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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン5.12RECKONING(報い)

雪の中のケント農場。
クラークは屋根裏で窓に向かって座っています。
彼は一つの石炭を手にして不安そうにもてあましています。
誰かが階段を上がってくる足音が聞こえます。ラナが防寒着を着て入ってきました。
クラークはため息を飲み込みます。

ラナ:言われたとおり、手袋とマフラーを持って来たわ。

クラークは立ち上がって振り向き彼女に向きます。

クラーク:来ないかと思ってたよ。
ラナ:正直言ってこんなわけの分からないデートは、今の私たちに必要とは思えないけど。

クラークは彼女の二の腕に手を置きます。

クラーク:君を呼んだ訳は。

彼はため息をつきます。

ラナ:大丈夫?
   [彼女は彼の胸に手を当てます]
   すごい、心臓が早いわ。
クラーク:それは…怖いからさ。
ラナ:[困惑し]何をするの?
クラーク:ラナ、君が…
     君が僕から離れていっているような気がしてるんだ。
ラナ:[顔を伏せ]クラーク…
クラーク:[遮り]それは君のせいじゃない。
     [間があり、ラナは彼を見上げます]
     もっと早く君に見せるべきだった。

ラナとクラークはカワチ洞窟に入ります。
彼らはクリプトンのシンボルがある祭壇に向かって歩きます。

ラナ:こんな場所があったのは今まで知らなかったわ…どうやって見つけたの?

彼女はそれを見下ろして祭壇のそばに立っています。

クラーク:これは僕のために作られたものなんだ。

ラナは驚いてクラークに振り返ります。

ラナ:あなたのために?

クラークはラナの隣りの祭壇に立とうとします。

クラーク:[不安そうに笑い]沢山リハーサルしたんだけど。
     [彼はポケットから八角形のキーを取り出します]
     ラナ、君に見せる事によって…僕の事を見る目が変わるかもしれない。
ラナ:クラーク、何があっても平気よ。

クラークは一瞬、彼女を見てから祭壇のスロットの中に手を伸ばしキーを入れます。
金色の光が流れ出し彼らを囲みます。
ラナが驚いて見回すと、クラークは微笑します。

クラーク:大丈夫だよ。
    [ラナに手を伸ばして]僕を信じて?

しばらくラナはクラークの手を握り、彼は近に踏み出します。
彼らを青い光が包み込むとクラークはラナの体を抱きしめます。
ラナは驚いた顔で見回します。

彼らは要塞に到着します。
雪が降っています。
ラナは息を荒くしゆっくりとクラークから離れて踏み出します。

ラナ:[不思議そうに]何なの?

ラナはクラークに振り返ります。
孤独の要塞が氷に覆われた大地に建っています。

クラーク:[間があり]き…君が僕に他の星に宇宙人は居るかって聞いた時、
     僕には皮肉に聞こえたよ。

ラナは混乱し彼を見ます。

クラーク:僕はクリプトンと呼ばれる星から来たんだ。

ラナは彼にゆっくり近づき彼の頬に手を置きます。

ラナ:[ソフトに]でも普通の人間に見えるわ。

クラークは腕の中にラナを抱き上げると上を見て意を決します。
彼らはまっすぐに上に飛び始めます。
ラナは何が起きているのか分からないと言うようにクラークに振り返り微笑を見せます。
彼らは巨大な氷の天辺に飛び上がり要塞の一番上に着地します。
クラークがラナを下に置くと彼女は彼から離れあたりを見回します。

ラナ:こういう事をしたのは初めてじゃないわね?
   私が知らなかっただけでいつも私を救ってくれていたんでしょ?
クラーク:そんな事はいいんだ、ラナ。
     僕は君が無事でいる事を望んでるんだ。
ラナ:他の人じゃなくて?
クラーク:[心から]何度も君に話そうかと思った。
ラナ:どうして今日だったの?
クラーク:君に本当の僕を知って欲しかったから。

クラークは手を伸ばし石炭の塊を見せます。
彼がそれをぎゅっと握りしめると指の隙間から金色の輝きが漏れ出します。
彼はラナに手を伸ばし指を開くとダイヤモンドが手のひらに乗っていました。
ラナは驚いてクラークを見ます。
彼は笑みを浮かべながら金の指輪を取り出すとその上にダイヤモンドを置き、
ヒートビジョンで金具に固定します。
彼は指輪をラナのひざの上におきます。

クラーク:僕と結婚してくれるかい?

ラナは息を荒げ彼を見下ろします。

ケント農場。
ジョナサンとマーサを載せた青いトラックが入って来ます。
クラークが納屋から出てくるとトラックは停まります。

マーサ:[笑い]それって悪い冗談よ。

彼女とジョナサンはトラックから降ります。

ジョナサン:そんな事ないだろ、君は好きだったじゃないか!
マーサ:[笑い]違うわ!

クラークは彼らに向かって歩きます。
ジョナサンは彼に振り返ります。

ジョナサン:[クラークに]おい、投票所で会わなかったじゃないか?
クラーク:僕は…近道をしたから、今晩のパーティーの前に荷物を運ばないといけないから。

ジョナサンとマーサは家に向かって歩き始めます。
クラークはとどまります。

ジョナサン:クラーク、お前の気持ちは分かるが、まだどうなるか決まっていないんだぞ。
クラーク:母さん、父さん、大切な事を話したいんだ。

マーサとジョナサンは立ち止まり振り向きます。

クラーク:[不安そうに]あのさ…ラナに全てを話したんだ。
マーサ:[ショックを受けて彼を見つめ]…何ですって?
クラーク:[頷いて]本当だ…プロポーズしたんだ、要塞で。
マーサ:それで…ラナは何て?
クラーク:言っただけでまだ返事はもらってない、彼女には突然すぎて。
ジョナサン:クラーク、お前は…本当に後先の事を考えたんだな?
クラーク:もし僕が誰かと一緒になるんなら、それは彼女しかいないと思うんだ。
マーサ:あなたを誇りに思うわ、クラーク。
    今までずっとその事が気がかりだったものね。
    [ジョナサンを見て]
    この選挙と一緒よ、どんな事をしても…リスクはあるわ。
ジョナサン:お前は私の息子から一人の男になったんだな。

マーサは二人を見ています。

ジョナサン:…もう父親のアドバイスは必要ないな。
クラーク:[微笑]僕にはいつでも父さんが必要だよ。

クラークとジョナサンは嬉しそうに微笑んで抱き合います。
ジョナサンはクラークの頭の後に手を置きます。

タロン。
ロイスはヤカンに水を入れながらため息をつきます。

ロイス:[電話で]もう39回目よどんな出口調査でももう結果がでたでしょ?

