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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン5.07Splinter(破片)
メトロポリス大学。
ノートパソコンのモニタにはスモールビルへと落ちてくる流星弾道分析が映し出され、
ラナは不安そうな顔でそれを見ています。
ドアがノックされ、クラークが箱を持って入ってきます。
クラーク:やあ。
ラナ:(ノートパソコンを閉じ)あら、メトロポリスに何の用?
クラーク:トラクターが壊れちゃって、部品を探しに来たんだ。
それに君からのメッセージをもらったから、食べ物を持ってきた。
ラナ:あなたにメッセージなんか送ってないわよ。
(笑って)それって焼きそば?
クラーク:ああ。
ラナはクラークの持ってきた袋を開けます。
クラーク:何を調べてたんだい?
ラナ:あー、天文学の宿題をね、あの…数字と方程式がまだ理解できなくて。
でもがんばるわ。(クラークにキスをして)焼きそば!
クラーク:あっ、そうだ…これがドアの外にあったんだ。
ラナ:えっ、気味が悪いわ、開けてみるわ。
ラナは箱についていたカードを開けます。
ラナ:(声を出して読み)「君は新しい教科を専攻したしたようだな…
これは興味を起こすかもしれない、レックス」
クラーク:レックスからの贈り物か?
クラークは突然箱を落とします。
箱の中には銀色の隕石が入っていました。
ラナ:大丈夫?
クラーク:(自分の指を見て)傷が。
ラナ:(箱を取り上げ)これは隕石ね、でもこれは一度も見たことがないわ。
クラーク:僕はもう行くよ。
父さんが部品が届くのを待ってるから。
クラークが出ていくとクロエがドアを開けて入って来ました。
クロエ:やあ!…でも帰るのね。
私の消臭剤はどこ?
ラナ:分からないわ。
クラークが持って行ったんじゃない。
クラークは高速道路をトラックで走っています。
彼は切れた指を不思議そうに見ています。
どういう訳か傷は治っていません。
車のホーンが鳴り響きます。
クラークの車の後ろにトラックがいました。
クラークは先に行かせようと合図を送りますがトラックは二回も激しくぶつかってきます。
クラークの車は横滑りをします。
トラックはクラークの車の脇にぶつけてきます。
クラーク:(叫び)一体僕が何をしたっていうんだ?
トラックは後退し再びクラークの車にぶつかります。
クラークの車はひっくり返り回転しながら道路の脇の草地に横転します。
クラークはショックを受けていましたが無傷で出てきました。
彼の携帯電話が鳴ります。
クラーク:もしもし?
声:お前が何者か知っている。
クラークはすぐに携帯を切ると歩き出しあたりを見回します。
デイリープラネットを読むジョナサン。
見出しには「レックス・ルーサー、上院議員に立候補」と書かれています。
ジョナサン:まずいな、カンザス州の半分を手にするのはまずいぞ。
今に私たちへの生活に口を出すようになる。
マーサ:ジョナサン、ジェニングス上院議員が引退した時、
あなたに立候補するように言ったのは知ってるわ。
でも健康を害する事はさせたくないのよ。
ジョナサン:マーサ、私は大丈夫だ、平気さ。
マーサ:選挙は1月よ。そんな短い期間でキャンペーンをするなんて…
心臓にストレスがかかるわ。
ジョナサン:レックスが上院議員になるのを見ている方が、
ストレスで死にそうになるよ。
マーサ:もしあなたが立候補したら、カンザス中のリポーターが私たちの事を調べだすわ。
もしクラークの秘密を知られてしまったら?
クラークが入ってきます。
クラーク:もう誰かに知られたみたいだ。
マーサ:クラーク、それはどういうこと?
クラーク:メトロポリスから帰る途中、道路で誰かに襲われた。
ジョナサン:それが誰なのか見たのか?
クラーク:いや。道路に戻った時にはもういなかった。
それから携帯に電話がかかってきたんだ。
気味の悪い声で「お前が何者か知ってる」って。
マーサとジョナサンは心配そうな顔で見合わせます。
ジョナサン:なあ、クラーク、お前はいつも通りの事をしていればいいんだ。
変な事はするな。お前の事を暴露しようとする者がいるとすればお前を見張ってるはずだ。
相手に悟られるような真似はしないことだ。
Met Uの講義室。
ファイン:ブルータスとシーザー、イエスとユダ。
彼らは信頼しあう者達だったが、一体何が起きたのか?
