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スターゲートアトランティス シーズン4

4X12

前回エピソードの終わりから始まります。
レプリケーターホームワールドで。
レプリケーターの粒子がレプリケーター船から流れ出て下の惑星を目指して進み始めます。

レイスのハイブ船の中では、技術者がっ我々のレイスに報告します。

レイス技術者:レプリケーター船が発砲するのをやめました。
       人間の計画が成功したのかと。
レイス:ダーツの状況は?
レイス技術者:レプリケーターの都市に接近中です。

三機のダーツが崩れ落ちるタワーの合間を縫って都市の中を突き進みます。
粒子が空から下へ流れ続けレプリケーター塊は膨張し続けます。

レイス技術者:レプリケーターの塊が星の中に沈んでいきます。
       我々も逃げなくては。
レイス:ダーツが帰還するまでまだだ。

レプリケーターの塊はneutroniumと統合して地面に沈み込み始めると、
もだえ苦しむのをやめて固体になります。

レイス技術者:塊が臨界密度に達します。
       間もなく爆発します。
       コマンダー、ハイパースペースに行かなくては。
レイス:成すべき事を成しえてからだ。

惑星上の軌道では艦隊の残りがハイパースペースに入り始めます。
下の惑星の地表は地割れが起き、そのすき間から溶岩がほとばしります。

レイス技術者:ダーツが接近中。(コンソールがビープ音を出します)
       回収しました。

レイスは満足げに微笑します。

ハイブの外で、ハイパースペースウィンドウが開きハイブはその中にジャンプします。
無人のレプリケーター船は無力に漂流して、惑星の大規模な爆発に巻き込まれます。

レイス技術者:再物質化したものを運んできました。

別のレイスが二人の見張りに伴われブリッジにやってきます。
その腕には1つのバッグを持っています。
レイスのコマンダーはバッグを開けて、中にあった三つのZPMのうち一つを取り出します。
嬉しそうな笑顔でモジュールを見ます。

レイス:これで我々のミッションは完了だ。

アトランティスコントロールルーム。
ジョン・シェパードとロノン・デックスは階段を上って来て、
モニターのそばに立っているロドニー・マッケイに合流します。

シェパード:ロドニー、何をしてるんだ?
マッケイ:戦いから1週間たったけど、かなり明確なパターンが出現してる。
     長距離スキャナーで見てみろ。
     レイスがいくつかのグループに分かれた。
デックス:レプリケーターとの戦いが終わった今、
     連中は各グループに分かれたんだろう。
シェパード:レイスは多すぎるからな。
      貪る人間も十分にはいない。情報ではいくつか派閥があると聞いている。
マッケイ:ああ、まあ、うまくいけば連中同士、内乱を起こして自滅するだろう。
     でも特に興味深いものを見つけた。

彼はタイプします、そしてモニタに赤く光るドットがあらわれます。

シェパード:それは何だ?
マッケイ:僕らの旧友さ、僕やジーニを手伝ったり、僕らのためにハイブを集めてくれたレイスだ。
シェパード:どうしてわかる?
マッケイ:奴が使っていたサブスペースの追跡装置さ?
     同じシグナルだ。
デックス:なんでまた復活させたんだ?
マッケイ:さあ、わからない。
     でも僕らがその周波数をモニターしていると推測したんじゃないかな。
シェパード:俺たちにメッセージを送っているのか。
マッケイ:多分。
     さっきハイブが各グループに分かれたといったが、こいつは一隻でそこにいる。
     これだとゲイトのある星から亜光速で約一時間ぐらいの何もない宇宙空間に漂ってる。
デックス:そんなところで何をしてるんだ?
マッケイ:それが問題だ。

ジム。
テイラはサイクリングマシンに座って激しくペダルを踏んでいます。
ロノンが中に入ります。

デックス:よお。
テイラ:(ペダルを踏み続け)ロノン。あなたもこのマシンを使う?
デックス:いや。君がここにいると思わなかった。
テイラ:どうして?
デックス:安静にしていたほうがいいんじゃないのか?
テイラ:私は妊娠しているけど病気じゃないわ、ロノン。
    ケラー先生は運動はしても構わないって。
    実際、有効だし。
デックス:ああ、だが少し激しすぎやしないか?
テイラ:チームとしてついていくんなら、ベストコンディションにしておかないと。
デックス:君を連れてゆくとだれが言ったんだ?

テイラは彼を見て皮肉っぽく笑います。
ロノンが歩き去ると彼女はより速くペダルを踏み始めます。

コントロールルーム。
レイスの追跡デバイスをモニターしているのを見ているラデク・ゼレンカに、
ジョンとロドニーは近づきます。

シェパード:変化は?
ゼレンカ:ないよ、ずっと同じ場所にいる。
シェパード:もう24時間になるぞ。
ゼレンカ:船が壊れたんじゃないかな。
シェパード:遭難信号だと思うか?
マッケイ:ああ、多分。
シェパード:シグナルを拾った他のハイブは?
ゼレンカ:(頭を振り)もしそうなら無視していることになる。
     あのエリアでほかのレイスの動きは見えない。
シェパード:一番近くのゲイトまでどの位って言ったけ?
マッケイ:ジャンパーで約1時間だ。

彼はジョンがなぜ尋ねたのか悟りしかめっ面をします。

マッケイ:おいおい、この前まで仲間として戦ったけど、
     過去にも僕らを助けてくれたけど、あいつはレイスだぞ!
     あいつに借りがあると思ってるのか?
シェパード:いや、そうじゃない。
      だが調べておく価値がないとは言えないだろう?

ロッカールーム。
ジョン、ロドニー、ロノン、ローン少佐と3人の海兵隊員たちは
オフワールドに向けて準備をしています。
テイラが入って来ます。

シェパード:テイラ。
テイラ:中佐。聞いたわ。

ジョンは故意に彼女に背を向けます。

テイラ:私もこのミッションに同行する。
シェパード:俺達で何とかなるさ。
テイラ:ジョン、私の事を気遣ってくれてるのは分かる。
    でも私には必要ないわ。

ローンとロドニーはお互い眉を上げ顔を見ます。
ジョンはテイラに向きます。

テイラ:私の技術は衰えてないわ。
    まだチームに貢献できる。

ジョンは一瞬の彼女を見てからローンを見て、頭を横にぐいと引きます。
ローンは合図を受け取ります。

ローン:(他の者に)ようし皆、出発しよう。
    ジャンパベイで待っています。

彼らはロノンと一緒に部屋を去ります。
ロドニーはベンチに座って靴のひもを結び続けます。
ロノンはロドニーのジャケットを掴んで引きずっていきます。

マッケイ:何んだよ?僕は…

彼の抗議を無視してロノンは部屋から彼を引き出します。
彼らがいなくなるとジョンはライフルを拾い上げてテイラに向きます。

シェパード:もうこの話はしたくない。
テイラ:まだ話し合ってもいないじゃない。
    実際、私が妊娠したと言ったとき以来。
シェパード:それは今まで忙しかったから。
テイラ:レプリケーターの攻撃に参加させたくなかったのは理解できる。
    あれは特別な事情だったから。
シェパード:なあ、最も単純な作戦でも危険は付きまとう。
テイラ:私はそれを受け入れるわ。
シェパード:そんな短絡的でいいのか?
テイラ:(腹を立て始め)私を守ろうとしているの?
    それとも早くあなたに話さなかったからまだ腹を立てているの?
シェパード:君達の一族がいない、君の子の父親も行方不明だ。
      君は外に出て、引き裂いて、尻をけりたいんだろ?
      でもそれはダメだ、そして早くそれを理解してくれ。

