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スターゲートアトランティス シーズン3

第42話「敵の敵は味方?後編」
3X02 - MISBEGOTTEN (3)

地球。
シャイアン山複合センター。
スターゲイト司令部(SGC)。
コントロールルームで、ウォルター曹長がコントロールデスクに座っており、スターゲイトがダイアルインします。

ハリマン:ワームホール接続。

ウィアー博士が急いでデスクにやって来ます。

ハリマン:アイリスオープン。映像受信。

テイラの顔がコントロールルームのスクリーンに現われます。

テイラ:スターゲイトコマンド、こちらはアトランティス。
ウィアー:私よ、テイラ。そちらの状況は?
テイラ:残念ですが、なにも。

エリザベスは目を閉じて頭を下げます。

テイラ:でも我々が追跡していた母船がアトランティスに向かってきています。まもなくこっちに到着します。
ウィアー:ステルスモードをオンにして。

アトランティス、コントロールルームでテイラはカナダの技術者に向きます。

テイラ:始めて。

技術者はうなずいて制御装置を作動させます。
都市はステルスモードで見えなくなります。

技術者:ステルスモード作動中。
ウィアー:防御の方はどう?
テイラ:全てのレールガンには人員を配置しています、それにベケット先生がドローンのコントロールチェアにいます。
ウィアー:彼につないで。

チェアの部屋で、カーソンはコントロールチェアに横になっています。
数人の科学者が読み出しをチェックして部屋にいます。
チェアは後ろに倒れ活動状態になっています。
カーソンは顔に恐怖と恐れのいつもの表情をしていました。
エリザベスの声がインカムから聞こえます。

ウィアー:カーソン?
ベケット:エリザベス。
ウィアー:平気?
ベケット:ええ、大丈夫だと思います!あなたは?
ウィアー:あなたにこんな事を頼んで申し訳ないと思ってるわ。
     でもそのチェアでドローンを実際に発射した事があるのはシェパード中佐とオニール将軍以外あなたしかいないの。
ベケット:皮肉です、僕がそれをやったとき殺しかけたのがその二人だったのは。
ウィアー:あなたならうまくできるわ。
ベケット:これは必要なんですか?つまり、ステルスモードにしたんでしょ。
     見つけられるとは思えません。
ウィアー:いつもだったらあなたの意見と一緒よ、でも母船の動きは私たちが今まで見た事のあるのと違うわ。
     ダイダロスよりも早く近づいてきてる、我々から盗んだ情報よりもずっと速くね。
     いずれにしても、ステルスモードでは対処できないかもしれないわ。
ベケット:そうかい。

宇宙空間。
母船がハイパースペースから現れアトランティスを目指して進みます。
コントロールルームでは技術者がテイラに報告します。

技術者:母船がハイパースペースから現れました。
テイラ:ベケット先生、待機して。

チェアルームではカーソンが身を引き締めます。
エリザベスとテイラはそれぞれのコントロールルームで心配そうに待ちます。

技術者:シグナルを受信。
シェパード:(無線で)アトランティス、こちらシェパード、応答してくれ。

テイラは喜びと安堵で微笑します。
エリザベスは振り向いて驚いてウォルターを見ます。

テイラ:ジョン?!
ウィアー:成功したの?!
シェパード:食料と水がなくなっている、それに数日間寝てないんだ、だが、成功した。

カーソンはほっとして微笑します、そしてエリザベスもそうします。

シェパード:だから俺たちを攻撃するのはやめてくれよな。

母船のブリッジでは。
シェパード中佐が嬉しそうにブリッジの周りを歩いています。
マイケルが一時的にではありますが船の操縦をしています。
ロドニーも別のコンソールにいます。

シェパード:俺たちの新しい母船に損害を出したくないだろ。

彼は向きを変えてロドニーと微笑を共有します。

しばらく後に。
母船は惑星の周りを旋回していました。
ダイダロスは母船から離れ下の惑星に降下し始めます。
コールドウェル大佐は無線でまだ母船にいるジョンに連絡を取りながら、転送されたカソーンとともに廊下を歩いていました。

コールドウェル:こちらダイダロス。完了した。
シェパード:了解。(カーソンに)こっそり近付いてきて本当にすまなかったな先生。
       サブスペースコミュニケーションがダウンしていたから。

カーソンは驚いて辺りを見回します、しかし彼は両手を上げ手を組みます。

ベケット:これだけ近くに来ていたのに僕は攻撃しなかった。
シェパード:自信を持ってくれ先生、いい判断だった、次もよろしくな。
ベケット:次!そ、そんな・・・
シェパード:謙遜するな、レトロウィルスはうまく効いたんだ。
ベケット:本当ですか?どのぐらいの人数に?
シェパード:まあ、この船は全員が起きちゃいなかったんだ。

ベケットたちの前のドアが開きます。
カーソンは人間になったレイスの眠る冬眠装置を見ます。
彼は部屋の中を歩き半透明のシールドに手を置きます。
彼は向きを変えて部屋を見回します。
極めて多くの冬眠装置があります。
そしてそれらの内部には人間になったレイスが入っています。

ベケット:(驚いて)これだけかい?!
シェパード:正確にはその下に2百ある。
      奴らは戦って死んだんだ。
      ガスが人間に変え始めると、奴らは同士討ちを始めた。
      俺たちはラッキーだった。
      こんな母船があれば沢山運ぶことができる。

カーソンは部屋をまだ見回していて、ジョンが言った事を理解してまばたきします。

ベケット:そうだね。

地球。SGC。
エリザベスの部屋でウォルゼイがテーブルの側に座っています。

ウォルゼイ:誤解しないでもらいたい、ウィアー博士。
      私は君の事を非難しているわけではない。
      IOAはどういう事でもこの問題に対する公式の見解は持っていない。

エリザベスは皮肉に鼻を鳴らします。

ウィアー:実際、厳しい決定があるのに、突然意見を持っていないって。
ウォルゼイ:2百人のレイスの命の優先順位は高くない。
      君が危機を乗り切ったほどには、そして率直に言って君が彼らの権限に対して…

エリザベスは抗議するために口を開きますがウォルゼイは続けます。

ウォルゼイ:…そしてまだ奴らの母船が遠くにあるかもしれないが、その中にスパイがいる可能性もある。
ウィアー:マイケルによればそんな事はないと。
ウォルゼイ:君はその特定のレイスが我々を信頼させ自己防衛しているとは思わないのかね。

エリザベスは前に寄りかかります。

ウィアー:裁判を受けているみたいね。

ウォルゼイはため息をつきます。

ウォルゼイ:ペガサス銀河は遥か遠くにある、彼らは全くレイスが地球に来るという事を誰も脅威だとは思っていない。
ウィアー:アトランティスへの反感は、第一に私に軍の指揮権を渡したことじゃないんですか!
ウォルゼイ:(残念そうに)命を吸い取るエイリアンの侵略の脅威など軍は君の評価を認めない。

アトランティス。 夜。
テイラは海兵隊員にガードされたキャビンに近づきます。
彼らの1人がドアを開け彼女は入って来ます。
マイケルが窓から町を見つめています。

テイラ:マイケル?

