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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン5.11LOCKDOWN(監禁)

レックスの屋敷。
日中。
レックスの書斎。
テーブルに落とされるスモールビル台帳のコピー。
見出しは「上院議員候補、顔を揃える」と書かれています。
その下にはレックスとジョナサンの写真があります。
レックスは腕を胸の前で組み真剣そうな顔で、ジョナサンは笑顔で手を振っている写真です。

レックス:これは選挙の一週間前に出すような見出しじゃない。

彼はテーブルから離れ側近を追い越し机の後ろに立ちます。

側近:[いら立って]誰でも完璧な者はいませんよ。
   何かいい手を考え直しましょう。
レックス:お前は一度もジョナサン・ケントに会ったことがないだろう。

書斎のドアが開きます。

声:ルーサーさん?

レックスが見上げると二人の男女の保安官を見ます。

フリン(男):[ホルスターの銃に手をかけ]
       ここからあなたを非難させます。
レックス:[机から回り込み]何があったんだ?
ハリス(女):爆破予告があったんです。
       この屋敷から退避を願います。
側近:[不安そうにレックスに顔を向け]爆破?
レックス:(怪しんで)警備員は何も言ってこなかったが。

レックス机の後ろに廻り受話器を取り上げ、保安官たちに背を向けます。
すると保安官たちは銃を取り出すと顔を見合わせレックスに対して銃を向けます。

側近:[両腕を上にあげ]あー、あー…レックス?

レックスは耳から受話器をはずし保安官に向き直ります。

フリン:[ハリスと一緒にレックスに近付きながら]
    いつもそんなに堅苦しい事をしているのか?
レックス:[穏やかに]お前たち、警察じゃないな。
フリン:[気味悪く]今はな。

レックスの側近は保安官にブリーフケースを投げつけて逃げます。
しかし彼らは体勢を戻すと側近の背中に数発を撃ちます。
レックスが机からリモコンを掴みボタンを押すと壁の隠し扉が開き、レックスはそこへ走ります。

フリン:奴を止めろ!

ハリスはレックスに向かって走ります。
しかしレックスはパニックルームの金属ドアの中に飛び込み間に合いませんでした。
ドアは閉まりハリスはドアに駆けつけますが外部にはハンドルも何もなく外からは開く術がありません。
ハリスはドアを開こうとしますが無駄です。
彼女はイライラしてドアを殴ります。
書斎にはフリンとハリスの二人だけになります。

レックスの声:お前らみたいな危険人物に備えてな、

二人の保安官は声がどこから流れてくるのかとあたりを見回します。
レックスは緑色の光に照らされて、マイクに話しかけます。
彼が話をすると頭上の小さなライトが沢山点き、狭いパニックルームの内部を照らします。

レックスの声:だがお前たちがどんな考えを持っているとしても…終わりだ。
フリン:もし外部と接続しようとしているなら、

レックスはパニックルームの机に座り、
保安カメラのスイッチを入れるといくつかのモニタに緑色の映像が映ります。

フリン:残念だったな。三十分前に回線は切っておいた。
    無線の妨害電波もな。
    ゲームは始まったばかりだ。
レックス:[マイクへ]何を望んでるんだ?
フリン:[書斎を見回し]ヒントをやろう。大きい物で金属だ…宇宙からやってきた。
レックス:[マイクに]何の話かさっぱりだ。

フリンは壁に飾られているマスクの口の中に赤いLEDランプを見つけます。
彼はそれに向かってゆっくりと歩くと、レックスのいるモニタの一つにアップで映ります。

フリン:[カメラにより近づき]そう言うだろうと思ったよ。

フリンはカメラに銃を向けます。
フリンの後ろにはハリスがいて、側近が倒れていました。

フリン:流星群と一緒にやってきたその宇宙船が欲しい。
    それともその部屋を棺おけにしたいか…ルーサー。

彼はマスクの口のカメラを撃ちます。
そしてパニックルームのモニタは緑色のノイズになり、レックスは後ろに退きます。
別のカメラのモニタを見るとそれもノイズを発し、もう一台のカメラも同じようになります。
机の上のコンピュータのモニタには接続不能のサインが表示されます。

ケント農場。
日中。
屋根裏でクラークとラナはソファーに座っています。
クラークは目の前の箱の上に置いてあるいくつかの書類を見ていました。

ラナ:ねえ、だからあなたが言った「一緒に勉強しよう」って…本当に勉強って意味だったの?
クラーク:えっ?

ラナはイライラしているようでもう一度は言いません。
すぐにクラークは書類に目を戻しました。

ラナ:キスして。

クラークは少し分からないといった顔つきで、
しかしラナに軽く唇が触れるくらいのキスをすると書類に戻ります。

ラナ:クラーク、私は従姉妹じゃないのよ?
   本気でキスして。

クラークはまだ分からないといった顔つきですが、もう一度キスをします。
今回は先ほどより長く、しかしすぐに離れます。

クラーク:行かないと、あの…授業に遅れるから。

すばやく立ち上がると階段のところへと行きます。

ラナ:[いら立って]ごめんなさい、そうだとは知らなかったわ。
クラーク:[階段の上で立ち止まり、言い訳しようとします]ラナ、あのさ…
ラナ:[彼に引き続いて]クラーク、何なの?
   キスの事?本気でキスしなかった事?
   あなたが本気じゃなかった事ぐらい分かるわ。
   どうしてなの?
クラーク:それはなんて言っていいか。
ラナ:そうなの。あなたは今それど頃じゃないのね。

ソファーから彼女はバッグを取り上げます。
クラークは悲しそうに見えます。
ラナは腹を立て、彼を超えて行きます。
彼は彼女の腕をつかみます。

クラーク:ラナ、待って…

ラナがバッグを落とすと、床の上にルーサー・コープのロゴの入った宇宙船の書類が落ちます。
ラナは心配そうな顔をします。
クラークは書類を拾います。

クラーク:これは何?
ラナ:なんでもないわ。
クラーク:レックスから手に入れたのか?
ラナ:随分前から一緒に…それを研究していたのよ。
クラーク:[間があり]どうして隠してたんだ?
ラナ:[腹を立て]どうしてって、クラーク…
   私が宇宙船の話をしようとすると、あなたはいつも話を逸らそうとするじゃない。
クラーク:[バツが悪そうに]僕はただ…その事についてあれこれ考える必要はないと思ってるんだ。
ラナ:私はその宇宙船から出てくるのを見たの。
   出てきた者が警官を全員殺すところを見たのよ。
   [間があり]そして私も死にかけたわ、
   それなのに、あれこれ考える必要はないって言うの?

