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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
シーズン5.09LEXMAS(レックスマス)
グランヴィル、カンザス州。
クリスマスイブ。
レックスは暗い裏通りに車で来ると停まって車を出ます。
彼がドアをあけるとグリフがトンネルで座っているのを見つけます。
グリフ:ホー、ホー、ホー、レックス。
レックス:屋敷で会えない理由でもあるのか?
グリフ:ワシは家庭訪問はせんよ。
私の技術が必要なら、あんたがワシのところに来るべきだ。
つまり、本当にジョナサンケントを倒したいならばな。
レックス:あんたはある種の手榴弾を持っているのか。
グリフ:まだだ、だが、すぐさ。
見つけるか、いじくるかだ。
それは世間の注目を浴びる落し穴だ。
それで、その人物についての事は福音書になるだろう。
それが事実かどうかはどうでもいい事だ。
レックス:24時間くれ。
グリフ:あんたの親父さんなら躊躇わないがな。
レックス:あんたの提案した事を実行する前に、俺は全てのオプションを考慮したい。
グリフ:何が問題だ、レックス?
心の休暇で感傷的になったか。
レックス:俺の親父だったら、あんたはクリスマスを迎える事はできないぞ、グリフ。
レックスは車に歩いて戻ると男女二人組の強盗が現れます。
男:さて、さて、サンタクロースが町にやって来たな。
レックス:揉め事はごめんだな。
男:おい、野郎!遊びじゃないんだぜ。車のキーをだせ!
レックス:落ち着け、落ち着くんだ。
男:すぐにキーをだせ!それに腕時計もだ!
レックスが腕時計をはずすと、女の子は二度彼を撃ちます。
レックスは地面に倒れ、目を開けると朝の日差しの中で見知らぬベッドに寝ていました。
あたりを見まわすとラナが脇で眠っています。
レックス:(ささやき)ラナ。
そして少年、アレックスが部屋に駆け込んできてベッドに飛び乗ります。
アレックス:朝ごはんだよ!
レックス:おい!お前は誰だ?
ラナ:ねえ、あなたは約束したじゃない。
アレックス:さあ!
レックス:おい!覚えてないぞ。どうしたんだ?
ラナはキスで彼を沈黙させます。
アレックス:さあ、お父さん!行こうよ!
ラナ:パンケーキよ。
あなたはアレックスにパンケーキを作るって約束したじゃない。
それからツリーを買いに行くって。
レックスはゾッとして混乱しました。
ラナ:私に文句を言わないでね。
あなたはいつもクリスマスイブまでツリーを買ってくれないんだもの。
アレックス:お父さん、行こうよ!ねえ、お父さんってば!
ラナはベッドから出ます。
そしてレックスは彼女がどことなく違う事に気がつきます。
レックス:おい、君は…
ラナはアレックスの手をとります。
ラナ:アレックス、さあ、おいで。お着替えをしないとね。
アレックスとラナは部屋から出て行きます。
アレックス:お父さんの僕は一番最高の木を買うんだ!
ラナ:(彼の誤りを指摘し)お父さんと僕はでしょ…
レックスは起きてシャツを持ち上げます。
そして二箇所の傷跡を見つけます。
一つは手術の、そしてもう一つはその隣にある銃創。
レックス:一体どうしたんだ?俺はどこにいるんだ?
レックスは洗面所に入ると鏡張りの戸棚を開けます。
扉を閉じると鏡に映った自分の後ろに赤い髪をした女性を見て驚きました。
レックス:母さん?でも、母さんは…俺は死んだのか?
リリアン:いいえ、レックス。あなたはまだ生きているわ。
レックス:それじゃ…これは夢か。
彼は顔に水をかけます。
リリアン:夢じゃないわ、レックス。これがあなたの人生よ。
レックス:そんなバカな。こんな事があるはずがない。
リリアン:事実よ、レックス。
あなたはこうなる事を望んでるのよ。
あなたが正しい選択をすればこの通りになるの。
レックス:正しい選択?それはどういう意味です?母さんは何が言いたいんですか?
彼が振り向くとそこには母親はいませんでした。
現実では、レックスは裏通りで意識不明状態で倒れていました。
ケント家。
マーサはキッチンでオーブンから焼きたてのクッキーを取り出します。
するとジョナサンは一つ摘もうとして火傷をします。
ジョナサン:あっつ!