マイケルは振り返って数秒間、静かに彼女を見ます。
テイラはそこにいる事に気が進まず落ち着かない様子ですが、まっすぐに彼の凝視を受け止めます。

マイケル:シェパード中佐の命を救い、母船が地球に行くのを阻止した手伝いをしても、
     なお私を監視下に置くのか。
テイラ:あなたは過去に我々の信頼を裏切ったわ。
マイケル:信頼 ?!
     あの時は私は囚人だった!
     今回は君たちに手を貸したにも関わらず、また囚人に逆戻りだ。
     (彼は部屋の中をぐるっと歩きテイラに戻ります)
     驚いていると言う以外言葉がない。
     私は歓迎されると思った、どうしてここでは歓迎しない?
テイラ:何の話?
マイケル:私は女王からまるで汚いものを見るような眼で見らてた。
     いずれレイスとして再び元に戻るかもしれない、しかしその事は…
     (次第に言葉が小さくなり)それがどうして君たちを助けたのかの理由だ。
テイラ:何が望なの?
マイケル:私はここにいる事はできない、まして自力でレイスのところに戻ることもできない…

彼はテイラに向かって歩き始めます。
海兵隊員が武器を取り上げて彼に対して向けると彼女は不安そうに後ずさりします。
マイケルは微笑して止まります。

マイケル:…物資と船が欲しい。
テイラ:あなたの援助には感謝してる、でも決して解放できないわ、あなたが持ってる情報のためじゃなくて。
マイケル:(怒鳴って)それなら今すぐ私を殺せ!
テイラ:別の道がある。
マイケル:もう一度人間にするつもりか。
テイラ:そうよ。
マイケル:これは病気ではない。
テイラ:残りの人生を人として生きればいいわ。
マイケル:もし自分が誰なのか分らなくなったら、もしこの意識が消去されたら、死とどう違う?
     そしてもし本来の自分の記憶を取り戻したら何が起きると思う?
テイラ:ベケット先生は開発を進めている。
    治療はもっと効果的になってる、もしかするとずっと戻らなくてすむかもしれない。
マイケル:もし本当にそれを信じているのなら、変化したレイスを船に閉じ込めてはいないだろう。

彼は再び彼女に向かって歩き始めます。
海兵隊員はより高く武器を上げます、しかしテイラは動こうとしません。

マイケル:(皮肉でいっぱいの声)彼らはここで歓迎を受けたはずだ。

地球。SGC。
エリザベスはオフィスでソファーに座って仕事をしていました。
誰かがドアをノックします。

ウィアー:どうぞ。

ウォルゼイがドアを開けて中に入ります。

ウォルゼイ:ウィアー博士?
ウィアー:ウォルゼイさん。

彼女はペーパーワークを止め立ち上がります。

ウォルゼイ:IOAは今のところ、あなたがアトランティス遠征隊を率い続けるべきであると決定した。

エリザベスは驚いているように見えます。

ウォルゼイ:驚いているのか?

エリザベスはうなずいて、それから微笑します。

ウィアー:ええ。もちろん。
     「命を吸い取るエイリアン」よりも米軍の国際的な不信の方がはるかに恐れていると思ったわ。

ウォルゼイは彼が前に言ったことを引用した彼女に微笑します。
二人とも少しリラックスし、エリザベスは机の縁に座ります。

ウォルゼイ:実際は意見は二分した。
      だが打開策としてペガサス銀河の状況を詳細に報告が出るまで一時的な復職を決めた。
ウィアー:…誰の案…?
ウォルゼイ:私だ。
      (後悔した顔をして)私はあなたと一緒にアトランティスに戻る。
ウィアー:今までにゲイトをくぐった事があるんですか、ウォルゼイさん?
ウォルゼイ:ああ。一度な。
ウィアー:その時はどうだったの?
ウォルゼイ:ほとんど死にかけたよ。

エリザベスは驚いて見上げます。

ウィアー:じゃあ、今回はそうならないように最善を尽くしましょう。

ウォルゼイは手短かに微笑します。

ウォルゼイ:ペガサスに行くためにスターゲイトコマンドがアスガードに要請をしたのを聞いた。
ウィアー:今は残念ながら使える船がないから、でも二週間もあれば着くわ。
ウォルゼイ:私は一度もアスガードに会ったことがない。
ウィアー:きっと好きになるわ。彼らはとってもユーモアのセンスがあるから!
ウォルゼイ:本当かね?
ウィアー:ええ。

アトランティス軌道。 母船。
ジョンはブリッジを歩きます、そしてロドニーと数人の科学者が働いています。

シェパード:もうこの船の操縦方法が分かったのか?
マッケイ:(皮肉に)ああ、ハエが頭の周りをブンブン飛び回ってるよ。
     そんなに簡単だと思ってるのか?
シェパード:お前に対しての信頼が間違ってない事を証明しろよ。
マッケイ:これまでのところ船を反応させる事ができない、だが基本的な事は分かった。
シェパード:それは俺達にいい事か。
マッケイ:おいおい、全てのシステムはエンシェントのと同じようにレイスの遺伝子によるニューラルインタフェースだ。
     パドルジャンパーと同じようにレイスの遺伝子を持っている者じゃないとコントロールできない。
シェパード:それじゃこれを飛ばすにはレイスが必要ってことか。
マッケイ:今優先的にマニュアルに取り組んでいる。
     (ひと呼吸おき)
     まだまだだがね。
シェパード:テイラはどうだ?テイラはレイスの遺伝子を持ってる。
      多分、彼女なら飛ばせるんじゃ。
マッケイ:試す価値はある、だが問題はそれだけじゃない。
     船のパワーを生み出す容量が少なくとも2分の1がなくなっているんだ。
     たとえスペアへのアクセスができたとしても、僕には直せるとは思えない。
     もしこいつを動かして武器にしたければ、現在の電力消費量を減らす必要がある。
シェパード:どういう意味だ?
マッケイ:2百人の囚人だ、奴らを眠らせたままにしておくことができない。

アトランティス。
ロノンデックスはマイケルの部屋に入るとブラスターを抜いて彼に突き付けます。
ベッドの縁に座っていたマイケルは立って彼をにらみつけます。

マイケル:お前が私の死刑執行人か?
デックス:そうしたいね。

彼は発砲します。
そしてマイケルはベッドに倒れますが気を失いません。
カーソンが注射器を持って部屋に入って来ます。
彼はベッドに近づきマイケルの首に注射し始めます。

