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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン5.08Solitude(孤独)

ケント農場の外。
夜。
ロイスの車でロイスとマーサはやってきます。

マーサ:送ってくれてありがとう。
    うまくいけば明日にはガレージから車が出せるわ。
ロイス:あら、がっかりだわ、マーサさんのお抱え運転手が気に入ってたのに。
    おしゃべりしたり、有意義な時間を過ごせたのに。
マーサ:あなたがうらやましいわ。
    新しい車を買って…アパートで自立して、本当に成長したわね。
ロイス:まあ、おだてないでくださいよ。
    車は私の安全措置なんです。
    もし失敗して仕事や住むところがなくなった時必要なんです。

マーサは微笑して車から降ります。

マーサ:ありがとうね。 さようなら。
ロイス:また、さようなら。
マーサ:さようなら。

ロイスの車は離れます。
マーサは微笑んで家に向かって歩きますが、
フェンスにあるミニ風車がくるくる回っていることに気づきます。
シェルビーが吠えます。

マーサ:シェルビー?

風車は急速にくるくる回り続けます。
マーサの後ろに、赤、青、緑のライトが急速に光り爆発します。

ケント納屋の中。
クラークは今の爆発に超スピードで様子を探ります。
マーサは地面に気を失って倒れていました。

クラーク:母さん?母さん。母さん、目をあけて。
     大丈夫かい?母さん?
マーサ:気を失ってたのね。今日は、何も食べてないから。
クラーク:あの音と光は…何があったの?
マーサ:何の話をしてるの?

クラークは不安そうに夜空を見上げます。

デイリープラネット。
日中。

クロエ:10時35分の天気だと少しの雨が降った以外スモールビルの上空には何もないわよ。
クラーク:稲妻もかい。
クロエ:何も報告されてないわ。
    クラーク、私が予報より正確だって皆知ってるわよ。
    何があったの?
クラーク:昨日の夜、音を聞いたんだ、雷みたいだった。
     それと明るい光が見えたんだ。
     外に出たら母さんが気を失って倒れているのを見つけたんだ。
クロエ:それは大変だ。
クラーク:稲光に打たれたかもしれないと思ってさ。
クロエ:大丈夫なの?
クラーク:大丈夫だよ、何も起きてない。それの方が気味が悪いけどね。
クロエ:多分気を失っただけよ。医者には診てもらった?
クラーク:今朝一番に、でも何も悪いとこは見つからなかった。
クロエ:どうしてそんなに心配してるの?
クラーク:ただあの音と光が何だったのか知りたいだけさ。
クロエ:誰か近所で花火でもやってたんじゃない、
    それとも車がバックファイヤーを起こしたのをスーパーヒヤリングで聞いたとか。
    そんなに重要な事なの?
    お母さんは無事だったんでしょ、なら心配なんかないじゃない。

クラークは黙っています。

クロエ:分かったわ、どうもこの話に何か感じるんだけど?
クラーク:ジョー-エルが関係してるんじゃないかと思って。
クロエ:実の父親の?
クラーク:僕が死んで彼が生き返らせたときに取引があったんだ。
     その約束を果たすためなんじゃないかと思ってね。

タロン。
後ろでレックスが写真が撮られている間、ロイスはコーヒーを作っています。

ロイス:間違っても私を撮らないでよ。
    でも800枚も写真を撮ったって写真写りが良くなる訳でもないでしょ。
レックス:(クルーに)もういいだろ。 ありがとう、皆。
     (ロイスに)ラッテを頼む?
ロイス:マーサ・ケントさんが働く店でキャンペーンの写真撮影をするなんて、少し無神経じゃない?
    農場で牛の乳搾りでもしてたほうがましなんじゃない。

レックスは笑います。

レックス:君の給料がどこから出ているのか知っているのか、タロンは俺の所有物だ。
ロイス:何が所有物よ?
    今に国を所有したいって言うんじゃない。
レックス:(陰険に)おいおい。 何を腹を立てているんだ、ロイス?
     俺が今までに何をしたっていうんだ?
ロイス:私が育った環境で出会ったエセ政治家を思い出すのよ。
    オフィスでふんぞり返ってる男たちをね。
    本当にジョナサン・ケントに勝てるとでも思ってるの?
    あなたにはテキサス州ぐらいの汚点があるはずよ。
レックス:そこまで言うんなら調べればいい。隠し事は何もしていないからな。
ロイス:お節介だと思うけど言わせて。
    厄介な小さいリスが腐ったドングリを掘り出す前に出馬を止めたら。
レックス:ありがとう、ロイス。
     大学中退でマフィンを売る奴が政治的なアドバイスはしない方がいいな。

ロイスは笑顔を強張らせます。

レックス:バナナ・ブルーベリーは今日はあるか?

