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スターゲートアトランティス シーズン4
4X15
アトランティス。
ジョンとロノンは廊下を歩いています。
デックス:夕べ見たが、戦闘シーンなんてなかったぞ。
シェパード:あれは格闘技じゃない。
デックス:ならなんで「栄光の刃」と言うんだ?
シェパード:それは…スケートっていうのは刃がついていてな。
デックス:本当にスポーツなのか?
男と女が氷の上で踊っているのが?
シェパード:そうだよ。
デックス:お前らの星は変わってるな。
シェパード:ああ、他にもそういうのはあるぞ。
彼らはジョンの部屋の前に来ます。
ジョンは壁のパネルに手をかざします。
ちょうどその時、サムが近づいてきました。
カーター:中佐。
二人は彼女に振り返ります。
カーター:あなたに話があるんだけど。
時間はある?
シェパード:ああ、いいよ。
サムはそわそわしてロノンをチラッと見ます。
彼女はロノンのいる前で話すのを戸惑っていましたが続けます。
カーター:スターゲイトコマンドからメッセージが届いたの。
残念だけど、悪いニュースよ。
シェパード:OK。
カーター:あなたのお父さんが、夕べ心臓発作を起こしたそうよ。
ショックを受けて、ジョンは彼女を見つめます。
カーター:残念ながら、ジョン、亡くなったわ。
地球。
どこかの研究設備では、スクリーンに衛星からの世界地図を表示しています。
スキャナがヨーロッパの様々な領域を調査し、ニュースと報道資料を捜しています。
スキャナは北アメリカに動いて止まって、ビープ音を鳴らします。
メッセージがスクリーンに現れます。「検索規準合致」
若い女性がスクリーンに近づき、グローブビジネスの第一面を表示させます。
見出しは、「公益事業ムガール・パトリック・シェパード、69歳死去」と書かれています。
下にはジョンの父親の写真があります。
女性は部屋の反対側にあるプリンタに印刷を送り、プリントアウトを取りに行きます。
近くのテーブルには新聞報道の他のいくつかのプリントアウトがあります。
1つはSG-1エピソード「恩恵」で、
サム・カーターのプレゼンテーションの写真と応用技術会議が報じられています。
見出しは、「ホログラムシステムアッと言わせる賑わい」。
別のプリントアウトはサムのドレスブルースに新聞写真付きの記事を示しています。
見出しは、「空軍中佐が二度バインダー賞品を受賞」。
三つ目のプリントアウトはヘンリー・ウォレスの写真が掲載されています。
(「ミラーズクロッシング」でジーニー・ミラーを誘拐した男性)
「科学者が60万ドルの寄付金」という見出しです。
テーブルにも「ミラーズクロッシング」の出来事の時にミラー一家の家の外で撮られた
ロノンの写真があります、同時に写したジョンの2、3の写真と共に。
アトランティス。
ジョンの部屋では、ジョンが地球に戻るために衣服をバッグに詰めています。
ドアが開き、ロドニーが入ってきます。
マッケイ:あのさ。
僕は、えー、聞いたよ。
本当に残念だった。
シェパード:ありがとう。
彼は荷造りし終えます。
ロドニーはより近づきます。
マッケイ:大丈夫か?
シェパード:ああ、平気だ。
マッケイ:あの、僕も君と一緒に戻るように要求したんだけど、
M7G-677のエンシェント装置が誤動作してるんだ。
シェパード:子供だけがいる星だっけ?
ロドニーはしかめつらをします。
マッケイ:ああ。
シェパード:まあ、お前にとってそっちの方がいいだろ。
マッケイ:ああ、まあ、信じてくれ、できる事なら一緒に行きたいけど、
E.M.フィールドがないとレイスの格好の標的になってしまう。
本当にタイミングが悪かった。
シェパード:ああ、心配するな。
彼らはちょっとぎこちなくお互いを見ます。
マッケイ:もし君が…その…話したくなったら…
シェパード:ロドニー。
大丈夫だ。
彼の表情は全く元気がありません。
ロドニーは彼が話したがっていないと悟ります。
マッケイ:分かった。
ロドニーは自分の言った言葉は正直じゃないとためらいます。
しかし部屋を出て咳払いをしながら振り返ります。
ゲイトルーム。
ジョンはバッグを持ってスターゲイトの正面に立ちます。
ゲイトがダイヤルアウトし始めます。
ゲイトがダイヤルし続けている間彼は一人でそこに立っていました。
するとロノンがバッグを持って彼の脇に立ちます。
ジョンは彼を見ます。
シェパード:どこに行くんだ?
デックス:(彼を見ずに)お前についていく。
ロノンは開いたゲイトに向かって頭を動かします。
ジョンはしかめ面をして彼の後をついて行きます。
ワームホール旅行。
地球。
車は大きな家の前で止まります。
家の外では黒服を着た多くの人々が動き回っています。
皆と同じように黒服を身に着けたジョンとロノンは
車を降りて、家に向かって歩いて行きます。
デックス:大勢いるな。
シェパード:ああ。
人付き合いが多かったからな。
家のステップに立つ男性は、何人かの訪問者と話していますが、
ジョンに気づき近づいてきます。
デーヴ:ジョン。
シェパード:デーヴ。
デーヴ:お前が来てくれるとは思わなかったよ。
彼らは握手をします。
デーヴ:会えて嬉しいよ。
お前の上司のピーターソンに連絡はしてたんだが、
メッセージがお前に届いてないように思えてな。
シェパード:まあ、聞いてすぐに来た。
デーヴは頷いて、不思議そうにロノンを見ます。
シェパード:あー、こちらはロノンだ。
ロノン、デーヴだ、俺の兄貴だ。
デックス:ああ。
始めまして。
デーヴ:(彼と握手します)どうも。
二人は空軍で一緒に働いているのか?
シェパード:彼は民間人だ。
ちょっと信じられないようにデーヴは彼を見ます。
デーヴ:そうか。
とにかく、ジョン、話があるんだ。
シェパード:ああ。
デーヴ:後で話し合おう。
ジョンは頷いて、デーヴは振り返って立ち去ります。
直ぐ近くで、リサーチファクトリーで働いていた女性が、
アトランティスから来た二人を見ていました。
その後、まもなく。
パトリック・シェパードの棺が部屋の中にあります。
そばには彼の遺影が飾ってあります。
2、3人が嘆き悲しみ部屋を出ます。
ジョンは彼らに会釈をしてから、部屋に入りゆっくり父親の棺に近づきます。
彼は人目を気にしてジャケットをボタンを掛け、じっと見つめるように棺を見下ろします。
ロノンが戸口にやって来てジョンが一人で悲しんでいるのを見て、引き換えします。
ジョンは棺を後悔している顔で見つめ続けています。
少し後に。
ロノンは庭で食事の乗ったテーブルを見つけて、
皿に盛れるだけ大量のサンドイッチやケーキを乗せていきます。
彼はテーブルの反対側から彼を見ている男女を見上げます。
デックス:これはタダなんだろ?