クラークは悲しげに彼女を見ます、しかし返事をしません。

ラナ:
レックスが真実を見つけだそうとしたから、私はレックスに頼ったのよ…
   [彼女は彼から書類とバッグを取り]…これから目を逸らさないで。

ラナはクラークを超えて階段の下に行きます。
クラークは不安そうにそこに立ちつくします。

レックスの屋敷。
日中。
パニックルームでは一台のモニタに、フリンがレックスの側近の死体をドアから引っ張り出していました。
レックスはパニックルームからマイクで話しかけます。

レックス:宇宙船か?
     遊園地に行ってみたか?
     1ドルあれば乗ることができるぞ。
フリン:あんたが流星群の後にあそこから持っていったのを知ってるんだ、ルーサー。
レックス:[部屋の中を歩き回りながら]気でも狂ったように聞こえるぞ。
フリン:[腹を立て]これでも気が狂ってるって言うのか?
    彼が手を上げるとひどい火傷を負っていました。

レックスはモニタに接近し、口元からゆっくりとマイクを離します。

フリン:俺はあそこに行った保安官チームの一員だったんだ。
    俺は下敷きになったんだ…クルーザーの。
    半死半生だった。
    あんたが部下を引き連れてやってくるのを見ていた…
    あんたはまだ誰かが生きてるかどうかなんてお構いなしだった。
    [かなり腹を立て]あんたはただあの宇宙船を運ぶ事だけに集中してたんだ!
レックス:悪いが、何の話か一向に分からないな。

レックスはモニタの前に座ります。

フリン:あんたは政治家を目指してるんだろ、ルーサー。
    あんたは自分の口から出たウソを信じるような口振りだ。

レックスがリモコンを使い書斎のセキュリティカメラをパンさせると何かが映ります。

フリン:投票日にばらされてもいいのか?
    俺の知りたい事を教えろ。
レックス:[自信を持って]でなきゃ何だ?
     [セキュリティカメラはまだ動いています]
     この部屋はミサイル・サイロの事件の後に設計したものだ。
     この壁は核爆発に耐えることができる。
     決してここに入る事はできないぞ。
フリン:[穏やかに]そしてあんたも決して外に出られない。
    あんたの警備員たちは地下室で拘束されている。
    ワイヤレスシステムは完全にブロックしてある。
    助けを求める事はできないぞ。

レックスは壁にプラスチックでできた三角コーンのような物が見えるとセキュリティカメラをズームさせます。

レックス:[セキュリティカメラを停止させ]こう着状態か。
フリン:[そっけなく]まあな、その打開策を見つけないとな。

レックスは心配そうな顔をします。

ケント農場。
クラークとマーサは離れを通り過ぎます。
マーサはブーツをはいてバケツを運んでいます。
破壊された赤いトラックが後ろに見えます。

マーサ:[驚いて]ラナがレックスが調べている宇宙船の手伝いをしてるの?
クラーク:[不幸そうに]彼女はルーサー・コープの詳しい図面を持っていたよ。
     何週間も僕に嘘をついていたんだ。
マーサ:まあ…あなたも彼女に正直に話してないけどね、クラーク。
    たとえ真実でも、愛する人とは共有することができないものもあるわ。
    特にあなたが考えてるような事なら、傷つける事になるかもしれないし。

彼女はやましげに目をそらします。
クラークは気付きません。

クラーク:僕が力を失ったときはラナにウソを付く事はなくなったんだ。
     力を返してもらった今…僕にできるのは彼女に嘘をつくことだ。
     宇宙船の事だって、僕の事だって…
     [間があり、マーサを見つめ]全部彼女に話せたらと思うよ。
マーサ:そういう事を言うもんじゃないわ。
    ピートだって真実を知ったわ、
    それにクロエだって、ありのままのあなたを受け入れたじゃない。

彼らは歩くのをやめます。

クラーク:ああ…僕がエイリアンだってね。
マーサ:[一生懸命に]違うわ、あの子達は友達としてあなたを受け入れたの。
    あなたがどこで生まれたかにもかかわらず。
クラーク:僕はラナが同じように思ってくれるとは思えないんだ。
マーサ:それなら彼女はあなたと一緒になる運命じゃなかったんだわ。
クラーク:[まじめに]母さん、僕は他の誰かを愛するなんて想像できないよ。

車が接近してきて停まると、それはロイスでした。

ロイス:やあ、クラーク、ケントさん。

クラークは彼女を見てうれしそうじゃありません。
彼女はフォルダを手に車から降りてきます。

ロイス:二人とも将来を見てる?
    あー、上院議員の事よ?
    試練の時よ、億万長者の尻を蹴飛ばす時なの。
マーサ:彼なら家畜小屋にいると思うわ、ロイス。
ロイス:[朗らかな]聖者よね。投票者はそういったのが好きなの。
    [クラークがため息をつくと]そういう顔になるわよ、スキッピー。
    大丈夫?
    家族がそんな顔じゃ世間はよく見てくれないわよ。

彼女はクラークに肩をぶつけて歩き去ります。
クラークはいらだった顔で彼女を見て、再びため息をつきます。

クラーク:この選挙が終わるのが楽しみだよ。

マーサはうなずきます。

ケント納屋。
ジョナサンは馬をタオルで拭きながら電話を持って話しています。

ジョナサン:[電話に]いや、これは数や人口や予想じゃないんだ。
      皆にちゃんとした生活ができるようにする事だ。
      たとえ彼らが…銀行に金があってもだ。

間があり、彼はドアに向かって納屋を歩き出します。

ジョナサン:ああ、上院議員に立候補した一番の理由だ。
      そしてそれが勝つための事だ。
      [クスクス笑い]対抗者の…小切手帳なんか私は気にしていない。
      いいか、もしこれ以上のコメントが必要なら
      [納屋のドアのそばで待っているロイスの肩を軽く叩き通り越し過して]
      私のキャンペーンマネージャーに電話をするようにしてくれ、
      ロイス・レインだ、彼女が話してくれるだろう?
      ありがとう。

ジョナサンは電話を切り、ロイスに電話を渡すと彼らは納屋を出て行きます。

ロイス:インタビューがとても滑らかになってきましたね、ケントさん。
ジョナサン:[笑い]まあ、たくさん練習したからな、
      まるで耳に電話が張り付いているみたいだ。

彼らはケント家のトラックの前で止まります。

ロイス:[笑い]まあ、うまくやってますよ。
    あと少しですね、上院議員。
ジョナサン:まだ上院議員じゃないぞ。
      まだ勝ってもいないんだからな。

彼は箱からいくつかの道具を取り出します。

ロイス:まあ、終わればそうなりますよ。
    さあ、始めますか?

彼女は青いトラックへとジョナサンの後に従います。
彼は前のバンパーに乗ってエンジンを直し始めます。

ロイス:プリント広告にラジオ広告のスポットのチャンネル、
    高速道路で散らかった広告板、
    それと群がる人たちやテレビから投票日まで防ぐ釘。
ジョナサン:だんだん増えていっていないか?
ロイス:[笑い]そして私にお給料を。
ジョナサン:[うなずきと微笑とため息]ロイス、実は…できればいいんだが、
      経済的余裕があるのか?
ロイス:[ためらい]ああ、なんだ、細かい事は気にしてませんよ。
    あなたは握手したりキスする事に専念してください。
    [ ジョナサンがうなずくとロイスはポケットからPDAを取り出します]
    スケジュールの話をしましょう。
    今日から投票日まで
    [ジョナサンはスパナを取るために彼女の向こう側に寄りかかります]
    忙しくなりますよ。

ジョナサンはうなずいてスケジュールを見ながらエンジンにスパナを使います。

道路を走っている車(SUV)。
夜。
車はラナが運転していてヘッドホン型ハンズフリーで電話をしていました。

ラナ:[電話に]わか、分かってるわ。
   レックスがどのように感じてるか、でもどうしたらいいの、クロエ?
   私が隕石の話をすると黙っちゃうクラークみたいよ。
   [ラナの後ろに青いライトとサイレンが聞こえます]
   うっ、オーケー、すぐにかけ直すから待ってて、いいわね?