歴史が教えてくれる事は、どんなに信頼しあう者達でさえ裏切りにあったと言うことだ。
この史実が教えてくれることは単純だ。
人間には二つの心があるということだ。
終業ベル。
ファイン:今日の授業時間は短縮なのかな、それとも私がそう感じるだけかな?
生徒たちは荷物をまとめて教室を出て行きます。
最後に出て行こうとするクラークは苦しそうにバックパックを掴むとクリプトナイトが転がり落ちます。
突然プロジェクターが動き出しスクリーンには「お前を殺す方法を知っている」と表示されました。
Met Uの外の売店。
ファイン:クラーク。
クラークは振り向き。
ファイン:大丈夫かね?ストレスが溜まっていそうな顔だよ。
クラーク:今日の授業の後、変な事があったんです。
それに昨日車で走っていた時も。
ファイン:その車は黒だったか?
クラーク:ええ、どうして知ってるんですか?
ファイン:私にも同じような事があったんだ。
クラーク:何の理由か分かりますか?
ファイン:我々は危険な場所で釣をしているからね。
ついにサメが短気を起こしたんだろう。
クラーク:レックスが。
ファイン:(頷き)そう遠くない事だとは分かっていたが、
君を巻き込んで申し訳ない。
クラーク:レックスに話をしてきます。
クラークが行こうとすると。
ファイン:危険な真似はしない方がいい。
まずは彼だという証拠が必要だ。
クラーク:どうやって?
ファイン:トラックのナンバーをメモしておいた。
誰か調べる事ができる人を知っているか?
クラーク:友達のクロエができると思います。
ファインからメモを受け取り。
ファイン:そうか、私は大学の警備員に言ってそのトラックがここの物か調べてみよう。
クラーク:ありがとうございます。
ファイン:聞きなさい、クラーク、何があっても私たちは一緒だ、忘れないで欲しい。
デイリープラネット。
クラーク:調べるのにどれぐらいかかる?
クロエ:二分でファックスが返ってくるわ。
クラーク:ルーサー・コープにそのトラックがあると思うかい?
クロエ:分からないわ、クラーク。
レックスは悪事にかけては天才的よ。
こんな直接的な仕業はレックスのスタイルじゃないわ。
クラーク:見つけだす方法が一つだけある。
クロエ:ファックスを見に行きましょ。
クロエが行った隙にクロエのコンピュータを見ると新着メールが届いていました。
クラークがそれをクリックするとライオネルからのメールでした。
トップのメールの題名は「秘密はない」となっています。
クロエが戻ってきます。
クロエ:OK、クラーク、問題があるわ。
返信によると黒いトラックはないって。
そのナンバーは間違いない…
クラーク:どうしてライオネルからのメールが着てるんだ?
クロエ:メールを読んだの?
クラーク:質問に答えろ。
クロエ:デイリープラネットの仕事ではライオネル見たいな人にも話を聞く必要があるのよ。
クラーク:僕の事を話してないだろうな?
クロエ:(苛立って)何のこと?何も話してないわ。
クラーク:スモールビルには僕の秘密を知っている人間が三人いる。
父さんと母さんと…君だ。
クロエ:私がライオネルにあなたの秘密を話したと思ってるの?
クラーク、そんな事絶対にしないわ。
クラーク:(彼女をじっと見つめて)信じられないよ。
クロエ:クラーク、私は何も話してない。
クラークは出て行きます。
レックスの屋敷。
レックス:見合った報酬は支払ったはずだ、グリフ、言い訳はいい。
(ドアの開く音)
後でかけなおす。
ラナ:お邪魔だった?
レックス:いや、いいんだ。
ラナ:送ってくれた隕石のお礼を言いたくて。
掘り出し物だったわ。この隕石についてもっと知りたいの。
彼女は座り。
レックス:何の隕石の事だ?
ラナ:銀色の隕石よ。
レックス:それは興味深い物だな、だがそんな物は一度も見た事がない。
俺は送ってないぞ、ラナ。
ラナ:あなたのメモが付いていたわ、レックス。
レックス:誰かが君を試してるんじゃないか、俺は何も知らないぞ。
ラナ:この間の流星群の時の宇宙船を知らないのと同じみたいに?