彼女は蛇口を止めずに離れだします。

ロイス:ええ、早いのは分かってるわ、でも我慢するのが性に会わないのは知ってるでしょ。

彼女はスツールを動かしてその上に立ち食器棚の上に手を伸ばします。

ロイス:オーケー、折り返し電話して。

彼女は食器棚の上を手探りします。
つま先立ちになりスツールの上でバランスを崩します。

ロイス:わあっ!
    [落ち始めるとラナが彼女を抱きかかえます]ありがとう。
    [箱を開けて、蛇口を止めに行き]
    ジャンクフードに手を出さないように上に上げてたの、
    でも何日も持たなかったわ…手が届くから。
ラナ:[気が散って]うーん…ごめんなさい、遅れて。
ロイス:いいのよ、来てくれたんだから。

ロイスはケントキャンペーン用の飾りの入った箱を持ってカウンターを回ってラナの前に行きます。

ロイス:その飾りを外してるんだ。
    もう終わりだからね。
    [もう1つの箱にうなずき]
    ねえ、手伝ってくれない?

ロイスは部屋の中を移動します、しかしラナは呆然として動きません。
ロイスは箱を下に置いてラナのところに戻ります。

ロイス:オーケー…どうしたの。
ラナ:あの…なんでもないわ。[不安そうに笑います]
ロイス:大げさで、暗くて、ボーっとしてるわよ。

彼女は微笑みながらして腕を組みます。

ラナ:[箱の中の旗を神経質にいじります]
   それは…
   [彼女はロイスに振り返り]OK…もしもあなたが誰かの秘密を知ったらどうする?
   うーん…たとえばの話だけど。
ロイス:事情によるわよ、あのさ…何かとんでもない事に巻き込まれたわけ?
ラナ:[微笑して頭を振り]そうじゃないわ。
ロイス:その質問からは…彼と何かあったのね?
ラナ:[ボーっと空中を見つめ]多分…
ロイス:ねえ、何があったのか知らないけど…
    [心から]クラークみたいな潔癖な人と一緒になるのはラッキーよ。

ラナは一瞬彼女を見てそれから少し微笑します。

デイリープラネット。
クラークとクロエは階段を降りてきます。

クロエ:ラナに秘密を話したの?
クラーク:ああ。
クロエ:うわーっ…[クラークは彼女のリアクションに彼女より先に階段を降ります]
    うーん…オーケー。
    私にも打ち明けなかったのに?
    その気になったのは何でなの?

彼らはニュース編集室のドアを通り抜けます。

クラーク:彼女が僕に見切りをつけるのは時間の問題だった。

クラークとクロエはたった今花束を受け取った女性を追い越します。
彼女は大声をあげ驚きます。
クロエは彼女の反応に微笑みます。
彼らはクロエのデスクに到着します。

クロエ:でも…二人とも他に意味があるんじゃない、
    まるで…バービーとケンみたいだよ、実は仲たがいしててさ、どちらかと言えば気味が悪いわ。

腹を立てている男がオフィスから出てきます。

上司:[オフィスから]お前はクビだ!
男:クビになんかなるもんか、辞めてやる!

彼は机にセキュリティパスを投げ捨て立ち去ります。

クラーク:まあ、うーん…僕はラナにした事は間違っていないと思う。
     そうしなきゃ彼女は僕の元を離れていったに違いない。
     それに僕も彼女を愛せなくなってしまうかも。

彼はクロエの机の上に座ります。

クロエ:それで彼女はどういうふうにあなたの言った事を受け取ったの?
クラーク:まだだよ。
    [不安そうに微笑し]彼女が電話してくるのを待ってるんだ…

クロエの電話が鳴ります。
それに出る前に彼女はいぶかしそうにクラークを見ます。

クロエ:もしもし?
    [クラークは希望を抱いて彼女を見ます]いいえ。
    [笑い]中華のデリバリーじゃありませんよ。

彼女は電話を戻します。
クラークは失望しているように見えます。

クロエ:クラーク…もし私の知っているラナなら、あなたの事で変わるとは思えないわ。
クラーク:[少し安心して]そうかもしれないけど。
     まだ答えを受けとってないから…
     [不安そうに中断し]僕はプロポーズしたんだ。
クロエ:[驚き]えーっ…
    [笑い]まだ付き合って日も浅いのに!随分と早かったわね!
クラーク:…若すぎる…って言いたいんだろ。
     まだ話していない事や…危険かもしれないって事を…
クロエ:それは面白いわね…
    私が言おうとしたのは、本当の事を知っているのはまだ極少数だって事よ、
    その覚悟があるのって事。

クラークは不審そうに彼女を見ます。

クロエ:[心から微笑し]もし幸せになってもらいたい人がいるとすれば、クラーク、それはあなたよ。

クラークはしばらく彼女を見てから頷いて微笑します。

ケント農場。
地面には雪があります。
クラークが玄関の上り段を降りて来て下に下りるとラナの車が停まります。
彼はスーツを着ています。
ラナは車から降りて彼に向かって歩いてきます。

クラーク:パーティーで会うと思ってたよ。
ラナ:分かってるわ。[ため息]でもそれだと皆がいるじゃない。[笑い]

ラナはポケットに手を入れたままクラークのところに来ます。

クラーク:[不安そうにため息をつき]僕がどう見える?
ラナ:[彼に近づき笑顔で]クラーク、いつもと同じハンサムな男性に見えるわ。
クラーク:ハンサムって「一生を共にしたい」って事、
     それとも[深呼吸して]「ただのボーイフレンド」って事?
ラナ:それは…ねえ、クラーク。
   あなたと結婚したいって事よ。

