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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

08.04.30更新
DVDを借りられたので映像を見ながら入力しました。

シーズン5.06EXPOSED(露出)

デイリープラネット。
夜。
オフィスではクロエが机で仕事をしています。
他の人はいません。
電話が鳴ると彼女は出ます。

クロエ:デイリープラネット情報ライン…死亡記事、ええ、確かに、転送しました。
    えっ、犬の死亡記事、ああ、すみませんそれは扱ってないんです。
    いえ、どういたしまして。

クロエの後ろから突然声が聞こえてきます。
ロイスが後の机でTVゲームをしていました。

ロイス:死ね!死ね!

クロエはキャスター付きの椅子を転がしながらロイスの隣に進みます。

クロエ:ロイス、ごめんね、夜に繰り出そうとしてたのに、
    私がニュースを調べるのに呼び出されちゃって。

ロイス:ケント農場よりここはこんなに広いのに。
    (クロエは笑い)
    それに大物リポーターを見逃したくないわ。

クロエはロイスからTVゲームのコントローラーを取り上げます。

クロエ:そうね、私がこんな事をしてる今、
    どうしてあなたは午前一時に宇宙人を忘れてここにいるの?
ロイス:私は信頼されてるの。
クロエ:あっ、そう。
ロイス:次の週末ケント家から引っ越すのを手伝ってほしいのよ。
クロエ:ああ、タロンのアパートね。どうしてクラークから離れて住むの?
ロイス:それはね、幸せのためよ。
    あなただって今までリッチー・カニングハムに首ったけだったでしょう、私には分からないけど。
    だからさ、スモールビルに戻ってきてよ。
    それはそれは楽しいんだから。
    ピザでも買ってくるわ。
クロエ:ロイス、私なんか必要じゃないでしょ、私たちは家族だよ。
    一体何なのか話しなさいよ。

電話の音がするとクロエはロイスにコントローラーを返し電話に出ます。

クロエ:はい。デイリープラネット情報ライン。
女の子:(公衆電話から)リポーターに会ってもらいたいです。
クロエ:あなたは?
女の子:リポーターと話をしたいんです。
    彼が私を見つける前に誰かに急いできてもらって。
    エッジモンド七番街よ。
    お願い、急いで。

電話が切れるとクロエは不審そうな顔をします。

ホテル8の外。
夜。
クロエとロイスが車から降りてきます。

ロイス:喫茶店で待ち合わせできなかったの?
クロエ:彼女はブランチデイトの相手を探してるわけじゃないのよ、ロイス。
    彼女が誰にも話せないような事を話したがってると思うの。
ロイス:こんな事は上の階の人たちに任すんじゃないかと思ったわ。
クロエ:まあ、私は地下室のままでいたくないから、できる限りの事はやってみるつもりよ。

話しながら歩いていると、向こうの通りから女の子が助けを求め飛び出してきます。

女の子:お願い!助けて!

クロエ達は走りだし女の子に向かいます。

クロエ:あそこだわ!

女の子の後ろから一台のトラックが近づいてきます。

女の子:助けて!

クロエ:こっちよ!

女の子は車にひかれてしまいます。
二人は女の子に駆けつけます。
クロエは女の子の首の脈を見ます。
女の子の口と耳からは血が流れていました。

クロエ:(唖然として)
    死んじゃったわ。

二人は唖然とします。

ケント農場。
日中。
ジョナサンはトラクターの車輪の修理をしています。

ジョナサン:どうしてこんなに早くメトロポリスから戻ってきたんだ?

クラークはその後ろで干草の束を運んでいました。

クラーク:(手を止めジョナサンに近づき)
     ラナが週末にいないからだよ。
     彼女は授業でリンカーン天文台で彗星を追いかけるんだってさ。
ジョナサン:(手を止めクラークに近づき)クロエやロイスは?
クラーク:さて、クロエは授業とデイリープラネットを行ったりきたりさ。
     ロイスは、ロイスを追い払うなら何でもするよ。
     彼女は親友じゃないからね。
ジョナサン:それは…

ジョナサンが言いかけるとエンジン音が聞こえてきます。
見ると一台の旧型のスポーツカーが農場にやってきました。

ジョナサン:(工具を渡し)これを持っててくれ。

二人は車の来る方向に歩きます。
車は猛スピードでやってきます。

クラーク:(危険だと判断して)父さん。

ジョナサンはクラークを制します。
車は横滑りをしながら停車します。
ジョナサンは笑顔で車の中を覗き込みます。

ジョナサン:それがお前の出した答えか?
      (クラークを見て)もう少しでぶつかるところだぞ。

運転手(ジェニングズ)が車から降ります。

ジェニングズ:君も随分反射神経がさび付いたみたいだな。
クラーク:(嬉しそうに)ジェニングズ上院議員!
ジェニングズ:久しぶりだったな、だが「ジャックおじさん」でいいぞ?
クラーク:上院議員をファーストネームで呼ぶのはちょっと。

クラークはくすくす笑います。
ジェニングズとジョナサンは抱き合います。

ジェニングズ:上院議員だからといって
       州のフットボールチャンピオンシップに勝ったのは覚えてるぞ。
       おめでとう。
クラーク:ありがとうございます。

二人は抱き合います。

ジェニングズ:誰も君をスカウトしなかったとは思えなかったよ?
ジョナサン:ああ、外野席の下で保安官の娘とフットボールの試合を見るよりはましでしょ。
ジェニングズ:まあな。