マーサ:当たり前でしょ。これはパーティーに使うの。
それに議員さんが、クッキーの入れ物に手をつけないで。
ジョナサン:マーサ、私が立候補したのが気に食わないのは分かっているが…
マーサ:気に入らないなんて控え目な方よ。
ジョナサン:しかし、今日はクリスマスイブだぞ?
その話は今日はなしにしないか?なっ、いいだろ…
彼らはキスをするとジョナサンは彼女の背中の方へ手を伸ばしクッキーをとります。
マーサ:あっ、あっ、あーっ、うそつき!
ジョナサン:一つぐらいいいだろ。
ケント家でクリスマスツリーの上に天使のオーナメントを飾るラナ。
ラナ:ほら。完璧でしょ。
クラーク:ああ、そうだね。
彼らはキスをします。
ラナ:クリスマスはいつもネルおばさんと私だけだったでしょ、ステンシルと造木のツリーだったわ。
ありがとう、クラーク。
上辺だけの休日から助けてくれて本当にありがとう。
クラーク:どういたしまして。
彼らがキスをしようとするとクラークの電話が鳴り遮ります。
着信音は「ジングルベル」です。
ラナ:メリークリスマスって私からだって伝えて。
彼女は立ち去ります。
クラーク:やあ、クロエ。
クロエ:クラーク、問題発生よ。
デイリープラネットまで来て。
あなたの助けが必要なの。
スモールビルメディカルセンター。
レックスはストレッチャーで運ばれています。
救命士:弾は複数。肩と腹部中央、見たところでは盲管のようです。
医師:ルーサーさん、聞こえますか?ルーサーさん、声が聞えるなら、私の手を握ってください。
医者はペンライトでレックスの瞳孔を調べます。
未来で。
レックスとラナの家。
日中。
ラナ:アレキサンダー!ねえ、ねえってば!お父さんを待ちなさい。
レックスはチャイルドシートを運んで家から出てきます。
ラナ:ケントさんがパーティーに来る前に、六時までには戻ってきて。
レックス:ケント?
ラナ:そして今年は私たちには生活費があまりないのを忘れないで。
レックス:なに?俺たちの生活費だって?
ラナ:レックス、あなたのお父さんがあなたのプラチナカードを打ち切ってから七年よ。
もう中流家庭の生活を受け入れてもいい頃だわ。
アレックス:お父さん!お父さん!行こうよ!
レックス:七年?七年…俺は…
彼はチャイルドシートを車の後部座席に押し込みます。
ラナ:OK。ここよ、分かってるの?私がやるわ。
そのうちできるようになるわよ、うまくいけば赤ちゃんが生まれる前にね、女の子よ。
アレックス、さあ乗って。
アレックス:はーい!
ラナ:生活費の事はごめんなさい。
あなたが無駄遣いしているわけじゃなく、私たちにいい物をって思ってだって。
そこがあなたを愛している理由の一つなんだけど。
彼女は彼にキスをします。
アレックスはレックスに手を振ると、レックスは手を振り返します。
レックスは運転席に乗り込むとハンドルに近すぎるシートを調整します。
アレックスはげっぷをして笑います。
クリスマスツリーが沢山並んでいます。
レックスとアレックスは素晴らしく大きな木を見上げています。
アレックス:わあ。
レックス:すごいな。ラナなら…お母さんなら…
おい、クラークじゃないか!
彼はクラークとクロエーを見て走り寄ります。
レックス:おい!二人に会えてどんなに嬉しいか。
クロエ:またお父さんになるの?
レックス:ああ、いや、まだだ。俺は…
アレックスは彼らの方へ走って来ます。
アレックス:クラークおじさん!クラークおじさん!僕を飛ばせて!
クラーク:よーし!
クラークはアレックスを抱き寄せアレックスを上に投げます。
クラーク:君に会えなくて寂しかったよ!
最近行けなくてごめん。
デイリープラネットが忙しくてさ。
クロエ:(レックスへ)ええ、彼の言う「忙しかった」はちょっと違うの。昇進したのよ。
クラーク:ああ!今は、一人前のリポーターだ。
クロエ:私もかなり大きいなニュースを扱ってるのよ。
レックス:ほう。
クロエ:私の本が1月に出版されてるんだ。
レックス:それはすごいじゃないか。
クロエ:ええ、ルーサー・コープの暴露が当たったの。
匿名で情報を暴く事よ。
本当にありがとう。
(彼女はレックスを抱きしめ耳元でささやきます)
あなたなしではできなかったわ、レックス。
クラーク:その通りだね。僕の本も出版されるって言ったっけ。
ツリーを選ぼう、ここでいいだろ。
クラーク:さよなら、アレックス。
クロエ:さよなら、アレックス。さよなら、レックス。
クラーク:じゃあ、レックス。今夜また。
レックス:ああ。じゃあな。
アレックス:お父さん!(大きなツリーを指さし)これがいいよ!