テイラはジョンを見つめます。
ジョンはぎこちなさそうに去ります。

しばらく後に。
宇宙空間。パドルジャンパー。

シェパード:H.U.D.を呼び出してくれ。
      もうそろそろだと思うが。

ロドニーはヘッドアップディスプレーを呼び出します。
そしてハイブが映ります。

マッケイ:前方にいるぞ。
     かなりひどく撃ちまくられたようだな。
デックス:レプリケーターとの戦いか?
マッケイ:いや、レイス武器の残存放射能がでている。
ローン:別のハイブに攻撃されたのか?
マッケイ:(皮肉に)まあ、そう言ってるんだけど。
シェパード:生命反応は?
マッケイ:何もない。
シェパード:多分、冬眠してるんじゃないか。
マッケイ:襲われた後にしちゃ、それは変だろう?
     普通、船を着地させるぞ。
シェパード:よし。ここまで来て引き返すのも何だしな…
      (皆を見回し)中に入るぞ。

ハイブ。
シェパード達は船の中を用心深く進みます。

シェパード:(無線で)ローン、何か見つかったか?

ローン達は少し離れた場所を探索しています。

ローン:何もありません。

ジョン達の方では、ロノンが前方に何かを見つけ指を鳴らし皆の注意を向けます。

シェパード:こっちは死体を発見した。
ローン:了解。こちらは捜索を続けます。

シェパード達は床の上に横たわるいくつかのレイスの遺体に向かって歩きます。
そのエリアが安全だと調べた後で、ロノンは死んだレイスの1人を足で持ち上げます。
その顔はしなびミイラ化していました。

デックス:食われたようだな。

ロドニーのスキャナーがビープ音を出します。

マッケイ:まだレイスの追跡デバイスが動いている。
     (左の方を向き)こっちの方だ。

皆は前進してブリッジに着きます。
ロドニーのスキャナーが再びビープ音を出します。

マッケイ:ここが最も強いぞ。

チームは捜します、しかし死んだレイスだらけで生きているレイスはいません。

シェパード:いないようだな、そっちは?
デックス:こっちもだ。

スキャナーは3度目のビープ音を出します。
ロドニーは見下ろします。

マッケイ:見つけるのは無理だよ。
シェパード:追跡ディバイスを追ってたんじゃないのか。
マッケイ:そうだよ。

彼はかがんでピンセットで床から小さな物をつまみ挙げます。

マッケイ:誰かが取り除いたんだ。

後に。
ロドニーがコントロールコンソールに取り組んでいると、ローンと彼のチームが到着します。

ローン:誰も残ってはいないようです。
    船を襲った連中が捕虜にしたんでしょう。
マッケイ:僕らの友達もか。
シェパード:そういう言い方は止めろ。
      気味が悪い。
デックス:じゃあ、なんて呼ぶんだ?
シェパード:さあな、そうだ…トッドはどうだ。

ロドニーはしかめっ面をします。

シェパード:俺が大学のときにいた男の名前だ。
      奴も青白い顔をしてたっけ。
マッケイ:トッドって、ひどい名前だな!
シェパード:いい名前でもあるか?
マッケイ:実は、僕が考えた…
シェパード:(中断させ)おい、お前が俺に聞いたんだろ?
ローン:中佐、これから何を?
シェパード:まあ、全て事情による。
      (ロドニーに)これは飛ぶのか?
マッケイ:まあ、船体はひどく破損している。
     船のおよそ30パーセントは閉ざされ、宇宙にさらされている。
     でも僕がちょっと直せばメインシステムは取り戻せるはずだ。
シェパード:そうだな、そうしてくれ。
      新しい船を手に入れるためにも!

アトランティス。
ラデクは廊下で女性の科学者と話をしています。
しかしジョンが通り過ぎているのを見て、中座して彼の後を追いかけます。

ゼレンカ:中佐。こんなに速く帰ってくるとは思わなかったね。
シェパード:大した事じゃない。
      レイス達は船内で死んでいた。
ゼレンカ:船が破損していたの?
シェパード:確かに撃たれてはいたが、マッケイが修理をしている。
      だがそんなのは大した事じゃない。
ゼレンカ:じゃあ、大した事の方は?

ジョンは答えずにうなって歩き続けます。
ラデクは立ち止まり当惑して彼が行くのを見ます。

大食堂。
ジョンはテイラと共に座っています。

シェパード:船は安全だ、直接の危険はない。
      そして君しかあれを飛ばせないんだ。
テイラ:(皮肉ぽく彼にほほ笑み)私の体でも?

ジョンはため息をつきます。

シェパード:分かった、少し厳しく言い過ぎた。
テイラ:いいえ、あなたは正しかった。
    私の状態は分かってるわ。
シェパード:君はまだチームのメンバーだ。
テイラ:私が?
シェパード:君はいつでもそうだ。
      君がミッションに参加するしないに関わらずチームだろ?

テイラはしばらく彼を見つめてから彼と議論し続けないことに決めます。

テイラ:いつ出発するの?

ハイブ船ブリッジ。
ロノンが辺りを調査してぶらぶら歩き回っている間、
ロドニーはコンピュータタブレットに取り組んでいます。
ローンが入って来ます。

ローン:おい、ジャンパからこれを見つけてきた。

彼はロノンにエネルギーバーを投げてロドニーにもう1つを手渡します。

マッケイ:ああ、ありがとう。
     餓死しそうだよ。

彼はそれを見てしかめっ面をします。

マッケイ:アプリコットジュビリー ?! 。
ローン:(それに手を伸ばし)いらないんだったら…
マッケイ:(伸ばした手から引ったくり)いや、いいんだ。
ローン:それでここはどうなってるんだ?
マッケイ:(バーを開き)まあ、ほとんど直ってる。
     ハイパードライブも使用可能にした。
     でもニューラルインタフェースが機能させられないから、
     あんまり助けにはならないな。

近くでロノンは何もせずにせん索しています。
ロドニーがバーを一かじりすると、ウォールスクリーンがビープ音を出してつきます。
ロドニーはロノンに目を向けます。

マッケイ:何をした?
デックス:(立ち止まり)何も。
マッケイ:何かに触っただろ?
デックス:いや…少しだけな。

ロドニーとローンはモニタに近づきます。

ローン:それは何だ?
デックス:(二人に近づき)地図のようだな。
マッケイ:ありがとう、キャプテンの言うとおり。
     地図だよ。
     問題は、どこの地図かって事?

