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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン

シーズン5.13Vengeanance(復讐)

ケント農場。
空には曇が垂れ込めていました。
納屋。
クラークは壊れたトラクターを修理しています。
彼は不覚にもブレーキを壊してしまい、ため息をついて修理を続けます。
トラクターのバックミラーにマーサがボール箱を持って入ってくるのが見えました。

クラーク:このエンジンは掛からないよ。
     どうやって直せばいいのか僕には分からない!
マーサ:あなた、学校から早退してきたの。
クラーク:ああ、まあ、二学期の残りはもういいんだ。
マーサ:クラーク!
    どうしてそんな事を?
クラーク:母さん、僕が必要だろ。
     仕事が沢山あるじゃないか。
マーサ:でも…
クラーク:母さん、いいんだ。

長い間があり。
マーサは箱を下に置いてクラークに近づきます。

マーサ:知事の事務所から私に会いたいって言ってきたの。
    お父さんの上院選の事だと思うわ。
    それが最後の仕事よ、でもメトロポリスに行かないと。
    私が行ってる間…お父さんの服をホームレス援助の会に寄付してこようと思うの。
    クロゼットの中で服を見ると…お父さんを思い出して悲しいのよ。

クラークは泣かないようにしようとしてうなずきます。

マーサ:シャツにまだお父さんのアフターシェーブ・ローションの匂いが残ってるの。
    (間があり)
    一度目を通して残したいものがあれば選んでおいて。
クラーク:僕はいいよ、その服を有効に使ってもらった方が。
マーサ:(長い休止の後に)そうだわ…お父さんのものよ、あなたに持っていて欲しい。

彼女は腕時計を取り出します。

マーサ:お父さんがあなたにこの時計で時間を教えていたのを思い出すわ。
クラーク:(涙を流し)母さんが持っているべきだよ。

彼は目をそらします。
マーサは残念そうに見えます。

クラーク:メトロポリスに行くんなら、あまり暗くなる前に行った方がいいよ。

マーサは踵を返してクラークをチラッと見て行ってしまいます。
納屋の中にはクラークが一人取り残されます。

メトロポリス、夜。
マーサはジョナサンの服の入った箱をトラックから降ろし教会の路地に運びます。
どこからともなく2人の男たちが現れます。

男1:やあ奥さん、手伝ってやろうか?
マーサ:いいえ、結構よ、一人でなんとかできるわ。

男1は箱を彼女からひったくります。

マーサ:止めて!

男は貴重品を求めて箱の中をあさります。

マーサ:止めて!
男1:いい物だな。

男は彼女の手首から腕時計をひったくります。

マーサ:(怒って)それは夫の形見よ!

彼女は男を殴ります。
男はマーサの顔を激しく殴りつけました。
マーサは壁にぶつかって倒れ気を失います。
男1は腕時計を眺めます。

男1:おかしな女だぜ。
   (歩き去りながら)女の喉を掻っ切っておきな。

男2がナイフを取り出して切り付けようとしたとき、どこからともなく何かが宙を飛んできて男2の腹を殴ります。
それが何者なのか見えません。
男1は辺りを見回し当惑します。
男の前にはマスクをつけている女性がいました。
その女は男を掴むと物凄い力で車のボンネットに投げ飛ばします。
女は男の顔をねじ上げます。
男の顎の上には「13」と刺青がありました。

女:ずっとあんたを探してたわ。
男2:おい、下がれよ、化け物!
   さもなきゃ、この女を掻っ切るぞ。

女は振り向き男2が気を失っているマーサの首にナイフを突きつけているのを見ます。
女は超スピードで男2を掴むと後のフェンスへと投げつけます。
男1は怖がって逃げ去ります。
女がマーサに屈み込むとヘリコプターからのライトが照らしだしました。

女:心配しなくていいわ、もう大丈夫よ。

女は空へと舞い上がります。
女のベルトには頭骨のマークが付いていました。

ケント農場、夜。
ラナがキッチンに入るとクラークが階段を降りて来ます。

ラナ:ねえ、あの…ミューズが天文学の宿題を手伝ってくれなかったの。
   それであなたに見てもらおうと思って…
クラーク:僕は金物屋に行くところだったんだ、少し必要な物を買わないといけないから。
ラナ:クラーク、待ってくれない?
   本当はあなたと話をしに来たの。

クラークが通り過ぎるとラナはクラークを追いかけます。

ラナ:クラーク。
   あなたの気持ちは分かるわ。
   本当にあなたとお父さんは仲が良かったから。
クラーク:ラナ…
ラナ:いいのよ。
   ただ思いつめて欲しくないの。

間があり。
彼はラナをちらっと見ます。

クラーク:来てくれて、ありがとう。
     本当に行かないといけないから。
     あと30分で店が閉まるんだ。
ラナ:ねえ。

彼女は彼の胸に手を置きます。
しかし彼は彼女の手首をつかみます。

クラーク:ごめん。
ラナ:違うわ、あなたは怒ってるの?
   怒って当然よ、でもそうし続ける事はできないのよ。
   私を信じて、私に話して。
クラーク:君が僕の事を気にしてくれているのは分かってるよ。
     ありがとう、でも僕の事は心配しなくてもいい。
     大丈夫だから。