三人は歩き出します。

ジョナサン:キャンペーンの最中なのにどうしてここに立ち寄ったんですか?
ジェニングズ:私が来た理由か、レースからひと休みしたかったんだ。
       それに、農業をしている君を元気付けようとおもったな。
       君は組合を引っ張っていかねばならないからな。

ジェニングズは車のトランクを開け中から選挙用のプラカードを取り出します。

ジョナサン:どうしてです?
      あなたはこの地盤ではいつでも当選してるじゃないですか。
ジェニングズ:まあ、レースはもっと厳しくなろうとしているんだ。
       噂だがレックス・ルーサーが出馬するそうだ。

メトロポリス、デイリープラネット。

ソーヤー刑事(女性)はロイスとクロエに事情聴取をしています。

ソーヤー:つまり、身分証明もなければ運転免許もなく、車もこの女の子の名前さえ分からないのね。
     事件記者としてのサリヴァンさんとしては大きな出発点になったわね。
     もし思い出した事があれば教えて。

彼女は帰ろうとします。

ロイス:これは暗号じゃない?
    「私たちはファイルを隠すつもり」だとか。

ソーヤーは振り返ります。

ソーヤー:ここはメトロポリスよ、悪い事件はいつでも起きてるの。
     こんな可愛い女の子が、大学生でもなく、仕事も分からない…町の一角で。
     ミステリー小説じゃないの。
ロイス:変だとは思わないんですか?
    町中を歩くのに500ドルもの靴を履いてると思います?

ロイスはソーヤーに挑みかかるように一歩前にでます。
クロエは慌てて二人の間に立ちます。

クロエ:あの、ソーヤー刑事、この娘は私にここで話をしにきて死んだんです。
    こんな事になったのは残念です、でも彼女は私に何か言おうとしたんです。
    誰がこんな事をしたのか暴かないと。
ソーヤー:あなたの気持ちには拍手を送るわ。
     でもこの先の道路は行き止まりなのを知ってる?
     私は私の仕事をするわ。
     あなたは自分の仕事をしなさい。

ロイスとクロエはオフィスの中へと引き上げます。

ロイス:うまくいけばスターリン巡査より運がいいかもね。
クロエ:ええ、メリッサが電話してきた電話番号を調べてみるわ。
    (彼女はノートPCで調べます)
    彼女を見た近くの公衆電話からよ。
    でも半径10ブロック内の住所は倉庫だけで…
    あとはウィンドゲートっていうクラブよ。
ロイス:私が思うに、彼女は追跡されないようにしたんじゃないかしら。

クロエは何か考えこみます。

ケント家。
リビングではジェニングズとジョナサン、クラークが話をしています。

ジェニングズ:それで、君のお父さんは四台のパトカーを巻いて、
       Chicksawの養鶏農家の半分に怒られたんだ。
ジョナサン:それは、君が近道を知っていると言ったからだろ。
クラーク:それは僕が聞いたことない話です。
     他にも何かありませんか?
     次に僕が文句言われた時に、言い返すいい材料になりますよ。
ジョナサン:いや、他には…

玄関がノックされるとジョナサンは立ち上がります。

ジョナサン:待っててくれよ。
      他に何かを言うんじゃないぞ。

玄関を開けると立っていたのはソーヤーでした。

ソーヤー:(バッチを見せ)マギー・ソーヤーです、メトロポリス警察の。
ジョナサン:どうも。
ソーヤー:入ってもよろしいですか?
ジョナサン:あー、ああ、もちろん、さあ中へ。
ソーヤー:ありがとうございます。
     (ジェニングズを見て)上院議員。
     キャンペーン本部であなたがここにいると聞きましたよ。
ジェニングズ:私に何の用かね?
ソーヤー:若い女性が、昨晩、倉庫街で死にました。ひき逃げです。
     彼女のアパートを調べたところこれを見つけました。
     (女の子と上院議員が一緒に写った写真を見せ)
     今はあなたを尋問する十分な証拠がありませんので、お話を聞くだけでも助かるんですが。
ジェニングズ:いや、彼女には一度も会ったことがない。

ジョナサンはジェニングズから写真を受取り見ます。

ソーヤー:彼女があなたのひざの上で抱きしめられるのは合成ではありませんよ。
     上院議員ともあろう人が、この写真は間違いありません。
ジョナサン:ちょっと、ちょっと、待ってください。
      確かに間違いないんですか。これは偽物でしょう。
ジェニングズ:問題はないだろう。
       記事になる前に握りつぶすさ。
       これでは私の政治生命が危ないからな。
ジョナサン:もう泥仕合が始まったようだな。
クラーク:父さん、本当にレックスがやったと思ってのかい?
ジョナサン:なあ、クラーク、お前は誰よりレックスの事を知っているはずだ。
      勝ち目のない事には参加するような奴じゃないだろう。