パドルジャンパー。
ジョンとテイラがハイブ船に戻る途中です。

テイラ:すぐにあなたに話したかったけど、
    私とケラー先生が新しいアソスに行って戻ってきた直後だったから。
シェパード:いいんだ、もう分かったから。
テイラ:(険しい顔で)今、色んな事を考えると、
    この子が一族の最後の人間かもしれないって。
シェパード:まだそうとは決まってない。
テイラ:でも私がアトランティスにいるだけじゃ何もできない事を分かって欲しい。
    あなた達とこうしておもてに出て行けば何か見つかるかもしれない。

ハイブ船ブリッジ。
ロドニーがコンソールに取り組んでいるとジョンとテイラは中に入ってきます。

シェパード:どんな状況だ?
マッケイ:ああ、戻ってきたのか。
     メインシステムをニューラルインタフェースにつなぐ事はできたけど、
     テストする方法がなくて、それで色々といじってみた。
     一番の問題は武器の使用状態だったけど、うまく行った…
シェパード:待て、武器の使用?
マッケイ:だって、レイスを追いかけるんだったら役に立つだろ。
シェパード:何の話をしてるんだ?
マッケイ:この船が攻撃される前に、どこに向かっていたか分かったんだ。
デックス:見つけたんだよ。
マッケイ:ああ、そうだよ、君がモニタを作動させた!

ロノンはテイラが中央管理コンソールを調べている方向に向き、
テイラに目で「まただよ」と合図を送ります。

マッケイ:だけど僕が船のログを解析して、レイスの極秘基地を見つけ出した。
シェパード:レイスの基地とは?
マッケイ:(皮肉に)おい、僕は暗示的に「極秘の」って言ったはずだ。
デックス:言い換えれば、知らないって事だ。
マッケイ:ログには記録されてなかった。
     そこが何であるとしても、連中はそこを神聖しているようだ。
     集めた情報によれば、
     レイスがエンシェントとの戦争で勝つための中枢的役割を果たしていた。
デックス:それは調べてた理由だ。
シェパード:ちょっと待ってくれ?
      もう少しゆっくり話せ。
      まだこの船が飛ぶかどうかも分からないんだぞ…

ちょうどその時ブリッジのライトの大部分が消えます。
そしてスポットライトがテイラがちょうどコントロールに手を置いた中央のコンソールを照らします。

男達は振り向いて、驚いて顔を上げる彼女を見つめます。

マッケイ:どうやったの?
テイラ:(不安そうに)分からない。
    私の力が前より強くなったみたい。

マッケイは彼女の隣に行きます。

マッケイ:本当みたいだ!
     (正面に映し出されたウォールスクリーンのレイス語を見ます)
     これによると、ナビゲーション、推進システムとコミュニケーションがオンラインだ。
シェパード:テイラ?
テイラ:説明はできない。船を動かそうとした瞬間、
    全て私が動かせるようになった。
    自由にシステムを使える感じがするわ。
デックス:これを飛ばせるか?
テイラ:分からないけど。

彼女は目を閉じて集中します。

外からの視点。
船の亜光速エンジンに火がつきます、そして船は前に進み始めます。

マッケイ:飛んだぞ、ようし!

ジョンはテイラに眉をひそめます。

シェパード:君は大丈夫なのか?
テイラ:(目を開き)ええ、平気よ。
    前に動かしたときより楽だわ。
    全く疲れない…

ジョンはロドニーに眉をひそめます。

マッケイ:おい、僕を見るなよ。
     僕は何もしてない。
テイラ:基地の座標がコンピュータにあるわ。
    行ってみる?

ジョンは否定的に頭を振ります。

シェパード:そのために君をここに連れて来たわけじゃない。
      ダイダロスを待つんだ。
テイラ:この船を襲ったハイブも同じ情報を持ってるわ。
    そして私達より一日速く着いてる。
    もしその基地がログが示唆しているのと比べて同じぐらい重要なら、
    本当に待つ余裕があると思う?
シェパード:(少しいやいやながら)分かった。行ってみよう。
      だが連中のセンサから外れるようにするんだ。
      そこからはジャンパで行く。

テイラは彼女の目を閉じて再び集中します。
ハイパースペースウィンドウが開き、ハイブは飛び込みます。

しばらく後に。
テイラが船を飛ばし続ける中、ジョンはブリッジに来てロドニーに近づきます。

シェパード:どうだ?
マッケイ:その基地の事を調べようと船のログを調べてるんだけど。
シェパード:だけど?
マッケイ:何もないんだ。
     信じられるか?
     かなり遡って調べたけど、
     分かった限りでは何千年もこの場所に行っていないんだ。
シェパード:なぜ今ごろ?
テイラ:座標に着いたわ。
    ハイパースペースから出るわよ。

ハイブは通常空間に戻ります。

テイラ:惑星は前方よ。
    センサー外の衛星の軌道上を周回するわ。
シェパード:分かった、ジャンパで向かうぞ。

テイラはコンソールから離れようと振り返りますが、弱くよろけてひざを落とします。
ロノンとローンが彼女に向かって急ぐと、ジョンは彼女を支えます。

シェパード:おい!
テイラ:(立ち上がって)大丈夫よ。平気だから。

彼女がコンソールにつかまり息をつくと、ジョンはロドニーに頭をぐいと動かします。
今回は彼は気が付きロノンとブリッジを去ります。
ローンは少し離れた場所で待機します。
ジョンはテイラに向きます。

シェパード:こういう事があるから君を参加させたくなかったんだ。
テイラ:分かってる。
シェパード:誰かがここに残って、俺達がトラブルに遭遇する場合に備えて、
      船を飛ばす準備をして欲しい。
テイラ:分かったわ。
シェパード:ローンのチームは残していく。
テイラ:(頷いて)幸運を祈るわ。

まもなくその後、ジャンパーはハイブから出てステルスモードで惑星を目指します。
ジョンは振り返ってロドニーを見ます。

シェパード:どうだ?
マッケイ:センサー内に入った…今。

惑星の情報がH.U.D.に現われます。
モニタの一部がぴかっと光ります、そしてよく知られた円形の形が現われます。

マッケイ:おお!
デックス:何んだ?
マッケイ:スペースゲートがあるぞ。
シェパード:何で、今頃になって分かったんだ?!
マッケイ:分からなかったんだよ!
     ログにもこんなのは書いてなかった!
シェパード:分かった。他には?