中央カンザス大学。

ファイン:多くの人間が地球が7日で作られたと信じている。
     私はそれを信じている君に驚いたよ。
クラーク:もっとジョー-エルの事を知りたいんだ。
ファイン:今は亡き父親の事が知りたいのか?
     だが偉大な人物としてしか歴史には残っていない。
     だからまさしくその始まりから学ばねばならんのだよ、カル・エル。
クラーク:時間がないんです、教授。
     心配なんです。僕の母親に何かをしたんです。
ファイン:君の心配事はジョー-エルと交わした契約の事かね?
クラーク:どうしてそれを知っているんです?
ファイン:君が思っているよりはるかに多くのことを知っている。
     私は何カ月間も君を見続けていたのだから。
     君の母親は皮膚に印があるかね?
クラーク:いいえ。それはジョー-エルろ何か関係があるんですか?
ファイン:時が来れば分かる。
クラーク:待ってください、彼は僕の父親です。
     僕には全てを知る権利があります。
ファイン:君に用意ができたときに、教えよう。
クラーク:(怒って)もう用意はできています!
ファイン:いら立ちはこのように痛ましい人間の特徴だ。
     だがこのような基本的な種族に育てられたのだから仕方がないか。
クラーク:僕はその基本的な種族を気にかけています。クリプトンよりもずっと。
ファイン:待つんだ…根気よくな。

クラークはとび出します。

ケント農場。
台所。

ジョナサン:クリプトン星人が中央カンザス大学で歴史を教えているのか?
クラーク:彼が力を使うのを見るまで僕も信じられなかった。
     彼は僕ができる事は全てできるんだ。
マーサ:隕石に感染したいろんなタイプの人たちを見てきたでしょ。
    クリプトン星人だとは断言できないわ。
クラーク:僕をカル・エルと呼んだ…そしてクリプトンの事を知っていたんだ。
ジョナサン:クラーク、その人を避けたほうがいい。
マーサ:クラーク。
クラーク:僕には選択の余地がないんだ。
ジョナサン:どういう意味だ?選択肢はあるだろう、クラーク!
クラーク:父さん、僕はジョー・エルの事を学ぼうと思うんだ…
ジョナサン:何を知りたいと言うんだ。
      お前がクリプトン星人と連絡を取った時はいつも死と破壊を求めていた。
マーサ:ジョナサン、少しの実例で判断しちゃいけないわ、クラークもクリプトン星人よ。
ジョナサン:地球人の強い価値観で育ったクリプトン星人だ。
      クラーク、その教授が本物かどうか分からないぞ。
クラーク:今まで彼は僕を助ける事以外何もしていない。
     レックスの真実やラナを救ったり、銀色のクリプトナイトを取り出してくれた。
ジョナサン:それがどうした、クラーク?
      彼の真の目的が何なのか分からないじゃないか。

ヤカンが音を立ててお湯が沸いたのを知らせます。

マーサ:私が行くわ。

マーサはティーポットを取り上げます。
しかし彼女の腕に突然力が入らなくなりポットを落とし割ってしまいます。

クラーク:母さん!
マーサ:手の感覚がないの。

ジョナサンは彼女の手を見ます。

マーサ:あっ!肩が焼けるように熱いわ。

彼女がカーディガンを脱ぐとそこには皮膚の下に広がる赤い静脈が見えました。
三人は心配そうな顔で目を合わせます。

スモールビル医療センター。

クラーク:父さん、医者は何て?
ジョナサン:原因は分からないそうだ、だがは抗生物質を出してくれたよ。
      それに保険が利かないそうだ。
      来なさい。クラーク:入院させないで家に連れて帰るの?
ジョナサン:クラーク、医者は他は完全に普通だと言ったんだ。
クラーク:普通だって?
     僕は家の前で倒れている母さんを見たんだ、普通なわけないじゃないか!
ジョナサン:それは聞いてなかったぞ?
クラーク:(ヒステリックに)僕はただ母さんの事が心配なんだ。
ジョナサン:私もだ。だが心配しなくていい、母さんは大丈夫だ。
      さあ、行こう。