レックス:それとは違う。
ラナ:どうして?どうして違うの、レックス?
レックス:あれは秘密にしておかないといけないものだからだ。
ラナ:(皮肉ぽく)ありがと。
どうしてなの?
レックス:俺が言いたいのは…俺がしているのは…君を守ることだ。
ラナ:私を守る必要なんてないわ、レックス。私は真実が知りたいの。
レックス:(長い間彼女を見つめ)君に見せたい物がある。
ルーサー・コープの倉庫。
ラナとレックスは宇宙船を見ています。
ラナ:本当だったのね。
レックス:ああ、本物だ。
君に中に入ってもらい俺たちが何をしているのか知って欲しい。
ケント農場。
ライオネル:よく働くアメリカ農業の見本だな。
選挙ポスターを見たよ。
残念な事に財政難のためTVスポットがないようだな。
ジョナサン:どうやって私が立候補するのを知ったのか知らないが、
もし私に立候補を取りやめるように言いに来たのなら…
ライオネル:いや、そうじゃない、むしろ援助を申し出たいんだ。
選挙に勝つには多くの金が必要だ。
君が戦う敵は想像を超えているぞ。
ジョナサン:それじゃ息子の対立候補を支持するなんて、どういう目的だ?
ライオネル:レックスは、普通じゃない。
倅は力に対して異常なまでの執念を持っている。
だが倅が政界にまで進出してしまったら大変な事になるだろう。
それを危惧しているんだ。世界が破滅する。
ジョナサン:リンゴはそれほど木から遠くには落ちない。
ライオネル:私を信じていないな、ジョナサン。
だが断る理由はないだろう、君を支援したいんだ。
クラークはこの会話を驚いた顔で聞いていました。
ジョナサンは納屋を出ようとします。
ライオネル:私はクラークの事を知っている。
クロエ・サリバン君が私に情報を教えてくれた。
彼の正体、持っている力、そしてクリプトナイトという弱点をな。
私の援助を受けてくれ、そうすれば君は上院議員になれる。
ジョナサンは金の入った封筒を受け取ります。
ジョナサン:もし私が断ったら?
ライオネル:クラークの秘密がばれるか、私たちの研究所でモルモットになってもらうかだ。
いずれにしても君次第だ。
ジョナサンは封筒を持ったまま握手をします。
クラークは驚きを隠せません。
ルーサー・コープの倉庫。
ラナは宇宙船に手を這わせます。
ラナ:スベスベね。液体みたいな感じ。
レックス:無抵抗表面だ。科学者はそう言っていた。
ラナ:ずっと調べていたのね。
私には流星群が見せた幻だと思わせ続けて。
レックス:君の頭がおかしいと思わせるつもりじゃなかったんだ、ラナ。
君を守るためにやったことだ。
ラナ:そればっかりね、レックス。
何から私を守ろうとしてるの?
レックス:この宇宙船は…人類史上で重要な発見の一つだ。
これを秘密にするため殺しも厭わない者達がいる。
もし本当の事を君に話してしまったために、君が殺されでもしたら俺は自分を許せなくなる。
ラナ:どうして私に言おうと?
レックス:君にはウソをつけない。
ラナ:それが理由?それとも科学者がお手上げ状態になったから?
私がこの宇宙船の開くところを見た人間だからでしょ?
レックス:これは最後のチャンスなんだ、君の両親が亡くなった時から続く疑問への。
降り注ぐ隕石、宇宙船、スモールビルで起こる奇妙な出来事…
全てが繋がるんだ。君の疑問の答えが見つかるチャンスだぞ。
レックスはラナなの肩に手を置きます。
レックス:それを決めるのは君次第だ。
ケント農場。
マーサ:あら、クラーク。父さんがあなたを探してたわよ。
クラーク:納屋で見たよ、ライオネルと一緒だった。
マーサ:ライオネルと?
ジョナサンが入ってきます。
ジョナサン:ああ、ここにいたのか、クラーク。
トラクターを動かすのを手伝ってくれないか?
クラーク:どこにあるのさ?