キッチンのドアが開くとマーサが入ってきます、気分が悪そうです。
彼女の額には血が出ていました。

クラーク:母さん?
     何があったんだ?
     何てことだ。
マーサ:服を置きに行ったら、ふたり組みの男が…
クラーク:怪我は?
マーサ:いいえ、大丈夫よ。
    クラーク、誰かが助けてくれたの。
    でも…でもふたり組みにお父さんの腕時計を盗られてしまったわ。

クラークとラナとマーサは心配そうな顔をします。

メトロポリス、夜。
ヘリコプターがビルの合間を飛んでいます。
デイリープラネットビルのエレベーター前。

クラーク:メトロポリス警察に夜中いたよ。
     誰が母さんを襲ったのかなんて僕に心当たりがあるわけないのに。
クロエ:私はそれを隠してるんじゃないかと思うわ。
    私の知り合いが報告書を見つけたらすぐに私のところにFAXするって言ってたわ。
    それで…お母さんはそのビジランティを見たの?
クラーク:なんとかね。
     警察が到着する前に彼女は行ってしまったけど。
クロエ:ねえ、何週間も前からシューサイドスラムの辺りで空を飛ぶ女の人のうわさがあったの知ってる?
    でもあなたのお母さん以外、まともに目撃した人がいないの知ってた?
    今、(新聞を示し)どこの新聞も一面に載せてるわ。
    ビジランティは本物なのよ。

クラークはじっと「ビジランティ」の似顔絵の入った警察報告書を見つめます。

クラーク:これはひどいよ、クロエ。
     僕は母さんを一人でシューサイドスラムに行かせて襲われてしまった。
     それを君は利用するって言うのか?
クロエ:クラーク、私はただ手助けがしたいだけよ。
    私に文句を言わないで。
クラーク:父さんが望んだようにあの腕時計を僕がもらっておけばよかった。
     見ることさえしなかったんだ。
     今僕が考えてるのは腕時計を取り戻す事だ。

クラークが振り返ると女性(アンドレア)が偶然彼の足元に書類を落とします。
彼はそれを拾うのを手伝うためにかがみます。
彼女はめがねをかけ長い茶色の毛を後ろで束ねていました。

アンドレア:ごめんなさい。
クラーク:こっちこそ。

クロエはにっこり笑います。
アンドレアはクロエにいくつかの書類を手渡します。

アンドレア:それが今日の収穫よ。
クロエ:ありがとう。

アンドレアはビジランティの警察報告がクロエの机の上に置いてあるのに気付きますが無視をして急いで立ち去ります。
クラークは彼女が去るのを見送ります。

タロン、夜。
レックスは珍しく緊張した面持ちで入って来ます。
彼はラナがコーヒーカウンターへ注文を出しているのを見ます。

レックス:君の車が正面に置いてあるのを見たが、昔の癖が抜けないのか?
ラナ:(顔を上げて)ケントさんから夜の戸締まりをするように頼まれたの。
   もうすぐ終わるわ。
レックス:なあ、ラナ…

彼は近づきます。

ラナ:レックス、大丈夫よ。
   あなたはもう謝ったじゃない。
レックス:ああ、そうだが、酔っていなかったとしても申し訳なかった。
     あの晩君はクラークにかなり怒っていたようだが?
     もういいのか?

ラナはカウンターの後ろから出て来てテーブルを掃除し始めます。

ラナ:それはもういいの。
   今は彼のために何かしてあげたいのよ。
レックス:今どうしてる?
ラナ:レックス、私たちは親を失うことがどんな事なのか知ってるはずよ。
   彼は今落ち込んでるわ。
レックス:そうか、俺は、あー、クラークに会おうとしたんだが、俺に会いたがらないんだ。
ラナ:まあ、私たちはお互いに彼を助けたいと思っているって事よね。
レックス:あいつの…あいつの人生の中でよかった事は君という存在がいた事だな、ラナ。

ラナは不安そうに見えます。

レックス:だが君が誰かに頼りたくなった時…
     俺はいつでも力を貸そう。

ラナは感謝して微笑します。
レックスは微笑して去ります。

デイリープラネット。
クロエはクラークの肩越し入力をしています。

クロエ:オーケー、クラーク。
    これで全部ね、新しい犯罪者と戦うヒーローの名前は、
    ミス、デス・ウィッシュ。
    (考え込んで)なんか、ごろが悪いわね。
    ダーティー・ハリー。
    これではあまりにもって感じだし。
    (さらに考え)そうだわ、これよ、クラーク!
    あなたのお母さんは彼女が空から急降下してきたって言ってたでしょ。
    だから「エンジェル・オブ・ベンジェンス(復讐の天使)」なんてどう?