クラークは面食らって一瞬の彼女を見つめます。
ラナは微笑んで彼が要塞で彼女に渡したリングを取り出します。
クラークはそれを受け取って笑顔で彼女の薬指にリングをはめます。
ラナは指のリングを見下ろして嬉しそうに笑います。
するとクラークは彼女を抱き上げ叫びながら彼女を振り回します。

タロン。
ジョナサンの選挙パーティーが行なわれています。
中は旗やライト、キャンペーンポスターが飾られています。
皆小さな旗を持って、赤と青の星のついた帽子をかぶっています。
ジョナサンとマーサは窓際に立っています。
ジョナサンはマーサのコートを付き人に手渡します。
マーサは赤いスーツを着ています。
ジョナサンは赤いネクタイでスーツを着ています。

マーサ:[真珠のネックレスをしようとし]これをつけてくれないかしら。
    [マーサが髪を持ち上げると、ジョナサンはネックレスをつけ始めます]
     もう一つの選挙区のトピーカにも行かないと。

ジョナサンはネックレスの留め金を留め終わります。

ジョナサン:結果がどうであれ、私の人生の中で一番だった事は、君の心を奪えた事だよ。

マーサは振り返り微笑しキスをします。

カメラマン:
ケントさん! ケントさん、こちらへ。
      渦中の人! こちらに!

カメラマンたちは二人が群集の群がる中を通り抜けるあいだジョナサンとマーサの写真を撮ります。

マーサ:[嬉しそうに微笑]どうもありがとうございます。

クラークとラナは肩を抱き合い嬉しそうにみています。
ラナなの左手はクラークの胸の上にあり婚約指輪が光っています。

ラナ:ケントさん、お二人にとって驚く事だとは分かってます、私たちにとっても。
ジョナサン:ラナ、私たちはクラークが誰かとこんな風に人生を共にする人ができるとは思ってなかったよ。
      それも君とだなんてな。
      [マーサに微笑みかけラナを抱きしめ二人にキスをします]
      君たちが私たちと同じぐらい幸せな暮らしをする事を望むよ。
ラナ:ありがとうございます。
ジョナサン:[ラナの手のリングを見て]ほうーっ…これは…
マーサ:あら、きれいね。
ロイス:[バルコニーの上に立ちパーティーの喧騒に声を上げます]皆さん! 皆さん!

誰も彼女に気付かないため彼女は指笛を吹きます。
皆は静かになって彼女を見上げます。

ロイス:[階段を降りて来て]たった今ニュースルームから情報が入りました。
    ご来場の皆様…
    [笑い]私たちの新しい上院議員です!

彼女は微笑んでジョナサンに向かって手を伸ばします。
皆は拍手を送りジョナサンとクラークは抱き合います。
カメラマンは沢山の写真を撮ります。
皆がテレビに向きます。

TVニュース:…州の上院選挙。
       ジョナサン・ケントが企業のトップ、
       ルレックス・ルーサーを圧倒的な大差でカンザス州上院に選ばれました。

画面にはレックスとジョナサンの写真が並び、それからジョナサンの写真がクローズアップします。
ロイスはジョナサンにお祝いの言葉をかける群集を掻き分けやってくるとジョナサンを抱きしめます。

ロイス:オーケー、ケントさん…写真撮影のためにここから移動しないといけません。

ジョナサン、マーサとロイスは去り始めます。

運動員:すみません、ケントさん!

彼とジョナサンは握手します。

ジョナサン:ありがとう。
      [ジョナサンの携帯電話が鳴ります]ああ、もうお祝いの電話かな…
      ちょっと待っててくれないか。

クラークとラナは、

クラーク:これはしばらく忙しくなりそうだな。
     [彼はラナの頬にキスをします]これは夢じゃないよね?
ラナ:[嬉しそうに微笑んで]あなたも写真撮影に行って来て。

クラークが行くのをラナは笑顔で見送ります。
すると、彼女の携帯電話が鳴ります。
彼女が携帯を取り出して通知窓を見るとそれはレックスからでした。
ラナは少し微笑して見上げます。

レックスの屋敷。
バーの上には水の入ったビンがあります。
レックスは酔っていて2つのグラスにウイスキーをこぼさないように屈み込んで注いでいます。
注ぎ終わると彼は一つのグラスを手に取りもう1つのグラスに乾杯して飲みます。
彼の後ろのドアが開きラナが入ってきます。

ラナ:大丈夫?
   電話ではかなり気が動転しているように聞こえたけど。

レックスはバーから動かず彼女の方に目を向けます。
ラナは一瞬の間ドアのそばに立ち、それからゆっくりとさらに部屋の中に入って来ます。

レックス:電話をすべきじゃなかった…何もすべきじゃ、
     だが、あー…やっただろうな。
     [振り向いて彼女へグラスを差し出し]パーティーに戻りたいんだろ…
ラナ:レックス…[彼に向かって歩き]あなたがどれだけ一生懸命やってきたか分かってるわ、
   でも…それはあなたのせいじゃないわ。
レックス:どのぐらいの人間があざ笑っている知っているか…
     金持ちの坊ちゃんがいいきみだってな?[ひどく笑います]
ラナ:いつから人の考えている事に興味を持つようになったの?
レックス:俺は生まれた時から親父の罪を背負ってきた。

ラナが頷くとレックスは彼女に近付きます。

レックス:[酔って]今回は、ラナ…
     俺は親父の影から出られると思っていたんだ。
     [彼は彼女の前で立ち止まり]自力で何かできると?