ジョナサン:納屋に…
クラークはジョナサンを掴んでじっと見つめます。
クラーク:どこにあるの?
ジョナサン:おい、おい!
マーサ:クラーク!
ジョナサン:何をするんだ、クラーク?
クラーク:ライオネルからこれを受け取ったんだろ。
(封筒を振り回し)
僕をライオネルに売り渡すつもりなんだ!
マーサ:えっ?
ジョナサン:クラーク、ライオネルは選挙戦の協力に申し出た。
確かに私に分かるようにとレックスの貸借対象表を持ってきた…
クラーク:お金の事は?
マーサ:お金って?
クラーク:このお金だよ!
クラークが封筒から取り出すとそれは書類でお金ではありませんでした。
クラーク:どうしてこんな事を、父さん?
彼はテーブルを激しくたたきます。
クラーク:どうしてこんな事を!
ジョナサン:おい!
マーサ:クラーク、やめて!
クラークは怒ってマーサを突き飛ばし床に倒します。
彼女はテーブルにぶつかります。
ジョナサン:マーサ!(クラークに振り向き)おい!
クラークはジョナサンに向き壁にジョナサンを押し付けます。
ジョナサンは息が詰まります。
クラーク:ウソはもうたくさんだ。
本当の事を話して。教えてくれ!
ジョナサン:(あえぎながら)本当って?
お前は私たちの本当の子供じゃない。
トウモロコシ畑で拾ったんだ。
突然クラークは弱まりジョナサンを放します。
振り返るとクロエがクリプトナイトを持っていました。
クロエ:クラーク、お願い。
私にこんな事させないで。
落ち着いてよ。
クラーク:君もグルだな。
クロエ:クラーク…
クラーク:知っているぞ。
彼は超スピードで家の外に出て行きます。
ジョナサンとマーサは起き上がります。
クロエ:マーサさん、大丈夫ですか?
マーサ:クロエ…クラークの事、いつから知っていたの?
クロエ:去年から。
ジョナサン:そうか…それでどのぐらいの事を聞いたんだ、クロエ?
クロエ:全部です。クリプトナイトの事は納屋に隠してあったから。
彼に会いにきたら騒ぎを聞いて、それで。
マーサ:何があったの?どうしてあの子はこんな事を?
クロエ:分かりません。
デイリープラネットに来たら幻覚を見たみたいで。
私がライオネルに秘密をバラしたって言い始めたんです。
説明をしようとしたら話も聞かないで、全くの別人になってしまったみたいで!
マーサ:赤いクリプトナイトのせいじゃ。
ジョナサン:マーサ、これは…そうじゃないみたいだな。
クロエ:赤いクリプトナイトって?
マーサ:クリプトナイトには種類があるの。
緑じゃなくて赤色の。
クラークの性格が変わってしまうわ。
自分自身をコントロールできなくなってしまうの。
クロエ:銀色のクリプトナイトは?
ジョナサン:銀色?
クロエ:クラークの中に何かが入っているのかも。
MetUのラナの寮。
彼女が入るとクラークは彼女を掴んで抱き絞めます。彼女は怖がります。
ラナ:クラーク、ここで何をしてるの?
クラーク:君を待っていたんだ。
クラークはワードローブを開いて彼女のバッグを取り出します。
クラーク:荷物をまとめるんだ…行くから。
ラナ:どこへ?
クラーク:北だ。僕の知っている場所。誰にも分からない場所さ。
ラナ:OK、落ち着いて、何があったの?
クラーク:奴らが僕を裏切ったんだ、ラナ。
ラナ:誰が?
クラーク:クロエに両親…信用できるのは君だけだ。
君だけなんだ。
ラナ:たとえそうだとしても何かの間違いじゃないの。
クラーク:いや、ラナ、そうじゃない。
彼女が来る。クロエが。
いいかい、聞いて…僕はまた戻ってくる。君を見つけ出す。
何があってもあいつらの言葉を信用しないでくれ。
ラナ:クラーク、ご両親を呼ぶわ。
彼女が見上げるとクラークはいなくなってしまいます。
クロエが突然現れます。
クロエ:ラナ、よかった。クラークがここに来た?
ラナ:どうして?
