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スターゲートアトランティス シーズン4
4X10 - THIS MORTAL COIL (1)
4X10 −
浮世の煩わしさ
アトランティス。コントロールルーム。
ロドニーとゼレンカは別々のコンソールに座ってラップトップを見ています。
マッケイ:(タイピングしながら)二回目の検査だ…どうだ?
ゼレンカ:(2秒の後)変わらないよ。
マッケイ:はぁ?本当か?
ゼレンカ:ああ、確かね。
マッケイ:じゃあ、もう一度だ。
ゼレンカ:ロドニー、原因はこれじゃないね。
ロドニーは立ち上がってラデクのコンソールに歩き始めます。
マッケイ:そうかい、こっちに来てモニタを見ててくれ。
ため息をついてラデクは立ち上がります。
そしてロドニーは彼の席に着きます。
ラデクはロドニーのいた席に着きます。
ロドニーはスターゲイトの概略図を示しているラデクのラップトップを見ます。
マッケイ:はぁ!変わらないじゃないか。
ラデクは「言っただろ」というふうに肩をすくめます。
マッケイ:そっちはどうだ?
ゼレンカ:何にも。
マッケイ:本当なのか?
ゼレンカ:ロドニー!
マッケイ:(立ち上がり)戻って、戻って、戻って、戻って、戻って、戻って、戻って。
彼らは再び席を交換します。
ジョンが部屋に入ってきます。
シェパード:よう。問題は解決したのか?
マッケイ:いや。ゲイトは動かない。
シェパード:お前が先週何かやって以来壊れたんじゃないのか?
マッケイ:ゲイトを壊したのは僕じゃない。
シェパード:お前がいじり回した後に動かなくなったんだろ?
マッケイ:弄り回したわけじゃない!
エネルギー効率を引き上げるプログラムを組んでたんだ。
シェパード:ほう、そりゃすごいな。
マッケイ:ゲイトが動かない事とは因果関係はない!
僕のプログラムを含めて、あらゆる原因を取り除いたんだ。
もう少しすれば動くはずだ…
ちょうどその時都市のどこかで衝突音が聞こえます。
マッケイ:何の音だ?
中国人女性の技術者がモニタに写る都市の赤い点を示します。
技術者:正体不明の物体が都市に衝突しました。
マッケイ:なんでセンサーが感知しなかったんだ?
技術者:分かりません。早すぎたのでは?
ロドニーはスクリーンを見ます。
マッケイ:低レベルのエネルギーサインが出てる。
ゼレンカ:どんな?
シェパード:見に行こう。
都市の端。
天井には大穴が空いて、床には天井の残骸と共に円筒状の物体が横たわります。
この部屋は図書室のようです。
軍人が警戒をしている中、科学者が物体のそばにしゃがんでスキャナーで調査しています。
ジョン、ロドニー、ラデクが中に入ります。
ジョンは軍人の1人に向きます。
シェパード:他に被害者は?
軍人:いません。
マッケイ:よかった、誰かここで本でも読んでたら危なかったな。
科学者が去るとロドニー、ジョン、ラデクは物体に近づき周りにしゃがみます。
ゼレンカ:これは何だろう?
マッケイ:どう見ても単体で可動するユニットだな。
ドローンとか探索機みたいな。
レイスの物じゃないようだ。
ゼレンカ:Lanteanの物か?
人工衛星とか放置された装置とか?
マッケイ:まあ、多分ね。
(エンシェントのスキャナーを見て)
まだほんのわずかエネルギーを放射している。
ジョンは不安そうに装置から離れてます。
シェパード:危険なのか?
マッケイ:いや、興味深いけど。
ジョンは再び装置に近づき表面を指差します。
シェパード:その傷は?
装置の外装に長い傷がついています。
ゼレンカ:突入の際にできたんじゃない?
マッケイ:そうじゃない。
シェパード:武器で撃たれたような傷だ。
多分撃たれて落ちてきたんだ。
マッケイ:何でこんな物が。
シェパード:厄介者だな!
後に。
ジョンは部屋を去ってローン少佐に出会います。
ローン:中佐。あれが何か分かりましたか?
シェパード:まだ調査中だ。
ローン:何者かが送ったかとか?
シェパード:マッケイとゼレンカが調べるさ。
ローン:その間ゲイトの修理は誰が?
シェパード:ゲイトは後回しだ。
こっちの方が重要だ。
ローン:まあ、それは当然ですが、
ゲイトのほうも重要だと思います。
ゼレンカにその物体の調査は任せて、
マッケイ博士にゲイトの修理をしてもらっては?
もう一週間もあの状態ですし。
シェパード:少佐、確かにゲイトが使えないのは不都合だが、
もしここの場所を知られてしまっては脅威になる。
脅威の方が優先だ。
ローン:分かりました。
後に。 ロドニーの研究室。
ロドニーとラデクは再びラップトップで作業しています。
物体をはさんで二人はコンピュータを見ています。
物体は配線されコンピュータにつながっています。
ロドニーはモニタを見ながらサンドウィッチをひとかじりします。
ゼレンカ:これは無意味だ。
ぶつかった拍子に内部のシステムは壊れてるはずね。
これは理解できない物だ。
マッケイ:(口いっぱいにサンドウィッチを頬張って)意図があるはずだ。
ラデクはため息をつきます。
ゼレンカ:これにはないよ、ロドニー。
ただ無意味なデータだ。
マッケイ:でも僕の感が、これは高度に暗号化されたプログラムだと言っている。
よし、これだ。
ゼレンカ:「これって」何、ロドニー?
マッケイ:手伝ってくれ。
そっちの広域サーチをもう一度だ。
ラデクは「何で?」と言うかのように彼を見ます。
マッケイ:いいからやれよ。
ラデクは目をきょろきょろさせますがタイプし始めます。
ゼレンカ:分かったよ。
プログラムが再び走り始めると、ロドニーのモニタはビープ音を出します。
ゼレンカ:ここにいなくてもいいんじゃない?
結果が出るまで時間が掛かるからゲイトの方に戻ろうか?
マッケイ:(モニタを見て)待ってくれ。
モニタ上のテキストはゆっくりと変わり始めます。
マッケイ:やったぞ。うまくいったかも。
ラデクは再びタイプし始めます。
マッケイ:おい、さ、さ、さ、触るなよ!
ラデクはタイプするのをやめます。
ロドニーは変化し続けるモニタを見続けます。
テキストは一瞬で消滅します。
それから異なったテキストがモニタにスクロールダウンしますが、突然消えてしまいます。
マッケイ:おい!なんてこった。何が起きたんだ?
(ラデクを見て)何かしただろ?
ゼレンカ:なにも!
マッケイ:触るなって言っただろ!
ゼレンカ:僕は何にも触ってないね!
診断プログラムがクラッシュしたんじゃないか。
マッケイ:全てのデータが消えたじゃないか!
ゼレンカ:何を見たんだ、ロドニー?