レックスの屋敷。
夜。
クラークが廊下を歩いているとレックスが歩いてきます。

クラーク:それは本当か、レックス?
レックス:お前が数週間前にマイアミに行ったあとでな。
     挨拶する暇がなかったからな。
クラーク:いつから上院議員に立候補する気になったんだ?
レックス:数ヵ月前からだな。
     もしお前との友情にヒビが入っていなかったらお前に言ったかもしれないがな。
クラーク:(写真を見せ)君が誰かを蹴落とすなんて信じられないよ
     競争に勝ち残るために。
レックス:(写真を受け取り)皆は「出たとこ勝負」だと言うが「競争」だ。
     だがもし俺がこれと関係があると思っているんなら。
クラーク:レックス、君が立候補を発表する前に、
     競争相手の候補者は若い女の子が殺された事件に関連があったんだ。
     これは偶然の一致だとは思えない?
     君はあの写真のことは認めないだろ。
レックス:俺が認めるのは電話ボックスだけだ。
     それはメトロポリスのウィンドゲートという紳士クラブだ。
     選挙活動中のしかも現職が行くような場所じゃない。
クラーク:僕はこの人を知っているんだ。
     もし君が彼を落とし込むような真似をしていないんなら他の誰かだ。
     多分、このクラブの誰かが。
レックス:クラーク、あのクラブがアンダーグラウンドである理由があるんだ。
     いいか、クラブには行くことはできないんだ。
     これに関係したいのか?
クラーク:ジャックは僕の叔父なんだ。
     君は忘れてしまったかもしれないけど
     友人のためには何とかしなきゃいけないんだ。
レックス:なあ、お前がそのドアの前に行きたいんなら
     (アタッシュケースからカードを取り出し)
     運転免許以外のものが必要なんだ。
     (カードを渡し)
     俺の言うことを聞いてくれ。
     トラブルには巻き込まれるな。

クラークは出て行きます。

メトロポリス。
ウィンドゲート紳士クラブ
夜。
クロエとロイスはドレスアップして通りを歩いています。

クロエ:マップクエストにだって限界はあるわよ。
    この場所にマンホールを通ってくるなんてさ?
ロイス:大きなネオンのドアよ。
    あのアルマーニのスーツが証拠よ。

ドアの前には黒服の警備員が立っています。
二人が近づいて声をかけます。

ロイスとクロエ:あの。
警備員:申し訳ないね、お嬢さん方。
ロイス:あの、私たちの友達が中で待ってるんです。
クロエ:(かわいい感じに)
    ええ、彼女はこの町の一番熱い場所に連れてってくれるって約束してくれたんです、
    お願いできません?
警備員:ここは私立のクラブだ。
    だから君たちが来るような場所じゃないと思うけどね。

クラブの中から聞こえてくるテクノ音楽。
二人はがっかりした顔でドアの前から離れます。
店の横で話している店の女性たちを見た二人は顔を見合せます。

更衣室。
二人は表で話していた女性達と一緒に更衣室に入ります。
部屋の中は衣装を着替えている女性達でいっぱいです。

クロエ:これは私のハロウィンのコスチュームの方がおとなしく見えるわね。
ロイス:あなたはメリッサって女の子がここのダンサーだって思ってるの?
クロエ:分からないわよ。
    まだなんともいえないわ。
    (近くの二人に声をかけます)
    すみません。
    あの、皆さんはメリッサ・ペイジっていう名前の女の子の事について何か知ってますか?

店の子たちはシカトするように離れて行きます。
クロエは更衣室の奥に個室があるのを見つけます。
そして二人は個室に入ります。
そこは事務室のようでした。

クロエ:(書類棚を開けながら)皆話さなかったけど記録にはあるはずよ。
    もし彼女がここで働いてたら閉じ込んであるはず。

ドアの外で男の声が聞こえてきて、二人は驚き棚を元に戻し振り返ります。
男があと二人の男をひきつれて中に入ってきます。

男:ジョエル、デイビッド、さあ来て。
  (二人を見て)君たちは迷子か?
ロイス:えーと、ちょっと迷っちゃって、あー…
クロエ:ああ、気にしないでください。
    彼女は踊るために来たんです。
男:君はロッコの代わりに来たのか?
クロエ:ええ、彼女が止めたのは残念ですけど。
男:じゃあ服を脱いで。
  君に何ができるか見てみようじゃないか。

ロイスはクロエを見ます。
クロエがニヤリとするとロイスは愛想笑いを浮かべます。

ケント農場。
ジョナサンが手を洗っているとノックの音の後にレックスが入ってきます。

レックス:ノックをしたんですが、聞こえなかったようなので。
ジョナサン:ああ、君か。
レックス:ジェニングズ上院議員に会いに来たんですが。
ジョナサン:レックス、もし君が何か仕掛けたいんなら、
      どこかよそでやって欲しいと願うんだが。
レックス:心配しないでください。
     あなたの票は期待していませんから。
ジョナサン:(あざ笑い)私は今まで一度も君の事を好きになれなかったよ、レックス。
      だが、私でさえ驚いたよ、君が負けるかも知れない事にな。
レックス:そしてあなたが聖職者以外の側面があったとは。
     「聖人ぶった者」は簡単に退くんです、ケントさん。
     それではあなたの回りいる人たちの真実を見抜けませんよ。
ジョナサン:私は25年以上、ジャックと付き合いがある。
      ジャック以上に信頼できる親友はいない。
      この州は彼のような者を必要としてるんだ。
      約束を守る事のできる者をね。
      自分のためではなく誰かのために正しい事ができる者。
      君のような者に立ち向かえる者がね。
レックス:ではもし彼をよく知っているなら、古き友人に聞いてみたらどうです。
     (書類をテーブルに投げ)
     クラークが来ました、上院議員のとんでもない写真を持ってね。
     それは彼の携帯電話の記録です。
     彼が時々死んだストリッパーの友達に電話をしていたようです。