彼女は大喜びしてそれをタイプします。

クラーク:(感動せず)クロエ、警察の報告書は?
クロエ:そうだったわ、ゴメンね、クラーク。
    あたしって一度火が着くと我を忘れちゃって。
    ファックスを見に行ってくるわ。

彼女は急いで行きます。
クラークは背中をコンピュータに向けてスケッチを見ます。

クロエがファクシミリから用紙を取り出します。
突然、「エンジェル・オブ・ベンジェンス」が飛び降りてきてクロエの口を手でふさぎます。

エンジェル:私のことを探っているのを聞いたわ。
      第一面に私の記事が書かれるのはあまり気に入らないんだけど。
      あきらめなさい、分かったわね?
クラーク:(突然入ってきて)おい、何をしてるんだ?

エンジェルはクロエを床に突き放すと、クラークにパンチを打ちクラークは机にぶつかります。
クロエは起き上がるとその場を逃げます。
エンジェルは机の上に飛び乗ります。

エンジェル:私の邪魔をしないで。
      これでも正義の味方のつもりよ。

彼女は姿を消します。

クロエ:クラーク!
    クラーク、大丈夫?
クラーク:ああ。

デイリープラネット、数分後。

クロエ:第一ラウンドは彼女の勝ちね?
    彼女の衣装はどうだった?
    かっこよかった?
クラーク:少し大げさだよ、それより、報告書は?
クロエ:ああ、そうね。
    あのさ、羽交い絞めされたのは別として、彼女に少しは応援者が必要だと思うの。
    あたしとしては彼女が忍者の末裔なのか、隕石のせいで変化しのか、どちらかだと思ってる。
クラーク:(無関心で)彼女が誰だとしても問題がある。
クロエ:ねえ、いいかげんにしなさいよ、クラーク。
    あなただってあたしに秘密を打ち明けた事なんかないでしょ。
クラーク:僕はもっと彼女の事をよく知ってからの方がいいって言ってるんだ。
     (クロエに報告を渡し)警察は手がかりを得てない。
     エンジェルの身元を調べることができる唯一の手がかりは、母さんを襲った男かもしれない。
クロエ:まあ、彼女が今晩あなたを殴らなかったら、お茶へ招待をするわ。
クラーク:(考え)僕はそんな事にならないよ。

メトロポリス、夜。
クロエは帽子を被って路地を歩いています。
彼女は自動車のそばで立ち止まるとハンドバッグの中を探します。
マスクを被った強盗がどこからともなく出てきて彼女を攻撃します。

クロエ:止めて!
    お願い、助けて、早く!
強盗(実はクラーク):ハンドバッグをよこせ!
クロエ:助けて!止めて!助けて!

突然、クロエはいら立ったようになり悲鳴を上げるのをやめます。
彼女は帽子を頭から取り去ります。

クロエ:オーケー、あなたが言うから、町中の路上でこんなやらせをやったけど、全然ダメじゃない!
クラーク:君が大きな声で悲鳴を上げないからだ。
クロエ:クラーク!
    半径4ブロックの野良猫だって聞こえたわよ!
クラーク:さあ、もう一回だ。
     もう1回!
     さあ、(彼女のハンドバッグに手を掛け)やるんだ!
     いいぞ。
クロエ:(目をきょろきょろさせ)止めて!
    助けて、お願い!
クラーク:よこすんだ!
クロエ:ダメ…お願い、助けて!
クラーク:(マスクを外し)感情がこもってない、感情を込めてやらないと!
クロエ:ヤメテー!!!!!!!!!!!

クラークの後ろにエンジェルが舞い降ります。

エンジェル:また、あなたなの。

彼女は彼にパンチを加えようとしますがクラークは身をかわします。

クラーク:僕は争うために来たんじゃない。
エンジェル:そう、私はダンスシューズを履いてるわけじゃないわよ。

彼女はクラークにパンチを加えますが、彼女の方が路地の方に飛んで行きました。
煙が立ち込め彼女を覆い隠します。
クラークは手に持った彼女のマスクを見ます。
煙が次第に収まると、そこにいたのはデイリープラネットにいたアンドレアでした。
アンドレアはクラークにパンチを打ち、フェンスへ彼をたたきつけます。
彼女は建物の天辺に届くほどのジャンプをし、再びクラークの前に立ちはだかります。
彼女は驚いているように見えます。

ルーサー・コープ。
ライオネルは絹の入れ物からピストルを取り出し弾装をまわします。
レックスが入って来たとき彼は壁に対して銃を向けていました。

レックス:
ほう、親父がそういう気だったんならおれも用意しておくべきだったな。
ライオネル:ああ、違うんだ。
       これは武器じゃない、レックス。
       これは歴史的なもので、海外の友人からのプレゼントだ。
レックス:そうか。
     決闘がしたいんなら親父の敵に言ったほうがいい。

ライオネルは銃をもて遊んでいます。

レックス:そいつらが気を緩めている時が、親父の攻撃のチャンスだろ。
ライオネル:ああ、それは今朝のアジアのマーケットの動きの事か?
       お前の言いたい事は?
       聞いているぞ。
       ブローカーがルーサーコープの株を半値で買い占めているとな。
レックス:(怒って)いいかげんにしてくれ、親父!
     あんただって中国人を使っているだろ。
     親父がアペックスグループの乗っ取りを裏で糸を引いているのは知ってるんだ。
ライオネル:(微笑)お前がそれほど関心を持っていたとはな。
       そんなお前を見れて嬉しいよ。

ライオネルはレックスに近づき彼の肩に手を置きます。
レックスはライオネルの手首をつかみ振りほどきます。

レックス:そのニヤニヤした顔を取り去ってやる。
     そんな事は俺がさせない。
ライオネル:どうやってそれを止めようというんだ?