現実。
日中。
レックスはベッドの上で意識不明状態です。
看護婦が点滴に何かを注射しているとライオネルが入ります。
ライオネル:何があったんだ?息子はどうしたんだ?
看護婦:ちょっと待ってください。
ライオネル:医者はどこだ?
医師:ルーサーさん、医師のスキャンランです。
ライオネル:何があったんだ、先生?
医師:息子さんは撃たれたんです。
ライオネル:撃たれた?
医師:彼の命はもう危険な状態を脱出しました。
しかし下半身の麻痺が起きる可能性があります。
腹部の内出血が脊髄を圧迫している血栓があるんです。
もし圧迫を取り除く事ができれば…
ライオネル:もし?いや、それをやってくれ。
(彼は携帯電話にダイヤルし始めます)先生、すぐに。
医師:ルーサーさん、息子さんはまだ安定はしていません。
今手術するのは彼を殺すことになります。
ライオネル:私の息子は再び歩くんだ、先生。
(携帯電話に)私だ、リトバック医師を。
デイリープラネット。
クロエ:それで、私を担当にしてくれたの、本当に嬉しかったわ。
去年デイリープラネットで配った子供のおもちゃを二倍にしたのよ。
クラーク:OK、それで、問題って何だい?
クロエ:ああ、今夜届けるプレゼントに必要なトラック運転手がストライキ中なのよ…クリスマスイブなのに。
クラーク:だから運転手の代わりに僕を呼んだのか?
クロエ:そう言われると思ったんだ、でもね、あなたは弾よりも速く走れるでしょ。
それにあなただって恵まれない子供たちをガッカリさせたくはないでしょ。
クラーク:君が行く必要はないだろ。
クロエ:まあ、あの、実は。つまりこの大事な企画を助けて欲しいの。
何も言わずに、私を助けて。
クラーク:そうなるとラナと約束した事が…
クロエ:彼女なら分かってくれるわ、きっと、訳を話せばきっと分かってくれるわよ。
お願い。
クラーク:分かったよ。
クロエ:やったー!
クラーク:パーティーに行くまでの間だけだ。
クロエ:やっぱりあなたはヒーローだわ!
願いを聞いてくれるって信じてた。OK。
彼女が地下室の扉を開けると、何千ものおもちゃが姿を現しました。
クラーク:クロエ、これは子供のためのおもちゃじゃないよ。
まるでトイザラスだ。
どれだけ配るんだ?
クロエ:二、三千人かな?
ほらこれが地図と住所よ。
すぐに始めれば終わるわよ。
(彼女はサンタの帽子を彼に被せ)
サンタさんの出来上がり!
彼女は彼の写真を撮って笑います。
クラークはプレゼントを配っています。
クラークは建物から建物へと移ります。
ある家でクラークが木の下にプレゼントを置いているのを少女に見つかります。
少女:サンタさんじゃないわ。
クラーク:いや、サンタだよ。
(サンタの帽子を被り)
僕は新しいサンタなんだ。
少女:うそつき。あなたはサンタさんじゃないわ。サンタさんはあの人よ!
少女が窓の外を指差すと、近くの屋根の上にサンタの姿をした人物がいます。
彼は酔っ払っているようで端の方で落ちそうになっています。
サンタがいるところまでクラークは超スピードで移動します。
クラーク:大丈夫ですか?落ちそうですよ?
サンタ:飛び降りようとしてたんだ。
彼はクラークを見るとそのサンタはサンタ帽子を脱ぎます。
クラーク:ああ、そうなんですか。
座ってもいいですか?
サンタ:勝手に座れ、飲むか?
クラーク:いえ、結構です。
座ったらどうですか?飛び降りるのは後でもできますよ。
サンタ:ああ、そうだな。まあ、いつでもできる。
クラーク:すみませんが聞いてもいいですか、ここでサンタクロースが何をしてたんです?
どうして飛び降りようなんて?