レックスは出て行こうとします。

ジョナサン:これを公表するつもりか?
レックス:そんな事はしません。
     だが私がそれを見つけたという事は、遅かれ早かれ記者たちも気がつくでしょう。
     彼に警告しておいてください。

二人はしばらく見つめあった後、レックスはドアから出て行きます。
ジョナサンは通話記録を見ます。
メトロポリスにかけた同じ場所に黄色のマーカーで印がつけられていました。

ウィンドゲート紳士クラブ。
更衣室。
ロイスはつい立の後ろで着替えをしています。

クロエ:ロイス、本当に大丈夫?
    やった事なんてないんでしょ。
ロイス:あのね、もう一度言っておくけど、これが終わったら二度とこの話を蒸し返さないでよ。
クロエ:それは私のせいじゃないでしょ。これは真実を求める行為よ。
ロイス:ええ、そうでしょうとも。
    真実を知っていた女の子は、誰かの車に轢かれたからね。

一人のダンサーがクロエの脇に座ります。
クロエは彼女に声をかけます。

クロエ:あの、私の友達がここで働く事って本当にすごい事だと思うんですけど、
    少し危険な気がするんです。
    特にあの女の子が死んだ後では。
女性2:(不安そうに)私に何を説明しろって言うの?
    私に話しかけないで。
    他の人にもよ。

彼女は立ち上がって出て行きます。
ロイスが着替え終わって出てきます。

ロイス:それで?どう見える?
クロエ:(ニヤついて)言えることは……神のみぞ知るね。

ウィンドゲート紳士クラブ。
メインエリア。
ガヤガヤした店内。
ダンサーがポールダンスを踊っています。
クラークがスーツを着て店内にいました。
ダンサーがブラジャーを外すのを見て彼は顔を下に向けます。
ホストの男性がクラークに近づきます。

ホスト:こんばんは。ウィンドゲートは初めてですか?
クラーク:はい、レックス・ルーサーに紹介されました。
ホスト:ルーサー様は、今晩ご一緒に?
クラーク:いえ、あー、ジャック・ジェニングズに会いに来たんです。
ホスト:上院議員の?
    それでは彼のいつもの席にご案内いたします。

ホストはクラークを案内します。

ウィンドゲート紳士クラブ。
舞台裏。

ロイス:あー、考え直して…
クロエ:ダメよ、ダメダメ、悪い考えはよして、踊るのよ。
    あそこにいる男の人と話してくるから。
    だからあなたの犠牲が必要なの、デミ・ムーアを気取ってよ。ねっ?
ロイス:OK。メリッサの事を嗅ぎまわるより、こっちの方が気が楽だわ。

ウィンドゲート紳士クラブ。
メインエリア。

ホスト:こちらです。
クラーク:ありがとう。
ホスト:ようこそ。楽しい晩を過ごしてください。
女性3:ねえハンサムなお兄さん、何か飲み物は?
クラーク:コーラを貰えるかい。
     そのままで、氷だけでいいです。
女性3:OK。

可愛い女の子たちがステージに登場します。
会場は口笛を吹いて拍手します。

司会:皆様、女の子たちにおひねりをどうぞ。
    そして今夜初出演の彼女です、ステージにどうぞ。
    アメリカ中の女の子です…アンバー・ウェーブ。

ロイスがカーテンの後ろから出てきます。
彼女はサングラスをかけ服装は白の水兵帽に白のミニセーラー服でヘソを出し、
紺のミニスカートに赤いニーソックスを履いています。
そして踊りだすと躊躇いがちにセーラー服を脱ぎます。
ブラジャーはアメリカ国旗のカラーでした。
クラークはそれをじっと見ています。
スカートを脱ぎ帽子を投げ捨てサングラスを外します。
クラークはロイスだと気づきます。
そしてロイスはポールダンスを始めます。

男:いいぞ、いいぞ!!

クラークは目を丸くしてできるだけ見ないようにしています。
ロイスはクラークに気付きます。
音楽は次第に消えて行き、ロイスは舞台を降ります。

司会:いつもならここで褒めちぎるところですが、
    今回は精一杯がんばった新人のためにあきらめましょう。
     さて次は、成熟した彼女です、ディクシーどうぞ。

ロイスはクラークの席に歩き、彼の後ろから声をかけます。

ロイス:ここで何してるの?
クラーク:君こそ何をしてるんだ?

オーナーらしき男がロイスをじっと見ています。
彼女はそれに気づきクラークの席に座り彼をお客として扱うようにします。

ロイス:クロエのせいなのよ。殺人事件を追いかけてるの。
クラーク:じゃあ僕と一緒だ、でも僕には僕のやり方があるからね。

彼女は男の視線が気になりテーブルに横たわるように座ります。
クラークは眼を合わせないようにしますが彼女は彼の顔を掴み振り向かせます。

ロイス:あのね、もし私と話したいんなら私がクビにならないようにして。
クラーク:どうしたらいいんだ?
ロイス:ああ、あー…分からないわ。
    20ドルちょうだい、裏で会いましょ。
クラーク:あー…

クラークは20ドル札を出します。
しかしロイスのブラジャーに挟めづにオロオロします。
彼女は20ドルを取りブラジャーの中に押し込みニヤリとします。
彼女はテーブルから降り離れます。
少し離れたテーブルで誰かが話をしていました。
クラークはスパーヒヤリングを使います。

ライアン:いいな、あの新しい女の子は。彼女は誰だ?
ホスト:分かりません、彼女は新人なんで。
    500k、私がここの女の子たちに何も聞かないのはご存知でしょう。
ライアン:そして聞いても答えない、だろ?