レックスは答えません。

ライオネル:借入金による資本構成の改変か?
      お前の選挙戦でルーサーコープの資金繰りが危うくなったそうじゃないか。
      お前に資金を貸し出してくれる銀行などどこにもないぞ。
レックス:(一瞬の休止の後に)それじゃ、親父は返り咲くためにどうするつもりだ?
     俺の頭に鉛玉でもぶち込むか?
ライオネル:そんなメロドラマなことはしないさ、レックス。
      これを撃つ事はありえない。
      かなり貴重なものだからな!

ライオネルは再び銃をもて遊んでいます。

ライオネル:知っているか、マッカーサー将軍がフィリピンに戻ったときこれを身につけていたんだ。
       彼はその時なんと言ったか知っているか?
       「余は戻って来た」だ。
レックス:得意になるもいい加減にしろよ、親父。

レックスは向きを変えて去ります。

レックス:親父はまだ海岸にさえたどり着いていないんだ。

屋根裏部屋。
アンドレア(エンジェル)とクラークが話をしています。

アンドレア:あなたが言った事や見せた事は本当の事なの?
      どうやって早く動けるの?
クラーク:分からない。生まれつきこうなんだ。
アンドレア:それはラッキーね。
      普通はかなり大変な事は覚えているものだけど。
クラーク:(当惑して)それなら君はどうやって…
アンドレア:特殊な力を手に入れたか?
      心臓移植を受けてからよ、半年前にね。
      流星群のせいで死んだ女の子がいたの、その子の心臓を移植してから突然すごい力を手に入れて蘇ったの。
      あなたには分からないでしょうね、誰かの命と引き換えに蘇ったことが。
      だからこうして動いているのよ、決して忘れないためにね。

彼女はロケットを開きます。
中には隕石がありました。
クラークは弱ります。

クラーク:僕はその石にアレルギーがあるんだ。
アンドレア:石に?
      分かったわ。
      それで…あなたとサリバンは私の事を記事にするためにあんな真似をしたわけね。
クラーク:僕は君の事を記事にするつもりはない。
     君の力が借りたいんだ。
     今日の夕刻に僕の母さんを救ってくれただろ。
     シューサイドで男に襲われた女性だ?
     そいつらが腕時計を盗んだんだ。
アンドレア:ごめんなさい、色んな人を助けているから一々覚えてないわ。

彼女は帰ろうと振り返ります。

クラーク:それは父さんの形見なんだ。
アンドレア:お父さんは亡くなったの?
      そしてあなたはまだそれを受け入れられない。
クラーク:どうしてそんな事言うんだ?
アンドレア:それは私は一度もそうすることができなかったから。
      ママと私は体操の競技会場から帰る途中だった。
      そしたら二人組の男たちに襲われたのよ。
      ナイフが心臓に突き刺さるのさえ感じなかったわ。
      目を上げるとママが目の前に横たわっていた。
      そして奴らは笑いながら歩き去って行った。
クラーク:それが君を動かす理由か?
アンドレア:ママはこのグループ、アクラダに生涯を捧げたのよ。
      奴らはギャング、ディーラー、私達の家を取り壊そうとした男とさえ戦ったわ。
      ママは小柄な人だったけど、素晴らしい女性だったわ。
クラーク:(感じて)それはとんでもない奴らだ。
     君の人生を滅茶苦茶にした奴らは。
アンドレア:腕時計を取り返すのを手伝って上げられるわ。
      でもそれがあなたの本当に求めているものじゃないでしょ?

クラークの表現は読めません。

アンドレア:あなたは平和のために戦ってる。
      私みたいに。
クラーク:僕にそいつらの居場所を教えてくれないか?
アンドレア:やつらは13ストリート・ギャングの一員よ。
       あなたの追いかけている男は地下に潜ったわ。
       やつらは九千人いるとも言われてる。
       あなたが行くんなら私も行くわ。

デイリープラネット。
マーサは階段を降りて来てオフィスに入ります。

クロエ:ケントさん、どうしてここに?
マーサ:クラークを探してるの。
    見かけた?
クロエ:ええ、1時間ぐらい前に。
    あたしにバッグを持たせたままにして。

マーサはため息をつきます。

クロエ:あの、いいですか、事件の事聞きました。
    無事でよかったですね。
    クラークの事は心配要りませんよ。
    すぐに戻ってくるか、連絡があると思いますから。

クロエはデスクに歩きながら笑って言います。

マーサ:あの子、一晩中いなかったのよ。
    携帯にも出ないし。
    あの子らしくないわ。
クロエ:最近の彼はそんな感じですね。
マーサ:あの子犯人を捜そうとしてるんじゃないの?