マッケイ:ナナイツコード。
レプリケーターだ。
廊下。
ジョンが歩いているとロドニーが後ろから追いかけてきます。
マッケイ:レプリケーターだった。
見つかってしまったみたいだ。
シェパード:マジか?
マッケイ:さっきの物体にはナナイツが含まれていた。
ラデクは彼らに追いつきます。
ゼレンカ:正確にはわからないだろ、ロドニー。
(ジョンに)データを調べる前にプログラムがストップしたんだ。
マッケイ:確かに見たんだ。
一瞬だけどシステムがクラッシュする前に見たのはナナイツコードだった。
ゼレンカ:(ジョンに)僕は何も見てないね。
マッケイ:それはお前が見てなかったからだ。
ゼレンカ:僕らのラップトップは同じデータを検索していた、ロドニー。
もし何かがあったら、僕も見たはずね。
マッケイ:確かにお前は見てなかったかもしれないけど、
あの装置は…
ちょうどその時、都市のどこかで爆発音がします。
マッケイ:まただ!
ローン:(無線で)シェパード中佐。ローンです。
シェパード:どうした、少佐。
ローン:マッケイ博士の研究室で爆発がありました。
こちらに来てください。
ロドニーの研究室。
物体が置かれていたテーブルは破壊され、テーブルとコンピュータから煙が立ち昇っています。
ロドニー、ラデク、ジョンはローンと彼のチームに合流するために中に入ります。
マッケイ:何だ…?! 何が起きたんだ?
ジョンはテーブルからずぶ濡れのサンドイッチを拾い上げます。
シェパード:まあ、お前のサンドウィッチが爆発したか、
あの謎の物体に自爆プログラムが組み込まれていたかだな。
ゼレンカ:僕らが分析をしたとき、偶然作動させたのかも。
ローン:よかったですね、博士。
爆発したときそばにいなくて。
マッケイ:運がよかった。
後に。
ジョンとロドニーは都市を歩いています。
マッケイ:(静かに)何か変だ。
(2人の科学者が通り過ぎるのを待ってから継続します)
あの診断のプログラムはクラッシュするはずはない。
それにデータを解析すれば何か分かったはずだ。
なのにそうする前に破壊されてしまった。
シェパード:何が言いたいんだ?
マッケイ:(ため息をついて)分からないけど…誰かの仕業かも、
何者かが僕の邪魔をしてるんだ。
変に聞こえるのは分かってるけど、僕を見張っててくれないか?
シェパード:ウーム。
ロドニーが歩き去ると、ジョンは疑い深く都市の周りに眉をひそめます。
ジム。
ジョンはロノンとスパーリングしています。
彼らはしばらくの間木刀で打ち合っています。
デックス:それはあいつの想像だろ?
彼は後ろ向きにジョンを押してぶらつきながら去ります。
シェパード:多分、休みが必要なんだよ。
ロノンは再びジョンを攻撃します。
ジョンは背中を撃たれます。
ジョンは痛みにうなります。
シェパード:お前はどう思うんだ?
デックス:あー、さあな。
ただ最近周りの者たちが変に感じる事がある。
シェパード:変とは?
デックス:なんて言っていいのか分からねえ。
なんていうか、あー、別人みてえだ。
彼らはもうしばらくスパーリングしてから中断します。
シェパード:はぁ!
デックス:テイラも気づいてる。
シェパード:まあ、皆オフワールドに行けなくてヤキモキしてるんだろ。
お前だって少し妄想ぎみになってるじゃないか。
デックス:(突進してきて)俺は狂ってなんかねえ。
彼らは戦いながら話を続けます。
デックス:周りの人間たちが変なんだよ。
彼らは戦い続けます、それからロノンはジョンの右の眉に痛打を与えます。
ジョンは頭を振って怪我をした箇所に触れます。
眉の上は切れて血が出ていました。
シェパード:ちょっと見てくれないか?
デックス:縫合した方がいい。
ロノンは木刀を置いてタオルが掛かっている壁に歩きます。
彼はジョンにタオルを投げます。
デックス:ほら。
ジョンはタオルを掴んで怪我した場所を押さえます。
デックス:(やっちまったかという風にニヤリとし)悪かったな。
医務室。
ジョンは目の上にタオルを当てたまま入って来ます。
ジェニファーはコンピュータの前に座っています。
彼が中に入ると顔を上げます。
ケラー:どうしたの?
シェパード:ロノンにいいのを食らってね。
彼はベッドの側に座ります。
ケラー:じゃあ、ちょっと見せて。
ジョンがタオルを下げると彼女は手袋を手にして近づきます。
彼女は彼の目を見つめます。
ケラー:大丈夫よ。
ジョンは眉をひそめます。
シェパード:縫合は?
ケラー:いいえ。 バンドエイドも必要ないわ。
彼女は鏡を取って彼に手渡します。
ケラー:何にもなってないわ。
ジョンは見ます。
彼の眉の上には若干の血はついていますが傷はありません。
シェパード:でも、出血してたんだ。
彼はタオルで目をふき始めます。
ケラー:傷なんてどこにもないわ。
多分ロノンの血なんじゃない。
ジョンはタオルを下げます。
シェパード:いや。あいつが俺を殴ったから出血したんだ。
彼は鏡を下に置いてジェニファーを見ます。
シェパード:俺をスキャンしてくれ。
彼はベッドから飛び降りてスキャナーのあるベッドへと移ります。
ケラー:スキャン?
シェパード:もしマッケイの言うとおりナナイツが関係してるんなら、
俺に感染した可能性がある。
彼はベッドに仰向けになります。
ジェニファーは少し当惑して彼を見ますがスキャナーのモニタに歩きます。
ケラー:オーケー。 じっとしてて。
彼女はモニタ上のボタンを作動させます。
スキャナーは稼動しだしジョンをスキャンします。
彼女はジョンから見られないように密かにモニタを動かします。
スキャナーは再びベッドの上に後退してシャットダウンします。
ジェニファーは微笑します。
ケラー:ナナイツはないわ。
彼女はモニタをシャットダウンしてベッドに歩きます。
ケラー:正常ね。
ジョンはベッドの上に座って一瞬考えます。
シェパード:血液検査をしてくれ。
ケラー:ジョン、もしナナイツに感染したなら…
シェパード:ナナイツは忘れてくれ。
前にもこんな事があった。
レトロウイルスに感染した時も早く治った。
ケラー:今回はそんな事は起きなかったでしょ?
シェパード:多分、再発したんだ。よく分からないけど。
ケラー:(微笑んで)そんなはずは…
シェパード:(大声で不安そうに)いいから血液検査を。
ジェニファーの微笑は色あせます。
ジョンは嘆願するように彼女にうなずきます。
ケラー:分かったわ。
後に。
どこかの廊下で、ローンはジェニファーと話をしています。
ローン:問題は解決したと思いました。
ドローンを破壊した事によって。
ケラー:その処理で彼らは疑いを深めたわ。
ローン:それでどうすればいいと?