クラークが席を立つと明りがつきます。
警官達が入ってきて店内はガヤガヤと騒がしくなります。

警官:全員、動くな!
ソーヤー:メトロポリス警察です。皆さん、落ち着いてください。
     我々はここで未成年者が働いているとの通報を受けました。
     一人一人確認します。

ロイスは更衣室に駆け込んでバックを掴もうとすると
ライアンが彼女の手を掴んで引っ張ります。

ライアン:さあ
ロイス:えっ?
ライアン:逮捕されたいのか?さあ来なさい。

彼は彼女を連れて更衣室を出て行きます。

店内でクラークはソーヤーに手錠を掛けられます。

ソーヤー:(クラークに)これはまずい時間にまずい場所であったわね。
     逮捕します。

ソーヤーに連行されるホストの男。

ホスト:これは何事ですか?
ソーヤー:昨日のひき逃げに関係する車があなたの店から
     出てくるのを目撃したと言うタレ込みがあったの。
ホスト:逮捕はできないぞ…
ソーヤー:ここの客はコネをつかうから別の方法をとったのよ。
     今、未成年者を捕まえにきたの。
     法には従わないとね。

ソーヤーは別の警官にホストを引き渡し店内の客に話します。

ソーヤー:OK、皆さん、よく聞いてください。
     今は朝の5時です。
     皆さんのご協力に感謝いたします。

ソーヤーが言い終わると警官達は客を連行します。

警官:さあ来るんだ、皆。

客達に交じってクラークも連行されます。
更衣室からクロエが出てきてクラークを見つけます。

クロエ:クラーク?
クラーク:クロエ、ロイスはどこだ?
クロエ:知らないわ。えっ?ここで何してるの?クラーク。

スーパーヒヤリングを使うクラーク。

警備員:あの何を知りたいんですか?私でお役に立てるんなら。
ソーヤー:あなたは警備員ね。
     ここでの出来事は全部知ってるわね。
警備員:私と取引してください。
ソーヤー:ジェニングズについて話して。
警備員:彼は酔っぱらっていたので私が彼を家に連れて行きました。
    彼は女の子とは無関係です。彼は無実です。

ウィンドゲート紳士クラブ。
更衣室。
クロエは衣裳の天使の羽をつけています。

クロエ:わあ、これって、うーん。
    見た目より大変そう。
女性4:ヒールよりいいわよ、私を信じて。
クロエ:皆はメリッサとかなり親しかったんでしょ?
    あっ、ごめんなさい、口が滑ったわ。
    でもここでは私たちも仲間でしょ。
    彼女に何があったのか知りたいの。
女性2:あれは悲劇でだったわ。
    彼女は最終的には魅惑のプリンスを射止めたわ、そして俗世間とはさよならした。
クロエ:上院議員のこと?
女性5:まさか。彼が間違ったのは彼女にほれた事よ。
女性2:上品そうな人がいたのよ。ユーロっぽい。
クロエ:でも、その時彼はメリッサに何を望だの?
女性5:彼は二、三か月ごとに一部のラッキーな女の子を指名して
    このゴミ捨場からその娘を連れだすの。
女性2:おそらくどこかの熱帯の島にね。

バンという音がしてクロエが振り返ると別の踊り子が話し出します。

女性6:皆がどうしてそんなおとぎ話みたいな話をしたか分かる?
    誰もが現実に直面したくないからよ。
    皆も知ってるでしょ、女の子が姿を消したら二度と私たちの前には現れないって。
    あなたの友達にも警告したほうがいいわよ。
クロエ:(立ちあがって)ロイス?
女性6:ええ、警官が入ってきたとき、彼と出て行くのを見たわ。
ソーヤー:サリヴァンさん。行きましょう。

更衣室を出るとクラークが待っていました。

ソーヤー:あなた達はレックス・ルーサーに感謝することね、彼が電話をくれたのよ。
クロエ:ソーヤー刑事、メリッサ・ペイジを殺した犯人と一緒に私の従姉がいるはずです。
クラーク:クラブのオーナーがいなくなる直前に取引した人と同じ人物でした。
ソーヤー:その人の名前を知ってるの?
     OK、あなたの言うことが正しいかどうか調べてみるわ。
     未成年だと仮定したあなたの従姉は服を脱いでリッチなパトロンと取引をして、
     警察のガサ入れから逃れたって事。
クラーク:そうじゃありません。
クロエ:ええ、彼女は私が調査するのを手伝っていたんです。
ソーヤー:調査?
     OK、ルーサーは今回もあなたのために何とかしてくれるかもね。
     でも、二度はないわよ。
     こんな事をしたいなら、どこかよその場所でやってちょうだい。

ケント農場
日中。

庭でジェニングズは携帯で話しています。

ジェニングズ:なあ、私のスタンスは変わらんよ、たとえ世間がなんと言おうともな。
       確かに一部のジャーナリストが噂しとる、OK、ジョーダン?
       じゃあな。