ラナは心配そうに見ます。

レックス:君には俺みたいな親父がいなくて幸いだったよ
    [飲み物を飲みます]

ラナは傷ついたように彼の言葉に怒りだします。

ラナ:あのね…あなたが酔っていないときにこの話をした方がよさそうだと思うの。

ラナはドアに向かって歩きだします。

レックス:なあ…今俺は君の感情を傷つけたのか。

ラナは立ち止まります。

レックス:[いら立ち]完璧だ!
     [ラナは彼に振り返ります]
     この選挙戦を通して俺は自分から皆を遠ざけてしまった。
     [間がありレックスはバーに戻ります]
     君まで失いたくない。

彼はもう1杯ウィスキーを注ぎ始めます。

ラナ:レックス…[彼のところに戻って、ため息]ねえ。
   [彼の肩に左手を置きます。彼女が彼に触れると彼は動くのを止めます]
   あなたは私を失ってはいないわ。

レックスは微笑して肩に置かれた手に自分の手を重ねます。
彼は手を撫でると指のリングに気づきます。

レックス:[リングを見て]ほお…
     [ラナは笑います]
     俺が思っていたより大切な日だったんだな。
ラナ:[嬉しそうに]ええ、あなたがまくし立てるから話すチャンスがなかったわ。[笑い]
レックス:そうか…君にウソをついていたのに…またあいつ選んだのか?
ラナ:[笑顔をくずし]分かってないのはあなたよ…
レックス:[腹を立て]君は何度、クラークが隠し事をしているといって俺のところに来たと思ってるんだ?
     [彼は部屋の中心に戻り彼女から去り始めます]
     どうして奴は、何カ月間もメトロポリスに姿を隠してたんだ?
     どうやって死から生還したんだ?
ラナ:[頭を振って顔を下げ]それは今の事じゃないでしょ。
レックス:[軽べつするように]本当か?
     なあ、ラナ…
     [ゆっくりと彼女に近付き]俺は君の事を知っている。
     [グラスを持った手で彼女を指差し]君は絶対にそんな謎を持った奴にイエスとは言わないはずだ!

ラナは何か言いたそうですが黙ったままでいます。
レックスは彼女を見つめます。

レックス:何を今まで隠していたのか…
     [彼は彼女の顎を掴んで、耳元にささやきます]知ったんだな?
ラナ:[顔から彼の手を振り払い]クラークは何も隠してないわ、レックス。
レックス:[怒って]今まで君のためにしてきただろ…どうして嘘をつくんだ?

彼は突然振り向くと暖炉の中にウィスキーの入ったグラスを投げつけます。
ラナは驚いて息を止めます。
グラスが砕け火が燃え上がります。
レックスはラナの二の腕をつかんでバーに押しつけます。

レックス:[叫び]話せ!

ラナはバーからの透明の液体の入ったグラスを掴みレックスの顔にかけます。
レックスは痛みに叫び屈み込み、彼女は部屋から走り去ります。

タロン。
ジョナサンの勝利パーティーが継続しているところで。
クラークとロイスはケント帽子をかぶっている支援者と握手しています。
背景のポスターには「ケント:カンザスを元に戻して!」と書かれています。

ロイス:来てくれて、大変ありがとうございます。

クラークの携帯電話が鳴ると彼はグループから離れます。

クラーク:ラナ?どこにいるんだ?

ラナは濡れた道路を車で走っています。
夜。

ラナ:[携帯電話を耳にあて。怖がって]クラーク、ごめんなさい。
   [息を荒げ]レックスに会いに行ってたの、彼、酔ってたわ。
クラーク:[心配そうに]何があったんだ?
ラナ:[不安そうに]彼は知ってるわ。
   どうして彼が知ったのか分からないけど、
   でも…私があなたの秘密を隠しているのを見分けたわ。
   彼には何も言わなかったけど、本気で怒ってた、そして…
クラーク:ラナ、それは別にいいよ。今どこにいるんだ?
ラナ:えーと…[確認して]ローブブリッジの直前のルート40よ。

ラナの車が道路を走り、表示板に「US40」と表示されていました。
銀色のスポーツカーがホーンを鳴らし、彼女の後にやってきます。

ラナがルームミラーで後ろを確認すると、レックスでした。
レックスはホーンを鳴らし続けます。

ラナ:[怖がって]大変…大変よ、彼が追いかけてきてるわ。
クラーク:ラナ?

レックスの車はラナの車と併走します。

レックス:[助手席側の窓から叫び]ラナ! ラナ!
     話し合おう…
     ラナ、よけろ!

レックスが急に逸れると、スクールバスが脇から彼女の自動車にぶつかります、ラナは叫び声を上げます。
車はひっくり返り回転します、ラナは前方のハンドルへ投げ出されます。
レックスの車は道路の反対側に停止しました。
ラナの車は屋根を下にして停止します。

クラークは携帯電話を見ます、そしてそれは沈黙しました。

レックス:[車から出て行き]そんな、そんな、そんな…ラナ!

彼は立ち尽くし絶望的に彼女の車を見つめます。

クラークは超スピードで事故現場にやってきてレックスを越えて止まると、
レックスは驚いて彼を凝視します。
クラークはラナの車を見ていてレックスに気づいていません。
クラークは普通のスピードでラナの車に向かって走り、
レックスはクラークの背中を見つめていました。
スクールバスからの降りてきたチアリーダーが近くに立っています。
クラークは恐怖の色を浮かべた顔で車に近づきます。
近くで見ていた女学生の後ろにジョナサンのトラックがタイヤを軋ませて停車します。
ジョナサンは外に出て、何事かと一瞬トラックの脇に立ち走り出します。
地面に横たわるラナの脇にクラークは屈み込んでいます。
クラークは取り乱しラナの顔に触れます。
顔には内出血の痣があり、彼は彼女の肩を揺さぶります。
ラナのコートには血と土がついていて、そして彼女は呼吸していませんでした。

クラーク:[息がつまり]ラ…ラナ?
ジョナサン:[クラークの背後に行くと彼を掴み引き離します]
      クラーク、クラーク。
クラーク:ラナ? ラナ!
ジョナサン:[クラークを引き離そうとし]ダメだ、ダメなんだ!

クラークは引き離されるまま立ち上がります。
彼の右手はラナの血に染まっています。

ジョナサン:[クラークをしっかり掴み]お前のせいじゃない。これは。

クラークは完全に取り乱しています。

孤独の要塞。
クラークはその中にいました。

クラーク:[自暴自棄に叫び]どうして彼女を奪ったんだ?!
ジョー・エル:人間の命とは儚いものだ、息子よ。
       お前は自分の命と誰かの命が交換される事を知っていたはずだ。
クラーク:僕のミスのために彼女を失った!
     …もし僕が彼女に真実を話さなかったら彼女はまだ生きていたはずだ!
     [少し落ち着き]元に戻してくれ!
ジョー・エル:カル・エル、地球の者から見ればお前の力は特殊だ、
       だが神ではない。
クラーク:[叫んで頭を振り]彼女はこんな運命じゃない!
     それはあんたも分かってるはずだ!

