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スターゲートアトランティス シーズン3

第54話「天才ロドニー」
3X14 - TAO OF RODNEY

アトランティス。
ロドニーとゼレンカを含む科学者チームは最近の洪水でまだ濡れている都市のエリアを調査しています。
その区域は非常に暗く、彼らは懐中電灯を掲げて歩いています。
皆が暗い廊下の中に入るといくつかのライトがつきます。

マッケイ:妹は家中の電気を点けっぱなしにしていたよ。
     それを親父が消して回った。

ラデクはクスクス笑います。

ゼレンカ:僕もそうだった、弟だけど、ただ電気はなかった。
     だからロウソクをあちこちに置いていた。
マッケイ:なあ、おい、いいか?
     誰もお前の貧しかった子供のころの話を聞きたとは思ってないぞ。
     (皮肉に)
     もうお前の事はかわいそうだと思ってるんだから。
ゼレンカ:(女性の科学者の1人に)弟はそれで家を火事にしたんだ。

チームは別の暗い廊下に移ります。

マッケイ:妹は暗闇を恐れていて、電気を点けっぱなしにしたのは僕のせいにした。
     もちろん、親父は妹を信じた。
     僕は全く信じてもらえなかった。
ゼレンカ:そのせいで僕たちは3カ月間も冬のさなかに、テントに住まなければならなかった。
マッケイ:いいか、少なくとも僕の話はこれからする事に関連してるんだ。
ゼレンカ:だから僕もだ。
マッケイ:あのな、エンシェントがいた間に都市の中で不要な動かされたものをシャットダウンしないといけないんだぞ。
     貴重なZPMからパワーがなくなるのを防ぐため手早くやらないといけないんだ。
     それと家を火事にしたバカな弟どう関係があるんだ?
ゼレンカ:まあ、もし僕らが成功しなければ…
マッケイ:冬のさなかにテントに住む事にはならない!
ゼレンカ:例えばなしだ。

彼らが言い争っている間に、ラデクが先ほど話をした女性、エスポジト博士は男たちより先に歩いて、
そして今閉じられたドアに着きました。
彼女は後の皆に振り向きます。

エスポジト:マッケイ博士。
マッケイ:うーん。
     ああ、ありがとう。

彼女がドアパネルを裁くと、彼とラデクは彼女に歩きます。

エスポジト:コントロールパネルよ。
      完全にショートしてるわ。
マッケイ:本当か?
     君もそう思うか?
     (彼はコントロールパネルの装置をいじりながらラデクに話かけます)
     あのエンシェント達はつかまえないな。
     彼らは頭が良いはずだ、でもどうして必要としない、使ってもいない場所を活性化させるんだ?
ゼレンカ:まあ、多分彼らはその時間がなかったんじゃないか。
      君が再プログラムしたレプリケーターが攻撃してきたから。

彼はひとりよがりにエスポジトににっこり笑います。

マッケイ:(いらだって)ああ、そうだよ、そんな事は分かってる。

彼は「気にしないように」と言うかのようにエスポジトを見て彼女にほほ笑みます。
彼はパネルの仕事に戻ります、そしてまもなくドアは開きます。

マッケイ:ああ。ほら。

彼はチームを研究室のように見える場所へ導きます。

ゼレンカ:君は怒ってるだろう。
     コントロールルームから間接的にこの場所をシャットダウンすることを阻止した
     エンシェントプロトコルを理解することができなかったことが。
マッケイ:おい、お前もそうだろう。
ゼレンカ:ああ、でも僕は皆に1カ月分の給料を賭けてもいいけど、断言はしなかった。

ロドニーはいらだって彼を指さします。

マッケイ:お前な…
     OK、何が分かるって言うんだ?
     ここを見回って、これが何の施設なのかつきとめてみろよ。

彼はコントロールパネルのある低いステージに踏み出します。
パネルは照らされます。
ラデクは不安そうに彼を見ます。

ゼレンカ:そっちへどいた方がいいと思うね?
マッケイ:はぁ、この部屋の何を探すつもりだ?
     (彼はコンピュータタブレットをパネルに付け始めます)
     エンシェントのデータベースには何かが絶対書かれてるはずだ。
ゼレンカ:あー、そこは多分。
     時間がないと…

ちょうどその時パネルとタブレットのインタフェースが作動します。

マッケイ:ああ、ここだぞ。

パネルの反対の壁のスクリーンが点灯します、そしてエンシェント語で書かれたものが現われます。

マッケイ:ああ!
ゼレンカ:(コントロールパネルを指し)オーケー、メインスイッチがあるはずね…
マッケイ:(いらいらして)ああ、知ってるよ。
     僕を誰だと思ってるんだ?

ラデクはイライラして手を引っ込めます。

ゼレンカ:分かったよ。

ロドニーはパネルの制御装置を作動させ始めます。

ゼレンカ:いいのか、一か八かよ。

ロドニーは微笑して彼に向きます。

マッケイ:ああ、君に押させてやるよ。
ゼレンカ:いいとも!
マッケイ:よし。
     (彼はパネルを見ます)
     この中のどれかだ。

彼が他のスイッチに触れる前に、パワーが急上昇し大きな緑色のライトがステージの上につきます。
緑の光がロドニーを包みます。
直感的にラデクは後ろに踏み出します。
ロドニーは驚いて光の中で上を凝視します。
ほんの瞬間後、光のビームがロドニーを包み込みます。
それは2秒ほど彼を包み込むと、部屋中のパネルが爆発し始めます。
そしてロドニーの周りの光は薄れていきます。
他の科学者達は爆発のために後ずさりします。
ロドニーは火花にすくみます。
パネルが破裂すると部屋は一瞬真っ暗闇になり、数個の小さな窓と科学者のライトが灯ります。
不安そうにラデクはロドニーに近づきます。

ゼレンカ:ロドニー?
     大丈夫か?

ロドニーは眼を丸くし振り向きます。

マッケイ:よく分からない…ただ何か大きなヘマをしたみたいだ。

医務室。
ロドニーはベッドの縁に座っています。
カーソンが彼に歩み寄ると彼は不安そうに見上げます。
シェパードとウィアーがベッドの横に立っています。

ベケット:僕が検査した限りでは、彼はなんでもない。
マッケイ:僕は未知のエネルギーを浴びたんだぞ。
     それなのになんともないとは何だ?
ベケット:できる限りの検査はしたよ、血液検査に、MRI、レントゲン、他にもね。
     どの検査でも異常は見つからなかった。
マッケイ:もう一度だ、エンシェントの装置からの未知のエネルギーなんだ。
     つまり、今はなんともなくても時間がたてば効果が出るものもあるだろ?
     その、突然変異とか、巨大化とか、透明化とか…
シェパード:それはかっこいいじゃないか。
       俺はクソ虫に変わったけどな。

ロドニーは彼に目を細めます。

ベケット:そうかい。
     さっきも言ったけど、僕が言えるのは、君は馬並みに健康だよ。
     (ロドニーに)君の通常勤務は大丈夫だ。
マッケイ:正気か?!
     (彼はエリザベスとジョンに向きます)
     なあ、僕を監視してくれ。
     僕は変わってきたと思うだろ?

ジョンは目をきょろきょろさせます。
エリザベスはカーソンを見ます。

ウィアー:彼がそれで気が休まるんならいいわよね?

マッケイ:おお、ありがとう!
シェパード:俺が見張るよ。
ウィアー:ありがとう!

彼女は歩き去ります。
ロドニーはジョンを見て不安そうに自分を指さします。

マッケイ:まだ僕が見えるか?

エンシェントの研究室。
緊急ライトが部屋にセットされます。
ロドニーが下でコントロールパネルを操作している間、ラデクは壁から引き抜いたパネルを調べています。

マッケイ:(いらだって)なんて言った?
ゼレンカ:カッコいいとこ見せようとしたろ。

彼は笑いながら別のパネルに歩きます。
ジョンは退屈そうに近くの壁のところで座っています。

ゼレンカ:いつもなら、エスポジト博士は近くにいない。
     君があんな無謀な事をするなんて疑うね。
マッケイ:正気か?
シェパード:エスポジトって誰だ?
ゼレンカ:ああ、長い黒髪の。
シェパード:ああ、分かった。
      かなり可愛い…
マッケイ:君には関係ないだろ?
     ここで働いているのは僕らなんだから。
シェパード:念のために言っておくが、俺は「笑顔の」とつけ加えるつもりだったんだ。
マッケイ:ああ、もちろんそうだろうとも。
     (ラデクに)何をしてるんだ?
ゼレンカ:何も。
     この部屋のパワーコネクターは君のした事で焼け死んだからね。

ロドニーは立ち上がります。

マッケイ:じゃあ何か?!
     この研究室はもしかすると一万年以上もの間浸水していたかも知れないんだぞ。
     それも僕のせいだっていうのか?
ゼレンカ:そういうわけじゃないけど。
マッケイ:オーケー、それでいい。
     昼食に行って来る。

彼は歩き去ります。

大食堂。
ロドニーはテーブルにつき既に食事をしていました。

テイラ:(小さな声で)彼はどうなの?
シェパード:(小さな声で)相変わらずさ。
デックス:(小さな声で)本当か?
     俺より2ポンドはありそうだぜ。

ロドニーはそのコメントを見上げます。

テイラ:(とがめるように)ロノン。
デックス:(小さな声で)何だ?
     奴はいつも食べてる。
     それに運動なんかしてそうにない。
シェパード:(小さな声で)自分の不幸を食べてるんだよ。
マッケイ:おい?!
     僕はここにいるんだぞ。
     聞こえる…

彼が振り返ると違ったテーブルで他の者達が座っていました。
ジョンたちのいるテーブルはかなり離れた場所でした。
彼らが小さな声で話し合っていた会話の内容を聞こえるような距離ではありませんでした。
テイラとロノンは彼を見ます。
マッケイは驚いて目をそらします。

マッケイ:(小さな声で独り言)聞こえたんだがな。

彼は驚いてまばたきします。

マッケイ:はぁ!