ジェニングズのスポーツカーがエンジン音をうならせてやってきます。
停まると乗っていたのははジョナサンでした。

ジェニングズ:君は少し我慢できなかったのか?
ジョナサン:まだキーをつけっ放しにする悪い癖があるのか。乗ってくれ。
ジェニングズ:君が運転するのか?
       君に命を預けるのはこれが初めてじゃなかったな。

ジェニングズは助手席の窓から乗り込みます。
ジョナサンが唖然と見ています。

ジェニングズ:なんだ?買ったときからずっとこの調子だ。

ジョナサンはエンジンをかけ走り出します。
ジョナサンの運転はかなり荒っぽいものでした。

ジェニングズ:4本のシリンダー試してくれ。
       それで、ドライブの本当の理由は何だ?
ジョナサン:いつ私に女の子の事について話すつもりなんだ、ジャック?
ジェニングズ:何だ、君は私に関係があると思っているのか?
ジョナサン:私には分からないがね。
      だが、私には正直に話をしてくれてもいいんじゃないか?
ジェニングズ:なあ、私は君に関わって欲しくないんだ。
       私は友人として尋ねてきたんだからな。
ジョナサン:ああ、その代わりに私の顔に…
ジェニングズ:おい、私に何を言わせたいんだ?
       私が一緒に人生を共にしようと思ったのは仕事だ。
       ほとんどの私ぐらいの歳の者はダンスに興じている。
       どうすれば理解してもらえるんだ。
ジョナサン:私には理解できないかもな、ジャック。
      だがな、私たちの人生は変わったんだ、予期しない事だったが。
ジェニングズ:君はこれまでにウソを付かねばならない事になった事はないのか?
       それとも今までそんな事はなかったと?

ジョナサンはタイヤが軋ませスピンターンをして車を停車させます。

ジョナサン:私にはこれまで師と仰げる人は誰もいなかった。
      君はクラークにとってヒーローなんだ。
ジェニングズ:ああ、だから私が些細な事でも間違いがないようにと思っているのか。
       誰がそんな風に生きていけると思ってるんだ?
       ヒーローなんかいない事は分かってるだろ。
       つまり誰もそんな者を敬わないからだ。
       彼らがうらやましいよ。
       そして彼らはしくじるのを待っているんだ。
ジョナサン:何の話だ、ジャック?
ジェニングズ:(ため息)君は私に何を望む?
       私は上院議員だ。
       レックス・ルーサーのような力が欲しいか?
ジョナサン:レックス・ルーサーが政界に出るのは賛成しない、
      だが少なくとも、彼が何者なのか分かっているつもりだ。

ジェニングズが頷くとジョナサンは車を発進させます。

メトロポリス。
どこかのアパート。

ロイスとライアンが入ってきます。

ロイス:いい場所ね。
ライアン:ありがとう。
ロイス:私を助け出しててくれ感謝するわ。
ライアン:どういたしまして。

ライアンがロイスのコートを脱がせるとロイスは咳払いをします。
そしてクローゼットに連れて行きます。
中には女性物の衣装がたくさん入っていました。

ライアン:君のサイズに合うといいんだが。
     (服を差し出し)覗きはしないよ。
     それとも着替えを手伝って欲しいかい?
ロイス:えっ、ああ、結構です。自分でできますから。

ロイスが着替えていると突然シャッター音とフラッシュがたかれます。

ロイス:わあ。一体何してるんです?
ライアン:(ポラロイドで取りながら)
     他の誰よりも君はきれいに見えるよ。
     皆がヤキモチを焼くんじゃないかな。
ロイス:あの、タクシーを呼んで帰ります。

ロイスが帰ろうとするとライアンが後ろから抱きつきます。

ライアン:タクシーなんてそんなものは過去の事だ。
     君はもう新しい人生を歩くんだからね。
ロイス:あなたが何者なのかも知らないのに。
    でも…

ロイスは裏拳でライアンを殴りつけると、ひるんだ隙に彼に回し蹴りをします。
彼は吹っ飛び後ろの衝立を壊し倒れます。
ロイスは更に近づいて蹴りを入れます。

ロイス:あなたって随分古臭い人ね。

突然電気的な音が聞こえるとロイスは倒れます。
彼女の後ろにはスタンガンを持った男が立っていました。

メトロポリス。
デイリープラネット。
日中。
クロエとクラークがオフィスに入ってきます。
クロエは着替えていましたがクラークはスーツのままです。

クロエ:それじゃウィンドゲートのオーナーがストリッパーを売ってるって言うの?
クラーク:カンザスでだ。スモールビルじゃ考えられない。
クロエ:マッサージだけで五百を超えるなんて。
    他に分かったことは?
クラーク:警備員がソーヤー刑事に話した事によると、客の一人が外交官の息子だと言っていた。
クロエ:それならその人は外交官ナンバーの車よ。
    駐車場で車のナンバープレートを撮ったから確認してみて。
    これよ。

クロエは携帯をパソコンに繋ぎ写真をモニタに表示させます。
モニタには幾つもの車のナンバープレートが表示されています。

クラーク:OK、(モニタを指さし)これはなんだ。

クロエはナンバーを検索します。

クロエ:これは国連よ。

クラークは超スピードでオフィスを出て行きます。

メトロポリス。
ヘリコプター離着陸場。
ヘリコプターがエンジンをかけて待機しています。)
ライアンともう一人の男がロイスを両脇から掴んで歩かせます。

メトロポリス。
ライアンのアパート。

クラークが入ってきてロイスを探します。

クラーク:ロイス!?

