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SMALLVILLE(スモール・ビル)
邦題:ヤング・スーパーマン
編集後記:今回登場するサイボーグはアメコミのヒーローらしいのですが
私は確認する事ができませんでした.
シーズン5.15Cyborg(サイボーグ)
薄暗い研究施設。
奥の方には円筒形の檻に両腕を左右に繋がれ立っている男がいます。
突然明かりが点きだし施設の中は明るくなりました。
すると白衣を着た東洋系の男がガン式注射器を持って入ってきます。
この白衣を着た男はここの研究施設の博士なのでしょう。
そして繋がれている男へと近づいて行きます。
途中の台にはロボットの腕やその上に人間の皮膚をあしらった物があります。
博士がタッチパネルに右の親指の指紋を読み込ませるとパネルに暗証番号を入力する数字が現れます。
博士が暗証番号を入力すると、円筒形の檻は開きます。
繋がれている者は若い黒人男性で体にフィットした青い服を身に着けています。
博士は檻に入ると彼の首に注射をします。
すると黒人男性は目を覚まします。
博士:ビクター、聞いてくれ
すまない、君をこんな目に合わせてしまって
ビクターは不審そうな顔で博士を見ます。
博士は彼から離れると檻に付いている装置を操作します。
ビクターを繋いでいた両腕の戒めが解除されました。
博士は再び彼に近づきます。
博士:これしか持ち出せなかった
博士は一枚の写真をビクターに手渡します。
その写真には若い女性が写っていました。
ビクターはその写真をしばらく見た後、博士を見ます。
ビクター:ありがとう
博士が檻から離れるとビクターも檻から出ます。
しかしビクターの背中に繋がれていたコードが外れ照明が点滅を始めアラームが鳴り始めます。
博士は慌ててビクターに言います。
博士:皆が来る、行くんだ
早く!
博士はビクターを急がせます。
ビクターが研究室の入り口を出ると、
そこへ銃を持った警備員達とスーツを着た男がやってきます。
スーツの男はビクターが逃げる後ろ姿を見つけ警備員に命令します。
男:止めろ !
肩を狙え!
警備員が銃をビクターに向けますがビクターは廊下へと姿を消します。
警備員はビクターを追いかけます。
男:ここから出すな
生かして捕まえるんだ
博士は男の後ろで入り口を見つめていました。
研究所の廊下。
ビクターは廊下を走っています。
後ろから警備員が追いかけてきます。
警備員がビクターの姿を捉え銃を撃ちます。
銃はビーム兵器のようで稲妻のような光線がビクターに向かいます。
しかしビクターは角を曲がりビームは壁に当たります。
ビクターがしばらく走っていると研究施設から駐車場のような場所に出ます。
スロープのような場所に出ると前の出口は鋼鉄の扉が閉まっていました。
警備員がやっとその扉の場所に来た時には扉は飴のように捩れて開いていました。
スーツの男は唖然として扉と外を見ます。
男:付近を捜索するんだ
檻に戻すんだ
メトロポリス。
日中。
路面が濡れた道を車が走っています。
雨は降っていません。
その車はラナが運転していました。
ラナは紙コップのコーヒーを一口飲みカップを下に置こうと目を下に向けます。
顔をあげた瞬間彼女は驚いて急ブレーキをかけます。
車の前にはビクターが立っていました。
ビクターは車に気づき両腕を車に突き出します。
路面が濡れているためほとんどスピードの落ちない車はビクターにぶつかります。
エアーバックが膨らみ車が大破します。
しかしビクターはボンネットの中に埋まるような形で立っていました。
ビクターが割れたフロントガラスを見るとラナが額から血を流しボウッとビクターを見ていました。
メトロポリス医療センター。
診察室にビクターとラナが入ってきます。
中には誰もいません。
ラナはハンカチで切れた額を押さえています。
ラナ:30マイルでぶつかったのよ
死んでもおかしくないわ
ビクターは室内と廊下を見回した後、ラナを診療台に座らせます。
ビクター:初めての事じゃない
ビクターは慌てたように診察室の窓に駆け外を見ます。
ラナ:(振り返って)何者なの?
ビクター:知る必要はない
俺を信じてくれ
ビクターは出入り口に行こうとします。
ラナ:待って、少なくても私には…
ビクター:(ラナに引き戻り)車の事は悪いことをした
今は質問には答えられない
(ラナは彼を見つめます)
ここから出て行かないと
ビクターは廊下へと出て行ってしまいました。
ラナは携帯電話を取り出しダイヤルします。
ラナ:クラーク、手を貸して
ケント家。
日中。
リビングではマーサが新聞を読んでいます。
見出しは「未亡人、上院議員へ。マーサ・ケント、夫の後を引き継ぐ」と書かれています。
マーサは新聞を溜息をついてテーブルに置きます。
玄関に何か物音が聞こえるとマーサは玄関に行ってドアを開けます。
辺りには誰もいませんでしたがポーチの上に「マーサ・ケント」と書かれた大きな封筒が置いてありました。
マーサは封筒を拾い上げ家の中に戻ります。
そして封筒を開けるとポータブルDVDプレイヤーが入っていました。
彼女はプレイヤーを開き再生させます。
そこに映っていたのはどこかの倉庫のような場所で人が倒れていました。
そしてすぐに爆発が起きます。
その映像を見たマーサは驚いた顔をします。
映像は繰り返し再生されています。
マーサは顔を上げ困った顔になります。
メトロポリス医療センター。
クラークが診察室に入ってきます。
クラーク:ラナ、大丈夫なのか?