デイリープラネット。
夜。

ライオネル:サリバン君。
クロエ:ルーサーさん。ここで何をしてるんですか?
ライオネル:昇進したようだね。

彼は花束を上げます。

ライオネル:おめでとう。
クロエ:(それを受け取り)ありがとうございます.
ライオネル:(称賛して)非常に、非常に、素晴らしい。
       君は自分自身をうまくアピールしたものだ。
       遅かれ早かれ君がティファニーのランプの下で働くものだと思ったよ。
       大きな記事は間違いなくプロセスを速める。
       これではな、(新聞記事を軽くたたき)
       死亡記事と結婚のお知らせでは才能あふれたジャーナリズムが泣くな。
クロエ:もし私につまらない事を吹き込もうとしてるんなら、私は興味がありませんから。
ライオネル:それはどういう事だね?
      タキシードを来てバイオリンを弾く事ができる上に、
      まだ同じ古い曲を演奏しようとしているのかね。
クロエ:それは良いですね。
    その言葉をメモして日記にでも書いたらどうですか。
    私はもう行かなければなりませんから。(去り始めます)
ライオネル:サリバン君、君のその創造的な情熱は常に奇異な者と説明がつかない者のためだろう。
      それが君のこの記事にとって完ぺきなリポーターであると思う理由だ。

クロエはドアでとまり向きを変えます。

クロエ:少しなら聞くわ。早く言って。
ライオネル:あー、中央カンザス大学に光のスピードで走る驚くような能力を持っている者がいるんだ。
      聞いたことがあるかね?
クロエ:スモールビルの学校では隕石フリークの見本市だったわ。
ライオネル:この人物は片手で自動車を持ち上げることができ、
      あー、目の瞬きでビームを打つ。異常だろ。
クロエ:それは興味深い話ですね。証拠はあるんですか?
ライオネル:もし証拠があれば、ここで調査する必要はないだろう?
      その人物の名前はファイン教授だ。世界史のね。クロエ:どうして私のところに?
ライオネル:正直に言って?
      「タイム」誌が興味を持つとは思えなかったんでね。
      それでは、サリバン君。

中央カンザス大学。
日中。

クラーク:教授。
ファイン:何だね、講義の事かね、それとも君独自の勉強を始める準備ができたのかね?
クラーク:印が母の上に現われました。
     医者にはそれが何だか分かりませんでした。
ファイン:詳しく話してみたまえ。
クラーク:痣のように、静脈が束になっています。
ファイン:それは彼女の左の肩にかね?
クラーク:はい。

ファインは歩くのをやめてため息をつきます。

ファイン:君の父親は全く同じ方法を使ってクリプトンで反体制派分子を拷問にかけた。
クラーク:えっ?
ファイン:もう真実を隠すことはできないな。
     彼は強暴な独裁者だったんだ。
     彼は恐怖と強権でクリプトンを統治していた。
     彼に対して反対意見を述べた者は誰もが逮捕された。
     英雄であるゾッドさえも…
     もし彼が捕えられていなかったなら、
     ゾッドは君の父親が惑星を破壊するのを阻止することができたはずだ。
クラーク:僕の父親がクリプトンを破壊したのか?
ファイン:(うなずき)何十億という人々が死んだ。
     だが彼は一人息子を生き残らせることにした、
     いつか君が人間という種族を征服して、地球上にクリプトンを再現することができるように。
クラーク:
それをどう信じればいいんです?
ファイン:どう思ってもらっても結構だ。
     今は君の母親を助けなきゃな。
     すぐに彼女に会う必要がある。

クラークはがっかりしているように見えます。

ケント農場。
ファインはマーサの腕を調べます、そしてそれは同じく感染しています。

ジョナサン:分かったか、私の妻は医者が必要なんだ。
      あなたは医者じゃないだろう。
      二人きりにしてくれないか、出て行ってくれ。
クラーク:父さん、医者じゃ母さんを助けられない。
     教授に見てもらってもいいじゃないか。
ファイン:気を失ってから、1日半が経ちましたか?
マーサ:ええ、その通りです。
ジョナサン:クラーク、外に出てトラックをまわして来い。
      マーサ、病院に行くぞ。
ファイン:医者では彼女を助けられない、ケントさん。
     私を信頼してください。
     もし彼女の皮を切ったり薬を使ったら、彼女はすぐに死にますよ。
ジョナサン:どうやって信頼しろと?
クラーク:クリプトン星人なら。これはクリプトン星人病かもしれない。
ジョナサン:クラーク…

マーサは突然発作に入ります。

クラーク:母さん!母さん?
ジョナサン:どうしたんだ?
ファイン:隕石が必要だ、隕石はあるかね?
クラーク:父さん、クロゼットの中だ!
ジョナサン:ああ!