ベケット:この事を覚えていないといいんだけど。

惑星。
一時的にどこかの星の森に準備されたいくつかのテントがあります。
ジョンとロノンはキャンプの中に入って、数人の男たちがあてもなく近くを歩いているのを見ます。
彼らのすべてが不可解にも、少数の坊主頭を除いて長い白髪をしています。
全員白いボイラー服を着ています。

デックス:なあ。気味が悪くないか。
シェパード:何でだ?奴らはただの男達だ。
デックス:奴らが何者なのか知っているだろ。
シェパード:それはお前の心の中にしまっておいて無視しろよ。

男たちの1人が彼らの後ろを通ります。

ラザン:シェパード中佐。

ロノンは脅すようにラザンに近付きますが、ジョンは不安そうに彼を見て後ろに下がります。

ラザン:あなたと話がしたい。
シェパード:君の名前は?
ラザン:ラザンです、ついさっき私も聞きました。
シェパード:オーケー。
ラザン:質問があるんです、中佐、いつまで我々をここに引き留めておくんですか?
シェパード:まあ、それはベケット先生次第だな。
ラザン:彼は分からないと言っていた。
シェパード:それは正確に何日だと言えないってことだろ。
      申し訳ないが、先生は医学的に君らを隔離する必要があるんだ。
ラザン:なぜ男だけなんですか?
シェパード:君ら種族の女性たちには免疫があるんだ。
      俺たちの種族もほとんどそうだが。
ラザン:分かっています、ただ…
シェパード:(中断させ)だからベケットが君らの症状が改善するまで、俺にはどうする事もできないんだ。

ジョンとロノンは困惑しているラザンをおいてテントの中に進みます。

テント。
坊主頭のレイスが出口に向かうのを見送るジョンとロノン。
彼がテントを出るとすぐにジョンはカーソンに近づきます。

シェパード:どんな状況だ?
ベケット:もっと時間が必要だ。
シェパード:アトランティスに戻って研究を続けた方がいいんじゃないか。
ベケット:何だって?彼らをここに残して?
シェパード:それが最初の計画だったろ、カーソン?
ベケット:だけど彼らはまだ準備ができていない。
シェパード:奴らに自分自身で注射する事を教えるはずだったんじゃないのか。
ベケット:彼らの何人かに僕の助手を務めるように訓練したよ。
シェパード:じゃあ、いいじゃないか。何も問題はない。
ベケット:中佐、僕がここでしているのは何も彼らの腕に針を射しているだけじゃないんだ。
     彼らが元に戻らない事を確認しないと。
シェパード:この惑星にはゲイトはない。
      奴らがここから離れる術はないんだ。
      何が起きたとしても、俺たちは安全だ。
ベケット:そう言う事をいってるんじゃない。
デックス:奴らの誰かが思い出し始めたのか?
ベケット:そうじゃない。一日の摂取量をうてば安定しているように思える。

彼は去り始めます、しかしジョンは彼の腕をつかみます。

シェパード:俺たちは人道支援や永久に奴らの子守りをするわけにはいかないんだ。
ベケット:それは僕が永久に解決策を思いつくことができない、
     最終的には彼らを見捨てなければならないってこと?
シェパード:結局は。
ベケット:どうして?
デックス:奴らはレイスに戻る。
     (満足した表現で)
     そして他の食料がなければ、奴らは共食いを始める。
ベケット:僕にはまだ諦める事が出来ない。
     それに彼らはとりあえず人間だ、それは僕の責任だ。
     君らは船で戻ってくれ。僕は最初の再補給ミッションまでここにいるから。
シェパード:少なくとも1週間後だそ。
      奴らが独り立ちできるまで俺たちは食糧を届け続けなきゃならないんだ。
ベケット:僕なら絶対に大丈夫。

彼は目をそらします。

シェパード:保安チームを残していくよ。

ジョンとロノンはテントを去ります。

外で。
ラザンは別のテントに歩きます。
アトランティスからの人員が近くにいないことを確認すると彼はテントの中に入ります。
何人かの人間化したレイスはベッドの縁に座っていました。
そしてラザンが入って来ると期待するように座りなおします。

人レイス:彼は何て言ってた?
ラザン:何も。我々には何も話さない。
    (彼は座ります) 何かを隠している。

誰かが起き上がります。それはマイケルでした。
彼は再び人間になっていました。

マイケル:何をだ?
ラザン:ただなんとなくだ。
    我々が知っているのは彼らが話した我々の世界での事、伝染病を彼らが救ったという事だけだ。
マイケル:記憶喪失はこの病気の症状の一つだからだろ。
ラザン:それが真実だとどうして分かるんだ?
    我々にはその事を知るすべがない。自分たちの事も思い出せないのに。
マイケル:彼らは我々を助けてくれている。
ラザン:我々をここに引き留めることがか、ここに閉じ込められ、十分な食料もほとんどなく、
    いつここを出ていけるのかも分からずに?
    私にはそうは思えない。
人レイス:何が言いたいんだ?
ラザン:彼らはわずかな軍人だけだ。数では我々の方が勝っている。
マイケル:だから何なんだ?
ラザン:彼らには船がある。
    それでここに運ばれてきた。もし我々が人質をとれば…
マイケル:もし彼らが真実を話していて本当に何らかの命取りになる伝染病にかかっていたとしたら?
     たとえどうにか生き残ってここから出られたとしても、我々が行く場所でもこの病気を広めてします。
     本当にそんな危険をおかしたいのか?
ラザン:(立ち上がり)もし船が発つ前に行動しなければ、永久にこの監獄に閉じ込められたままだぞ。
人レイス:マイケルの言う通りだ、ラザン。あまりにも危険だ。

ラザンは一瞬彼らを見て、踵を返しテントを去ります。

アトランティス。
食堂。
ウォルゼイがスーツから標準的なアトランティスのユニフォームに着替えて、テーブルの果物入れからオレンジを取ります。
彼はそれを持ってバルコニーに行くと、そこにはコードウェル大佐が書類を見ながらコーヒーを手摺の上に置いて寄りかかっています。

ウォルゼイ:コールドウェル大佐。
コールドウェル:ウォルゼイさん。
ウォルゼイ:ご一緒しても?
コールドウェル:構わんよ。落ち着いたかね?
ウォルゼイ:このユニフォームをなんとか!
コールドウェル:(ほほ笑んで)スーツとネクタイでは目立つぞ。
ウォルゼイ:(微笑みながらオレンジの皮をむき始め)私を信じて欲しい。
       私はここで調査をしてありのままの隠し事がない事を知った。
コールドウェル:君は何か別の事を期待しているのかね?