ラナは女性医師に傷の手当てを受け終わったところでした。
彼女の額には血に染まったガーゼが貼ってあります。
ラナ:(クラークを見て)ええ、切っただけ
随分早かったわね?
クラーク:(ラナに近づき)クロエと一緒にデイリープラネットに居たんだ
何があったの?
ラナ:図書館に車で向かう途中
車の前に人が飛び出してきたのよ
ブレーキをかける時間さえなかった
(一旦言葉を切り、クラークを見つめ)
彼に思いっきりぶつかったの
クラーク:(心配そうな顔で)大変だったね
ラナ:分かってない
彼は傷ひとつなかった
クラークは神妙な顔になります。
クラーク:ラナ、その人は?
ラナ:分からない
彼が病院に連れてきて、名前さえ言わなかった
飛び出して行ったわ
誰かに追われてるみたいだった
クラーク:どんな人だった?
病院の廊下。
ビクターは服を着替え、前に着ていた服を丸めて手にしています。
その服をゴミ箱に入れると辺りを見回し病院を出て行きます。
表に出たビクターは辺りを気にしながら歩いています。
サイレンが鳴るとビクリとしてその方向に目をやります。
目の前をパトカーが通り過ぎると彼は踵を返します。
するとそこにはクラークが立っていました。
クラーク:誰に追われてるんだ?
警察か?
ビクター:人違いじゃないか?
そう言うとビクターはクラークを越えて歩きだします。
クラークはビクターの後を追います。
クラーク:友達が君をはねたんじゃないのか?
ビクター:(苛立って)何が目的だ?謝罪か?
クラーク:答えだ
彼女は猛スピードでぶつかったと言ったのに怪我ひとつないなんて
一体どうやって?
ビクター:(立ち止まり、振り向いて)体は頑丈でね
クラークはビクターの顔を見てハッとした表情になります。
ビクターは再び歩き出します。
クラーク:ビクター ? ビクター・ストローンだろ ?
ビクターは立ち止まり顔だけクラークに向けます。
クラーク:過激なレシーバーって呼ばれた
ビクター:(睨んで)俺を知ってるのか?
クラーク:僕はクラーク・ケント
スモールビル・クロウズの選手だった
ビクター:ケント?
(頷きながら)クオーターバックのか?
思い出したよ
凄腕だってな
クラーク:もうやってない
再びサイレンが聞こえるとビクターはギョッとした顔になります。
ビクター:俺もだ
クラーク:死んだって聞いたけど
ビクター:君の友達には悪いことをしたと本当にそう思ってる
でもこんな所でこうしてはいられないんだ
また後で会うかもな
ビクターは振り返り行こうとします。
クラークはビクターの腕を掴みます。
クラーク:ビクター、待ってくれ
ビクター:ほっといてくれ!
ビクターはクラークの掴んでいる腕を振り払おうと腕を振ります。
するとクラークは宙を飛び壁に激突して壁を壊し地面に倒れます。
ビクターは心配して駆け寄ります。
ビクター:ケント、ケント!
大丈夫…
クラークは不思議そうな顔をして立ち上がりビクターに近づきます。
ビクター:(不審そうな顔で)お前は一体?
クラーク:それは僕が聞きたいよ
クラークはX線ビジョンを使ってビクターを透視します。
するとビクターの体の中は機械だらけでした。
ビクターはじっと見ているクラークに文句を言います。
ビクター:何ジロジロ見てんだよ?
クラークは驚いた顔になります。
ケント家。
電話のベルが鳴るとマーサが電話に出ます。
マーサ:もしもし ?
(恐る恐る)どなた? 何の用なの…
(間があり)いえ、分かってます。
でもそれ以上は…
(間があり)分かりました、また後で
電話を切って振り向くと玄関の扉(網戸)の外にライオネルが立っていました。
マーサは驚いた顔になります。
マーサ:ライオネル ?
ライオネル:早すぎたかな?
(腕時計を見て)11時半と言ってなかったかな?
マーサ:(思い出し)ああ、そうだったわね
トピーカでの会議だったわね
(玄関に行ってドアを開け)
入って
マーサはテーブルのところに行きDVDプレイヤーを封筒にしまいます。
そして他の書類を整理します。
ライオネル:ヘリを使えば時間の短縮はできるぞ、上院議員
(マーサーは答えません)だがもし君が気にしてるなら
ルーサー・コープから支援を受けていると思われるのがね…
マーサ:(振り返って)いえ、そうじゃないの
それは構わないわ
でも予定を変更しないといけなくなったの
ライオネルは机の封筒に気付き、目をマーサに戻します。
マーサは落ち着かなそうにしています。
しかしライオネルは封筒の事には触れません。
ライオネル:どうしたんだい、マーサ?