彼は立ち上がって他の人たちに向きます。
そして何も見ずにテーブルに置いてあったコンピュータタブレットを手に取ります。
タブレットは指にぶつかりテーブルの向こう側に滑ります。
彼は自分のした事が分からずにタブレットを拾い上げて他の者に向きます。

マッケイ:言っておくが、僕はここに来た時から同じ体重だ。
     僕は三度三度きちんと食べる必要があるんだ、
     でないと低血糖症になっちまうだろ。
     それに僕は今一番幸せだ。
男性の声:(場内アナウンスで)シェパード中佐。
      すぐにコントロールルームへチーム報告を持ってきてください。
      シェパード中佐。

チームはロドニーのコメントには答えず立ち上がり出て行きます。

コントロールルーム。
チームはエリザベスに近づきます。

ウィアー:6分前にローン少佐のチームからこのメッセージを受け取ったわ。

カナダの技術者は音声を再生するために制御装置を作動させます。

ローン:(無線で)アトランティス基地、繰り返します。
    我々は攻撃を受けていて、ゲイトから切り離されています。
    少なくとも20、多分もっと多くです。
    すぐに応援を。

シェパード:彼らはどこにいるんだ?
ウィアー: M72・656。
シェパード:海兵隊員のチームをジャンパーベイに集合させてください。

まもなくその後。
パドルジャンパーがゲイトルームの下に降下し開いているスターゲイトを目指します。

後に。
エンシェント研究室。
エリザベスが入ってくるとラデクが中央のコントロールパネルに取り組んでいました。
彼女が入ると彼は見上げます。

ゼレンカ:ウィアー博士。
     何か連絡は?
ウィアー:まだよ。
     (彼女は心配させないように言います)
     まだ一時間しかたってないわ。
     私に用があるって?
ゼレンカ:はい。
     あなたの助けが必要です。
     コンソールにラボの研究ログにアクセスするパワーを手に入れることに成功しました。
ウィアー:まあ、それはいいニュースね。
ゼレンカ:そうとばかりは。
     別の人の意見が聞きたくて。

彼は制御装置を作動させます。
そしてエンシェント語で書かれたものが壁のスクリーンに現われます。
エリザベスはもっとよく見ようとステージに踏み出します。

ウィアー:これは人間の生理学の異なった要素を参照するように思えるわね。
     (彼女は制御装置を操作します、そしてテキストの次のページが現われます)
     これはベース遺伝子の符号化に突然変異の事を言及してるわ。
ゼレンカ:(合意でうなずき)ベケット先生はロドニーがこの装置にさらされても効果がなかったと言ってました。
     それは…
ウィアー:…人間のDNAを操るつもりだった。

彼らは心配して顔を見合せます。

男性の声:(無線で)ウィアー博士、ジャンパーベイへ。
      救助隊が戻りました。
ウィアー:(ラデクに)行きましょう。

ジャンパーベイ。
エリザベスとラデクが入るとちょうどジャンパーの後部のハッチが開きました。
ジョンとロドニーは出て来ながら口論しています。

マッケイ:それ以外に何なんだよ?!

ロノンは信じられなくてうなります。

シェパード:お前は常軌を逸しているぞ!
マッケイ:前にも言ったが、これは偶然の一致のようなものだ!
シェパード:それなら証明してみろ!

彼らチームが降りてくるのをエリザベスは見ます。

ウィアー:中佐?
シェパード:皆がこの場にいるから説明しろよ。

カーソンと3人の医療補助員は2つの担架を引っ張ってベイの中に走ります。

ベケット:どんな具合だい、誰が怪我をしたの?
ローン:いえ、だれもいません、ドクター。
    全員大丈夫です…ありがとうマッケイ。

ローンがロドニーに言うと、エリザベスは何かあったのかと疑い眉をあげます。

シェパード:(皮肉に、信じられずに)奴に聞けよ。
ウィアー:ロドニー?
マッケイ:まあ、正直言って、よく分からないんだ。
     こんなことは初めなんだ、でも相互関係は無視することができない。
     僕は動けずにいた怪我をしたローン少佐のチームを見たんだ。
     その時思ったんだ、奴らの武器が一斉に動かなくなればいいと。

ジョンの顔は軽べつの色を浮かべています。
ロドニーさえ自分でバカバカしい事を言っているという感じで、声にも張りがありません。
テイラは彼に目を細めます。
ジョンは笑うのを堪えるため下唇をかんでエリザベスを見ます。
ロドニーはそんな彼を見てはっきりと話し出します。

マッケイ:そのすぐ後に、奴らは皆逃げて行った、だから…
ウィアー:(皮肉っぽく)だからあなたが望んだからその思った通りになったって思ってるのね。

マッケイ:そんな感じだ。

エリザベスは皮肉ぽくうなずきます。

マッケイ:オーケー。
     いいか、これを見てくれ。
     僕は…

ロドニーは今の話を疑って腕を組んで聞いているカーソンに向きます。
そして彼を指さすとカーソンは地面から離れていき、カーソンは息が止まります。

ベケット:ロドニー!

カーソンはロドニーが指さし続けている間、空中に段々と上がって行き恐怖と驚きで下を見つめます。
他の者たちがカーソンのところに走って驚いて見つめます。

ウィアー:(驚いてまだカーソンを見つめて)ロドニー?
マッケイ:信じてくれ、僕だって君ら以上に不安なんだ。
ベケット:下に落とさないでくれよ!

エリザベスはロドニーを見て静かに話をします。

ウィアー:彼を下におろして。

ロドニーがゆっくりと手を下げるとカーソンは床までゆっくりと下りてきます。
彼はほっとしてため息をつきます。

ベケット:なんて事だ!

医務室。
ロドニーがベッドに座っているとエリザベスとジョンが彼に話をします。

ウィアー:その力以外にどんな能力があるの?

ロドニーは指を上げます。

マッケイ:力以外って。他にって事か?
ウィアー:テレキネシスの他に何ができるの?
マッケイ:(両手で耳を指し)一つはスーパーヒヤリングかな、よく分からないけど。
     でも実際頭もよくなっているような気がする。
     (彼は微笑します)

僕は初めからかなり頭が良かったから、確実とは言い難いが、
うーん、最近まで考えつかなかった事が思い浮かぶようになったんだ。

ジョンは彼に眉をひそめます。

シェパード:スーパー・エゴも能力として数えるのか?

女性の医療補助員が中に入るとロドニーは彼を超えて見ます。

マッケイ:おお!
     やっと来たか!

女性はプラスチック容器とゼリーの2つの容器とサンドウィッチ、肉、ジャガイモ、ニンジンを沢山のせたトレーを運んでいきました。

マッケイ:こっちに持ってきて。

彼はトレーを受け取ってひざに置きます。

シェパード:(エリザベスに)これが同じかどうかは分からないが、
      前にも同じぐらい食べたからスーパー・食欲かも。
マッケイ:(ナイフでニンジンを切り)何か変だな。

カーソンが近づいてきます。

ベケット:ああ!
     また食べてるのか!
マッケイ:(口いっぱいにニンジンをほうばり)僕はものすごく新陳代謝が激しいようだ。
ベケット:それには賛成だね。
     スキャンした結果、ロドニーの脳は正常な人間のレベルを全て超えている。
     脳全体のシナスプが相互作用で劇的な増加を示している。

ロドニーは一瞬の食べ物をカットするのを止めて眉をひそめると、またフォークいっぱいの肉をすくって口の中に運びます。

ウィアー:1年前にSGCでも事件があったわ。
ベケット:そのファイルを思い出したんで、データを調べてみた。
     とても興味深い。
ウィアー:(ジョンに)SG-1がスターシスで進化した人間を見つけたわ。
     アヌビスという名のゴアウルドの実験の結果だったということが分かったの。
     彼は高みの存在になってもいい程度まで人工的に人間の生理学を速める方法作り出そうとしていた。
マッケイ:僕が見つけたあの装置は何かしらの促進装置だったに違いない。
     エンシェントは進化して様々な力を身につけたことを知っている。
     あのラボを真っ先に見つけられなかったのは残念だった。
     (彼は楽しそうに微笑みます)
     僕を本物のスーパーヒーローにした。
     誰がそんな事を思い描く?