クラークはロイスがライアンを投げ飛ばして壊した衝立のところへ行きます。
床にポラロイドで撮ったロイスの写真が落ちています。
彼は写真を拾い上げます。

メトロポリス。
デイリープラネット。

電話が鳴るとクロエが出ます。

クロエ:クロエ・サリヴァンです。
クラーク:(携帯で)こいつがロイスを連れて行ったんだ。
     (眼の前にあるノートPC)
      この男のコンピューターのパスワードが分かるかい?
クロエ:あっ、ダメよ。おそらく厳重なセキュリティで守られてるはずだから。
クラーク:分かった、でも、まだ暖かい。
     さっきまでいたんだ。
     プリンターはまだ動いてる。
クロエ:もう一度プリンターを確認してみて。

クラークはプリンターのスイッチを入れます。
プリンターからロイスの顔写真入りパスポートが出てきます。

クラーク:クロエ、これはロイスの偽造パスポートだ。
     彼女を国外へ売り飛ばす気じゃないか?
クロエ:あー、たとえ彼がそうしたとしても、
    彼が空港を通って彼女を連れて行くはずない。
    (PCで確認し)
    クラーク、ヘリポートが屋上にあるわ。

メトロポリス。
ヘリコプター離着陸場。
上昇を始めているヘリコプター。
クラークは超スピードでやってくるとフック付きのロープ(ヘリの固定用)を掴み
ヘリにジャンプして足に引っかけます。
クラークは屋上に降りロープを引っ張るとヘリは上昇できずにいます。

パイロット:(慌てて)上昇できない!

クラークはロープを引っ張り続けついにヘリの足を掴みます。
その間、中に乗っている者達は激しく揺さぶられています。
その隙にロイスは脇にいる男を殴り気を失わせ、
クラークがドアを開けると彼女はライアンを胸倉を掴んでいました。

ロイス:あら、007。いいところに現れたわね。

彼女はライアンの顔を殴りつけます。

クラーク:その言い方うれしいよ。

ロイスがライアンを掴んでヘリから降りてきます。
ヘリの足に引っかかったロープをライアンとロイスが見ます。

クラーク:ケーブルに引っかかったみたいだ。

クラークとロイスはライアンを両脇から掴んで歩きだすと
向こうの方から警官達が歩いてきます。

ロイス:(ソーヤーに)こいつったら私を狭い箱に押し込んで貨物で送ろうとしたのよ。
ソーヤー:あなたが無事でよかったわ。
     でも彼を解放して、ライアンは自由よ。
クラーク:(不審な顔で)えっ?捕まえないんですか?
ライアン:(ニヤついてロイスに)外交官特権だ。
ソーヤー:(残念そうに)我が国の領事館の客として、ライアンは逮捕できないの、
     この国で犯した犯罪の容疑では裁判にかけることができないのよ。
     殺人を犯してもね。
     悪いけど。私には彼に触る事さえできないわ。
ロイス:じゃあ、私がやるわ。

そういうとロイスは膝でライアン股間を蹴り上げます。

ライアン:(うずくまって)ウッ。

クラークは目を丸くして彼女を見ます。
ヘリの方からもう一人の男が駆けつけライアンを助け起こします。
ライアンは男の手を振りほどきヘリへと向かいます。

ソーヤー:(クラーク達に)ほとんどの人は法律の元で生きているのよ。
     何だと思う?
     それはメトロポリスで生きていくためよ。
     あなたは正義感があるわね…家まで送っていくわ。

ライアンは意地悪そうな顔で投げキッスをしヘリに乗りこみます。
クラーク達はヘリが飛んで行くのを見ています。

レックスの屋敷。
日中。
書斎。
レックスは選挙用ポスターを目の前に三人の男と打ち合わせ中でした。

ドアが開きクラークが入ってきます。

レックス:後にしよう。

男達はポスターをしまいます。

クラーク:お礼を言いにきたんだ。
レックス:おい、俺はトラブルに巻き込まれるなと言っただろ。
     それは未成年者がストリップ劇場で捕まるのも含んでいたんだぞ。
     俺が政治運動に向けて準備しているのに、俺のメンバーシップを使って。
クラーク:君に迷惑をかけるつもりはなかったんだ。
レックス:おい、クラーク。からかってるのか?
     お前がそのドアをくぐる前は、俺がこの全ての首謀者だと言っただろ。
クラーク:彼が僕に嘘をついているとは思わなかったんだ。
レックス:だが、俺ならやると思ったわけだ。
クラーク:もうジャックを尊敬していたなんて思えないよ。
レックス:デイビッドについて知っていることを話してくれ。頼む。

レックスはソファーに腰掛けます。

クラーク:(向かいのソファに腰掛け)
     デイビッドは…ゴライアスを、彼の身内を守るために。
レックス:その後、美しい女性が入浴しているのを見て恋に落ちた。
     問題はその女性が親友の妻だったということだ。
     そんな男がヒーローなのか?
     奴は彼女をものしたいために親友を戦地に送ったんだぞ。
クラーク:(自信なさげに)そんな事はないはずだ。
レックス:ヒーローとは誰もが信頼する者なんだ、クラーク。
     そしていつでも完璧じゃなきゃいけないんだ。