ケラー:まだ真実を知るには遠いわ。
しばらくは注意深くしていましょう。
後に。
ジョンが歩いているとジェニファーがやってきます。
彼女は彼にコンピュータタブレットを手渡します。
ケラー:中佐。検査の結果がでたわ。
100%バグの兆候はないわ。
レトロウイルスは影も形もなかった。
ジョンは結果を見てから顔を上げ、タブレットを彼女に返す前にしばらくの彼女を見つめます。
ケラー:どうしたの?
なんでもなくてよかったじゃない。
シェパード:俺の血液がなんでもないって事は、
頭の怪我の事はどう説明する。
ケラー:まあ、多分、自分に起きた事を変に解釈してるからよ。
何かの間違いだわ。
シェパード:ロノンは怪我をしてなかった。俺は調べたんだ。
ケラー:多分タオルに血が付いていて、あなたの額に付いたのよ。
シェパード:ロノンは傷口を見たんだ。
縫った方がいいと言ったのもそうだ。
(皮肉に)あいつもグルじゃなかったらならな。
ケラー:分かったわ。
もう一度血液検査をするわ、もし何も見つけられなかったら、完全な健康診断をする。
彼女は彼にほほ笑んで歩き去ります。
ジョンは目を細め彼女が行くのを見ます。
夜。 ロドニーの研究室。
爆発の損害は修繕されました。
ロドニーが入ってくるとジョン、ロノン、テイラが彼を待っていました。
マッケイ:おい。
デックス:よお。
マッケイ:(ジョンに近づき)みんなここで何してるんだ? 何が起こったんだ?
ジョンはナイフを取り出し深刻そうにロドニーを見ます。
マッケイ:(不安そうに)あー、すぐ戻ってくるよ。
コンセントを抜き忘れたか…入れ忘れたでもいいや…
彼は去るために振り返ります、しかしロノンが後ろから腕をつかんで動かないようにします。
マッケイ:おい、おい、おい、おい。 まっ待ってくれ。
な、何をするんだ?
シェパード:(手を伸ばし彼の右手を掴み)少し傷つけるだけだ。
マッケイ:(目を丸くし)何だって?! やめてくれ! ま、ま、待って!
ジョンはロドニーの手の平にナイフを突き立て一直線に切ります。
傷口から血が噴出すとロドニーは痛みに泣き叫びます。
ロノンが彼を放すと彼はショックと怒りで息が止まります。
マッケイ:僕が一体何をしたって言うんだ?!
ジョンは彼にタオルを手渡します。
シェパード:ほら。
マッケイ:(タオルを手に押し付け)それより医務室に行って!
消毒して縫ってもらわないととの…
シェパード:黙って、少し待ってろ。
ジョン、ロノン、テイラは期待するように二秒ほどロドニーの手を見つめます。
シェパード:よし。見てみろよ。
心配してロドニーはタオルをはずします。
タオルには血が付いていますが手の平は完全に元通り治っています。
マッケイ:あっ、なくなってる!
そんなバカな!
どうして…どうして…
デックス:思ったとおりの反応だな。
テイラ:大丈夫よ、みんなも同じ事したんだから。
マッケイ:同じ事って?! 何の実験なんだ?! 一体何がおきてるんだ?
シェパード:そいつを知りたいんだ。
テイラ:ロドニー、あなただけがこの基地の人達のおかしな行動に気付いたわけじゃないわ。
皆異常によそよそしくて、何か隠してるみたい。
マッケイ:ああ。そうは思ってたけど確信がもてなくて。
最初はゼレンカのへまはいつもの無力だって思うと思ってた。
でもよく考えたらあいつがそんなへまをするわけがない。
あれは事故じゃなかったんだ。
あいつはわざとその診断システムを破壊したんだ。
シェパード:俺は例の物体が爆発したのは事故じゃなかったと思ってる。
マッケイ:でもこの超治癒能力は何て説明するんだ?
シェパード:昨夜、ロノンが俺の頭を木刀で殴った。
デックス:偶然だ…
ロドニーは彼を見ます。 彼は肩をすくめます。
シェパード:俺は傷を負った。
医務室に行ってケラー先生に診てもらったんだが、
その時には傷は完全に治っていた。
マッケイ:ああ、でも前のときは何だっけ、そうだレトロウイルス。
シェパード:俺もそう考えた、だから彼女に血液検査を依頼した。
マッケイ:で?
シェパード:何も見つからなかった。
マッケイ:君は彼女が嘘をついてるって言ってるのか?
シェパード:分からん、だが俺たちで見つけ出さないと。
マッケイ:ここから医務室のデータベースにアクセスすることができる。
いいか…
彼はロノンを見てコンピュータを使う許可を求めてジェスチャーを現します。
ロノンはうなずきます。
デックス:ああ。
ロドニーは手の血をぬぐってコンピュータのところに行ってタイプし始めます。
マッケイ:オーケー、中に入った。
(さらにタイプします)よし…そして…
(眉をひそめ)はぁ?
デックス:どうした?
マッケイ:血液検査の記録なんかないぞ。
もしそうなら彼女は記録を登録しなかったって事だ。
シェパード:俺の体のスキャンもしてる。
マッケイ:ここには何もない。
テイラ:それは不可能よ。
スキャナーはコンピュータと直結されてる。
結果は自動的に記録されるわ。
マッケイ:消去されたのかもしれない。
シェパード:分かった。
自分たちで検査する必要があるな。
何が起きてるのか分かるまで、俺たち以外の者は信用するな。
テイラ:誰にも知られずに医務室に到着しないと。
マッケイ:僕に考えがある。
まもなくその後。
ジョンとテイラは不安そうに、通り過ぎる者達を見ながら廊下を歩きます。
ジョンはヘッドホンラジオに小さな声で話をします。
シェパード:どんな具合だ、ロドニー?
マッケイ:(研究室から)探知器をライフサインに繋いだけど問題がある。
シェパード:問題とは?
マッケイ:あー…確かじゃないけど。ちょっと待ってて。
デックス:(彼の横に座り)俺にはうまくいってるように見えるがな。
マッケイ:まあね、気休め、どうも。
シェパード:医務室はどうだ?
マッケイ:(タイピング)待って。
シェパード:ロドニー!
マッケイ:これは変だ。生のデータが見られない。
まるでループに巻き込まれたみたいだ。
シェパード:なら、直せ!
ロドニーはため息をついてタイプし続けます。
ついにラップトップはビープ音を出します。
マッケイ:よし!やったぞ、動いた。
モニタは都市全体の透視図にライフサインを示します。
ロドニーの再プログラミングが始まると、全てのライフサインは中央タワーで4つ表示されます。
イメージはタワーの側面に移ります、そして4つのライフサインは下からおよそ3分の2のところに示されます。
ロドニーは驚いてそれを凝視します。
マッケイ:一体何だ?!
デックス:また壊したのかた
マッケイ:壊してないよ! うまく動いてる!
シェパード:医務室は無人か、どうなんだ?