マッケイは微笑みながら食事に戻ります。
他の者達は笑顔にはなれません。

エンシェント研究室。
他の科学者が研究室の種々の装置に取り組んでいる間、ジョンとエリザベスは隣りあったに別個のコンソールに取り組んでいます。

シェパード:なあ、俺たちはエンシェントがかなり頭が変だと思ってるだろ。
ウィアー:私たちが?
シェパード:今まで会った全てのエンシェント人は横柄で、恩着せがましく、良い理性は持ってなかった。
      彼らは大きなミスをしたにも関わらず、決してそれを直そうとはしなかった。
ウィアー:彼らはまだ人間だったもの。
シェパード:でも彼らにはばかげた規則があった。
ウィアー:他の人たちが高みの存在になってから彼らは来たのよ。
シェパード:一体どうして?
     (彼は彼女に近づきます)
     多分これは全員に働きかけるわけじゃないんだ。
     誰だか知ってるか?
     マッケイだけに効いたんだ。
ウィアー:まだ1日しかたってないわ。
シェパード:たとえレイスとレプリケーターに対する重要な利点を得られても得られなくても、
      正直言って、安全を確保した方がいいんじゃないか。
ウィアー:ジョン、私はこの装置が大きな可能性を持っているかもしれないということに賛成だわ。
シェパード:そして大きな可能性には必ず大きな責任がかかってくる。
ウィアー:この都市の中で他にも見つけたように、これは非常に進歩した技術の一つよ。
     おそらく、それは同じく非常に危険でもあるでしょうけど。
シェパード:俺が言いたいのは…
ウィアー:ええ、その話は後で。
シェパード:ありがとう!
ウィアー:いいえ!

エリザベスはいらだって頭を振るとジョンは歩き去ります。
近くで働いていたラデクは向きを変えて無頓着に彼女のコンソールに寄りかかります。

ゼレンカ:いいですか、もしリストの編集しているなら、僕が…
ウィアー:仕事に集中してくれない、お願い?
ゼレンカ:分かりました。

彼は仕事に戻ります。

医務室。
ロドニーは2人の武装した海兵隊員に見張られながらベッドの上に座っています。

マッケイ:いいかげんにしてくれ。
     僕をここに永久に閉じ込めておく気か。
ベケット:ロドニー、君は病気じゃないかもしれない。
     でもここで起きている事が普通とは違う事を分かってほしい。

ベケットはワゴンに歩いてその上のラップトップを作動させます。

マッケイ:その通りだ、だから僕を外に出して、僕の力を何かの役に立てればいい。

マッケイはワゴンに何か興味深いものを見つけます。

マッケイ:ほう。
     行けよ、それを終わらせたいんだろ?

彼は指を向けます。
するとワゴンのチョコレートでコーティングされたドーナツが空中に浮かびます。
カーソンはそれをつかみます。

ベケット:これは問題だ!

ロドニーはがっかりしたように見えます。

ベケット:(ワゴンにドーナツを返し)君の遺伝子の突然変異の程度がどんなものなのか分からないんだ。
マッケイ:お願いだ。
     「突然変異」なんて否定的な言葉を使わないでくれ。
     「進化」の方がよっぽどいい。
ベケット:僕らが分かるまでここに…
マッケイ:カーソン。
     (彼は微笑んでベッドから飛び降ります)
     僕は行くぞ。
     君の指図は受けない…
     (海兵隊員に指し示し)…それともこいつらに僕が止められるとでも思っているのか。
デックス:いいや、だが俺ならできるぞ。

ロノンが彼らに近づきます。
ロドニーは彼に向かって微笑み近づきます。

マッケイ:ほう、お前が実験台になってくれるのか?

ロノンは微笑んで近づきます。

デックス:やってみるか?

ロドニーの微笑は色あせます。

マッケイ:まあ…いや、冗談だよ。


カーソンはため息をつきます。

ベケット:とにかく、僕が言いたいのは、誰かと一緒に行動するんなら通常勤務をしても構わないと思う…
     (彼はロノンを見てからロドニーに振り返ります)…それと君は…
マッケイ:…二時間おきに検査だろ。
     分かった、じゃあな。

マッケイがカーソンに手を振り出て行くとき、再びドーナツに指を向けます。
ドーナツはマッケイの手の中に飛び込み、歩きながら彼は一かじりします。
カーソンは彼の後ろ姿に憤然とします。

マッケイ:(口いっぱいにドーナツを入れ、ロノンに)僕らはチームだ。
     君は僕の相棒だ。
デックス:「相棒」ね。
マッケイ:そう、まるでバットマンとロノンのように。
     それにいいリングも持っている。
デックス:ああ、お前は食ってばかりだ、まるでファットマン(デブ)だ。

まもなくその後。
ロドニーはちょうどドーナツを平らげたところで指を舐めながらロノンと歩いています。

マッケイ:警告しておくぞ、おそらく君にとっては全くわけのわからない最新の物理学だ。
     退屈なのは…

エスポジトが彼に向かって歩いてくると声が次第に弱まります。
彼は振り返って彼女を見ます。

マッケイ:本当か?
エスポジト:(彼に振り返り)何?
マッケイ:何って、そう思ってるのか?
     (彼は笑います)
     僕が君にのぼせてると!

エスポジト:(微笑し恥ずかしそうに髪をいじり)何も言ってないわ。
マッケイ:いやいや、君は確かに…
     ああ、もちろんそうじゃない、それは分かってる。
     (彼はイライラした顔つきでロノンに向きます)
     君の事だ。
     (エスポジトは息が止まります)
エスポジト:何の話をしてるの。

まだ彼女は髪をいじりながら向きを変えて急いで立ち去ります。

デックス:マッケイ、彼女は一言も言ってなかったぞ。

ロドニーは驚いて彼を見つめます。

マッケイ:なんてこった。
     心が読めるのか。
     (彼は手を頭の脇に上げ指で頭をつつきながら笑顔になります)
     これはカッコいいぞ!

彼は急いで立ち去ります。

デックス:(彼を追いかけるために振り返り)そうでもないがな。

エリザベスのオフィス。
ロドニーがロノンに追われながら中に入ると、エリザベスはPDAを見ながら机の縁に座っていました。
彼女は彼らを見上げます。

マッケイ:やあ、元気か。
     いや、いい、もう分かった。
ウィアー:何が?
マッケイ:僕は君の心を読むことができる、あー皆のね。
     最初の10秒はかっこいいと思った、でも今は少し不安だ。
     自分ではコントロールできなくて無視しようとしても…まあなんていうか。
     とにかく、僕はコントロールチェアにアクセスする許可をもらいに来たんだ。
     ZPMを最大限に活用するかなり面白いアイデアが浮かんだんだ。
     僕は説明するにはあまりにも複雑な都市の電力システムを再び構成を設定した。
     だけど、君が信じられないほどの満足した結果を出すぞ、僕を信じて。
     なあ、エリザベス、僕を信じられないのは全部分かる。
     でも約束する、もっといい、問題なんて何も起きない、いいだろ?
     (彼はちらっと彼女を見ます)
     よし。
     (彼はロノンを見ます)
     彼女はもし僕が何か悪の目的で都市を占領しようとしたら君に僕を撃って欲しいと思ってる。

彼女は当惑して頭を振るとロノンはエリザベスを見ます。
ロドニーは笑います。

マッケイ:冗談だよ、冗談。
     スタンモードにセットしてだ。
     待ってくれ、心配するな。
     (彼は一瞬目を閉じます。ロノンのブラスターはビープ音を出します)
     これでいい、自分でセットした。
     オーケー、チェアールームに行くぞ、ロノン。

彼は部屋から出て行きます。
ロノンはエリザベスに近づきます。

デックス:今奴を撃ってもいいか?
マッケイ:(やかましく、遠くから)心が読めるんだぞ!
     エリザベスは僕を近くで見張ってて欲しいとさ!
     さあ、行くぞ。
     やる事が沢山あるんだ。

エリザベスがイライラして鼻柱を抑えているとロノンは再び離れます。
彼女はロノンを見上げます。

ウィアー:科学チームも見張りにつけるわ。

エンシェント研究室。
ラデクは壁のパネルを調整をしてから向きを変えて中央の演壇に踏み出します。
ちょうどその時ライトが消え部屋は暗闇になります。
すぐに緊急ライトが点きます。

ゼレンカ:(チェコ語で)そんなバカな。

チェアールーム。
ロドニーは椅子に横になっています。
イスは倒れ活動中です。
異なったホログラフィックのイメージとエンシェントの書いた物が椅子の上の空中に続けざまに見えると、
科学者達が驚いて上を見つめ椅子の周りに立っています。
ラデクは入って来てそれを見ます。

ゼレンカ:彼は一体何をしているんだ?

