわよ。

女は彼女に手を伸ばし、首を絞め上げます。
ラナがどこからともなく現れます。

ラナ:カル・エルがどこにいるか知ってるわ。
   ルーサーの屋敷に隠れてる。
   私が案内する。

女クリプトン星人はロイスを落とし、二人はラナに手をかけ連れて行きます。

ロイス:(しわがれ声で)ラナ!

クラークはケント農場に帰ります。

クラーク:母さん!父さん?

レックスが入ります。

レックス:クラーク!神に感謝するんだな。
クラーク:母さんと父さんはどこだ?
レックス:病院だ。君の母親は足を折って倒れたんだ。
      だが、もう大丈夫そうだ。今は危険を脱した。
クラーク:ラナは?
レックス:ラナは無事だ。俺が心配してるのはクロエの事だ。
クラーク:どうして?
レックス:クラーク、流星群が降り注いだとき、俺と彼女は洞窟の中にいた。
     俺は気を失い、気がついた時には彼女はいなかった。
クラーク:君が気を失っている間に逃げたじゃないのか。
レックス:それとも、誰かが彼女を助けたのかも。
クラーク:なんだって?僕が助けたと思っているのか?レックス、どうやれば僕が…
レックス:クラーク、俺が気を失う前に、今までに見たこともない強烈な光を見た。
      その中心にお前が立っているのを見たんだ。
クラーク:洞窟には行っていない。
レックス:流星群が降ってきたとき、親と一緒になかったのならどこにいたんだ?
クラーク:二人が僕を先に行けと言ったんだ。
      僕は軍のバンに乗っていた。
レックス:その言葉が本当だという気がしないのはなぜだ?
クラーク:僕には分からないよ。
レックス:俺にはお前が嘘をついているという気がしてならない。
クラーク:そんな話は聞きたくない。

クラークは出て行こうと背を向け歩き出します。

レックス:それなら、今回だけは本当の事を話してくれ。

クラークは立ち止まり、レックスは彼の正面に周り肩に手をかけます。

レックス:本当の親友なら、俺に本当のことを話してくれ。
      流星群が降ってきたとき、お前は洞窟にいたのか?
クラーク:いや。

レックスは何も言わずに歩き去ります。

病院の中でロイスが携帯電話で話しています。

ロイス:あの、警察が手一杯なのは分かってるつもりですけど、男と女が…人を殺しているんです。
クラーク:ロイス!

彼女は電話を切って振り向きます。

ロイス:クラーク!無事だったのね!

彼らは抱き合います。

クラーク:ああ、君は?
ロイス:私は大丈夫よ。
クラーク:僕の両親を見たかい。
ロイス:二人とも大丈夫よ。
クラーク:どこにいるんだ?
ロイス:実は、そのー、一つの問題があって。
    ちょっと問題が大きすぎて。
    スーパーパワーを持った奴らが来てここをメチャクチャにしたのよ。
クラーク:何を聞いてきたんだ?
ロイス:カル・エルていう名前の人を探していたわ。
    聞いた事ある?
クラーク:どこに行った?

ラナと二人のクリプトン星人はレックスの書斎に入ります。

ラナ:カル・エルはそこよ。

クリプトン星人達は金庫室に入りクリプトナイトによって力を失います。

女クリプトン星人:罠だわ!ドアから出て!閉めるのよ!

男は走って部屋の中に飛んでいってしまっている金庫のドアを掴みます。
そして金庫のドアをはめ込みます。

男クリプトン星人:ウソをつくのは奴らのやり口だ。
女クリプトン星人:長くはかからないわ。

女は怒って部屋の向こうのガラスケースにラナを放り投げます。
ラナは気を失います。

クラークが到着します。

クラーク:僕を探してるのか。僕がカル・エルだ。
男クリプトン星人:ついに来たか!
クラーク:お前たちは何者だ?
女クリプトン星人:クリプトンの最後の生き残りよ。
クラーク:何が望みなんだ?
男クリプトン星人:我々に協力するのだ、カル・エル。
             この未開の星を我々のユートピアとするのを手伝うためのな。
クラーク:病院で何をしたか知ってるぞ。
     あれはユートピアなんかじゃない、殺人だ!
男クリプトン星人:多少の犠牲は仕方がない事だ。
クラーク:それなら僕を殺せばいい、他の人たちを殺さないでくれ。
女クリプトン星人:それがあなたの望みなら、かなえてあげるわ、カル・エル。



女は腕のブレスレットを外しクラークに投げつけます。
それはクラークの後ろで空中に渦をまくように拡大します。
クリプトン星人達はクラークにヒートビジョンを放ちます。
するとクラークは渦の方へ押され、渦は彼を吸い込もうとします。
クラークは吸い込まれないようにと床を殴り穴を開けて吸い込まれるのを防ぎます。



男クリプトン星人:我々はお前を殺す事はできない、カル・エル。
             だが我々に手出しできない場所に閉じ込めることはできる。

クラークは力を失いすべり始めます。

男クリプトン星人:もう直ぐにな。

クラークは床を掴む力を振り絞り前へと前進します。
そして女クリプトン星人を掴むと渦の方へと投げ込みます。
後を見ていた男クリプトン星人が振り向くとクラークが手で後へ突き飛ばします。
二人のクリプトン星人が渦の中に入ると渦は鏡のような物体に変わり閉じ込められます。


鏡は窓を壊して外へと飛び出していきました。

クラークはラナを見つけると彼は彼女のところへといきます。

ラナ:ああ、クラーク!
クラーク:大丈夫かい?
ラナ:奴らはどこ?
クラーク:逃げて行ったよ。あいつらが何者なのか知ってるのかい?