彼女はヘッドホンを外し車を停車させます。
彼女の後ろにはパトカーが停まっています。
保安官が降りてくると、ラナはバッグの中を見ていました。

ラナ:[保安官が窓に近づくと機嫌よく]申し訳ありません、保安官。
   少しスピードが出てしまって。

保安官はラナに銃を向けます。

ハリス:それはたいした事はないわ。ラングさん。

ラナは怖がっています。

レックスの屋敷。
夜。
パニックルーム。
レックスは疲れた感じで、目の上に手を置いて座っています。

ラナの声:何をするの ?!

ハリスは彼女を書斎に無理やり押し込みます。
パニックルームのモニタにはラナと二人の保安官が映っています。
ラナは怖がって呼吸が荒くなっています。
レックスは驚いてモニタを見上げます。

フリン:口を閉じていろ。

ラナの腕をつかみます。

レックス:[静かに]ラナ ?
     [マイクに激しく]彼女を離せ。
ラナ:[怖がって]レックス ?!
レックス:彼女を離せと言ったんだ。
フリン:さっき話したこう着状態のことを覚えているか、ルーサー?
ラナ:レックス、この人たちは何なの?
フリン:[皮肉に]そうだ、レックス、一体何の騒ぎなんだ?
レックス:ラナ…そいつらは宇宙船を探している。
ラナ:[落ち着いて]宇宙船って何のこと?
ハリス:[苛立って]お前らはバカか?!
    それがどこにあるか教えればいいだけなんだぞ!
レックス:彼女は何も知らない。
フリン:そうか、だがなそいつが落ちてきた時彼女はそこにいたんだ。

ラナのおびえた息遣いが聞こえます。
パニックルームのレックスは心配そうに見ています。

フリン:そして俺はお前たちが今まで一緒にこの事についてやってきている事を知っているんだ!
    さあ、言うんだ、さもなきゃ後悔する事になるぞ。

フリンはゆっくりと銃をラナの頭に向けます。
彼女は息を殺し恐れているとフリンは彼女に近づいて。

フリン:あんたは必要ないとさ…結局はな。

ラナは怖がって震えます。

パニックルームではレックスが一瞬顔に手を押し当てます。
モニタにはラナと保安官たちが映っています。
フリンはラナの頭にまだ銃を突きつけています。
レックスはパニックルームのドアの暗証番号を入力しドアを開けます。

ハリス:[銃を取り出し開いたドアに向けます]外に出なさい !

レックスはゆっくりとパニックルームから出てきます。

フリン:[間があり]調べろ。

レックスはハリスに向かって両腕を上げじっと立っています。
ハリスは銃を構えたまま近づくと彼の背後に回ります。

レックス:[平静に]心配するな、ラナ。
     こんな奴らに君を傷つけさせたりはしない。
フリン:[腹を立て]俺たちを止めることができると思っているのか、ルーサー?!

フリンとレックスがお互いにらみ合ったままでいると、
ラナが突然フリンの腕を引いて腹に膝蹴りをします。
レックスはハリスの銃を持つ手を激しく叩きつけ壁のほうに銃を落とさせます。
ラナがフリンの股間を蹴り上げると彼は崩れ落ちます。
レックスはハリスの顔に肘を叩き付け、彼女も床に倒しました。
レックスは彼女の銃をとります。
レックスが壁のプラスチックコーンを撃つとラナはパニックルームへと頭から滑り込みます。
フリンは回復して二度レックスに発砲します。
一発はパニックルームのドアフレームに当たり、もう一発はどこに当たったのか分かりません。
レックスはパニックルームに飛び込みドアを閉めます。
レックスはパニックルームの床に倒れていたラナの上に着地します。

レックス:[あえぎながら立ち上がるとラナを助け上げ]大丈夫か?怪我はないな?

レックスは彼女をかばいながら部屋の奥にあるベッドへと連れて行きます。
ラナはまだ息を切らしていました。

ラナ:ええ、大丈夫よ。
レックス:君に宇宙船の事を知る事は危険だと言っただろ。

彼は突然うなだれてラナに寄りかかります。

ラナ:[怖がって]レックス?

レックスはため息をついて、そして床に崩れ落ちベッドに寄りかかるような格好になります。
ラナは彼の横にしゃがみ込み。

ラナ:[怖がってあえいで]どうしたの、レックス…

素早く彼のシャツのボタンを外すと、レックスの右胸部に銃創がありました。

ラナ:どうしよう…

レックスは気を失い頭をベッドから落とします。
ラナは恐れで息を荒げていました。

タロン。
夜。
一階はジョナサンの上院キャンペーンのためのベースとして使用されています。
中はジョナサンのポスターと旗で飾られて何人かの人たちはケントと書かれた帽子を被って働いていました。
ロイスは歩き周り手にクリップボードを持ちながら電話をしています。
彼女はケントに票をというボタンをつけています。

ロイス:[電話に]ねえ、ボブ、あなたならうまくやれるって。
    ゴールデンタイムの貴重な30秒なのは分かってる、だからこうして…
スタッフ:[ロイスに近づき彼女に何かを見せます]
     これで行きますがいいですか?

ロイスはそれを見てうなずきます。

ロイス:[電話に]…正式にお願いしてるんじゃない。
    そしたらあなたをケントさんの上院議員選挙グループへ招待するから。

ジョナサンが出入り口に立っていてロイスを見つめます。

ロイス:[間があり笑顔で]
    あなたを助けてあげるから、ありがと、ボブ。

ロイスが電話を切るとジョナサンはドアフレームをノックします。
ロイスは目を上げジョナサンに微笑みます。

ジョナサン:何だって、ゴールデンアワーか。
      [部屋に入って来ます]
      少し費用がかかったんじゃないか?
ロイス:[目をそらして歩きます]ああ、女の武器を使ったの。
    ボブは私に夢中だったから。私の一部だけど…[自分の胸を見下ろし]
ジョナサン:[帽子掛けからケント帽子を取り出し]
      ちょっといいかな、君たちの素晴らしいレイン君を二、三分私に貸してくれないかな?
      少し休憩したどうだね…コーヒーでも飲んで。

スタッフは出て行きます。
ロイスは緊張しているように見えます。
ジョナサンは後の帽子掛けの上に帽子を戻します。

ロイス:[ジョナサンに近づき]うわーっ、レイン君だなんて…プロみたい。
ジョナサン:[微笑し]君は本当にここで申し分ない役割を果たしてくれているんだ、ロイス。
      君が最後の最後までPRをしてくれるのは…とても素晴らしい。
ロイス:[不安そうに頷き]ありがとうございます。

振り返ってジョナサンから離れるとコーヒーを飲みます。

ジョナサン:だがかなり費用がかかっているんじゃないのか?
ロイス:気にしないように言ったじゃないですか[普通にしようと]、私がカバーするって。
ジョナサン:ああ、だがこれは私の問題だ。
      私に金額を教えてくれなかければどうしようもないぞ、ロイス。
      それほど資金がないのに出費は多いんだ、
      [ロイスは下を向き]かなりな。
ロイス:[一瞬不安そうな顔になりすぐに微笑します]
    私はただ少しお力になれればと…
ジョナサン:ロイス。君の事は正当に評価している、本当だ。
      だが私の質問に答えてくれないか。
      金はどこから出てるんだ?
ロイス:[間があり]ライオネル・ルーサーです。