ウォルゼイは彼を見ます。

ウォルゼイ:ただ会話をしたいだけだ。
コールドウェル:ダイダロスの指揮官として、私は必要であればいつでもここを手伝う事になっている。
        だが私はここの探検隊のメンバーではない。
        私はIOAの質問には答えないし、上官の命令がなければ君の質問に答える義務はない。

ウォルゼイは少しほほ笑んでからオレンジの皮をむくことに戻ります。

ウォルゼイ:あなたがアトランティスの軍司令官でない理由はウィアー博士がそのポストにシェパード中佐を強く推したからだ。
      もし彼女がいなくなれば、あなたがそれに取って代わる第一候補者だろう。

彼は微笑するコールドウェルを見上げます。

コールドウェル:そんな事を言いに来たわけではないだろう。
        IOAは軍国化など欲していない。
        他にどのような選択もない事を恐れている。
ウォルゼイ:あなたはすでにウィアー博士に話をしたと思っていたが。
コールドウェル:いや。間近で何が起こっているの見ていただけだ。
ウォルゼイ:ウィアー博士に反対していないように聞こえるが。
コードウェル:私が言いたいのは、ウォルゼイさん、いい夜をという事だ。

彼はカップを手にして歩き去ります。
ウォルゼイは思いにふけってうなずきます。

OFFWORLD キャンプ。
ジョンは2人の海兵隊員に話しながらキャンプを歩きます。

シェパード:お前たちは船に戻ってくれ。

兵たちは後からついてきている他の兵と一緒になります。
ジョンはマイケルと他のレイスと話をしているカーソンに近づきます。

シェパード:オーケー、先生、最後のチャンスだ。俺たちと一緒に帰る。
ベケット:中佐、問題が起きた。
     ラザンが行方不明なんだ。
     彼は最後の接種に現われなかった、そして誰も彼に会ってない…
     (彼はマイケルに向きます)…そうだね?
マイケル:ええ、でも…(彼はためらいます)
シェパード:でも、何だ?
ベケット:大丈夫、マイケル。僕に話した事を話して。

マイケルはジョンに向きます。

マイケル:ラザンはこの事が何らかの陰謀で嘘だと思っています。
     私は彼に、皆最善を尽くしている、多分病気のせいでそう思うんだと言ったんですが彼は聞こうとはしなかったんです。
シェパード:彼はいなくなったんではなく、隠れていると言いたいのか。
マイケル:だと思います。
ベケット:中佐、伝染病の症状が再発する前に、できるだけ早く彼を見つけだした方がいい。

ジョンは海兵隊員に向きます。

シェパード:オーケー、捜索隊をだそう。
マイケル:我々も手伝います。彼も私たちの仲間ですから。

ジョンはちらっとカーソンを見てからマイケルとその仲間を連れていきます。

森林。
ロノンはしゃがんでナイフで地面を突いています。

シェパード:どうした?
デックス:何でもない。

彼は立ち上がります。
ジョンは無線を作動させます。

シェパード:モリソン、報告しろ。
モリソン:(無線で)我々は川の上流に来ています。まだ見つける事ができません。
シェパード:了解、指示を待て。

彼とロノンは前進します。
他の海兵隊員と人レイスもそのあたりを捜索しています。

森林のどこか。
マイケルと何人かの人レイスが捜索しています.。

ラザン:マイケル!

マイケルは見回して近くの木の後ろにラザンが隠れているのを見つけます。

マイケル:ラザン!(皆彼に向かって行きます)ここで何をしているんだ?
ラザン:(彼らに近づき)自分の言った事を証明しているんだ。
マイケル:治療をしていないだろ。
ラザン:分かってる、だが思い出し始めているんだ。
    漠然としたイメージだが、何かを確かに思い出し始めている。
    これが何を意味するのか分からないのか?
    彼らは我々を治しているわけじゃない、彼らは我々を閉じ込めてるんだ!
    我々は我々の行動をしなくてはならないんだ、速く。

他の人レイスはラザンに向かって動きだします。

マイケル:悪かった、だがお前はキャンプにいるべきだった。

ラザンは不安そうに仲間を見回します。

森のどこか。
モリソンが無線で報告します。
ジョンとロノンはまだ捜索しています。

モリソン:シェパード中佐。
シェパード:どうした。
モリソン:見つけました。
シェパード:場所はどこだ?
モリソン:キャンプの南側の峰の中腹です。
     彼は降りようとして足を滑らせたようです。
シェパード:それは怪我をしているということか?

モリソンは峰の下の地面に横たわるラザンを見下ろします。

モリソン:いえ。死んでいます。

キャンプ。
医療のテントで、カーソンは解剖用の道具を開きメスを持つと台の上に横たわるラザンに近づきます。
2人の海兵隊員が出入り口に立っています。
人レイスが注射器のラックを持ってカーソンに歩み寄ります。

MERRIK :今朝の最初のグループの注射の準備ができました。
ベケット:君がやってくれるかな。

ベケットはラザンの胸にメスを向けると、Merrikが直立したまままだ後ろに立っていることを悟って中断します。
ベケットは振り返ります。

ベケット:君ならできるだろ、Merrik、僕がやっていたのをずっと見ていたんだから。
     それに僕には仕事があるから。

Merrikはラザンを見下ろしてからカーソンから離れます。

MERRIK :遺体を調べるんですか?

ベケット:まあ、死因は明白なんだけどね。首の損傷だ。
     だけど僕の研究の助けになるかもしれないテストをしたいんだ。
     少なくとも何らかの良い結果が分かるかもしれない。

Merrikが頷いてテントの戸口に向かうとカーソンはラザンに向きをかえ胸を切り始めます。
Merrikは振り返って一瞬検死を見てからテントを去ります。

アトランティス。 会議室。
エリザベスはテーブルに座って喜びの微笑みを浮かべています。

ウィアー:我々はこれまでの数週間にわたる記録を残しました。

会議室にはジョン、ロドニー、テイラ、ロノンが彼女の真向かいのテーブルに座っています。

ウィアー:またこうしてあなた達の顔を見られて本当にうれしいわ…
     (彼女は皆を見回して中断します)…それにとても…

彼女は再び中断して涙をこらえ話すことができなくなり目をそらします。

シェパード:言わなくても分かってる。
テイラ:私たちも気持は一緒です。

ロドニーは彼女を見ます。

マッケイ:ああ、腹が減ってるんじゃないか?