女性:ええ、そうよ。
デックス:素晴らしい。
彼は皿をてんこ盛りにしてテーブルを離れます。
その時ウエートレスに微笑みかけます。
彼はジョンに再び近づきます。
ジョンは遠くをじっと見つめながら庭に立っています。
デックス:(口をいっぱいにし)
むこうに食い物があるぞ。
シェパード:俺はいいよ。
デックス:ここがお前の育った家か?
シェパード:その内の一つだ。
デックス:そうか。
シェパード:ああ。
ここにはずっといなかった。
デックス:ん?なんでだ?
シェパード:親父は反抗期の俺をハーバードじゃなくスタンフォードに入れたからさ。
彼はロノンに微笑みます。
ロノンは分からないという顔をしかめ返します。
シェパード:気にするな。
俺が14の時から親父は俺を操ろうとしてきたんだ。
デックス:それで俺達はどうしてればいいんだ?
シェパード:皆何もせずに座って、飲んで…
(ロノンの皿を見て)
食ってるのか?他にもあるぞ。
そして話し合っている。
何を言っていいのか分からんが、話しあってる。
ロノンは全周に渡って人々を見ます。
彼はデーヴが牧師と他の客と話して笑いあっているのを見ます。
デックス:兄貴はうまく立ち回ってるようだな。
シェパード:兄貴の仕事だからな。
デックス:なんで兄貴がいるって話さなかったんだ?
シェパード:複雑な事情でね。
気まずい沈黙がしばらくあります。
その時ジョンは近づいてくる女性を見ます。
彼女はシンプルな黒いドレスを身につけます。
彼は一瞬驚いてから目を逸らして下を向きます。
シェパード:前に結婚してたって言ったっけ?
デックス:ああ、どうしてだ?
シェパード:彼女が来た。
彼は彼女に振り返ります。
ナンシー:こんにちは、ジョン。
シェパード:ナンシー。
ここであなたに会うなんて思ってなかったわ。
彼女は同情して彼を抱擁します。
ナンシー:本当に残念だわ。
彼女は抱擁を放して下がると、ジョンはロノンに向かって身振りで示します。
シェパード:ナンシー、ロノンだ。
ロノン、ナンシーだ。
ナンシーはロノンに手を差し出します。
ロノンはジャケットで手を拭いてから握手に応じます。
ナンシー:お会いできて嬉しいわ。
シェパード:いつまでここにいるんだ?
ナンシー:今日だけよ。
明日、ワシントンに帰るの…
シェパード:まだ国土安全保障?
ナンシー:ええ。
昇進したのよ。
今は部長よ。
シェパード:それは、おめでとう。
彼女は彼に微笑みます。
彼らは数秒間ぎこちなく動きません。
シェパード:グレッグはどうしてる?
ナンシー:グラントよ。
シェパード:そのグラントは?
彼はしかめ面をします。
ロノンは後ろを向いて少し離れた場所に移動します。
おそらく微笑を隠すために、そして背を向けたまま食べ物を食べています。
ナンシー:彼も来たと思うけど、フェニックスで事件の審理中なの。
シェパード:うまくいってるようだな。
ナンシー:ええ、そうよ。
彼とは…ええ、順調よ。
彼女は再びぎこちなく微笑んで、シリアスな顔に戻ります。
ナンシー:お義父さんはいつも私によくしてくれたわ。
シェパード:まあ、俺が君と結婚した事が親父にとって一番のいい思い出だろうな。
ナンシーは少しがっかりしたようにジョンの言葉に微笑みます。
ナンシー:OK。
あなたに会えてよかったわ、ジョン。
気を落とさないでね。
ジョンは頷きます。
彼女はロノンの方を見ます。
ナンシー:お会い出来てよかった。
ロノンは口をいっぱいにし振り返ります。
デックス:こっちこそ。
ナンシーは背を向け歩き去ります。
後に。
家の中のバーがある部屋。
バーテンは飲み物を来客に出しています。
ジョンとロノンはバーに向かいます。
彼らが注文する前に、リサーチファシリティの若い女性が彼らに近づきます。
ディクソン:ジョン・シェパード中佐?
シェパード:ああ。
ディクソン:私はエヴァ・ディクソンです。
(ロノンを見て)
あなたはロノンね。
シェパード:会った事があったっけ?
ディクソン:いいえ、一度も会った事はありません。
でも私と一緒に働いてた人を知ってるはずよ?
ヘンリー・ウォレス。
ジョンは肩をすくめます。
シェパード:分からんね。
ディクソン:(小さな声)
裏と表の顔を使い分けなきゃいけないのは分かるけど、
遊んでる時間はないの。
ヘンリー・ウォレスは、
あなたの同僚のロドニー・マッケイ博士を誘拐した人でしょ。
エイリアンの技術に関わる
非常に不法な研究計画に対する仕事へ彼を無理矢理…
ジョンは彼女の腕をつかんで顔を覗き込み黙らせます。
シェパード:あんた一体何者だ?
ディクソン:話したいけどここでは。
彼らは家を出て、駐車場に向かって歩き始めます。
ジョンはデーヴが何人かの客と話しながら庭に立っているのを見ます。
デーヴは彼を見ます。
ジョンはロノンにキーを投げます。
シェパード:彼女を車に連れて行ってくれ。
ロノンはエヴァと歩き続けてます。
デーヴは客に振り返ります。
デーヴ:すみません。
彼は弟に近づきます。
デーヴ:ジョン。
話があると言っておいたはずだ…
シェパード:あー、野暮用ができて。
行かなければならなくなった。
デーヴ:今日は父さんの通夜だぞ。
シェパード:分かってるが、これは仕事関係なんだ。
デーヴ:(ムッとして)ほう。
そうか。
例のあれか、 最高機密、国家安全、そういった類の?
シェパード:ああ、そんなもんだ。
デーヴ:随分模範的だな。
シェパード:言いたい事があるなら言ってくれ。
デーヴ:俺の知りたい事は、お前は何を期待してここに来たんだ?
シェパード:何の話をしてるんだ?
デーヴ:つまり、相続に文句があるのか?
ジョンは彼を見つめます。
デーヴ:お前が何を求めてるのかは分からないが、推測はつく。
シェパード:そんな事を話し合いたかったのか?
財産の事を?
デーヴ:それじゃ、なぜお前はここに来たんだ?
ずっといなかったお前が、ジョン。
無理して来る必要もないのに。
ジョンは彼をにらみつけます。
シェパード:兄貴、心配する必用はないさ。
彼は背を向けて歩き去ります。
デーヴ:おい。
ジョンは振り返ります。
デーヴ:もし俺の考えに間違いがあったとしても、それは俺のせいじゃない。
お前はここを出て行ったんだ。
俺は残った。
父さんの面倒をみて来たのは俺だ。
お前が自分のしたい事をしていたとき、
俺は跡を継いで仕事をしていたんだ。
シェパード:親父はそれを望んでたんだろうよ。
デーヴ:いや、違うぞ、ジョン、そうじゃない。
父さんはお前達が別れた事を最後まで後悔していたんだ。
彼は背を向けて歩き去ります。
ジョンはしばらく兄の後姿を見つめた後、車に向かいます。
町のバー。
ジョン、ロノン、エヴァはテーブルに座っています。
ディクソン:早くあなた達に会いたかったけど、なかなか見つけられなくて。
シェパード:だろうな、俺達に注目したという事は、
何を望んでるんだ?