マッケイ:ああ、医務室、廊下、周囲のタワー全部無人だ。
つまり、これによればこの基地内には僕ら以外いない事になる!
シェパード:そんなはずはないだろう?
彼とテイラは後ろで歩いている人々をちらっと見ます。
マッケイ:そう言ったって、今見えてるのは4つのライフサインだけだ。
シェパード:(テイラに)行こう。
外部のバルコニー。
ローンとラデクはジェニファーに合流するためにバルコニーに出て来ます。
ローン:問題が発生しました。
医務室。
ジョンとテイラは走ってきます。
シェパード:よし。早速やってしまおう。
彼はスキャナーベッドに速足で行ってその上に横たわります。
テイラはコンピュータのところに行ってスキャナーを作動させます。
研究室で、ロドニーはモニタを見続けています。
マッケイ:見つけたぞ。 もう1つのライフサインだ。
都市の外周だ。
デックス:確認するか。行くぞ。
マッケイ:多分僕らは…
デックス:行くぞ!
いやいやながらロドニーは部屋からロノンの後に従います。
医務室。
テイラは驚いた顔でスキャンの結果を見てからベッドの方に向きます。
テイラ:ジョン?
ジョンはモニタを見るためにベッドから出ます。
シェパード:一体何だ?
テイラ:ナナイツよ!
モニタにはジョンの全身が赤く染まりきっています。
都市の外周。
ロドニーとロノンはトランスポーターを出ます。
ロドニーはライフサイン探知器をチェックします。
彼らは廊下に沿って進みます、しかし途中でロドニーは立ち止まって壁を見ます。
マッケイ:ここに部屋があるはずだ。
彼は手を壁に向かって置いて再び探知器を見ます。
マッケイ:ここだ、ここに部屋がある。
彼は壁を押します。
すると壁は開き部屋が現れます。
デックス:待て。
彼はブラスターを取り出して、暗い部屋の中にロドニーより先に入ります。
ロドニーが中に入ると照明がつきます。
彼らは誰かが部屋の真ん中のテーブルに仰向けで寝ているのを見ると、彼らは驚いて目を見張ります。
その女性はアトランティスのユニフォームを着て目は閉じています。
それはエリザベス・ウィアでした。
マッケイ:エリザベス!
彼らは彼女のところに走って起き上がるのを手伝います。
デックス:落ち着いて。
エリザベスは混乱して彼らを見ます。
マッケイ:どうやってここに?
ウェア:わ、分からないわ。
ケラー:私がお答えします。
彼らが振り返ると2人の武装した守衛と一緒にジェニファーが出入り口に立っていました。
彼女は彼らにほほ笑みます。
ケラー:ここで私たちが彼女を作りました。
そしてあなた方皆さんを。
医務室。
ジョンとテイラはまだスキャナーのモニタを見ています。
テイラ:なんで急激に治ったのか説明が付いたわね。
怪我をしてもナナイツが治すからよ。
シェパード:みんなに話し方がいいな。
テイラ:ええ。
彼らが振り返るとローンと2人の武装した守衛が出入り口に立っています。
ローン:その必要はありません。
シェパード:一体どうして?
ローン:申し訳ありません、中佐。
我々と一緒に来てください。
シェパード:いやだね。
ジョンはピストルのホルスターに向かってゆっくりと手を伸ばします。
ローン:無意味ですよ。
シェパード:警告してるんだ、少佐。そこをどけ。
ローン:(進み出て)どうぞ。 撃ってください。
ジョンはローンの右の腿を撃ち抜きます。
銃創は現われますがローンはたじろぎさえしません。
怪我は直ちに治り、彼は見下ろしてからジョンにほほ笑みます。
ローン:分かりましたか?
都市の外周の部屋。
ロドニーはジェニファーをにらみつけます。
マッケイ:レプリケーターだな。
ケラー:そうです。
あなたがベースコードの変更を行うまでは、
私たちは生きている人の姿をとる事は禁止されていました。
しかし今はどんな姿にもなれます。
彼女の外見は銀色の水銀のように溶けて、黒髪の女性の姿にモーフィングします。
数秒後再びジェニファー・ケラーの姿に戻ります。
マッケイ:基地内全員が入れ替わるはずはない。 それは不可能だ!
ケラー:ここは本物のアトランティスで、あなたは本物のマッケイ博士よ。
医務室。
テイラ:(ローンに)それじゃ私たちもレプリケーターって事?
ローン:いいえ。あなた方はナナイツによって一から作られた事を除けば、
あなた方はどこからどう見ても生身の普通の人間です。
万が一の怪我のために残してあるだけです。
シェパード:頼んだ覚えはないがな。
ローン:あなた方は、本物のジョン・シェパードとその仲間たちの思考や考えを持っています。
1年前に調査に来たとき採取しました。
他の部屋で。
マッケイ:(ジェニファーに)あはあ!それみろ、嘘をついてるじゃないか。
1年前の医療チーフは君じゃなくカーソン・ベケットだ。
実際、彼女はまだ到着しさえしていなかった。
ケラー:この情報はあなた方遠征隊の一人から情報を更新しました。
エリザベス・ウィアから。
営倉。シェパードたちはオリに閉じ込められています。
シェパード:(エリザベスに)君はどう思う?
ウェア:ええ。自分で確かめる必要があるわね。
ジョンはナイフを取り出して彼女に手渡します。
彼女はため息をついて受け取り。
ロドニーは半分顔を手で覆います。
そして少しいためらいながら彼女は掌を切り裂きます。
ロドニーは目を逸らしすくみます。
血が切り傷から出ますが噴出する前に傷は瞬時にふさがります。
ジョンはエリザベスがショックで手をじっと見下ろすのを顔をしかめて目をそらします。
ウェア:なんてこと。
デックス:やっぱりな。俺たちはナナイツに感染してる。
マッケイ:感染じゃなくて、作られたんだよ。
デックス:俺は信じねえ。
マッケイ:私信じられないのは分かる。
僕でも頭が混乱してるよ。
でも2つの事が説明つく。
シェパード:どんな?
マッケイ:なぜゲイトが機能しないのか。
もしここが本当のアトランティスじゃなくて、
研究室の実験なら、ゲイトは動かなくて当然だ。
TEYLA: If this is not the *real* Atlantis, Rodney, you of all people would have
noticed. The stars alone ...
テイラ:ここが本物のアトランティスじゃないって、ロドニー。
あなたなら気付いたでしょ。
星を見れば…
マッケイ:(中断させ)ゲイトは動かせず、空はずっと曇っていた。
この1週間ずっとそうだ。
最後に星を見たのはいつか思い出せるか?