ジョナサンは部屋から走り去ります。

クラーク:一番上の棚の上にある!
マーサ:クラーク!

ジョナサンは戻ります。

ジョナサン:マーサ?

ジョナサンが隕石を取り出すとクラークは後ずさりします。

ファイン:彼女の額にそれを当てて。
ジョナサン:マーサ、マーサ…息をするんだ、マーサ。私だ。
クラーク:元に戻ったぞ。
ファイン:これは一時しのぎだ。
     治療法はない。
     隕石はただ彼女の痛みを和らげるだけだ。
クラーク:そんな。
ファイン:申し訳ない、カル・エル。
     数時間で君の母親は死ぬ。
ジョナサン:(マーサに)マーサ…

ケント家ポーチの上で。

ファイン:どこに行くんだね?
クラーク:ジョー・エルに会いに。
ファイン:だめだ!ウソをつかれるだけだぞ。
クラーク:かまわない。
ジョナサン:おい、ちょっと待ってくれ。
      ジョー・エルがこの元凶なのか?

ファインは内部に戻ります。

ジョナサン:どうしたんだ、クラーク?
クラーク:ジョー・エルが僕を生き返らせたとき、
     僕に近い誰かが死ぬ運命になると警告したんだ。
ジョナサン:それじゃ母さんを。
      どうしてその事を話さなかったんだ?
クラーク:父さんや母さんを心配させたくなかったんだ。
ジョナサン:お前しかこれを止める事ができない。
      行ってくれ、そして何とかしもらうんだ。
クラーク:母さんを殺させはしない。
ジョナサン:その通りだ。

超スピードで去るクラーク。

孤独の要塞。
クラークは結晶を拾い上げます。

ジョー・エル:カル・エル、どうして来たのだ?
クラーク:お願いだ!望む事は何でもしくれ!
     母さんは連れて行かないでくれ!
ジョー・エル:母親には何もしていない。
クラーク:ウソだ!嘘をつかないでくれ!
     もし親が僕のために死ぬのが分かっていたら、
     生き返ることなんか望まなかったのに!
ジョー・エル:自分の力を断念して、私に背を向けることに決めたのはお前だ。
クラーク:どうか母さんを殺さないでくれ!
ジョー・エル:申し訳ない、息子よ。
       運命の輪はすでに動き出した。
       お前でさえ運命を変えることはできない。

レックスの屋敷。
コンピュータ・スクリーンには宇宙船の監視映像が映っています。

レックス:それで、ここで何を見るんだ?
科学者:48時間前に始まりまったんです、それ以来ときどき継続していました。
レックス:それはなんだ、ビデオの故障か?
科学者:ものすごい電磁気の津波のような。

ライオネルが入ります。

ライオネル:こんにちは、レックス。
レックス:(科学者に)ありがとう。
     (ライオネルに)親父、もし政治的なアドバイスをしに来たのなら無駄口を利かない方がいい。
ライオネル:分かっている。レックス、お前は一番最高のプロの幹部がいるんだったな。
      驚いたよ、彼らはお前の秘密まで知っているのか?
レックス:ほう、それは一族の暗い秘密の事を言っているのか。
     心配しなくていい、あんたを困らせるような事はない。
ライオネル:15番倉庫に置いてあるものだ。
レックス:もし俺のキャンペーンを妨害するための話をでっち上げるつもりなら、
     あんたが最初でじゃない。
ライオネル:私が心配しているのはお前のキャンペーンじゃない、お前の遺産だ。
      お前が社会貢献よりも10インチも伸ばした足の爪の方を覚えられるようにはなって欲しくない。
レックス:(笑い)一族が変人なのを怖がっているのか、親父。
ライオネル:ああ、だが私は公職に立候補はしない。
      信じろ、レックス、選挙民は小さな緑の男に取りつかれた候補者に辛抱強さを持っていない。
      それはお前の家を手に入れる時期だ、レックス。