ジョナサンは一瞬の間彼女を見ます。
それから踵を返し出て行くと、ロイスは彼の後を追います。

ロイス:他に方法はなかったんです、運営するには。
    ライオネルが支援してくれなかったらキャンペーンは何週間も前にできなくなっていました。
     [一生懸命に]これは正当です。
    実際勝つチャンスがめぐってきたんですよ。
ジョナサン:[振り返って、腹を立て]悪魔に魂を売った代償は何だ?
ロイス:そういうわけじゃありません。
    彼は何も要求していません。
    これはレックスとの事ですから。

ジョナサンは再び背を向けて歩き出します。

ロイス:聞いて下さい。
    ライオネルはレックスが上院議員になるのを阻止するためにできる事は何でもしようとしています。
ジョナサン:[顔を上げ]ああ、それは間違いないだろう。
      だが君はライオネルを知らなさすぎる。
      奴はただでは誰にも与える事はしない、常に何か見返りを望んでいる。
      そして、私はそれを支払わなければならない。

彼はロイスを過ぎて部屋から歩きます。
彼女は不幸せそうにため息をつきます。

メトロポリス大学。
夜。
クロエは寮の部屋のベッドの上で目の前に広げた沢山の書類を見ています。
風を切る音が聞こえ突然書類が宙に舞うとクロエはかき集めます。

クロエ:[いら立って]クラーク!

クラークがクロエのベッドの隣りに立っていました。

クロエ:せめて宿題を巻き上げさせないでくれない?!
クラーク:ごめん。[気をとられたように座ります]
クロエ:[間があり]いいわ…それで何があったの…
    [彼女は書類をまとめて下に置きます]…サリバン嬢のアドバイスコラムの開設よ。
クラーク:ラナと別のけんかをして。
クロエ:知ってるわ。彼女、すぐに電話をしてきたから。
クラーク:何て言ってた?
クロエ:見出しはこうね…「宇宙船、常に話題を変えるボーイフレンド、みんなの大好きな悪党に頼った」
クラーク:[力強く]いつからレックスと一緒に?
クロエ:知らないわ。
    今回初めてこの話を聞いたんだもん。
クラーク:[立ち上がってクロエの脇に腰掛けます]
     [早口で]次に電話してきた時、その事を聞いておいて欲しい。。
クロエ:私にラナの秘密に調べろって言うの?
クラーク:これはとっても重要なことなんだ。
クロエ:分かってるけど、クラークも友達だけどラナもそうなの。
    間に入った私はどうすればいいのよ。

失望した顔つきのクラーク。
クラークが答えようと思った時クロエの電話が鳴り出します。
彼女は電話に出ようとすると、彼女の後ろにクラークは立ち上ます。

クラーク:ラナからじゃないか?
クロエ:[電話に]もしもし?[間があり]ええ、クロエ・サリバンです。
    [ショックを受け]どこですか?いいえ、いいえ、彼女…彼女は寮に戻っていません。
    [間があり]ええ、分かりました、ありがとうございます。
    [心配そうに電話を切り]
クラーク:何があったんだ?
クロエ:あー…それは…スモールビル保安部からよ。
クラーク:何か悪いこと?
クロエ:道路の側にラナの車が乗り捨てられているのを見つけたんだって。

クラークは心配そうな顔をします。

ラナの車が乗り捨てられていた道路。
その周りにはライトを回したパトカーとトラフィックコーンがあります。
警察無線は鳴り、アダムス保安官は部下に色々指示を出していました。

アダムス:それじゃ周囲検索を始めて。そのフィールドに何かを見つかるかもしれないわ。

部下は去り、クラークのヒューッという超スピードの音が聞こえます。

クラーク:[アダムスに近づきながら]保安官!
アダムス:[驚いて]ケント君、空から落ちてきたの?
クラーク:ラナはどこですか?
アダムス:それを探しているのよ。
     あなたが彼女に最後に会ったのはいつ?
クラーク:2時間前です…ケンカしちゃって。
アダムス:まあ、普通の恋人同士ならそんなものよ、ケント君。
     分かったわ、ラングさんを見つけたらあなたと話すように言っておくから。
     [彼女はラナの車の周りに歩きます]
     彼女のハンドバッグを見つけたの、中身は盗られてないわ、車もね。
     もしこれが身代金目的の誘拐だとしても、争った後がないのよ。

アダムスが車の反対側に回ると、クラークはホイールを凝視します。

アダムス:それは彼女が犯人を知っていたか、あるいは油断していたことを示唆してるわ。

クラークはホイールをX線ビジョンで透視すると、光る小さな正方形の装置を見つけます。
彼はそれを引き抜いて見つめます。

アダムス:どちらにしても、何か分かるまで現場は現状維持よ。
     何か質問は?
クラーク:保安官!

アダムスは戻って来て驚いて装置を見ます。

クラーク:それはGPSですよ。
アダムス:[それをとり]誰かが彼女をつけていたのね。
     [装置を見ながら]どこにあったの??どうやってこれを見つけたの?!
クラーク:[不安そうに]ただの直感です。
アダムス:あなたはいつもそうね。
     前にも言った事があるけど、あなたみたいな力がある人を使った事があるわ。
     [笑って]ここにシリアルナンバーがあるわね…511GK

彼女が彼から顔をそむけるとすぐにクラークは超スピードで走り去ります。

アダムス:これは多分…

顔を上げるとクラークがいなくなって驚いていました。

部下:保安官!ルーサー宅で、サイレントアラームを傍受しました。
   ハリスが確認しています。
アダムス:[無線で]ハリス!状況は?
ハリス:[屋敷の廊下を歩きながら彼女は無線で話します]
    何でもないようです、保安官。誤報のようです。
アダムス:[部下に]そう、あなたは周囲を捜索し続けて、
     あなたは手が空いてるようね、私を連れて行って。

アダムスはパトカーに行って乗り込みます。

レックスの屋敷。
夜。
フリンがセキュリティカメラの一つを覗くとパニックルームのモニタにはフリンの顔がアップで映し出されます。

フリン:そこは寒くないか?
    エアコンをいじったからな。

レックスはベッドに頭を乗せ床に横たわっています。
そしてベッドの後ろの棚からプラスチックの箱を取り出すラナ。

フリン:後三十分で30度を越えるぞ…ミディアムレアになる前に降参した方がいいぞ。

ラナは箱からガーゼを取り出しレックスの腕をどけて銃創にガーゼを当てます。
フリンはカメラから遠ざかります。

フリン:ところで…銃弾の味はどうだった?
    当たった感触があったが。
ラナ:[せわしなく]停まらないわ。
レックス:[ゆっくりと聞きにくい声で]
     大丈夫だ…すぐにやってくる。
ラナは箱から枕をだして彼の頭の下に置きます。

ラナ:誰が?
レックス:警察だ。[弱く]奴は妨害電波を使っていた。
ラナ:あなたが撃ったものね。
レックス:もし博覧会にいったら、君のためにキリンの縫ぐるみを取ってやったのにな。
    [弱く笑って、咳をします]
ラナ:私を守ろうとして撃たれたなんて。

彼女はレックスの傷口を確認し、すぐにまた傷を抑えます。

レックス:俺はただパニックルームに…
ラナ:分かってるわ、レックス。
   [心から]ありがとう。

レックスは一瞬の間、彼女を見ます。
それからため息をついて彼女の肩に手を置きます。

レックス:ラナ…すまなかった、こんな事に巻き込んで。
ラナ:どうして宇宙船のありかを言わなかったの?
   あなたの命には代えられないわ。
レックス:本当の事を話すわけにはいかない…そうなれば奴らは二人とも殺す。

アダムス:ルーサーさん?