クロエは黙ります。

マーサ:クロエ、秘密を守らなきゃいけないことは知ってるわ、でもそれとこれは話が別よ。
クロエ:彼は腕時計のことを本当に気にしてました。
マーサ:私の事も?
クロエ:まあ、正直に言って、彼は今お父さんの死を受け入れる事以外の辛さは辛いと感じてないと思います。
マーサ:ああ(ため息)。
    でもこの辛さを乗り切らないともっと辛い事になっていくわ。
クロエ:そうですね。
    私にできる事があれば何でもします、でも彼の気持ちも分かるんです。
マーサ:でもね、クラークはいつかその気持ちを抑えないといけないの。
クロエ:誰かに危害を加えるかも?
マーサ:そうなる事を恐れてるのよ。
    あの子にどんな力があるのか知ってるでしょ。
クロエ:ええ、でもクラークはいつも加減を心得てましたよ。
マーサ:それは…(目を逸らし)ジョナサンがいつもついていたからよ。
    あの人はいつもクラークに助言をしていたわ。
クロエ:ケントさん、私は旦那さんが唯一の人だとは思いません。
マーサ:あの人が死んだとき…本当に私一人だけでこの秘密を守っていく事ができるかどうか輪からなかった。
    あなたがいてくれてよかったわ。

クロエは微笑します。

マーサ:ありがとう。
クロエ:彼は大丈夫ですよ。

二人は抱き合います。

クロエ:あたし達でそんな事にならないようにしましょ。

二人は共に心配したような顔をします。

メトロポリス、夜。
使われなくなった線路の脇で、焚き火を囲んでいる男たちがいます。

アンドレア:(示し)この男を知らない?
ギャングのメンバー:悪いな、ここは仮装パーティーの会場じゃないんだ。

クラークは男を突き飛ばします。

アンドレア:まぁまぁ、ジェスロ。
      あなたは力を抑えて、頭を使うことを考えて。
      (男2)前にあったわね。
      私達あなたの友達を探してるのよ。
      顔に変な刺青をした男よ。
男2:だから、どうして俺にそんな話を?
クラーク:そいつがいなくなってしまったからさ、僕の物を持ってるんだ。
アンドレア:それを取り戻したいの。
      どこにいるのか教えてくれない?

クラークは他のギャングのメンバーが会話を聞いているのに気付きます。
彼らはジャケットの下に隠さした武器を触ります。

クラーク:あのさ、僕らが探してるって伝えておいてくれないか。

クラークはアンドレアを連れ彼らから離れます。

アンドレア:どうしたの?
      まだ何も聞き出せてないわよ。

クラークはちらっと向きを変えます。
彼はスーパーヒヤリングを使い男2が携帯で電話をしている音を聞きます。

男2:スネーク、オノだ。
   礼の奴がどこかのガキを連れて現れたぜ。
   お前を探してるって伝えてくれとさ。

クラークは超スピードでオノから携帯を奪います。
オノは携帯が無くなってしまって当惑した顔になります。

デイリー・プラネット。

クラーク:この最後に掛けた番号を調べてもらえるかい?
クロエ:(クラークから電話を受け取り)じゃあ、やっと私の本領に戻れたってわけね。
    ここんところずっと違う役割だったもんね。

ドアが開きアンドレアが入ってくると通常の服に着替えていました。

クラーク:君はいつも電話ボックスで着替えてるのか?
アンドレア:バスルームに人がいたからよ。

彼女はバッグを開けます。
クロエは内にコンタクトレンズのパックがあるのを見ます。
アンドレアはそれを取り出します。

クロエ:あのめがねはダテだって思ってたわ。
アンドレア:冗談いわないで、私はコウモリ並みに見えないのよ。
      (めがねをかけ)それにマスクをするとメガネは似合わないでしょ。
クロエ:アキビューを助けるか。
アンドレア:あなたこそ、その電話を奪った動きはすごかったわ。

彼らはロビーからオフィスの中へと移動します。

アンドレア:これで私たちば相棒とし行動できるわね。

クロエはクラークににっこり笑います。

クラーク:(真剣に)僕は相棒じゃないよ。
     さあ電話のリストを調べよう。
クロエ:そうね、それにログオンページを迂回することができるし。

アンドレアはパソコンの前に座ってタイピングを始めます。

アンドレア:隠されたわ。
クロエ:あなたがここで働く理由は何?
    デイリープラネットなら調査をしやすいから?
アンドレア:記事を探すのに早いからよ、ブレンダ・スターね。

クロエはクラークに短い一見を与えます。

モニタには「この番号はベアトリス・クラウスに登録されます」と書かれています。

アンドレア: スネイクの本名がベアトリス・クラウスじゃないとしたら、盗んだ電話を使っているんだわ。
クラーク:発信先の番号を調べられるかい?