ロノンは椅子の近くの床の上に座っています。

デックス:俺に聞くな。
ゼレンカ:それは、失礼。

彼は目の前を横切ったコールマン博士を見ます、彼女は壁のスクリーンを見ていました。

コールマン:私にも分かりません。

ラデクは溜息をついて椅子に歩きます。
ロドニーは目を閉じ笑顔で指でコントロールにごく最小の動きをしていました。

ゼレンカ:ロドニー、都市中のパワーに影響が出てるね。
マッケイ:知っているよ。
     (制御装置を操作し続けながら目を開いて上を見ます)
     驚いたか?
ゼレンカ:そうじゃない。
     仕事ができないね。
マッケイ:一時的なものだ。
ゼレンカ:ロドニー、僕はあの装置が君に致命的な影響を与えたかどうか調べてるんだ。
     正直言って、いつもの君は心配ばかりしてるはずなのに、気にする事もないことに驚いていてる。

ロドニーは頭を回して彼を見ます。

マッケイ:(穏やかに)嫉妬してるのか。
ゼレンカ:バカバカしい。
     僕は君に何が起こったのか調べてるだけだ。
     それなのに君はここで現実から目をそらしてる。
マッケイ:そういうわけじゃないぞ。
     (再び椅子の上から見上げ)
     たまたま僕の脳は進化し続けている、実際ここで皆のためになる事をしてるんだ。

ラデクはため息をつくとロノンが彼の脇を通り過ぎ肩をすくめます。
ラデクはちらっとロドニーを見てからイライラしながら手を振りおろしてとび出します。

ゼレンカ:(チェコ語で)彼とは一緒に働きたくない。

レデクが聞こえない場所に行くと、ロドニーはイスを回転させロノンを見ます。

マッケイ:彼は隠そうとしてる、でも心の奥深くでは僕の言いなりになってる。

マッケイはひとりよがりに微笑して再び空中を見上げます。

エリザベスのオフィス。
エリザベスは机でラップトップのスクリーンを読んで座っています。
ジョンが入って来て彼女の横に立ちます。
彼はスクリーンを見るために前かがみになります。

シェパード:どうなんだ?
ウィアー:(顔を上げずに)実際、いいところまでたどり着いたみたい。
シェパード:調子よく仕事してる最中に中断されると、いやじゃないか?

エリザベスは顔を上げ彼をちらっと見ます。
彼女が再びラップトップに目を戻すと、全てのライトと壁のパネルがついたり消えたりします。
ジョンはいら立っているように見えます。

シェパード:マッケイが今や超天才なのは分かるが、こんな風になっちまうのはどうかと思うが。

彼はデスクの周りをぶらぶら歩いてエリザベスの反対に座ります。

ウィアー:コールマン博士はいやいやながらだけど、
     ロドニーが都市の電力システムの改善をしているのを認めたわ。
シェパード:どうでもいい。
      とにかく、何とか言ってくれないか?

エリザベスはため息をつきます。

ウィアー:エンシェントが生理的に純粋なエネルギーの状態に進化したことは知ってるでしょ。
シェパード:エンシェントの歴史101だな。
ウィアー:ええ。
     でも全員がそこにたどり着いたわけじゃない事も知ってるわね。
シェパード:彼らがズボンを履く必要があるって言ってるのか。
ウィアー:言えばそうね。
     私はあの装置はレイスとの戦い、どちらかと言えば逃げるためのものだとは思わない。

シェパード:(眉をひそめ)高みの存在になるための機械?
ウィアー:銀河でゴアウルドが作ろうとしたものみたいにね。

ジョンは前へ体を傾けます。

シェパード:マッケイが高みの存在になろうとしているって言ってるのか?
ウィアー:残念だけど肉体的に進化する以上にね。
シェパード:そんな風になりたがっていた奴らと半年も一緒にいた俺が言うんだ!
      これがマッケイのために何になるっていうんだ?
ウィアー:(ちらっとラップトップから顔を上げ)それがいい事じゃないの。
シェパード:もう邪魔はしないよ。

彼は立ち上がって部屋から出ていこうとします。
エリザベスはスクリーンに何かを見つけ突然手を上げます。

ウィアー:ジョン、待って。

彼女が立ち上がるとジョンは立ち止まり振り向きます。

ウィアー:すぐにロドニーに話をする必要があるわ。

彼女がジョンの後に従い始めると、またライトが消え彼女は立ち止まり彼らは上を見ます。
彼女とジョンは急いで立ち去ります。

チェアールーム。
ロドニーはイスの中で頭の上にホログラフィックイメージが浮かんでいるのを見ています。
ジョンとエリザベスが入って来ます。

マッケイ:慌ててどうした。
     あと二分でオンラインから戻るから。
ウィアー:あなたに話をしたいの。

ロドニーはイスを元のポジションに戻しスイッチを切ります。
彼はきちんと座って彼女を見つめます。

マッケイ:それは僕が死ぬって事か?

彼が驚いた顔で彼女を見て立ち上がると、エリザベスとジョンは彼を凝視します。

マッケイ:僕は病気なんかじゃない!
     こんな素晴らしい気分は今迄にないんだ!
シェパード:そのエンシェント装置が…
マッケイ:(心を読み)…僕の進化を早めた。
     (彼はエリザベスを見て心を読みます)
     結局は僕は肉体的の限界まで能力が上昇する、でもその上の上昇には…精神的なものがある。

エリザベスはうなずきます。

マッケイ:どうすればそれが起きるのか…起こさせないためにはどうすればいいか探る必要がある。
     (彼はロノンの思考を拾って彼を見ます)
     もう!
     僕の脳は時間を追うごとに活性化している。
     (彼は他の二人に振り返ります)
     僕が途中でそれを理解することができる可能性は大いにある。

エリザベスは口を開きまがロドニーは彼女の思考を読んで再び話をし始めます。

マッケイ:オーケー、そんなに簡単な事じゃないのは分かってるさ。
     まあ、たとえ僕がそれをできなくても、進化したままでいればいい。
     つまり、高みの存在になることを選ばなければいいだけだろ?

ジョンは少ししかめっ面をします。

マッケイ:違うって?
     その「違う」ってどういう意味だ?
     何、あのバカなエンシェントの装置はちゃんと動かないのか?
     (彼は再びエリザベスの心を読みます)
     もし僕が高みの存在にならなければ、遺伝子が突然変異して死んでしまうって言うのか?!
シェパード:(小さな声でエリザベスに)もっと簡単に言ったらどうだ。

エリザベスは合意でうなずきます。

マッケイ:あれはエンシェントが長い間かけて失敗したため使わなくなったって!
     (彼は恐怖で彼らを凝視します)
     なんて事だ。
     僕はもう死んだも同然だ!

コールマンがスクリーンで何かを見て不安そうな顔つきをします。

コールマン:マッケイ博士。
マッケイ:(気が散った状態で)ああ、分かってる途中なんだ。
     すぐに直すから待ってて。

エンシェント研究室。
また研究室は暗闇に陥れられます。
緊急ライトがつくとステージの上に立っていたラデクは怒ってコンソールにメモ用紙を激しくたたきつけます。

ゼレンカ:何なんだ。
     (研究室から出て行き、チェコ語で)
     殺してやる、あんな馬鹿な奴は。

チェアールーム。

マッケイ:オーケー、まだ残された時間はある、多分プロセスを反転する方法があるはずだ。
     ゼレンカ!ゼレンカはどこだ?
     あいつは今まで一体何をしていたんだ?

コールマン:送電線網を通じて大規模な電圧サージを直しています。
      シャットダウンプロトコルが反応していません。
マッケイ:(悲しげに)くそっ!

彼はイスに座って始動させます。

廊下。
ラデクはチェアールームに向かっています。
かん高い電気の急上昇音が聞こえ、彼の後ろで電気がスパークします。
彼は走り出しその場を離れようとしますが、突然彼の前から電気のスパークが槍のように弧を描きを彼の胸に当たります。
彼は床に悲鳴を上げて倒れます。

医務室。
カーソンと他の医療補助員はストレッチャーにラデクを乗せ部屋の中に走ります。
カーソンは彼の肺に空気を送り込んでいます。

ベケット:戻って来い、ラデク、戻って。
     呼吸をしていない、気管送管だ。
     ライン確保、全開で。
     モニターの準備を。

彼らはベッドの脇にストレッチャーを止めます。

ベケット:いいかい、いくよ。
     1、2、3。

チームはベッドにラデクを引っ張りあげます。
彼のシャツが切り開かれると胸には大きな出血性の火傷を負っていました。
ロドニー、ジョン、エリザベスは駆け込みます。

マッケイ:ラデク!
ベケット:電極を準備して。

医師団は電極をラデクの体に付けます。

ベケット:上室性頻拍になっている。
     除細動器の準備を。

彼はパドルをつかんでこすると、除細動器はヒューと音を立てます。

ベケット:離れて。
マッケイ:だめだ!

マッケイは目を見開きラデクのそばに進み出ます。

ベケット:ロドニー、死んでしまうぞ。

マッケイ:分かってる。
     僕に時間をくれ。
     僕ならできる。

彼は目を閉じてラデクの胸に穏やかに手を置きます。
彼が集中すると黄色い光がゆっくりと傷を治してきます。
皆が見つめる中ラデクの胸の傷は徐々に癒えていきます。
ロドニーが手を持ち上げた時には、ラデクは深呼吸をしだしました。
ロドニーは目を開いて、驚いてラデクをじっと見下ろします。
カーソンがラデクを診察するのを他の人たちが驚いてじっと見ます。

ベケット:心拍数正常、呼吸も安定している。

ロドニーは自分のした事に圧倒されてベッドから身を引きます。

ベケット:脈拍も正常だ。

ラデクは目を開き驚いて医師団を見て、身を起こします。

ウィアー:ラデク、大丈夫?
ゼレンカ:何が起きたんだ?