クラークはひと呼吸おきます。
彼の顔には涙があります。

クラーク:方法があるはずだ!これを元に戻す方法が!…お願いだ!
ジョー・エル:方法が一つないわけではない。
       だが私の警告に注意を払いなさい。
       運命の輪は止める事はできない。
       たとえお前がこの事象を変えることができたとしても、宇宙はバランスを保とうとする。
       ひつとだけクリスタルがある。
       [クリスタルの山から一本のクリスタルがゆっくりと浮かびあがります]
       慎重に決断する事だ。
クラーク:[結晶に向かって]彼女を救わなければならない。

クラークは結晶をつかみます。
そして白い光が輝きます。

雪の中のケント農場。
クラークは一つの石炭を持っています。
その時、クラークは再び時間が戻った事を悟り、驚いて屋根裏を見回します。
ラナが前と同じように防寒着を着て屋根裏階段の上に来ます。

ラナ:言われたとおり手袋とマフラーを持ってきたわ。

クラークはラナを見つめたままゆっくりと立ち上がり近づきます。

クラーク:[安心して]君がいる。

彼は一瞬目を閉じて彼女を抱きしめます。
ラナは混乱して笑います。

ラナ:もちろんいるわよ、クラーク!

クラークは彼女の髪の匂いを嗅いで、そしてため息をついてから引き戻します。

ラナ:正直言ってこんなわけの分からないデートは、今の私たちに必要とは思えないけど。

クラークはただ彼女が生きている事に感謝し彼女にほほ笑みます。

ラナ:それで…どこに連れて行ってくれるの?

間がありクラークは何を言うべきか考えます。

クラーク:[微笑]ただ一緒にいたかっただけなんだ。
ラナ:あら、それは私も同じよ、でも「私が決して忘れない日」っていうのが知りたいわ。
クラーク:[何を言おうか迷い、うなずき]そうだね…あのー…
     [彼は窓に数歩歩き彼女から顔をそむけます]
     ドライブに行かないか…湖まで。
     [彼女は微笑になり]そして…でもこれだけ寒いと、
     [クラークは彼女に振り向き]ブリッジは氷で覆われてるから、ここにいた方がいいな。
ラナ:[悩み]あなたのウソが見抜けないとでも思ってるの ?
   [疲れたように]何とか言ってよ。
クラーク:あのさ、あんまり重要な事じゃないんだ。
    [笑顔になりますが何かを隠している事は明白です]
     本当だ、つまり、僕を信じて…
ラナ:[眉をひそめ]クラーク。本当の事を話して。
クラーク:[彼女に近づき]ラナ、僕は…
ラナ:[腹を立て]やめて!本当の事じゃないのなら言わなくていいわ!

クラークはただ悲しげに彼女を見ます。

ラナ:[気が動転し頭を振り]クラーク、あなたを愛したいけど、同じぐらい信じられないわ。
クラーク:[急いで]ラナ、君は分かってないんだ。
     君にもしもの事が起こったら…
ラナ:何があるって言うの?
   愛する人を失う事より悪い事がある?
クラーク:[静かに]何もないよ。
ラナ:[クラークの腕に手を置いて悲しげに見下ろし]
    分かれましょ。

彼女は向きを変えて歩き去り始めます。

クラーク:僕とかい?
ラナ:[止まって振り返り]ううん。[頭を振り]私たちがよ。

ラナはクラークを屋根裏に残して階段を降ります。

デイリープラネット。
クラークとクロエが以前と同じように階段を降りてきます。

クラーク:[不幸せそうに]彼女は今回、本当に大丈夫かな?
クロエ:大丈夫かなって?
    ラナとクラークはダメになりそうなの?
    [クラークは彼女を見ます]…本当? 何があったのよ?

彼らは階段の一番下で立ち止まります。

クラーク:
超常現象の壁だよ。
    [深呼吸をし]僕はこの日を前にも経験しているんだ。
     なんていったらいいか時間を遡ったんだ。
クロエ:[冗談を言っていると思い笑い]すごいじゃない!
    地球を逆回転させたわけ?
    もしそんな事ができるんならロトくじの番号を買えるじゃない?
クラーク:[笑わず]あの花が見えるかい?

デイリープラネットの正面玄関から花束を持った配達人がニュース編集室の中に入ってきます。

クラーク:彼はここの秘書に渡す。

クラークとクロエはニュース編集室に入ります。

クロエ:[驚いて]マーガレット? 彼女は仕事人間よ、彼女がデートした事なんて…
    [配達人はマーガレットに花を渡します]この一年…
マーガレット:[カードを読んで大声を出して驚きます]
       やった、やったわ、やったのよ!! [配達人を抱きしめます]
クラーク:[クロエとさらに部屋に入り]そして君の上司がこれから誰かをクビにする。

クラークとクロエは上司のオフィスに着きます。

上司:[オフィスから]お前はクビだ!
男:クビになんかならないぞ、こっちから辞めてやる!

彼は机にセキュリティパスを投げ捨てクラークとクロエの間を通って出て行きます。
クロエは目をまん丸にして彼の後姿を見つめます。
彼女の机の上の電話が鳴り、彼女は出ようと行きます。

クラーク:気にしなくてもいいよ、間違い電話だから。
     [クロエは口を開いて彼を見ます]中華のデリバリーだよ。
クロエ:[電話をとり]もしもし?
    [ゆっくりと]申し訳ありません…エッグロールは切らしていまして。