ラナは頭を振ります。

クラーク:病院にいかないと。

彼は彼女の髪についたガラスの破片を手で払おうとすると指を切り血を流します。
八角形のキーが近くの床に落ちていて彼は手を伸ばしますが飛び込んできません。
そして彼はキーを拾い上げます。

ケント農場。
日中。
トラックが家に着くとジョナサンとマーサは車から降ります。
クラークは瓦礫の中から壊れた家具類をトラクターの荷台へと積んでいました。

マーサ:[破壊された家を見て]なんて事なの、家が!
ジョナサン:瓦礫と化してしまったよ、マーサ。
        だが私達家族はまだ生きている。
       ダメージは大きいかもしれないが、心の支えにはなるだろう。
マーサ:そうね。家はまた立て直す事ができるわ。
ジョナサン:クラークがいれば立て直すのも簡単だ。
マーサ:[クラークへ]ねえ。
クラーク:やあ。
ジョナサン:心配しなくていい、クラーク。
       すぐに元通りになるさ。
クラーク:実は、父さん、僕は普通の人間になってしまったんだ。
      力がなくなってしまった。
マーサ:どうして?
クラーク:ジョー・エルがやったんだ。
     でも、それほど悪い気はしないよ。
     僕が今まで望んできた普通になったんだから。
     今ついに手に入れたんだ。
ジョナサン:私にはこの調整を楽観視できるとは思えないぞ、クラーク。
クラーク:でも、二人のような両親がいて運がよかったよ。
       新しい能力が芽生える度に、いつも僕の調整を助けてくれてくれたんだから。
      今までと変わらないさ。
マーサ:それは違うわ。
     あなたは怪我をする事になるのよ。
クラーク:それが人間的なんじゃないかな?
ジョナサン:いや、私は、ジョー・エルがそんなに簡単にお前を見限るとは思えない。
クラーク:ジョー・エルが警告した事を無視したんだ。
      力を失うことがその結果なら、僕は役立たずってわけさ。
      ねえ、それはもう昔の事だよ。
      前向きに考えないとね。
      この家の再建から始めるさ。



クロエの病室。
日中。
クロエが眠っていると、誰かが彼女を起こします。

クロエ:クラーク?

彼女が少し体を起こすとレックスだという事を知ります。

レックス:どうしてクラークなんだ、ここにいたのか?
     ここはユーコン州(カナダ)の真ん中だぞ。
クロエ:分からないわよ。
     夢でも見ていたんじゃないかな。
     一体どうしたの、レックス?
レックス:君を連れ戻しに来た。

クラークは手にアイリスの花束を持ってスモールビル医療センターに入ります。
ロイスが彼を見つけます。

ロイス:(ガラガラ声で)クラーク!本当に来てくれたんだ。
 


彼女は彼から花束をもぎ取ります。

クラーク:実は、そうじゃないんだ。
ロイス:優しい言葉ね。
クラーク:そのカエルみたいな声はどうしたんだ?
ロイス:バービー人形みたいに首を絞められたらこうなるのよ。
    先生はあんまり声を出すなって言ったけど。
クラーク:へえー。それは残念だな。
ロイス:あんまり期待しない方がいいわよ。
    ずっとじゃないんだから。
    ああ、あと二時間でジュネーブ行きの飛行機に乗らないと。
    もし遅れると将軍からどやされるわ。
クラーク:あー、ありがとうと言いに来たんだ。
     僕の両親を助けてくれて。物凄く感謝してるよ。
ロイス:そうよね。
    でもこのキレイなアイリスは私のためじゃないんでしょ。

彼女は彼に花束を返します。

ロイス:彼女は廊下の向こう側よ。258号室。

ラナはベッドに伏して新聞を読んでいました。
ジェヌビエーブとジェイソン・ティーグの写真があります。
そしてその上に「殺された名士とその息子」と書かれ、
手書きのメッセージが新聞の上にあります。
「君は私に一つ借りを作った」

クラークが入るとラナは新聞を片づけます。

クラーク:アイリスが気に入ってくれるといいんだけど。
ラナ:一番好きな花よ。ありがとう。
クラーク:ラナ、流星群の前に納屋に来ただろ。
     何か言ってたけど。二、三気になった事があったんだ。
ラナ:クラーク、文字通り空が落ちてきたわ。
   二度とあなたに会えるかどうか分からなかったの。
クラーク:そうだね。危険だった。
     時々人っていうのは分けの分からない事を口走るもんだよ。
ラナ:クラーク、色んな意味でよ。質問は?

クラークは前に屈み彼女にキスします。



クラーク:秘密はないよ。何もね。
ラナ:クラーク、聞いてもいい、あなたは他の惑星に人が住んでいると思う?
クラーク:僕は思うよ。
ラナ:クレーターで何かを見たの。
   あれは宇宙船だったわ、クラーク。
   とても信じられなかった。

クラークがクレーターに行くとそこには宇宙船はありませんでした。



宇宙船はルーサーコープ内にありました。
宇宙船からは黒い液体が滴り落ち、液体から男性の形が出来上がってきます。
 


フェイドアウト。

おしまい.