クロエ:彼に話をしなきゃいけないの。
彼、あなたの持っている銀色の隕石に触った?
ラナは返事をしません。
クロエ:ここにいたのね?
ラナ:あなたを信用するなって。
クロエ:OK、クラークはちょっとおかしくなってるの。
原因はその銀色の隕石かもしれないのよ。
ラナ:隕石で指を刺したわ。
クロエ:ラナ、クラークは感染したんだわ。
誰かを傷つける前に探し出さないと。
どこに行ったの?
ラナ:あっという間にいなくなったわ、クロエ、彼は一体…
クロエ:ええ、分かってる。
それよりケントさんに連絡しないと。
スモールビルに連れ戻さないといけないわ。
キャンパスを探してみるわ。
ラナ:一緒に行くわ。
クロエ:(手を上げ)ダメよ、ラナ、あなたはここにいて。
もし彼が現れたら彼を落ち着かせて私を呼んで。
今彼が心を開いているのはあなただけだから。
クロエは部屋の外に走り出ます。
ラナは宝石箱の中から銀色の隕石を取り出し不安そうに見ます。
Met Uの講義室。
ファイン:クラーク、私の事を忘れてしまったのかと思ったぞ。
大丈夫かね?
クラーク:いえ、クロエが関係していました。僕の両親も。
ファイン:何の事だね?
クラーク:黒いトラックの事ですよ。
大学の警備員から情報が聞けましたか?
ファイン:警備員?
クラーク:今日話した時、あなたは言ったじゃないですか?
ファイン:クラーク、私はこの一週間君には会っていないよ。
クラーク:(妄想に取り付かれ)そ、そんな、今朝話したはずだ…
授業の後、黒いトラックの事を警備員に確認するって。
ファイン:授業はあったが君はいなかったぞ。
クラーク:いえ、僕はいました。いや…そうだ、話したんだ…
ファイン:クラーク、これから教授会があるんだ。
私のオフィスで待っていてくれないか、終わったら続きを話そう。
クラーク、何があっても私たちは一緒だ。
クラークは頷きますがファインが行ってしまうと脇のドアを開け入ります。
その部屋はガラクタだらけでライトが一つ点いていました。
ドアは勝手に閉まり、クラークは驚きます。
ささやき声が聞こえてくる部屋の奥に行くとカーテンがありその後ろには宇宙船がありました。
クラークの目は見開き油汗を流し始めます。
クラーク:そこに誰かいるのか?
歩き回って見ているとベビーベッドが揺れていました。
彼の頭上の回廊を子供が走っています。
クラーク:ここは何なんだ!
レックスの声:…クラークを調べた結果とんでもない事が分かった。
クラークは地球人じゃない。
エイリアンだ。
遠くの銀河からの侵略者で、奴はその尖兵だ。
窓からの光が大きくなりクラークを照らし出します。
クラーク:違う!違うんだ。僕はそんなんじゃない!
レックスの声:だが奴の弱点は分かっている。
どうやって侵略者を止める方法をな。
クラークが振り向くとレックスが彼の後ろに立っていました。
レックス:俺はお前を殺す、クラーク。
突然緑色の隕石のガスが部屋を包み込みます。
クラークは息が詰まり始めます。
ドアを見つけるとつまづきながらも逃げ出そうとドアを壊します。
レックスの屋敷。
ラナ:あなたとこんな風に何かするなんて思いもしなかったわ。
レックス:これは「ラナに話す」パーティーだ。
ラナ:よく分からないけど、でも私にこれを送った時にこうなると思ってた?
彼女は銀色の隕石を取り出します。
レックス:さっきも言ったが、それを見るのは初めてなんだ。
ラナ:もう私にウソをつかなくてもいいのよ、レックス。
これがクラークに何をしたの?
レックス:今日は君にとても重要な秘密を打ち明けた。
これ以上何をウソをつくというんだ?
ラナ:あなたじゃないとすれば、誰が?
レックス:正直言って分からないな。
さっき言いかけたクラークの事だが、何があったんだ?