ロドニーは再チェックします。

マッケイ:ああ。地表のエネルギー読み取ってる。
シェパード:それが何なのか分かるか?
マッケイ:いや。(再び情報を見て顔を上げます)
     他にも何かがあるぞ。

彼が見つけだした影像がH.U.Dに生じます。

マッケイ:軌道上にハイブだ。
シェパード:少なくともパーティーには遅れなかったようだな。

惑星の表面。
小さな辺境の基地は明らかにレイスのもので山の中に作られています。
ロドニーが入口のドアを開けます。
ロノンとジョンは武器を掲げて中に入り調べます。

デックス:見張りはいない。
シェパード:訪問者が来るとは思ってないからな。
      俺達も招かれたわけじゃないし。
      (ロドニーに)どっちの方向だ?

ロドニーは検出器をチェックします、そして左側を示します。

マッケイ:エネルギーはこっちの方が最も強い。

彼らは移動します。
しばらく後、彼らはまだ調査しています。

シェパード:ここはどのぐらいの大きさなんだ?
マッケイ:心配なのか?
     僕の方向感覚は抜群だからな。
シェパード:前に迷路で迷って言ってなかったか?
マッケイ:あの時は10歳だった!
     それにミツバチから逃げてたんだ。

ジョンは前方に何かを見つけ手を上げます。
彼はライフル銃のライトを消して他の二人に後に従うように身振りで合図します。
彼らは静かに歩いて、部屋の中をのぞき込みます。

シェパード:(静かに)これは一体何だ?

大きな椅子が部屋の真ん中にあります。
レイスのクイーンがその椅子に目を閉じて座っています。
彼女の体は頭を除いてケーブルで覆われています。

マッケイ:(静かに)クイーンだ!
シェパード:見りゃ分かるよ、シャーロック。
      彼女は何をしているんだ?
マッケイ:さあね。

ロノンはその間辺りをチェックしていて、ジョンにささやきます。

デックス:シェパード。

ジョンがロノンを見ると彼は頭を動かし、場所を移動します。
彼らが別の部屋へと移動すると、そこには床から天井に伸びた、
いくつか大きな有機的なチューブがありました。
そのチューブは緑色に光り、明滅しています。
彼らは近くのチューブにライトを当て、中央付近にある中の塊の影を見ます。

塊は生きているかのように鼓動しています。
ロドニーはしかめっ面をします。

マッケイ:こりゃ気味が悪いな。
シェパード:これは何だ?
デックス:おい、これを見てみろ。

彼は別のチューブを見ています。
二人はロノンに近づき、ジョンはそのチューブにライトを当てます。
そのチューブの中の塊は最初のものよりかなり大きく蠢いていました。
その高さはおよそ6フィート程で人間の形をしていました。
ロノンは部屋をチェックして他の二人にささやきます。

デックス:おい、奴らが来た。
     隠れるんだ!

ジョンたちが部屋から急いで角の方に隠れると、レイスと2人の見張りが入って来ます。
ジョンたちは部屋の中をのぞき込みます。
レイスはチューブの中の塊を見ます。
塊の頂点はどう見ても頭で、口は発音にならない絶叫をしています。

レイス:これはもういいだろう。

見張りはチューブを破って開け始めます。
中の生き物は息苦しくてあえいで前方へ崩れ落ちます。
見張りがそれを支えます。
生き物があえいでいると、
レイスはチューブの中に手を伸ばして何かを取り出します。
それは全てのレイスの見張りがつけているマスクです。
レイスはそれを新たに生まれた見張りの顔にくるんで取り付けます。

レイス:他の者と一緒にしておけ。

見張りは新たな仲間を引きずって行きます。

マッケイ:(静かに)まるで悪夢をみているみたいだ。

後に。
チームは用心深く基地の内部を進んでいます。

シェパード:ここはレイスの農場だと思うか?
マッケイ:そうなんじゃないか。
     クイーンはポッドの中に遺伝物質を送って。
     たちまち、レイスが生まれる。
シェパード:そりゃいい。
マッケイ:ああ、分かってる。
     汚らわしいとは思うけど、
     それが現実さ。
     忘れたのか?
     連中は昆虫の子孫だぞ。
     分からないのは何でここなんだ?
     これってハイブの中でやってるんだと思ってた。
     ここは何か特別な場所なのかな?

先行していたロノンは立ち止まり、前方に目を向けています。

デックス:分かったような気がする。

ジョンとロドニーは彼に合流して、驚いて凝視します。
前方は巨大な部屋になっていて、想像を絶するほど高い天井でした。
ハイブの中にある巣のような小部屋が天井まで満たしています。

マッケイ:そんな! ポッドだ! 何千というポッドだ!

後に。
ロドニーは部屋の入口の近くにあるコンソールにタブレットを付けました。

マッケイ:レイスのコンソールに繋いだぞ。
     内部の概略図だ。
     (概略図を見ながら)うわぁ。
シェパード:どうした?
マッケイ:もしこの通りなら、地表から見えたものは氷山の一角だ。
     マイル単位の広さがある。
シェパード:他にもこんな部屋があるのか?

ロドニーはタブレットをタイプすると、驚いた顔を上げます。

マッケイ:百以上だ。

彼らは恐怖の表情でお互いを見ます。

後に。
チームは再び移動しています。

マッケイ:そんなはずはない。
     あの全てのポットを受精させるのに、
     一人のクイーンじゃ十分な遺伝物質を供給できるはずがない。
デックス:多分他にもいるんじゃないか。
マッケイ:クイーンが一緒に働くのか?
     僕の知っている限り、そんなことはない。
シェパード:この場所はレイスの軍隊をつくるために建造されたんだろう。
      それは断固として阻止しなければ。
マッケイ:どれだけの広さか見ただろう。
     C4ぐらいじゃ大して効き目はない。
デックス:それなら軌道上から撃ったらどうだ。
マッケイ:まあ、理論的にそれはできる。だが問題がある。
     別のハイブがいるんだ。
     仕事を終える前に、連中に気づかれちまう。
シェパード:電源はどうだ?
マッケイ:多分、しばらくの間ならシャットダウンすることはできると思う。
シェパード:それなら始めろ。

ロドニーはベストから検出器を取り出して見ます。

マッケイ:問題がある、この通りならエネルギーは周りから来ている。
     僕らは巨大なマシンの真ん中にいることになる。
     元がどこか正確にはわからないぞ。

クイーンの部屋。
レイスの科学者が2人の見張りが伴い入ってきます。
クイーンは目を閉じたまま椅子に座っています。
科学者はクイーンを見てから見張りの1人の方に向きます。

レイス:起こすのだ。

見張りはコンソールに行ってボタンを押します。
全てのケーブルはクイーンの体から離れ、彼女は目を開いて科学者を見ます。
科学者は敬意を持って頭を下げます。

ハイブクイーン:どうなっている?
レイス:順調です。
    二番目の戦士の仕切は完ぺきです。

クイーンは満足そうに微笑します。

レイス:次の段階に進む遺伝子のテンプレートがあります。
ハイブクイーン:捕らえたハイブの指揮官はどこだ?
レイス:留置場にいます。
    再較正を完了させております。
ハイブクイーン:私は強さを取り戻さなくてはならん。
        連れて来るのだ。
レイス:この技術に関してあやつは優れております。
    生かしておいたほうがよいかと。
ハイブクイーン:装置は完成したのではないのか。
レイス:そうですが、メインパワーをオンラインにする前に、
    最終調整が必要です。
ハイブクイーン:そやつ生かしておくというのであれば、
        私の食料はどうなる?