彼女はさらにタイプすると電話のリストがモニタに映ります。

クロエ:ファンタジー電話のお得意さんみたいね。

クラークは携帯電話を取り出します。

クラーク:もっといい事がある、ピザの配達だ。
     (スネイクの電話へ)ああ、デリバリーをお願いしたいんですけど。
     番号は555−0138。
     (間があり)1436のスタントン通り。
     ええ、それが住所です。
     よろしく。

クラークは受話器を置きます。

クロエ:警察に電話をした方がいいんじゃないの。
クラーク&アンドレア:ダメ。
クロエ:(驚いて)クラーク、あまり剥きになってるんじゃない?
クラーク:クロエ、もし僕がこういう奴らを止めるために力を使わないなら、この力は何のためにあると思うんだ?
クロエ:あなたが無理して超クラークになる必要もないと思うけど。

二人の女性はクラークを見ます。
クロエは心配しているように見えます。

アンドレア:心配しないで。
       私が彼を見張ってるから。

シューサイドスラム、夜。
クラークはスネイクの衿をつかんでいます。

クラーク:どうしてお前たちみたいなゴミが生きていて、父さんが死ななきゃいけないんだ?

彼は乱暴に古い家具に投げつけます。
スネイクは立ち上がりクラークにナイフを振り回します。

スネイク:帰った方がいいぜ、さもなきゃお前さんも死ぬ事になる。
クラーク:父さんの腕時計を盗んだだろ、返してもらうぞ。
スネイク:一体何の話をしてるんだかさっぱりだな。

クラークがスネイクを追い詰めるとスネイクは後ろ向きに後退します。
クラークは暴力的にフェンスにスネイクを押しつけ、スネイクがナイフを落とすまで首を締め上げます。
クラークはスネイクを地面に放り出し、彼の顔を無表情に見つめます。

スネイク:もう持ってない!
     売っちまった!
クラーク:父さんの形見だったんだ。

クラークはスネイクの首を絞め続けます。
スネイクはうなり声を上げます。

アンドレア:(後ろから)何を迷ってるの?
      そいつは死に値するわ!

クラークは突然自分が何をしているか悟って彼を地面に落とします。

アンドレア:もしあなたが殺さないなら、私がやるわ。
クラーク:ダメだ。

彼は彼女を止めようとします。
しかし彼女は彼に対して緑のクリプトナイトを向けます。
クラークは力が弱まり後ろに倒れます。
彼女はクラークにかがんで彼の胸の上にクリプトナイトを置きます。

アンドレア:悪いけど、私がやらなきゃいけないのよ。

彼女は地面からナイフを拾い上げスネイクに顔を向けます。
彼女はマスクを外します。

スネイク:お前は。

アンドレアはフェンスにスネイクを押しつけます。

アンドレア:これが私のママを刺したナイフ?
クラーク:(地面から)止めろ、そいつにそんな価値はない!
アンドレア:(スネイクに)ママを殺す必要はなかったはずよ。
      ママはあんたらに持っていたお金を全部渡したはず!
スネイク:金が欲しかったわけじゃねえんだ!
     強盗に見せかけるように言われたんだ。
アンドレア:(ショックを受けて)殺しの依頼?
スネイク:あの女は奴らにとって邪魔になった。
アンドレア:誰の事?
      誰があんたを雇ったの?!
スネイク:スーツだ!
     アペックスのスーツ。
     そいつがスラムを牛耳ってる。
アンドレア:そいつの名前は?
クラーク:アンドレア!
スネイク:俺が知っているのは、ライオネル・ルーサーから電話を受けたことだけだ。
クラーク:止めろ。

アンドレアは後ろに下がりクラークをひと目見てからすごい動きでナイフを男に突っ込みます。

クラーク:ダメだ !!!!!!!!!

地面に崩れるスネイク。
アンドレアはためらってから歩き去ります。

メトロポリススカイライン、夜。
ルーサー・コープ。
ライオネルは満足げな顔でエレベーターから出てきます。
レックスはオフィスの外で待っています。

レックス:もう引っ越してきたのか。
     まだ時期尚早だと思うがな、親父?
     つまり、委員会は朝まで開かれない。
ライオネル:私は能力を高く評価する、レックス。
      それは知っているはずだ。

レックスはしっかり微笑します。

ライオネル:今日お前が銀行に電話を掛け捲っているのは知っているぞ。
      全てのコネを使っても何も得られない事に傷つく事だろうな。
レックス:特にあんたに優秀な部下がいればな。
ライオネル:お前は会社を乗っ取りやすい状態に放っておいた。

ライオネルは壁のスロットにカードを通してオフィスに入ります。
一瞬の躊躇しレックスはライオネルについて入ります。

レックス:俺はその事に対して親父に感謝してるんだ。
     つまり、もし親父がやらなければ他の奴らに乗っ取られていた。
ライオネル:その通りだ。
      身内でよかったんだ、もし他の者達だったら?
レックス:万が一でも揺るぎない一族の忠誠が崩れる。
     ルーサーには引っ掻き回されは困る隠し事があるからな。
ライオネル:その通りだ、前置きはいい、レックス。
      お前は今回どんな隠し事を掘り起こしたんだ?
レックス:まあ、それはまだそれほど古くはない。
     まだ新しいことだ。

ライオネルは馬鹿にしたように笑います。

レックス:マーサ・ケントがもし夫が死ぬ直前にあんたと密会をしたのを聞いたらどう思うかな。
     いくら寛容な彼女でさえ許せると思うか?