大丈夫かね?
マーサ:平気よ、何でもないわ
ライオネル:それならいいんだが
ライオネルは踵を返し玄関に向かいます。
そして立ち止まって振り返ります。
ライオネル:もし気が変わったら
どんな事でもいい
遠慮なんかせずに
私を呼んでくれ
マーサ:(頷き)分かったわ
ありがとう
ライオネルは玄関を出て行きます。
マーサはテーブルに戻り封筒を手に取りどうしようかという顔になります。
納屋。
日中。
クラークが携帯を耳にあてながら入ってきます。
クラーク:ラナ
(階段を上がり)
いなくなってしまってゴメン
でもビクターが目立ちたくないって
違うよ、メトロポリスにいて
何か分かるまでさ
ああ、クロエが迎えに行くから
そう、じゃあ
上の階に上がるとクラークは電話を切ります。
そこにはビクターが机の前に座りノートパソコンを見ていました。
クラークは彼に近づきます。
ビクター:(モニタを見たまま)
この新聞記事は本当なのか?
クラーク:ああ
間違ってない
モニタに映った新聞の見出しは「MET高校のレシーバー、交通事故で亡くなる」となっていて、
ビクターがユニフォームを着てポーズをとっている写真が掲載されています。
ビクター:(悲しそうに)俺達は車に乗ってた…
はしゃいで…移動中だった
(間があり)
雪が降り始めたんだ…
妹は雪が好きだった…
母さん…父さん…それに妹
(モニタの「死亡」という文字を見つめ)
俺は一緒に死んだはずだった…
(クラークは彼に目を向けます)
気を失って…
(クラークを見て)
気がついたら天使に会うはずだったんだ…
それなのに、フランケンシュタインを作り上げようとする
シンテクニクスの科学者がいた
クラーク:シンテクニクス?…そこが君を?
ビクター:(間があり)俺一人じゃない、事故から隠されたのは…
でも実験で生き残ったのは俺が最初だ
もし反対する科学者が助けてくれなかったら
今頃は人間じゃなく機械になってる
クラーク:(ビクターにより近づき)
機械って?
それはサイボーグの事かい?
君の体の中にある金属の?
ビクター:(頷き、驚きクラークを見て)
どうして知ってるんだ?
お前を投げつけた壁といい
怪我一つしてない?
クラーク:頑丈なのは君だけじゃないのさ
ビクター:お前もサイボーグなのか?
クラーク:違うよ
(間があり)
それとは違う
ビクター:(長い間があり)
お前の君の彼女は?…ラナって言ったっけ?
お前の事を…知ってるのか?
クラーク:ラナは知らない
ビクター:(落ち込んだ顔で)
キャサリンも同じだ
クラーク:キャサリンって?
ビクター:(苦笑いをして)彼女だ
ビクターは立ち上がりポケットから写真を出しクラークに渡します。
クラーク:(写真を見て)きれいな人だね
ビクター:(窓に歩き)
卒業したら結婚するつもりだった…
今じゃ結婚どころか
クラーク:彼女は君が生きているのを知ってるのか?
ビクター:いや…彼女には会ってない
もし俺がされた事を知ったら…
奴らに何をされたのか…
こんな俺を愛してくれると思うか?
クラーク:それは僕に聞く事じゃないよ
クラークは写真を返します。
ビクターは写真を見つめたまま話します。
ビクター:どうでもいいさ
もしシンテクニクスが俺を捕まえたら…
クラーク:デイリー・プラネットに友達がいる
彼女ならそいつらを調べられるかも…
君から引き離せるかもしれない
ビクター:(クラークを見て)
俺のためにどうして?
クラーク:僕も似たような経験をしたからね
クラークはニコリとします。
ビクターも口元をわずかに緩めます。
クラーク:ここにいて
ここなら安全だから
クラークはジャンパーを手にして階段に向かいます。
クラーク:直ぐに戻ってくる
デイリープラネット。
夕方。
クロエとラナが話しながらオフィスを歩いています。
クロエ:で?信頼度は上がったの?
ラナ:当然よ
クロエ:へえ ? 背が高くて、黒人で、サイボーグか
ブロンドは好きかな?
クロエが自分の席に座るとクラークが近づいてきます。
クラーク:彼女がいるよ、残念だけど
クロエ:(残念そうにクラークを見て)あらまあ
ラナ:彼女はその事を知ってるの?
クロエはパソコンで何か調べています。
クラーク:いや、知られたくないそうだ
彼女の反応が怖いんだって
ラナ:彼女に嘘をつき通して
気づかれないと思ってるのかな?
クロエとクラークはチラッと目を合わせます。
クロエ:それで、シンテクニクスを探ってみたんだ
ホコリなんかよりいい面しか出てこなかった
クラーク:何かあるはずだ
クロエ:(モニタを見ながら)メインの研究は機械加工みたいね
「最先端技術による、義手、義足の設計」
クラーク:ビクターは手足どころの騒ぎじゃない
ラナ:シンテクニクスって誰の経営?