皆は真実を理解し始めお互いを見ます。
会議室。
エリザベスはジェニファーが待っている部屋に2人の守衛によってエスコートされます。
入口が閉まると見張りは外で待ちます。
ジェニファーはエリザベスにほほ笑みます。
ケラー:ウィア博士。
ウェア:それはあなたが私につけた名前でしょ。
ケラー:あなたを他に何と呼べばいいの。
あなたはどう見ても彼女そのものよ。
ウェア:私は彼女じゃないわ。
ケラー:ええ。本物のエリザベス・ウィアは数カ月前に殺されました。
エリザベスはショックを受けています。
ケラー:彼女の脳の一部がナナイツに置き換わっていました。
それは彼女の命を救うためにされたことです。
しかしそれは彼女を危険にさらしました。
彼女が他のレプリケーターとリンクしたとき、彼女の人間の部分が影響を受け始めたのです。
オベロスの見解ですが。
ウェア:あなたも同意したの?
ケラー:なぜ私たちがこんな事をしたと思います?
あなた方人類は私たちには興味があるのです。
エンシェントは欠陥だらけの私たちを作ったのですから。
ウェア:高みに昇る事ね、それをあなた達は求めている?
営倉。
シェパード:よし、皆混乱してると思うが…何とかしなければならない。
マッケイ:何とかって?
デックス:ここから逃げ出す事だ。
マッケイ:そしてどこに行くんだ?
アトランティスに戻って元の生活に戻るのか?
(皮肉に)あそこは僕らの場所じゃないのを忘れてたよ。
デックス:連中に話すか。
マッケイ:話したってどうにもならない。
奴らは真実を話してる。
僕らは自分の思ってた人間じゃないんだ。
シェパード:まあ、本物じゃないかもしれないが、
俺を説得するには相当苦労するだろうな。
テイラ:私達は本物の人間じゃない、体も心も。
考えもつかないけど。
心は間違いなくアトランティスに帰れと言ってるわ。
シェパード:オーケー。
戻ろう、行けば何とかなるだろう。
マッケイ:いいね、ここから逃げ出そう。
さあ、どうやってここから逃げ出すんだ?
会議室。
ウェア:あなたはニームのメンバーね。
ケラー:大部分は再プログラムされました。
しかし若干の者達がコミュニティーの中に隠れる事ができました。
ウェア:あなたは私達を調べる事で、何か秘密を発見できるとでも?
ケラー:あなたは完全に人間です。
あなたはオリジナルの自己、同じ考え、同じ感情と同じ心を持っているわ。
もっとも重要な事は、あなたは私達が持てなかったものを持っています。
私達を作った者たちと同じように初めからね、
あなた達はそれを「精神」と呼んでいます。
それが高みに昇るための鍵であり「秘密」なのです。
ウェア:私達を調べたところで獲得できるものではないわ。
ケラー:どうしてです?
人間の脳も生物学的に作った電気仕掛けの機械じゃないですか。
同じようなものです。
ウェア:今のあなたはオベロスみたいね。
ケラー:他の者たちは高みに昇る事を断念しました。
彼らはレイスとの戦争で銀河中の人間達を滅ぼしています。
彼らは憎悪と復讐に取りつかれています。
私達は別の道があると信じています。
ウェア:どうして私に全てを話すの?
ケラー:あなたは偏見がないから、
そしてあなたの反応を測定する事が重要なんです。
ウェア:どうして?
ケラー:(微笑んで)それで私達は同じミスを避けることができます。
営倉。
エリザベスはオリに戻されました。
ウェア:彼らは私達の記憶を消して別の星でもう一度始めようとしているわ。
その探索機はオベロスたちによって送られてきたの。
ここのレプリケーターたちはそれを破壊しようとした。
けど停止させる事しかできなかった。
マッケイ:もしあれが都市に衝突してなかったら、
ずっとあんな事が続いてたわけか?
ウェア:ええ、でもここの位置が知られてしまったから。
他のレプリケーターはこの都市を見つけだした途端に破壊するでしょうね。
シェパード:ああ、俺らもな。
テイラ:それは記憶が消されてやり直しされるより最悪って事?
デックス:ここから逃げ出す方法を見つけないとな。
ジェニファーがやってきてオリに入ってきます。
ケラー:こんな事になって残念です。
ウェア:聞いて。あなたは私達の心を探ったわね。
私たちの事は全て分かったはずよ。
私達がこんな事を受け入れるはずがないという事は分かったはず。
あなた達が何度私達の記憶を消したところで、同じことになるわ。
シェパード:その通りだ。
俺達は遺伝的にそうなんだ…
頑固で、本当に厄介だ。
ウェア:あなたは人間とは何なのか理解したいんでしょ?
何によって高みに昇れるのか?
同情という気持ちを持つ事よ。
ジェニファーの目は涙でいっぱいになります。
ケラー:何が言いたいのか分かります。
こんな状況でなければあなたと意見は一致したでしょう。
残念ですが、それは遅すぎました。
シェパード:何の話だ?
ケラー:他のレプリケーターが私達を見つけました。
都市上空に多くのドローンが送られてきて、オーロラ級のレプリケーター軍艦が近づいています。
最初のドローンが都市を攻撃すると営倉は揺れます。
ケラー:彼らは私達の心を支配できずコミュニティに戻せませんでした。
そのため彼らは私達を破壊しようとしています。
マッケイ:じゃあ、シールドを立ち上げて!
ケラー:できないんです。
あなた達を作る事に力を注ぎました。
そして注意を引きつけないようにするためZPMは沢山持ってこれなかったのです。
多くのドローンが都市にぶつかり営倉は再び揺れます。
シェパード:俺達を出してくれ。
ウェア:あなたの仲間のレプリケーターは人間の世界に滅ぼそうとしてる。
彼らは何千という罪のない人々を殺しているのよ。
もしあなたが創造者を追いかけようとするなら、
私達にこんな事は止めて行かせて。
ケラー:(頭を振り)オベロスはあまりにも強力です。
ウェア:もしこの都市が陥落して、私達が破壊されたら、
こんなに実験した事も無駄に終わるわ。
それがどういう事なのか分かってるでしょ。
ケラー:エンシェントが私達にした事と同じです。
シェパード:じゃあ、今、彼らが間違っていると証明するチャンスだ。
ウェア:私達はあなた達に変わろうとするチャンスを与えてるの。
海上では、ドローンがアトランティスに向かって突っ込んできます。
内部では、爆発があちこちで発生し、壁の瓦礫が落ちてきます。
人々は逃げ惑います。
(訳注)このシーンはS4E09でカーターが見た予知の場面。
ジェニファーはシェパード達と共にコントロールルームへの階段を走ります。
彼女は装置をつかんで、ジョンに手渡します。
ケラー:これを持っていって。
シェパード:これは何だ?
ケラー:それは船の追跡システムのコアドライブよ。
これがあればオベロスのオーロラクラスの船は全て動きを正確に把握できる。
これをアトランティスに持って行って、オベロスを止めて。
ベイに行って、ジャンパーに乗って。
ジョンはきびすを返し階段を上ります。
エリザベスは振り返ってジェニファーを見ます。
ウェア:一緒に来て。
ケラー:できません。オベロスは私を追跡する事ができる。
そんなまねは無理です。
彼女を置き残すことに気が進まなくてエリザベスは彼女に向かって手を伸ばします。
しかしジェニファーは手を上げます。
ケラー:行ってください。
エリザベスは階段をあがります。
外では、ドローンが様々なタワーに激突します、そして残骸が都市に雨のように降ります。
コントロールルームでは、ジェニファーは向きを変えて避けられない事態に身を引き締めます。
外では、一つのドローンがメインタワーの中腹に激突します。
タワーは折れ、倒れていきます。
都市から離れたジャンパーでは、ジョンたちがその光景を驚いて見ています。
マッケイ:(おびえて)そんな。 都市が。
デックス:で、どうするんだ?