クロエはぼう然として一瞬のクラークを凝視します。
それから彼の腕をとって急いで誰もいない部屋に入り後手にドアを閉じます。

クロエ:分かったわ、どうやったの、それにどうして?
クラーク:[いやそうに]ジョー・エルだ。
     [クラークはさらにオフィスの中に歩いて入ります]
      僕はやり直すために彼のところに行ったんだ。
クロエ:[混乱しクラークに近づき]やり直すって何を?
クラーク:最初は、ラナに真実を話したんだ。
    [クロエは驚いています]
     そしてプロポーズしたんだ。
クロエ:えっ?!な…な…何て彼女は?
クラーク:答えはイエスだった。
クロエ:そんな。わ、わ、私の反応は?
クラーク:それほどでも…でも聞いてくれ、それは大きな間違いだった。
     レックスがルート40で彼女を追いかけてきたんだ…
クロエ:クラーク…
クラーク:…そこで事故に合った、僕は間に合わなかった。
クロエ:[混乱状態]どうしてレックスがラナを追いかけてきたの?
クラーク:彼は彼女が僕の秘密を知っている事に気づいたんだ。
     今まで彼女に話さなかったのはいつもこれを恐れてたからだ。
クロエ:ええ、でもクラーク、今度はレックスの事を彼女に警告できるじゃない。
    そうすればもう彼女に嘘をつき続けなくてもいい事になるわ!
クラーク:クロエ、彼女が知ってから一日もたってなかったんだ。
     いつでも誰かが僕の秘密を探ろうとしている、彼女の行動を監視して…
クロエ:心配しないで、クラーク、彼女をその道路に近づけなきゃいいのよ。
    いつその事故が起きたのか分かる?
クラーク:11時2分だ、でも問題がある…今回は彼女に話してない。
     君が彼女と一緒に行動を共にすると…
クロエ:運命は私の方に変わる?[頷いて]彼女から離れないわよ。

クラークは少し安心します。

ジョナサンの選挙パーティーが行なわれているタロン。
クラークはスーツを着て緊張して一人で立っています。

支援者:渦中の人、ジョナサン・ケント!

皆は拍手して声援を送りますし。
クラークが微笑するとジョナサンとマーサが彼に向かってやって来ます。

ジョナサン:大丈夫か、クラーク?
クラーク:[微笑]うん。[彼らは抱き合います]今晩はよかったね、父さん。
ジョナサン:ありがとう。

ジョナサンとマーサが立ち去るとクラークは微笑を止めます。
クラークが腕時計を確認しドアに振り向くと、ラナとクロエが入ってきました。
クロエは微笑しています、ラナは不安そうにしています。

クラーク:[安心して]やあ、来てくれたんだ。

ラナは頷いて微笑するとクロエに小声で何かを言い、ラナはクラークを超えて行きます。
彼をちらっと見ますが何も話をしません。
クロエはクラークのところに行きます。

クロエ:やあ。
クラーク:ああ、どうなってる?
クロエ:大丈夫よ、あれからずっと彼女を一人にしてないから。

クラークとクロエは振り返りテレビを見ます。

TVニュース:…州の上院選挙。
       ジョナサン・ケントが企業のトップ、
       ルレックス・ルーサーを圧倒的な大差でカンザス州上院に選ばれました。

皆は拍手して声援します。
ジョナサンとマーサはTVの近くに立っています。
皆がジョナサンたちの周りに集まり祝いを言い、彼らはキスします。
同じくクラークも微笑して拍手しています。
しかし彼は何かを感じ拍手を止めます。

クラーク:同じじゃないぞ…何かが…
    [最初の時にロイスがいたはずの階段に振り返り]ロイス?

クラークは階段の上に走ります。
タロンの2階のドアを通って彼は中に入ります。
水があふれ出していました。
そして水はどんどん床を流れ床の上に倒れているトースターに向かっていきます。

クラーク:ロイス!

ロイスは水たまりの床の上に気を失って倒れていました。
流しが溢れ彼女の倒れている床を濡らしていました。

クラーク:ロイス!

クラークはトースターからの電気がロイスに流れ着く前にロイスを抱えあげます。
クラークは心配そうにロイスを抱え上げるとライトが消えます。

下の階では停電に皆が驚いています。
クロエはあたりを見回しながらテーブルや人々を掻き分けます。

クロエ:ラナ? ラナ?

携帯電話が鳴ります。
ジョナサンが携帯電話に出ます。
クロエはラナを探し続けます。

ジョナサン:[朗らかに]もしもし?
ライオネル:[車で]最初にお祝いを言わせてもらうよ、上院議員。
      [ジョナサンは微笑するのをやめます]
      私たちが勝ち取った今、君と話をしたい事がある。

ジョナサンは不信そうに眉をひそめます。

レックスの屋敷。
バーの上には水の入ったビンがあります。
レックスは酔っていて2つのグラスにウイスキーをこぼさないように屈み込んで注いでいます。
注ぎ終わると彼は一つのグラスを手に取りもう1つのグラスに乾杯して飲みます。
彼の後ろのドアが開きラナが入ってきます。

ラナ:大丈夫?
   電話ではかなり気が動転しているように聞こえたけど。

レックスはバーから動かず彼女の方に目を向けます。
ラナは一瞬の間ドアのそばに立ち、それからゆっくりとさらに部屋の中に入って来ます。

レックス:電話をすべきじゃなかった…何もすべきじゃ、
     だが、あー…やっただろうな。
     [振り向いて彼女へグラスを差し出し]パーティーに戻りたいんだろ…
ラナ:[彼に向かってゆっくりと歩き]私…どちらかというと居心地か悪かったの。

レックスは驚いています。

ラナ:クラークと最後のケンカをしたわ。

レックスはどう言っていいかと長い間がありゆっくりと振りり返りラナの前に近づきます。

レックス:最後とは?
ラナ:あのね[間があり]
   私は待っていたの…心を開いてくれるのを、
   でも…もう少し私が我慢すれば彼は私に全てを話してくれると思ったわ。
   でも…あの人は心を開いてはくれなかった。
レックス:ラナ…[彼女の隣りに立ち]
     こういうのも何だが…クラークは君を信頼していない。
ラナ:分からないのよ。[彼の顔を見て]あなたなら愛する人に嘘をつく?