ラナ:クロエはこれに感染したんじゃないかって。
皆が敵に見えているような感じだって、
私を見ていた彼の目は正常じゃなかったわ。
レックス:聞いてくれ。
これをルーサー・コープに持って行って調べてみよう。
クラークに何があっても俺は彼を助ける。
ラナ:ありがとう。
レックス:君はパートナーだ。当然さ。
ラナ:ごめんなさい、私はあなたを信じてなかったわ、レックス。
私たちとは違うと思ってたけど、あなたは私をいつも守ってくれていたのね。
レックス:そしてこれからもだ。
レックスはラナの肩に手を伸ばします。
クラークが窓から中を覗いていました。
レックスがラナにキスをするのを見てクラークは落ち込みます。
ラナは笑顔でレックスを抱きしめ唇を突き出すのをクラークは見ていました。
レックスの屋敷。
レックス:(電話で)必要なだけ人員を揃えろ。
三十分ごとに連絡するんだ。
(ラナに)警備員がクロエとクラークの両親を監視している。
ラナ:誰も傷つかないわよね?
レックス:そんな事にならないようにするさ。
このサンプルを早くルーサー・コープに持っていこう。
早ければ早いほどクラークを助けることができる。
光が突然揺らめき、レックスはラナの持つ隕石を受け取ります。
レックス:ここにいるんだ。俺が見てくる。
レックスが廊下に出て行くと警備員が廊下に倒れていました。
警備員の首に触れ脈を診ますが死んでいました。
レックスは警備員の銃を取り廊下を歩きます。
すると壁に大きな穴が空いていて、引き返そうとした時穴の前にクラークが立っていました。
レックス:皆がお前を探しているぞ、クラーク。
クラーク:知ってるよ。
レックス:注意して聞いてくれ。
お前の身に何かが起きている。
クラーク:ああ、それは意外だったな。
レックス:クラーク、お前は病気なんだ、研究室に行こう。
クラーク:研究室だと。
僕を研究するためにか?
レックス、今分かったよ。
君は僕を調べているのかと思ったら、僕じゃなかった。
ラナだったんだ。
クラークがレックスに近づきはじめると、レックスは後ずさりします。
クラーク:いつもラナに対してだったんだ。
レックス:クラーク…
クラーク:そして今までやってきた全ての事はラナを自分の物にしたかったからだ。
そのために僕が邪魔だったわけだ。
レックス:お前の言っている事を思い返せ、クラーク。
いつものお前じゃない。
クラーク:君が何をしたか知らない。
どうやって彼女が君を愛するように仕組んだのかも分からない。
でも君を許してはおけない。
レックス:止めてくれ。(銃を出し)俺に撃たせるな。
クラークは銃をちらりと見るとレックスの腕をねじり上げ壁に押し付け銃を落とさせます。
レックスは悲鳴をあげます。
ラナはレックスの悲鳴を聞いて部屋から覗きます。
クラーク:僕にはできる。
クラークはレックスを床に投げ飛ばし、レックスは床を滑りテーブルにぶつかります。
ラナはドアから出てくるとクラークのいる廊下へと走り出ます。
クラーク:ラナ!
クラークはスーパーヒヤリングでラナなの息遣いと足音を聞きます。
彼女は地下室へと駆け込みます。
クラークは超スピードで階段を駆け下ります。
クラーク:ラナ!ラナ、ここにいるのは分かってる!
出てきてくれ!
話を、話を聞いて欲しい、ラナ!
クラークは彼女を探そうとX線ビジョンであたりを見回します。
家具の裏に隠れている彼女を見つけると家具をどかします。
クラーク:大丈夫だ、ラナ、僕だよ。
レックスに何かされたとしても、僕がやっつけたから。
ラナ:なんて事を。何をしたの?彼を傷つけたの?
クラーク:どうしてあいつの事なんか気にするんだ?
クラークはラナの肩に手をかけます。
ラナ:(おびえ)クラーク、あなたが思っているような事はレックスはしていないわ。
それは妄想よ…
クラーク:僕は見たんだ君が奴にキスしているところを。
ラナ:違うわ、そんな事していない!
クラーク:ウソは止めろ、ウソは!
クラークは彼女の首を絞め始めます。
クラーク:愛してるよ、ラナ…他の誰よりも、でも君は僕を裏切った。
ファイン:クラーク!
クラークがラナを解放すると彼女は床に倒れます。
ファイン:君のせいじゃない、私を信じて。
クラーク:誰も信じられません。
クラークは超スピードで移動しますがファインは追いつきます。
クラーク:あなたはレックスの実験に?