シェパード:もうステルスモードで航行している。
宇宙空間に出て連中の船がハオパースペースに飛び込む前に乗り物を捕えることだ。
テイラ:「乗り物を捕える」って?
シェパード:まあ、見てろ。
レプリケーターの船は宇宙空間にいます。
ジャンパーは後に続いて船の上を飛んで、突き出たセクションの間の狭い空間に下ります。
シェパード:オーケー。ドライブポッドを再始動する。
ヘッドアップディスプレイがフロントガラスに現われます。
ジャンパーの入った隙間にドライブポッドが迫り出し隙間を埋め固定されます。
シェパード:オーケー。いいぞ。
レプリケーターの船はハイパースペースに飛び込みます。
後に。
ロドニーは副操縦士の席で口を開き、いびきをかいて眠っています。
ジョンは後部セクションに座っているエリザベスに振り返ります。
彼は立ち上がって彼女のところへと行きます。
テイラとロノンは絶望的な顔を見合わせ、ロドニーはいびきをかきます。
ロノンはイラついて頭を振って、ロドニーの椅子の後部をけります。
ロドニーは寝返りを打って口を閉じます。
後部セクションでジョンはエリザベスを見ます。
シェパード:大丈夫か?
ウェア:ええ、なんとかね。
(微笑し)死んだ女って事以外は。
シェパード:大丈夫さ。
俺の予想ではレプリケーターはホームワールドに戻っていると思う。
そこに着いたらハイパードライブできる船を見つけだす。
ウェア:そしてどこに行くの?
シェパード:まっすぐにアトランティスに戻ることはできないだろう。
説明する前に撃ち落される。
だがアソスの星に行ければ、そこから連絡を取る事ができるはずだ。
ウェア:それからどうするの?
あなたを見た本物のシェパードはどんな反応をすると思う?
それにあなたもよ?
ジョンは彼女に答えることができません。
ウェア:ふーん。 ある意味、私は幸運だったわ。
少なくとも私だけしかエリザベス・ウェアはいないから。
ちょうどその時、船はハイパースペースから出てきて、惑星を目指して進みます。
ロドニーが H.U.D を呼び出すと、ジョンとエリザベスはジャンパーの前部にきます。
マッケイ:君の言うとおりだった。
レプリケーターのホームッワールドだ。
連中は今まで忙しかったようだな。
ウェア:どういう意味?
ロドニーは惑星の一部のクローズアップを呼び出します。
マッケイ:僕らが破壊した造船所を覚えてるか?
ここはそのうちの一つだ。
テイラ:再建したのね。
マッケイ:再建どころじゃない!
シェパード:よし。それじゃ乗り遅れないように船を見つけださないとな。
本当のアトランティスで。
ロドニーはコントロールルームでジョンと話をしています。
マッケイ:これは運営上の効率を引き上げるよう意図された合理的なプログラムなんだ。
なあ、ゲイトをオフラインにしてくれないか、ほんの1、2時間の間だから。
ちょうどその時ゲイトがダイアルインし始めます。
チャックがシールドでゲイトを封印すると、ジョンとロドニーはそれを見ます。
シェパード:予定はあったのか?
チャック:いいえ、しかしジョーダン少佐がM34-227に行っています。
シェパード:映像は届いてるのか?
チャック:はい。
彼はシールドを下げて近くの壁のモニタを作動させます。
ジョーダン少佐がモニタに現われると、ジョンとロドニーは近づきます。
シェパード:どうしたんだ、少佐?
ジョーダン:はい、ここにあなたと話したいという方がおりまして。
ロドニーは不審そうに眉をひそめます。
ジョーダンは画面から外れます。
脇からエリザベスが画面に現れます。
ジョンとロドニーの目は丸くなり、信じられないというように見つめます。
シェパード:エリザベス!
ウェア:(微笑んで)こんにちは、ジョン。
マッケイ:エリザベス! どうして?
逃げ出す事ができたのか?
ウェア:私はエリザベスじゃないわ。
正確にはあなたが知っていたエリザベスではね。
彼女の記憶の全てを持ってる、そして彼女の考え方も全て同じ。
でも私はコピーよ。
レプリケーターの一部の者達によって高みに昇る手段として作られたの。
マッケイ:(ショックを受け)でも君は…彼女のようにしか見えない。
ウェア:ごめんなさい、ロドニー、でも本当なの。
このグループは秘密裏に連中から隠れて実験をしていたの。
でも見つかって破壊されたわ。
シェパード:俺は…何て言っていいのか。
これはとても、そのー…
ウェア:奇妙? ええ、分かるわ。
でも私達は会う必要があるの。
私達は対レプリケーターに有効な情報を持ってるわ。
シェパード:「私達」?
アソスの星。
レプ・シェパード達はテントで待っていて、エリザベスが本物のシェパード達を中に案内すると見上げます。
後の4人グループは驚いて凝視します。
ウェア:まあ、自己紹介は必要ないわね。
シェパード:すごいな。
自分自身に向き合ってるなんて、尻がむず痒くなるぜ。
ロノンは自分のレプリケーターの前に歩きます。
そして二人ともつま先から頭の天辺まで見回し、お互いをにらみつけます。
レプ・ロドニー羨ましそうにロドニーの革ジャケットを見ます。
レプ・マッケイ:いいジャケットだ!
マッケイ:あー、ああ、おニューだから。
新しいユニフォームが変わったんだ。
前のタイプは…
レプ・マッケイとマッケイ:(同時に)脇の下が邪魔になる。
マッケイ:そう。
レプ・マッケイはぁ!
シェパード:(エリザベスに)それでどんな情報なんだ?
レプ・シェパード:そうだった。 マッケイ。
両方のロドニーが同時に彼を見ます。
マッケイ:ん?
レプ・シェパード :いや、こっちのマッケイだ。
レプ・マッケイ :ああ、そうだった。
彼は指を鳴らし何かを取って来るためにテントの別の場所に行きます。
ロノンたちはまだお互いを見詰め合っています。
レプ・ロドニーはコアドライブを持ってきます。
テイラ:それは何?
レプ・マッケイ:これはレプリケーターの船を追跡するシステムのコアドライブだ。
これが動けばペガサス銀河中のオーロラクラスのレプリケーター船を追跡することが可能だ。
レプ・シェパード :大した物じゃないが、助けにはなるだろう。
マッケイ:冗談だろ?!
これはすごい物だ!