長い沈黙。

ライオネル:何が望みだ、レックス?

レックスは手を伸ばしライオネルの指からカードを取ります。

レックス:ここでの滞在を楽しんでくれ。

彼は去ります。

レックス:(振り向き)短い間だがな。

シューサイドスラム、夜。
オノはスネイクを探しています。

オノ:スネイク?

彼は地面に倒れているスネイクを見つけます。

オノ:スネイク!

彼は振り返り、苦しんで倒れているクラークを見ます。

オノ:(クラークに)お前は死んでるのか。

オノはクラークの衿を掴み引っ張ります。
クリプトナイトが落ち効果が弱まっていきます。
クラークは力を取り戻しオノをフェンスに突き飛ばし超スピードで立ち去ります。

ルーサー・コープ。
ライオネルがオフィスにいると後ろのガラス窓が粉々になり、エンジェルが現れます。
ライオネルは振り返りますがそこには誰もいません。
彼が顔を戻すと彼女は彼の衿をつかみます。

エンジェル:あんたがシューサイドスラムを開発することができるように、皆を追い出した。
      私のママがあんたに逆らったため、あんたはママを殺した。
      誰も正義からは逃れられないわ、ルーサー、あんたでさえもね!
ライオネル:聞いてくれ、我々だって君と大して変わりはない。
エンジェル:私の事を色々知ってるようね!
ライオネル:(絶望的に)ああ!
      君と同じように危険を犯して大きくなたんだ。
      君が無意味な罪でしたのとまったく同じように、私も親を失った!
エンジェル:無意味なんかじゃないわ、計算づくよ!

クラークが入と、彼女はライオネルを窓から突き落とそうとしていました。

クラーク:アンドレア、止めるんだ!
     警察に任せるんだ。
     もしライオネルに罪があるなら裁かれる。
アンドレア:もしあなたのお父さんが殺されて、その犯人を目の前にしたらあなたならどうする?
クラーク:もし君が間違ってたらどうするんだ?
     もしライオネルが何も関係していなかったら?
ライオネル:アンドレア、彼の話を聞いてくれ。
      聞いて。
クラーク:なあ、君の心に何があるか分かってる。
     それは怒りだ。
     僕も同じ気持ちだ。
     でもライオネルの命を奪ったところで何も変わらない。
アンドレア:いいえ、変わるわ!

彼女は窓のより近くにライオネルを押します。

クラーク:アンドレア、止めろ!
     お母さんのことを考えてみるんだ。
     こんな事してお母さんが喜ぶとでも思っているのか?

アンドレアはためらいます。

クラーク:彼を放すんだ。
     彼を放せば問題はない。
アンドレア:私は人を殺した。
      あなたも知ってるでしょ、クラーク。
      あなたは決して私をここから逃がす事ができない。
      これからはあなたが本当のヒーローになるときよ。

彼女はライオネルを窓から押し出します。
クラークはすぐに超スピードで動き出します。
ライオネルが窓から落ちる直前にクラークはライオネルをつかみます。
クラークがライオネルを助けるとアンドレアは窓から飛び出して逃げます。
クラークは窓の下を見下ろしますが彼女はいなくなっています。
ライオネルは首をさすりながら窓のクラークに近づきます。

ライオネル:並外れた女だ。
      はなはだ間違った方向に向いているがな。
クラーク:彼女はこれでおしまいだ。
ライオネル:どうして私の命を助けたんだ、彼女のためか、それとも私の?

クラークは返答しません。

ライオネル:理由が何であれ…(手を彼の肩の上に置き)君に感謝するよ、クラーク。

ケント納屋、夜。
マーサが入って来ると壁に掛かっているジョナサンのジャケットを見ます。
彼女はそれを手に取り夫の匂いを吸い込みます。
彼女は座ります。
突然ライオネルが出入口に現われます。
マーサは跳び上がりびっくりしました。

ライオネル:マーサ、申し訳ない。
      驚かせるつもりはなかったんだ。
マーサ:いいのよ。
    上の空だったから。
ライオネル:ああ、こんな辛い日を忘れるのは大変な事だ。
      その気持ち、分かるよ。
      妻が、リリアンが死んだ時、私はずっとこのままではないと思った。
      立ち直るには長い時間が必要だ。
マーサ:そうなるように努力してるわ。