間があり。
レックスは頷いて下を見ます。
彼はグラスを置き、ラナの腕から肩へと手を動かします。

レックス:[低くて誠実に]俺はそんな事はしない。

彼はラナの髪を彼女の耳の後ろにかき上げます。
彼女は微笑して目を閉じます。
レックスはラナの顔に手を置き、そっと彼女にキスします。
彼女は彼を跳ね除け手を口に置きます。
レックスは手を上に上げます。

レックス:す、すまなかった…
ラナ:[速く]いいのよ、いいの。もう行くわね…。
レックス:[彼女を止めるために手を伸ばし]俺は…

ラナは立ち去ります。
レックスは眉をひそめテーブルの上のウイスキーのグラスを見下ろします。
彼はグラスを掴み激しく燃える暖炉の中に投げ入れます。
グラスは粉々になり炎が燃え上がります。
レックスは息を荒げ怒ってテーブルの上に手を乱暴に置きます。

道路を走っているラナの車。
夜。
彼女の携帯電話は鳴ります。
彼女はディスプレイを見てレックスであることが分かります。
ラナは電話に出ません。
彼女の車の後ろからホーンを鳴らしながらレックスの銀色のスポーツカーがやってきます。
場所はルート40です。

タロンの外。
ロイスはタンカに載せられ救急車に載せられます。

救急隊員:オーケー、行くぞ。
ロイス:本当に検査が必要なの?
    皆がパーティーで、沢山のチョコレートケーキやメルロがあるって言うのに…
クラーク:ロイス、君はこのところ忙しすぎたんだ。
     少し検査してもらった方がいい。
ロイス:本当に私を追い出す気なの?
    こんなに大事なパーティーをほっぽって置いて?

クラークは微笑します。
クロエが彼に駆け寄ります。

クロエ:[緊急に]クラーク! クラーク、探したんだけど、ラナがいないの。

クラークは微笑するのをやめて腕時計を見ます。
時間は11時1分です。

ルート40を走っているレックスとラナ。
レックスの車はラナの車と並走します。
そして彼は助手席側の窓に乗り出します。

レックス:ラナ!聞いてくれ、俺が悪かった、話し合おう?

ラナは不安そうに彼を見ますが答えません。
二人の車はスピードを出しています。
そして反対方向から近づいてくるスクールバスがいます。
バスの中では、立ち上がったり、騒ぎまくっているチアリーダーでいっぱいです。

バスの運転手:[振り向き]もう一度言うが…[聞きとれません]

クラークは超スピードでやってくるとバスの後部バンパーを掴みスピードを落とさせます。

レックス:[ラナに]気をつけろ!

ラナは恐怖で顔が引きつり、バスのヘッドライトに照らされます。
クラークはバスを止めようと力いっぱいバスを引っ張ります。
ラナの車はわずか数インチで反れます。
バスはキーッという音をたて止まります。
ラナの車は道路わきに寄って止まります。
クラークは一瞬ラナを見ると、道路から見えない場所に行きます。
バスの運転手はホッとしてため息をつきバスは走り去ります。
「ゴー・クロウ・ゴー!」と後方のウインドウに書かれています。
ラナはゆっくりと車から出て行ってぼう然とそこに立ちます。
レックスの車は道路の向こう側に止まっていて、彼も外に出ます。

レックス:ラナ!

車をレッカー移動しているトレーラーが彼の近くを通り彼は後ろに飛びのきます。

ラナは息を荒げバスの後を見つめています。
クラークは木の陰からレックスがラナに近づき腕を掴むのを見ます。

ラナ:…オーケー…大丈夫よ…

クラークは顔をわずかにしかめて見つめていました。

レックス:[緊急に]俺が悪かった。あれはつまり、本当は
     [クラークは超スピードで去ります]
      誤るよ…
ラナ:レックス…あの事は忘れましょ、いい?

ジョナサンのトラックが二人に近づきます。
二人が手を取り合っているのをジョナサンは目を向けます。
しかし彼女は気づきません

レックス:[息を荒げ、何を言うべきか分からずに]申し訳ない…
ラナ:いいのよ。

彼女は車に戻ります。
レックスは途方に暮れそこに立っています。

ケント納屋。
ジョナサンが入ります。

ライオネル:[上の方から]ジョナサン・ケント上院議員。
      君が今晩の勝利パーティーから抜け出すとは思わなかったよ。
      [手すりに寄りかかり。 彼は革フォルダーを持っています]
      だが私は来た、君の望んだとおり一人でな。
ジョナサン:[自信を持って]そうか。
      [さらに納屋に入り]
      ならここに来て顔を見せないか?
      [スーツのジャケットを脱ぎ]クソ野郎。
ライオネル:[不意を打たれ]ほう…随分と品がないな…
      [階段に向かって]上院議員。
      [階段を下り]君は今や世間の注目を浴びる立場なんだぞ…
ジョナサン:知った事か、ルーサー。
      私はあんたからキャンペーンの資金が出ている事を知っている。
      だが後で必ず全額返済する、あんたに借りは作らない。
ライオネル:君が在職したならば、そのスタンスがいつまで続くか見物だな。

ライオネルは階段の下に着きます。
ジョナサンは近づき面と向かって立ちます。

ジョナサン:私はあんたの操り人形になるつもりはない事をはっきりさせておく。
ライオネル:そうならない事を祈るよ。
      私の財力で政界に出たものは皆私の操り人形だ。
      言い換えれば…パートナーだよ。
ジョナサン:あんたとパートナーになる日は…
ライオネル:[中断させ]気をつけたまえ、上院議員。
      忘れてはいけない、君と私はそうなんだ、あー、
      [ジョナサンから離れフォルダーを開き]共通の関心事だ。
      どれだったか[フォルダから写真を取り出し]おお…
      [胸に写真を持ち]我々二人ともそうしなければいけないんだよ、あー、我々のために。
      [ジョナサンに振り返ります]
      こんなスポットライトを浴びるような世界に飛び込むとは尊敬するよ、
      [写真を見下ろし]危険な秘密を持って、
      [ジョナサンに向かっての写真を見せます]これは隠し続けなければ。

ジョナサンは写真を手に取り恐れた顔をします。
ライオネルはジョナサンの背後に回り、にやにや笑いながらあごを撫で彼の反応を待ちます。
ジョナサンは箱の中に写真を握りつぶして捨てライオネルに振り返ります。