ファイン:いや、君の友人だ。
もしラナを傷つければお仕舞いだがね。
クラークはためらってファインを殴ります。
ファインは吹っ飛び家具にぶつかりますが無傷で起き上がります。
ファインはヒートビジョンを放つとクラークは家具にぶつかります。
クラーク:あなたは一体?
ファイン:私はクリプトン星人だ、君と同じ。
申し訳ないが、これは君を傷つける事ができる。
彼はトーチのような武器を引き抜いてクラークの肩に刺します。
クラークは悲鳴を上げます。
ファインがその武器を引き抜くと銀色の隕石の破片が刺さって出てきました。
ファイン:もう大丈夫だ、カル・エル。
レックス:(遠くから)ラナ!
ファインは超スピードでいなくなります。
クラーク:ラナ。
レックスと警備員は急いで地下室に降りてきます。
レックスはクラークが腕にラナを抱きしめているのを見ます。
レックス:クラーク。
クラークが振り向くとラナが気を失っているのを知ります。
レックス:何をした?
スモールビル医療センター。
クラークがラナの病室に入るとクロエが見舞いに来ていました。
クロエ:あら!
コーヒーが飲みたくなっちゃったわ。
ちょっと行って来るね。
クロエは出て行きます。
クラーク:ラナ、僕は…
ラナ:クラーク。大丈夫よ。クロエが話してくれたわ。
クラーク:彼女が?
ラナ:ええ、銀色の隕石があなたをおかしくしてしまったって。
皆が裏切ったように幻覚を見せたんだって。
一時的にものすごい力を得たのもそうなの?
クラーク:ラナ、僕は君を傷つける事なんてしたくなかったんだ。
ラナ:もちろん分かってるわ。(彼の手に触れ)
クラーク、たとえあなたが何をしても、あれは隕石がやらせた事よ。
本当のあなたじゃないわ。
私とレックスの間には何もないわよ。
クラーク:随分な事を妄想していたよ。
クロエの裏切り…父さんがライオネルと手を組んだり…
君とレックスが宇宙船の事を話してたり…
ラナは心配そうに笑います。
ラナ:ええ…あなたが何でもなくてよかったわ、クラーク。
クラークは笑顔になってもう片方の手をラナの手に重ねます。
彼が病室を出るとクロエがいました。
クラーク:ありがとう、僕をかばってくれて。
クロエ:もちろんよ、クラーク。
でもよかったわ、私がクラークの対象じゃなくて。
もしそうだったら殺されてるところだったわ。
クラーク:もし僕がラナを殺したら…
クロエ:でもやらなかったでしょ。
だから自分を責めるのは止めなよ。
銀色のクリプトナイトのせいだったの知ってた?
クラーク:もう二度とごめんだよ。
その隕石は?
クロエ:ううん。レックスに会いに行ったら、いつの間にかなくなっていたって。
それに隕石をラナに送った覚えはないってさ。
クラーク:彼だけは信用できないよ。僕がおかしくなくてもね。
クロエ:ええ、彼はルーサーだからね。
それに悪の権化だから。
この際だから全部話すわ。
あなたが見たっていうライオネルからのメールだけどね…
あなたの思っていた内容とは違うわ。
クラーク:ライオネルに話したのは?
クロエ:ええ、でもあなたの事じゃなくて、レックスの事よ。
ライオネルはレックスの選挙キャンペーンの情報を私に流していたの。
クラーク:どうして?
クロエ:それは自分の息子が誰よりも当選する確立が高いからでしょ。
そしてもし当選したら、一番その怖さを知っているのは彼よ。
クラーク:彼だけじゃないだろう。
クロエ:ねえ、クラーク、あなたが今まで誰にも秘密を打ち明けなかった事は分かってるわ。
でも、私がライオネルに言わなかった事を知っておいてもらいたいの。
絶対にしゃべらないわ、誰にもね。
もし裏切りそうになったら、その前に死ぬ覚悟よ。
クラークはクロエを抱きしめます。
レックスの屋敷。
レックスは顔にひどい傷を負っています。
ライオネル:ケント家か…
なかなかのパンチ力だな?