中央カンザス大学。
クロエが電話ボックスで電話するふりをしている脇をファインは通り過ぎます。
彼女は向きを変えて彼の後に従います。

ケント農場。

マーサ:私の…笑顔はどう?
クラーク:大丈夫かい、母さん?
     何かして欲しい事はない?
マーサ:父親のジョー・エルと話してきたんでしょ、クラーク。
    分かってるわ、自分の子供のために命をすてる覚悟はできているわ。
クラーク:そんな事は言わないで、母さん。
マーサ:あなたは私に沢山の幸せを与えてくれたわ、クラーク。
    あなたがいなかったら、今までどうだったか分からない。
クラーク:僕がいなくても変わらなかったよ。
マーサ:こんな事になっても決して責任を感じないでね、聞いてる?
    他の方法で助かることはできないわ。
    あなたは無事よ。
    顔を見せて…あなたは、あなたは人間よ、クラーク…すばらしい人になるのよ、
    それが私の仕事。
クラーク:ダメだ、母さん、そんな事は言わないで、戦うんだ。
マーサ:あなたを愛してるわ、クラーク。
    私がいなくなっても…私の愛がなくなる事はないわ。
    私はいつもあなたの心の中にいるわ。いつもよ。
クラーク:母さんを死なせはしない。そんな事は絶対に。
マーサ:クラーク。

クラークは涙ぐんでうなずきます。

デイリープラネット。
クロエはファイン教授を調べています。

ロイス:私は記者になるつもりはないわよ、でも助けてあげるわ、クロエ。
クロエ:何のための従姉なの?
ロイス:前にレックスが精神病院に入院してたって言ってたわね。
    どうしてその事を記事にしないの?
クロエ:もしその証拠の切れか実際に話をしてくれる情報提供者が見つかれば、いい記事になると思うわ。
ロイス:じゃあ、探せばいいじゃない。
クロエ:色んな証拠はレックスの金庫室にあるわ。
    問題は、その鍵が彼の枕の下にあるってことよ。
    どうして突然レックスをつぶす気になったの?
ロイス:お金をちらつかせて選挙に勝とうだなんてうんざりなのよ。
    私のことを大学中退でマフィンを売る奴って言ったのよ。
クロエ:(くすくす笑い)それであなたの心を逆撫でしたんだ。
ロイス:ちょっと、話が横道にずれてるわよ。
    さあ、その小さなハードディスクに取り込んで。

クロエは彼女のコンピュータ・スクリーンをちらっと見ます。

クロエ:本当にクラークの教授はルーサー・コープを調べてたようね。
ロイス:クラークの教授?
クロエ:ええ、彼は…本を書いている。
    実際にルーサー・コープの倉庫があるダウンタウンまで彼の後をつけたから。
ロイス:何を見たの?
クロエ:なんにも。セキュリティが厳しくて、近くに行くこともできなかったわ。
ロイス:いい運転手ならここにいるじゃない。
クロエ:えっ?
ロイス:そうよ。
クロエ:行きましょう。

ルーサー・コープ。
夜。
ロイスは見た目単独でセキュリティーボックスに乗りつけます。

警備員:おい。
ロイス:あの、教えてもらえませんか。
    ハイウェーが分からなくて、完全に道に迷ったみたい。
警備員:待って、地図を持ってくる。

彼は歩き去ります。

ロイス:行って。

クロエは後部座席から這い降ります。

警備員:ほう、これは素晴らしい車だね。
ロイス:ええ、そうでしょ?
    乗ってみない、乗ってみなきゃこの車のよさは分からないわよ。
警備員:いいのか?
ロイス:さあ、乗って。
警備員:オーケー。
ロイス:すぐに、出発よ。

警備員がフロントシートに入ると、クロエは車からルーサー・コープへと走ります。

警備員:おーっ。すごいな!
ロイス:準備はいい?驚くわよ。
    そこを見て、色んなボタンがあるでしょ。
    うーん、オーケー、飛び出してるのがあるでしょ。見て。
    あー、好きなボタンを押してみて、ブレスミントとか…色んなものよ。

ルーサー・コープの倉庫。
クロエは見回しています。
外。

ロイス:ステレオはどう?大きくしてみて。
警備員:素晴らしいよ。
ロイス:そうでしょ、あー、じゃあ…
警備員:悪いけど、仕事に戻らなないと。
ロイス:そうね。 オーケー。