クロエ:(調べながら)えーと…
誰だと思う?
ルーサー・コープよ
クラークがラナを見るとラナは驚いた顔をしています。
レックスの屋敷。
書斎でレックスは椅子に座って書類を読んでいます。
後ろの扉が開きクラークが入ってきます。
レックスは書類から顔を上げます。
クラーク:話がある
レックス:(振り返らず)それはまた唐突だな、クラーク?
クラーク:(レックスの前に回りこみ)
シンテクニクスについてだ?
レックス:(クラークを見ずに)
ほう、会うなりいきなりか
気軽な会話や、冗談じゃなさそうだな…
告発でもしにきたのか?
クラーク:告発なんかする気はない
レックス:(椅子から立ち上がりクラークを超えて)
そうなのか?
正義の口調だったからな
(書類をケースに入れ)
で、今回は何だ?
クラーク:本人の同意もなしにビクター・ストーンにどうしてあんな事を?
レックス:ビクター・ストーン、フットボール選手のか?
自動車事故で死んだのは新聞で読んだが
クラーク:(レックスに近づき)シンテクニクスは彼を実験台にした
レックス:ならシンテクニクスに言うんだな
クラーク:ルーサー・コープは7か月前にシンテクニクスを買収してる
レックス:(クラークに振り向いて)
クラーク、ルーサー・コープは四半期で100以上もの会社を売り買いしてるんだ
クラーク:自分の知らないうちに会社が勝手にやっていると?
レックス:多くの多国籍企業を経営してると言ってるんだ
それを掌握するのは俺でも難しい
誰かがその企業を悪用しているのなら
必要な措置はとる
クラーク:そう願うよ
二人はしばらくお互いの目を睨みあいます。
クラークは出て行きます。
レックスは浮かない顔です。
ケント家。
夜。
納屋でラナがビクターを探しています。
ラナ:ビクター ?
ビクター ?
辺りを見回し後ろを振り返ったラナはそこにビクターが立っているのを見て驚きます。
ビクター:すまない
ラナ:(落ち着きを取り戻し)いいのよ
ビクター:クラークは?
ラナ:レックスに話をしに行ってるわ
ビクター:レックス・ルーサーとか?
ラナ:ルーサー・コープがあの会社を経営していたのよ
ビクター:(少し腹を立て)
俺自身の口から 二言三言 言ってやりたいよ
ラナ:レックスは確かに過去によくない事もした
でもこの件に関しては無関係だと思うの
(ビクターは不振そうな顔をします)
彼は普通とは違うわ
ビクター:俺だって…
俺には選択肢はないんだ
ラナ:そうよね
ビクター:差がありすぎるだろ?
缶切りやミキサーと ?
ラナ:違う、あなたが愛している女性に本当の事を話すか
嘘をつき続けるか
ビクター:(間があり)
クラークが言ったのか、キャサリンの事を
ラナ:ええ…だから来たの
ビクター:(ラナに背を向けて、鼻で笑い)
この数ヶ月ずっと思い続けてきた
もう一度…この手で彼女を抱きしめたいと
ビクターがラナを見るとラナは頷いていました。
ビクターは表に出て行こうとします。
ラナ:ちょっと、どこに行く気 ?
ビクター:(振り返って)
彼女を探しにさ、何て言えばいいのか分からない
でも行かないと…
その時ビクターの胸の辺りに緑色のレーザーポインターが当たります。
そしてポインターは肩の方へと移動します。
ビクターは気づきポインターの動きを目で追います。
ラナ:(気づかず)いいの?
レーザーは研究所にいた警備員で納屋の二階から狙っていました。
警備員が引き金を引くとエネルギービームはビクターの右肩に当たり火花を散らします。
ビクターはもんどり打って倒れます。
ラナ:ビクター !
ラナがビクターに近づこうとすると他の警備員がラナの腕を捕まえ殴り倒します。
ラナは気を失います。
ラナを殴った警備員は銃を構えビクターに近づきます。
もう一人の警備員は二階から降りてきて無線で連絡をします。
警備員:目標捕獲
するとクラークがやってきてその警備員を投げ飛ばしもう一人の警備員にぶつけます。
二人の警備員は気を失います。
ラナは目を覚まし身を起こします。
クラークはラナを助け起こします。
クラーク:ラナ、大丈夫か ?
ラナ:ええ、平気よ
ビクターは肩を押さえ起き上がります。
肩からは真っ黒な油のようなものが漏れています。
ビクター:目をつけられたぞ
タロン。
クラーク、ラナ、ビクターが入ってきます。
クラークはテーブルスタンドを点けます。
クラーク:よし、ここなら見つからない
ロイスは明日まで戻らないから
ラナ:横になって、タオルを持ってくる
ビクター:(申しわけなさそうに)ケント、すまない
お前を巻き込むつもりはなかった
ビクターは椅子に座ります。
ラナがタオルをもってやってきます。
クラーク:心配しなくていいよ
なんとかなる
ラナ:(タオルを渡し)これを
ビクターは腕を押さえていた上着を下に置きます。
そして穴の開いた肩の部分に指を突っ込み皮膚を破ります。
ビクター:そうは思えない
テープを貼れば治るってもんじゃないんだ
俺の肉体と機械は繋がってる
皮膚の下には機械が
ショートしながら動いていました。
ビクター:この漏れている液体は…
動力源からだ
ラナは心配そうに見ています。
ビクター:(皮膚を戻し押さえて)もしこのまま止まらないと….