エリザベスはにっこり笑います。
ロドニーは湿った雰囲気を打破したことに笑顔で彼女に向きます。

ウィアー:テイラ、母船を操縦することは楽しい経験じゃないと分かってるわ。
テイラ:ニューラルインタフェースはとても疲れました。
マッケイ:直線でただ飛んだだけだ。
     つまりだ、彼女は決して戦闘や武器の複雑な操作したわけじゃない…
シェパード:手動でインタフェースを動かすことはできないのか?
マッケイ:まあ、できるだろうけど、うーん、演習としてまだやるのか?
シェパード:いや。

エリザベスは微笑します。
ちょうどその時、会議室の入口が開きます。
そしてウォルゼイが銀色のブリーフケースを持って中に入ります。

ウォルゼイ:遅れて申し訳ない。私のインタビューが予想よりも長引いてしまって。

彼はケースをエリザベスの隣りのテーブルの上に置いて開きます。

シェパード:えーと…あなたは?
ウィアー:リチャード・ウォルゼイ。
     彼はアトランティス遠征隊を監督する国際委員会の連絡チーフよ。
     彼はあなたたちに個別のインタビューを行なうことになってるわ。
ウォルゼイ:幹部全員のミーティングを観察することも加えておこう。

彼は若干のファイルをケースから取り出して、そしてテーブルの後ろに椅子を持って行き、
エリザベスのテーブルにそれを広げます。

ウィアー:分かりました!

ウォルゼイが彼女の隣りに座ることができるように彼女は椅子を変えます。

ウォルゼイ:それでどこまで話をしたのかね?
シェパード:ロドニーが母船をコントロールする事ができたのでその進捗状況を確認しようというところです。

ジョンがほほ笑むとロドニーの微笑が色あせます。

ウォルゼイ:素晴らしい。どうか続けてくれたまえ。
マッケイ:あー!(ジョンに)ありがとう!

OFFWORLD 。 森林。
カーソンは畝に上ってラザンの死体が発見された場所に行きます。

モリソン:(無線で)ベケット先生、こちらモリソン中尉。
     どこにいるんですか?
ベケット:(無線で)ラザンの遺体が発見された畝の上だ。

モリソンはキャンプに戻っていて2人の海兵隊員とともに歩いています。

モリソン:聞いてもいいですか、先生、そこで何をしているんです?
ベケット:確認しに来たんだ。問題が発生したかも。
モリソン:どんな問題です?
ベケット:ラザンの組織を取って調べたんだが、気付いたんだ。
モリソン:何に気付いたんです?
ベケット:地面に血がないんだ、そしてそれは彼が落ちたとき、彼の心臓は動いていなかった事を示す。
     確かに彼の首が折れた事が死因だ、でもそれは事故のように見せかけるためにしたんじゃないかと思う。
モリソン:まもなく暗くなります。
     明日になってからもう一度調べた方がいいんじゃないですか。
     先生がここに戻ったら話し合いましょう。
ベケット:分かった。

彼は去ります。
キャンプに戻ったモリソンはMerrikがテントの側面で無線の会話を聞いていたことに気付く事無くテントの中に入ります。

アトランティス。 会議室。
ジョンとウォルゼイはテーブルに座って、ウォルゼイは報告書を見ています。
会議室には彼らだけです。

ウォルゼイ:この事件から分かることは、君が嘘をついている事だ薄っぺらのね。
シェパード:2百人を反抗させないためです。
ウォルゼイ:君はこの小さな科学的プロジェクトが長期に渡って本当に成功すると思っているのかね?
シェパード:それはなんとも言えません。
ウォルゼイ:こんな共同体を作る必要はなかったかもしれない、だが君は作った。

ジョンは前のめりになります。

シェパード:我々は我々が生き残るためにしなければならなかったことをしました。
ウォルゼイ:その考えはその時はいい考えだと思うよ。

ウォルゼイはメモ用紙に何かを書きます。
ジョンはメモを見て逆さまに書かれた文字を読もうとして頭を傾けます。

ウォルゼイ:だがベケット医師が長期の解決策を思いついたとしても、
      我々は彼らを人間の社会に十分信頼できる状態で統合できるのかね?

ジョンは一瞬中断して椅子に深く座ります。

シェパード:おそらくそうではないでしょう。
ウォルゼイ:それは個人的な興味だが。
シェパード:私に何を言わせたいんですか?
      私はマイケルとの同盟を結ぶエリザベスの決定を支援しました。
      そして彼女の決定は…彼らを惑星に移住させる。

ウォルゼイは皮肉っぽく微笑します。

ウォルゼイ:君が奴らの事を「彼ら」と呼ぶのをためらうと、その支援はあまりそうではなさそうだ。

OFFWORLD 。
森林。
カーソンは森の中をうんざりしたようにとぼとぼ歩いています。
彼は一息入れようと立ち止まると遠くで何かを見つけます。
彼は近づき、それが人レイスが森林を歩いていることを悟ります。
カーソンは用心深く彼の後を追います。

アトランティス。
ジョンはエリザベスのオフィスに入り座っている彼女の机に行きます。

シェパード:政治的な好奇心から、
      もし俺がウォルゼイの奴を殴ったとしたら君にどれぐらい問題を起こすことになる?
ウィアー:どうしてそうしたいのか聞いてもいい?
シェパード:そういう衝動に駆られたんだ、本当に次に会ったときそうなっちまうかも。
       俺と合わない方がいいかもしれないな。

エリザベスは嬉しそうに彼を見上げます。

ウィアー:そんなあなたを一度も見た事がないわ。
      ウォルゼイがあなたに何か言ったの?
シェパード:君が今までに下した決定を審査するほかにか?
ウィアー:ジョン、あなたは私の名誉を守ってくれているの?!

継ける前にジョンは一瞬ためらいます。

シェパード:そして君の意見に一致する俺を審査している。
ウィアー:まあ、彼をあんまり非難しない方がいいわ。
     私は狼に囲まれていると思ってるわ、実際彼もそういう可能性が高い。
    でも彼は他の人たちに説得できる唯一の人物よ。
シェパード:分かった、それじゃ…(彼は座ります)…殴るわけにはいかないな。

エリザベスは頭を振って彼を見ます。

ウィアー:我慢して。

OFFWORLD 。
森林。
夜が訪れ、カーソンはレイスの後をまだこっそりつけています。
不気味な太い歌っているような声が遠くで聞かれます。
カーソンは前へ忍び寄って、折れた木の幹の後ろに隠れ、火の周りに立っている何人かのレイスの光景を見ます。
彼らは全員腕を頭の上に上げ、詠唱しています。
カーソンは用心深く無線を作動させます。

ベケット:(ささやき)モリソン中尉。こちらベケット。
     聞こえますか?(回答がありません。) モリソン?