彼は車から出て行きます。

ロイス:ユニフォームを着た人って素敵よ。

ルーサー・コープの倉庫内。
クロエは階段を登って通気孔を調べます。
彼女は宇宙船の脇の黒い水溜りがファイン教授の姿に変わるのを見ます。

警備員:おい! どうやってここに入った?
    緊急連絡、コブラチーム。

クロエが後をちらっと見るとファイン教授がいなくなっているのを見ます。

警備員:3−4チーム。中に入れ。

ルーサー・コープの倉庫の外。

警備員は無線機をチェックします。

ロイス:ねえ!

彼が顔を上げるとロイスは彼にパンチを加えます。
彼女は車に戻ってそしてセキュリティ壁を走り過ぎると、クロエが他の警備員を振りはらう中を横滑りして停まりクロエは車の中に飛び込みます。

クロエ:ありがとう、ロイス。

彼女たちは走り去ります。

中央カンザス大学講義室。

クラーク:母さんを救う方法があるはずです。絶対に。何でもします!
ファイン:一つ方法がある、だが勧めたくはない。
クラーク:それは何ですか?
ファイン:たとえジョー・エルがひどい者だとしても君との繋がりはまだある。
クラーク:その方法を教えてください!
ファイン:君の母親を救う唯一の方法は要塞を破壊することだ。
     ジョー・エルの意思は結晶を通して彼女のウイルスをコントロールしている。
     もし君が要塞を破壊することができれば君の母親を彼の手から救うことができるだろう。
クラーク:今までだって僕の人生をめちゃくちゃにしようとしたんだ。
ファイン:嘆かわしいことに、それは同様にクリプトンでも行われた。
クラーク:僕には彼は必要ない。

ファインはうなずきます。

ケント農場。
ケント家の人たちの写真がマントルピースにあります。

ジョナサン:君はこの病気に耐えられる、そうだろ、マーサ。
      諦めてはだめだ。諦めては。

ドアがノックされます。
クロエでした。

ジョナサン:すぐ戻るよ。
クロエ:ケントさん、申し訳ありません、でもクラークを見付け出さないと。
ジョナサン:ここにはいないぞ、クロエ。
クロエ:教授と一緒じゃありませんよね?
ジョナサン:いや、一緒に洞窟に行ったが。
クロエ:急がないと。ファイン教授は普通の教授じゃありません。
ジョナサン:彼の事は分かっている、彼はマーサを助けようとしているんだ。
クロエ:彼がどれだけ信用できるか分かりませんよ。

クロエは外に走って出ます。

洞窟。
クラークが石に触れるとファインと共に孤独の要塞に運ばれます。

クラーク:僕がこれをぶち壊す。どこから始めるか教えてください。

ファインは黒いクリスタルを取り出します。

ファイン:ここからだ。 コンソールの中にそれを突き刺しなさい。
     それは自爆を誘発する、そしてジョー・エルと要塞は永久になくなる。
クラーク:それは何ですか?
ファイン:これは君の父親を破るために作成された物だ。
     だがゾッドは平和主義の男だった。
     最後の手段として使うつもりだったがチャンスがなかったんだ。
クラーク:それは今です。

クラークはクリスタルのコンソールパネルに向かって歩きます。

クラーク:(ジョー・エルに)二度と僕の家族に手を出させないぞ。

彼はコンソールの中に黒いクリスタルを突き刺すとそれはピンクになります。
ファインは微笑します。
すべてが明るくなります。
クラークの表情は「困惑」から「痛み」へと変化します。
ファインはクラークに隕石をかざしていました。

ファイン:私一人ではこうは行かなかった。
     お前しか要塞に手出しはできないからな。
     お前が仕事をし終えた今、お前は目の前のハエにしか過ぎん。
クラーク:隕石は…お前もクリプトン星人じゃなかったのか?
ファイン:私はクリプトン星人によって作られた。
     だがもっと洗練された者にだ。
     (微笑)お前よりも賢いゾッド将軍にな!クラーク:ゾッド?