ディクソン:過去3年間、私はスタントン研究と呼ばれる会社で、
デブリンの医療技術の部門に勤めていました。
私はリチャード・プール博士という
優秀な科学者に大学からスカウトされたの。
そして原型とコードと名付けられた
極秘プロジェクトを一緒に取り組んでたわ。
デックス:どんなプロジェクトだ?
ディクソン:私たちはナナイツのプログラミングを実験していました。
それらの相互作用の複雑さを増加させようとして。
そして私は、マッケイ博士と彼の妹の事はかなり後になって知ったんです。
当時、私が知っていた全ては、
主要なプログラミングを私たちに与えられたいうことでした。
大きな進展をすることができる何かだと。
シェパード:何の話をしてるんだ?
ディクソン:ナナイツに注目したのは、
機械的システムが分子レベルで生体にどう変化を及ぼすかでした。
でもそれは構成要素として使用するのと、
完全に自己持続型の実体を作るのは全くの別物でした。
フラッシュバックで
プール博士(中年の男)は研究室でコンピュータに座っている
エヴァにコンピュータタブレットを渡します。)
ディクソン:(説明の声)
正直言って、私の代でこれを見れるとは思いませんでした。
でも、突然、私たちは信じられない成果をあげはじめたんです。
そして次に私が知ったのは、こういうことでした。
フラッシュバックで
プールはテーブルに横たわっている人間型のレプリケーターに近づきます。
それは赤いジャンプスーツを身につけていました。
プールがタブレットにタイプすると、レプリケーターの目が開き銀の光を放ちます。
数秒後、光は衰え目は人間のようになります。
デックス:レプリケーターを造ったのか。
ディクソン:自己再生が第一の命令ではないので、その用語は技術的には不正確です。
でも…造りました。
シェパード:そんな許可は絶対に下りないはずだ。
ディクソン:リチャードは上層部が資金を出したと言っていました。
シェパード:そして君は彼を信じたんだな。
ディクソン:少し愚かに聞こえると思いますが、リチャードは私にとって父親も同然でした。
私は幼い時に両親を亡くしました。
私は彼を信じました。
フラッシュバックで、プールは研究室に急ぎます。
ディクソン:(説明の声)でもある日、彼はパニックになって研究室に戻ってきました。
息を荒げプールはコンピュータに急ぎます。
レプリケーターはテーブルの上で座っています。
ディクソン:どうしたんです?
プールはコンピュータに急いでタイプし始めます。
プール:機密保護違反があった。
全てをシャットダウンしなければならない。
ディクソン:(立ち上がり)どうしてです?
プールはコンピュータから記憶モジュールを取って、
ジャケットにそれを入れて、研究室の向こう側に急ぎます。
プール:今はそれを説明している時間がない。
それもだ!
彼が別のコンピュータからケーブルを引くのに従って、
エヴァは自分のコンピュータを閉じ始めます。
プールは壁のパネルに行って、それらのスイッチを切ります。
ディクソン:(説明の声)何があったのか分かったのは後のことでした。
プールはコンピュータタブレットを拾って、タイプしながらレプリケーターに歩きます。
ディクソン:(説明の声)I.O.A.のデブリン医学の研究は終わっていました。
そしてリチャードは証拠を消していたんです。
プールはレプリケーターを見上げます。
プール:本当にすまない。
狂ったように彼はタブレットにタイプし続けています。
レプリケーターはエヴァに向かってまゆをひそめます。
次にプールを見て腕を押え、部屋の向こう側に彼を投げつけます。
プールは壁に激突して床に倒れます。
ディクソン:リチャード!
彼は床で呻きながら横たわり、彼女は彼のところへ急いで屈みます。
レプリケーターはドアに走って開けようとしますがロックされていました。
エヴァは近くの壁のアラームボタンに急ぎ押します。
警報が鳴り始めるとレプリケーターは蝶番ごとドアを引きちぎり部屋の外へと駆け出します。
エヴァはその後を追います。
彼は廊下を駆け、角を曲がると、二人の警備員が向かって走っているのを見ます。
レプは彼らの喉を両手で締め上げ、床に叩き落します。
エヴァが走って角を曲がると、二人の警備員が床に倒れていました。
レプリケーターはどこにも見当たりません。
ディクソン:(説明の声)彼は逃げるために人を殺しました。
脅かせば再び殺すかもしれません。
あなた方に何とかして欲しくて。
バーでは、ジョンとロノンが彼女を見つめます。
シェパード:地球に自由に活動しているレプリケーターがいると言ってるのか?
ディクソン:そうです。
デックス:いつの話だ?
ディクソン:三週間前に逃げました。
私たちは彼を追跡する方法を探していますが、今のところ成功していません。
今ごろどこにいるのか。
スタントン研究設備。
プール博士の研究室、ロノンがドアを蹴破ると二人の兵士と共に突入します。
プールはコンピュータに座っていましたが、
彼に銃を向けた男を見てテロだと思い立ち上がります。
軍人:手を上げろ!
そのままだ!
プールが挙手するのに従って
ロノンは彼に近づき兵士と一緒に腕を後ろにねじ上げ手錠をかけます。
ジョンと軍曹が入ります。
軍曹:(ジョンへ)施設は安全です。
彼しかここにはいないようです。
プール:シェパード中佐とロノンだね?
どうやって私を見つけた?
シェパード:少し手助けしてもらった。
エヴァは別の兵士にエスコートされて部屋に入ります。
プール:エヴァ!
ディクソン:すみません、リチャード。
プール:エヴァ!
なんて事を!
自分がしたことが分かってるのか?
ディクソン:他にどうしようもなかったんです!
もうこんな事、続けられません。
プール:私なら制御できるんだ!
シェパード:お宅の少ない理科の知識のせいで、二人もの男を死なせたんだろ?
そしてそいつはまだ逃亡中だ。
お宅には制御できないね。
プール:彼が殺したのは正当防衛だ!
再び脅かせなければ誰にも危害は加えない。
シェパード:まあ、俺達がそいつを見つけるさ
そして分解する…
彼はポケットから小型の装置を取り出して動かしてからエヴァに手渡たします。
そしてもう一つ同じ装置を動かして、プールにでそれを振りかざします。
シェパード:そしてオタクには手伝ってもらうぞ。
彼はプールのシャツのポケットに装置を落とします。
シェパード:アポロ、準備ができた。
兵士は離れます。
アスガードのトランスポータビームが、兵士以外の者達を吸い上げます。
アポロ。
地球の軌道上にいます。
部屋でジョンとプールが小さなテーブルの横に座っていて、エヴァが近くに立っています。
シェパード:よし、データファイルのアクセスコードから始めようか。
俺達が修復する。
プールは忍び笑いします。
プール:そうは思わんね。
シェパード:俺達ができるのは分かってるはずだ。
プール:全体のディレクトリは448ビットのキーの
シンメトリックのアルゴリズムでコード化されている。
幸運を祈るよ。
ジョンはエヴァを見ます。
シェパード:君はどうだ?