モニタの一つに廊下を歩いているアダムスが映ってます。
彼女は立ち止まってセキュリティカメラを見上げます。

ラナ:[両手をレックスの胸の上のガーゼに抑えつけ]私はチャンスがあると思うわ。

アダムスはあたりを見回しセキュリティカメラの視界から消えます。
レックスの苦しい呼吸が聞こえます。

ハリスが書斎を出ると廊下でアダムスに会います。

ハリス:[陽気に]保安官、ここに何をしに?
アダムス:[皮肉ぽく]散歩だと…思ってるの?
ハリス:私は誤報だと言ったはずですが。
アダムス:億万長者の屋敷から発せられたのよ、しかも上院議員の立候補者でもあるわ。
     もしルーサーが当選すれば、私はそうなって欲しくないけど、
     彼が私たちのバックにつく事になるのよ。
     彼は今どこにいるの?

アダムスが歩きだそうとするとハリスは邪魔をします。

ハリス:外、だと思います…
アダムス:[怒ったように]外?!
     あなたは屋敷の者に警報の事を話しもしなかったの。
     ハリス、今はふざけてる場合じゃないのよ!

ハリスを通り越して行きます。

ハリス:保安官…![彼女の後を追い]

アダムスが書斎に入いると床の上にレックスの側近の死体を見つけます。
彼女は素早く銃を取り出すと部屋の中に入ります。

アダムス:[混乱して]フリン?

フリンは銃を取り出してアダムスに向けます。
発砲音の後に床に倒れる音が聞こえます。
パニックルームのモニタ上にはアダムスが側近の死体の傍で倒れているのが映ります。
レックスはアダムスが撃たれたことを悟り、長いため息と共に枕に頭を沈めます。
書斎ではアダムスは銃を落として、ゆっくりジャケットのチャックを下ろします。、
彼女の胸の真ん中には銃弾の血痕が広がっていました。

アダムス:[少し笑います]…お母さん。

アダムスは床に倒れると、その後ろではハリスが煙の出ている銃を構えたまま立っていました。
フリンは驚いてハリスを凝視します。
パニックルームのモニタにはハリスが銃をアダムスに向けたまま近づいていくのが映っています。
ラナは顔を挙げモニタを見ると息を飲み込み怖がります。

デイリープラネット。
ヘリコプターが飛び回り、サイレンが響き渡っています。

クラークはすごいスピードでスクロールしているコンピュータの前に座っています。

クラーク:[イライラしていて、繰り返してキーを打ち]どうしてこんなにかかるんだ?
クロエ:[何枚かの書類を手に机に来ます]
    サーバーのファイアウォールと暗号化プロトコルを通過させると時間がかかるんだ。
    ごめんね、クラーク、私には超スピードモードがなくて。
    [書類を下に置いてクラークの手をとり、椅子から彼を引っ張ります]
    ここをこうして。
    [モニタを見ながらいくつかのキーを打つと、電子音が鳴りクロエは嬉しそうな声を出します]
    でもね私はあなたが今までに会った事のあるブロンドよりいいわよ。
    [コンピュータの前に座り]
    OK、それで…あなたが見つけたGPSのシリアルナンバーを売ったのは…グレゴリー・フリンね。
クラーク:彼の情報は?
クロエ:まあ、ちょっと待ってて。

クロエがタイプすると再びモニタは急速にスクロールしだします。
クロエは後ろの机に座っているクラークに振り向きます。

クロエ:クラーク、ラナは大丈夫よ。
    [クラークは少しうなずいて微笑します]あなたがいるんだから?
    [クラークが少し不安そうにしていると電子音が聞こえます]
     ああ、あったわ. フリン・グレゴリーR。

モニタにはフリンの写真と略歴が表示されています。
クラークはそれを見て眉を上げます。

クラーク:スモールビル保安官の士官だ。
クロエ:ええ、2カ月前まではね…
    彼は流星群で所属していた部隊が壊滅したため、心を病み精神科にかかった。
    [彼女とクラークはこれを読み]クラーク、宇宙船が着陸したとき彼はそこにいたんだわ。
クラーク:ああ…クリプトン星人が皆を殺したんだ。
クロエ:でも…フリンは生き残った。
    そうだわ、見てるのよ、つまり…あなたの周りの人たちを…
    [立ち上がって]その精神科のところに行きましょ。    
クラーク:[彼女に続いて]なぜラナを誘拐したんだ?
クロエ:分からないわ、でも彼女もそこにいたわ…
    彼の精密検査の結果を手に入れる事ができれば、彼の考えが分かるかもしれないわ。
クラーク:そうだな

彼らはドアを出て階段を駆け下ります。

ケント納屋。
ジョナサンは木を切っています。
そしてマーサは見守っています。
ジョナサン 腹を立てながら丸太に斧を振り下ろします、しかし割れませんでした。

ジョナサン:ロイスが蔭でライオネルから金を受け取ってるなんて信じるられん。
      彼女はあの男がどういった奴なのか分かってないんだ。

斧を研ぐために納屋に入ります、マーサは後に続きます。

マーサ:それは彼女のせいじゃないわ。
ジョナサン:マーサ…彼女をかばってどうするんだ。

斧を研ぎ始めるとうるさい騒音が響きます。

マーサ:[騒音に負けまいと大きな声で]私がライオネルからお金を受け取ったの。
ジョナサン:[機械を止めて、驚いた顔でマーサを見つめます]
      …どうしてそんな事を?
マーサ:それはあなたのためを思ってよ、ジョナサン。
    本当のわけ隔てない世界を作るために…私たちの子にするのと同じように。

ジョナサンは頭を振って歩き去ります。

マーサ:[彼の後を追い]あなたを本当に愛してるの。
    私はレックスがあなたより資金があるからといって、そのチャンスをつぶしたくないのよ!
ジョナサン:[腹を立て]私が約束したのは一般市民であって、
      もし勝ててもそれは市民の声だ。
      その金を受け取ったいじょう、ウソをついた事に代わりはない。
      [丸太に激しく斧を叩き付け]他の政治家と変わらない。
マーサ:あなたは本当に農協とロータリークラブとあなたに寄付をしてくれた皆がそう思うと思っているの?
ジョナサン:[いら立って]マーサ、彼らは何でも聞いてくるんだ。
      たとえどんなに寄付をしてくれたとしても、
      私のした事を信じてはもらえない。
マーサ:それじゃライオネルとどこが違うって言うの?
ジョナサン:[落ち着いて]マーサ、同じじゃないのは君がよく知っているだろ。
マーサ:私がわかるのは黒白はっきりさせる事よ、特に政治でね。
    もしあなたがこの選挙に勝ったなら、
    絶望に打ちひしがれている沢山の人たちを助けることができるわ。
    お願い、プライドは捨てて。

彼女はため息をついて歩き去ります。
ジョナサンは考え込んでいます。

パニックルーム。
レックスはまだベッドに頭を乗せ床に横たわっています。
彼の傷口のガーゼは血で染まっています。
そして彼の呼吸は荒く苦しそうです。
ラナはモニタのそばに立っています。
書斎ではフリンとハリスが会話をしていました。
モニタではフリンが書斎の中を歩き回っています。
ラナはおそるおそる彼を見つめています。
彼女はジャケットを脱いで汗をかいています。

ハリス:もっと多くの人間がこのためにどれぐらい命を捧げたと思ってるの?
フリン:そうだな。
    ルーサーはあそこにいたんではこれ以上あまり長く持ちこたえることはできない。
    もしドアを開けないなら、出血死するだけだ。
ラナ:ねえ、レックス!ねえ、ねえってば。

彼女は彼のところに走って彼の隣りにかがみます。
ラナがレックスの枕を調整するとレックスはうめきます。

ラナ:ショック状態ね。
   意識をしっかり持って、じゃないと死んでしまうわ。
レックス:[息を荒げ、非常に弱く]そうだな…
ラナ:[急いで]オーケー、ねえ…私に何かを話して。
レックス:[咳とため息]何を…?
ラナ:うーん、何でもいいわ…ただ話し続けて、いいわね?