彼は立ち上がって木から後ずさりして振り向くと、マイケルが近づいてきていました。
しかしそれは彼が最後に見たマイケルではありません。
マイケルはレイスに変化し始めていました。

マイケル:中尉や他の者達が病気になったんじゃないか。

まもなくその後。
カーソンは背中で腕を縛られ、マイケル、そしてその後に4人の他のレイスによって森の中を連れて行かれます。

ベケット:マイケル、聞いてくれ。君は病気だ。すぐに薬を打つ必要がある。
マイケル:それはもう遅すぎだ、先生。
     あなたが二度も私にこんな事をした記憶を取り戻した。
     想像してみたまえ、自分が何者だったか分かったときの衝撃と心の痛みを。
ベケット:どうしてラザンを殺さなければならなかったんだ?
マイケル:彼は問題をかき混ぜていた。
     だがシェパード中佐が大部分の軍人ひきつれていなくなるのが唯一のチャンスだと分かっていた。
ベケット:でも船がなくなっている今どうして?逃げる事が出来ないだろう。
マイケル:それは間違いだ。

アトランティス。
コントロールルーム。
ロドニーがラップトップで作業してコンソールに座っています。
エリザベスとジョンが駆け込みます。

ウィアー:どうしたの、ロドニー?
マッケイ:長距離センサーが母船をキャッチした。
シェパード:こっちに向かっているのか?
マッケイ:いや。ちょっと待ってくれ。

彼は長距離センサースクリーンに立ち上がって歩きます。

ウィアー:何?
マッケイ:このままいけばコースの上にベケットと囚人がいる惑星に向かっている。

会議室。
すべてのいつものメンバーがウォルゼイと一緒にそこにいます。

マッケイ:レイスがあの惑星に興味を持っているはずがない。
     スターゲイトもなければ今までに人間がいた事もない星だ。
     完全にな。
ウォルゼイ:私はこの中から情報が漏れたのではないかという可能性を考慮に入れる必要があると思うが。
デックス:スパイの事か。
ウォルゼイ:必ずしも都市の住人だけではない、この星の住人を含めて全員を疑うべきだ…
テイラ:(中断させ):もしアソズ人の事を信じてないなら…
ウィアー:(中断させ)結論は急がないで。
ウォルゼイ:この銀河にはレイスに仕えて、彼らを崇拝する者さえいるのは本当ではないのかね?
       彼らにとっては我々の同盟しているグループの1つに潜入することぐらい簡単なのでは?
ウィアー:ウォルゼイさん、あなたは我々がこの都市に関する情報を公表すると思いますか?
シェパード:もしレイスが内部情報を持っていたなら、奴らは2百人の仲間のところよりアトランティスに来るはずだ。
ウィアー:今のところもしレイスが彼らを見つけ出して、彼らが何をされたのか理解してたら、
     我々はそこから彼らを救出することも焦点をあてる必要があります。
シェパード:…また問題が持ち上がった。
デックス:どれぐらいの時間がある?
マッケイ:2日。まあ、そのぐらいだ…そうだ、ダイダロスなら間に合うぞ。
ウィアー:ハイパードライブがまだ使えないわ。ハミョウドは少なくとも24時間を必要だって。
シェパード:俺たちはまだ戦える状態じゃない…
ウィアー:(中断させ)まだ十分じゃないわ。
シェパード:もし今すぐ去るなら、母船で…?
マッケイ:ああ、それならできるかも。
ウィアー:船どうしが遭遇して生き残れる事はできるの?
マッケイ:もし僕が手動のインタフェースを機能させる事ができれば…

ジョンとエリザベスは顔を見合せます、そしてエリザベスは決断をします。

ウィアー:できる限りの事をして。

ロドニーは彼女にうなずきます。
そしてチームは立ち上がって部屋を去ります。

OFFWORLD キャンプ。
医療のテントの中でカーソンはタンカの上に横たわっています。

彼の腕はタンカにひもで結び付けられています。
マイケルはタンカの周りに歩き、彼の変化は続いています。

ベケット:何人が元に戻ったんだ?
マイケル:森で会った者達ともう数人だ。
ベケット:他の人たちは?
マイケル:彼らは我々が呼んでいる母船への土産にする。
ベケット:それはフェアじゃないな。
マイケル:強い者が生き残こるんだ、先生。
     薬のせいでさえ何かが違っていることを悟り始めた我々は集まって計画を立てた。
     我々より心の弱い者たちはあなたが教えた薬の投与で人間のままでいることになる。
ベケット:君の記憶が戻って来てるなら、レイスに再会すればこの間起きた事を思い出したはずだ。
マイケル:(怒って)この監獄から逃れることの方が重要だ!
ベケット:それじゃ僕は何のために必要なんだい?
     僕を生かしておくにはわけがあるんだろ。
マイケル:シェパード中佐が行く前に何か別のセキュリティを施したか知りたい。
ベケット:一体何の話をしてるんだい?
マイケル:私の記憶が元に戻る事を予想すれば、彼が万全のセキュリティを置かないで我々をここに置いていくはずがない。
ベケット:この惑星から逃げるすべはない! それが安全対策だ!

突然マイケルはカーソンの顔を覗き込みます。

マイケル:あなたの命の数年分を吸い取る前に話して欲しい。
ベケット:僕を殺そうとしているんじゃ、それは脅迫にはならないよ。
マイケル:あなたは自分自身を過小評価している、先生。
ベケット:ねえ、彼らは僕にそんな話はしないんだ。僕はただの医者だ。

マイケルは再び顔を上げます。

ベケット:モリソン中尉を殺すのは性急すぎた。
マイケル:私は軍人に質問するのは好まない。
     彼らは我々の戦士のようにつまらない頭の固い考え方をする。
     だがあなたは広い心を持つように訓練されている、そして他人に対して強い同情心を持っている。
ベケット:僕はそれほど強くない。

マイケルは再びカーソンを覗き込みます。

マイケル:(静かに、不吉に)あなたは必要{必要}{必要}だ。
     (彼の声がカーソンの頭で反響します)
     さあ…始めよう{始めよう}{始めよう}

カーソンは自制心をコントロールしようと努力して急速に呼吸します。

ハイパースペース。
レイス母船。
ブリッジでテイラはコンソールの2つのステアリング・コラムをつかんでいます。
彼女の目は集中して閉じられています。
ジョンは彼女のそばに近づきちらっと彼女を見てからもう1つのコンソールに取り組んでいるロドニーに歩きます。

シェパード:武器は使えるのか?
マッケイ:まあね。
シェパード:まあねとは?
マッケイ:発砲はできる、だがどこに当たるかは分からない。
シェパード:それじゃあ全力でやれ。
マッケイ:おい、僕を信じろ、僕がやらなきゃ誰もこのミッションから生き残ることができないんだぞ。
     このスピードを維持するために電力を使い尽くしているんだ。
     戦うべき時にエネルギーがなくなっちまう。
シェパード:俺たちは戦うのを避けるためにこんなに急いでいるんだ。
マッケイ:理論的だ。
シェパード:分かったら…さっさとやるんだ。