プール:コードは彼女に教えた事はない。
彼女を守るためにな。
彼女に手を出さない限り、私は協力するつもりだ。
彼を連れて来ればいつでも始めよう。
シェパード:それは忘れろ。
プール:ここで信じられないほど高度で貴重な技術の事を話しているんだ。
シェパード:オタクにはオタクのチャンスがあった。
今度は俺の番だ。
そいつを追うのを手伝うのかどうなんだ?
エヴァは一歩進み出ます。
ディクソン:私が手伝います、中佐。
プール:エヴァ…
ディクソン:現実を見て、リチャード。
彼は一人なのよ。
彼は普通の社会的なプログラムはされてないわ。
誰かが彼を怯えさせたり、追い詰めたらどうなると思う?
もう待ってる余裕なんてないのよ。
後に。
ジョンとロノンは船の中を歩いています。
スーツを着た男が後ろから近づきます。
ベイツ:シェパード中佐。
ジョンは驚いて振り返ります。
シェパード:ベイツ!
ベイツはにやりと笑って彼に近づきます。
そして握手のため手を差し出すと、ロノンはジョンを見ます。
デックス:二人は知り合いか?
シェパード:(握手して)
ああ、俺達が初めてアトランティスに到着したとき、ベイツもいたんだ。
レイスとも戦った。
かなり倒したんだぜ。
ベイツ:(ロノンへの)無理やりやらされたんだ。
だが何とか二、三発は撃ち返した。
君は?
彼らは握手します。
デックス:ロノンだ。
シェパード:(ベイツへ)N.I.D.は?
ベイツ:私が空軍で名誉の負傷を追って退役した後
I.O.Aが連絡してきました。
彼らは特に地球に対する脅威に新しい部門を立ち上げていました。
そして、私が選ばれたようです。
シェパード:まあ、お前が現役に復帰してよかったよ。
ベイツ:あなたも、中佐。
シェパード:もう、そういう言い方はしなくていいんだぞ。
ベイツ:(微笑)難しいですね。
長年の習慣はなかなか改まらなくて。
彼らは廊下を歩き続けています。
ベイツ:それで囚人はどうなんです?
シェパード:女性のほうは協力してる。
ベイツ:プール博士は?
シェパード:まあ、ほとんどダメだ。
ベイツ:彼なしでレプリケーターを追跡できますか?
シェパード:ある人に頼んでおいたよ。
研究室。
ジョン、ロノン、ベイツはビル・リー博士に近づきます。
派手なシャツを着て、かなり日焼けをしています。
クリスタルに配線をしながら彼はつぶやいています。
リー:こんな事で緊急呼び出しを受けるなんて。
あの電話に出るべきじゃなかったよ。
シェパード:なあ、博士、これも悪くはないだろ。
リー:ハッ!
この三年間で初めての休暇だったんだぞ!
二週間ずっと、サーフィンはできないけど
太陽のように輝くビキニは見てたかもしれないのに。
それがホテルの部屋から私を転送ビームで連れ出すなんて。
シェパード:彼らはあなたの頼みを聞いたんじゃないか。
次は日焼け止めを使った方がいいじゃないか?
ビルはエヴァに振り返ります。
彼女はコンソールに座っています。
リー:別のを試してみて。
エヴァがタイプするとコンピュータはビープ音を鳴らします。
ディクソン:動きました。
皆は彼女に近づきます。
ディクソン:このセンサ技術は信じられません。
これもエイリアンのものですか?
ビルはジョンを見上げます。
ディクソン:すみません。
忘れてました。
こういった事は聞くべきじゃなかったんですね。
ビルのコンピュータがビープ音を鳴らします。
リー:いいぞ、信号を受信した。
もう少し絞り込めないかやってみる。
彼はタイプして、ウォールスクリーンの地図に近づきます。
リー:ここだ。
彼はここにいるぞ。
デックス:その場所の広さは?
リー:約五ブロックだ。
シェパード:(ベイツへ)一体を封鎖してくれ、そして住民を避難させるんだ。
ベイツ:化学物質の流出として、部下にやらせます。
彼は部屋を出ます。
ジョンはエヴァを見ます。
シェパード:もう一度聞いておきたい事がある。
こいつにはどういった能力があるんだ?
ディクソン:速度、強さ、機敏さは、全て常人を超えた能力です。
シェパード:戦術は?
逃げる事や回避行動は?
何か軍事プログラムされてるのか?
ディクソン:その手のプログラミングは私の担当ではなかったので。
牢屋では。
ジョンはプールが座っているテーブルを歩き回っています。
シェパード:(怒って)この数日間、本当に無駄にした。俺も我慢の限界だ。
彼はテーブルにもたれて、プールをにらみつけます。
シェパード:オタクが協力してくれれば事は簡単に済むんだ。
プール:(皮肉に)どこで?
私の裁判のときにかね?
私の同輩の裁判官と陪審の正面で?
お互いそうならない事は分かってるはずだ。
連中は私をエリア51かどこかの深くて暗い場所に閉じこめるだろう。
二度と日の目が見られないように。
そして私が何を言ったところで、この事は変わらない。
シェパード:そうでもないかもしれないぞ。
彼女はどうだ?
プール:彼女はこの技術が不法に得られたのを知らない。
彼女は完全に潔白だ。
シェパード:まあ、オタクが言ったように裁判はされないだろう。
プール:だが彼女は手伝っているだろう!
シェパード:十分じゃない。
(体をまっすぐにして見下ろします)
どうなると思う、博士?
サーチエリア。
レプリケーターのいるであろう場所に、
ロノン、ジョン、ベイツ、プールが数人の兵士と共に集まっています。
デックス:よし、どこから始める?
シェパード:(プールへ)さて、博士?
ビルは直ぐに近くの車の側面に地図を広げます。
そのエリアは川の縁のドックに似ています。
プール:彼は防衛モードでいる。
基本的に隠れているはずだ。
人に最も遭遇しそうにない場所だろう。
ベイツは地図の領域を示します。
ベイツ:この倉庫じゃないかと。
何カ月も放置されています。
会社は倒産していますから。
プールは近くに立っているA.R.G.を準備した軍曹を見ます。
プール:それは必要ない。
彼はアンチレプリケーター技術に抵抗力を持つように設計されている。
ベイツ:それならどうやって?
プール:原材料がなければ彼は自己修復に制限がある。
(ため息をつき)
もし彼を壊したいと言うのであれば
かなりの弾薬は必要にはなるが、通常兵器で目的を達成できる。
シェパード:俺達の武器でか。
俺達が見つかったら奴はどう出る?