サンタ:ワシが飛び降りなくてもいい理由を教えてくれ。
君にはわかるまい?
最近の世の中ときたらいい事があったか?
やっても、やっても、やっても、文句、文句、文句だ。
クリスマスに何があった?
地球の平和か、青年よ?
話してやろう、クリスマスの精神は死んだ!
それを復活させるのはサンタクロースなんかじゃないんだ。
スモールビル医療センター。
夜。
医師と看護婦がレックスの病室にいます。
医師:リンゲル液を増やして、デカドロン8mgだ。
ライオネルが入ります。
ライオネル:息子に必要な事はだなスキャンラン先生、息子を助けるための医学だ。
彼は医者に書類を手渡します。
ライオネル:レックスをすぐに手術するためメトロポリスのデイビスクリニックに連れて行く。
そこには神経外科医がいるからな。
医師:ルーサーさん、それは許可できません!
ライオネル:許可は必要ない。
(レックスに)聞こえるか、お前は歩けるようになる、レックス。
未来。
レックスとアレックスはツリーを車で持ち帰えります。
車道で停まるとラナが出迎えにきます。
アレックス:ママ!見て!きれいでしょ、ねっ、おとうさん?
ラナはレックスを見ます。
レックス:何が言いたいか分かってるよ。
ラナ:また子供にねだられたの?それとも甘やかしているの?
レックス:そう言うと思ったよ。
このツリーは俺のためだ。
ラナ、話したかどうか知らないが、
母さんが死んだ後、家では親父がクリスマスを祝う事を止めたんだ。
そのために子供時代はつらく惨めなものだった。
このツリーを見つけたとき、今までなしえなかった夢を見つけたと思ったんだ。
俺の失ったクリスマスをな。
分かってくれるか?
ラナ:ええ、もちろんよ。
毎年同じ事を言ってるもの。
彼らは抱き合います。
ラナはドアを開け二人を迎えます。
ラナ:いい、葉っぱが床に散らばる前に、床を何かを敷くから。
レックスとアレックスはツリーを中に引き込みます。
レックス:さあ、力をだせ!
父さん一人で運ばせる気か?
彼はリビングルームへ歩いて行ってプレゼントの箱を取り上げます。
レックス:おい、これは何だ?
ラナ:お父さんの秘書が持ってきたんじゃない。
レックス:いや、これは企業からのプレゼントだ。
親父からじゃない。
分からないな。
ラナ:レックス、クリスマスがあなたのお父さん無視するもう一つの理由だって分かってるわ。
あなたがルーサーである事を捨てた事に後悔させるのがお父さんのやり方よ。
でも私にとってはあなたが銃で撃たれた事が良かったと思ってるの。
死にかけた事によって生きる事は何なのか分かってくれたんだもの。
あの事件が今日のあなたを作ったのよ。
だからあなたと結婚したの。
彼らはキスをします。
現実。
病院でストレッチャーに載せられるレックス。
クラークは屋根の上でまだサンタと話をしています。
サンタ:話を戻すが。
青年よ、君はこのプレゼントを届けるために、
前から望遠鏡覗いていた彼女、愛している娘と初のクリスマスをあきらめたのかね?
クラーク:ええ、まあ、その、覗きなんかしてませんよ。
僕一人じゃありません。
友達のクロエが…彼女も自分の予定をあきらめたんです。
誰かがこれをやらねければならなかったんです。
そうじゃないと子供たちはプレゼントをもらえませんから。
これは子供たちにとって必要な事なんです。
サンタ:それで、君たち二人はサンタクロースの真似事をすることにしたのか?
どうやら私が間違っていたようだな。
クリスマスの精神は、まだ失われていなかった。
彼は立ち上がります。
クラーク:大丈夫ですか?
サンタ:なに、大丈夫さ。(彼はバランスを失って屋根から落ちます)わお!
クラークは超スピードで建物の下に降り、サンタと酒瓶を受け止めます。
サンタはビンを受け取って通りを歩いていきます。
サンタ:ホー、ホー、すばらしい!!