俺は死ぬ
ラナは驚いた目でクラークをチラッと見ます。
クラークも目を丸くしていました。
デイリープラネット。
夜。
クロエ:徹底的に調査をした結果、やっと見つけたわ
この博士を探さないと
持ってきた書類をコピー機にかけます。
クラーク:ビクターがどれくらい持つか
クロエ:レックスの強引さは知ってるけど
あなたの家にスナイパーを送るなんて彼のスタイルじゃない
クラーク:変えたんだろ
シンテクニクス社の事を聞いたとき嘘をついた
クロエはコピーを取り終え歩き出します。
クラークは後を追います。
クラーク:本当の事を言ってるかも
あのプロジェクトはアリステア・クリーグ博士が率いてた
大変な経歴の持ち主よ
彼は倫理的に問題のある研究を行い資金提供を得ようとして
MITとスタンフォードからクビになったの。
クラーク:レックスにも同じ事をしてると?
クロエ:科学的な進歩についてレックスの強迫観念は間違いなく目標を与えるわ
クラーク:そんなのはどうでもいい
重要なのはビクターの命を救える人が必要なんだ
クロエ:(席に着き)その人の名前は?
クラーク:ホーン博士
クロエ:(ノートパソコンを操作し)メトロポリスだけで6人はいるわ
産婦人科は除外できるわね
クラーク:生体工学技術者だ
クロエ:(検索をかけ)あったわ
ホーン博士の家。
夜。
クラークがやってきて玄関をノックします。
クラーク:ホーン博士?
(もう一度ノックし)ホーン博士はいますか?
クラークは何か物音を聞いて家の裏(車庫)の方に回ります。
車庫の中を見るとビクターを助けたホーン博士が車の中に排ガスをホースを引き込み
車の中でぐったりとしていました。
クラークは急いで車庫の中に入りドアを開けエンジンを切ります。
そしてホーン博士の首を触り脈を診ます。
クラークが死んでいるのを確認すると後ろからレックスの声がしました。
レックス:死んでるのか?
クラーク:(立ち上がって振り向き)
その答えは知ってるんじゃないのか、レックス
クラークは入り口に立っているレックスに近づきドアを出ます。
レックス:(クラークを追いかけ)クラーク、俺が関係してると思っているのか?
クラーク:(振り向かず)
じゃあ、どうしてここにいるんだ、レックス?
前にシンテクニクス社の事を聞いたとき知らないと言っただろ
レックス:そうは言ってない
だがお前が警句してきた後、調べてみた
クラーク:信じるとでも?
レックス:(立ち止まって)そう思うならそれでいい
ホーン博士は警鐘を鳴らそうとしていた
絶えられなかったんだろう
(クラークは立ち止まり振り向きます)
それともそう見せかけたのか
クラーク:アリステア・クリーグ博士の事か
レックス:随分 調べたんだな
クリーグは はみ出し者だ
プロジェクトは手足を失った者が
普通の生活を送れるようにと始まったものだ
生きた機械を作製するためにある男性を探し出した
(クラークに近づき)
クラーク、ビクターの居所を知っているなら
クリーグに見つかる前に俺に教えてくれ
クラーク:…重症だ、撃たれてね
このままだと死ぬかもしれないと言っていた
レックス:それなら尚更だ
技術ならある
クリーグ抜きでもビクターは治せる
クラーク:君のやり口は知ってる
レックス:なあ、俺に疑念を抱いてる事も、怒っている事も知ってる
だが俺たちのいざこざのせいでビクターを死なせたいのか?
クラークは考え込みます。
タロン。
ビクターは腕を押さえてうなっています。
ビクター:(ラナに)
どうしたんだ?
クラークは見つけたのか?
ラナ:(携帯を切って)
…ごめんなさい、ビクター
ホーン博士は亡くなったわ
ビクター:(ラナを見て、悲しそうな顔で)俺のせいだ
もし博士が…俺を逃がさなければ
まだ生きていたはずだ
ラナ:(ビクターに近づき)あなたのせいじゃないわ、ビクター
(脇に座り)こうなる事が分かってたわけじゃない
ビクター:家族と一緒に死ねばよかった
すぐにそうなるけどな
ラナ:そんな事言わないで、あきらめないで
ビクター:キャサリンに会わないと
ビクターはよろよろと立ち上がり出て行こうとします。
ラナは追いかけます。
ラナ:ビクター、まだあなたを探してるわ
それに歩ける状態じゃない
ビクター:どうでもいい、死ぬ前に彼女に会うんだ
ラナ:分かったわ、クラークを待ちましょ
ビクター:(振り返り)必要ない
もし愛する者に会える最後のチャンスなら
君ならどうする?