プール:できるだけ長い間回避行動をするだろう。
最後の手段として反撃に移る。
ジョンは軍人に説明します。
シェパード:よし、よく聞いてくれ。
最初は正攻法でやってみる。
二チームでやるぞ。
目的は目標を見つけることであり、見つけたとしても交戦はするな。
位置を無線で知らせろ。
合流する。
奴を追い詰める事ができなかった場合、総攻撃をかける。
俺達はできる、そして奴を外に追い出すんだ。
いいな?
行くぞ。
彼らは異なった方向へ立ち去り始めます。
ベイツ:プール博士、あなたは私と一緒に。
軍曹はロノンにライフル銃を渡そうとします。
デックス:いや、俺はいい。
彼はバッグからブラスターを取り出します。
ジョンはライフル銃を取ります。
軍人が歩き去るとロノンはジョンを見ます)
デックス:調子はどうだ?
ジョンは肩をすくめます。
デックス:大変な一週間だな。
シェパード:ああ。
彼らが動き出すとき、ロノンは同情して彼の背中に手をおきます。
倉庫の周りで、チームは探し始めます。
ベイツはプールを連れて2つのビルの狭い隙間を行きます。
そして彼は手で静止の合図を出します。
プール:どうしたんだ?
ベイツ:いたぞ。
彼はヘッドホン無線を動かします。
ベイツ:シェパード中佐、応答を。
シェパード:(無線で)どうした。
ベイツが小さな双眼鏡で覗くとレプリケーターはビルへのドアを開けて中に入ります。
ベイツ:目標を発見。
私の位置から真東の約100ヤードのビルに隠れています。
単独のようです。
シェパード:そのままそこにいろ。
1分でそこに行く。
ベイツ:了解。
ベイツ、アウト。
彼は無線を非活性化します。
プールはベイツが話している間、辺りを見回していました。
即座に大きな木の板を拾いベイツの後頭部を殴りつけます。
ベイツは地面に気を失って倒れます。
プールは板を捨てビルに向かって走ります。
ドアを開けて彼は中に入ります。
プール:おい?
大丈夫だ。
出てきても大丈夫だ。
お前を助けるために来たんだ!
後ろで物音を聞いて彼は振り返ります。
レプリケーターは隠れ場所からゆっくり、ためらいがちに彼に向かって歩き始めます。
プール:いいぞ。
OK、私の言うことを聞いてくれ。
お前を探している男達がむこうにいる。
それは問題ない。
私がお前を脅威ではないと納得させられれば、
彼らはお前を傷つけたりはしない。
レプリケーター:どうやって私を見つけたんです?
プール:お前のナナイツはエネルギーサインを発している。
それを追跡したんだ。
だからもうお前は逃げても無駄なんだ。
(より近づき)
私の言う事を聞いてくれ。
お前は活動を停止させるんだ。
レプリケーターは頭を横に振っています。
プール:以前、研究室で何回もやっただろう。
お前を後でオンラインにするのはいつも私がやっていたじゃないか。
あれと少しも違いはない。
レプリケーターは頭を下げます。
プールはより近づきます。
プール:私を信じなさい。
レプリケーターは希望をいだいて彼を見上げます。
プール:全て問題はない。
レプリケーターは突然プールの喉を掴みます。
彼は残念そうな顔をします。
レプリケーター:すみません。
外では、ジョンとロノンが走って角をまがると、
ベイツが地面に横たわっているのを見て止まります。
彼らは彼に向かって走ります。
そのエリアをチェックするロノン
ジョンはベイツに屈み、無線を作動させます。
シェパード:アポロ、こちらシェパード。
すぐにベイツを収容してくれ。
デックス:(見回し)プール博士はどこだ?
彼らは兵器を上げてビルの方を見回し始めます。
デックス:おい。
こっちだ。
彼はプールが床に倒れているのを見つけます。
ジョンはプールに走って、彼の首の脈を確認します。
シェパード:死んでいる。
アポロ。
シェパード:(無線で)リー、聞こえるか。
リー:えー、ああ、どうぞ。
シェパード:問題が発生した。
プールが死んだ。
近くにいたエヴァは驚いた顔でビルに振り向きます。
シェパード:レプリケーターの追跡は?
リー:えー、ああ、すぐに。
彼はタイプします。
リー:OK、見つけたぞ。
移動中だ。
南に向かってるようだ…
ちょうどその時スクリーンが乱れ地図が消えます。
「信号消失」というメッセージが現れます。
リー:うわっ!
シェパード:どうした?
リー:えー、し、信号を見失った。
シェパード:クソッ!
リー:私のせいじゃない。
彼が姿を消したんだ。
シェパード:じゃあ、すぐに見つけろ。
ロノン俺が追いかける。
彼らは外へ走って見回します。
数秒後、彼らは銃声を聞いて、音に向かって走ります。
彼らは軍曹が倒れていっるのを見つけます。
意識はありますがかなり重症を負っています。
軍曹:すみません。
交戦すべきではなかったのですが、突然現れて。
気がついたときには、我々は襲われていました。
ロノンは地面に倒れているもう一人の兵士に走り、首の脈を確認します。
シェパード:よし、大丈夫だ、軍曹。
しっかりして座っているんだ。
彼はロノンに振り返ります。
ロノンは首を横に振ってもう一人の方は死んでいると示します。
多くの兵士達がやってきます。
ジョンはロノンに近づきます。
ジョンは新たな兵士達を見ながら親指を後ろの軍曹に向けます。
シェパード:彼の手当てを。
(ロノンへ)
逃げるために何でもしてる。
デックス:破れかぶれだな。
俺達が捕まえにきたのを知ってるぜ。
ジョンは無線を動かします。
シェパード:こちらシェパード。
プランの変化だ。
一旦下がって、周囲を封鎖してくれ。
ロノンと俺で奴に接触する。
デックス:行くぞ。
兵士に軍曹をまかせ彼らは走ります。
ジョンは壁についている金属の階段に向かいます。
ジョンはそこへ小走りに向かいます。
上に登ると
壁の向こう側に用心深くライフルを向けながら反対側の階段を下ります。
ジョンの登った階段の更に上の階段に隠れていたレプリケーターは
ジョンの上に隠れていた場から飛び出して、ジョンの登ってきた階段を滑り降ります。
ジョンは身をよじって発砲しますがレプは下の階へと飛び移ります。
銃声を聞いたロノンは振り返って引き返し始めます。
レプリケーターは地面に着地します。
ジョンの撃った銃弾は太ももの側面に当たってかなり大きな穴が開いています。
穴は直ぐにふさがりますが、再び肉色までは回復はせずに銀色のままです。
逃げるレプリケタージョンの後姿にジョンは発砲します。
シェパード:(無線へ)南東の水辺に向かっている。
デックス:了解。
彼は同じ方向に駆け出します。
レプリケーターの視界にロノンが入ります。
そしてロノンはブラスターを向け発射しますが命中はしません。
レプはビルに駆け込んで、地下室への金属階段を飛び降ります。
レプは下に着くと一瞬立ち止まって、静かに暗闇に後退します。
ロノンは用心深く階段を下りてきます。
階段の隙間にブラスターをむけながら。
下に降りると即座の辺りを確認しながらレプの行った方に向かいますが、
すぐに別の場所へと移動します。
その後まもなく、レプリケーターは廊下を走っています。
ジョンはその廊下を先回りしていて、レプの胸に発砲します。
レプリケーターは銀色の破片をばら撒いて立ち止まり、来た方向へと引き返します。
ジョンはその背中に発砲します、そして銀の砕片をばら撒きながらレプは走り続けます。
ジョンは後を追います。
レプは建物の外に出ます。表で警備していた兵士はそれに気づいて発砲をします。
レプは反対方向へと駆け出します。
ジョンは用心深く戸口に走って外を見ます。
彼は兵士の銃先に入らないように出てきます。
そして逃げるレプリケーターの背中に向かって発砲します。
ロノンがレプの行く手に現れ急停止します。
左にはビルの壁があり、右には川があります。
レプは脇にあったクレーンを登り始めます。
登り続けているレプに、ジョン、ロノン、兵士達は発砲を繰り返します。
ロノンはクレーンをよじ登り始めます。
ジョンと兵士たちは発砲を続けています。
ロノンがレプリケーターに接近するとジョンが兵士達に命じます。
シェパード:撃つな!