クラーク:メリークリスマス。
手術室では、医師が手術指示をしています。
医師:左肺から空気を抜いたら、左気道を確保。
メリークリスマス、皆。
さあ、神に祈ろう。
奇跡を起こすんだ。
未来。
クラークは玄関のドアを開きます。
クラーク:パーティーは始まってますか。
ルーサーさん宅ですよね。
メリークリスマス、ラナ。
彼らは抱き会います。
ラナ:メリークリスマス、クラーク。
クラーク:レックス、メリークリスマス。
彼らは抱き会います。
レックス:メリークリスマス。
レックスとラナはリビングルームの中に入ります。
ジョナサンは彼らに近づきます。
ジョナサン:レックス、会いたかったよ。
ラナ、きれいになったな。
彼は彼女の頬にキスします。
ラナ:ありがとうございます。
ジョナサン:会費はいくらだね、私も参加したい。
ラナ:あと数週間でしょ、上院議員。
クロエ:やあ、レックス。
レックス:やあ。
クロエ:メリークリスマス。
彼らはキスをします。
マーサ:メリークリスマス、ラナ。
ラナ:ありがとうございます。
マーサ:レックスもよ。
彼女は彼にキスします。
クロエ:さあ、ラナ!パンチを飲みに行くわよ!
ジョナサン:(レックスに)あー、ここに来てくれないか。
(レックスを傍に引っ張り)
なあ、これを君に見せていてはいけないのかもしれないが、
上院議員の特権って言う事で。
ジョナサンが銀色の箱を開けると中には額が入っています。
「カンザス州人道主義者賞」
ジョナサン:レックス、こんな事を私が言うのもなんだが、
もし君が私の息子ならこんなに誇りに思う事はない。
レックス:ケント…ジョナサンさん、なんて言いか。
ジョナサン:皆に言おうじゃないか?さあ。
(部屋の皆に)皆さん、飲物をとってください。
さあ!グラスをとって、よく聞いて欲しい。
(彼はウェイターからシャンパンを受け取ります)ありがとう。
さて、あー、皆さん、
今年のカンザス州人道主義者賞は我々のレックス・ルーサーに授与される事となった。
私はこの賞を贈る、レックスに…素晴らしい青年に。
拍手が大きくなります。
皆:乾杯!
ポーチにレックスが立っているとリリアンが話しかけてきます。
レックス:こんな幸せな気持ちになれたのは生まれて初めてだ。
人生の中で最高の日だよ。ありがとう。
リリアン:終わらせる必要はないわ、レックス。
生きて聞く事はこんなにも素晴らしいものなの。
話したでしょ、これはあなたが持つことができた人生、
これから持つことができる人生だって、レックス。
レックス:こうなる事を望んでるよ。
俺は何をすればいいんだ?
リリアン:あなたは正しい選択をしなければならないわ、レックス。
あなたの野心ではない本当の心に聞いてみなさい。
レックス:何の選択ですか?母さんは何の話をしているんです?
クラーク:レックス、誰と話してるんだい?
レックス:誰も、独り言だ。
よく分からないが、今夜の事を考えていた。
クラーク:ああ、休日にはいつも君はそうだったな。
レックス:俺が立てた計画通りしていたら俺の人生はこうじゃなかった。
それにこんなに幸せなはずはなかった。
クラーク:レックス、君は幸せな素晴らしい人生を持つ理由があるんだ。
美しい奥さんと、素晴らしい息子、それに赤ちゃん。
レックス:俺はまだ信じられない、俺とラナが。
一体どうしてこんな風に?
クラーク:分からないな。
君が彼女に愛される男になったという事だろ。
レックス:お前の方がそうじゃなかったのか。
クラーク:レックス、僕ができなかった事を君は彼女にしてやれたんだ。
レックス:何をためらったんだ、クラーク?
お前は彼女を愛していたんだろ…彼女を。
クラーク:分からないよ。
僕にはまだ準備ができていなかったんだ、レックス。
僕にはできなかったんだろうな。
でも君がラナが一緒になれたことは嬉しいよ。
それに僕らは親友のままでいられたし。
レックス:ありがとう。
マーサは駆け寄ります。
マーサ:レックス、速く来て。ラナが。
現在。
手術中のレックス。
医師:吸入。
看護婦:吸入。
医師:そうだ、もっと沢山、もっと術野を広げて。
看護婦:すぐに。
02675、心室細動です。
医師:患者が死んでしまうぞ。
看護婦:カートを持ってきます。
医師:さあ、皆。しっかりするんだ!