ラナはその意味を悟ってビクターが出て行くのを見送ってしまいました。
キャサリンの家。
部屋の中は間接照明だけで薄暗い状態です。
ビクターがドアを開けてよろめきながら入ってきます。
ビクター:キャサリン !
キャサリン !
部屋の奥の机の後ろに最初にビクターを捕まえようとしたスーツの男、クリーグが座っています。
ビクターはクリーグに気づきハッとします。
クリーグ:(ビクターを見て)やあ、ビクター
ビクター:(息を荒げ)キャサリンはどこだ?
クリーグ:安全な場所だ
君が協力的ならばだが
ビクター:(近づきながら)
彼女に何かしてみろ、ただじゃおかない…
クリーグ:(立ちあがって)
私は医師だ、ビクター
(机の前に出て)
使命は人を助ける事
傷つける事ではない
ビクター:俺をおもちゃにするな
彼女に会わせろ
クリーグ:そうかね
だがまずはこの者達と一緒に研究所に戻るんだ
入口の方から警備員が二名やってきてビクターを挟むように立ちます。
ビクター:ノーベル賞を望んでるのか?
クリーグは何も言わず、ビクターは警備員に伴われ部屋を出て行きます。
部屋に一人残ったクリーグは独り言のように呟きます。
クリーグ:あなたの言う通りだった
魚のように喰らいついてきた
すると別の部屋のドアを開けてレックスが入ってきます。
そしてクリーグの脇に立ちます。
レックス:心ってやつは判断を曇らせるからな
埠頭。
夜。
一台の車が停まっています。
その前には大きなカバンを抱えたマーサが立っていました。
マーサは辺りを見回しながら車から離れて行きます。
どこかから突然声を掛けられマーサは振り向きます。
男声:金は持って来たか?
背後には背の高い男が立っていました。
マーサ:ええ、持ってきたわ
誰なの?どうしてこんな事を?
そこへ車がハイビームにして二人に近づきます。
二人は車の方を見ます。
マーサは車のライトを眩しそうに見ます。
男は走って逃げて行きます。
車が停まって出てきたのはライオネルでした。
マーサ:ライオネル?
何しに来たの?
ライオネル:(近づきながら)同じ質問をしたいね
マーサ:あなたは何をしたのか分かってないわ
ライオネル:(マーサの前で立ち止まり)
心配したんだ、マーサ
あの封筒を見たよ、今朝、君の家で
君が私の援助を受け入れないのは分かっている
しかし私は落ち着いてはいられなかった
君を危険な目に合わせるなんて
マーサ:分かってないわ
ライオネル:そうだな、認めるよ
君は上院議員だ 社会的地位もあれば
世間の目もある
恐喝はつきものだ
マーサ:それで?
どうしてここに?
ライオネル:恐喝に屈服してはいけない
解決にはならない
マーサ:(ライオネルに背を向けて歩きならが)
分かってないのよ
危険だって事が
ライオネル:(マーサを追いかけ)
分かっている、君を助けさせてくれ、マーサ
マーサ:結構よ、ライオネル、自分でできるから
ライオネル:(立ち止まり)
そうだろう、君は非常に有能な女性だ
だが今回は君の経験を越えた事だろ
(マーサは振り返ります)
その封筒の中身に私は全く興味はない
私の興味は君が幸せになる事だけだ
マーサ、私に手伝わせてくれないか
研究施設。
日中。
中でビクターは歯医者のようなイスに寝かされ固定されていました。
クリーグと助手が手術着を着てやってきます。
クリーグがビクターに取り付けられていた酸素マスクのような物を取り外すと彼は目覚めます。
ビクター:キャサリンはどこだ?
クリーグ:(ビクターを上から覗き込み)
家に戻したよ
心配は要らない、見張りは付けてあるがね
(ビクターの右腕を触りながら)
チューブを交換したんだ
よかっただろ
サーボ機構を少し調整した
腕は前よりも快適なはずだ
ビクター:(クリーグを見つめ)
待ち切れないぜ
あんたの頭をグシャグャにしてやるのが
クリーグがビクターの視界からどくとそこにはニヤついたレックスがいました。
レックス:気分はどうだ?
ビクター、君を助けるのが遅れなくてよかった
ビクター:お前は神様になった気でいるのか?
助けてくれとは頼んでない
レックス:俺は君に将来を与えたんだ…
普通の生活を送れるチャンスを
ビクター:普通 ?
半分ガラクタの体でか?
600万ドル(訳注:600万ドルの男って知ってます?)以上かかってるんだ
君にはもっと痛みを知ってもらいたい
ビクター:ならどうしてガラクタを取り外さないんだ
車椅子に俺を放り出せばいい
レックス:この機械なければ君は死ぬ
だが君と同じぐらい俺も君の自由を望んでいる
それには少し耐えてもらわないとな
ビクター:(眼だけ脇を見て)何だ?
レックス:(顔を後ろに向け)
君のためにだ
クリーグが顕微鏡で何かを覗いています。
コンピュータのモニタにはIC回路のようなものが映っています。
助手がビクターに近づき脱脂綿で右側頭部を消毒します。
ビクター:俺に何をする気だ?