彼の傍に座り彼の手を握ります。

レックス:[少し強く]俺に髪の毛があった方がいいと思うか?
ラナ:[静かに笑い]うーん…分からないわ。考えた事もない。
レックス:俺はある…いつもその事を考えていた。
     [息が詰まります。ラナは心配そうに覗き込みます]
     クラークは本当にいい髪の毛を持っているな。
ラナ:[涙ぐんで]ええ、そうね。
レックス:…彼は知っているのか?
ラナ:彼が素晴らしい髪を持っていること?
レックス:[頭を振り]…なんて幸せなやつだ。

彼らはお互いを見つめます。

レックス:[急に彼女の腕に手を置きます]
     俺は一度夢を見たんだ、ラナ…ちょうどこんな風になった時に。
     [ラナは彼の頬に手を置きます]それは…クリスマスだった…クラークと俺はまた友達だった。
ラナ:[涙ぐんで無理して笑顔を作り]それは本当にいい話ね。[彼の手を持って]
レックス:君も俺の夢に出てきた。
ラナ:私が?
レックス:[ゆっくりと彼女の顔に触れようとし]君は…俺のパートナーだった。
ラナ:[レックス腕が下に落ちると涙ぐんで]
   レックス…レックス、ここからあなたを出さないと、ねっ?
   あの人たちが欲しがっている物を渡して。
レックス:[ぼーっと焦点があわずに]どこにあるのか言えない…
ラナ:もし死んでしまったら宇宙船なんか何の役にもたたないのよ!
レックス:言えないんだ、正直俺にもどこにあるのか分からない。
ラナ:[信じられずに]…何ですって?
レックス:…あの場所に置いてあったのに…セキュリティカメラが映らなくなった直後に消えた…
     [ラナは手を顔に押し当てて目をそらします]悪いな。
ラナ:[腹を立て]いつから分かっていたの?
レックス:…二、三週間前からだ。
ラナ:[腹を立て涙ぐみ]レックス…どうして私にウソをつき続けたの?
レックス:どう説明していいか分からなかったからだ、ラナ。
     君も…俺も…あの流星群の被害を受けた者同士…
     あの宇宙船がその謎を解く鍵だった。
     俺はもう一度探そうとしたんだ、君に話す前に。

彼の腕は脇に落ちます。

ラナ:レックス?
レックス:[ささやき]正直に言えばよかった…

彼の目は閉じ、頭を力なく傾けます。

ラナ:[パニックになり彼の顔に手を置き]
   レックス? レックス? どうして…レックス、レックス、お願い…目を開けて!
   レックス…お願いよ…

レックスは返答しません。
ラナは立ち上がります。

ラナ:神様…

ラナはドアに走ってコードを入力し、ドアを開けます。
パニックルームから書斎に出たラナなの上着はレックスの血で染まっていました。
彼女はドアの近くで立っていたフリンを通り越しハリスの前で停まります。
ハリスはラナに対して銃を向けていました。

ラナ:[決然とした態度で]宇宙船のありかを教えるわ。
   でも最初にレックスを助けて、彼は重症よ。


ハリスがフリンを見ると、彼は銃を取り出しパニックルームに入ります。
中を覗くとレックスが気を失って倒れているのを見つけます。
彼は銃を持ったままラナのところに戻ります。

フリン:[平静に]もうだめだ。
ラナ:[怒り]助けるのが先よ、じゃなきゃ教えないわ、取引よ。
フリン:じゃあこうしようじゃないか。
    俺を宇宙船の場所に連れて行け、
    [レックスはパニックルームで目を開けます]
    そしたら連絡する。
レックス:[聞きづらい声で]ラナ、よせ…

ラナはパニックルームのドアを見ますが返事も動きもしません。

ラナ:[フリンに]分かったわ。

フリンは銃で彼女に前を歩くように合図します。
ラナの後ろには銃を構えたままのハリスが従い書斎から出て行きました。
パニックルームのレックスは汗まみれで、呼吸が荒くなっています。

スモールビル医療センター。
夜。
受付の精神科のプレートの前に座っている警備員。
その脇の廊下をクリップボードを持っている医者が通り過ぎます。
医師はドアのガラス窓から覗いているクロエとクラークを通り過ぎます。

クロエ:[不安そうに]OK、クラーク、これから私たちがしようとしている事。
    あなたはここで待ってて。
    私は裏を回るわ、もしパスワードが手に入ったらここを通り抜けて入る事ができるわ。

精神課の警備員を指し示します。

クラーク:僕がやるよ。

クラークは超スピードで消えるとすぐにクロエの後ろに戻ってきます。

クロエ:[混乱し]何をしたの…?

警備員のいる外に泡立つ缶ビールがおいてあります。

クロエ:[笑い]お酒!

警備員は立ち上がってドアが出て行くと、クロエとクラークは警備員から死角に入ります。

クロエ:やるじゃない。[クラークの肩を軽くたたきながら]いいわ。

クロエとクラークは用心深く警備員が出て行った精神科の表示のあるドアを通って廊下を歩きます。


コンピュータモニタには精神科と示しています。
ビデオ映像にはフリンが椅子に座り、左腕を吊っていました。
彼の前には精神科医が座っており、その脇に看護士が立っています。

フリン:[いら立って]俺は頭がおかしいわけじゃない。
精神科医:誰もそんな事は言ってないだろ。
フリン:[ジェスチャーで表現しながら]どうして信じないんだ?
    俺は見たんだ、宇宙船が流星群と一緒に落ちてきたのを。
    そこから出てきたのも見た。
精神科医:[間があり]グレゴリー…
フリン:あれは…奴らの目から熱ビームが出たんだ。
    [クロエはクラークをちらっと見ます]
    奴らはそれで車…それにヘリコプターを撃った。
    俺は下敷きになった。
    何かが燃えている匂いがした、俺自身だった。
    俺は燃えていたんだ、だが悲鳴は上げなかった。
    声を上げれば奴らが俺を見つけるから。

精神科医はフリンに傾きます。

精神科医:誰がだね?

フリン:宇宙船から降りてきた奴らだ。
    みんなを皆殺しにした。
    その中に女の子がいたが、彼女は逃げた。

クラーク:ラナだ。

精神科医:
なあ、グレゴリー、我々は調べてみたんだが、宇宙船はなかった。
     君のチームは隕石によって死んだんだ。
フリン:[激怒して叫び]だから俺を信じろって言ってるんだ!
    俺は奴が宇宙船を持っていくのを見たんだ。
    [立ち上がって]俺は狂ってなんかいないんだ!
    [二人の看護士がフリンを押さえ椅子へ戻します]
    レックス・ルーサーに聞いてみろ!奴は真実を知っている!奴が宇宙船を持ってるんだ!