彼女は立ちあがります。

ハイブクイーン:お前が食われるか?

レイスは頭を下げてから見張りの1人の方に向きます。

レイス:あやつを連れて来い。

見張りはうなずき、もう一人と一緒に部屋を去ります。
クイーンは怒ったようにシッと声を漏らします。

留置場。2人の見張りがドアに近づき開けると、
トッド(訳注:ジョンの付けた名前)が向きを変えます。

トッド:やっと報酬を受け取れるのか。

見張りはショックライフルを構え彼に向けます。
トッドは混乱します。

トッド:そういうことか。

ちょうどその時、ビームが二人の見張りを倒します。
シェパード達がやってきて、ロノンは見張りの武装を解除します。
トッドは驚いて見ます。

トッド:シェパード!
    どうやって私を見つけ出したのだ?
シェパード:そいつらの後を追いかけたのさ。
トッド:私のシグナルを拾ったのだな。
    お前が来るとは思えなかったが。
シェパード:(皮肉に)友達だろ?

トッドがジョンのそばに近づくと、ロノンは即座に走ってきて、
その頭にブラスターを向けます。

シェパード:なあ?お前の知ってることを全て教えろよ。
      それともここに倒れてる二人と一緒に寝ていたいか?

ハイブ。
テイラはブリッジのコントロールコンソールの近くのベンチに座っています。
ローンが入って来ます。

ローン:おい。何か連絡は?
テイラ:いいえ。まだ連絡はないわ。
ローン:まあ、待つ以外することもないしな?
テイラ:ええ。

ローンは彼女の隣りに座ります。

ローン:聞いてくれ、君にお祝いを言うチャンスがなかった。
    本当によかったじゃないか。
    君がデートしていたなんて知らなかったよ。

彼らはお互いにほほ笑みます。

ローン:俺の妹は二人子供がいるんだ。
    男の子が二人、5歳と7歳だ。
    近くにいないのが残念だよ。
テイラ:何を期待して待ってればいいのか分からない。
ローン:誰でもそうだろ?
    少なくても今回が初めてじゃない。
    君は期待して待っていられるさ。

テイラはうなずきます。

ローン:君はいいママになるだろうな。

彼女は感謝して彼を見ます。

テイラ:ありがとう。
    本当にそうなれたらいいわね。

レイスの留置場。
ロノンはまだブラスターをトッドの頭に向けています。

トッド:マッケイ博士の言うとおりだ。
    クイーンが不自然な手段によって戦士を突然に生み出すのは不可能だ。
シェパード:どういうことだ?
トッド:クイーンはひと握りの戦士を生み出す。
    そしてそれを何千にも増やすのだ。
    ここはクローニング施設だ。
マッケイ:それがエンシェントに対抗する勝利の鍵だったわけだ。

マッケイはトッドに近づきます。
ロノンは離れて回廊を見張るために行きます。

マッケイ:いつも数が多いとは思ってたけど、
     どうやって増えてるのか分からなかった。

ジョンはトッドを見ます。

シェパード:この銀河にレイスはもうあまりいないのか?
      レプリケーターと戦っていた2週前なら分かるが、どうして今なんだ?

トッドはすぐに返事をしません。

デックス:応えろ。
トッド:電力がなかったのでレプリケーターとの戦争ではこの施設は使えなかった。
    エネルギーが最大の条件だった。
マッケイ:ZedPMか。
     ZedPMの事を言ってるんだ。
トッド:レプリケーターの惑星が破壊される前に、
    いくつか持ち出すことに成功した。
シェパード:それを聞くとお前を殺したくなってくるな。
トッド:私の意図としては他のレイスを滅ぼすための軍を作る予定だった。
    しかしクルーの1人に裏切られた。
    そいつは別のハイブに私の計画を教えたのだ。
マッケイ:あんたの船を止めたやつらだな。


トッドは彼を見てうなずきます。

マッケイ:これはいいニュースじゃないか?
     ここをシャットダウンするにはZedPMを手に入れればいいんだ。
トッド:私はそれがどこにあるのか知っている。
    お前らが私を助けたくないのは分かるが、
    お前達の最大の利益でもある。
シェパード:行くぞ。

まもなくその後。
トッドはジョンたちを導いて廊下を歩きます。
そして前方を指差します。

トッド:あそこに間違いない。
シェパード:俺達が確認するまで、お前はここにいろ。

ジョンが歩き出すとロノンは後に従います。
ロドニーはトッドに振り返ります。

マッケイ:分からない事がある。
     エンシェントに勝った時、どうやってZedPMを手に入れたんだ?
トッド:ランシャンは強かったが不注意だった。
    連中は自分達の船を過信して、レイスの支配する領域へと潜り込んできた。
    我々を刈り取ろうとな。
    数カ月を要したが、結局我々は3つのZPMを得る事ができた。
マッケイ:そしてここに運んできたんだな。
トッド:数週間で我々の軍隊は元の数よりも何百倍も増えた。
    その時より戦争は我々にとって有利な方向へと変わった。
    そしてランシャンは何もできなかったのだ。

ジョンは彼らのところへ急いで戻ってきます。

シェパード:歴史の授業は後にしておけ。
      行くぞ。
マッケイ:分かった。

彼らは回廊を離れます。
しかしちょうどその時レイスのアラームが鳴り響きます。

トッド:私がいないのに気づいたようだ。
シェパード:ようし。それじゃ急ぐとしよう。

彼らの前に数人のレイスの見張りが近づきます。
ジョンはひょいとかがんで彼らをP-90で撃ちます。
1人を撃ち倒し、ロノンはもう1人をブラスターで倒します。

トッド:こっちだ!

トッドは向きを変えて立ち去ります。
他の者達はレイスのスタナーにくぎ付けになります。
ジョンはロドニーを見ます。

シェパード:行け!