レックス:何をするって?
君をもう一度作り直す
(ビクターの足元に回りながら)
怒り、絶望、孤独…
そのような強い感情は、脳と生体工学の間で亀裂をつくる
(クリーグの方を指さし)
このチップは必要に応じてそれを取り除く
ビクター:俺を操る気か
お前が使用としている事は…ロボットだ
レックス:(台に手をかけ)
ビクター…落ち着け
SFの読みすぎだ
ペースメーカー、人工皮膚、人工心臓…
人間と機械の融合は何も新しい事じゃない
クリーグがガン式の注射器を持って近づきレックスを見ます。
レックス:俺はここまでだ
後はよろしく
クリーグ:チップの移植準備に入ります
クリーグはビクターの首に針を打とうとします。
ビクターは抵抗しますが台に固定され動けません。
針はビクターの首に刺さり液が注入されます。
タロン。
クラークが帰ってきます。
クラーク:ラナ、ビクターは?
ラナ:(クラークに背を向け)出てったわ
クラーク:何だって?
ここを出るなんてどうして?
ラナ:最後にキャサリンに会いたがっていたわ
クラーク:奴らに見つかってしまうだろ
ラナ:(振り返って)
止めようとしたわ、でも話を聞かなかった
研究所に連れ戻されると思う?
クラーク:探してくる
ラナ:警察を呼ぶわ
(テーブルの携帯を取りに行き)
前にも撃たれた事があったし
何をされるか分からない…
ラナが振り返るとクラークはいなくなっていました。
ラナは呆然とします。
研究所。
ビクターは薬が効いてきたのかボウっとしています。
クリーグはドリルを手にします。
クリーグ:リラックスしてくれ、ビクター
すぐに終わる
ビクター:あんたこそリラックスして、そのドリルを片付けろよ
クリーグ:約束しよう、これが済めば生まれ変わった気分になる
クリーグはドリルのスイッチを入れビクターに近づきます。
クラークが超スピードで入ってきます。
クリーグがもう少しでビクターの頭にドリルを入れようとした時、
クラークは超スピードでクリーグを含めた三人を投げ飛ばします。
三人は部屋の端に吹き飛ばされてしまいます。
そしてクラークはビクターの戒めを素手で解き放ちます。
ビクター:ナイス・タックルだ
ここから出るぞ
自由になったビクターはイスから降りクラークと一緒に部屋から出て行きます。
研究所の外に出た二人は屋上へと向かいます。
ビクター:お前はどうするんだ、ケント?
クラーク:僕は色んな事ができるのさ
屋上まで来ると二人は迷わず走って飛び降ります。
下のアスファルトに降りると、その衝撃でアスファルトにひびが入ります。
警備員達が屋上へと駆け上がります。
しばらく後。
下に来た警備員とクリーグはアスファルトのヒビを驚いた眼で見ています。
レックスの屋敷。
書斎でレックスがイスに座っているとクラークが乱暴に扉を開けて入ってきます。
クラークは手に書類を持っています。
レックス:クラーク…
今度は少しはお喋りができるのか?
クラークはレックスに近づき目の前のテーブルに書類を叩きつけます。
レックス:ビクターが研究所から逃げた方法でも?
レックスはチラッと書類を見てからクラークに目を戻します。
レックス:違うらしいな
クラーク:それはクロエが見つけ出したプロジェクトの全容だ
レックスは書類をパラパラとめくります。
レックス:これにはクリーグの異常な実験は書かれてないようだが
レックスは書類を投げてテーブルに置きます。
クラークはレックスの目をじっと見つめます。
レックス:ビクターを苦しめようとは思ってない
彼は十分に苦しんだ
クラーク:君のせいでな
レックス:クラーク…
クラーク:レックス、研究所にいたな
チップを彼の頭に入れようとしていた時
レックス:俺は止めに行ったんだ…
クリーグを止めに
クラーク:ビクターはそうは言ってなかった
レックス:(立ちあがってクラークの後ろに歩き)
ビクターは麻酔をかけられていた
俺の意図を誤解したのかもな
クラーク:(レックスに向いて)
君がやったんだ
違うか?
レックスはクラークを見ます。
クラークは帰ろうとします。
レックス:彼を幸せにしたいとは思わないのか?
もし家族の後を追う事になったら?
クラーク:いつも自分を正当化しようとするんだな?
レックス:俺の考えている事は
奇跡の価値だ
しかしそれは非常に大変な事だ
ビクターに伝えてくれ
何があっても大丈夫だと
ルーサー・コープが保障すると
レックスは書斎を出て行きます。
クラーク:自分で言えばいいじゃないか
レックスは聞いてないかのように去ってしまいました。
ケント家。
日中。
納屋の中ではビクターが右腕を曲げ伸ばししています。
クラークが入ってきてそれに気づきます。
クラーク:ちゃんと動くかい?
ビクター:(ちらっとクラークを見て)
10億ドルは欲しい
それも直ぐに手に入る
本当にルーサーは持ってくると思うか?