クロエ:
[ビデオを中断し]レックスね。
    [クラークは超スピードで走り去ります]
    クラーク、調べないと。
    [クラークがいなくなっている事に気づき]
    もう、私にもあれができたらいいのに。

レックスの書斎のドアに超スピードでやってきたクラーク。
彼は一瞬入り口で立ち止まります。

クラーク:保安官 ?

床の上のアダムス保安官の死体に近づきます。
レックスの側近の死体も彼女のすぐ後ろにあります。
クラークは彼女のジャケットをまくると銃弾の痕を見ます。
一瞬の彼は目を閉じます。
彼はパニックルームに目を向け近づきます。
床に気を失った血まみれのレックスを見つけます。
彼の周りには血まみれのガーゼが散らばっていました。

クラーク:レックス !
     [近づき彼の脇にしゃがみこみ]
     レックス?

レックスは目を開けません。

古い倉庫。
前にはいくつかの古い機械があり、列車が倉庫の奥のレールにあります。
ラナとフリンとハリスがやってきます。
大きな金属板のロールとオイルの入ったドラム缶、そしてトレーラーがあります。

ラナ:[腹を立て]いいでしょ、連れてきたんだから。
   電話して、レックスを助けて。
フリン:宇宙船を見た後だ。
ラナ:どうしようっていうの?
   中に入って飛んで行くっていうの?入る方法はないわよ。
ハリス:そんな事しないわ。
ラナ:[フリンの持っている金属製のブリーフケースを見て]
   宇宙船に乗るんじゃなくて、壊したいのね。
フリン:あれは外宇宙から来たものだ。
    C4ぐらいじゃへこみさえしないだろうな。
ハリス:でも大きな騒ぎにはなるわ。
フリン:[笑い]警察、消防、ニュース記者たちがすぐにやってくる。
ラナ:そして皆が宇宙船を目撃する。
フリン:俺たちのようにな。
    俺たちの違いは、お前らは黙っていた、俺は真実を話した。
ハリス:[腹を立て]そして彼を精神病院に送った!
    そして私は会うことさえできなかった、フィアンセなのに!
フリン:多くの被害者が出る前に、皆にこの宇宙船の事を警告する必要があるんだ。
    それはしなくてはいけないことなんだ。
ラナ:[怒ってため息をつき]アダムス保安官に話したらいいじゃない。

彼らは金属のドアを通り抜けます。
フリンはじっと立ち尽くし一瞬の間凝視します。
倉庫の中には何もありませんでした。
そこにあったのは積み重ねられた金属パイプだけ、宇宙船はありません。
フリンは部屋の中に一二歩踏み出すと立ち止まります。

フリン:[叫び]どこにあるんだ?
ラナ:[怖がって]知らないわ。前にはここにあったのよ、誓うわ。
フリン:[腹を立て]ウソをつくな。

ラナに銃を突きつけます。

ラナは一瞬たじろぎますが脇にいたハリスのネクタイを引っ張り、
鉄パイプの乗ったトレーラーに投げつけ顔に肘撃ちします。
ハリスがラナを地面に倒した時、鉄パイプがフリンに倒れかかります。
フリンは持っていたブリーフケースを落とします。
勢いよく開いたケースにはタイマーがついていて1分からカウントダウンしはじめました。
鉄パイプがフリンに落ちてくるとラナは地面を転がって逃げます。
ハリスはラナに向かって銃を引き抜きます。
ラナはハリスの銃を持った手を叩き落し、腹を殴り、次に顔を裏拳で殴ります。
ハリスは回復してラナなの腹を二度蹴ります。
ラナはゆっくりと傾き倒れます。
ラナは気を失ったようです。
ハリスは一瞬のラナに見下ろします。
フリンが痛みに声を上げると彼女はフリンに駆け寄ります。

スモールビル医療センター。
レックスのベッドの脇にクラークがかがみ込んでいます。
レックスは酸素マスクをつけています。

クラーク:レックス? レックス! ラナはどこだ?!
救急救命士:この人は絶対安静です!
クラーク:[急いで]彼女がどこにいるか教えるんだ。
レックス:[口から酸素マスクを取り]倉庫だ15番の…

クラークは病室を去ります。
看護師と医者が沢山いる廊下で立ち止まると一瞬ためらい超スピードで走ります。

倉庫では爆弾のタイマーがあと35秒となっています。
フリンは鉄パイプの上に横たわっています。
別のパイプが彼の上にあり彼はもがいていました。

ハリス:グレッグ!
フリン:[痛がり]あの…ケースを!
    [彼はハリスの助けでパイプの下から出ます]
    あのケースを !
ハリス:[パイプを落とし]何 ? !
フリン:ケースだ!
ハリス:[開いているブリーフケースを見て作動している事を悟り]
    あっ…![それに走ります、タイマーはあと25秒です] グレッグ!

フリンはブリーフケースを掴みタイマーを解除しようとします。

ハリス:グレッグ…
フリン:よし。
ハリス:[急いで]ダメよ、ダメ、グレッグ、二人でここを出るのよ。
フリン:[キーパッドの緊急のボタンを押し]停まれ!

タイマーは残り19秒。

ハリス:グレッグ!ここから出ないと!

フリンは慎重にケースを置くとドアへと走ります。
ラナはまだ気を失っています。

ハリス:早く!

ハリスとフリンは倉庫から走り去ります。
クラークは超スピードで倉庫にやってきます。
クラークは15番倉庫につくとX線ビジョンを使い中を透視します。
中にラナとブリーフケースを見つけます。
彼が超スピードで中に入ると爆発が彼を追いかけてきます。
それは彼の後ろで二手に分かれ、クラークは気を失ったラナの上に覆いかぶさります。
そして倉庫が爆発によってばらばらに引き裂かれるとき、彼女を連れて超スピードで外にでます。
そしてフリンは爆風に巻き込まれ地面に転がりまわり、ハリスは彼の近くで倒れていました。
爆風が収まるとクラークはラナを腕に抱え地上にひざまずいていました。
二人とも煤けクラークのジャケットは焦げています。
ラナの頭を彼の肩にもたれています。

クラーク:ラナ?
ラナ:[混乱し]クラーク…?何が…あったの?
クラーク:[ためらい]分からない。
     レックスが君はここだって教えてくれたんだ。
     僕がついたときには君はここで倒れてた。
ラナ:…そんな。
クラーク:生きているんだよ。よかったじゃないか。

燃えている倉庫。
フリンはパトカーに連衡されています。
救命救急士に状態を診られるラナ。
その後ろではトラックが燃えています。
パトカーと人が集まってきています。

フリン:[叫び]彼女は宇宙船がどこにあるか知っている!
    嘘をつくな! 彼女はルーサーと一緒に調べてたんだ、彼女が全てを知っているんだ!