ロドニーは向きを変えて部屋から走ります。

ロドニーの研究室。
夜。
エリザベスは入ってきて驚き見つめます。
部屋の壁全部にホワイトボードがあり、全てに複雑な数学的な計算で覆われていました。
ロドニーはその中の1つに書いています。
この時のロドニーはいつもの彼よりも落ち着いていました。

ウィアー:ロドニー。
マッケイ:待ってくれ。

彼は別のボードにペンを持って歩きます。
彼はボードを見てからラップトップに何かをタイプします。

ウィアー:忙しそうね。
マッケイ:(気が散って)ああ、新しい数学を発明した。
ウィアー:本当に?!
マッケイ:これが理解できれば宇宙の人間の理解を変える。
     (エリザベスを気に留めず別のボードに歩きます)
     ゼレンカは?
ウィアー:あー、聞く必要があるの?
マッケイ:人の考えを読むのを止めたんだ。
     あまりにも激しくなってきたんでね。
     考えることができなくなってしまった。

彼は屈んで別のラップトップにタイプし始めます。
エリザベスは心配そうに彼を見ます。

ウィアー:ロドニー…
マッケイ:(身を起こし彼女を見て)何が言いたいのか分かってるよ。
     (エリザベスは彼に眉を上げます)
     あー、違う…超能力じゃない。
     僕はただ…
     エンシェントの装置を修理しようとした、でもプロセスを反転することはできなかった。
     突然変異が始まったら、もう止めことはできなくなる。

彼は最初のラップトップに戻って再びそれを見ます。
エリザベスは彼に向きを変えて歩きます。

ウィアー:実は、もしあなたが高みに登ることを理解することで、助けが欲しいなら…

ロドニーは向きを変えて彼女を見ます。

マッケイ:おお。
     あー、まあ、もうデータベースで読み直してみたよ。
ウィアー:まあ、でもそれははっきりとしたやり方が書いてあったわけじゃないわよね?
マッケイ:ああ。
     正直に言って今まで君は一度も高みの事についてそんなに熱心になった事がないよな。
     いいか、多くの規則があるのを知ってるか?
     つまり、僕が生きていくためには高みの存在になるためにしなくちゃならない事があるんだろ?
ウィアー:…それを信じる事。
マッケイ:正に。
     つまり、その事を君が全て知ったら、その時君はどうする?
ウィアー:分からないわ。
     高みの存在になる事が必ずしも終わりを意味するとは思わないわ。
マッケイ:ああ、そうかい?
     超越した思念に関して決して大きくないようにな。
     つまり、最初はこれが本当にあまりに素晴らしい事だと思った自分がいた。
     これほど素晴らしい力を持ったのに何もしていない。
     とにかく、本当に今分かったんだ。
     僕がいなくなるまでの間にわけのわからない事を理解するために時間の浪費をしなくたいんだ。

彼は机に歩いてメモリスティックを拾い上げます。

マッケイ:ダイダロスのシールドパワーを強化する方法を思いついた。
     (彼はエリザベスにスティックを渡します)
     もしベースコードを理解する手助けが必要なら、ハミョウドに電話をかけるように言ってくれ。
ウィアー:コールドウェル大佐が喜ぶわ。

ロドニーはラップトップに戻りタイピングするのをウィアーは見ます。

ウィアー:ねえ、ロドニー、あなたが高みの存在になるのを私は止めるつもりはないわ。
     でもあなたがもし高みの存在になれたとしても、
     いつでも人間の姿にもう一度なれるかって事を考えた事はある。

彼女が話をしていた間、タイプしたり書き物をしていたロドニーは突然手を止め、
目を見開き彼女に向きます。

マッケイ:どうしてその事を考えなかったんだ?

医務室。
ロドニーは小さな機械を持って、カーソンはモニターを引っ張って行って部屋に入ってきます。
彼らは装置をベッドへと持って行って、話をしながら準備し始めます。

ベケット:これが機能するとは思えないけど。
マッケイ:SGCからこれを送ってもらったんだ。
ベケット:ああ、知ってる。
     エンシェントの装置はシナスプの活動を測定したんだ。
マッケイ:ああ、それ以上に脳の進化レベルをな。
     これは基本的にアソシエーションメーターだ。
ベケット:本当に正しい方法でこれを取り扱えるのかどうか分からないよ。
マッケイ:超進化した天才がいるだろ。
     (ロドニーは希望を抱いて医務室を見回した後、驚いてたふりをして笑顔で自分の手を上げます)
     僕だ。
ベケット:(彼に眉をひそめ)あの問題のエリアの事は僕も読んだけど…
マッケイ:なあ、君が読んだとしても、その時の精神状態はただの物質的考えだろ?
     つまり、今の僕の脳はスーパーコンピュータなんだ。
ベケット:まあ、そう思うけど信じられないほど複雑で…
マッケイ:「ハイ」って言えばいいの、友よ。
     (彼はカーソンにジェスチャーで表現します)
     …理解できない者には…
     (カーソンは鼻を鳴らして目をそらします)…全ては数字で表すことができるんだ。
     脳や体を動かしている全ては電気や化学的なものによって構成されている。
     そして重要なのはこの体を作り上げている物質が純粋なエネルギーに変わる事だ。
     (カーソンは懐疑的に見えます)
     普通の人間がいくら考えても…
     (彼は頭の脇を指でトントン叩き)
     …高みの存在になるのだって実は科学的なプロセスで、単に陽子と電子なんだ.。
     陽子と電子。
ベケット:君がそう言うなら。

彼はモニターを準備し終えて、手にヘッドバンドを持ってベッドに向きます。

マッケイ:(装置の準備が終わり)君が良ければ…
     (彼はヘッドバンドの位置である額を示します)
     ここだよ。

彼はベッドにジャンプしてベッドに横たわって位置を調整します。
カーソンはベッドの脇に立ってヘッドバンドを取り付けし始めます。
そしてそこから延びるコードを持っています。
ロドニーが話をするとき、カーソンはロドニーが持って来た小さな装置の上に向きます。

マッケイ:さて、僕のエンシェントの研究から推定したものに基づいて、
     適切な精神状態の達成のために測定可能なパラメーターをセットすることができた。
     一度この装置で96%のシナスプ結合が測定されれば…
     (カーソンが装置のスイッチを入れるとライトがヘッドバンドの上につきます、彼はそれを指し示します)
     …僕が脳波が0.9から0の間に集中できればたちまち。
     (彼は指を弾き上に向けます)
     高みの存在に昇っていく。
ベケット:オーケー、正気とは思えないけど君が正しいと仮定しよう。
     (ロドニーは自信を持って微笑します)
     その周波数は昏睡状態の患者と同じなんだよ。
     いくら安静にしていても、実際に目が覚めていたらそんな数値にはなりはしないんだ。

ロドニーは自身の頭を指し示します。

マッケイ:進化していない者にはな。

カーソンは彼にしかめっ面をします。

ベケット:よしたらどうだい、ロドニー。
マッケイ:スイッチを入れてくれ!

カーソンはしばらく彼に眉をひそめていましたが向きを変えてモニターのスイッチを入れます。
二つのモニタにはロドニーのシナプス活動の62%と、脳波の29Hzが表示されています。

ベケット:君のシナプスの活動が異常に高い。
     60%以上だ。
マッケイ:そうか!
     もう時間がないな。
     僕の計算によれば96パーセントに達したとき、高みに昇るか、死ぬ事になる。
     今の脳波は?
ベケット:29Hzだ、普通に目が覚めている状態だよ。
マッケイ:オーケー、それじゃ僕は雑念を払い、リラックスする。

彼は目を閉じて深呼吸を繰り返します。
モニターがビープを出します、そして脳波計は上方に数値を上げます。
ロドニーはビープ音に直ちに目を開いて見回します。

マッケイ:今の音は?
ベケット:30Hzだ。
マッケイ:何だって?!
     そんな馬鹿な、そんなはずはない!
     間違って接続したんじゃないか。
ベケット:違うよ、僕がそんな事すると思う?
     正確に読みだしてるよ。

ロドニーは不安そうにベッドに頭を戻します。
ロドニーはエンシェントのアセッションを学ぶためこの日一日を費やします。

マッケイ:自分を信じて、うまくいくはずだ。
     もう少し時間をかければ。
     今は話をするのをやめるんだ。
     それは心に雑念が生まれる事になる。

カーソンがイライラして彼を見つめている間、ロドニーは目を閉じてブツブツと独り言を繰り返します。

大食堂。
ジョンとエリザベスはトレーをテーブルへと持って行って座ります。

ウィアー:彼がいかに科学的才能にたけてると言っても、これを受け入れるのには苦労してると思うわ。
シェパード:あいつに何が必要だって言うんだ?
      あいつの…ために。
ウィアー:ええ、まあ、あなたはマッケイを知っているでしょ。
シェパード:多分、ハイトマイヤー先生なら助けてくれるんじゃないかな。
ウィアー:実は、あなたにお願いしようと考えていたの。
シェパード:俺が?
ウィアー:ええ、そうよ。
     あなたはアセッション間近のエンシェントと6カ月間も一緒に住んでいたんでしょ。
     彼らの恐れに立ち向かって最終的にはアセッションを手伝ったわ。
シェパード:俺がやったのは化け物と戦っただけだ。
ウィアー:だからてロドニーのために、恐ろしい怪物と戦うような事をするのよ。

後に。
ジョンの部屋。
ブラインドは閉じられ部屋の中にはロウソクが立てられていました。
ロドニーは胡坐をかいて床の上に座っています。
彼はヘッドバンドをしています。
ジョンは低いキャビネットに脇に座り、キャビネットの上には脳波計が置かれロドニーの29Hzと脳波を示していました。

シェパード:こんな機械につながれたお前と一緒にやるとはな。
マッケイ:ほかに方法があったら教えてくれ?
     僕に瞑想をする方法を教えてくれるんだろ。
     これじゃ初めから見込みはないな。
シェパード:俺も同感だ。