ファインはクラークを大きな石の上に押しやってクラークに隕石を押し付けます。

ファイン:本当のクリプトン星人だ。
     ついに将軍はこの惑星から人間を取り除き、ここ地球上にクリプトンを再生する。
クラーク:僕に言ったことは全て嘘だったのか!
     ジョー・エルの事じゃなく、ゾッドの事を話をしていたんだな!
     ジョー・エルが母さんを感染させたんじゃなく、お前がやったのか!
ファイン:家族を助けるためにクリプトン星人の遺産を犠牲にするとは…なんという間抜けだ。

ファインは隕石をクラークの胸の上に置きます。

ファイン:さようなら、カル・エル。
     ようこそ新しいホームへ、ゾッド将軍。

入り口が空中に突然開きます。

洞窟。

クロエ:クラーク? クラーク!

クロエはシンボルのマークが付いた石を見て、キーを動かすと孤独の要塞へと移動しました。
クロエはクラークのところに走って隕石をつかみます。
彼女は少しためらってからゾッドが出てこうよとする空間に隕石を投げ込みます。
クラークが黒いクリスタルをコンソールから取り外すと穴はふさがりました。
ファインが振り返り超スピードでクラークに向かいます。
しかしクラークはファインを投げ飛ばすとファインは姿を消してしまいました。

クラーク:クロエ?

ファインが突然再び現われます。
ファインはヒートビジョンを使いクラークをクリスタルの一部に激突させます。
ファインは超スピードにクラークに向かうと黒いクリスタルで刺そうとします。
しかしクラークはファインを押しとどめます。
ついにファインを押し返し投げ飛ばすとファインはクリスタルのコンソールに突き刺さり、クリスタルを手放します。

ファインは起き上がりクラークに微笑むと口元から血を流し崩壊しました。

ルーサー・コープの倉庫内。
宇宙船が崩壊します。

ケント農場。
マーサ・ケントは突然起き上がります。
彼女は腕を確認します。

マーサ:まあ、どうして!
ジョナサン:よかったな!

二人は共に自分の目を信じることができません。
二人はキスをします。

孤独の要塞。
クラークは不安そうです。
後ろではクロエが心配そうに見ています。

ケント農場の外。

マーサ:(シェルビーに)ねえ、シェルビー。

クラークが近づいてきます。

クラーク:母さん、大丈夫かい?
マーサ:ええ。またこんなに素晴らしい新鮮な空気を吸えるなんて、二度と息ができないんじゃないかと思ったわ。
クラーク:もし母さんがいなくなったら、僕はそんな事想像できないよ。
マーサ:生きている事で一番つらい事は、愛する誰かを失うことよ。
    でもあなたは前向きに進むことを学ぶわ。みんなそうなのよ。
クラーク:でもそれは簡単なことじゃないよ。
     父さんの事で思い知ったよ、決して計り知れないことだった。
     けれども母さんは僕の心で、僕の魂なんだ。
マーサ:まあ、私が…(微笑)私はもうどこにも行かないわ、ずっとね。
クラーク:うん。

二人は抱き合います。しかしクラークはまだ不安そうです。

ケント農場。
クロエは毛布に包まって暖炉の前に座っています。

クロエ:あのね、次に北極に行くときはヤッケを忘れないようにしないとね。
クラーク:どうやって北極に来たんだい?
クロエ:あなたはキーを洞窟に忘れていったでしょ。

彼女はキーを上げます。

クロエ:だめよ、クラーク、もっと注意しないと。
    私ができたんだから、誰でもできるわ。

クラークは彼女にコーヒーカップを手渡して彼女の隣りに座ります。

クラーク:ファイン教授は人間は取るに足りない、頼ることができないと言ったけど、
     君の事をあまりよく知らなかったようだね。
クロエ:ロボット教授は人間性についてR2-D2と同じぐらい知ってたわ。
    とにかく彼は何者だったの?
    宇宙船からこぼれた液体から実体化するのを見たわ。
クラーク:僕はある種のクリプトン星人の人工知能だと思うよ。
クロエ:彼はあなたと何をしようとしたの?
クラーク:彼はゾッドというクリプトン星人を自由にするために僕を手伝わせようとしたんだ。
     分からないのは君はどうしてファインの行動が分かったのかって事だ。
クロエ:気に入らないかもしれないけど、ライオネルから聞いたの。
クラーク:ライオネル?
     どうしてファインの事を知ったんだろう?
クロエ:どういうわけか分からないわ、でも彼が宇宙船の事を知らないでいて欲しいわ。
    クラーク、他の誰かが見つける前にあなたがあれを始末するべきよ。
クラーク:問題があるんだ。君が言ったその倉庫を確認したんだ。
     その船はなかった。
クロエ:(ため息)もう、シェルゲームのマスターが動かしたに違いないわ。
クラーク:それとも…
クロエ:何?
クラーク:それとも僕が考えてるよりももっと大きな問題かも。