保安官代理は彼のジャケットを捕まえパトカーに押し込みます。
それを見ていたクラークはラナに目を戻します。

救命救急士:奇跡だな。

彼は歩き去ります。
そしてクラークはラナの前に立ちます。

クラーク:気分は?
ラナ:[微笑んで]大丈夫よ…かなりボロボロになっちゃったけど。
クラーク:[頭を振り]レックスが君をこんな危険に晒すなんて思わなかったよ。
ラナ:[疲れたように]クラーク…
クラーク:ラナ、彼はあの倉庫に宇宙船がないことを知っていたんだ。
ラナ:クラーク、彼の考えじゃないの。私が勝手にやった事なの。
クラーク:君が?
ラナ:レックスを助けるにはこれしか方法がなかった。
クラーク:[信じられずに]…レックスのために命を投げ出したのか?
ラナ:私が屋敷に行った時も、彼は私のために同じことをしたわ。
   クラーク、もし彼がいなかったら私は死んでいたの。
   [間があり]レックスは私の命を救ってくれたのよ。

クラークは眉をひそめ目をそらします。

ケント農場。
日中。
テレビにはケントキャンペーンが映っています。
ジョナサンはスーツを身につけほほ笑んで会場の皆に手を振っています。
画面の下には「ケントに一票を」と表示されています。

アナウンサー:皆さん。正直で働き者の男、そして家族の責任をもつ。

ケント家のキッチンからリビングルームへロイスがやってくると、
テレビではケントポスターを振り回す群衆に切り変わります。
ジョナサンとマーサはキャンペーンを見るのを我慢していました。

アナウンサー:ジョナサン・ケント…

ロイス:どう思います?
ジョナサン:まあ…[マーサに]思うに、旗が多すぎると思わないか?
マーサ:何もアメリカが星とストライプが好きだとはいってないわ。
ロイス:ジョナサン・ケントの名前を除いてはね。
    [ジョナサンにマグを手渡します]申し訳ありませんでした。
    あなたの意見も聞かずに勝手にライオネルの寄付を受け入れたこと。
    [ジョナサンはマーサを見ます]
    私が間違っていました…
マーサ:ロイス…
ロイス:…こんな事すべきじゃなかったんです。
マーサ:ロイス。もう知られちゃったわ。
ロイス:そうなんですか?
マーサ:[うなずき]ええ。
ジョナサン:聞いたよ。マーサが自分が承諾したんだと教えてくれた…
      私が君に怒鳴った事も、事実だが。
ロイス:でもそれを使う決定をしたのは私ですから。
    私はあなたが素晴らしい上院議員になって欲しいんです。
    ケントさん…現実は難しいんです、
    ライオネルの寄付金なしでは勝つチャンスがありません。
ジョナサン:違うぞ、ロイス。
      現実が難しいのは、それを受け入れた事によって私はテレビに出た男とは違うんだ。
      [マーサへ振り返り]君と結婚した男でもない。
      [間があり]それは、私は借りた金は全てライオネル・ルーサーに返すと決めたんだ。

マーサは少し目をきょろきょろさせます。

ロイス:どうやってです?使ってしまったのに。

ジョナサンは小切手をポケットから取り出してマーサに渡します。
彼女は驚いて小切手からジョナサンに目を移します。

ジョナサン:[間があり、窓の外を見て]今朝、休耕地を売ったんだ。
マーサ:[驚き]ジョナサン…その土地は何世代もの間一族のものだったんでしょ。
ジョナサン:[クスクス笑って]ああ、決して売らないと思っていた、
      [ため息]だが何年か前から売ろうと考えていたんだ、
      私はあまりにもプライドにこだわりすぎた。
      悪かった。
      [マーサの額にキスをし、ロイスに小切手を渡し]
      足りるとは思っていない、だがここからスタートだ。
      君に任せたぞ。
マーサ:じゃあ、私はあなたを全力で応援するわね。
ジョナサン:当たり前じゃないか。[彼らは抱き合います]
ロイス:それで、何が問題なんですか…?
    もしあなたの言う事が正しければライオネルは何を欲しがるんです?
ジョナサン:[朗らかに]すぐに分かるだろう。
      だが今は[マーサの手を握り]選挙に勝つ事だ。

マーサの手にキスします。
マーサは少し不安げに笑います。

ロイス:[微笑]その通りですね。

ジョナサンは笑います。

病室。
レックスはベッドの上に座っています
彼のシャツは肌け胸には包帯が巻かれていました。
彼は痛々しそうに立ち上がりベッドの端までゆっくりと歩くと唸り胸に手を当てます。
彼は一瞬のそこに立ち尽くします。
ラナが病室のドアから入ってきます。
彼女は話をしながら手首のブレスレットをいじくります。

ラナ:休んでいるようには見えないわ。
レックス:[苦しそうに]ああ…俺は嫌いなんだ…寝ているのは性に合わない。
ラナ:[ユーモラスに]まあ…やっぱりルーサーね。

さらに病室に入って来ます。

レックス:ああ…[ため息]俺もそう思うよ。
     [間があり彼女に向き]ラナ…すまなかった、宇宙船の事を話さなくて。
ラナ:気にしないで…もういいわ。
レックス:俺を非難しないでくれ。[顔を下げ]
ラナ:[間があり、彼に近づき]非難なんかしないわ、レックス。
   どうしてそんな事するの、私の命を救ってくれたじゃない。
レックス:君は俺の人生の中でも数少ない友人だからな。
    [間があり]それは変えたくない…
ラナ:それはあなた次第よ。
   [間があり]私がこれまで求めてきたのは真実よ。
レックス:そしてそれはいつか俺から得る事ができるかもな。
     [間があり]約束するよ。[間があり]ラナ、宇宙船はなくなってしまったが…
     だが真実を見つけ出せないわけじゃない…謎を解くことはできるはずだ。
     [互いを見つめあい]パートナーだろ?[彼女に手を差出し]
ラナ:[間があり]違うわ。[がっかりするレックス、笑うラナ]
   友達よ。

レックスは驚いて彼女に振り返ります。
ラナは微笑して彼を抱きしめます。
驚いた顔つきのレックス、そして頬を彼女の髪に押し付けじっと立っています。
廊下をやってきたクラークは病室の窓から二人が抱き合っているのを見て驚いて立ち止まります。
ラナはクラークを見てレックスから離れますがクラークは去っていきました。

レックス:どうしたんだ?[同じ方向を見て]
ラナ:何でもないわ。

ラナがレックスに微笑むと彼も微笑を返します。
ラナは不安そうに廊下を振り返ります。

デイリープラネット。
クラークとクロエは階段を降りて来ます。

クラーク:[いら立って]ラナが危険を冒したのはレックスためだった。
クロエ:[ため息]ラナはもう大人よ、クラーク、自分の事は自分で決められるわ。
クラーク:そういう事じゃない、
     レックスの事は知ってるだろ…周りの皆を裏切る。
     平気でウソをついて、信じられるのか?
クロエ:レックスはヘビよね。
    ウソじゃないわ、彼はそうよね。
    でもラナを助けるために撃たれたのよ。
クラーク:僕は爆弾から彼女を救ったよ、それは違うっていうのか?
クロエ:ええ、そうかもしれないけど、
    もしそれをラナが知っていればね。
    クラーク、ラナがレックスに声をかけたのは宇宙船の事からよ。
    [声を潜め]
クラーク:[周りを見回し]もし僕が正直に話していたら、こんな事にはならなかった?
クロエ:いいえ。そんな事はないと思う。
クラーク:[間があり]僕はこれほど彼女を愛してるんだ、クロエ。
クロエ:[間があり]分かってるわ。でも全てはあなた次第よ、クラーク、自分で遠ざけてるの。
クラーク:僕がやってるわけじゃない。
     僕は一緒に平穏に暮らしたいだけだ。
クロエ:[うなずき]唯一の方法はあなたが彼女に真実を話すことよ。

クラークは悩んでいます。

おしまい