ロドニーは足の筋肉がツッパリ床の上で動きます。

シェパード:実は、こんな事は俺は得意じゃない。
マッケイ:それならどうして僕がここにいるんだ?
シェパード:エリザベスが言ったからさ。
マッケイ:ああ、そうなのか。僕もだ。
シェパード:俺は6カ月間、エンシェントと一緒に暮らしてきた。
      多分お前のためになるかもしれない事があるだろうってな。

ロドニーはちらっと彼を見て目をそらします。
ジョンも自信なさそうです。

シェパード:いいか。
      (彼は一瞬考えてから立ち上がって、ロドニーに近づきます)
      お前が最初に理解しなきゃいけない事は、これが終わりへの道ではないという事だ。
マッケイ:何だ?
     もちろん、そんな事は分かってる。
シェパード:いや、そうじゃない、お前はまだ分かってないんだ。
      お前は高みの存在になったら人の姿がなくなり、全てが終わりになると思っている。
マッケイ:(再びひざを崩し)まさにその通りだ。
     僕が理解した中で、嘘はいけないと知った。
シェパード:いいぞ。
マッケイ:こんな事をしている間に、僕の足がしびれてきた。
     こんな恰好で本当にリラックスなんかできるのか?
シェパード:好きな恰好でいいぞ。
マッケイ:分かった。オーケー。

彼は仰向けに横たわって手を握り締めて目を閉じます。

シェパード:いいぞ。
      (彼はベッドの側に歩いて座ります)
      自分の呼吸に気持ちを集中して、体の中から外へと。
マッケイ:(静かに)吸って…吐いて。
シェパード:声は出さなくていい。

ロドニーは目を開いて彼を見上げます。

マッケイ:ああ、分かった。

彼は目を閉じて再び落ち着きます。
ジョンは雑誌を拾い上げてそっとページをめくりながら静かにロドニーに話をします。

シェパード:今度は一番心配な事を考えるんだ。
マッケイ:(再び目を開き)つまり、死ぬ事みたいにか?
シェパード:話しはしなくていい。
      お前が不安に思うものなら何でもいいんだ。
マッケイ:それなら、腐るほどあるぞ。
     (彼はひじで身を起こしジョンを見上げます)
     話をしないのもその一つだ。
シェパード:(厳格に)ならそうしろ。

ロドニーは横たわって再び彼の目を閉じます。

シェパード:今度は。
     (彼は雑誌を下に置いて彼に歩み寄ります)
      観覧車に乗っている事を想像してみろ。
マッケイ:何でだ?!
シェパード:おい、言ったはずだ。
      俺がエンシェントから教わった時には一々聞かなかったぞ。
      俺が観覧車が好きだからだ…
      それに俺に瞑想を教えてくれた女性もそう言ったし…実にきれいな人だった。
マッケイ:(彼を見上げ)どうして君が高みの存在にならなかったのか分かったよ。
     (彼はきちんと座ります)
      オーケー、僕は忙しい、君も忙しい。
      お互い忙しい。
シェパード:いいから…リラックスしろ、いいな?
      彼女から教わった方法を思い出すから。

ロドニーはイライラしてため息をつきます。

マッケイ:分かったよ。

彼は再び横たわります。

シェパード:頭の中に黒く渦巻く嵐を想像しろ。
マッケイ:(眉をひそめ)それが何の役に立つんだ?
シェパード:俺もそう言われたんだ。

彼は継続するために口を開きますがロドニーは再び突然頭を持ち上げます。

マッケイ:たった今カオス理論についての素晴らしいアイデアが浮かんだ。
     書きとめておかないと…
シェパード:マッケイ。

ロドニーは彼を見てからうなって再び横たわります。

マッケイ:分かったよ。続けてくれ。
シェパード:(静かに)空は澄み渡り。
      全ての悩みが次第に消えて行く。
マッケイ:(ほほ笑んで)明るい青い空。
     僕はそこにいる。

モニターは24Hzを示します。
レベルが23Hzに下がるとビープを出します。
ロドニーは目を開いてジョンを見ます。

マッケイ:(ささやき)どうなったんだ?
シェパード:何も考えるな!
マッケイ:ああ、忘れていた。
     (彼はきちんと座ります)
     なあ、これはうまくいかないよ。
シェパード:どうしたんだ?
マッケイ:今、光が何故、粒子と波の両方の性質を持っているのか分かったんだ。

彼はイライラしてため息をついてヘッドバンドを外します。

シェパード:ロドニー、もしお前がやらなければ…
マッケイ:分かってる。
     僕には時間がない。

彼は起き上がって部屋を出て行きます。

ロドニーの研究室。
ロドニーはテーブルに並んでいる二台のラップトップに両手でそれぞれのキーボードを同時にタイプしています。
エリザベスが中に入ります。

ウィアー:いいかしら。
マッケイ:うーん?
     ちょっと待ってくれ。

彼はエリザベスをしいたげるようにコンピュータタブレットを拾い上げて部屋の向こう側に行きます。
テーブルにはいくつか別のラップトップがあります。
同じくテーブルの上に色んなカップやサンドウィッチの入れ物があります。
そしてエリザベスはどのコンピュータのキーボードも誰もいないのにカタカタと動いているのを見ます。
キーボードは明らかにロドニーの念力によって操作されているようです。

ウィアー:何をしてるの?
マッケイ:実は今やっておきたい50程のシュミレーションがあるんだが、皮肉にも僕のスピードにコンピューターがついてこれないんだ。
     でもこれが完成すれば10倍以上のスピードが出るようになる。だから今は手を離せないんだ。
     ああ、データベースの中にパドルジャンパーのためにハイパースペースジェネレーターのバーチャルプロトタイプをアップロードしてるんだ。
ウィアー:それはすごいわね。
     (彼がコンピュータタブレットに何かをタイプしていると彼女は近くに来ます)
     こんな事をしてていいの…
マッケイ:…僕の生きていられる間ってことかい?
     他に何をしろって言うんだ?
ウィアー:ロドニー、私はあなたの科学的な貢献を残そうとする事についてはとても気高い行為だと思うわ。
     でもまだあなたは高みの存在になれる可能性はあるわ。
マッケイ:それが時間の無駄だって分かってるだろ。
     多分、君ならそれができたんだろうけど…
ウィアー:私にはできたかどうか分からないわ、でも試してもみないで自分を見くびってるんじゃない。
マッケイ:正直言って、最初っから僕は駄目だったのさ。
ウィアー:そんな考えは止めて。
マッケイ:なあ、僕には分からないんだ。
ウィアー:大事な事は心の奥底では誰もがそれを成し遂げたいと思っているはずよ。
     あなたは…心を開放すべきなの。
マッケイ:(目をきょろつかせ)ああ、そうかい!
ウィアー:あなたの精神状態がどうなのか私には分からないわ。
     でもそれは人間が一緒に平和を見つけだすのに役立つはず。
マッケイ:だが君は信じなければならない。
ウィアー:私は宗教の話をしているわけじゃないわ。
     あなたの悪の部分、恥ずかしさを感る何か、怒り、罪の意識を捨てることについて話してるの。
     そうすればあなたは全てのエネルギーへと昇華することに集中でる。
マッケイ:それは僕がふさわしくないと言ってるようなもんだ。
ウィアー:ロドニー、私はあなたがあなた自身の本当について何を信じるか分からないわ。
     おそらく、あなたは自分の欠けているかもしれないと思っている事を知性として他のことに使って、
     あなた自身の気持を偽ってるのよ。
マッケイ:(疑い深く)例えば?
ウィアー:それは、言葉では言い表せないわ…でも私の心を読んでもらえれば多分?

エンシェント研究室。
ラデクはクリスタルパネルを装置に付けて中央のコントロールパネルの床の上にいます。
彼が最後の装置を取り付けると中央パネルは光りだします。
彼は立ち上がってラップトップの方に向いてタイプします。
ロドニーが中に入ります。
ラデクは彼を見てため息をつきます。

ゼレンカ:ロドニー、君が何を言っても気にしないよ。
     僕はこれに取り組み続ける、だろ?
マッケイ:(真面目に)ああ、その通りだ。
ゼレンカ:(彼を見ずに)君は僕を助けてくれた、だから…僕が恩返しできるのはこれぐらいだ。
マッケイ:ラデク?
     (彼はためらいます。ラデクは彼を見上げます)
     僕は安全だと思っていた、あー、時々心が狭かったり、執念深かったり、しっと深かかったりした。
     (ラデクは疑い深く彼を見ます)
     僕は自分の周りに敵意の泡を作ることによって、僕自身の心配事や不適当な感情を昇華させてきた。
     おそらく君には誰よりも真っ先にその矛先を向けていた。
ゼレンカ:ロドニー、そんな事は…
マッケイ:実際、そうだった。
     (彼はもっと近づきます)
     君は才能に長けたまともな科学者だ、
     そして僕が今までしてきた事に我慢なんかしなくてもよかったんだ。
     今まで僕がしてきた仕打ちを許して欲しい。
     君は最高の…

ラデクは驚いて口を開けますが感動しています。

マッケイ:…だからその事を知っておいてほしい。

ラデクは何も言葉が出ません。
ロドニーはぎこちなく見えます。

マッケイ:じゃあ。

彼は向きを変えて歩き去ります。
ラデクは感傷的に彼の後姿をじっと見つめます。

テイラの部屋。
ドアベルが鳴ります。
彼女はベッドから出てドアのところに行ってドアを開けるために手を壁のパネルに置きます。
ロドニーは小さなトレーにカップとポットとティーポットを乗せて立っていました。

テイラ:ロドニー!
マッケイ:そのー。
     中に入ってもいいかな?