ケント農場。
納屋。
日中。
中ではジェニングズがダーツをしていました。
クラークが入ってきます。

クラーク:正面に車があって驚きましたよ。
     殺人事件から開放されたから、帰ったと思いました。
ジェニングズ:かなり厳しい選択をせねばならんのでね。
       もう一度考え直すにはここはいい場所だよ。
クラーク:父さんとは話をしましたか?
ジェニングズ:彼にはほとんど話したはずだ。
       二十年後に、まだ罪悪感を持った男の話をな。
クラーク:いつも働いてますよ、父さんはそうだから。
ジェニングズ:君の父親は回りにいる人にかなり人気があった。
       彼は決して失いたくない一人だよ。
クラーク:父さんの子供から言わせてもらうと
     思い出すのは父さんは倒れた…
     でも父さんは決してあきらめるような人じゃなかった。
ジェニングズ:君のお父さんは私を許してくれるだろうか?
クラーク:僕は父さんに許してもらうために色んな事をしました。
     あの、あなたにとって父さんがとても大切な親友なのは分かります。
     でも他にあなたを尊敬する沢山の人がいる事を忘れないでください。
ジェニングズ:君はごまかす事のないスーパーマンになれるかもしれないな。
クラーク:どうするんです?
ジェニングズ:(長い間があり)記者会見を開くよ。
       選挙戦から降りるんだ。

そういうとジェニングズはクラークの肩を叩き外に出て行きます。

ケント家。
夜。
ジェニングズがスーツに着替えているとジョナサンが二階から降りてきます。

ジョナサン:メトロポリスに戻ってリポーターたちに向かうのは大変な事になるぞ。
ジェニングズ:君に再会して考え直した事に比べれば、レポーターなんて食後の散歩さ。
ジョナサン:私たちの25年間をたった二日で終わりにするのに比べたらな。
      私が思っていたほど私たちの関係はよくなかったのかもしれんな。

ジョナサンはため息をつきます。

ジョナサン:ジャック、もし君が選挙戦から降りたなら
      君の仲間が許しはしないんじゃないのか?
      それは私も望まない。
      本当にそれでいいのか?
ジェニングズ:私はもう老いぼれた、だから選挙戦を降りるんだ。
ジョナサン:いいのか?
      君が本気になって戦えば百パーセント勝てるだろ。
ジェニングズ:分かっているさ。
       だが君が言った事が正しい、信頼だ。
       私自信がルーサーになっていたかもしれん。
       だが、そんな事を具現化できる者が現れたならば、
       私は退かねばならない。
ジョナサン:ジャック、君がレックス・ルーサーの事をそんな風に話すなんて。
ジェニングズ:君の事を言っているんだよ、ジョン。
       カンザスには君のような上院議員が必要だ。
       考えておいてくれ。

そう言うとジェニングズはジョナサンの肩を叩き出て行きます。
ジョナサンは深刻な顔になります。

ケント家。
朝。
クラークが廊下を歩いているとロイスが二階から荷物を持って降りてきます。

ロイス:ねえ、スモールビル。
    自分の部屋が戻るわよ。
クラーク:どうして、戻ってくるんだ?
ロイス:(階段を降り切って)
    まあ、ラナがクロエと一緒に暮らしている今、私には場所があるわ。
    アパートの鍵は持ってないでしょ?
    二人でいい事してたわけじゃないわよね?
クラーク:(舌打ちをし)いや、僕らは、そのー…
ロイス:いいわ、夜中に急に来てもらいたくないからね。
クラーク:何か手伝えることはあるかい?急ぎでさ?
     服とか詰め込まないといけないんだろ。
     ヘチマスポンジとか持って行くんだろ?
ロイス:あなたにはこれをやって欲しいの。
    (荷物を渡して)
    さあこれを持て行って。
クラークはあきれた顔をします。

タロン。
日中。
二階の部屋ではクラークとロイスが荷物を運びこんでいます。

クラーク:あのさ、変な感じだよ。
     僕はここでラナと過ごしたんだ。
ロイス:クラーク、私が彼女の部屋を取ったわけじゃないわよ。借りたの。
クロエ:(部屋に入ってきて)
    OK、重いものを運ぶ前に、私の最初のデイリープラネットの記事に目を通して欲しいな。
    トーチじゃないけど。(新聞を渡し)

クラークは一面を見ます。

クロエ:73ページ。

彼が新聞をめくるとクロエは指を指します。

クロエ:下の方。

クラークとロイスは新聞記事を読みます。

ロイスとクラーク:おめでとう。

声がハモった事に二人は嫌そうな顔をします。

クロエ:ありがとう。
    まだ半人前だけどね。
    あなた達二人がいなかったら、まだ地下室でホットラインの受付をしてたわ。
クラーク:ここにはインターポールが出所不明のタレ込みで逮捕したと書かれてるけど。
クロエ:それはあれよ…
クラーク:ああ。

クロエは部屋を出て行きます。

ロイス:クラーク?ねえ、ちょっとの間、口をきかずに聞いてね。
    私がヘリコプターに監禁されてた時、バックアップをしてくれて嬉しかったわ。
    私の後を追いかける必要なんてなかったのに、追いかけてきてくれた。
    だから、ありがとうって言いたかったの。
    あなたは本当にいい友達だわ。
    ああ、それから、ラップダンスの事で
    もし誰かに話したら、猟銃を持って追いかけるからね。
クラーク:(部屋を出ながら、ニヤついて)
     分かったよ、了解しました。

ロイスは釈然としない顔でため息とも笑ともつかない息を漏らします。

フェイドアウト。
 

おしまい