ロノンはレプリケーターと同じガントリーに達します。
レプは振り返って逃げ出そうとしますが逃げ道はありません。
レプは下の川を見ます。
そしてロノンを見ます。
ロノンはブラスターを上げて構えます。
しかしレプはガントリーからジャンプして川に飛び込みます。
皆は埠頭の縁に駆けつけて下を見ます。
心待ちに武器を川面に向けて…
しかしレプリケーターは浮上しません。
後に。
夕暮れ。
小さなゴムボートがダイバーの帰りを待ちます。
ベイツは氷嚢を後頭部に当てながら
ジョン、ロノンと共に埠頭を歩いています。
ベイツ:二度全域をチェックしました。
彼のサインはありません。
デックス:今ごろどっかに逃げてるな。
シェパード:トラッキング・システムは?
ベイツ:リー博士が取り組んでいますが、センサにはまだ何も。
彼は信号にマスクをかける方法を見つけたのでは。
シェパード:それはいいな。
振り出しに戻ったな。
アポロ。
ジョン、ロノン、ベイツは船に戻りました。
リー:すみません。
何とか感度を200%に上げたんですが、まだ何も拾えません。
シェパード:研究室から持ってきたファイルは?
リー:解読プログラムを走らせてますが、まだ時間が掛かります。
少し調整しないとならないかも。
シェパード:じゃあ、当分それに焦点を合わせてくれ。
リー:彼を追跡するのに役に立ちそうなものはないでしょう。
シェパード:知ってる、でも何か変だ。
ベイツ:どういう意味です?
シェパード:プールは何故あそこに入った?
何故火中の栗を拾うまねをした?
デックス:レプリケーターと話し合えると思ったんじゃないか?
シェパード:たとえそうだとしても、
俺達が奴を破壊しないとしたとしても
プールの罪は変わる事はない。
ベイツ:多分、彼は一生をかけた仕事を破壊されるのを見くなかったのでは。
シェパード:それは奴が俺達に望んだ事で、俺はそうは思ってない。
奴はこの技術の半分を与えられた。
残りは盗み出したんだ。
いや、レプリケーターを救いたがっていた。
何らかの旨みがあると思ったんだろう。
俺は買い手がいると思っている。
レプを商品として欲しがっている誰かだ。
ベイツ:そういった連中は軍か、元軍人で
たぶん大佐級です。
将軍級では、注目を浴び過ぎます。
正規のI.O.A.経由では分からないでしょう。
こういった連中は公式の認可もなく影で動いてますから。
シェパード:そういった連中はこそこそしてるもんだ。
デックス:それで、俺達はこれからどうする?
ジョンはため息をつきます。
ワシントン。
昼間。
公園で、ジョンは待ちながらベンチに座っています。
ナンシーが彼に近づきます。
ナンシー:あら、これは驚いたわ。
シェパード:(立って)どうして?
ナンシー:二日間で二度もジョン・シェパードに会ったんだもの。
彼らは座ります。
ナンシー:結婚していたときは、あなたをほとんど見かけなかった。
何の用?
シェパード:あー、手伝って欲しい。
えー、できるだけ多くの情報が必要なんだ。
原型とコードと呼ばれるプロジェクトの。
ナンシー:私のセキュリティクリアランスを使って機密情報を欲しいわけ?
シェパード:簡単な事だとは言ってない。
ナンシー:私がどうやって今の地位を得たのか分かってるの?
もし見つかったら、私は全てを失う事になるのよ。
シェパード:分かってるさ!
これが重要じゃなかったら、頼みには来ない。
ナンシーはため息をつきます。
ナンシー:分かったわ。
それはどういった事なの?
シェパード:話せないんだ。
ナンシー:ああ、いつも通りね!
シェパード:それはどういう意味だ?
ナンシー:4年間以上もあなたに会ってないのよ。
なのに私に危ない仕事をさせるのに、理由も言わないなんて?
シェパード:君がそんな風に言うのはなんだか癪に障るな。
ナンシー:まあ、やっと気づいたのね、嬉しいわ!
もう少し早く気がつかなくて残念だったわね?
私たちがまだ結婚してたときの事を色々思い出すわ。
休みの日に呼び出を受けたの覚えてる?
謝りもせずに、説明もない…
いつだってあなたは世界中を駆けめぐってた。
極秘任務でソマリアに飛んだときも。
シェパード:それは違うぞ。
ソマリアには一度も行ったことはない。
ナンシー:じゃあ、北朝鮮。
シェパード:大きな違いだろ。
ナンシー:あの時の事はもういいわ。
今は関係ないから。
ジョンは頷きます。
シェパード:そうか。
スタントン研究設備。
エヴァは持ち物を箱に詰めています。
警備員が彼女を見ています。
ジョンが入ります。
シェパード:やあ。
ディクソン:中佐。
呼ばれたので、彼の私物をまとめるようにと。
シェパード:こんな事になってすまなかった。
ディクソン:私もです。
彼が死んだのは私が裏切ったせいだわ。
シェパード:君のせいじゃない。
ディクソン:慰めてくれて、ありがとう。
でも、このプロジェクトは彼の全てだった。
シェパード:まあ、君にとっても彼は全てだったろう。
人が何を思ってるかは分からないものさ。
ディクソン:親しい人でも?
シェパード:特にな。
ジョンは顔をしかめ言葉を止めます。
エヴァは彼を見ます。
ディクソン:中佐?
彼は顔を上げます。
シェパード:あの、こんな時に聞くのは何だが、
聞きたい事があるんだ。
ディクソン:何ですか?
シェパード:このプロジェクトを他に知ってた者は?
ディクソン:いいえ
シェパード:誰も君達の進捗状況を確認しに来なかったのか?