未来。
レックスとラナの間に女の子が生まれ、レックスとラナと赤ん坊は分娩室にいます。
レックス:(ラナに)がんばったな。よくやった。
看護婦:メリークリスマス。
可愛い女の子ですよ。
彼女はレックスに赤ん坊を手渡します。
レックス:可愛いな。
クリスマスに素敵な贈り物だ、ラナ。ありがとう。
彼はラナの腕に赤ん坊を置きます。
ラナ:まあ、小さいわね。
(赤ちゃんに)ハイ、赤ちゃん。とても可愛いわ。
レックスとラナは微笑を交わします。
レックス:おい。
ラナの顔の表情は変わり苦しみだします。
レックス:ラナ。おい、大丈夫か?看護婦さん!
看護婦:感染症だわ。輸血をしないと。
彼女はラナから赤ん坊を離します。
レックス:何があったんだ?どうしたんだ?
看護婦:誰か、この人を部屋から出して。
レックス:ラナ!
彼は部屋から締め出されます。
看護婦:点滴を手で押して。すぐに彼女を手術室へ!
しばらく後、レックスが廊下でうろうろしていると看護婦が出てきます。
看護婦:ルーサーさん。
レックス:妻はどうなんだ?
看護婦:申し訳ありません、奥さんは出血多量で。
何とか手は尽くしているのですが…
レックス:できる事は何でもやってくれ。
ルーサーの屋敷。
ライオネルが書斎の机についています。
レックスが入ります。
レックス:親父、助けてくれ。
ライオネル:一体どうした。なぜクリスマスイブにここにきたんだ?
レックス:ラナが、親父。
輸血をしてるんだ、でも専門の医師に診せたい。
メトロポリスにいる外科医のデイビスクリニックに。
ライオネル:ああ、レックス。
それはお気の毒様だな。
レックス:分からないのか。
妻が死にかかっているんだ。
彼女を救うためにジェットヘリを貸してくれ。
ライオネル:お前の言う事は分かっているさ。
お前は7年前私に背を向けた。
なのにお前はためらいもなく私の助けが必要な今、私のドアをドンドン叩いていて、
一族の名において命乞いをするのか。
レックス:ラナの事を話しているんだ!
俺たちがいがみ合っているのは分かっている、
だが妻は…母親だ、親父の孫のな。
ライオネル:どうして私に孫がいるんだね?
私に息子はいないのに。
レックス:親父…親父なら彼女を救える!
ライオネル:いや、レックス。
私はそんな気はないぞ。
お前のとった全ての選択が、この瞬間の出来事を作ったとは思わんか?
7年前、お前が病院で上院選挙をジョナサン・ケントに譲り渡した事が発端だ。
私はこんな事が起きると警告したはずだ。
なのにお前は一族から離れた。
そのためにお前は金も妻を救うこともあきらめねばならなくなった。
あさましいな。レックス。
お前は自由に楽しく暮らすんだとルーサー家を飛び出したんだ。
帰りなさい、レックス。
彼女の元に。
ラナの病室。
レックスは彼女の傍らで手をとって座っています。
レックス:ラナ。あきらめるんじゃない。俺を残して行くな。
ラナ:レックス。
レックス:なんだ。
彼は彼女の頬にさわります、そして彼女は彼の顔にさわります。
ラナ:強く生きて、レックス。リリーとアレキサンダーのために。
レックス:ラナ、愛してる。
多分、いつも話してると思うが…俺の話を聞いくれ。
俺は、君を愛していたんだ、いつも愛していた。
ラナ:私もよ、レックス。
あなたは素敵な人だわ。決して変わらないでいて。
彼女の手が彼の肩から落ちます。
レックスが泣き始めると彼の肩に誰かの手がおかれます。
彼は振り向きます。
レックス:彼女に何をしたんだ?
どうしてこんな事に?
母さんは俺に幸せな人生を見せてくれていると思っていた!
リリアン:そうよ、レックス。その通りよ。
レックス:妻が死ぬ運命がか?
辛い人生がか?!
リリアン:いいえ、レックス…愛に満ちた人生よ。
レックス:愛?
俺が愛した者は皆死んだ。
最初はジュリアン、そして母さん、それにラナまで。
俺はそれを止めるために何もできなかった!
現在
日中。
レックスは病院のベッドで体を起こします。
そしてあえぎます。
ライオネル:レックス!息子よ!
レックス:ラナ!
ライオネル:私だ。
お前はメトロポリスにいるんだ、レックス、デイビスクリニックにな。
お前は撃たれたんだ、だがもう大丈夫だ。
デイリープラネット。
クロエはコンピュータにタイプしています。
サンタ:メリークリスマス、クロエ。
クロエ:サンタさん?