クロエは困惑しているように見えます。

レックスの屋敷。
ライオネルが入ります。

ライオネル:レックス。 急な呼び出しだな。何があった?
レックス:盗難癖は直ったのか、親父…だが俺は古い癖は簡単には消え失せないと思う。
ライオネル:もし私に盗みの罪で告発しているなら、お前の安っぽい装飾品などに興味はないと言っておこう。
レックス:俺の倉庫にあった物に興味を持っているように思えたが。
     警備員に賄賂でも送ったのか、それとも科学者にか?
ライオネル:私がお前の貴重なものを盗んだと言っているのか?

レックスは苛立って立ち上がります。

ライオネル:おい、レックス。
      レックス、何度言ったら分かるんだ?
      自分を高く評価させなければ、ある日皆が姿を消す事になるぞ。
レックス:俺は今すぐそれを取り戻したいんだ!
ライオネル:お前の気持ちに応えてやりたいのは山々だが、残念事にその不運な強盗には何も関係を持っていない。
レックス:流星群で親父に何があったのか知らないが、今までの事からあの倉庫にあった物に関係があるんだろう。
ライオネル:お願いだ、レックス、お前はもろい。
      二度と妄想に取り付かれたお前を見ることはしたくないんだ…

レックスはライオネルの頭を両手でつかみ、長い間見つめると歩き去ります。
ライオネルはピアノに歩いていってため息をつくといくつかのキーを叩きます。

デイリープラネット。

ロイス:レックスの事で何か分かった事を教えてよ。
    それで無料の駐車チケットをとるんだから。
クロエ:あなたに話せるのは、ロイス、レックスは汚れ物を鉄製のかごに入れるって事よ。
ロイス:ねえ、私は最初は誇りのためにやり始めたのかも知れないけど、
    その事を考え始めたら心配になってきたのよ。
    レックスは権力を使って何をするつもりなのか?
    私たちがそれを知る前に、彼は世界を支配するんじゃないかな。
クロエ:じゃあ、そんなに心配なら、何かをしたら?
ロイス:そうしようと思ってるの、でもやらない事が一つあるわ、彼の倉庫を詮索することよ。
    チャーリーズ・エンジェルスばりの冒険をしたのに、あそこで見つけたのは肥料だけだなんてさ、信じられないわ。
クロエ:完全に時間の無駄じゃなかったわ。
ロイス:違うの?新車に傷をつけるほかに何があったのよ?
クロエ:ジャーナリズムのスリルとサスペンスを経験できたでしょ。
ロイス:ありがとう、でも、もう結構よ。
クロエ:どうしてそう思うの、行き詰った話を追いかけるのは最高じゃない。手放すなんてもったいないわ。

クロエは一人微笑します。

クロエ:それが普通の始まりよ。

ロイスは壁のデイリープラネットのロゴをチラッと見て考え込むと笑顔になりました。

ケント農場。
日中。
クラークはキーを見ながら家畜小屋にいます。

ジョナサン:おい。大変だったのは分かる。大丈夫か?
クラーク:僕はどうしてあんなに真に受けたんだろう。彼が言った全てを信じていた。
ジョナサン:私もお前を救うために同じ事をした。お前は母さんを救おうとしたんだ。
      母さんは運良く安全だった。
      私たちにできる最も良いことは全てを忘れ去って、生活を継けることじゃないかな?
クラーク:それはまだ何とも言えないよ。ジョー・エルの警告はまだあるんだから。
ジョナサン:クラーク、母さんのウイルスはジョー・エルではなく、ファインによるものだ。
      彼はまだ何もしていない、おそらく何もしないかもしれない。
クラーク:ジョー・エルはそんなタイプじゃないことは分かっているだろ。
ジョナサン:クラーク、結局はそれが分かったとしても、永遠には続かないさ。
      今のところ私たちにはどうしようもない。
      私はそのトリックがお前が一番安全に人生を送ることだと思っている。
      お前はできる限り時間を有効に使うべきだ…愛する者と一緒にな。
クラーク:そうだね。
ジョナサン:そうだ。
 
おしまい。