彼女は行こうと踵を返します。

ライオネル:知事が君に上院でジョナサンの代わりに席に着くように求めたのを聞いた。
マーサ:(立ち止まり振り向いて)クラークにも話てないのに、どうして?
ライオネル:私の耳は地獄耳でね。
      君が…どう結論をだしたのか知りたい。
マーサ:もしあなたが何らかの方法で私の心を動かすために立ち寄ったんなら、
     私はまだ申し出を受け入れるつもりかどうか決めてないわ。
ライオネル:いや、君は君の考えでその決断をすべきだ。
      君を煩わせたのなら謝ろう。
      君は受けるべきだ、マーサ。
      ジョナサンが農場を抵当に入れたのを知っている。
マーサ:それがあの人の考えよ。
ライオネル:彼のプライドだ。
      彼はその金で私に献金を返してきた。
      だが私は受け取れない。
      ジョナサンと私は政治と金のことで我々を隔てた。
      私たちの間ではそういうことが起きない事を願うよ、マーサ。

マーサは困惑しているように見えます。

ライオネル:もし君が何かを必要とするなら…お願いだ、私は君のためになろう。
      友人として。

マーサはうなずきます。

デイリープラネット、日中。
クラークはオフィスの中に入ります。
彼はアンドレアの机が空席であることに気付きます。
クロエはクラークに近づきます。

クロエ:やあ。
    私が今朝着たときにはもう、こうだったんだ。
    彼女の家に電話したんだけど…アメリア・イアハートっていう人に引き渡したみたい。
クラーク:彼女はもう誰にも探せないだろうな。
クロエ:ええ、まあね、あなたがした行為は正しいよ、裁判官、陪審、死刑執行人の代わりにね。
クラーク:ああ。
クロエ:クラーク、本当は何があったの?
クラーク:君の話を聞くべきだった、クロエ。
     君は僕に警告してくれたんだ。
     僕はあの男の喉を締め上げたんだ。
     もしあのまま締め上げてたら、元通りに戻ると思ってた。
クロエ:なっ!クラーク。
    でもしなかったんでしょ。
クラーク:ああ。
クロエ:何で気が変わったの?
クラーク:父さんの声さ。
     (微笑)変に聞こえるかもしれないけど…父さんの声が聞こえたんだ。
     僕が一線を越えようとすると、いつも父さんは僕を抑えてくれた。
クロエ:アンドレアもそうなってくれればよかったのに残念だわ。
    彼女ならメトロポリスで活躍できたのに。

クラークはうなずきます。

クロエ:今まで彼女がしてきた事をあなたならできる?
    昼の顔は実直なリポーターで、夜の顔は犯罪者と戦うヒーロー?
クラーク:正直に言って?
     僕は表の顔と裏の顔を持たないようにしたいよ。

ケント納屋。
クラークが階段を上ってくると木製の箱に父親の腕時計があるのを見ます。
彼は当惑してそれを拾い上げます。
振り返ると後ろにラナがいました。

ラナ:メトロポリスでそれを見つけ出すのに全部の質屋を回ったわ。
クラーク:これを見つけだしたなんて信じられない。

ラナは微笑します。

クラーク:ラナ…ゴメン今までこんな風に避けてきて。
     もう大丈夫だ、でも父さんはもういない…そう感じてないんだ。
ラナ:それは自分の殻に閉じこもってるからよ、世界は広いわよ。
   たとえ何人あなたの周りにいようとも、解決するのはあなた一人しかいないのよ。

クラークはうなずきます。

クラーク:それってすごく難しいことだよね?

ラナは微笑します。

ラナ:大丈夫よ。

クラークは自分の腕時計を外して父親の腕時計をつけます。

ラナ:素敵ね。
   お父さんも喜んでいると思うわ。

彼らはお互いにほほ笑みます。

ケント台所。
クラークはキッチンから出てドアを閉じます。
テレビの音声が聞こえてきます。

テレビのジョナサン:ほら、このように。8の字になっている。
テレビのマーサ:おねがい気をつけて。
テレビのジョナサン:心配しなくてもいいさ、大丈夫!

クラークはマーサが古いビデオを見ているのを見ます。

テレビのジョナサン:その方法?
           何を言ってるんだ?
           この青年は鋼の男だぞ!

テレビでジョナサンとクラークは雪の中でトラクターに乗っています。

テレビのジョナサン:この子を見ろ!
           さあ、もう一度だ…
テレビのマーサ:どこへ行くの?
テレビのジョナサン:農地を見せてやろうと思ってな!
           いつかこの子のものになるんだ、そうだろ?
           クラーク、母さんに手を振って。

マーサは後ろにいるクラークを見ます。
テレビのジョナサンはまるでクラークに手を振ってるように手を振ります。

テレビのジョナサン:じゃあな。

クラークは目に涙を浮かべます。

マーサはクラークがジョナサンの腕時計をしているのを見ます。
彼女はそれに触れ、そして彼らは抱きしめあいます。
クラークは泣き始めます。