ジョナサン:[腹を立て]私の家族に手出しはさせない。

ジョナサンはライオネルの顔を殴ってからテーブルの上に彼を投げます。
ライオネルは仰向けで倒れジョナサンがテーブルから1本の木を引っ掴むとライオネルを見て木を捨て去り、
ライオネルは起き上がります。

ジョナサン:あんたが私たちに何をしてきても私たちは戦うぞ…
      [息を切らして]私たちは家族だ。お前たちルーサーをケント家から切り離してやる。

ライオネルはネクタイを緩め息を荒げきちんと座ります。

ジョナサン:[息がつまり]今やったらどうだ…
      [彼の呼吸は苦しくなります、そして何回か呼吸をしてかすれた声で続けます]
      私を追い出したいいだろ。

ライオネルは反応しません。
ジョナサンは彼から去ります、そして彼はゆっくりと納屋から立ち去ります。
そしてポストに寄りかかり足が震えます。
床の上にクシャクシャになった写真をライオネルは血まみれになった指で拾い上げます。

ケント納屋。
夜。
マーサの車が停まります。
そしてジョナサンが納屋から出てくるのを見ます。
クラークはマーサと一緒に車の中にいます。
ジョナサンは車の前で止まりヘッドライトの光に手を上げます。

マーサ:[クラークに]お父さんはこんなとこにいたわ?
    [クスクス笑います]何して…?

マーサとクラークは車から出て行きます。

クラーク:[心配して]父さん?

ジョナサンが倒れるまでマーサは微笑していました。
マーサとクラークは彼のところに走ります。

マーサ:ジョナサン?ど、ど…ジョナサン!
クラーク:父さん?父さん!

クラークとマーサはジョナサンを抱き上げます。
彼はクラークの腕の中でふらつきます。

マーサ:ジョナサン?
クラーク:父さん?ここに座らせて。 ほら、座って。

クラークとマーサは数フィート離れたフェンスのところにある干し草にジョナサンを座らせます。
ジョナサンは話をしようとしてマーサとクラークを見ます。
彼は腕をクラークの首の周りに置き、それから目を閉じます。
そして彼の頭はだらりと傾きます。
彼は干し草から滑り落ちマーサは彼の体を引っ張ります。

マーサ:そんな…[金切り声を上げ]そんな! ジョナサン!
クラーク:父さん!
マーサ:[涙ぐんで取り乱し]ジョナサン、ダメよ、ジョナサン!
    [彼女は彼の胸をさすり]ジョナサン!
クラーク:父さん!父さん?
マーサ:[ジョナサンの顔を見て]お願い!まだよ!いやよ!
    [泣いて]ジョナサン、ジョナサン!

フェイドアウト。

雪の中のケント家。
マーサは前にタロンで首にかけようとしたネックレスに苦戦しています。
彼女はリビングルームの鏡の前に立っています。
彼女はネックレスを締めようとするのをやめて涙ぐんでいてそれを見ます。
ケント家の写真がマントルピースの上にあります。
マーサはため息をついてネックレスにキスします。
クラークは黒いスーツとネクタイを身につけて部屋に入って来ます。
マーサも同じく黒い服を着ています。

マーサ:もう時間ね。
クラーク:[間があり]ごめん。
マーサ:[クラークのところに行ってネックレスを差出し]ほら、座って。

彼らはソファーに座ります。

マーサ:クラーク…自分の事を責めてるのは分かるわ、
    でもね、これはあなたのせいじゃないわ。
クラーク:どうして…?僕はラナを救うために時間を戻したんだ…そしたら父さんが。
マーサ:もしもう一度戻れたとして、誰を助けるか選べるの?
    [頭を振り]クラーク…心臓には寿命があるの。
    [急に声が変わり]お父さんは誰よりも沢山使ったのよ。
クラーク:[小刻みに頷き]父さんがいなくなる日が来るなんて思わなかった。
マーサ:[涙ぐんでいて]あなたは父さんの息子よ。
    [うなずき]あなたは何が正しくて、そして間違っているか知っているわ。
    お父さんが一緒にいなくても…あなたはお父さんの誇りよ。
    お父さんはあなたを一人の男として…尊敬していたの。

クラークは手を彼女の手の上に置きます。
彼女は涙ぐんでため息をついてそして微笑します。

クラーク:[ネックレスを示し]これをつけてあげるよ?

マーサはうなずいて彼にそれを手渡します。
彼らは悲しげに微笑んで立ち上がります。
マーサは髪を挙げクラークがネックレスをつけ始めると泣き始めます。
クラークはマーサの肩に手を置きます。
そして彼女は向きを変え抱き合います。

クラーク:母さん、愛してるよ。
マーサ:私もよ。

ケント農場からカメラが離れていくアングル。

ジョナサンの葬儀が行なわれている墓地。
雪で覆われた墓と葬送者の一段がいます。
雪が降っています。
墓のそばに立っているクラークとマーサ。
墓に降りていく黒茶色の棺。
クラークの手を取るラナ、それから並んで墓を見て立っています。
マーサは数フィート離れた場所に立っています。
クラークはラナを見ません。
歩き去るクロエとロイス。
彼女たちはクラーク、ラナ、マーサに振り返ります。
墓の前に立つクラークとマーサ。
クロエとロイスは目を逸らし再び歩き始めます。
クロエはもう一度振り返ります。
棺は地面の中にさらに沈みます。
ラナは悲しそうにクラークを見上げます。
彼は彼女を見ません。
離れた場所でレックスは一人残念そうな顔でクラークを見ています。
墓を悲しげに見下ろすマーサ。
ライオネルはマーサの後ろから歩いてきて振り返ります。
ラナはクラークから顔をそむけます。
彼女は彼の手を放し彼女は歩き去ります。
そしてクラークとマーサは墓に置き残されます。
マーサはティッシュを取り出して顔をぬぐいます。
クラークは一人でそこに立ち尽くしラナの後姿を見て、それから墓に戻ります。
棺は墓の中にさらに沈みます。
クラークは屈んで一握りの土を手に取り墓の中にゆっくりと土を撒きます。
土を撒くクラークの脇に立つマーサ。
クラークはマーサを見上げます。
彼女は嘆願するように彼を見ます。
そしてクラークは墓に振り返ります。
 

おしまい