ディクソン:リチャードと私しか研究室に近づく事はできませんでした。
シェパード:彼は誰かに連絡を取ってなかったか、軍とか?電話やメールで?
ディクソン:私の知ってる限りないわ。
シェパード:分かった。
彼は立って去り始めます。
ディクソン:中佐、センサーの調子はどうなんです?
シェパード:(彼女に向き)まだだが、
リー博士があと少しで暗号化コードを破れると言っていた。
ディクソン:不可能だと思ってました。
シェパード:ふむ、そうでもないんだ。
アポロ。
ジョンはビルの研究室に入ります。
シェパード:さて、調子はどうだ?
デックス:ちょうどお前を呼ぼうと思ってたところだ。
リー:何とか研究室からのファイルを開けたよ。
シェパード:よくやった。
何かでてきたか?
リー:ああ、そう言うと思ってたよ。
彼はエヴァの写真が映っているファイルをモニタに出します。
リー:スタントン研究人材記録だ。
それはエヴァ・ディクソンのファイルだよ。
去年の12月に、彼女は交通事故を起こしていた。正面衝突だ。
彼女は一年前に死亡している。
スタントン研究設備。
銃を掲げジョン、ロノン、ベイツは研究室に乱入しました。
しかし、警備員だけが床に倒れていました。
ジョンは警備員の首の脈をチェックします。
デックス:死んでるのか?
シェパード:いや、目覚めたら頭痛が激しいだろうな。
ベイツは机から1枚の紙を手に取り見ます。
ベイツ:シェパード。
彼は紙をジョンに渡します。
ジョンは声を出してそれを読みます。
シェパード:「シェパード中佐へ
こんな事になるとは思っていませんでした。
本当に残念です。
エヴァ。」
彼は紙を捻って床に投げ、彼らは部屋を出ます。
アポロ。
デックス:それで?彼女はレプリケーターなんだな。
リー:ああ、そのようだ。
二つの設計図を手に入れた。
一つは男性でもう一つは女性だ。
シェパード:センサは?
リー:あー、まだ何も。
彼女はエネルギーサインにマスクをかけている。
もう一人と同じように。
ベイツ:どうしてなんだ。
彼女は私たちのところに来た。
なぜ黙っていたんだ?
リー:彼女はなぜ警備員を殺さなかったのか?
シェパード:そうか、良心を持ったレプリケーターだ。
リー:まあ、彼女のプログラミングはもう一人とは違っている。
彼は軍事モデルだ。
彼女は社会的な相互作用に設計されている。
感情のシミュレーション、たぶん感情移入さえも。
彼は死んだ女性を彼女と置き換えた。
ベイツ:だから彼女は殺人を犯さないという事ですか?
リー:そうとは言い切れないが、不可能でもない。
シェパード:まあ、両方捕まえるしかないな。
そのファイルから何か役に立つものは?
リー:あまりなさそうだね。
男の声が無線機から聞こえてきます。
声:シェパード中佐、応答を。
シェパード:ああ、シェパードだ。
どうした。
声:あなたに急報です。
ピーターソンからの中継です。
ジョンは部屋から顔をしかめて向かいます。
ワシントン。
ジョンは停車中の車に座って待っています。
彼が時計を確かめていると
ナンシーが助手席側のドアを開けて入ります。
シェパード:本当にスパイ活動をしてくれたのか。
ナンシー:映画を見て学んだのよ。
彼女はメモリースティックを彼に渡します。
ナンシー:原型で見つけられたのはそれで全部よ。
そんなには多くなかったわ。
それに誰もそんな物、触りたがらないでしょ。
シェパード:借りができたな。
ナンシー:あなたのせいで滅茶苦茶だわ!
彼女はニコッと微笑みます。
ナンシー:なんか変なの。
一緒に暮らしてたときは
私に何も言ってくれなかった事が耐えられなかった。
あなたがどこに行くのも言わなかった事が。
そして、今は、グラントが昔の私のように思ってると思うと。
ジョンは同情して彼女を見ます。
ナンシー:調べまわってたとき
悪いとは思ったけどあなたの事を調べてみたわ、ジョン。
シェパード:それはいい考えじゃないな。
ナンシー:うん、私もそう思ったわ。
前にも壁が立ちはだかったのは見たことあるけど、これほどじゃなかった。
あなたが何をしてるのか分からないけど、
これは明らかに大きくて
私が思うに非常に危険な香りがするわ。
彼女は彼の腕を握ります。
ナンシー:十分に気をつけてね。
シェパード:俺の事は分かってるだろ。
ナンシー:ええ、それが問題なのよ。
ジョンはかすかに彼女に微笑みます。
ナンシー:さようなら、ジョン。
彼女は車を降りて歩き去ります。
アポロ。
ビルと他の者はナンシーが提供した情報に目を通しています。
リー:彼女の言うとおり
本当に何もないな。
研究室要求、秘密保持契約。
ああ、ここに面白いものがある。
社内メモだ、従業員に再舗装のため南駐車場を使用しないようにだと!
彼は別のスクリーンを呼び出して、より関心があるように見ます。
リー:待ってくれよ。
デックス:どうした?
リー:これはレディングであらかじめ組み立てられた石工パネルを倉庫に運ぶ指示の送り状だ。
シェパード:だから?
リー:だからって?
「あらかじめ組み立てられた石工パネル」だ。
それはニュウトロニウムの出荷を特定するのに数カ月前に使用した暗号だよ。
ジョンは肩をすくめます。
リー:ニュウトロニウムは、ナナイツの原料だ。
彼を撃ったんだろ?
完全に修理したいなら、彼はこれが必要となる。
シェパード:倉庫に行くことになる。
リー:ああ、そうだ。
ベイツ:彼はどこに倉庫があるか知っている。
リー:まあ、正直言って、私たちには分からない。
シェパード:それを使おう。
ベイツ:分かりました。
私は張り込みの準備をします、もし現れたら
場所も分かるはずです。
彼は部屋を出ます。
ロノンはジョンを見ます。
デックス:今回が仕留める最後のチャンスだ。
永遠に葬らないとならないぞ。
リー:簡単には行かないだろうね。
これが映画だったら
溶鉱炉とか火山に落とせばいいんだけど。
リーは笑いジョンを見ると、ジョンは目を細めます。
リー:どこの火山がいいと思う?
デックス:(ジョンへ)一体何を話してるんだ?
シェパード:それはいいアイディアだぞ!
デックスとリー:(同時に)本当?
レディング倉庫。
ジョン、ロノン、及び何人かの兵士が倉庫の中に潜入します。
様々なコンテナーの後ろに隠れます。
声がジョンのヘッドホンから聞こえます。
声:シェパード、こちらアポロだ。
こっちの準備はできたぞ。
シェパード:了解。
デックス:本当に奴は現れると思うか?
シェパード:I.O.A.から奴をこの近くで見つけたと言ってきた。
デックス:もし奴がIOAを見つけたらどうなるんだ?
ジョンは無線を動かします。
シェパード:ベイツ。
何か見えるか?