サンタ:望みは聞き入れられたよ。
クロエ:何の望みがですか?
サンタ:君の友達に会った、クラーク・ケントという青年にな。
君たちが何をしているか話してくれたよ。
君たちがクリスマスイブをあきらめた事をな。
ワシが君たちを手伝ってあげよう。
クロエ:あのー、街角でベルでも持って立ってた方がいいんじゃ?
サンタ:さあ、二人の手伝いをさせてくれないか。
少しはプレッシャーがやわらくぞ。
なにしろワシはこの仕事をよく知っているしな。
知っていたかね?
クロエ:知りません。
サンタ:チャンスをくれないか。
最悪の場合でも水鉄砲を持って帰るぐらいだ。
クロエ:まあ、今は猫の手も借りたいぐらいだから、
もしおじさんがサンタの衣装を着た浮浪者でも文句は言えないわね。
(彼女は机まで歩きます)
分かったわ、うーん、私は東部の西からやってきたんだけど、おじさんは…
彼女が振り返ると、サンタと全部のおもちゃがなくなっていました。
レックスの病室。
レックスはベッドに横になっています。
ライオネルが入ります。
ライオネル:レックス、私と話をしないかね?
どんな話でもいい、お前が話したくないならそれまで待つぞ。
レックス:そうだな。
俺には休養が必要だ。危険な手術を受けたんだ。
リトバック先生が、俺に手術中の生存の確率を話してくれたよ。
危険な賭けだとは思わなかったのか?
ライオネル:私が決断した事はそう見えるかもしれんな。
だがな、息子を助けるために手術を受けさせる事は、
私にとっては慎重な決定だっんだ。
レックス:だが親父の判断じゃないだろ?
医者の言う事を聞かなかった。
俺を助けたかったんじゃなく、息子が障害者になるのが嫌だっただけだ。
ライオネル:危険を冒した私を非難するのは分かる。
だが私は選択をしなければならなかった。
そして、お前は助かった、そして歩くことができるんだ。
お前にそのチャンスを与えなければならなかったんだ。
レックス:もし俺が元通りにならなかったらどうした?
どうやってその決断を正当化するんだ?
俺の命を左右する勇気があるのか?
ケント農場。
シェルビーがトレイからクッキーを食べています、そして、ジョナサンは犬を止めます。
ジョナサン:おい、おい、ダメだ! さあ、さあ。外に出ていろ。
マーサとラナはスナックを皆に出しています。
そしてクラークとクロエは部屋の隅で話しています。
クロエ:そして振り返ったらね、その太ったおじさんとおもちゃが全部消えてたんだ。
クラーク:そうなのか。同じ人かな?
酔ったサンタ?
僕が屋根の上で話した人?
クロエ:ええ、本当よ、クラーク。
疲れきっていてサンタだなんて思い描くまで時間がかかったわ、
でもちょっと目を離した隙に皆なくなっちゃうなんてそんな事できると思う?
多分、本物よ…
クラーク:そうだね。
クロエ:さあ、クラーク。チャンスよ。
マーサ:見て、皆!
雪が降ってるわ!
今日はホワイトクリスマスね!
皆は雪を見るために外に出ます。
クロエ:ああ、本当だ。
クラーク:メリークリスマス、ラナ。
ラナ:メリーファーストクリスマス、クラーク。
レックスの病室。
彼は窓越しに雪を見ています。
レックス:家庭訪問はしないんじゃなかったのか。
グリフ:場合によっては例外もあるさ。
レックス:ああ、そうか、グリフ。
俺たちルーサー一族はかなり頑丈でいい体をしているらしい。
グリフ:これがモルヒネの点滴じゃないと言い切れるか?
レックス:人間が臨死体験をするのは毎日じゃない。
それは本当だ、そして俺はずっと幸せに生きていきたいと思った。
幸せへの秘密は何だと思う?
権力と金の力だ。
一度でもその両方を持ったならば、全てを手に入れる事ができるんだ。
グリフ:それで私は何をすればいいんだ、レックス?
レックス:あの手榴弾のピンを引き抜くんだ。
そして探し出して、捏造し、ジョナサン・ケントを選挙から引きずりおろすんだ。
俺は上院議員になりたい、全てが欲しいんだ。
グリフ:了解した、メリークリスマス。
レックスが窓の外を見ていると、悲しそうな顔をしたリリアンがいました。
フェイドアウト。