ジョンが援護射撃をすると、ロドニーは走り出します。
しかしスターナーに撃たれ倒れます。
ジョンも同じく撃たれてしまいます。
ロノンはロドニーを助けるために走って出ます。
しかし2つのショックビームが彼に当たり同じく床に倒れます。
見張りは気を失ったジョンたちに近づきます。
そしてその後ろからレイスの科学者に接近します。
それは満足そうにシッシッと声を出します。

しばらく後に。
ロドニーはレイスの独房の床の上で意識を取り戻します。
彼はその場に身を起こしうなります。

マッケイ:何なんだよ!

近くにいたジョンは首をさすりながら壁に背をつけて座っています。

マッケイ:僕はショックガンを受けて。
シェパード:ああ、そうだ、ロドニー。
      全員そうだ。
マッケイ:君もか?
     どうして僕が最後に目覚めたんだ?

ロノンはドアの近くに座っていて眉を上げますが何も言いません。
ロドニーは独房を見回します。

マッケイ:おい、トッドは?
シェパード:奴は逃げた。
マッケイ:そいつはよかったじゃないか?
     僕らを助け出しに戻ってくるんだろ?
     僕らがあいつを救ったんだから。
シェパード:俺は置いてけぼりにされたと思うがな。
デックス:そんなのはどうでもいい事だ。

数人のレイスの見張りが出入り口に接近して来ると、彼は立ち上がります。
レイス科学者がドアに近づくとジョンとロドニーも立ちあがります。
レイスの科学者は見張りの1人をちらっと見ます。

レイス:開けろ。

ドアスライドして開きます。

シェパード:俺達を出してくれるのか?
      それは親切な事で。
レイス:(見張りに)連れてこい。

科学者は歩き去ります。
ロノンはオリから出るときジョンとロドニーにうなずきます。
ロドニーはロノンの後に従います、そしてジョンがその後に続きます。

レイスは彼らをクイーンの部屋に連れて行きます。
彼女は椅子に座っています。
これまでの間、見張りはクイーンが襲われないように各人を押さえつけています。

レイス:別のハイブの指揮官は逃げました。
    しかしこやつらを連れてきました。
ハイブ女王:ほう。

彼女は立ってジョンに近づきます。
不愉快そうに彼にほほ笑んで手を上げ、
そして彼に触れないように顔のわきに手を滑らせます。
彼女の心の力は彼に膝まづかせようとします。
ジョンを見ながらクイーンはレイスの科学者に話をします。

ハイブクイーン:ハイブに知らせよ。
        こやつらの船が付近にいるはずだ。

ジョンが彼女の心に逆らっていると、彼女は指をジョンのあごに沿って動かします。

ハイブクイーン:その間、私は聞きたい事が二、三ある。

ハイブ。
ローンはテイラから呼ばれブリッジに急ぎます。

ローン:どうした?
テイラ:こちらに近づいてくるダーツを発見したわ。
ローン:偵察機だな。
    こっちを見つけたのか?
テイラ:分からない。
ローン:ダーツとハイブで通信があったのか?
テイラ:いいえ。
ローン:それならまだチャンスがある。
    あれを撃ち落すんだ。
テイラ:シェパード中佐は前にダーツを飛ばしたわ。
ローン:それなら今までに無線連絡があったはずだ。
    あえてこちらから連絡するわけにはいかないぞ。

いやいやながらテイラは武器コンソールに移行します。

テイラ:武器をチャージ。

彼女はコントロールを作動させます。
しかしちょうどその時トッドの顔が彼女の前のウォールスクリーンに現われます。

トッド:撃つな。私が分かるか?
テイラ:ええ。
ローン:仲間に会ったのか?
トッド:会った。
    全てを話す、だから機内に収容してくれ。

ダーツはハイブに接近して格納されます。

まもなくその後、テイラ、ローンと海兵隊員はブリッジにトッドを連れていきます。

テイラ:捕まったの?
トッド:彼らが気を失うのを見た。
ローン:お前はどうやって脱出したんだ。
トッド:私は幸運だった。
    もし私が捕まったら、直ちに殺されただろう。
テイラ:それでどうやって彼らを助けるの?
トッド:もうクイーンの前に連れて行かれただろう。
ローン:まだチャンスはある。
    俺達をそこへ連れて行けば。
トッド:分かっていない様だな。
    軌道上のハイブは惑星を出た私のダーツを発見しているだろう。
    連中は疑い深くなって我々を捜し始めるだろう。
    唯一助かる道は見つかる前に、今はここを離れて、後で戻ってくる事だ。
ローン:我々はどこにも行かない。
トッド:今すぐお前達の仲間を救い出す方法はない。
    理解するのだ。
テイラ:待って。まだチャンスはあるわ。
    私に考えがある。

レイスの基地。クイーンの部屋。
ジョンがクイーンの前にひざまずくと、クイーンはジョンのあごにまだ指を這わせています。

ハイブクイーン:どうやってこの場所を見つけたのだ?

ジョンは彼女の精神攻撃に苦悶します。

ハイブクイーン:これほど人間が抵抗したのは初めてだ。
シェパード:(完全に歯を食いしばり)かなり練習したしな。
ハイブクイーン:まあ、もっと簡単な方法がある。

彼女は彼を見下ろします、そして声を厳しくします。

ハイブクイーン:私に知っている事を話せ、さもなくばお前の友人の1人を食べる。

ジョンはまだ応答しません。

ハイブクイーン:そういうつもりか。

彼女は他の二人を見ます。

デックス:腹が減ってるなら、俺を食え。

ロノンを捕まえている見張りは彼の髪を引っ張り沈黙させます。
クイーンはロドニーを指さします。

ハイブクイーン:こやつだ。
マッケイ:(悲しげに)ああ、凄いな!
     今まで何事においても一番最初に選ばれた事なんてないのに!

ロドニーの後ろの見張りが彼のひざを折らせると彼はうなります。

マッケイ:(クンクン鳴く声)今までのつけが回ったみたいだ。

ジョンの顔に指を這わせていたクイーンは彼の顔を見ます。
ジョンは急いで動こうとしますが、後ろの見張りが動かないように押さえつけます。
シッと声を出しクイーンはロドニーを食べようと手を上げます。
しかし突然彼女はためらい当惑したようにしかめっ面をして頭を振ります。
ゆっくりと彼女は手を下げると、レイスの科学者は驚いて彼女を見ます。

レイス:どうしたのです?クイーン?

クイーンは科学者の方に向きます。

ハイブクイーン:やそつらをオリにもどすのだ。
レイス:なぜです。
ハイブ女王:連れて行け!

見張りがシェパード達を連れ去り、誰もいなくなると、
クイーンは頭を振って、シッとうなって、再びしかめっ面をします。

ハイブブリッジ。
テイラはコンソールの近くのベンチに座っています。
ローンとトッドは彼女の前に立ち彼女を見つめています。
トッドは困惑して彼女を見ていて、海兵隊員はトッドに銃を向けます。
ローンは彼女にスタナーを向けています。

トッド:彼女は何と言ったんだ?
ローン:我々に話をしてるわけじゃない。
    彼女はクイーンの心のコントロールしているんだ。
トッド:不可能だ!