これがあれば仕事ができる…
レプ・マッケイとマッケイ:(同時に)修正プログラムの…
レプ・マッケイ:あー…順序立ててベースを並べ変えて…
マッケイ:…エンシェントの装置にリレーして情報をチェックすれば…
レプ・マッケイとマッケイ:(同時に)自動的に改造されてアウトプットされる。
シェパード:「アウトプット」? 何だその言葉は?
マッケイ:間違いない!
レプ・マッケイ:二人で間違うはずがない。
ジョンはしかめっ面をします。
レプ・マッケイ:さあ、一緒に始めるか。
レプ・シェパード :まぁまぁ。急ぐな。
(ジョンを見て)どこでやるんだ?
アトランティスに戻ってやるにはあまりにもリスクが大きすぎる。
シェパード:そうだな…よし。
(ロドニー達に)お前ら二人で別の方法を探せ。
マッケイ:簡単な事だ。アトランティスに戻って必要な物を持ってくるんだ。
そうすればここで作業はできる。
レプ・マッケイ:ああ、そりゃいい!
やっと100%の自信を持って言えたな!
お前達と一緒に仕事ができてうれしいよ!
マッケイ:そしてこれは始まりに過ぎない!
ジョン達はお互いにしかめっ面をします。
レプ・マッケイ:人類でもっとも優秀な頭脳の持ち主ある科学者が二人もいるんだぞ!
マッケイ:想像つくか?!
レプ・シェパード:創造したくないね。
にっこり笑って、二人のロドニーはテントの出口から出て行きます。
ジョンは他のチームの残りに向きます。
シェパード:手を貸してくれてありがとう。
だが実は、もう1つの理由でここに来たんだ。
君らはレプリケーターと一緒だった。
本物のエリザベスについて何か知っているなら、
彼女を取り戻すのを手伝ってくれないか?
レプ・ジョンとエリザベスは、お互いを見ます。
後に。
ジョンとエリザベスは森を歩いています。
シェパード:そのもう一人のケラーが真実を話していると思うか?
ウェア:彼女が嘘をつく理由がないわ。
シェパード:それは不気味だよな、全部がさ。
つまり、五分前までは君に会えるとは思わなかった。
君はそのー…
彼は次第に弱まります。
ウェア:私が死んでいる?
ええ。心配しないで、事実を知った瞬間、戻ろうとは思わなかった。
私のためでもなく他の者のためにもではないわ。
森の別の場所でテイラとロノンは歩いています。
デックス:奴は気に食わねえ。
テイラ:分かる、妙な感じよね。
デックス:俺は間違いなく俺だ、なら奴は誰だ?
テイラ:彼もあなたよ。
デックス:違う、俺は俺だけだ。
テイラ:見た目はそっくりよ!
デックス:奴はコピー以外の何者でもねえ。
テイラ:私に分かる事は、彼が本物じゃなけど、ロノン・デックスと変わらないわ。
デックス:好きになれねえ。
別の場所で、レプリケーターのロノンとテイラ歩いています。
レプ・デックス:信じられねえ、これが初めて外に出たなんてな。
レプ・テイラ:分かるわ。私も同じように思ってた。
レプリケーターが私達を捕えて、ナナイツを移植していたんだと。
そして私達が戻らないようにと嘘をついていたんだと。
レプ・デックス:ああ、まあ、それはうまくいったみたいだな。
皆帰る場所がねえ。
レプ・テイラ:ロノン。
レプ・デックス:何だ?俺は以前まで一人だった。
少なくともそれは覚えている。
今じゃもし怪我したとしても、治すナナイツを持ってる。
レプ・テイラ:無敵じゃないのよ。
ナナイツはただ治すだけ。
レプ・デックス:ああ、俺は俺の生き方をする。
レプ・テイラ:あなたの怒りと失望は分かるわ。
でも誰が来たって何も変わらないわ。
彼もあなたもロノンなんだから。
レプ・デックス:そうか?俺が部外者みてえに扱われる間、
奴はアトランティスでヌクヌクと生活してるんだ?
レプ・テイラ:私達と状況は違うわ。
レプ・デックス:連中は俺らがいると心地悪いってか?
で連中は俺らを近くに置きたくねえんだな。
レプ・テイラ:私達の生まれを知ったら、潜在的に脅威と見える。
彼らを非難できる?
レプ・デックス:そうだな。俺でも同じことをするだろうな。
まだ、それは変わらねえ…
彼は立ち止まり、視野の中に入ってきた本物のロノンとテイラをにらみつけます。
彼ら四人は一瞬の間落ち着かないでお互いを見ます。
レプ・デックス:俺たちはキャンプに戻ろう。
デックス:俺たちはシェパードとウェアを探しに行く。
2つのチームは再び分裂します。
そのころジョンとエリザベスは。
シェパード:前にも同じような事があった。
本物のエリザベスはナナイツに感染した。
だからどうにかして止めようとした。
君のための同じことができると思うんだが。
ウェア:私達はアトランティスにとって脅威でしょ?
シェパード:(不器用に)君は貢献できる。
なんていうか…違ってるから。
エリザベスはため息をついて後悔の念に満ちて頭を振ります。
ウェア:そういう事じゃないの、ジョン。
私が本当に悩んでいるのは、他の人たちが私の事を本人だと思い込もうとする事。
低音の唸り音が聞こえ出しますがジョンとエリザベスはそれに気付きません。
シェパード:そうじゃない。
ウェア:そうよ。
でも私はあなたを非難しないわ。
音がより大きくなるとジョンは音に気づいて眉をひそめ上を見ます。
シェパード:何か聞こえないか?
別の場所で、ロノンとテイラも同じく唸り音を聞いて立ち止まって見上げます。
テイラ:(無線に)シェパード中佐、テイラです。応答を。
シェパード:何だ、テイラ。 どうかしたのか?
テイラ:レプリケーターが来たわ。
ウェア:私達の船を追ってきたのね。
彼女とジョンは森の開けた場所に行って空に見上げます。
テイラ:ジョン、聞こえる?
シェパード:ああ、聞こえてる。
レプリケーターの軍艦が視界に入って来ます。
ウェア:船に亜空間追跡装置が隠してあったのね。
シェパード:よし、逃げるぞ。
戦艦からドローンが発射されると、彼らは森の中にさっと逃げます。
幸いにもドローンは目標を見つけられず、ジョンとエリザベスの近くには落ちませんでした。
全てのドローンは彼らよりも遥か遠くの地面で爆発します。
テントで、ロドニーたちは爆発音に顔を上げます。
マッケイ:ありゃ何だ?
レプ・ロドニーテントのドアに走ります。
森林で、ロノンは爆発の方向を指さします。
デックス:あっちだ。行くぞ。
彼は別方向に走り出します。
テイラ:ロノン、待って!
テイラは彼を追います。
エリザベスの足元近くにドローンが爆発します。
ジョンは彼女を起こし話しているとロノンとテイラに会います。
シェパード:マッケイはどこだ?