彼は歩き去ります。
ロドニーは「自分が何をしたんだ?」とでも言うかのようにしかめっ面をして仕事に戻ります。

アトランティス軌道。 ダイダロス。

コールドウェル:アトランティス、こちらはダイダロス。
         出発の準備ができた。

エリザベスはアトランティスのコントロールルームにいます。

ウィアー:大佐、本当に大丈夫なんですか?
     ハミョウドはハイパードライブをこなに早く使う事に不満があるのでは。

コールドウェルはブリッジの指令席に座ります。

コールドウェル:彼はいやいやながらだが飛ぶのを許可した。
        満足しているかどうかは問題じゃない。
        とにかくシェパード中佐の応援には行ける。
ウィアー:ありがとうございます。
コールドウェル:ダイダロス、アウト。
        (彼はパイロットと一緒にチェックをしているクレインマンに向きます) コースセット。

クレインマン:イエッサー。

彼は椅子に戻って座ります。

宇宙空間。
母船はハイパースペースから出て惑星を目指して進みます。

マッケイ:やった。ハイパースペースからでたぞ。

テイラはため息をついて頭を下げます。

シェパード:大丈夫か?

テイラは頷いて彼を見ます。

テイラ:(疲労した様子で)安定した軌道を確立したと信じてるわ。
シェパード:そうか。よくやった。
     (彼はロドニーに歩きます) 他の母船は?
マッケイ:いや。我々はだけだ。
シェパード:よし。キャンプにつないでくれ。
マッケイ:ちょっと待ってくれ。

彼は下のコンソールの2つのボタンを押します、しかしちょうどその時やかましい音が鳴ります。

マッケイ:気味が悪いな。
     (彼は壁のコンソールに歩きます)
     第二のシステムがオンラインになった。
シェパード:お前は天才だ、ロドニー。
マッケイ:そうだろ、でも僕は何もしていない。
     自力で目覚めたみたいだ。
     (彼はオリジナルのコンソールに戻っていくつかのボタンを押します)
     センサーに何かが反応して動きだしたみたいだ。
シェパード:何に?

ロドニーは何かを理解してうなります。
彼はコンソールのボタンを更に押します。

マッケイ:レイスの生命反応だ。
テイラ:惑星から?
シェパード:何人だ?
マッケイ:2,30はある。
デックス:人間はどうだ?
マッケイ:百人以上はある。
シェパード:それじゃあ奴らの何人かが元に戻ったんだな。
デックス:奴ら、共食いを始めるだろう。
テイラ:ベケット先生ととモリソン中尉のチームは?
マッケイ:この装置では区別できない。なんとも言えないな。

母船廊下。
ジョン、テイラ、ロノンは歩いています。

シェパード:奴らはどうやって母船とコンタクトできたんだ?
マッケイ:(ブリッジの無線で)分からないよ。 テイラ、分かるか?
テイラ:奴らが一緒に行動をすれば遠くにいる仲間に連絡はとれると思う。
シェパード:まあ、生き延びるための知恵ってやつだな。
マッケイ:そして生きるために必死ってことさ。

ジョンと二人はダーツの格納庫に入ります、そこにはパドルジャンパーが置いてありました。

シェパード:フェイルセーフ装置はどうだ?
      爆発範囲は?
マッケイ:半径3マイル以内はすべて全滅さ。
シェパード:間違いないか? 巻き添えはごめんだぜ。
マッケイ:爆発は半径3マイルだ。
テイラ:まだ人間である人たちは?

ジョンはジャンパーのパイロット席に入るとロノンを見ます。

デックス:奴らはどうでもいい。
マッケイ:僕は…彼らを巻き込むのはどうかと。

テイラが副操縦士の席に着くとジョンはジャンパーのコントロールを始動させます。

シェパード:もしマイケルが記憶を取り戻したら、奴らはアトランティスの事と地球を見つける事が出来る…
       その事は望まない。

ブリッジのロドニーは青くなります。

シェパード:俺たち側の人間を助けだしたらシグナルを送る、そしたら核を爆発させろ。

ジャンパーは発進します。

OFFWORLD キャンプ。
夜。
レイスに戻った二人がキャンプを歩いています。
彼らが通り越すとドラム缶の脇に隠れていたジョンは頭を引っ込めてテイラとロノンに合図をします。
ジョンは隠れている場所から出てテイラとロノンとは別方向からキャンプを目指します。
ジョンは2人のレイスが地球製のライフル銃を持って入口をガードしている医療のテントに向かって進みます。
テイラはひもで固めた拳で彼らの1人の顔を殴ります。
ジョンは後ろからもう一人のレイスを刺します。
テイラは地面にレイスを倒しその首を折ります。
短い争いの最中ほとんど音はありませんでした。
テイラは立ち上がってテントの中に入ると、タンカの上に横たわるカーソンを見つけます。

テイラ:カーソン!

彼女は彼のところに走って、ジョンがテントに突入したとき彼の首で脈をチェックします。

テイラ:ほとんど意識がないわ。

ロノンが中に入ると、ジョンはカーソンの手首を縛っている革を外し始めます。

シェパード:他の連中は?

ロノンは頭を振りながらひと束の名札を上げます。

デックス:皆食われたようだ。誰も残っていない。
シェパード:(テイラに)手伝ってくれ。

ジョンとテイラがカーソンを助け起こすとロノンが手伝います。
(カーソンのジャケットの背中には穴が開いていましたがそれが後で何かの伏線を持っているのかどうかわかりません)

母船、ブリッジ。
ロドニーはゆっくり歩いています。

マッケイ:(不安そうに)おい、まだか!

無線が作動します。

シェパード:ロドニー、応答しろ。
マッケイ:一体どうしたんだ?