ローンはチラッとトッドを見ます。

ローン:俺もその事についてはよく分からない。

ローンは虚ろな表情で前を見つめる彼女に目を戻します。
彼女の心で、クイーンは彼女の後ろに近づいて彼女をじっと見ます。
クイーンが話をすると、その声はテイラの頭で木霊します。

ハイブクイーン:私の心に入り込んでいるのは誰だ?
テイラ:私が何者かは問題じゃない。

テイラは声を出します。
トッドは困惑して彼女を見ます。

テイラ:重要なのは私があなたより強いということよ。
ハイブ女王:本当か?
テイラ:今でさえ私はあなたの体をコントロールしてる。

彼女の後ろでクイーンはしかめっ面をして、呪縛を解こうと苦闘します。

ハイブ女王:ああ、そのようだな。
      その強さ、感じるぞ。
      だがずっとこの強さを維持できはしまい。
テイラ:ずっとは必要ないわ。
    さあ、立ち上がって。

惑星の部屋では、クイーンはイライラしながらシッと声を漏らし、
椅子から立ち上がって部屋の出入り口に歩きます。

テイラ:右に曲がって。

クイーンは向きを変えて回廊方に歩き去ります。

ハイブ船で。
テイラの心の中で見下ろすクイーン。

ハイブクイーン:お前は私に何かを隠している。
        それを感じるぞ。

テイラはクイーンに心を悟られないようにしかめっ面をします。
クイーンは満足げに微笑します。

ハイブクイーン:そうだ。今私はそれを感じている。
        お前一人の力ではない。
        別の者がお前の中で、お前を手助けしている。

テイラは驚いて息が止まりそして席にうずくまります。
彼女は息を整え、クイーンのコントロールを維持しようと再び座りなおします。
ローンはその様子を見て不安そうにスタナーを少し高く持ち上げます。

テイラ:(クイーンに)向こうへ行って。

彼女の心でクイーンは彼女の近くにかがみます。

ハイブクイーン:お前は長い間私に抵抗することはできない。
        結合されたお前の2つの心はとても強力だ。
        だが私が少しお前の注意を逸らしてやれば。

彼女はシッと声を出します。

ハイブクイーン:もう一人の存在を引き抜いてしまえばよ。

テイラはすすり泣いて、そして集線のため目を閉じます。

レイスの基地。留置場。

デックス:変だったな。
マッケイ:変だって?!
     僕がどれほどレイスの餌食になろうとしていたか見てただろ?
     「変」なんていうのは、「麻痺」とか「病気」とか「心臓が止まる」とか…
デックス:(ジョンに)あれはどういうことだと思う?
シェパード:よく分からない。

ちょうどその時レイスのショックビームが外の見張りの1人を倒します。
クイーンは2人目の見張りを撃ち倒してやってきます。

マッケイ:なんだよ、戻ってきたぞ。

クイーンはオリのドアを開けて床に袋を落とします。

ハイブクイーン:ここにあなた達の武器があるわ。

ロドニーは驚いて袋を凝視します。
ジョンはクイーンに眉をひそめます。
彼女は彼に向きます。

ハイブクイーン:私よ、ジョン。
シェパード:テイラか!

クイーンはうなずきます。

ハイブ女王:ええ。

ロドニーとロノンは驚いてお互いを見つめから、武器を拾い上げるためにかがみます。

ハイブ。
テイラは心の中で後ろで嬉しそうに笑うクイーンと戦っています。

ハイブクイーン:大分弱ってきたな。感じるぞ。

テイラはうなって再びベンチに屈みます。
ローンは心配そうにスタナーを向け続けます。

ローン:テイラ?

テイラは再び顔を上げ目を無理やり開きます。

ローン:テイラ、大丈夫か?

惑星のオリの外では。
クイーンはシェパード達の準備が整うと半ば目を閉じふらつきます。

ハイブクイーン:速く行って。
        後どれぐらい彼女をコントロールできるかわからない。
シェパード:(ロノンとロドニーに)続け。行くぞ。
マッケイ:もうちょっと待ってくれないか、場所が変わったから。
シェパード:行くんだ!

ロノンとロドニーは急いで立ち去ります。
ジョンはクイーンを見ます。

シェパード:もう解放してもいいぞ?
      俺達は逃げる。

ハイブで。
テイラは腹を抱え体を折り曲げて泣き叫びます。

オリの外で。
クイーンは腹を抱え体を折り曲げます。

ジョンが彼女に振り返ると、テイラの心の中のクイーンは満足そうに微笑します。

ハイブクイーン:見つけたぞ。

テイラは再び泣き叫びます。

ハイブクイーン:お前の中のもう一つの命を。

オリの外で。
クイーンは困惑した顔でジョンに向きます。

シェパード:テイラ、解放しろ。
ハイブクイーン:ジョン! 助けて!

ジョンはピストルを取りだし、彼女に銃弾を浴びせます。

ハイブ船では。
テイラは息を詰まらせ後ろに倒れます。
ローンは彼女に向かって急ぎます。

ローン:テイラ!

オリの外で。
ジョンは一瞬クイーンに見下ろすと急いでロドニーとロノンを追いかけます。

シェパード:ZPMを爆破しろ。
      そしてここから脱出だ。
マッケイ:それがどこにあるか分からないのが問題なんだろ?
シェパード:ポッドの部屋で概略図を呼び出しただろ。
マッケイ:ZedPMの事は載ってなかった。
シェパード:よく見てないからだろ。
      行くぞ。

クイーンの部屋で、レイスの科学者はコンソールに近づき作業を始めます。
シェパード達は後からポッドの部屋に走ります。
ロノンが出入り口を見る間、ジョンとロドニーはコンソールに急いでやって来ます。

シェパード:速くやるんだ。
マッケイ:データが多いんだぞ?
     少し時間が掛かる。

クイーンの部屋では科学者のコンソールがビープ音を出します。
ポッドの部屋では、その音を聞き皆は見上げます。

デックス:何だ?

赤いライトが部屋の中に点灯します。

マッケイ:遅かった。

ポッドがレッドライトで照らされ始め、レイスの見張りが中で蠢いています。

マッケイ:戦士のクローンを始めやがった。
シェパード:忘れろ。今はZPMを見つけるんだ。
マッケイ:まだ時間が掛かる。
シェパード:ロドニー!
マッケイ:ここには何百という情報があるんだ。
     しかも全部レイス語なんだぞ。

レイスのアラームがヒューヒューと疾走し始めます。

デックス:やつらクイーンを見つけたな。
シェパード:分かった、俺にもっといアイデアがある。
マッケイ:君が?
シェパード:ここから出るんだ。

彼らは向きを変えて部屋から走ります。

ハイブのブリッジ。
テイラはしかめっ面をして、自分自身に戻ろうとしています。
ローンはテイラの前にひざまずいています。

ローン:テイラ、大丈夫か?