デックス:まだテントの方だ。
シェパード:(ヘッドホンを作動させ)ロドニー、シェパードだ。
すぐにゲイトに戻ってくれ。
ジョーダン:(無線で)中佐、こちらジョーダン少佐です。
ゲイトは駄目です。繰り返します、ゲイトは中止です。
レプリケーターの船が待ち伏せしていて、姿を見せた瞬間にやられてしまいます。
シェパード:了解、皆、ジャンパーに戻れ。 ロドニー、聞こえたか?
マッケイ:ああ、聞こえたよ。
今向かってる。
ウェア:ジョン、ゲイトを見張られているなら、閉じ込められたも同然よ。
ステルスモードでも、もしジャンパーが木を掠ったら、
位置を正確に把握して空から攻撃される。
他の方法を見つけないと。
まもなくその後。
ロドニーたちが森を通り抜けるとレプ・テイラとレプ・ロノンに出会います。
レプ・テイラ:何が起きたの?
レプ・マッケイ:レプリケーターだ。行くぞ。
彼らは一緒に逃げ去ります。
一方ジョンとエリザベスは。
ウェア:それしか方法がないわ。
シェパード:俺は反対だ、君をまた失うのは、たとえ…
ウェア:人間でなくても?
最初から私達はあなた達と同じだって信用してもうう方法を思ってた。
(微笑し)今がそれを証明するチャンスよ。
シェパード:(いやいやながら)分かった。行こう。
スターゲイト。
2隻目のレプリケーターの軍艦がゲイト上空を旋回しています。
ジャンパーは音を立てて軍艦を掠め飛びます。
軍艦が向きを変えるともう一隻の軍艦も後に続きます。
多分ジャンパーからシステムを呼び出すことでゲイトは始動してダイアルし始めます。
ジャンパーは、できる限り長い間軍艦を避けようとして雲の中に飛びます。
ドローンはジャンパーを襲います、しかし損害はほとんどありません。
そしてジャンパーは上に飛びます。
2番目のドローンが先行している軍艦から飛び出します。
ドローンは左のエンジンポッドを吹き飛ばします。
ジャンパーは森の中に飛び込んで墜落します。
まもなくその後、レプリケーターは破壊されたジャンパーに向かって森を通って進みます。
彼らは武器を持ってジャンパーの中を見ます。
エリザベスは内部の床の上で死んでいるか、意識不明で倒れています。
レプリケーターが内部に入るともう少し奥でロノンが倒れています。
彼の頭は金属の箱にぶつかり、いたる所に血が付いています。
レプリケーターの1人が前のセクションに歩いてロドニーを見ます。
そしてジョンはコンソールの上にうなだれていました。
レプリケーターはジョンを引っ張ります。
ジョンは振り返ります、彼の顔と頬は切れています。
しかしほんの瞬間後に怪我は治ります。
レプリケーターは驚いて武器を向けて少し後ずさりします。
レプ・シェパード:よう。お前らをだませたようだな、でもいいとはいえないな。
結局のところ、俺たちはここまでって事か。
レプリケーターは銃を撃ちます。
アトランティスゲイトルーム。
ジョーダン達とシェパード達はゲイトを走って出てきます。
ジョンはコントロールルームを見上げます。
シェパード:シャットダウンしろ!
ゲイトは閉まります。
ジョンは自分のチームを見ます。
シェパード:全員いるな。
ロドニーの研究室。
ロドニーとラデクはコンピュータに取り組んでいます。
2人はお互いに背を向けています。
ロドニーは机の上にコアドライブを置いています。
ラデクはメガネを外して疲れ切った目をこすります。
ゼレンカ:休憩をとろうか?
マッケイ:(彼を見ずに)どうぞ。
ゼレンカ:(彼に向き)おい、ロドニー、もう5時間もずっと働きっぱなしだ。
休憩をとるべきだよ。
マッケイ:ああ、終ったらとるよ。
ゼレンカ:君の気持ちは分かるけど。
マッケイ:ああ、それで?
ゼレンカ:エリザベスの事を考えないようにするため、
仕事に没頭してるんだろ。
ロドニーはコンピュータから顔を上げます、しかしそれでも振り向きません。
ゼレンカ:それが一時的な事だって気づくべきね。
マッケイ:(苦痛に満ちた声で)これは僕の仕事なんだ。
大変な事が起きる、もう十分な時間がないんだ。
次の惨事が起きてしまってからでは阻止する事ができない。
レプリケーターが銀河中の人間を滅ぼそうという計画を知らなかったら、
今より大変な状態になるんだ。
ラデクは同情的に彼を見ます。
マッケイ:カーソンの二の舞はごめんだ、それにあきらめきれない、まだね。
彼は仕事に戻ります。
ゼレンカ:(穏やかに)彼がいなくなって淋しいのは君だけじゃないよ、ロドニー。
話すのは辛いだろうけど。
マッケイ:いつかは、でも今はまだだ。
ゼレンカ:(ため息をついて)分かったね。
(立ち上がり)そうだ、何か持ってこようか?
マッケイ:いや。
ラデクは向きを変えて去り始めます。
マッケイ:ラデク。
ラデクは立ち止まって振り向きます。
ロドニーは顔を彼に向けます、しかしそれでも目は見ていません。
マッケイ:ありがとう。
ゼレンカ:どういたしまして、ロドニー。
夜。
ロドニーはまだラップトップに眉をひそめてコアドライブの作業しています。
ジョンが中に入ります。
シェパード:どんな具合だ?
マッケイ:まあ、なんとか。
シェパード:もう夜だぞ?
マッケイ:いや、これを完成させないと。
君のほうこそ何の用?
もう寝てる時間じゃないのか?
シェパード:(小さな声で)明日彼女の私物を送り返す準備をしてる。
ロドニーは理解して悲しそうに頷きます。
シェパード:もっと早くできたんだが、俺は彼女を連れ戻す事ができると思ってた。
マッケイ:ああ。僕もだ。
シェパード:動くようになったら教えてくれ。
彼はロドニーの肩を軽くたたいて部屋を去り始めます。
マッケイ:分かったよ。
ちょうどその時、彼のコンピュータがビープ音を出します。
マッケイ:おっと! 待ってくれ!
ジョンが戻ってくるとデータがモニタにスクロールし始めます。
マッケイ:はぁ!もしこれがうまくいったら、
リアルタイムで銀河中のオーロラクラスのレプリケーター船を追跡できるぞ。
彼はタイプします、そして銀河の地図がモニタに現われます。
6つの点が種々の場所で地図に現われると、コンピュータは6回ビープ音を出します。
マッケイ:かなりいいかも。
レイスはかなりの被害をこうむってる。
コンピュータがもう8回ビープ音を出します、そして対応する点が地図に現われます。
マッケイ:他にもか、かなりの性能だな。
もう15回のビープ音があります、そしてもう15個の点がモニタに現われます。
ジョンとロドニーは恐怖で凝視します。
マッケイ:こんなにも!
およそ11回のビープ音が鳴ります。
マッケイ:くそったれ!
続く