ベイツ:(無線で)ネガティブ。
こっちは静かなもんです。
シェパード:(ロノンへ)辛抱しろ
奴は現れる。
その時レプリケーターが姿を現わします。
上から飛び降り両手に一人づつ兵士の首をつかみます。
そして後ろへと投げ捨てます。
ロノンは立ち上がって真っ直ぐにレプリケーターの胸をブラスターで撃ちます。
レプは一瞬後ろに仰け反りますが走り出します。
ロノンはレプを追いかけますが逆につかまります。
レプはロノンを殴りつけロノンは床に吹っ飛びます。
レプはそのまま逃げ出そうとしますが、ジョンは後ろから背中を撃ちます。
レプは振り返って引き返します。
ジョンはベストから小型の装置を取り出します。
しかし彼が何かをしようとする前にレプリケーターは彼の腹を蹴ります。
ジョンは部屋の向こう側に吹っ飛びます。
彼は籠に衝突して床に倒れます。
レプリケーターはジョンに近づき後ろの籠に彼を押し付けながら喉に手を掛けます。
ゆっくりとジョンは窒息し始めます。
ジョンが気を失う寸前、エヴァがどこからか現れレプリケーターをつかんで投げ飛ばします。
ジョンが床に崩れ落ちると彼女は喘ぐジョンを見下ろします。
次に彼女は、立とうとするレプリケーターに近づき顔を蹴り上げます。
レプは立ち上がり二人は戦い始めます。
彼らの力は互角のようで、戦いはしばらく続きます。
ジョンはエヴァを助けることができないくらい息が乱れています。
そしてロノンは意識を取り戻します。
レプリケーター同士の戦いは続きます。
ついにレプリケーターがエヴァを投げつけ
彼女は床に倒れます。
レプはガス・ボンベを掴み彼女の頭をそれで攻撃します。
そして彼女を見下ろします。
レプリケーター:邪魔をしないでくれ。
ボンベを落とすと部屋の向こう側に彼女を蹴ります。
彼女は別の籠に激突して床に倒れます。
ロノンはやっと立ち上がりはじめます。
そして後ろからレプリケーターをつかみレプを殴りつけますが
レプは振り返ってロノンの喉をつかみます。
そして背後の籠にぶつけます。
ジョンは床の向こう側に這っていって装置を拾います。
彼は素早くつかむとスイッチを押します。
装置からは刃のような物が飛び出します。
レプリケーターがロノンを絞め続けているとジョンはレプの背中をその装置で刺します。
レプリケーターはロノンを放してジョンの方を向きます。
顔は殺人鬼の表情です。
ジョンは叫びます。
シェパード:今だ!
トランスポータビームがレプリケーターを連れ去ります。
エヴァは立ち上がります。
ディクソン:どうなったの?
彼にどこに?
シェパード:(消耗して床に落ち込み)
低い地球の軌道だ。
経験上、再突入がどんなもんか知ってる。
宇宙空間でレプリケーターは再具体化します。
腕と足は無重力に開き下の地球の大気へと飛び込み始めます。
末端部分から火が点き始め、次に顔が発火し、最終的には全体を包み崩壊します。
アポロ。
スクリーンには収容室にいるエヴァのライブ映像が映り、
ジョン、ロノン、ビル、ベイツはそれを見ています。
ベイツ:I.O.A.は彼女を解放しないでしょう。
デックス:彼女が逃げ出してたら俺達には見つけない。
彼女が残った理由は、俺達を助けたかったからだろ。
シェパード:ああ、分かってる。
ベイツ:彼女はマシンです。
リー:まあ、私たちもマシンだよ。ただ違ったところはあるがね。
デックス:別の星に彼女を連れて行ったらどうだ?
人のいない誰にも危害を与えられない場所に?
シェパード:(しかめ面)それでは大して変わらない。
ベイツ:I.O.A.は彼女に地球からは出さないでしょう。
リー:スターゲイトコマンドで働いたらどうだ?
彼女は貴重な資産だ。
ベイツ:彼女は脅威になる。
リー:そんな事はないさ!
シェパード:いや、彼は正しい。
それでも彼女がレプリケーターという事実は変わらない。
デックス:で、どうするんだ?
ジョンはスクリーンを見ながら深く考えます。
その後。
ジョンとエヴァは地球の公園を散歩しています。
シェパード:新しい人生はどうだ?
ディクソン:少し落ち着いたわ。
私の解放の条約の1つが、科学分野の仕事は探さない。
正直言って、どうしていいか分からない。
シェパード:まあ、君なら何とかなるさ。
ディクソン:感謝してます、中佐。
私のために弁護をしてくれなかったら、私を解放してはくれなかったはずです。
シェパード:俺の命を救ってくれただろ?
弁護くらいしか俺にはできなかったが。
ディクソン:正直言って
少し怖いんです。
この感情が人工なのは知っています。
でも私にとっては本物なんです。
シェパード:で、何が怖いんだ?
ディクソン:私は一度も一人になったことはありません。
リチャードが今まで家族同様でした。
彼女は止まって彼に向きます。
ディクソン:とにかく、私にまた会ってくれて嬉しかったわ。
もう二度と会えないんでしょ。
シェパード:俺が仕事で学んだ事に「決して」はない。
ディクソン:さようなら、中佐。
彼女は歩き去ります。
ジョンは彼女が後姿を見ます。
次の瞬間ジョンは消え失せます。
スターゲイトコマンドでは「オーロラ」で見られたものと
同様の冬眠ポッドが壁から出てきます。
ポッドのフタが開きジョンが中にいます。
ビルが彼に近づくと、彼は目を開けます。
リー:どうでした?
どんな感じでした?
シェパード:(きちんと座って出ます)あれは、いい仕事だ。
実にリアルだった。
リー:そうでしょ。
完璧な状態で彼女の意識をダウンロードできてよかった。
とにかく彼女は今、バーチャル世界で過ごしている。
シェパード:しばらくは彼女をそっとしておこう。
ロノンは机に向かって座っています。
デックス:それで、彼女の残りはどうなったんだ?
リー:彼女のナナイツの結束を非活性化した。
効果的に彼女を元の素体に戻したよ。
ロノンはちょっと彼を見ます。
次に、ジョンの方に意味不明の顔を向けます。
シェパード:スクラップにしたって事だ。
デックス:そうか。
で、引き返すのか?
シェパード:ああ。
お前は先に帰ってくれ。
俺はまだやる事が残ってるんでね。
ジョンは部屋を出ます。
顔をしかめてロノンはスツールごと回転し彼の後姿を見ます。
タクシーがジョンの家の前で停車します。
そしてジョンは後部座席から出ます。
彼はちょっと身構え、正面玄関へ近づきノックします。
兄のデーヴがドアを開けて、彼を見て驚きます。
ジョンは兄の驚いた顔をじっと見つめます。
しばらくするとデーヴは頷きます。
デーヴ:入いれよ。
わずかに微笑んでジョンは中に入ります。
デーヴは微笑んでドアを閉じます。
おしまい