レックスは何も言いません。
ライオネル:その傷が治るまで記者会見を開かないほうが懸命だぞ。
レックス:そんなつもりはない。
あんたの仕事とは関係ないだろう。
ライオネル:父親としてのアドバイスだ。
私には関係がない。
だがマスコミに若い恋人に殴られたなんて事が分かったら、
お前の票が減るんじゃないのか?
レックス:俺には政治アドバイザーがついている。
この前調べたが、親父は名前を連ねてなかったな。
ライオネル:この前調べたが、ラナにはボーイフレンドがいた。
予備はなかった。
レックス:その答えはあんたが知ってるんじゃないか。
ライオネル:これは力やもてなしではダメなんだ。
お前の事だ、お前が人々に認知されるために変えねばならん事だ。
それがお前が立候補する理由だ。
たとえお前が大統領になろうとも、その差は生まれてくる。
お前に近い者たちは、お前の心の中に何が巣くっているのか気づくはずだからな。
それがラナ:がお前を愛さない理由だ。
レックスは考え込みます。
ライオネルは微笑して出て行きます。
ケント農場。
夜。
クラーク:何が本当の事で、何が妄想だったのか分からないんだ。
ジョナサン:研究のためにライオネルにお前を売り渡すって言うのは妄想だ…
クラーク:そんな事しないのは分かってるよ。ごめん。
マーサ:あなたのせいじゃないわ。
あなたが元に戻ってくれてうれしいわ。
クラーク:僕もだよ。
何にしても僕の秘密がばれないようにしないと。
ジョナサン:その通りだな。
だからレックスに対抗して立候補するのは止めたよ。
クラーク:父さん、僕のために考えを変えるのはやめてよ。
ジョナサン:クラーク…
クラーク:僕のせいで父さんの気持ちを変えさせるなんていやなんだ。
僕はレックスに対抗して欲しいんだ。それが正しい事だと思う。
もし何かが起きても、僕らは家族として…一緒に戦うよ。
ジョナサンは嬉しそうにクラークの肩に手を置きます。
納屋で。
クラーク:ファイン教授?
ファイン:気分はどうだね、カル・エル?
クラーク:あれは、妄想の一部じゃ。
ファイン:違うぞ。
クラーク:僕が最後のクリプトン星人だと思ってました。
でも…あなたみたいに生き残った者が。
ファイン:(笑い)まあ、発展した文明は絶滅するのは難しいものだ。
クラーク:どうしてここに?
ファイン:来る者を止めるために。
そして君を本当のクリプトン星人にするために。
クラーク:そして僕をもっと強くするんですか?結構です。
ファイン:(ため息)どうして人間を信頼し続けるんだね?
クラーク:僕の考えに合わないからです。
ファイン:もっと近くを見た方がいいな。
クラーク:教授なんかに成りすまさないで、堂々と本当の事を言ったらよかったじゃないですか?
ファイン:なぜ愛する女性にも君の正体を打ち明けないんだね?
クラークは答えません。
ファイン:君はこの惑星に何年も住んでいた。カル・エル。
私は君に正体をバラす前に君がどの程度影響があったのか観察する必要があった…人間にね。
クラーク:人間が悪い者だと決め付けるんですか?
ファイン:私は見たままを言ったつもりだがね。
この種族は約束はするが、歴史を見ても、現時点でも本質は変わっておらん。
君の愛する者にさえ信頼してはいないではないか。
クラーク:地球人の事を何も知らないじゃないですか。
確かに、些細な事で裏切ったりウソをついたりします。
でも正直で忠実な人間も沢山います。
その人たちは愛する者のために命だって投げ出します。
たとえそれが別の星から来た者に対してでも。
ファイン:カル・エル…
クラーク:僕はクラークです。
そして僕は友達を、家族をいつまでも信じ続けます。
ファイン:君の信念が間違っていない事を願うよ。
(帰ろうと振り向き)
君が真実を受け入れる準備ができたら私を探しなさい。
ファインが去ると、クラークは夜空の星を見上げます。
ルーサー・コープの倉庫。
ファインは宇宙船に近づきます。
彼が銀色の隕石を手に持っていると突然隕石は結晶化しました。
彼は隕石を床に落とします。
おしまい。