俺を手放したのに?
クラーク:(近づき)
有無は言わせなかったよ
ビクター:(クラークを見て笑顔になり立ち上がって)
礼を言うよ、でも…言葉じゃ表しきれない
クラーク:言葉なんていらないよ
ビクター:お母さんの教育の賜物だな?
お前はヒーローだ、ケント
この借りは決して忘れないよ
ビクターは手を差し出します。
クラークはその手を握ります。
クラーク:誰かが困っていたら助けるんだ
それで貸し借りなしだ
クラークはビクターの背後を見ます。
ビクターもクラークの見ている方を見ます。
ラナが納屋の入口から女性を連れて入ります。
逆光で顔は陰になって見えません。
ビクターは女性に向かって歩きます。
するとその女性はキャサリンでした。
キャサリンはビクターを見て笑顔になります。
ビクターはキャサリンの元へと走ります。
ビクター:キャサリン !
二人は喜び抱き合います。
しかしキャサリンはビクターの背中に回した手で体を触ると違和感を覚えます。
キャサリン:ビクター ?
一体何があったの ?
何かされたの ?
ビクター:(間があり、悲しげに)長い話さ
キャサリン:(ビクターの顔を触り、笑顔で)時間はあるわ
二人は再び抱き合います。
クラークとラナはほほ笑ましそうに見つめます。
ケント家。
夕方。
リビングでマーサは例のDVDを見ています。
映像はスロー再生されています。
その時玄関をノックする音が聞こえると
マーサは慌ててDVDをプレイヤーから外しテーブルクロスの下に入れます。
そして玄関に行くとライオネルが立っていました。
マーサ:ライオネル、入って
(中に入れ)どうだった?
ライオネル:心配ない、解決した
あの男には二度と君に近づかないと約束させた
マーサ:何者だったの ?
ライオネル:警察学校を中退して倉庫の警備員をしている。
金欲しさに脅したそうだ
マーサ:(心配そうに)
脅しの内容を話した?
ライオネル:言わなかった
奴が近づかない事しか、私には興味がない
奴は…快諾したよ
(マーサは頷きます)
(ためらって)だが、その
私に関係する事がまだ一つあるんだ
マーサ:何なの ?
ライオネル:(溜息をついて)
君は現在、公人、上院議員だ。
人はいづれ君の事に気づく…
全て分かってしまう
協定を結ばないか、私と…
このライオネル・ルーサーと…
君の新しい経歴に傷が付くところだったろ?
マーサ:私は人が考えるほど彼女の友人に背を向けるタイプじゃないわ
ライオネル:(苦笑いをし)君のような人を他には知らない、マーサ
君の完璧主義を賞賛するよ
カンザス州は君がいて幸せだ
マーサは頷きます。
屋根裏部屋。
クラークは高校時代のアメフトのユニフォームを手に取り眺めています。
そこへラナが階段を上がってやってきます。
クラークは気づきラナに向きます。
ラナ:しばらくそれを見てなかったわね
クラーク:ビクターが思い出させてくれたんだ
ラナ:どうしてやめちゃったの?
いつもフィールドでは幸せそうだったのに
まるで何もかも忘れたみたいに
クラーク:ただの遊びだよ
ラナ:クラーク、どうしてそんな言い方を?
クラーク:何で?
ラナ:本当の気持ちを隠してるわ
クラークは図星を指されたようでためらいます。
ラナ:(クラークに近づき)ビクターとキャサリンを見てて
愛し合ってるんだって…
私たちの昔を思い出したの
(間があり)
私がどれだけあなたを愛していたか分かる、クラーク
(クラークを見つめて)
でも堂々巡りをしてただけみたい
それは…進展する事はなかった
クラーク:分かってる
ラナ:本当の事を教えて、クラーク
まだ私を愛してる?
クラーク:僕はずっと愛してるよ
そしてこれからも
ラナはその言葉を聞いて安心したのかどうか分かりませんが納屋から出て行きます。
クラークは二階の夕陽の差し込む窓に向かいます。
メトロポリス。
夜。
ライオネルのオフィス。
ライオネルは分厚い封筒をマーサを脅そうとしていた男に手渡します。
男が封筒を開けると札束が入っていました。
男は納得した顔で頷き部屋を出て行きます。
ライオネルは座って机の上のノートパソコンを見ます。
ケント家。
マーサは暖炉の前でジョナサンの写真を見ています。
写真立てを下に置きDVDを手に持ちます。
ライオネルのオフィス。
ライオネルはノートパソコンを見続けています。
ケント家。
マーサは立ち上がってDVDを暖炉の火の中にくべます。
DVDが火で溶けてしまうと安心したような顔になり、涙を流します。
ライオネルのオフィス。
ライオネルはノートパソコンを真剣な眼差しで見続けています。
ライオネル:(呟くように)たとえ何があっても
君の秘密は…
私が守る…
モニタにはマーサが見ていた映像が映っています。
スロー再生されています。
爆発の炎の中、クラークが気を失ったラナを抱きかかえて出てくるシーンでした。
ライオネル:カル-エル
おしまい