テイラは少し困惑して彼を見ます。

テイラ:ローン少佐?
ローン:どうなったんだ?
テイラ:皆に会ったわ。
    シェパード中佐、ロノン、マッケイ博士。
ローン:逃げられたのか?
テイラ:(悩んで)クイーンは…私の子供を連れて行こうとした。
ローン:大丈夫だ。落ち着いて、いいね?

ウォールスクリーンが作動します。
トッドは向きを変えてそれを見ます。

トッド:少佐、他のハイブがこちらに向かっている。
    見つかったようだ。

レイスの基地。
シェパード達は出口に向かってコーナーの辺りから外を見つめます。
レイスの見張りがそこで待っています。

シェパード:別の道はないのか?
マッケイ:別の道だって?!
     これを見つけだしたのだって大変だったんだぞ!

ロノンが振り返ると、もっと多くの見張りが近づいてくるのを見ます。

デックス:速く判断したほうがいい。
     奴らがどんどん増えてくる。
シェパード:クソッ!

彼はライフルを取り上げてドアの見張りに発砲します。
ロノンは近づいてくる見張りにブラスターを発射します。
ロドニーも同様です。
ジョンとロドニーが出口のそばの見張りを撃ち倒すまで彼らは発砲し続けます。

シェパード:ここから出るぞ!

彼らはドアに向かって走ります。
ジョンが近づいてくる見張りを撃ち倒す間に、ロドニーは壁のパネルに手を伸ばします。
ドアが開くと皆、中に姿を消します。

ハイブ。
トッドは操縦装置をつかみます。

トッド:ハイブはすぐにやってくる。
    今逃げ出さないと。
ローン:中佐達が戻ってからだ。

トッドはコンソールを見ます。

トッド:武器は本格的に使える状態じゃない。
    船体も破損が激しい。
    襲われたらひとたまりもないぞ。
テイラ:シェパード中佐はまもなく来るわ。
トッド:分かるはずがない。
テイラ:私は彼らを見た。
    彼らが生きているいじょう、待ち続けるわ。

トッドは歯をむき出してうなって彼女に向きます。
ちょうどその時、繰り返しのビープ音が聞こえます。

ローン:それは?
トッド:別のハイブが、射程距離に入った。

船は攻撃を受け衝撃を受けます。
敵のハイブは攻撃をしながら近づいてきます。
中では、コンソールの一部が爆発すると、トッドが見回します。

トッド:これはばかげている。
    奴等は逃げられないように、こちらのハイパードライブを攻撃するだろう。
    もう待つことはできない。

パドルジャンパーが惑星から飛び出してきます。
ジョンは無線のスイッチを入れます。

シェパード:テイラ、ローン、聞こえるか。
テイラ:中佐、どこにいるの?
シェパード:そっちに向かっている。
テイラ:急いで。他のハイブがこちらを見つけたわ。
シェパード:何とかできないか?
トッド:(武器コンソールに急いでやって来て)長くはもたない。

トッドは唸りながら制御装置を作動させます。
ハイブは撃ち返し始めます。
テイラはメインコントロールをとります。

シェパード:ダーツベイに接近。
テイラ:確認。
トッド:収容したぞ。
ローン:中佐、すぐにハイパースペースにジャンプします。
    許可を。
シェパード:待て、俺に考えがある。
マッケイ:狂ってるのか?!
シェパード:まだクローニング施設を破壊していないだろ。
マッケイ:どうやって?!
     分かってないのか?攻撃を受けているんだぞ!
シェパード:分かってる。
      テイラ、新しいコースをセットしてくれ。

ハイブ同士が応戦しあっている中、テイラは船を敵のハイブから離れさせます。

下の基地では、レイスの技術者が科学者に近づきます。

レイス:コマンダー。
レイス科学者:どうした?

レイス:ハイブから緊急の伝達を受け取りました。
    敵が、こちらに向かってきています。。

科学者は驚いた顔で振り返ります。

外では、ハイブが空から揺れながら、基地に突っ込み大規模な爆発を引き起こします。

安全な距離がの上空では、ジャンパーがそれを見守っていました。
シェパード達はその爆発に目を細めます。
光が薄れていくとロドニーはジョンに向きます。

マッケイ:目的は達成したようだな。
シェパード:ここから脱出だ。

アトランティス。
ゲイトルーム。
ラデク、ジョン、ロドニーはコントロールルームに歩いてきます。

ゼレンカ:それで他のレイスはどうなったんだ?
シェパード:トッドの事か?

ラデクは不振そうにロドニーを見ます。
ロドニーはため息をつきます。

マッケイ:僕に聞くな。
シェパード:奴はダーツで逃げた。
マッケイ:僕らと同じようにゲイトで逃げたか、他のハイブに捕まったか。
ゼレンカ:捕まったとしてもいい歓迎はされないね。
マッケイ:ああ。

テイラが外のバルコニーの上に立って海を見ています。
ジョンは階段の上で立ち止まります。
ロドニーとラデクはコントロールルームで話を続けています。
ジョンはしばらくの間テイラを見て、それから彼女のところへと向かいます。

シェパード:ケラー先生と話したかい?
テイラ:(うなずいて)ちょうど医務室から戻ったところよ。
    肉体的には大丈夫だって…少なくてもね。
シェパード:それはどういう意味だ?

テイラはため息をつきます。

テイラ:子供が世の中を見る前に、私は殺人者の心を彼に見せてしまった。

ジョンの目は丸くなります。

シェパード:「彼」?

テイラは微笑します。

テイラ:男の子よ。
シェパード:本当か?
      ケラー先生からそういう事は聞きたくないんじゃなかったのか。
テイラ:彼女じゃないわ。
シェパード:(困惑して)オーケー…

テイラは再びため息をつきます。

テイラ:あなたは正しかったわ、このミッションに私が参加しない方がいいって事が。
    私は何のためらいもなく、あなたやロノン、ロドニーのために命を投げ出す覚悟があった。
    でも今の私には別の問題がある。
シェパード:分かるよ。
テイラ:どれほど子供の命がクイーンによって危険に晒されたか分かる?
    (彼女の目は涙があふれます、そして鼻をすすります)
    もしあなたが一瞬でもためらってたら…

まだ鼻をすすって彼女は言葉を言う事ができません。
その代わりに彼女はジョンに近づき彼を抱きしめ頭を彼の胸にうずめます。
ジョンはいつもの不器用さで彼女を抱きしめます。