ジョン達はジャンパーに戻っています。
カーソンは船の床に座っています。
そしてテイラは酸素マスクを彼の顔の上に置きました。
ロノンは副操縦士の席にいます。

シェパード:カーソンを見つけた。
      モリソン達は死んでいた。
      今そっちに向かっているところだ。

ジャンパーは惑星上に宇宙空間にいます。

シェパード:俺たちは安全だ。やってくれ。
マッケイ:理解。 (彼はコンソールに行って制御装置を作動させます) フェイルセーフ作動、3…2…1。

惑星。
洞穴。
壁が核爆弾の光を受け爆音が響きます。
マイケルはその横にしゃがんでいます。

マイケル:我々に対して奴らの本心が分かるか。

2人の他のレイスが爆弾の反対側にしゃがんでいます。

レイス:分からないな。

マイケルは立ち上がります。

マイケル:爆弾から爆発のシグナルを受け取った。もし私がその能力をなくしていたら全滅だった。

パドルジャンパー。

シェパード:ロドニー?
マッケイ:(母船ブリッジから)どうなったんだ。
シェパード:何が起きた?
マッケイ:何が起きたかだって?
シェパード:爆発しなかったのか?
デックス:奴らがやってくる。
テイラ:母船に見つからないうちに逃げ出す事ができないわ。
シェパード:武器の準備だ、ロドニー。どこにも逃げられない。

OFFWORLD キャンプ。
日中。
マイケルともう一人のレイスはしゃがんで仲間の2つの死体を調べて医療のテントの周りにはレイスが集まっています。

レイス:囚人を捜すべきか?
マイケル:意味がない。船で連れて行かれた。
     こうなるとは…(彼は立って)…彼は目的を果たした。
     我々は仲間が助けてくれるのを待つ以外残された事は何もない。

彼らレイスは(何人かが元に戻り、まだ何人かは完全に人間)立ち去ります。
マイケルは彼らが行くのを見て空をじっと見ます。

母船。
ロドニーがコンソールに取り組み続けているとジョンたちがブリッジに急いで戻ります。

シェパード:使える武器は?
マッケイ:小さな目標はだめだ。
シェパード:だが母船は巨大だろ…
マッケイ:(中断させ)巨大でも飛んでいるんだ!動いているものに照準は合わせられない。
シェパード:動かない的ならどうだ?
マッケイ:宇宙では全ての動きが相対的なんだ。
シェパード:俺は惑星の上の事を言ってるんだ。
マッケイ:(頭を上げ)それなら可能かも。
シェパード:キャンプに目標を定めろ。
ベケット:待ってくれないか!
シェパード:この話はさっきもしただろ、先生。 選択の余地はないんだ。
ベケット:ジャンパーで戻って可能な限り彼らを救い出すことができる。
シェパード:時間がないんだ。
      もうすぐ奴らの母船がここにやってくる、戦いになれば助からない。これは俺の使命だ。
ベケット:使命だと言うんであればまだ百人以上の人間がいるんだよ。
デックス:奴らはは戦争ために死ぬんだ。
シェパード:それは仕方がない事なんだ。

カーソンは絶望的に彼を見つめます。
ロドニーとテイラはそれについて満足しているようには見えません。
ジョンはロドニーに向きます。

シェパード:打つんだ。

カーソンは打ちのめされているように見えます。
ロドニーは一瞬ためらってから制御装置を作動させます。
武器の火の束が下の惑星を目指して進みます、しかしちょうどその時ハイパースペースの窓が開き母船が現われます。
こちらの母船が惑星を砲撃し続けているともう一隻の母船が攻撃を仕掛けてきます。
ブリッジでは、船が揺れチームは倒れまいと踏みとどまります。

マッケイ:母船が来た!被弾してるぞ!
シェパード:目標はどうだ?
マッケイ:攻撃が正確に届いたかどうか分からない。
シェパード:全エリアをカバーしろ。失敗は許されないぞ。

ブリッジは再び揺れます。

マッケイ:エンジンがオフラインだ!空気が漏れている!パワーが足りない。

惑星の衝撃が継続すると、敵母船はこちらの母船に回り込み兵器で応酬します。
爆発が船体中いたる所で発生します。

ハイパースペース。
ダイダロス。
コールドウェルがブリッジに来て席に着きます。

コールドウェル:報告しろ。
クレインマン:惑星の近くに到達しました。
コールドウェル:ハイパースペースから離脱だ。

ダイダロスはハイパースペースから出てきて惑星上の残骸が漂う中に飛び込みます。
コールドウェルは立ち上がってフロントガラスからその残骸を見つめます。

クレインマン:母船の残骸です。
コールドウェル:生命反応は?
クレインマン:ありません。
コールドウェル:惑星はどうだ?
クレインマン:反応はありません。
コールドウェル:分かった。
シェパード:(無線で)ダイダロス、こちらシェパード、応答願います。

コールドウェルはほっとして微笑します。

コールドウェル:シェパード、一体どこにいるんだ?

チームはパドルジャンパーに乗っています。
テイラがジョンを見ると彼はしばらく当惑してから悟ります。

シェパード:ああ!そうか。すみません。

彼はいくつかのコントロールを作動させます、そしてジャンパーはダイダロスの上でステルスモードを解除します。

クレインマン:ジャンパーを収容します、5人の生命反応です。
シェパード:グッドタイミングです、大佐。帰るのにどうしようかと思いましたよ。

アトランティス。
エリザベスのオフィス。
ウォルゼイはスーツとネクタイ姿に戻っていて、エリザベスの反対に座って報告書を見ています。

ウォルゼイ:まだ惑星にレイスの生き残こりがいるかどうかは分からないのかね。
ウィアー:ええ、そうです。
     生き残りについては心配していました。
ウォルゼイ:無理もない。
ウィアー:しかしそれは私の過失です。
     (彼女は不安そうにウォルゼイにほほ笑みます。
     しかし彼はまだ報告書に没頭していて気付きません)
     もし私が囚人を処分していたならこんな事にはならなかったはずです。
     報告書にお書きになります?
ウォルゼイ:いや、書かんよ。
      (報告書から顔を上げますが彼女よりむしろオフィスのドアの方を見ます)
      軌道からキャンプを砲撃することは君の判断だった。
      それで脅威は消え去った…(彼は彼女をちらっと見ます)…
      少なくとも我々としては危機はなくなり、君のチームは逃げることができた。

エリザベスは当惑しているように見えます。

ウィアー:私の判断ではありません。

ウォルゼイは彼女を見ます。

ウォルゼイ:だが君ならそうしただろう、マッケイ博士が母船を操ることに成功していた、
      そして君がその情報を聞いていたら。
ウィアー:まあ、私…もそうしたかもしれません。
ウォルゼイ:十分じゃないかね。
ウィアー:けどそれは事実ではありません。

ウォルゼイ:IOAはそのことを知る必要はない。
      (ブリーフケースに報告書を入れ閉じるとエリザベスは驚いて彼を見つめます)
      実際、彼らはそのことを知りたくないだろう。
      (彼は立ち上がります) いいかね、私は仕事で時々不都合な事実をより大きな真実で隠すことも重要だと知っている。
      そして真実はこうだ、君はここでこの遠征隊の責任者のままでいるべきだ。

エリザベスとウォルゼイはお互い見つめあい驚きと喜びの入り混じった表情で彼女は頭を下げます。
ウォルゼイは微笑します。

ウォルゼイ:当面はな。

彼はオフィスからコントロールルームに歩きます。

ウォルゼイ:(技術者に)地球にダイヤルしてくれないか。

エリザベスは立って窓に近づきダイアルが始まるコントロールルームを上からじっと見つめます。

おしまい。