彼は返事を待たずに入って来ます。

テイラ:何してるの…?
マッケイ:気にしないでくれ。

テイラはドアを閉め彼の後から部屋の中へと行きます。
ロドニーは部屋の中に入ると彼女に振り返ります。
彼はしばらく彼女を見てからため息をつきます。

マッケイ:ハリングと話したんだけど、来週君のお父さんの命日だって。
テイラ:彼が言ったの?
マッケイ:…オーケー、少し意地悪な質問をしたかも、でも僕はそれでいいと思う…
     (彼は持ってるトレーを指して彼女を見ます)
     つまり、君と一緒にその命日を過ごせたら、名誉だってね。
     こんなに早く行うのは間違かもしれないけど、来週には僕はいないかもしれないから。
     とにかく、一人よりも二人の方がいいだろ。

テイラは彼にほほ笑みます。

テイラ:ありがとう、ロドニー。

彼女はトレーに手を伸ばします、しかしロドニーはそれを引き戻します。

マッケイ:いや、いいんだ。
     僕がやるよ。
     君は愛する人を失ったんだから。
     僕が君に注ぐよ。

後に。
ロノンが廊下を歩いています。
ロドニーは彼に追いつくために走ります。

マッケイ:おい、相棒!

ロノンは彼をいぶかしげに見て歩き続けます。

マッケイ:お前を探していたんだぞ!
     ジムとか食堂とか。
デックス:そこにはいなかった。
マッケイ:いや、そう言う事じゃなくて。
     いつもはそこにいるから。
     それで、どこに行くんだ?
     射撃場か?
     射撃訓練でもするのか?
デックス:俺は訓練なんか必要ない。
マッケイ:ああ、そうか。
     そうだよな、お前に訓練なんかいらないよな。
     (彼はロノンの前に出て振り向いて立ち止まります。
      ロノンは立ち止まる以外ありませんでした)
     なあ、僕は後どれぐらいでいなくなるか分からない、
     だから君に聞きたい事をここであきらめるわけにはいかないんだ。
     あー、個人的な質問だが。
     僕の顔を殴らないで聞いてくれよ。

彼は少し笑いながら言います。
ロノンは「約束はできない」と言うかのように眉を上げます。

マッケイ:少し離れていよう。
     (彼はちらっと下を見てから勇気を出してロノンに顔を上げます)
     君の背中にはレイスから受けた傷がある、追跡装置を埋め込まれた?
     (ロノンはうなずきます)
     その傷は君にとって…名誉の勲章なのか、それとも忘れてしまいたいものなのか?

ロノンはすぐに答えません。

マッケイ:つまり、その事は僕には無関係なのは分かっている。
     ただ…
デックス:俺は変える事ができない事に悩まないようしているだけだ。

ロドニーは理解してうなずきます。

マッケイ:それはとても普通の事だ。

ロノンは肩をすくめます。
ロドニーは廊下を見回します。
他に誰も近くにいない事を確信するとロドニーは前へ歩いて腕をロノンの背中に回し目を閉じて彼を抱きしめます。
ロノンはすくみますが不器用にロドニーの背中を軽くたたきます。
抱擁は続きます。
ロノンはしかめっ面をして再び彼の背中を軽くたたきます。
ロドニーは目を開いて少し恥ずかしそうに後ろに踏み出します。

マッケイ:気にしないように。

彼は一瞬ためらってから静かに話をします。

マッケイ:治しておいたから。

彼は歩き去ります。
ロノンは彼の後姿を見つめてから、背中に手を伸ばして探ります。

エリザベスのオフィス。
ロドニーが入ってくるとはエリザベスはコンピュータに取り組んでいました。

マッケイ:僕のために方法を見つけてるのかい?
ウィアー:(彼に振り返り)私が諦めるつもりだと思ってるの?
マッケイ:あの装置を使って実験したエンシェントは、高みの存在になったか、死んだかだ。
     ほとんどは後者で、だからあの装置は使われなくなったんだ。
ウィアー:あなたが言うように、例外もあったわ。
マッケイ:はぁ。
     まあいいや、これでまもなく終わるだろう、そして君は本来の仕事に戻ることができる。
ウィアー:ロドニー…そうはさせないわ。

彼女は目をそらします。

マッケイ:いや、いいんだ、僕に同情なんかいらない。
     僕は…これを渡しに来たんだ。

彼は彼女にメモリスティックを手渡します。

ウィアー:(受け取り)今度は何を発明したの?
マッケイ:何も。それは…本だ。
ウィアー:何の?
マッケイ:君の。

エリザベスは驚いて彼を見ます。

マッケイ:まあ、君は寄せ集めの遠征隊のリーダーだけど、
     僕は君がやってきた事を全て記録しておこうと思った。
ウィアー:私がしてきた事全てを記録したの。
マッケイ:ああ、その通りだ。
     僕は他の人にも有益になるんじゃないかというちょっとしたユニークな発想を持っていると思った。
     実際君は昔通りの研究をするチャンスがあったわけだがそうはしなかった、それは僕も同じだ。

エリザベスは少し驚いて、メモリスティックを机の上のラップトップに差し込みます。

マッケイ:もしいい文章じゃないとしても勘弁してくれ。
     少し、そのー、所々感傷的になってる…

テキストが開くとエリザベスはスクリーンを見つめます。

ウィアー:ロドニー、これは5百ページもあるわ。
     いつ書いたの?
マッケイ:とにかく、それで終わりだ。

彼は彼女にほほ笑んで部屋から出て行きます。

マッケイ:じゃあ。

彼が向きを変えて歩き去るのをエリザベスは見つめます。

ジョンの部屋。
ロドニーは再びヘッドバンドをしてロウソクに照らされた部屋の床の上に横たわっています。
モニタの脇に座っていたジョンはビープ音が出てモニターを見ます。

マッケイ:(静かに)どこまで下がった?
シェパード:それは重要じゃないだろ。
マッケイ:どうしてだ?
     (がっかりして片肘を立て身を起こします)
     もちろんそうだが、気になる…

彼はモニターを見て読みます。

マッケイ:17Hzか?
     まだまだだ!
シェパード:今まで以上に近づいているじゃないか。
マッケイ:ああ、それは忘れてくれ。

落胆して彼はヘッドバンドを外します。

シェパード:なあ、お前が聞かなきゃいけない事は、そう言う事じゃない。
      それを手放すことだ。
マッケイ:(涙ぐんで)僕にはそれをどうやっていいのか分からないんだ、そうだろ?
     僕は僕なのに僕の知らない僕をどうやって知るんだ。
     今まで手伝ってくれてありがとう。
     僕らはすごいチームだったよな…そうだろ?
シェパード:ああ、もちろんだ。
マッケイ:そうか。
     なあ、もしよかったら君に僕の葬儀の称賛を読んで欲しい。
シェパード:俺はそんな話をしたくないぞ。

彼は床からベッドの上に座ります。
ロドニーは立ち上がります。

マッケイ:簡単にやってくれればいい。
     うーん、少しいいものにはしたいな。
     妹も呼んで欲しい…
     (ジョンはモニターから取り外したケーブルをまとめることに集中して目を合わせようとはしません)
     …そして、ああ、そうだ、ベケットに徹底的に検死をするように言っておいてくれ。
     僕の体が助けになるんなら、どんな実験に使っても構わないと、そして、あー…
     そうだ、僕を火葬して灰にしてくれ…(辛そうに顔をしかめ)…ジャンパーから宇宙に捲いて欲しい。

ジョンは立ち上がって彼に向きます。

シェパード:ロドニー…

ロドニーはうなって頭を掴み苦しみ出します。
ジョンは彼をつかんでベッドに横たえます。

シェパード:ロドニー!

ロドニーは再びうなってから意識を失います。
ジョンは無線を作動させます。

シェパード:俺の部屋に医者を。

医務室。
ロドニーの枕許のモニターはシナプスの活動が91%にあることを示します。
カーソンはロドニーに向きます。

ベケット:君の脳のシナプスの活動が90%以上に達した。

テイラとロノンがロドニーの枕許に立っています。
テイラは祈るような恰好で胸の前で両手を合わせています。

ベケット:なぜか分からないけど、脳皮質の進化した部分が進化していない脳機能を失わせているみたいだ。
     それはほとんど君の体の生きていくための自然の能力を失っているかのようだ。

ロドニーは弱く彼を見上げます。
エリザベスとジョンはベッドのもう片側に立っています。

ウィアー:アセッションが起これば、物質的な体は最終の段階でもう必要なくなるから。
ベケット:ロドニー、あとどの位持ちこたえられるか分からな。

ロドニーは弱々しく微笑します。

マッケイ:6%ぐらいか?
シェパード:俺たちにできる事があるはずだ。
マッケイ:(弱く)もういいんだ。
     僕はもう実際に全く恐怖は感じない…むしろ平和な感覚を感じている。
シェパード:ロドニー、アセッションと同じぐらい、お前のやっていたことが終わってないだろう。
      この時点で負けを認めるつもりか?
マッケイ:戦いに出かける方がましだろ、ん?
シェパード:確かにな。
マッケイ:それを取ってくれないか。

カーソンはうなずいてヘッドバンドを拾い上げます。

マッケイ:(彼を見上げ)カーソン?
     ありがとう。
     今までありがとうな。
ベケット:(静かに)僕はもっと君と友達でいたかった。

彼はヘッドバンドをロドニーの頭に付けて作動させます。
ロドニーは上をじっと見ます。

マッケイ:(静かに)晴れわたった青い空。
     僕の不安は洗い流されていく。
     オーケー…(彼は目を閉じます)…話をするのはやめるんだ。

ジョンは微笑します。

ウィアー:(穏やかに)ロドニー、あなたは良い人だったわ。
     私たちはあなたを愛していた。
マッケイ:(目を閉じたまま微笑し)君が僕を愛していたのか?
     本当に?皆が?
シェパード:(不器用に)ある意味、友人の中の友人だ。
マッケイ:僕が死ぬから、そう言ってるだけだろ。
     (静かに、悲しげに)いいんだ。
     僕は死ぬことになるなんて信じられないんだ。
シェパード:(静かに、脅えてエリザベスと目を交わした後)いいか、青い空に戻るんだ。
      さあ、想像しろ。
      呼吸に意識を集中するんだ。

ロドニーは閉じられた眼で集中しています。
数秒後、モニターはビープを出します、そして彼の脳波は3Hzを示します。
それは2、1と下がって行きます。

ベケット:(静かに)なんて事だ。

彼は目をそらします。
突然ロドニーはベッドから起き上がりカーソンの白衣の襟をつかみます。
彼はカーソンの目を中ば半狂乱になって見つめます。
カーソンがショックから戻ってじっと見ると、脳波計は最高62Hzに上がり、それから再び下へと急落します。
ロドニーの目は白眼になりベッドに崩れます。
カーソンの後ろの脳波計はゼロを示します、そして「読み出し不可」と表示されます。

ベケット:(アシスタントに)呼吸がない。
     早く、バッグを。
     呼吸を確保するんだ。
ウィアー:カーソン、彼は私達に遺言を残したのよ…
ベケット:君は分かってない。
     彼は僕にどうやって彼を救うべきか教えたんだ。

まもなくその後。
カーソン、ジョン、ロノンと若干の医療補助員は、ストレッチャーでロドニーをアトランティスの廊下を運びます。

ベケット:(無線に)今向かっている。
     彼の脈拍は非常に弱い。
     準備はできてるの?

エリザベス、テイラ、ラデクはエンシェント研究室にいます。

ウィアー:今やってる。

彼女は半狂乱になってコンソールに取り組んでいるラデクに歩きます。
彼はちらっと彼女を見ます。

ゼレンカ:ほとんど。

医師団は研究室に向かって廊下を急ぎ続けます。
カーソンはロドニーの肺に空気を送り込んでいます。
彼らは出入り口に着いてストップします。

ベケット:着いたよ。

ロノンは腕にロドニーを抱き上げ内に彼を運びます。

ベケット:急いで。
     彼は自力で呼吸できないんだ。

ロノンはステージまで走りロドニーをそこにおろします。

ゼレンカ:オーケー、離れて。

全員黙ったまま立っています。
ラデクがコンピュータのタブレットを操作すると緑の光がステージを包みます。
一瞬後に緑のビームが照射されロドニーの体を包み込みます。
数秒後それはストップします。
そしてロドニーは身を起こし驚いたように見回しました。
皆が彼に向かって急ぎます。

ベケット:ロドニー?
マッケイ:やったのか!
ベケット:何が?
マッケイ:(いらいらして)僕は生きているのか?
シェパード:そのようだな。
マッケイ:そうか。
     (彼は皆を見回します)
     一つ試してもいいか。
     (彼はカーソンに向いて指を向けると上に持ち上げようとします。しかし何も起きません)
     テレキネシスが消えた。
     (彼は立ち上がって考えます)
     頭はまだいいはず…
     うん!僕は僕だ!
     昔の僕に戻った!
ベケット:本当かい?
マッケイ:(興奮し)ああ、僕は生きている!
     気分もいい!
     この感じは…うーん…
     (彼は正しい言葉を脳を振り絞って考えます)…腹が減っているのか?
シェパード:(にっこり笑って、カーソンに)大丈夫そうだ。

カーソンは喜んで微笑します。

ウィアー:(ロドニーに)あなたは不可能だって言ったじゃない。
マッケイ:ああ、その通り。
     僕は暗い宇宙を思い浮かべていたんだ、そしたらどこからともなく答えが浮かんだんだ。
     あの装置はDNAを操るよう設計されていた。
     皆のDNAが異なっていたから、進化のプロセスを逆にすることができなかったんだ。
     君の特殊な生理学の方法で進化したDNAを変更するさせる事が出来た。
ゼレンカ:ああ。
     前の状態に戻すためにDNAの正確な情報が必要だった。
ベケット:幸いにも僕はこの基地にいる全員の血液サンプルを持っていたからね。
デックス:お前らの言ってる事が全く理解できない。

彼はロドニーに向かって歩いて、彼の医療の上着の襟を押さえます。

マッケイ:(不安そうに)何なんだ?
デックス:お前が戻ってきてよかった、相棒。

彼はロドニーを引っ張って抱きしめます。

マッケイ:ああ、まあ戻ってきたのはいい事だ。

デックス:ああ!

ロノンが離れるとロドニーはロノンの意外な愛情表現に当惑して、
それからカーソンを見て「一体何なんだ?!」と聞くかのようにロノンに向かって頭を動かします。

しばらく後に。
エリザベスがロドニーのラボに入ってくると、ロドニーのは困惑してラップトップのスクリーンを見つめていました。

ウィアー:ねえ、気分はどう?
マッケイ:ひどい!
ウィアー:カーソンを呼んでくる?
マッケイ:いや、いい。
     体は平気だ、だがこれの意味が分からない。
     この方程式のどれも理解することができないんだ。
     つまり、このアルゴリズムは完全なたわ言に見える。
     つまり、ひどい状態だ!
     これがどんなに重要な事なのかは覚えてるんだが、なぜか理解することができない。
ウィアー:じゃあ、これを見せようと思ってきたんだけど。
     (彼女は彼にコンピュータタブレットを手渡します)
     あなたの最後の瞑想で拾った脳波計の記録よ。

ロドニーは顔に嫌悪感の顔つきを持ってタブレットを見ます。
彼は無表情でスクリーンを見てから驚いた素振りをします。

マッケイ:おやおや!
     0.3Hzじゃないか。
     僕はやったのか!
     つまり、僕は達成したんだ!
     本当は高みの存在になれたんだ!

エリザベスは彼にほほ笑みます。

ウィアー:自分を救う方法が浮かんだって言った時、あなたは宇宙に浮いていたって言ったわね。
マッケイ:ほんの一瞬激しく自分の自我を取り除く事を考えたかもしれない、
     そして個性のない意識の存在は無意味だと、でも…
     そうか!
     今分かった、おそらく僕の考えでは僕の古いDNAを持った装置が再プログラムの考えを与えたんだ。
ウィアー:ええ、私もそう思うわ。
マッケイ:ああ、じゃあ?
     君が僕には高みの存在になる能力がないと言った事は気にしないよ。
     (エリザベスはそんな事は言った覚えがないと抗議するかのように彼を見ます)
     それに僕はそんな事を望んではいなかったんだから。
     実際、いいか?
     僕はありのままの自分に十分満足している。
     (彼はラップトップにタイプします)
     そして君は僕を愛している。
ウィアー:えっ?!
     私はそんな事は…
マッケイ:いいや、言った!
     僕が考えたこの新しい数学は理解することができないかもしれない。
     でも君が僕を愛してると言ったことは覚えている。

彼はひとりよがりに彼女にほほ笑みます。

ウィアー:私が言ったのは、私たちがって、それに…
マッケイ:それに、何だい?
     僕が死の間際だったからって言いたいのか?
ウィアー:そういうわけじゃないけど…
マッケイ:何だい?!
     君は僕を愛してる!
     その事は本当なんだと分かってる。
     僕はいつもそうじゃないかなと思っていた。
     実際、いいかい?
     僕は常にそのことに気付いた、うーん、僕らの間の定義できない、そしてなおかつ神秘的な化学…
     (エリザベスは後悔の念に満ちて頭を振ります)
     …それは第十章に書いておいたと思う。
ウィアー:ふーん。ロドニー…
マッケイ:もう昼食は食べたかい?
ウィアー:ええ。
マッケイ:午後のおやつは?

エリザベスは微笑します。

ウィアー:一緒につきあうわよ。
マッケイ:ああ。
     (彼らは部屋から立ち去り始めます)
     まだシェパードはスーパー・ヒーローになるあの装置を使わせてくれてせがんでいるのか?
ウィアー:ええ、そうなの。
マッケイ:エンシェントのデータベースでは人によってはその効果が予想できない。
     僕は単に幸運だったんだ、原形質の塊にならなかった分だけね。
ウィアー:そうね。
マッケイ:そうだろ。
     じゃあ、あいつをそうちちまえよ。
ウィアー:そんな事思わないわ。

おしまい。